(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記照射計画ユニットが、前記送出済みの治療用放射線に基づき、前記対象者の前記解剖学的部位に送出される治療用放射線の前記計画された治療用放射線量及び/又は前記計画された位置を修正する、請求項1に記載の放射線療法システム。
【背景技術】
【0002】
放射線療法とは、多くの場合有害な組織、例えば腫瘍を殺し又は破壊するために、放射線を使用して患者を治療する手続きである。放射線療法は、健康な組織への照射を最小限に抑えるように対象者の組織に施される。健康な組織は、不健康な組織のすぐ近くにあり又は不健康な組織を含む場合がある心臓、肝臓、腎臓、尿道、直腸、膀胱等の危険臓器(OAR:organs at risk)を含み得る。放射線を送出中に正確に位置付けることは、不健康な組織又は病変組織を破壊しながら機能する臓器を守るために重要である。従来の2つの放射線療法の技法は、小線源療法及び外照射療法(EBRT:external beam radiation therapy)を含む。放射線療法を計画するための解剖学的画像は、典型的には詳細な解剖学的情報を提供するX線コンピュータ断層撮像法(CT)を使用するが、解剖学的画像を取得するためにx線照射を使用する。
【0003】
小線源療法は、対象者の不健康な組織内に埋め込まれる低線量放射線の点放射源又はシードを概して使用する。周囲の不健康な組織に放射線を与えるために、不健康な組織内に刺入されるニードルによってシードが分配され又は投入される。シードは、局所化された放射線源をもたらす。典型的には、50〜100個のシードが前立腺内に埋め込まれ得る。小線源療法は、一般に乳癌、子宮頸癌、前立腺癌、及び皮膚癌の治療に使用される。不健康且つOARに対してシードを正確に位置付け又は送出することは、腫瘍及びOARに送出される放射線量を決定する。有効範囲を与えるために複数のシードが不健康な組織内に分配される。この有効範囲は、投入される各シードの位置及び各点放射源によって放たれる放射線量に基づく。
【0004】
EBRTは、線形加速器(LINAC)等のEBRT装置を使用し、体を通して標的組織に外部の線状放射線ビームを与える。典型的には、OARに当たることを回避するのを助けるために、ビームが成形され様々な方向から照準を当てられ得る。外部の放射線ビームが活性状態にあるときに放射線ビームに対する標的及びOARの正確な位置を知ることは、放射線ビームの経路内にある腫瘍及び任意の健康な組織の両方への線量送出を決定する。
【0005】
放射線療法の送出において、不健康な組織及び健康な組織の解剖学的位置に対して放射線を正確に位置付けることが結果、とりわけ不健康な組織を殺すための線量の十分さ及び健康な組織に対する線量の副作用に影響を及ぼす。放射線の送出中、健康な組織及び不健康な組織の位置が患者の動きの影響を受ける。動きは剛体運動、非剛体運動、臓器の変形、並びに呼吸及び/又は心周期による反復運動を含み得る。1つの課題は、送出中の治療用放射線の位置を標的及びOARの解剖学的位置に一致させることである。つまり1つの課題は、線量測定情報及び解剖学的情報を送出中に共通座標系内で位置合せすることである。第2の課題は、位置及び/又は運動について補正するために送出中に調節が行われ得るように、ほぼ実時間で動きを正確に測定することである。
【0006】
例えば、小線源療法では、解剖学的情報が超音波から取得され得るが、投入されたシードの位置を標的及びOARに一致させることが問題となり得る。超音波(US)は、x線照射を使用することなしに、治療用放射線の送出中に連続した実時間の解剖学的画像をもたらすことができる。しかし、シードの視認性がシャドーイングや他のアーティファクトで不明瞭にされ又は混同される可能性があり、このことは芳しくない感度及び特定性の原因になる。シードの位置付けが正確さに欠けることは、標的が適切な放射線量を受けない、又はOARが所定量よりも多く受けるスポットを有する、コールドスポット又はコールドエリアを引き起こし得る。
【0007】
1つの手法は、視認性が低いシードを臓器の境界と高コントラストで対比させる中間CT画像を撮ることであったが、この手法は、小線源療法の作業構成からCT撮像構成に患者を動かし、シードの位置決めを調節するために患者を作業環境に戻すことを含む。患者を2回動かすことは、CTの座標系と小線源療法の座標系との間の位置合せ誤差を引き起こす傾向がある。CTを使用することは患者に更なるx線照射線量を加える。
【0008】
別の手法は、優れたコントラストでシードを撮像し、CTに比べて患者に対するx線撮像の照射線量を減らす間欠的なX線透視画像を使用することである。しかし、X線透視画像は低い解剖学的コントラストを与え、間欠的に撮られ、そのことはシードの位置を解剖学的位置に一致させることを困難にする。
【0009】
EBRTでは、放射線のビームが対象者を通過するように導かれる。典型的には、EBRT送出装置の座標系及び高分解能の計画画像の座標系に対して患者を位置合せするために、患者の皮膚上に配置される外部マーカが使用される。しかし、外部マークは正確さに欠ける内部の解剖学的情報を与える。組織が柔軟であることにより、外部マーカと標的及びOARとの間の位置合せ誤差が生じ得る。放射線の送出中に外部ビームの座標系との共通座標系内に正確な解剖学的情報がなければ、腫瘍の不完全な線量到達範囲及びOARへの著しい損傷が引き起こされ得る。OARを保護する1つの手法は、全運動範囲を含むのに十分広いOAR周辺のマージンから放射線送出を除外することである。所定線量の送出を確実にする1つの手法は、標的が一連の運動の間中ビーム内にあるように、標的周辺のマージンを照射することである。標的とOARとが近いことにより、標的に十分な線量を保証し、OARに最小限の線量を保証することは相反する目標であることが多い。
【0010】
