特許第6430475号(P6430475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6430475
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】低温硬化性エポキシ系のための硬化剤
(51)【国際特許分類】
   C08G 59/50 20060101AFI20181119BHJP
   C08K 5/06 20060101ALI20181119BHJP
   C08K 5/07 20060101ALI20181119BHJP
   C08G 59/14 20060101ALI20181119BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20181119BHJP
   C08L 101/06 20060101ALI20181119BHJP
   C09D 163/04 20060101ALI20181119BHJP
   C09D 7/40 20180101ALI20181119BHJP
   C09D 163/02 20060101ALI20181119BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   C08G59/50
   C08K5/06
   C08K5/07
   C08G59/14
   C08L63/00 Z
   C08L101/06
   C09D163/04
   C09D7/40
   C09D163/02
   C09D5/00 D
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-500665(P2016-500665)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-512279(P2016-512279A)
(43)【公表日】2016年4月25日
(86)【国際出願番号】US2014020758
(87)【国際公開番号】WO2014149763
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年1月18日
(31)【優先権主張番号】61/798,703
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・シュローツ
(72)【発明者】
【氏名】ルドヴィック・ヒューエルカンパー
(72)【発明者】
【氏名】マーカス・ファーラー
(72)【発明者】
【氏名】ザビネ・ダブラー
(72)【発明者】
【氏名】カルメン・ウィードマン
【審査官】 大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00995767(EP,A1)
【文献】 国際公開第2011/059500(WO,A1)
【文献】 特開平09−110965(JP,A)
【文献】 科学大事典 第2版,丸善株式会社,2005年 2月28日,933頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G59
C08L63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)
i)少なくとも3の官能基を持つポリマーであって、少なくとも1つのエポキシ基を含有する、前記ポリマー、及び
ii)アミン、
の反応生成物である付加物であって、水溶液として存在する、前記付加物と、
b)キャッピング剤と、
c)スチレン化フェノール、ジイソプロピルナフタレン、p.−t.−ブチルフェノール、ベンジルアルコール、プロピオン酸、乳酸、セバシン酸、アゼライン酸、アミドスルホン酸、及びクエン酸からなる群から選択される変性剤を含む、硬化剤組成物であって、
前記アミンが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、m−キシリレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、1,3BAC、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記キャッピング剤が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、p.t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、C12/C14脂肪族アルコールグリシジルエーテル、及びホルムアルデヒドからなる群から選択される、硬化剤組成物
【請求項2】
前記付加物の総重量に基づいて、前記ポリマーは、30重量パーセント〜95重量パーセントの範囲の量で、前記付加物中に存在し、前記アミンは、5重量パーセント〜70重量パーセントの範囲の量で、前記付加物中に存在する、請求項1に記載の硬化剤組成物。
【請求項3】
前記硬化剤組成物の総重量に基づいて、前記付加物は、5重量パーセント〜95重量パーセントの範囲の量で、前記硬化剤組成物中に存在し、前記キャッピング剤は、0.1重量パーセント〜10重量パーセントの範囲の量で、前記硬化剤組成物中に存在する、請求項1に記載の硬化剤組成物。
【請求項4】
a)
i)少なくとも3の官能基を持つポリマーであって、少なくとも1つのエポキシ基を含有する、前記ポリマーと、
ii)過剰量のアミンと、を反応条件下で接触させて、付加物を形成することと、
b)過剰なアミンを蒸留して、前記付加物の水溶液を形成することと、
c)
i)前記付加物の前記水溶液と、
