特許第6430519号(P6430519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6430519補助出力を有する特に発光ダイオード用のコンパクトなドライバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6430519
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】補助出力を有する特に発光ダイオード用のコンパクトなドライバ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/07 20060101AFI20181119BHJP
   G05F 1/56 20060101ALI20181119BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   H02M3/07
   G05F1/56 310M
   H05B37/02 J
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-543481(P2016-543481)
(86)(22)【出願日】2014年9月18日
(65)【公表番号】特表2016-532430(P2016-532430A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】IB2014064626
(87)【国際公開番号】WO2015040564
(87)【国際公開日】20150326
【審査請求日】2017年9月14日
(31)【優先権主張番号】13185189.1
(32)【優先日】2013年9月19日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13185185.9
(32)【優先日】2013年9月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】デロス アイリョン ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】ロペズ トニ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリクス マシエル アントニウス マルティヌス
(72)【発明者】
【氏名】アラルコン−コット エドアルド−ホセ
【審査官】 麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/043479(WO,A1)
【文献】 特開2006−332022(JP,A)
【文献】 実開昭62−104582(JP,U)
【文献】 国際公開第2006/043370(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/07
G05F 1/56
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの主負荷及び1つの補助負荷を駆動するためのドライバであって、
DC入力電圧を、前記主負荷を駆動するための、主出力を介して提供される少なくとも1つの主出力電圧と、前記補助負荷に電力供給するための、補助出力を介する少なくとも1つの補助出力DC電圧とに変換する電力変換器と、
少なくとも1つの入力設定値に基づいて前記主出力を制御する制御装置とを備え、
前記電力変換器が、複数のスイッチと複数のコンデンサとを備えるスイッチドキャパシタコンバータを備え、前記主出力が、前記電力変換器の、前記スイッチドキャパシタコンバータのデューティサイクルに依存する電圧を供給する少なくとも1つの内部ノードに接続され、前記補助出力が、前記電力変換器の、前記スイッチドキャパシタコンバータの前記デューティサイクルに依存しない電圧を供給するDCノードに接続されている、
ドライバ。
【請求項2】
前記電力変換器の前記主出力が、決定された最小分数レベルから決定された最大分数レベルまでの範囲の複数のステップに分割されたバイアス成分を有する、変換率に関係付けられる前記入力電圧レベルの分数であるレベルを有するフローティング電圧を伝送する、請求項1に記載のドライバ。
【請求項3】
前記電力変換器が、前記入力電圧レベルの分数であるレベルを有する複数の出力信号を提供し、各出力信号が、決定された最小分数レベルから決定された最大分数レベルまでの範囲の複数のステップに分割されたバイアス成分を有して浮いており、前記ドライバが、前記複数の出力信号のうちの1つの出力信号を選択して、そのような選択された出力信号を出力する選択モジュールを更に備える、請求項1に記載のドライバ。
【請求項4】
前記電力変換器の前記主出力に接続された出力フィルタを更に備える、請求項2に記載のドライバ。
【請求項5】
前記選択モジュールの出力に接続された出力フィルタを更に備える、請求項2に記載のドライバ。
【請求項6】
前記電力変換器が、前記制御装置によって制御される複数のスイッチを備えるスイッチドキャパシタコンバータ(SCC)を備える、請求項1乃至5の何れか一項に記載のドライバ。
【請求項7】
前記電力変換器が、ディクソンラダー;標準ラダー;フィボナッチ;及び直列−並列トポロジーからなる群の中の少なくとも1つのトポロジーに基づく、請求項6に記載のドライバ。
【請求項8】
前記補助出力電圧を調整するための補助出力に結合された調整モジュールを更に備える、請求項1乃至7の何れか一項に記載のドライバ。
【請求項9】
前記調整モジュールが、前記補助負荷にわたる感知された電圧を表す信号を伝送する入力と、前記電力変換器の前記DCノードコンデンサを充電することを可能にする前記電力変換器のスイッチを制御するための制御信号を伝送する少なくとも1つの出力とを備える調整制御装置を備え、前記制御信号が、前記調整制御装置によって発生される、請求項8に記載のドライバ。