臓器の境界及び/又は動きの正確な位置を明らかにするための別の手法は、電磁(EM)追跡技術を使用することである。しかし、EM追跡は金属設備、患者内の人工補装具、ペースメーカ等の外部歪みに敏感であり、EM場生成器の配置に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以下、上記の問題及び他の問題に対処する、放射線療法のための解剖学的超音波情報と放射線送出情報との新規且つ改善された実時間融合を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様によれば、放射線療法システムが、対象者の内部に位置する複数のフィデューシャルと、超音波撮像ユニットと、照射計画ユニットと、画像融合ユニットとを含む。超音波撮像ユニットは、対象者の解剖学的部位を実時間で実時間座標系内に撮像するための超音波を放出するトランスデューサを含む。照射計画ユニットは、計画座標系による、対象者の解剖学的部位内の治療用放射線の計画された位置及び量を明らかにする少なくとも1つの放射線療法計画画像を含む。画像融合ユニットは、内部フィデューシャルの位置に基づいて計画座標系に対して実時間座標系を位置合せし、フィデューシャルの位置を実時間で追跡する。
【0013】
別の態様によれば、放射線療法送出システムが、超音波撮像ユニットと、放射線療法送出機構と、対象者の内部に位置する複数のフィデューシャルと、画像融合ユニットと、送出評価ユニットとを含む。超音波撮像ユニットは、対象者の解剖学的部位を実時間で第1の座標系内に撮像するための超音波を放出するトランスデューサを含む。放射線療法送出機構は、第2の座標系内の対象者の解剖学的部位内に治療用放射線量を送出する。フィデューシャルは、インプラント又は経直腸超音波プローブを含む。画像融合ユニットは、第1の座標系及び第2の座標系の少なくとも一方に対して複数のフィデューシャルの位置を位置合せし、フィデューシャルの位置を実時間で追跡する。送出評価ユニットは、対象者の撮像済みの実時間の解剖学的部位に対する送出済みの治療用放射線の位置及び量を明らかにする。
【0014】
別の態様によれば、放射線療法の方法が、複数の内部フィデューシャル位置を含む第1の座標系内の対象者の解剖学的部位内に超音波を放出するトランスデューサを使い、実時間の超音波画像を生成するステップを含む。治療用放射線は、第2の座標系内の対象者の部位の位置及び量において送出される。複数のフィデューシャルの位置が明らかにされる。複数のフィデューシャルの位置が、第1の座標系及び第2の座標系の少なくとも1つに位置合せされ、フィデューシャルの位置が実時間で追跡される。対象者の解剖学的部位に送出される治療用放射線の位置及び量が求められる。
【0015】
別の態様によれば、埋込フィデューシャルが無線送信機と、送信機に接続されるセンサと、無線送信機及びセンサをカプセル化し、対象者に刺入されるニードルを通して対象者に埋め込まれるように構成される生体適合性素材で構成されるカプセルとを含む。無線送信機は、少なくとも自己識別情報を伝送する。センサは、放出超音波を受信することに応答して活性化され、送信機に給電する圧電素子を含む。
【0016】
別の態様によれば、超音波システムが、経直腸プローブと、プロセッサと、表示装置とを含む。プローブは対象者の直腸内に挿入するように構成される丸い端部を有するシャフトと、シャフト上に位置する少なくとも1つの撮像アレイと、超音波を放ち、反射音波を受信するエミッタと、シャフトに対して位置付けられ、超音波撮像ユニットの座標系に対して較正される三次元座標基準を提供するために様々な向きに配置される複数の放射線不透過性のフィデューシャルとを含む。プロセッサは少なくとも1つの撮像アレイに接続され、受信される反射音波を解剖学的画像へと再構築するようにプログラムされる。表示装置は、再構築された解剖学的画像を表示するように構成される。
【0017】
1つの利点は、連続した実時間の解剖学的情報を放射線療法の送出情報と共通座標系内に融合することである。
【0018】
別の利点は、放射線源、不健康な組織、及び/又は健康な組織の位置に基づいて治療用放射線の送出を送出中に調節できることにある。
【0019】
別の利点は、連続した実時間の解剖学的撮像情報を得るために、非x線撮像源を使用することにある。
【0020】
別の利点は、放射線の送出中に患者の内部運動を正確に追跡することにある。
【0021】
別の利点は、放射線源の座標系、診断的画像の座標系、及び患者の解剖学的構造の座標系を実時間で位置合せすることにある。
【0022】
別の利点は、必要と考えられるときは何時でも情報を別の画像診断法(例えばX線透視)と融合することにより、或る画像診断法(例えばUS)についての自身の解釈が正しいかどうかを確認する能力を臨床医に与えることにある。
【0023】
以下の詳細な説明を読んで理解すれば、更なる利点が当業者に理解されよう。
【0024】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置、並びに様々なステップ及びステップの配列の形をとり得る。図面は好ましい実施形態の例示目的に過ぎず、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照し、解剖学的超音波情報の実時間融合、及びEBRT向けに構成される放射線送出情報システム10の一実施形態が概略的に示されている。このシステムは、EBRTの放射線療法構成を用いて図示されており、EBRT装置12が対象者16の前立腺14に向けられている。放射線療法計画ユニット18が対象者を撮像し、対象者の計画画像を放射線療法計画20の一部として記憶する。計画画像はCT画像やMR画像等から取得され得る。計画画像は放射線療法計画20を構築するために使用され、放射線療法計画20は対象者の解剖学的部位への放射線送出の位置付けに関する指示を含む。計画画像は、計画画像内にあり、放射線送出情報及び実時間の解剖学的情報に対する計画画像の位置合せを支援する内部フィデューシャル又は埋込フィデューシャル22を含み得る。
【0027】