ii)キャッピング剤と、
iii)スチレン化フェノール、ジイソプロピルナフタレン、p.−t.−ブチルフェノール、ベンジルアルコール、プロピオン酸、乳酸、セバシン酸、アゼライン酸、アミドスルホン酸、及びクエン酸からなる群から選択される変性剤と、を混合して、
硬化剤組成物を形成することと、を含む、方法であって、
前記アミンが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、m−キシリレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、1,3BAC、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記キャッピング剤が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、p.t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、C12/C14脂肪族アルコールグリシジルエーテル、及びホルムアルデヒドからなる群から選択される、方法
【請求項5】
ステップa)の前記反応条件が、60℃〜140℃の範囲の反応温度を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
硬化性組成物であって、
I)請求項1に記載の前記硬化剤組成物と、
II)液状ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、液状ビスフェノール−Fジグリシジルエーテル、液状エポキシノボラック、固体ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるエポキシ樹脂と、を含む、前記硬化性組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の前記組成物から調製されるコーティング。
【請求項8】
請求項6に記載の前記組成物から調製されるプライマー。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
序文
アミン含有硬化剤は、エポキシ樹脂用途に有用である。1種類のアミン硬化剤は、水性硬化剤である。水は、不燃性、非VOC、非毒性、及び無臭であるため、理想的な「溶媒」である。水性硬化剤は、容易な加工性、湿潤基板への低い感受性、良好な乾性、ほとんどの基板への優れた粘着性、非常に良好なインターコート付着性、及び鋼鉄上での良好な防食性を示す。水性硬化剤は、ポリアミノアミド、「遊離」単量体アミンを持つアミン/エポキシ付加物、及び遊離アミンを持たないアミン/エポキシ付加物に分類することができる。水性硬化剤は、多くの場合、ポリマー開始物質から作製される。水性硬化剤は、溶媒または任意の他の揮発性有機化合物(VOC)を使用することなく、非常に低い粘性のエポキシ樹脂/硬化剤の組み合わせを達成しなければならないときに使用される。原則として、水は、水性エポキシ樹脂または水性硬化剤として両方の成分とともに使用され得る。好ましい技術的解決策は、化学反応を介して自己乳化基を硬化剤へ導入することである。水は、膜形成及び硬化のときに蒸発する。非水性系では、ベンジルアルコールなどの高沸点VOCが、配合物に使用される。それらは、可塑剤として作用し、配合物のガラス転移温度(Tg)を低下させることができる。
【0002】
自己乳化を提供する硬化剤に導入される基は、多くの場合、ポリアルキレンオキシド型(EO/PO/BuO)のものである。それらは、わずかな可撓性を提供するが、ベンジルアルコールといった可塑剤を使用する場合ほどではない。それらの硬化剤の1つの欠点は、硬化時に、可撓性ではないエポキシ樹脂との三次元網目を形成することである。三次元密度を低減することができる他の硬化剤は、通常、不良な耐化学性を有する。
【0003】
したがって、硬化時に、高すぎる密度を有することなく可撓性を有し、また良好な耐化学性を有し、かつ可塑剤を使用せずに自己乳化性及び可撓性も提供する、水性アミン含有硬化剤化合物の必要性が存続している。
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの広範な実施形態において、a)i)少なくとも3の官能価を持つポリマーであって、少なくとも1つのエポキシ基を含有する、ポリマー、及びii)アミン、の反応生成物を含む単離付加物であって、水溶液として存在する単離付加物と、b)キャッピング剤と、を含む、からなる、または、から本質的になる硬化剤組成物が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
単離付加物
一実施形態において、本組成物の1つの成分は、ポリマー及びアミンの反応生成物を含む単離付加物である。
【0006】
このポリマーは、全てのOH基が少なくとも3回アルコキシ化される程度まで、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド)と反応させた、多官能性脂肪族または芳香族アルコールの生成物である。末端OH基は、エポクロロヒドリン(epochlorohydrin)との反応、及び後続の脱ハロゲン化水素によるグリシジル基によって終端される。
【0007】
ポリマーの例としては、概して、少なくとも1つのエポキシ基及び少なくとも1.8の平均官能価を有するエポキシ化合物を含む、ポリマー粒子が挙げられる。ポリマーは、別の実施形態において、1.8〜3.8の範囲の官能価を、さらに別の実施形態において、2.2〜3.2の範囲の官能価を、さらに別の実施形態において、2.3〜3.0の範囲の官能価を有する。ポリマーの例としては、限定されないが、Polypox(商標)VE 101592、D.E.R.(商標)732、及びD.E.R.(商標)736が挙げられる。