【請求項10】
前記調整モジュールが、前記電力変換器の前記DCノードと前記補助負荷との間に直列に接続されたリニアレギュレータを備える、請求項8に記載のドライバ。
【請求項11】
前記制御装置が、前記主負荷の動作を表すフィードバック信号を受信するための1つの主フィードバック入力、及び/又は前記補助負荷の実際の動作を表すフィードバック信号を受信するための1つの補助フィードバック入力を備え、前記制御装置が、入力設定値及び/又は前記フィードバック信号に応じて前記電力変換器の動作パラメータを調節する、請求項1乃至10の何れか一項に記載のドライバ。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載のドライバと、主負荷と、補助負荷とを備える照明システムであって、前記主負荷が、少なくとも1つの発光デバイス(LED)を備え、及び/又は前記補助負荷が、制御ユニット、通信ユニット、及びセンサユニットからなる群の中の少なくとも1つを備える、照明システム。
【請求項13】
主負荷に接続された出力を少なくとも有する誘導性出力フィルタを介してパルス幅変調(PWM)信号を前記主負荷に供給するための方法であって、DC入力電圧によって供給される電力を、バイアス成分を有する前記入力電圧レベルの分数であるレベル振幅を有する主出力電圧に少なくとも変換して、前記出力フィルタを介して前記主負荷供給信号を供給し、補助負荷に前記PWM信号のデューティサイクルに依存しない補助DC出力電圧を供給するステップを少なくとも含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、集積型の電力変換器の分野に関する。本発明は、特に、発光ダイオード(LED)光源等の発光デバイス用の回路を駆動することに適用し得るが、他のタイプの負荷にも適用し得る。より特定的には、本発明は、コンパクトで効率的な電力変換デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 例えばスイッチモード電源(SMPS:Switched Mode Power Supplies)を使用する電力変換モジュールの高レベルの集積を必要とする用途は、スイッチドキャパシタコンバータ(SCC:Switched Capacitor Converter)等の電力変換器に頼ることがあり、SCCは、場合によっては小型化された誘導性出力フィルタと組み合わせて、コンデンサ及びスイッチのみの使用によって非常に効率的なDC−DC電圧変換を提供することができる。
【0003】
[0003] 特に、LED用の小さくコンパクトな電力管理ユニットに対するソリッドステート照明(SSL:Solid State Lighting)産業の要求が高まっている。LEDは、できるだけ効率的に定電流の形で電力が送達されることを必要とする。理想的には、LED自体とサイズが同等のLEDドライバが、新たな照明概念を可能にする大きなブレークスルーとなる。そのような解決策は、寿命、サイズ、及び放熱の要件に適合するように、高レベルの信頼性及び効率を有するシステムを必要とする。
【0004】
[0004] LEDドライバは、スイッチモード電源(SMPS)に基づくものでよい。特に、幾つかのLEDドライバは、SCCを誘導性SMPSと組み合わせたハイブリッド電力変換器を備えることができる。近年、一般に「スマートランプ」と呼ばれるLEDランプが開発されている。スマートランプは、典型的には、LEDに電力供給するため及び補助電圧を提供して電子モジュールに電力供給するための、電流制御調光性を提供する調光可能な出力を有するドライバを必要とする。電子モジュールは、基本的なランプ制御を提供するが、例えばワイヤレス通信、カラー調光、又は黒体放射線調光等の他の高度な機能を提供することもできる。
【0005】
[0005] 既知の解決策によれば、補助出力は、例えばタッピング又は追加の巻線の使用によって、変圧器の二次巻線から導出され得る。他の既知の解決策によれば、例えば集積回路に実装される制御装置は、専用サブ回路によって補助低電圧を出力するように設計される。
【0006】
[0006] しかし、既存の現況技術には、多出力電力管理に関して、コンパクトであり、効率的であり、且つ最適化された様式で全ての複雑な要件を統合するLEDドライバはまだ存在しない。
【0007】
[0007] 本特許出願で述べられる例示的実施形態は、LED等の照明ユニットによって形成される主負荷に関するが、本発明は、同様に、例えばモバイルデバイス用途でのCPU等、他のタイプの線形若しくは非線形負荷、又は、補助出力電圧を必要とする、出力電流制御及び/又は大きなダイナミックレンジを要求する任意のタイプの負荷に適用し得ることを理解されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008] 本発明の1つの狙いは、DC出力電圧がそこから送達され得る補助出力を更に提供する1つの単一電力変換モジュールによる電力管理を可能にするコンパクトな集積型の解決策を提案することによって、既知の解決策の上述した欠点を改善することである。
【0009】
