特許第6430609号(P6430609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6430609装身具造形システム、装身具造形プログラム及び装身具造形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6430609
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】装身具造形システム、装身具造形プログラム及び装身具造形方法
(51)【国際特許分類】
   A44C 27/00 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
   A44C27/00
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-204081(P2017-204081)
(22)【出願日】2017年10月20日
【審査請求日】2018年4月17日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 J−WAVEが、平成29年8月13日5時から放送したZAPPAというラジオ番組にて公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517369896
【氏名又は名称】EncodeRing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】下城 伸也
(72)【発明者】
【氏名】松田 光秀
(72)【発明者】
【氏名】角村 嘉信
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−005136(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3170013(JP,U)
【文献】 特開2016−177709(JP,A)
【文献】 特開2011−019567(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/102090(WO,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−0780467(KR,B1)
【文献】 米国特許第9445210(US,B1)
【文献】 GIGAZINE,好きな声やメッセージをアップロードして「波形」をアクセサリーに出力するサービス,[online],2014年12月22日,[平成30年7月11日検索],第1-4頁,URL,http://gigazine.net/news/20141222-soundwave-accessories/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装身具を造形する装身具造形システムであって、
ユーザが発する音声情報を取得する取得部と、
前記音声情報が示す音声波形を、該音声波形の振幅に所定の幅を持たせるように加工する加工部と、
前記加工部に加工された音声波形に基づいて、前記装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する造形部と、
前記装身具デザインデータを表示する表示部と、を備え、
前記装身具造形システムが、前記装身具デザインデータを識別するための識別情報を付与するものであって、
前記ユーザが有する端末装置を介して、前記識別情報を入力することにより、前記識別情報を検索可能とし、前記端末装置に前記音声情報を再生させる
ことを特徴とする
装身具造形システム。
【請求項2】
前記加工部は、前記音声波形を示す座標点を、所定の基準値以上であれば上側制御点と判別し、前記基準値より小さければ下側制御点と判別して、前記上側制御点には所定の振幅値を加算し、下側の制御点には前記所定の振幅値を減算することで、前記音声波形の振幅に所定の幅をもたせるように前記音声波形を加工すること、
を特徴とする請求項1に記載の装身具造形システム。
【請求項3】
前記加工部は、前記加減算された上側制御点及び下側制御点それぞれにおいて、所定の間隔ごとに曲線制御点を抽出し、該抽出された曲線制御点に基づいて、波形が滑らかな曲線となるよう前記音声波形をさらに加工すること
を特徴とする請求項2に記載の装身具造形システム。
【請求項4】
前記装身具デザインデータごとに識別情報を付与する識別部と、
前記ユーザからの前記識別情報の入力を受け付ける入力部と、
前記入力を受け付けた識別情報に基づいて、前記音声情報の音声を出力する音声出力部と、を備えること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装身具造形システム。
【請求項5】
装身具を造形する装身具造形プログラムであって、
コンピュータに、
ユーザが発する音声情報を取得する取得機能と、
前記音声情報が示す音声波形を、該音声波形の振幅に所定の幅をもたせるように加工する波形加工機能と、
前記加工部に加工された音声波形に基づいて、前記装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する造形機能と、
前記装身具デザインデータを表示する表示機能と、を備え、
前記装身具造形プログラムは、前記装身具デザインデータを識別するための識別情報を付与するものであって、
前記ユーザが有する端末装置を介して、前記識別情報を入力することにより、前記識別情報を検索可能とし、前記端末装置に前記音声情報を再生させる
ことを特徴とする装身具造形プログラム。
【請求項6】
装身具を造形する装身具造形方法であって、
ユーザが発する音声情報を取得し、
前記音声情報が示す音声波形を、該音声波形の振幅に所定の幅をもたせるように加工し、
前記加工された音声波形に基づいて、前記装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成し、
前記装身具デザインデータを表示し、
前記装身具造形方法は、前記装身具デザインデータを識別するための識別情報を付与するものであって、
前記ユーザが有する端末装置を介して、前記識別情報を入力することにより、前記識別情報を検索可能とし、前記端末装置に前記音声情報を再生させる
ことを特徴とする装身具造形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声波形から装身具の装着部分の輪郭を形成するよう波形の加工を行う装身具造形システム、装身具造形プログラム及び装身具造形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、好きな声やメッセージをアップロードして、その音声波形をアクセサリー等の装身具のデザインとして、3次元描画ツールや3次元造形装置を用いて製造し、販売するサービスが存在する。
【0003】