【0008】
アミンの例としては、限定されないが、脂肪族ポリアミン、アリール脂肪族ポリアミン、環状脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、複素環式ポリアミン、ポリアルコキシポリアミン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。ポリアルコキシポリアミンのアルコキシ基は、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシ−1,2−ブチレン、オキシ−1,4−ブチレン、またはそれらのコポリマーである。
【0009】
脂肪族ポリアミンの例としては、限定されないが、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、トリメチルヘキサンジアミン(TMDA)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(N3−アミン)、N,N’−1,2−エタンジイルビス−1,3−プロパンジアミン(N4−アミン)、及びジプロピレントリアミンが挙げられる。アリール脂肪族ポリアミンの例としては、限定されないが、m−キシリレンジアミン(mXDA)、及びp−キシリレンジアミンが挙げられる。環状脂肪族ポリアミンの例としては、限定されないが、1,3−ビスアミノシクロヘキシルアミン(1,3−BAC)、イソホロンジアミン(IPDA)、及び4,4’−メチレンビスシクロヘキサンアミンが挙げられる。芳香族ポリアミンの例としては、限定されないが、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、及びジアミノジフェニルスルホン(DDS)が挙げられる。複素環式ポリアミンの例としては、限定されないが、N−アミノエチルピペラジン(NAEP)、及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンが挙げられる。アルコキシ基が、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシ−1,2−ブチレン、オキシ−1,4−ブチレン、またはそれらのコポリマーである、ポリアルコキシポリアミンの例としては、限定されないが、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、1−プロパンアミン、2,1−エタンジイルオキシ))ビス(ジアミノプロピル化ジエチレングリコール)(ANCAMINE(登録商標)1922A);ポリ(オキシ(メチル−1,2−エタンジイル))、アルファ−(2−アミノメチルエチル)オメガ−(2−アミノメチルエトキシ)(JEFFAMINE(登録商標)D−230、D−400);トリエチレングリコールジアミン、及びオリゴマー(JEFFAMINE(登録商標)XTJ−504、JEFFAMINE(登録商標)XTJ−512)、ポリ(オキシ(メチル−1,2−エタンジイル))、アルファ,アルファ’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス(オメガ−(アミノメチルエトキシ))(JEFFAMINE(登録商標)XTJ−511);ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン350;ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン750;ポリ(オキシ(メチル−1,2−エタンジイル))、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(JEFFAMINE(登録商標)T−403)を持つa−ヒドロ−w−(2−アミノメチルエトキシ)エーテル、及びジアミノプロピルジプロピレングリコールが挙げられる。
【0010】
一実施形態において、硬化剤は、水溶液として存在する。エポキシ成分は、アミンと反応することができ、分子中の全てのエポキシ基は、1分子のアミンと反応する。重合を避けるために、反応の間、例えば、1.3〜3モルのアミンを持つ1つのエポキシ基といった、モル過剰量のアミンを使用する。硬化剤の特性に悪影響を与えるため、0.3〜2モルの過剰量を除去しなければならない。除去は、概して、蒸留によって行われる。残渣は、単離ポリマーアミン付加物である。
【0011】
一実施形態において、単離付加物は、組成物の総重量に基づいて、5重量パーセント〜95重量パーセントの範囲で組成物中に存在する。単離付加物は、別の実施形態において、10重量パーセント〜80重量パーセントの範囲で存在し、さらに別の実施形態において、20重量パーセント〜70重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0012】
キャッピング剤
一実施形態において、本組成物は、キャッピング剤を含有し得る。
【0013】
キャッピング剤の例としては、限定されないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、p.t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、C12/C14脂肪族アルコールグリシジルエーテル、及びホルムアルデヒドが挙げられる。
【0014】