放射線療法計画ユニット18は、放射線療法計画20を保持する。放射線療法計画20は、治療用放射線の計画された送出位置又は標的を識別する。分割治療では、中間CT又は他の計画画像がフィデューシャル22に対して一緒に位置合せされても良い。
【0028】
区分化ユニット24は、腫瘍等の標的組織を区分化する。区分化ユニット24は、前立腺等の解剖学的撮像域内のOAR等、1つ又は複数の健康な組織を区分化することができる。尿道や膀胱等、治療用放射線のすぐ近くにある他の健康な組織も区分化され得る。
【0029】
このシステムは、対象者の解剖学的部位を連続した実時間で撮像する超音波撮像ユニット26を含む。超音波撮像ユニットは、2次元撮像(2D)又は3次元撮像(3D)の撮像プローブ28で構成され得る。2D撮像プローブにはロボットの制御及び回転が使用され得る。超音波撮像ユニットは、第1の座標系内で動作する。第1の座標系は、映像、レーザ、音響等の当技術分野で知られている手段によって部屋座標系に対して位置合せされ得る。例えば、プローブ28は、部屋に対して較正される複数のカメラにとって認識可能なマーカで印付けされても良く、マーカは部屋座標に対するプローブの位置をもたらす。
【0030】
超音波撮像プローブ28は、対象者の組織内に超音波周波数の音波を放出する少なくとも1つのトランスデューサ30を含む。音波は、音の周波数、方向、持続時間、タイミング、及び角度に従って放たれ得る。音波は反射され、トランスデューサにおいて受信される。トランスデューサ30は、超音波撮像ユニット26の1個又は複数個のプロセッサ32に接続し、超音波撮像ユニット26は、トランスデューサによってプロセッサ32に伝送される受信済みの反射音波を示す信号を画像に変換する。その画像は表示装置34上に表示される。計画画像と一緒に位置合せすることに基づき、区分化された組織が表示される超音波画像内で色分けされ又は他の態様で示され得る。プローブ28は、経会陰的や図示のように経腹壁的等、外部的に利用されても、直腸や食道への挿入等、内部的に利用されても良い。
【0031】
EBRT送出装置12は、LINear ACcelerator(LINAC)、x線、粒子ビーム装置等を含み得る。EBRT送出装置12は、第2の座標系に従って対象者16の組織を通して照射される線状ビームによって放射線療法を与える。ビームは、多葉コリメータ(MLC)を使用することによって成形され得る。ビームは、ゲート制御でオンオフすることができる。ビームは、放射線療法計画20に基づいて対象者の周りの様々な角度から照射され得る。EBRT装置12向けの命令は、外部の放射線療法ビームの正確な位置、強度、持続時間、及び形状を制御する放射線療法送出ユニット42によって実行される。EBRT装置の座標系は、部屋の座標系に対して較正され得る。
【0032】
フィデューシャル22は内部に位置し、埋め込まれても良い。図示のフィデューシャル22は腹部に埋め込まれているが、如何なる解剖学的領域にも埋め込まれ得る。フィデューシャル22は、組み合わせられたEBRT及び小線源療法において等、放射線の点放射源と共に、又は図示のように放射線の点放射源なしに構成され得る。埋込フィデューシャル22は、運動追跡及び座標基準を提供する。例えばフィデューシャルは、前立腺の中に及び直腸壁、尿道、膀胱等、周囲のOARの面に沿って埋め込まれ得る。対象者が呼吸をすると、前立腺及び/又はOARが動き且つ/又は変形し得る。フィデューシャルは、動きに対処するために概して使用されるマージンを減らし又はなくす境界情報を提供する。
【0033】
フィデューシャル22は、生体適合性カプセルに入れられてシードを形成する。フィデューシャル22は、超音波を受信することに応答して活性化されるとき、自己識別情報を無線で伝送する。例えば、各フィデューシャルは英数字の識別子で構成され得る。第1のフィデューシャルは一意識別情報A00001を伝送し、第2のフィデューシャルは一意識別情報A00002等を伝送する。或いは、フィデューシャルは所定の無線周波数に基づいて自己識別情報を伝送することができる。フィデューシャル22は、追加情報を伝送するための追加の回路で構成され得る。例えば、伝送される追加情報は、トランスデューサによって特定の角度又は強度の測度で放たれ、フィデューシャルによって受信される特定の超音波周波数の活性化を含み得る。別の例では、伝送される追加情報が同一性を確認するチェックサムや他の情報、又は伝送のタイムカレンシを確立するサイクルカウントを含み得る。
【0034】
対象者の外部に位置するアンテナ36が、フィデューシャル22から伝送される情報を受信する。アンテナはその受信信号を画像融合ユニット40に伝達し、画像融合ユニット40は、超音波撮像ユニット26の第1の座標系内に対応するフィデューシャルを位置付ける。画像融合ユニットは、放出信号が視野をスイープするときフィデューシャルによって受信される放出超音波信号を解析することにより、フィデューシャルの位置を第1の座標系と融合する。飛行時間測定は、エミッタ30からフィデューシャル22までの軸方向距離又は半径方向距離を与える。振幅測定及びビーム発射シーケンスの順序は、フィデューシャルの横の位置又は角位置を与える。3Dトランスデューサ又は2Dマトリクスアレイと共に使用される場合、フィデューシャルのエレベーションが得られる。受信されるフィデューシャルの自己識別情報のタイミング及び超音波プローブの発射シーケンスに基づき、フィデューシャル22の位置がトランスデューサ30に対して、又は連続した実時間の超音波撮像ユニット26の座標系内で決定され得る。
【0035】
画像融合ユニット40は、フィデューシャル22に基づき、解剖学的情報、例えば前立腺領域を含む連続した実時間の撮像ユニット26の第1の座標系を、治療用放射線、例えば治療用放射線のEBRT装置の線状ビームを送出する治療用放射線送出装置12の第2の座標系と融合する。融合ユニットは更に、照射計画20の計画画像を融合済みの座標系と位置合せすることができる。フィデューシャルは、解剖学的領域内の正確な位置を与え、外部フィデューシャルでは不可能である正確な運動情報を提供する。融合済みの座標系により、超音波画像及び計画画像の解剖学的情報の正確な位置が放射線療法送出装置に知られる。