近年では、装身具の購入希望者がメッセージを発した際の音声情報から音声波形を取得して、当該波形を用いて装身具の一部を、3次元描画ツールや3次元造形装置を用いてデザインするサービスが提供されている(例えば、非特許文献1)。
【0004】
また、従来技術として、特許文献1で開示されているように、装身具の購入者が選択した図案化されたアルファベットの文字を入力すると、当該図案化されたアルファベットの文字が挿入された装身具用石座が立体的に表示される装身具用石座設計システムが開示されている。装身具用石座設計システムは、イニシャルといった意味合いを持たせつつ、立体的な美的印象を与えることができるよう、アルファベットの文字に装飾性を持たせて自動で装身具用石座が設計することができるため、購入者はあらかじめ、完成した石座を立体的に見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−19567号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“好きな声やメッセージをアップロードして「波形」をアクセサリーに出力するサービス”、[online]、2017年7月27日、[2017年7月27日検索]、インターネット、<URL:http://gigazine.net/news/20141222-soundwave-accessories/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、装身具にデザインする音声波形に立体的、かつ、美的印象を持たせるように、音声波形で指輪やブレスレットのアーム部分の輪郭が立体的に形成された装身具を形作ろうとしても、(1)例えば、指輪やブレスレット等においてリング状にして所定の強度を持たせるためには、取得した音声波形そのままでは、アーム部分(装着部分)を形成できない(2)波形が先細っていたり、小刻みな形であったりと後の貴金属加工等に耐えられる造形が自動でできないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような課題に鑑み、ユーザが発する音声情報が示す音声波形を用いて装着部分の輪郭を造形する際に、装身具の実際の製造における金属加工に耐え、装身具の実際の使用に耐えられるように装身具デザインを自動で造形することができる、装身具造形システム、装身具造形プログラム及び装身具造形方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る装身具造形システムは、装身具を造形する装身具造形システムであって、ユーザが発する音声情報を取得する取得部と、音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅を持たせるように加工する加工部と、加工部に加工された音声波形に基づいて、装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する造形部と、装身具デザインデータを表示する表示部と、を備える。
【0010】
本発明に係る装身具造形プログラムは、装身具を造形する装身具造形プログラムであって、コンピュータに、ユーザが発する音声情報を取得する取得機能と、前記音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅をもたせるように加工する波形加工機能と、前記加工部に加工された音声波形に基づいて、前記装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する造形機能と、前記装身具デザインデータを表示する表示機能と、を備える。
【0011】
本発明に係る装身具造形方法は、装身具を造形する装身具造形方法であって、 ユーザが発する音声情報を取得し、音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅をもたせるように加工し、加工された音声波形に基づいて、装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成し、装身具デザインデータを表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、音声波形を用いて装着部分のデザインを形成することが可能となり、立体的かつ美的印象を与えるデザインが可能となる。また、装着部分のデザインに所定の幅をもたせて滑らかな曲線を描くことで貴金属の加工のし易さを向上し、耐久性を得ることが可能な装身具造形システム、装身具造形プログラム及び装身具造形方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る装身具造形システムのシステム構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る装身具造形システムの機能構成例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る装身具造形システムの概要を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る装身具造形システムの音声波形の加工の様子を示す模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係る装身具造形システムの動作例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る装身具造形システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<一実施形態> 以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0015】
(システム構成) 図1は、本発明の一実施形態における装身具造形システムのシステム構成例を示すシステム図である。
【0016】
図1に示すように、装身具造形システム100は、サーバ装置200、端末装置300、ネットワーク400を含む。
【0017】
サーバ装置200は、ネットワーク400を介して、端末装置300と接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、サーバ装置200は3台、端末装置300は2台ずつ示してあるが、これ以下でもこれ以上存在してもよいことは言うまでもない。
【0018】
サーバ装置200は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。
【0019】