[0009] 本発明によれば、SCCアーキテクチャ、又はインダクタと組み合わせたSCCのハイブリッドアーキテクチャに基づく、SCCの固有特性を利用するドライバ構成が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0010] そのために、本発明は、少なくとも1つの主負荷及び1つの補助負荷を駆動するための新規のドライバであって、入力電圧を、上記主負荷を駆動するための、主出力を介して提供される少なくとも1つの主出力電圧と、上記補助負荷に電力供給するための、補助出力を介する少なくとも1つの補助出力DC電圧とに変換するように適合された電力変換器と、少なくとも1つの入力設定値に基づいて上記主出力を制御するように適合された制御装置とを備え、電力変換器が、複数のスイッチと複数のコンデンサとを備えるスイッチドキャパシタコンバータを備え、主出力が、電力変換器の少なくとも1つの内部ノードに接続され、補助出力が、電力変換器のDCノードに接続されるドライバを提案する。本発明の原理は、スイッチドキャパシタコンバータ構造がそのフローティングノードから電力が引き出されるように使用される場合に、同じSCC構造の何らかのDCノードが補助負荷に電力を供給するために使用され得ることに基づく。
【0011】
[0011] 本発明の例示的実施形態では、電力変換器の主出力が、決定された最小分数レベルから決定された最大分数レベルまでの範囲の複数のステップに分割されたバイアス成分を有する、変換率に関係付けられる入力電圧レベルの分数であるレベルを有するフローティング電圧を伝送することができる。
【0012】
[0012] 別の実施形態では、電力変換器は、入力電圧レベルの分数であるレベルを有する複数の出力信号を提供するように構成され得て、各出力信号が、決定された最小分数レベルから決定された最大分数レベルまでの範囲の複数のステップに分割されたバイアス成分を有して浮いており、ドライバは、上記複数の出力信号のうちの1つの出力信号を選択して、そのような選択された出力信号を出力するように適合された選択モジュールを更に備える。
【0013】
[0013] ドライバは、電力変換器の主出力に接続された出力フィルタを更に備え得る。
【0014】
[0014] 他の実施形態では、出力フィルタは、選択モジュールの出力に接続され得る。
【0015】
[0015] 電力変換器は、ディクソンラダー、標準ラダー、フィボナッチ、及び直列−並列トポロジーからなる群の中の少なくとも1つのトポロジーに基づいていてよい。
【0016】
[0016] ドライバは、補助出力電圧を調整するための補助出力に結合された調整モジュールを更に備えることができる。
【0017】
[0017] 調整モジュールは、補助負荷にわたる感知された電圧を表す信号を伝送する入力と、電力変換器のDCノードコンデンサを充電することを可能にする電力変換器のスイッチを制御するための制御信号を伝送する少なくとも1つの出力とを備える調整制御装置を備えることができ、上記制御信号は、調整制御装置によって発生される。
【0018】
[0018] 調整モジュールは、電力変換器のDCノードと補助負荷との間に直列に接続されたリニアレギュレータを備えることができる。
【0019】
[0019] 本発明の別の態様は、上述した実施形態の任意のものにおけるようなドライバと、主負荷と、補助負荷とを備える照明システムであって、主負荷が、少なくとも1つの発光デバイス(LED)を備え、及び/又は補助負荷が、制御ユニット、通信ユニット、及びセンサユニットからなる群の中の少なくとも1つを備える照明システムである。
【0020】
[0020] 本発明の別の態様は、主負荷に接続されるように構成された出力を少なくとも有する誘導性出力フィルタを介してパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)信号を主負荷に供給するための方法であって、DC入力電圧によって供給される電力を、バイアス成分を有する入力電圧レベルの分数であるレベル振幅を有する主出力電圧に少なくとも変換して、出力フィルタを介して主負荷供給信号を供給し、補助負荷に補助DC出力電圧を供給するステップを少なくとも含む方法である。
【0021】
[0021] 本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、例示的な非限定の例としてのみ提供される好ましい実施形態の以下で与えられる詳細な説明、及び添付図面に鑑みてより明瞭にされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】[0022] 本発明による補助出力を有するLEDドライバを示すブロック図である。
図2】[0023] 本発明の例示的実施形態による、補助出力を備えるLEDドライバを例示するブロック図である。
図3】[0024] 本発明の例示的実施形態による、補助出力を備えるLEDドライバを例示する電気的回路図である。
図4】[0025] 本発明によるLEDドライバの主出力及び補助出力での出力電圧の一例を例示するグラフを示す図である。
図5A】[0026] 本発明の1つの例示的実施形態による、LEDドライバの補助出力のレギュレータを例示する電気的回路図である。
図5B】[0026] 本発明の1つの例示的実施形態による、LEDドライバの補助出力のレギュレータを例示する電気的回路図である。
図6A】[0027] 本発明の別の例示的実施形態による、LEDドライバの補助出力のレギュレータを例示する電気的回路図である。
図6B】[0027] 本発明の別の例示的実施形態による、LEDドライバの補助出力のレギュレータを例示する電気的回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0028] 以下の詳細な説明では、本開示を完全に理解できるように、限定ではなく例示の目的で、特定の詳細を開示する代表的な実施形態を述べる。しかし、本開示の利益を享受している当業者には、本明細書で開示される特定の詳細から逸脱する本開示による他の実施形態が添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが明らかであろう。更に、代表的な実施形態の説明を曖昧にしないように、よく知られている装置及び方法の説明は省略することがある。明らかに、そのような方法及び装置は本開示の範囲内にある。