【0036】
送出評価ユニット38は、EBRT座標系に従い、EBRT装置からのビームの形状、持続時間、及び方向に基づいて送出される治療用放射線の量及び位置を得る。送出評価ユニット38は、融合済みの座標系に基づき、標的及びOARのそれぞれに送出される治療用放射線の量及び位置を求める。送出評価ユニット38は、放射線ビームに対するフィデューシャルの位置を追跡する。追跡は、計画情報からの区分化情報、及び/又は埋込フィデューシャルに対する組織境界、OAR、標的等に関する入力情報を含み得る。
【0037】
照射計画ユニット18は、融合済みの座標系による治療用放射線の送出ビームに対する標的又はOARの位置に基づき、送出中に1組の命令を修正することができる。例えば、放射線送出ユニットは、標的組織が放射線ビームから外れるとき及び/又はOARが放射線ビームに入るとき、放射線ビームをゲート制御するように制御され得る。別の例では、フィデューシャルの動きに基づく標的及び/又はOARの動きに適合するように、MLCが適応的に動いてビームを成形することができる。別の例は、ゲート制御によるオンオフを反復運動の距離に基づく適応的なMLCの動きと組み合わせる。MLCは、特定のパラメータ内の反復運動に適合するように使用されても良く、そのパラメータを超える場合はゲートを制御してビームをオフにする。
【0038】
送出評価ユニット38は、フィデューシャルを基準として使用し、OAR及び標的組織によって受けられる治療用放射線量を累算する。例えば、累算される放射線量は連続して実時間で累算される。累算線量に基づいて送出の調節が行われ得る。線量は、複数の治療部分にわたって累算され、且つ/又は小線源療法の線量情報、例えば内部の治療用放射線と組み合わせられ得る。累算線量は、送出を修正するために更に使用され得る。例えばMLCは、ビーム内外への組織の動きに基づいて健康な組織のためにビームを更に成形し、進行中の治療の送出中に閾値を得ることができる。
【0039】
プロセッサ32及び表示装置34は、ワークステーション44の一部として構成され得る。医療関係者は、キーボード、マウス、マイクロフォン等の少なくとも1つの入力装置46を使用し、制御部と対話することやコマンドを入力すること等ができる。プロセッサ32は、1個又は複数個の電子プロセッサ又は電子処理装置を含む。ディスプレイ34は、連続した実時間の超音波画像、重ね合せ画像や画像オーバレイ、メニュー、パネル、及びユーザコントロールを表示する。ワークステーション44は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、携帯型計算装置、スマートフォン等とすることができる。
【0040】
様々なユニット18、24、26、38、40、及び42は、ワークステーション44の電子プロセッサや電子処理装置32等のプログラム又は構成された電子データ処理装置によって、又はネットワークによってワークステーション44と動作可能に接続されるネットワークベースのサーバコンピュータ等によって適切に実装される。開示される融合、位置決め、区分化、評価、及び送出技法は、開示される技法を実行するために電子データ処理装置によって読取可能であり、実行可能な命令(例えばソフトウェア)を記憶する非一時的記憶媒体を使用して適切に実施される。
【0041】
図2A及び
図2Bを参照し、内部フィデューシャル22の実施形態が概略的に示されている。
図2Aでは、フィデューシャル22が、無線送信機52に接続されるハイドロホン又はセンサ50と、センサ50、送信機52、及び小線源療法で使用する放射線の点放射源56をカプセル化する生体適合性素材で構成されるカプセル54とを含む。センサ50は、放出超音波を受信することに応答して活性化され、送信機52に給電する圧電素子を含む。センサの圧電素子は、カプセルの面の一部又は全てに組み込まれ得る。センサは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、共重合体、又は他の圧電材料を含み得る。センサの大きさは約0.2mmである。カプセル54は、対象者に刺入されるニードルを通して対象者の中に埋め込まれるように円筒形に構成される。カプセルは、ニードルの内部に送り込み、対象者の体内位置にニードルの先端において投入するように大きさ及び形状が決められる。放射線の点放射源56は小線源療法のシードとして機能する。
【0042】
図2Bに示されているフィデューシャル22は、センサ50と、無線送信機52と、カプセル54とを含む。
図2Bの構成では、センサがカプセルのほぼ全面を覆うことができる。送信機の回路は限られた処理を含み得る。例えば自己識別情報又は他の情報を伝送することに加え、回路は受信済みの超音波を処理して超音波トランスデューサに対する座標系内の位置を部分的に又は完全に推定することや、データを圧縮すること等ができる。治療用放射線送出機構は分けられ、異なる送出機構によって送出される。
【0043】
図3を参照し、3次元(3D)超音波(US:ultrasonic)トランスデューサ60と共に内部フィデューシャル22の一実施形態が遠近法によって図示されている。USトランスデューサは、所定の周波数、方向、及び時間のUS音波を放出する。放出波は方向に基づいてフィデューシャル22のセンサ50によって受信され得る。放出と受信との間の時間に基づいて距離62が計算され得る。1つ又は複数の放出US音波の方向、及び受信音波の振幅に基づいて方位角64又は水平角が計算される。3D USでは、1つ又は複数の放出US音波の方向、及び受信US音波の強度又は振幅に基づいてエレベーション66が計算される。個々の放出US音波は、発射シーケンスのタイミング、周波数、又は時間及び/若しくは方向符号化を可能にするための周波数符号化によって区別される。
図1に関して説明されたアンテナ36による受信後、
図2A及び