キャッピング剤は、概して、硬化剤組成物の総重量に基づいて、0.1重量パーセント〜10重量パーセントの範囲の量で存在する。一実施形態において、キャッピング剤は、硬化剤組成物の総重量に基づいて、0.2重量パーセント〜8重量パーセントの範囲で、さらに別の実施形態において、硬化剤組成物の総重量に基づいて、0.5重量パーセント〜5重量パーセントの範囲で存在し得る。
【0015】
変性剤
硬化剤組成物はまた、変性剤も含み得る。変性剤は、希釈に有用であり、エポキシ樹脂との組み合わせで、硬化速度を加速し得る。変性剤はまた、外観も向上させることができる。酸を変性剤として使用して、水溶性を調節することができる。
【0016】
変性剤の例としては、限定されないが、ベンジルアルコール、酢酸プロピオン酸または乳酸などの酸、及びさらに、セバシン酸もしくはアゼライン酸などの中鎖有機二酸、またはアミドスルホン酸、クエン酸、アルキレングリコールエーテルもしくはエステルなどの高沸点溶媒が挙げられる。
【0017】
変性剤は、概して、組成物の総重量に基づいて、0.05重量パーセント〜5重量パーセントの範囲で存在する。
【0018】
外用乳化剤
本組成物はまた、外用乳化剤も含有し得る。それらは、限定されないが、アルコキシ化脂肪族アルコールまたはフェノールを含み得る。外用乳化剤は、概して、0.05重量パーセント〜5重量パーセントの範囲で、硬化剤組成物中に存在する。
【0019】
硬化剤を生成する方法
硬化剤は、概して、以下の方法で調製される。エポキシを、60℃〜140℃の温度で、モル過剰量のアミンに添加する。次いで、過剰量を蒸留し、その時点で、60℃〜140℃の温度でキャッピング剤を添加する。次いで、100℃未満の温度で水を添加し、その後変性剤及び/または外用乳化剤が添加され得る。
【0020】
いくつかの実施形態(例えば、セルフレベリング性床材)において、硬化剤配合物は、消泡剤、顔料、充填剤、及びチキソトロープ剤を溶解槽で混合することによって生成され得る。
【0021】
硬化性組成物の生成物
一実施形態において、硬化性組成物は、I)上述の硬化剤及びII)エポキシ樹脂を含む、からなる、から本質的になる。
【0022】
一実施形態において、エポキシ樹脂は、液状エポキシ樹脂である。使用され得る液状エポキシ樹脂の例としては、限定されないが、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル(BADGE)、ビスフェノール−Fジグリシジルエーテル(BFDGE)、及びエポキシノボラックが挙げられる。別の実施形態において、エポキシ樹脂は、固体ビスフェノールAエポキシ樹脂であり得る。
【0023】
硬化性組成物は、上記の硬化剤配合物を水及び液状エポキシ樹脂と混合して、エマルジョンを形成することによって、生成される。
【0024】
硬化性組成物は、任意に、例えば、クレシルグリシジルエーテル(CGE)、p.tertブチル−フェニルグリシジルエーテル(ptBPGE)、C12/C14グリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ヘキサンジオール−ジグリシジルエーテル(HDDGE)、及びバーサチック酸グリシジルエステルなどの、反応性希釈剤で希釈され得る。
【0025】
一実施形態において、硬化剤成分及びエポキシ樹脂を、硬化剤当量重量(HEW)及びエポキシド当量重量(EEW)に従って混合する。当量は、概して、1当量のアミン水素に対して0.8〜1.2当量のエポキシの間で変化し得る。一実施形態において、1当量のエポキシを、1当量のアミン水素と反応させる。次いで、この組成物を、雰囲気温度で硬化させる。
【0026】
これらの組成物は、概して、コーティング、コンクリートプライマー、床材、可撓性のモルタル、コンクリート用修復システムとして、及び他の雰囲気硬化または後硬化型硬化用途にも使用される。
【実施例】
【0027】
実施例1−硬化剤の調製
機械攪拌器及び温度計を備えた4首ガラスフラスコに、158g(1モル)のTETAを装填した。滴下漏斗を用いて、228.1グラム(0.5当量)のPolypox(商標)VE 101592を、70℃で添加した。
【0028】
添加後、真空度を20mbarに調節して、バッチを225℃まで加熱し、過剰量のTETAを蒸留した。最終圧力は、10mbarであった。82.27グラム量(0.52モル)のTETAを蒸留した。100℃未満の温度で冷却した後、130.2グラムの水を、一度に添加した。次いで、27.2グラム量(0.1184モル)のPolypox(商標)R7を、60℃で滴加した。1時間の攪拌後、4.14グラム(0.1380モル)のホルムアルデヒド溶液(19重量%)を、60℃で滴加した。凝集沈殿物(flocculate precipitate)が形成され、次いで、溶解された。70%の理論的固体含有量を、4グラムの水で調節した。469.41グラム量の、適度に粘性で黄色、透明のアミン硬化剤を排出した。
【0029】
分析結果
粘度(25℃):4300mPa
アミンの数:227mg KOH/g
固体:70.2%
HEW:211g/当量HEWを、硬化剤の材料の総質量に分割される硬化剤中の、全てのアミン当量を合計して計算する。
【0030】
この実施例では、以下を含む様々な標準分析装置及び試験方法が使用される:粘度は、ISO 3219−Bによって測定される;アミンの数は、ISO 9702によって測定される;色は、ASTM D1544によって測定される;屈折率は、ASTM D1804によって測定される;ショアD/A硬度は、ASTM D2240によって測定される;可使時間は、DIN 16945による100gの混合物のゲル化時間によって測定される;ならびに、外観は、外観検査及び/または触覚検査によって測定される。「固体」は、硬化剤の総質量から揮発物質(すなわち、水)の質量を差し引いて計算する。