【0024】
[0029] 図1は、本発明による、補助出力を有するLEDドライバを例示する全般的なブロック図を示す。
【0025】
[0030] 図1は、電源11に接続されたLEDドライバ10を示す。LEDドライバ10は、電力変換器101を備え、電力変換器101は、1つの主出力1011(MAIN)と、1つの補助出力1013(AUX)とを備える。主出力1011は、主負荷、例えば1つのLED若しくは1組のLED(図1には図示せず)、又は任意の他のタイプの負荷に接続され得る。主出力1011は、場合によっては、図2を参照して以下に更に述べる主出力フィルタを介して主負荷に接続され得る。
【0026】
[0031] 補助出力1013は、補助負荷(図1には図示せず)に接続され得て、補助負荷は、LED、通信ユニット、1つ若しくは複数のセンサを備えるセンサユニット、能動冷却ユニット等、又は上記要素の組合せの動作を制御するように適合された制御ユニットを備え得る。補助出力1013は、場合によっては、補助出力フィルタを介して補助負荷に接続され得る。LEDドライバ10、電源11、主負荷及び補助負荷、フィルタ、又はこれらの要素の一部は、照明システム1の要素でよく、照明システム1も本発明の一態様である。
【0027】
[0032] 電源11は、例えば、AC又はDC電圧Vsupplyを供給するように設計され得る。例えば、供給電圧Vsupplyは、交流電源からのAC電圧、又はDCグリッド若しくはバッテリによって供給されるDC電圧でよい。
【0028】
[0033] LEDドライバ10は、制御装置103を更に備える。制御装置103は、少なくとも1つの設定値制御信号を受信するための少なくとも1つの入力(SET)を備え、且つ少なくとも1つの制御信号を少なくとも電力変換器101に送達するための少なくとも1つの出力(CTRL)を備える。
【0029】
[0034] 制御装置103は、主負荷の実際の動作を表すフィードバック信号を受信するための1つの主フィードバック入力、及び/又は補助負荷の実際の動作を表すフィードバック信号を受信するための1つの補助フィードバック入力を更に備えることができる。例えば、LEDによって主負荷が形成される場合、主フィードバック入力は、感知された電流を表す信号をLEDを介して伝送することができ、センサを備える感知ユニットによって補助負荷が形成される場合、補助フィードバック入力は、1組のセンサによって感知された情報を提供する信号を伝送することができる。従って、制御装置103は、入力された設定値、及び/又は主負荷及び/又は補助負荷の動作を表すフィードバック信号に応じて電力変換器101の動作パラメータを調節することができる。
【0030】
[0035] 電力変換器101は、供給電圧Vsupplyを受け入れ、主出力を介して調整された主電圧を送達し、且つ補助出力を介して補助DC電圧を送達するように適合される。
【0031】
[0036] 本発明の特殊性によれば、電力変換器101が、制御信号によって制御される複数のスイッチと、複数のコンデンサとを備えるスイッチドキャパシタコンバータ(SCC)によって形成され、電力変換器101の主出力1011は、スイッチドキャパシタコンバータの内部ノードの何れか1つに直接接続され、一方、電力変換器101の補助出力1013は、SCCのDCノードに直接接続されることが提案される。SCCは制御可能でよく、制御可能なSCCは、典型的には複数の内部ノードを備え、それらのうちの幾つかが、本発明では出力として使用される。
【0032】
[0037] 特に、制御可能なSCCは、典型的には少なくとも1つのDCノードを備え、DCノードは、デューティサイクルとは無関係の固定値を有する電圧を提供し、幾つかの他の内部ノードは、フローティングPWMノードであり、デューティサイクルを変えることによって変調され得るパルス電圧を提供する。従って、電力変換器101の2つの出力は、単一の制御装置103によってスイッチドキャパシタコンバータを介して個別に制御され得て、これは、単純でコンパクトなアーキテクチャを必要とするという利点を提供する。特に、フローティングPWMノードでの小さな電圧リップルは、出力フィルタに対する要件を緩和するという利点を提供する。従って、誘導性出力フィルタが使用される場合、インダクタのサイズが大幅に減少され得る。以下に詳細に述べる図2に示される例示的実施形態では、1μH未満のインダクタンスを有するインダクタが、出力フィルタインダクタンスとして使用され得る。
【0033】
[0038] また、SCCは、周波数変調及び/又はオンチャネル抵抗変調によっても制御され得る。例えば、SCCの内部ノードは、DCノードに影響を何ら及ぼさずに、制御信号のデューティサイクルを変えることによって制御され得る。DCノードは、SCCの内部ノードでの電圧に顕著な影響を及ぼさずに、オンチャネル変調によって調整され得る。
【0034】
[0039] 上述した全ての制御技術は、SCC構造内のコンデンサの適切な寸法設定により使用され得る。
【0035】
[0040] 図2は、本発明の例示的実施形態による、補助出力を備えるLEDドライバを例示するブロック図を示す。
【0036】
[0041] 図2によって例示される本発明の例示的実施形態では、ドライバ20は、図1を参照して上述したドライバ10と同様に、SCCを備える電力変換器201を備える。電力変換器201は、やはり図1を参照して上述したドライバ10と同様に、電圧供給源21によって電力を供給される。ドライバ20は、主負荷23(例えば、抵抗負荷、又はLED若しくは有機発光ダイオード(OLED)等の発光デバイスでよい)に接続された主出力と、補助負荷25に接続された補助出力とを有する。