図2Bに関して説明されたように、フィデューシャル22内に位置する回路によって、及び/又はワークステーション44内に位置するプロセッサ32内でローカル処理が実行され得る。
【0044】
図4を参照し、解剖学的超音波情報の実時間融合、及び小線源療法向けに構成される放射線送出システム10の一実施形態が概略的に示されている。フィデューシャル22は、放射線の点放射源56を含む
図2Aに関して説明されたように構成される。超音波プローブ28は、前立腺領域を撮像するために前立腺のすぐ近くで内部的に利用され、又は対象者の直腸内に挿入される経直腸超音波(TRUS)プローブである。照射計画20は、標的組織に対するそれぞれの放射線の点放射源56の計画された位置付けを含む。放射線送出機構は、放射線の点放射源56を有するフィデューシャル22を標的位置内に送り込むニードル70を含む。ニードル70は、連続した実時間の超音波画像内で認識可能なニードル先端の小型トランスデューサと共に構成され得る。
【0045】
連続した実時間の超音波撮像ユニット26は、表示された超音波画像内で表示される解剖学的画像上に、各点放射源の標的位置又は計画された位置決めを投影することができる。計画された位置決めは、各シードを位置決めする際に医療従事者を導くことができる。超音波撮像ユニット26は、融合済みの座標系に基づいて解剖学的画像内にフィデューシャルの位置をオーバレイする。それらの位置は、表示装置34上に表示される画像内で色を使って際立たせ、楕円、バツ印や他の形状等のアイコンを使って識別され、又は他の態様で識別され得る。
【0046】
送出評価ユニット38は、各点放射源に割り当てられる送出治療用放射線の位置及び量を明らかにする。送出評価ユニットは、全ての点放射源の線量を3D形式で累算するdose cloudを構築することができる。
【0047】
画像融合ユニット40は、超音波解剖学的画像の第1の座標系内のフィデューシャルの位置を治療用放射線送出の第2の座標系と融合する。画像融合ユニット40は、対応するフィデューシャル22に対する治療用放射線の点放射源の近接近に基づいて送出治療用放射線の第2の座標系を融合する。フィデューシャルの位置は画像融合ユニット40によって追跡され、画像融合ユニット40は、剛体、非剛体、前立腺の変形、並びに呼吸及び/又は心周期による反復運動を含むあらゆる種類の運動中のフィデューシャルの動きを追跡する。
【0048】
放射線療法送出ユニット42は、放射線療法計画に対する治療用放射線の実際の位置付けを比較する。この比較は、計画された位置から実際の位置への変動を示す放射線の点放射源の差異を含み得る。この変動は、治療用放射線の量又は強度の変化を含み得る。放射線療法送出ユニットは、どの点放射源が送出され、どの点放射源が待ち状態にあるのかを追跡する。放射線送出ユニットは、送出された治療用放射線を計画された治療用放射線送出と比較することができる。例えば、実際の3D dose cloudと計画された3D dose cloudとの差異が連続した実時間の超音波画像上に重ね合わせられ得る。或いは、区分化されたそれぞれの腫瘍若しくは不健康な組織及び/又はOAR等の区分化されたそれぞれの健康な組織に対する影響について3D dose cloudが計算され得る。別の代替形態は、計画された3D dose cloud及び実際の3D dose cloudの両方を連続した実時間の超音波画像上に重ね合わせることを含む。
【0049】
放射線療法計画ユニット18は、計画された放射線の点放射源及び送出された放射線の点放射源との位置変化についての「仮定」シミュレーションを行うことができる。その結果生じるdose cloudの可視表示が、区分化された不健康な組織及び/又は区分化された健康な組織上に重ね合わせられ得る。シードの埋め込み中、結果として生じるdose cloudが連続した実時間の超音波画像上のオーバレイとして表示され得る。
【0050】
図5を参照し、解剖学的超音波情報の実時間融合、及びTRUSプローブ80を用いた小線源療法向けに構成される放射線送出情報システム10の一実施形態が概略的に示されている。X線透視撮像ユニット82は、X線透視撮像装置86の視野(FOV)84内にある対象のX線透視画像を生成するようにプログラムされるプロセッサ32を含む。X線透視撮像装置86は、対象者16に対する撮像の放射線被ばくを減らすために要求に応じて、又は間欠的に動作する。前立腺等の解剖学的領域内に投入されるシードや放射線の点放射源88、及び治療用放射線から分けられ、TRUSプローブ80内に含まれるフィデューシャル90を含むように、X線透視撮像装置がFOVに対して位置合せされる。
【0051】
放射線不透過性材料を含むフィデューシャル90は、シャフト内に埋め込まれても良く、又は使い捨てのスリーブ構成のようにシャフトのカバーに付けられても良い。X線透視撮像ユニットは、投入されたシード及びフィデューシャルをX線透視撮像装置の座標系内に撮像する。投入されるシード及び放射線不透過性のフィデューシャルは、X線透視画像内で高いコントラストを有する。プローブ内に配置されるフィデューシャルに対して実時間の超音波撮像ユニット26が位置合せされ、放射線の点放射源88を含む解剖学的領域を撮像する。
【0052】
小線源療法の放射線の点放射源88向けの放射線療法送出機構は、対象者の解剖学的部位内に刺入され、治療用放射線の点放射源を含むシードを投入するニードル70を含む。投入されるシードの標的位置は、放射線療法計画20に基づく所定の位置を含む。
【0053】
画像融合ユニット40は、X線透視装置の座標系と実時間の超音波撮像ユニットの座標系とを融合し、一部の実施形態では計画画像の座標系も融合する。画像融合ユニットは、計画画像を超音波画像と位置合せすることができる。融合済みの座標系は、放射線の点放射源88の位置を実時間の超音波の解剖学的画像と位置合せする。
【0054】