【0031】
【表1】
【0032】
POLYPOX E 411を持つ純粋な接合剤系(比較実施例Aまたは実施例1の硬化剤を意味する)もまた、一般的な水系硬化剤と可撓性の水系硬化剤との差異を示すために試験された。配合物は、下の表2及び3に示される。接合剤系性能は、表4に示される。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
実施例において、以下を含む様々な標準分析装置及び試験方法が使用される。粘度は、ISO 3219−Bによって測定される;アミンの数は、ISO 9702によって測定される;色は、ASTM D1544によって測定される;屈折率は、ASTM D1804によって測定される;ショアD/A硬度は、ASTM D2240によって測定される;可使時間は、DIN 16945による100gの混合物のゲル化時間によって測定される;ならびに、外観は、外観検査及び/または触覚検査によって測定される。「固体」を、硬化剤の総質量から揮発物質(すなわち、水)の質量を差し引いて計算する。
【0037】
収縮を、5cm×100cmの寸法を持つ、ポリエチレン箔上の2mm厚のコーティングの上で測定する。
【0038】
早期の耐水軟点性を、硬化工程中にコーティング表面上に1滴の水を置くことによって、視覚的に検査する。
【0039】
ペンドラム硬度を、組成物について測定し、下の表5に示される。
【0040】
【表5】
【0041】
硬化剤は両方とも、透明の膜を示す。硬化剤実施例1の表面は、POLPYOX W 804の表面ほど良好ではない。
【0042】
コーティングの可撓性は、測定可能かつ顕著である。
【0043】
結論
発明の硬化剤実施例1を用いた開始配合物は、比較実施例Aよりも、さらなる収縮及びディッシングを示すが、可撓性は、接合剤系でも測定可能である。
【0044】
結論として、本発明の硬化剤は、可撓特性が要求されるときに使用することができ、水性系が所望される。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
硬化剤組成物であって、
a)
i)少なくとも3の官能価を持つポリマーであって、少なくとも1つのエポキシ基を含有する、前記ポリマー、及び
ii)アミン、
の反応生成物を含む単離付加物であって、水溶液として存在する、前記単離付加物と、
b)キャッピング剤と、を含む、前記硬化剤組成物。
項2.
前記アミンが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、m−キシリレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、1,3BAC、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項1に記載の硬化剤組成物。
項3.
前記キャッピング剤が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、p.t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、C12/C14脂肪族アルコールグリシジルエーテル、及びホルムアルデヒドからなる群から選択される、項1に記載の硬化剤組成物。
項4.
前記単離付加物の総重量に基づいて、前記ポリマーは、30重量パーセント〜95重量パーセントの範囲の量で、前記単離付加物中に存在し、前記アミンは、5重量パーセント〜70重量パーセントの範囲の量で、前記単離付加物中に存在する、項1に記載の硬化剤組成物。
項5.
前記硬化剤組成物の総重量に基づいて、前記単離付加物は、5重量パーセント〜95重量パーセントの範囲の量で、前記硬化剤組成物中に存在し、前記キャッピング剤は、0.1重量パーセント〜10重量パーセントの範囲の量で、前記硬化剤組成物中に存在する、項1に記載の硬化剤組成物。
項6.
c)スチレン化フェノール、ジイソプロピルナフタレン、p.−t.−ブチルフェノール、ベンジルアルコール、酢酸、プロピオン酸、乳酸、セバシン酸、アゼライン酸、アミドスルホン酸、及びクエン酸からなる群から選択される変性剤をさらに含む、項1に記載の硬化剤組成物。
項7.
方法であって、
a)
i)少なくとも3の官能価を持つポリマーであって、少なくとも1つのエポキシ基を含有する、前記ポリマーと、
ii)過剰量のアミンと、を反応条件下で接触させて、単離付加物を形成することと、
b)過剰なアミンを蒸留して、前記単離付加物の水溶液を形成することと、
c)
i)前記単離付加物の前記水溶液と、
ii)キャッピング剤と、を混合して、
硬化剤組成物を形成することと、を含む、前記方法。
項8.
ステップa)の前記反応条件が、60℃〜140℃の範囲の反応温度を含む、項7に記載の方法。
項9.
硬化性組成物であって、
I)項1に記載の前記硬化剤組成物と、
II)液状ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、液状ビスフェノール−Fジグリシジルエーテル、液状エポキシノボラック、固体ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるエポキシ樹脂と、を含む、前記硬化性組成物。
項10.
項9に記載の前記組成物から調製されるコーティング。
項11.
項9に記載の前記組成物から調製されるプライマー。