【0037】
[0042] 図2によって例示される非限定の例示的実施形態では、電力変換器201は、PWM電圧を送達する複数の出力を備える。上述したように、複数の出力は、図3を参照して以下に更に詳細に述べるように、電力変換器201によって構成されるSCCの内部ノードに直接接続される。更に、この例示的実施形態では、電力変換器201の複数の出力の1つは、選択モジュール等の適切な選択手段によって選択され、例えば出力フィルタ205を介して出力に接続され得る。例えば、電力変換器201の複数の出力は、選択モジュールを形成するマルチプレクサモジュール202の複数の入力にそれぞれ接続され得て、選択モジュールは、以下に更に詳述するように、その出力で、上記の複数の入力からの1つのPWM電圧PWMxを送達する。従って、マルチプレクサモジュール202は、n:1マルチプレクサでよい。必ずしも、例示される例示的実施形態のようにドライバがマルチプレクサを備えなくてもよいことを理解されたい。選択モジュールは、例えば、場合によっては出力フィルタ205を介して、電力変換器201の出力の1つをドライバ20の出力に適切に配線することによって形成され得る。
【0038】
[0043] マルチプレクサ202の出力は、出力フィルタ205に接続される。出力フィルタ205は、特に、最低限、1つのコンデンサ又は1つのインダクタの何れかを備えることができる。
【0039】
[0044] 更に、例示される例示的実施形態では、ドライバ20の補助出力は、電力変換器201の補助出力2013に直接接続され、補助出力2013は、図3を参照して以下に更に詳述するように、電力変換器201内に含まれるSCCの1つのDCノードに直接接続される。
【0040】
[0045] ドライバ20は、図1を参照して上述したドライバ10と同様に、制御装置203を更に備える。制御装置203は、電源21によって供給される感知された電圧を表す入力信号、及び/又は主負荷23及び/又は補助負荷25の感知された電圧、電流、若しくは電力、例えば負荷電圧を表す信号に応じて、電力変換器101及びマルチプレクサ202を制御することによって制御ループを可能にする。
【0041】
[0046] 制御装置203の1つの第1の出力は、電力変換器201を制御することを可能にし、制御装置203の1つの第2の出力は、例えばゾーン制御によって、マルチプレクサ202のチャネルを制御することを可能にする。
【0042】
[0047] 制御装置203は、SCCを備える。従って、制御装置203は、アナログ制御によって電力変換器201のデューティサイクル及び/又は周波数を制御することによって、その第1の出力を介して電力変換器201を制御する。
【0043】
[0048] 図3は、本発明の例示的実施形態による、補助出力を備えるLEDドライバを例示する電気的回路図を示す。
【0044】
[0049] ドライバ30は、上述したドライバ10又は20と同様に、特に、電力変換器301と、マルチプレクサ302と、出力フィルタ305とを備える。
【0045】
[0050] 図3によって例示される非限定の例示的実施形態では、電力変換器301は、上述したように複数のPWM出力信号を提供するように適合され、これらのPWM出力信号は、入力DC電圧Vinの分数であるレベルを有する。この例示的実施形態では、PWM出力信号は、入力DC電圧Vinの分数であるレベルを有する矩形波形電圧である。矩形波電圧はそれぞれ、非限定の例示的実施形態では最低の分数レベルから最高の分数レベルまでの範囲の複数のステップに均等に分割されたバイアス成分を有して浮いている。任意の電圧がマルチプレクサ302によって選択され得て、マルチプレクサ302の出力を介して出力され得て、マルチプレクサ302の出力は、出力フィルタ305に接続され、それにより連続的な電圧を主負荷33に提供する。
【0046】
[0051] 図3によって例示される非限定の例示的実施形態では、電力変換器301は、複数のスイッチ及びコンデンサを備えるSCCによって形成される。例えば、電力変換器301は、いわゆるディクソンラダー変換器を備える。例えば、標準ラダー、フィボナッチ、又は直列−並列トポロジー等、他のSCCトポロジーが使用され得ることも把握されたい。
【0047】
[0052] 例示される非限定の例示的実施形態は、より具体的には、10個のコンデンサC1〜C10と、単極単投タイプの14個のスイッチS1〜S14とに基づくディクソンラダートポロジーを使用する。より具体的には、電力変換器301は、2つのフライングラダーを備える。即ち、1つの第1のフライングラダーは、直列に配置された4つのコンデンサC3、C5、C7、C9を備え、1つの第2のフライングラダーは、直列に配置された5つのコンデンサC2、C4、C6、C8、C10を備える。
【0048】
[0053] 電力変換器301は、10個の中央ノードN1〜N10を更に備える。1つの第1のスイッチS1が、第1の中央ノードN1を供給電圧Vinに選択的に接続する。1つの第2のスイッチS2が、第1の中央ノードN1を第2の中央ノードN2に選択的に接続する。1つの第3のスイッチS3が、第2の中央ノードN2を第3の中央ノードN3に選択的に接続する。1つの第4のスイッチS4が、第3の中央ノードN3を第4の中央ノードN4に選択的に接続する。1つの第5のスイッチS5が、第4の中央ノードN4を第5の中央ノードN5に選択的に接続する。1つの第6のスイッチS6が、第5の中央ノードN5を第6の中央ノードN6に選択的に接続する。1つの第7のスイッチS7が、第6の中央ノードN6を第7の中央ノードN7に選択的に接続する。1つの第8のスイッチS8が、第7の中央ノードN7を第8の中央ノードN8に選択的に接続する。1つの第9のスイッチS9が、第8の中央ノードN8を第9の中央ノードN9に選択的に接続する。1つの第10のスイッチS10が、第9の中央ノードN9を第10の中央ノードN10に選択的に接続する。1つの第1のコンデンサC1が、第10の中央ノードN10と、基準電圧、例えば接地に接続された1つの第11の中央ノードN11との間に配置される。