送出評価ユニット38は、X線透視ユニットの座標系による実際のシード位置と、治療用放射線の点放射源ごとの割り当てられた線量値とを受け取る。送出評価ユニットは、実際に送出される治療用放射線の実際の解剖学的位置を融合済みの座標系に基づいて求める。送出評価ユニットは、X線透視ユニット及び超音波の融合済みの座標系に基づき、標的及びOARのそれぞれに送出される治療用放射線の量及び位置を求めることができる。
【0055】
図6Aを参照し、TRUSプローブ80の一実施形態が側面図で概略的に示されており、
図6Bを参照し、TRUSプローブ80が上面図で概略的に示されている。TRUSプローブは、対象者の直腸内に挿入するように構成される丸い端部を有する円筒シャフトを含む。シャフトは放射線透過性材料又は放射線半透過性材料で作られ、その材料は生体適合性がある。
【0056】
TRUSプローブ80は、3D撮像構成では、円筒シャフト92上に位置し、互いに直交するように方向付けられる2つの撮像アレイ30を含む。撮像アレイの他の構成も考えられる。撮像アレイ30は超音波を放出するトランスデューサを含む。
【0057】
フィデューシャル90はシャフト92内に埋め込まれても良く、又はTRUSプローブ80上にはめられる薄い膜の中に含まれても良い。フィデューシャル90は、シャフトの材料とは対照的に放射線不透過性である。フィデューシャルは、三次元座標基準を提供するために様々な向きに配置される1つ又は複数の幾何学的オブジェクト(geometric object)を含むことができる。フィデューシャルは、超音波撮像ユニットのプローブ上の撮像アレイに対して較正される。
【0058】
図6Cを参照し、シャフト内にフィデューシャル90が埋め込まれることを示す、シャフト92の製造の中間段階が遠近法によって概略的に示されている。シャフトは、中心軸に対して斜めに角度を付けられた部品に分解された状態で示されている。部品間の接合面上のリングとしてフィデューシャルリングがシャフト内に埋め込まれる。中心軸と平行に走る線及び/又は点が内面又は外面に追加される。放射線不透過性材料を有する部品が接合されてシャフトを形成し、その後シャフトに丸みが付けられる。
【0059】
図6Dを参照し、
図6Cに対応するフィデューシャルがX線透視画像内で撮像された通りに示されている。フィデューシャルは、様々な向きにある放射線不透過性の幾何学的形状を含む。形状は、点、線、楕円、螺旋、リング、及び/又は曲線状の形状を含み得る。プローブ80の較正は、フィデューシャルアタッチメントの製造仕様書及び/又は計算機援用設計(CAD)スケッチから得ることができる。フィデューシャルの更なる形状は、最もロバストな較正を提供する。
【0060】
図7を参照し、プローブ28内の2次元(2D)超音波トランスデューサ100を伴う内部フィデューシャル22、及び三次元座標をもたらすためのトランスデューサの追跡された動きの一実施形態が示されている。この図面は、複数のフィデューシャル22の3D位置が2D USプローブ28を使ってどのように推定され得るのかを示す。プローブは、トランスデューサ100を含む。例えば、2D US撮像面102がz方向に動くとき、撮像面は第1のフィデューシャル104及び第2のフィデューシャル106に当たる。面内の超音波がフィデューシャルに当たると、そのフィデューシャルが伝送を行う。軸位置は、第1のフィデューシャル104のz方向をグラフ108内で軸位置10mmにおいて示し、第2のフィデューシャル106のz方向を第2のグラフ110内で軸位置50mmにおいて示す。軸位置は、TRUSプローブの追跡された動きに基づく。フィデューシャルの2D位置が2D US画像内で推定され、フィデューシャルの第3の座標がTRUSプローブの並進移動の位置によって与えられる。プローブの追跡された動きは、プローブ装置又は超音波撮像ユニット内に含まれる。プローブは、軸方向運動又は直腸内外への運動によって動かされる。従って、US撮像ユニットの座標系は2D又は3D超音波プローブと共に機能し、3D座標系内のフィデューシャルの位置を与えることができる。現在の2Dビューの中にないフィデューシャルの位置は追跡され、位置が画像上の様々な表現によって示され得る。例えば、高いエレベーションのフィデューシャルは、現在の撮像面内のフィデューシャルとは異なる色及び/又は形状等、異なるように表わされ得る。低いエレベーションのフィデューシャルは、更に別の色及び/又は形状で表わされ得る。
【0061】
図8は、治療用放射線インジケータ122を楕円として伴う、小線源療法の一例示的超音波画像120を示す。この例は、小線源療法の放射線の点放射源を有する前立腺部位のものである。画像融合ユニット40によるフィデューシャル22、90の融合済みの位置に基づき、送出評価ユニット38が放射線の点放射源56、88の位置を識別する。この例は、放射線の点放射源と紛らわしいほど見た目が似ているアーティファクト124に対して、放射線の点放射源を正しく識別する問題を示す。
【0062】
対応する点放射源と共にフィデューシャル22の位置が連続した実時間で更新される。点放射源を表現する識別表示は、システム及び/又は利用者の好みであり得る。好みは、形状及び/又は色を指示し得る。好みは、色分け、点線、陰影付け等のディレクショナルインジケータや、位置が現在の撮像面よりも上にあるか下にあるかを示す他のディレクショナルインジケータを含み得る。
【0063】
図5に関して説明されたシステム10の実施形態では、放射線の点放射源の位置が直近のX線透視画像に基づく。画像は識別表示、例えば楕円なしに提示されても良い。別の実施形態では、医療従事者が臨床上の疑いを表すために入力装置46を使って画像上の位置を選択することができる。システム10は、放射線の点放射源の有無を示す応答、例えば「シードあり」や「シードなし」によって応える。或いは、応答は距離及び/又は確率の測度を含み得る。応答は、直近のX線透視画像で更新される融合済みの座標系による点放射源の位置に基づく。更新は、間欠的なX線透視画像のうちの点放射源を追跡することに基づく位置、並びに呼吸及び/又は心周期等の周期運動の測度を含み得る。画像間の位置合せを改善するために、シードの位置がTRUSプローブのフィデューシャルに加えられ得る。