【0049】
[0054] 4つのコンデンサC3、C5、C7、C9を備える第1のフライングラダーは、第2の中央ノードN2と1つの第1の二次ノードSN1との間に位置される。1つの第11のスイッチS11が、第1の二次ノードSN1を第11の中央ノードN11に選択的に接続し、1つの第12のスイッチS12が、第1の二次ノードSN1を第10の中央ノードN10に選択的に接続する。
【0050】
[0055] 5つのコンデンサC2、C4、C6、C8、C10を備える第2のフライングラダーは、第1の中央ノードN1と、1つの第2の二次ノードSN2との間に位置される。1つの第13のスイッチS13が、第2の二次ノードSN2を第10の中央ノードN10に選択的に接続し、1つの第14のスイッチS14が、第2の二次ノードSN2を第11の中央ノードN11に選択的に接続する。
【0051】
[0056] スイッチS1〜S14を開閉する適切なシーケンスにより、2つのフライングラダーは逆位相にされる。例えば、偶数番号のスイッチS2、S4、...、S14は全て、第1の時間位相Φ1中に所与の状態であり得、例えばオンに切り替えられ得、一方、奇数番号のスイッチS1、S3、...、S13は全て逆の状態であり得、例えばオフに切り替えられ得る。後続の第2の時間位相Φ2中には、全てのスイッチの状態が反転され得る。
【0052】
[0057] 従って、例示される実施形態による電力変換器301は、10:1の変換率を提供するように構成される。中央ノードN1〜N9から送達される信号は、電力変換器301の同数の出力を形成し、例示される実施形態では電力変換器301を形成するスイッチドキャパシタコンバータの内部ノード(図3に電圧vx1〜vx9として示される)が、マルチプレクサ302の同数の入力に接続される。従って、この例示的実施形態では、マルチプレクサ302は、9つの入力の1つを出力vxに選択的に接続することを可能にする9つのスイッチを備え、且つ、出力フィルタ305に印加される電圧レベルの更なる改良された定義又はダイナミクスのために、第1の二次ノードSN1に接続された追加のスイッチを備える。より一般的には、マルチプレクサ302は、電力変換器301の内部ノードの任意のものに接続され得て、接続される内部ノードと同数のスイッチを備える。マルチプレクサ302の構造は、負荷動作に関する要件に応じて、スイッチの数を減少させることによって簡略化され得る。
【0053】
[0058] 上述したように、マルチプレクサ302は、選択モジュールの可能な一実装形態である。より一層単純なアーキテクチャは、電力変換器301の複数の出力のうち、幾つかの用途に関する負荷の動作要件を満たすことができる選択された出力を適切に配線することを可能にすることによって実現され得る。そのような場合には、選択モジュールは、上記の適切な配線によって形成され、即ち、そのような実施形態では、マルチプレクサに頼る必要はない。そのような実施形態は、特に、例えば製造プロセスにおける単純な追加の配線ステップによって、所与の負荷に適合され得る費用対効果の高いコンパクトなアーキテクチャをやはり提供するという利点をもたらす。
【0054】
[0059] 図3によって例示される例示的実施形態では、電力変換器301のDCノードは、第10の中央ノードN10である。従って、電力変換器301の補助出力(ドライバ30の補助出力でもあり得る)は、図3によって例示される例示的実施形態におけるように第10の中央ノードN10に直接接続され得る。二次負荷35にわたるDC電圧(Vauxとして表され得る)は、この場合、第1のコンデンサC1にわたる電圧であり、即ちvauxとして表される第10の中央ノードN10と第11の中央ノードN11との間の電圧である。
【0055】
[0060] 図3によって例示される例示的実施形態におけるように、スイッチドキャパシタコンバータは、電力変換モジュール101の出力電圧vauxから利用可能な10:1の固定変換率を有する10コンデンサディクソンラダートポロジーで実装され得る。
【0056】
[0061] 同時に、電力変換器301を形成するスイッチドキャパシタコンバータの内部ノードでの電圧vx1〜vx9は、入力DC電圧Vinの20分の1の大きさを有する矩形波形電圧である。中央ノードN1〜N9はそれぞれ、以下に更に詳細に述べるように、図3に示される
【数1】
の範囲の10個のステップに均等に分割されるバイアス成分を有して浮いている矩形波電圧を生成する。中央ノードN1〜N9の任意のものが、マルチプレクサ302を介して出力フィルタ305に接続され得る。
【0057】
[0062] 図3によって例示される本発明の例示的実施形態では、電力変換器301としてSCCを使用することが、SCCの既存の内部ノード及びそのDCノードを介して電力変換器301の出力電圧を提供することを可能にする。この特定の実施形態は、電力変換器301を形成するSCCに本来的に含まれるノードで出力電圧が既に利用可能であるので、同様の性能を有する既存の電力変換デバイスと比べて、電力変換デバイスで使用されるコンデンサの数を大幅に減少させることを可能にするという利点を提供する。
【0058】
[0063] 図3によって例示される例示的実施形態におけるように、出力フィルタ305は、フィルタインダクタンスLo及びフィルタコンデンサCoを備えることができ、フィルタインダクタンスLoは、マルチプレクサ302の出力と、フィルタコンデンサCoに並列な主負荷33との間に接続される。