【0064】
図9を参照し、介入放射線療法のための解剖学的超音波情報と放射線送出情報との実時間融合の或る方法の流れ図が示されている。ステップ130で、フィデューシャルが対象者の内部にある状態で、対象者の解剖学的領域の第1の座標系内に連続した実時間の超音波画像が取得される。画像は、超音波を放出する少なくとも1つのトランスデューサを含むUSプローブを使って生成される。USプローブは、対象者に対して内部的に又は外部的に利用され得る。内部フィデューシャルの位置は、一部の実施形態では標的組織内に及び/又はその周りに埋め込まれ、位置は、無線送信機を活性化し給電する受信超音波に応答して伝送される自己識別情報によって突き止められる。埋め込まれる内部フィデューシャルは、OAR内に及び/又はその周りに埋め込まれるフィデューシャルを含み得る。埋込フィデューシャルは近くの組織の運動追跡を可能にする。埋込フィデューシャルの活性化は、受信超音波を電流に変換するフィデューシャルの圧電材料に基づく。プローブに対する位置は、
図3及び
図7に関して説明されたように、超音波の発射シーケンス及び/又は音波の周波数に基づいて突き止められ得る。他の実施形態では、内部フィデューシャルが内部プローブの一部として含まれる。プローブに付けられ又は埋め込まれるフィデューシャルは、プローブ及び超音波座標系に対して較正される。一部の実施形態では、内部フィデューシャルが埋め込まれ、更に内部プローブの一部として含まれる。
【0065】
このステップは、区分化された計画画像に従い、解剖学的領域内の標的組織、例えば腫瘍や病変組織等を区分化によって識別するステップを含み得る。このステップは、フィデューシャルを基準として用いた組織の変形及び運動解析を含み得る。運動解析は、呼吸及び/又は心臓の動き等の反復運動、患者の体の動き等の剛体運動、筋肉の収縮/弛緩等の非剛体運動、プローブの動き、対象者の支持台の動き等を含み得る。
【0066】
ステップ132で、治療用放射線が、第2の座標系内の放射線療法計画20による量及び位置において送出される。例えば、或る形状、持続時間、強度、及び方向のEBRTビームがEBRT装置の座標系内に投影され、且つ/又はシードを投入するための医療従事者用器具の座標系内で一定量の治療用放射線の小線源療法の点放射源が組織内に挿入される。ステップ134で、第2の座標系内のフィデューシャルが識別される。フィデューシャルの位置は、少なくとも自己識別情報を無線伝送するフィデューシャルに基づいて、及び/又は間欠的なX線透視画像内の放射線不透過性材料に基づいて識別され得る。内部フィデューシャルは、治療用放射線送出と組み合わせられても良く、例えば放射線の点放射源と共にカプセル内に組み込まれ得る。フィデューシャルは治療用放射線送出から切り離されても良く(例えば個別の埋め込み)、且つ/又は内部プローブ上に含まれても良い。
【0067】
ステップ136で、フィデューシャルに基づき、解剖学的情報を含む実時間超音波撮像システムの座標系が、治療用放射線送出の座標系と融合される。融合済みの座標系は、実時間超音波システムの解剖学的情報を治療用放射線送出情報を有する共通座標系に組み入れる。融合済みの座標系は、解剖学的情報に対するフィデューシャルの位置及び治療用放射線の送出を追跡する。
【0068】
ステップ138で、解剖学的領域に実時間で送出される放射線の位置及び量が融合済みの座標系に基づいて評価される。評価は、計画画像に基づいて標的組織、例えば腫瘍やOARを区分化することを含み得る。治療用放射線は、内部フィデューシャルを基準とし、区分化された各構造内のボクセル位置ごとに累算され得る。治療用放射線量は、治療用放射線送出の複数のモード、例えば小線源療法の点放射源やEBRTのビーム等について累算され得る。治療用放射線量は、治療分画にわたって累算され得る。評価は実際の送出を放射線療法計画20と比較することを含み得る。
【0069】
ステップ140で、送出される放射線療法が治療セッション中に調節され得る。調節は、追加の放射線の点放射源を加えること及び/又は配置することを含み得る。調節は、治療用放射線の外部ビームを形状、持続時間、タイミング、方向、又は強度の点で修正することを含み得る。例えばビームは、ゲート制御でオンオフすることができ、又はMLCの葉がフィデューシャル及び対応する標的若しくはOARの動きに合わせて動かされ得る。
【0070】
ステップ142で、判定ステップがこの方法を治療セッション中に実時間で反復的に続け、又は入力装置による医療従事者のコマンド入力に基づいてセッション終了時に終える。
【0071】
図10を参照し、解剖学的超音波情報の実時間融合、及びTRUSプローブを用いた小線源療法のための放射線送出情報システム10の一実施形態を使用する或る方法の流れ図が示されている。ステップ150で、対象者の内部に位置するフィデューシャルに対して較正される第1の座標系内で、対象者の解剖学的部位の連続した実時間の超音波画像が取得される。TRUSプローブは、較正されたフィデューシャルを含む。連続した実時間の超音波システムは、
図3及び
図7に関して説明された2D又は3Dプローブを含み得る。このステップは、計画画像に基づいて標的組織及び/又はOARを区分化するステップを含み得る。標的及びOARの構造は、表示装置上に表示される画像内で識別され得る。
【0072】
ステップ152で、放射線の点放射源又はシード及びフィデューシャルがX線透視撮像ユニットの座標系による視野内にある状態で、対象者の解剖学的部位のX線透視画像が取得される。X線透視画像は、入力装置を用いた医療従事者からのコマンド入力によってもたらされ得る。撮像ユニットは、過去の画像内の位置に対応するフィデューシャルの追跡された位置に基づき、直近の画像又は過去の任意の画像を代替的に置換することができる。X線透視撮像は、各ニードルからのシードが埋め込まれた後や全てのニードルからのシードが埋め込まれた後等、何時でも引き起こされ得る。
【0073】