【0059】
[0064] 本発明の更なる利点は、マルチプレクサ302の出力での電圧vxの信号のリップルが大幅に減少されることであり、これは、大きさに関して、例えばLEDモジュールによって形成される主負荷33自体のサイズと同様のサイズで小さなパッケージ内にフィルタインダクタンスLoが容易に集積され得るように、フィルタインダクタンスLoに関する要件を緩和することを可能にする。典型的には、インダクタンス値は電圧リップルに正比例し、従って、電圧リップルが係数N分の1に減少される場合、インダクタの体積は同じ係数N分の1に減少され得る。
【0060】
[0065] また、そのような小さなリップルは、電磁放射を減少させることを可能にし、従って電磁干渉(EMI)を改良するという利点も提供する。そのような小さなリップルはまた、電力変換デバイスに含まれるスイッチにおける電圧及び電流ストレスが大幅に減少され得、従って電力変換デバイスの寿命を顕著に改良するという更なる利点も提供する。
【0061】
[0066] 負荷調整を実現するために、図2を参照して上述したような制御装置203は、マルチプレクサ302の適切なチャネルを制御し、電力変換器301を制御するように構成される。マルチプレクサ302は、出力フィルタ305に印加される離散電圧レベルを用いた粗い制御を提供する。
【0062】
[0067] 更に、制御装置203は、SCC段階のデューティサイクルを制御することによって、電力変換器301の出力、即ち図3を参照して上述した例示的実施形態におけるSCCの内部ノードの矩形波のPWMの精密な制御を可能にする。更に、制御装置203は、様々な負荷レベルで効率を最大化するようにSCCのスイッチング周波数を調節することを可能にし得る。
【0063】
[0068] SCCの内部ノードがPWM電圧を有する一方で、SCCのDCノードは、入力電圧Vinに電力変換器301の変換率を掛けた値によって決定される固定値を有する電圧を有する。
【0064】
[0069] デューティサイクルの掃引に対する図3に示されるSCCの内部ノード及びそのDCノードの幾つかの平均電圧レベルの変化が、以下に更に詳細に述べる図4に例示されている。
【0065】
[0070] 図4は、図3を参照して上述した例示的実施形態によるLEDドライバの主出力及び補助出力での出力電圧の一例を例示するグラフを示す。
【0066】
[0071] 図4は、入力電圧Vinが50ボルト程度である例示的実施形態において、SCCのスイッチを制御するPWM信号のデューティサイクルが0%から100%まで掃引されるときの、電力変換器301の様々な内部ノード及びそのDCノードでの平均電圧を例示する曲線を示す。
【0067】
[0072] 図4で分かるように、デューティサイクルの極値では、幾つかの内部ノードの平均電圧が重畳し得る。
【0068】
[0073] 図4において、点線で示される9つの曲線は、グラフの上から下へ、制御PWM信号のデューティサイクルの関数として、SCCの最初の9つの内部ノードN1〜N9での電圧をそれぞれ表す。
【0069】
[0074] 図4に示されるように、図1を参照して上述したのと同様に電力変換器301のスイッチを制御する信号のデューティサイクルを制御装置303によって変えることは、出力電圧値の連続する範囲を実現することを可能にする1つの方法である。更に、マルチプレクサ302によって適切な出力電圧を選択することが、出力電圧値の広い範囲を実現することを可能にする。
【0070】
[0075] 図4のグラフで実線として示される一番下の曲線は、SCCのDCノードN10での電圧を表す。この曲線から分かるように、且つ図3を参照して上述したように、DCノードでの電圧は、入力電圧Vinに変換器の変換率(図3によって例示される非限定の例示的実施形態では、10)を掛けた値によって決定される固定値を有する。この変換率は固定され、SCCのデューティサイクル動作に依存しない。この電圧は、電力変換器301の補助出力(ドライバ30の補助出力でもあり得る)を提供するために使用され得る。入力電圧が50Vである例示される例のように、入力電圧が高い場合、電力変換器301のSCCアーキテクチャによって提供される入力電圧と補助出力電圧との間の本来的な高い変換率は、特に単純さ及び効率の観点で他の既知の解決策に比べて有利であり得る。
【0071】
[0076] 幾つかの場合には、補助出力は、細かい調整を必要とし得る。本発明の一実施形態では、ドライバは、調整モジュールを備え得る。調整モジュールは、例えばリニアレギュレータでよい。従って、ドライバは、補助負荷によって必要とされる電圧をわずかに超える電圧を提供するように適合される。例えば、補助負荷としての3.3Vの電子モジュールに関して、補助出力は、3.5〜3.7ボルトの間の範囲内の電圧を提供するように適合され得て、補助出力電圧は、シャントレギュレータによって調節され得る。そのような実施形態で生成される余剰の電力損失は、ドライバに不利益ではない。なぜなら、補助出力で供給される電力は、典型的には、主出力で供給される電力よりもはるかに低いからである。
【0072】
[0077] 本明細書で以下に述べる図5A、5B及び6A、6Bは、リニアレギュレータの2つの可能な実装形態を例示する。
【0073】
[0078] 図5Aは、本発明の例示的実施形態による、LEDドライバの補助出力のレギュレータを例示する電気的回路図を示す。
【0074】
[0079] 図5Aによって示される一実施形態では、補助出力は、閉ループ調整方式に従うリニアレギュレータによって調節され得る。例示される例示的実施形態では、図3を参照して上述したドライバ30と同様のドライバ50(その一部のみが図5に示される)が、調整制御装置501を更に備え得る。
【0075】
[0080] 調整制御装置501は、補助負荷55にわたる感知された電圧を表す信号を伝送する入力を備え得る。例示される例示的実施形態では、調整制御装置501は、電力変換器301を形成するSCCのDCノードコンデンサを充電することを可能にするスイッチを制御するための、調整制御装置501によって発生される制御信号を伝送する3つの出力を備える。即ち、図3によって示される例示的なSCCのスイッチS10、S12、及びS13である。例えば、スイッチが金属酸化膜半導体(MOS)トランジスタによって形成される場合、制御信号は、上記のスイッチS10、S12、及びS13のゲートでのそれぞれの電圧を変調することができる。図5Bによって例示されるように、調整制御装置501は、例えば2つの抵抗Rx1、Rx2によって形成される分圧器により、補助出力電圧vauxを測定するように適合され得る。Vsenseとして表される感知された電圧が、補助出力電圧設定値Vsetから減算され得る。
【0076】
[0081] 比例積分(PI)制御装置が、例えば演算増幅器(OA)に基づく増幅器回路503及び積分器回路505によって形成され得る。PI制御装置は、2つの測定電圧VsenseとVsetの間の誤差を最小限にすることを可能にする。PI制御装置の応答は、OAに接続された受動構成要素、即ち例示される例示的実施形態では抵抗及びコンデンサの特性を変調することによって調節され得る。
【0077】
[0082] 次いで、Vgate_driverとして表されるPI制御装置の出力電圧が、例えばMOS電界効果トランジスタ(MOSFET)によって形成されたスイッチS10、S12、S13のゲートに提供され得て、MOSFETでの適切なVdsの低下を提供する。
【0078】
[0083] 図6A図6Bは、本発明の別の例示的実施形態による、LEDドライバの補助出力のレギュレータを例示する電気的回路図を示す。
【0079】
[0084] 図6Aによって例示される一実施形態では、補助出力は、電力変換器301のDCノードと補助負荷65との間に直列に接続されたリニアレギュレータ601によって調整され得る。
【0080】
[0085] 図6Bによって例示されるように、図5Bを参照して上述した調整制御装置501のアーキテクチャと同様に、リニアレギュレータ601は、例えば2つの抵抗Rx1、Rx2によって形成される分圧器により、補助出力電圧vauxを測定するように適合され得る。Vsenseとして表される感知された電圧が、補助出力電圧設定値Vsetから減算され得る。
【0081】
[0086] 比例積分(PI)制御装置が、例えば演算増幅器(OA)に基づく増幅器回路603及び積分器回路605によって形成され得る。PI制御装置は、2つの測定電圧VsenseとVsetの間の誤差を最小限にすることを可能にする。PI制御装置の応答は、OAに接続された受動構成要素、即ち例示される例示的実施形態では抵抗及びコンデンサの特性を変調することによって調節され得る。
【0082】
[0087] 次いで、PI制御装置の出力電圧が、専用MOSFETスイッチT1のゲートに提供され得る。
【0083】
[0088] 本明細書で述べるSCCアーキテクチャで使用されるスイッチは全て、単方向又は双方向でよく、回路のスイッチング周波数に適合した適切な技術で実装され得る。例えば、スイッチは、シリコン基板上の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)若しくは数組のMOSFET、又は窒化ガリウム基板上の高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)によって形成され得る。
【0084】
[0089] 全てのリアクタンス素子が、例えばパワーシステムオンチップ(PSoC:Power System on a Chip)又はパワーシステムインパッケージ(PSiP:Power System in a Package)としての集積を可能にするように十分に小さいサイズにされ得る。
【0085】
[0090] また、コンデンサは、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標):Ferroelectric Random Access Memory)又は混載ダイナミックランダムアクセスメモリ(eDRAM:embedded Dynamic Random Access Memory)に適合されるものと同様の技術を使用して実装され得る。そのような技術で実現されるより高い誘電率は、集積されるSCCをより小さく、従ってより安価にする。
【0086】
[0091] 本明細書で定義及び使用される全ての定義は、辞書的な定義、参照により援用する文献における定義、及び/又は定義される用語の通常の意味合いを網羅するものと理解すべきである。
【0087】
[0092] 開示される実施形態に対する他の変形形態は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から当業者によって理解され、特許請求される発明を実施する際に実行され得る。特許請求の範囲において、用語「備える」は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は、複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されていることだけでは、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示さない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B