ステップ154で、フィデューシャルに基づき、対象者の解剖学的部位の実時間超音波撮像の座標系が、治療用放射線送出又は放射線の点放射源のX線透視座標系と融合される。例えば、計画画像と送出画像とが臓器の輪郭に基づいて位置合せされ得る。X線透視画像に対する連続した実時間の超音波画像の位置合せは、送出される任意のシードの位置及び/又は超音波内でニードルを認識可能にする小型トランスデューサを先端に備える場合はニードルの位置に基づいて改善され得る。ニードルとシードはX線透視画像内で対比をなす。
【0074】
ステップ156からステップ164で、治療用放射線の送出が評価される。評価は、ステップ156のシードの投入確認又はシードの位置確認、ステップ158の線量評価、ステップ160の3Dシード再構成、ステップ162のニードル先端位置、又はステップ164の画像視覚化のうちの何れか1つを含み得る。ステップ156で、シードの有無又はシードの位置が確認される。このプロセスは、X線透視画像を区分化することによる、又は医療従事者によるリクエストコマンド入力に基づく自動識別を含み得る。リクエストコマンド入力は、表示されている連続した実時間の超音波画像上の領域を入力装置、例えばマウスを使って選択し、シードの有無に関する応答をシステムから得ることを含み得る。この応答は、画像内の選択点に基づく距離測定及び/又は信頼区間や標準偏差等の信頼測度を含み得る。距離測定は、過去に撮像された対象者の反復運動に基づく運動測定を含み得る。
【0075】
線量評価は、存在するシード及び割り当てられる放射線値に基づいて実際に送出される放射線を含む。線量評価は、計画された線量と実際の線量との差異等の放射線療法計画20との比較、区分化された組織ごとの差異、及び/又は実際の線量と計画された線量とを重ね合わせることを含み得る。表示される評価は、選択位置及び/又は構造について医療従事者によって選択可能とすることができ、又は超音波画像及び/若しくはX線透視画像上に重ね合わせて表示され得る。
【0076】
3Dシードの再構成は、既存のシードを位置決めすることを含む。3Dシードの再構成は、既存のシード位置に対する計画されたシード位置を明らかにすることを含み得る。3Dシードの再構成は、区分化された構造に対するシードの位置決めを含み得る。ニードル先端の位置決めは、放射線の点放射源送出機構又は他の器具のニードルの先端を融合済みの座標系内で位置決めすることを含む。
【0077】
画像の視覚化は、連続した実時間の超音波からの情報をX線透視撮像からの情報と表示用に組み合わせることを含む。例えば、区分の構造が画像表示内で縁取りされ又は色分けされても良く、シードの位置が識別情報を使って示されても良く、線量水準及び/又は比較等が示されても良い。画像の視覚化は、X線透視装置の座標基準内で画像を方向付けること、連続した実時間の超音波画像の座標基準内で画像を方向付けること、又はニードルの位置や対象者に対する医療従事者の視覚的な向き等の別の選択された捉え方等を含み得る。
【0078】
ステップ166で、評価ステップに基づいて放射線療法計画が調節され得る。例えば、残りの放射線の点放射源を埋め込むための標的位置が配置し直されても良く、且つ/又は追加の標的位置が明らかにされ得る。この調節は、別の反復内で再評価され得る改定された放射線療法計画を形成する。
【0079】
ステップ168で、任意の改定を伴う放射線療法計画に従って標的領域内に追加のシードを投入し又は配置することにより、放射線療法治療の送出が続行する。この方法は判定ステップ170で続行し、判定ステップ170は、治療用放射線の送出が完了するまで、又は医療従事者によって終了されるまでこれらのステップを反復する。反復は治療用放射線の送出中に実時間で行われる。
【0080】
本明細書で示された特定の例示的実施形態に関連し、特定の構造上の及び/又は機能的な特徴が定められた要素及び/又は構成要素内に組み込まれているものとして記載されていることが理解される。しかし、これらの特徴は、適切な場合は同じ又は同様の利益を得るために他の要素及び/又は構成要素に同様に組み込まれても良いと考えられる。所望の応用に適した他の代替的実施形態を実現するために例示的実施形態の様々な側面が必要に応じて選択的に利用され、それにより他の代替的実施形態が自らに組み込まれる側面のそれぞれの利点を実現し得ることも理解すべきである。
【0081】
本明細書に記載した特定の要素又は構成要素がその機能をハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せによって適切に実装され得ることも理解すべきである。加えて、一緒に組み込まれるものとして本明細書に記載された特定の要素は、適切な条件下では独立型要素とすることができ、又は他の方法で分けられても良い。同様に、或る特定の要素によって実行されるものとして記載された複数の特定の機能が、個々の機能を実行するために独立に動作する複数の別個の要素によって実行されても良く、又は特定の個別機能が分割され、提携して動作する複数の別個の要素によって実行されても良い。或いは、そうではなく互いに異なるものとして本明細書で説明され且つ/又は図示された一部の要素又は構成要素が、必要に応じて物理的に又は機能的に組み合わせられても良い。
【0082】
要約すれば、本明細書は好ましい実施形態に関して記載されてきた。当然ながら、本明細書を読んで理解すれば修正形態及び改変形態に他者は気付かれよう。かかる修正形態及び改変形態が添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれる限り、本発明がかかる全ての修正形態及び改変形態を含むものとして解釈されることが意図される。つまり、上記で開示された及び他の特徴及び機能又はその代替形態が、他の多くの異なるシステム又は応用例に望ましく集約されても良いこと、及び本明細書では予測外の又は予期せぬ様々な代替形態、修正形態、改変形態、又はその中の改善点が当業者によって後でもたらされる可能性があり、それらも同様に添付の特許請求の範囲に包含されるように意図される。