サーバ装置200は、具体的には、プロセッサによって装置全体が制御されている処理装置であってもよい。当該プロセッサには、バスを介して、RAM、ROM及びハードディスクドライブ等の記憶装置(記憶部230)、入出力インタフェース、通信インタフェース(NIC)等が接続されて構成されている。当該記憶装置は、制御部210における各種処理に必要となる各種データやプログラムを記憶する機能を有している。当該入出力インタフェースには、ディスプレイ、キーボード、マウス、外付け記憶媒体等の入出力装置が接続されている。当該通信インタフェースには、ネットワーク400が接続されている。
【0020】
また、サーバ装置200は、装身具造形システム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等を設けずに、クラウドサーバによるSaaS(Software as a Service)、Paas(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)を適宜用いてもよい。
【0021】
端末装置300は、装身具造形システムを利用する装身具の購入希望者であるユーザ(以降、「購入ユーザ」という)が保有する携帯端末等の電子機器であればよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等、その他端末機器であってもよい。
【0022】
ネットワーク400は、例えば、IPネットワークである。ネットワーク400は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、端末装置300は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介してサーバ装置200と通信してもよい。また、ネットワーク400は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0023】
ここで、図3を用いて、本発明の一実施形態に係る装身具造形システム100の概要について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る装身具造形システム100の概要を示す模式図である。
【0024】
装身具造形システム100は、図3に示すように、一例として、「あなたのメッセージを録音」といったテキスト表示と併せて、録音実行ボタン(マイクアイコンが表示された円形の操作ボタン)を表示し、当該録音実行ボタンが押下し、(1)購入ユーザが発した「ありがとう」という音声を、装身具造形システム100が搭載されている端末装置300に実装されているマイクを用いて入力すると、(2)装身具造形システム100は、当該購入ユーザが発する音声の音声情報を取得する。
【0025】
また、装身具造形システム100は、図3に示すように、(3)当該取得された音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅を持たせるように加工し、加工された音声波形に基づいて装身具(図3の例では、指輪)の装着部分(図3の例では、指輪のアーム部分の一部)の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する。さらに、装身具造形システム100は、図3に示すように、装身具の装着部分の輪郭を形成する音声波形を、滑らかな曲線となるようさらに加工してもよい。
【0026】
ここで「音声波形」とは、音声の信号データを表す、(ア)時間領域の波形データ(横軸(x軸)が時間、縦軸(y軸)が振幅(音の大きさ))、(イ)周波数領域の波形データ(横軸(x軸)が周波数、縦軸(y軸)が音圧レベル(dB))
【0027】
ここで「所定の幅」とは、音声波形の縦軸に持たせるために定めた幅をいう。所定の幅は、言い換えれば、音声波形を装身具の少なくとも一部に造形するにあたって、装身具の装着や製造の際に必要となる幅をいう。所定の幅の具体的な値は、音声波形の座標点の縦軸の数値、装身具の装着部分の材質に応じた耐久性、装身具のデザインと、装身具のサイズを鑑みて適宜設定すればよい。音声波形の振幅に、このような所定の幅を持たせるように加工することで、耐久性や加工容易性のある装身具デザインを実現できる。
【0028】
ここで「装身具デザインデータ」とは、装身具デザインを示すデータである。装身具デザインデータは、具体的には、装身具の形状、構造を表す2次元又は3次元の描画データである。また、装身具の材質(例えば、貴金属であればプラチナ、金(18金、ピンクゴールド)、銀、真鍮等、レザー)、サイズ(例えば、指輪であれば「号数」、ネックレスであれば「チェーンの長さ」等)、装身具に留める宝石の種類、大きさ又は重さ等を含んでもよい。
【0029】
装身具造形システム100は、上記のような構成とすることで、購入ユーザの音声メッセージによる音声波形を用いて装身部分のデザインを形成することが可能となり、立体的かつ美的印象を与える装身具デザインが可能となる。また、装身具造形システム100は、音声波形そのままの形状だと波形を表す線が細かったり、また、連続した尖ったきざみ目のようになったりしている、装身具の輪郭として加工するのが非常に困難なところ、波形を滑らかな曲線で描き、また、波形に所定の幅をもたせてることで、特に、材質が貴金属、レザー等であった場合の加工のし易さを向上し、耐久性を得ることが可能となる装身具造形システムを提供することができる。
【0030】
また、装身具デザインデータは、デザインの元となった音声情報、音声情報に付帯する位置情報、日時情報、位置情報に対応する風景画像データ等を含んで構成してもよい。このような構成とすることで、位置情報に基づく音声メッセージに関連する場所や、日時情報に基づく季節又はイベント等の情報により、よりメッセージ性を高めた演出を伴って贈り物としての装身具を贈ることができる。
【0031】
また、装身具造形システム100は、図3に示すように、(4)−1.端末装置300にスピーカーで音声情報を再生し、(4)−2.生成された装身具デザインデータを端末装置300の画面に表示する。
【0032】
装身具造形システム100を用いた装身具の製造・販売サービスの一例として、図3に示すように、購入ユーザが、端末装置300に表示された装身具デザインを確認して、(5)当該デザインの装身具を注文すると、当該デザインをもって装身具が製造されて、注文した購入ユーザに提供されてもよい。また、その提供の際に、装身具造形システム100が装身具デザインデータに付与した識別情報を併せて注文した購入ユーザに提供してもよい。
【0033】
ここで「識別情報」とは、複数の装身具デザインデータを識別するための情報(ID情報)である。識別情報は、具体的には、装身具デザインデータを一意に識別できる識別子であればどの様な情報でもよく、アルファベットと数字を組み合わせた文字列やQRコードなどを用いることが考えられる。図3の例では、アルファベットと数字を組み合わせた文字列として「R0001」とする。
【0034】
装身具造形システム100を用いた装身具の製造・販売サービスの一例として、図3に示すように、装身具デザインデータに付与された識別情報(「R0001」)も併せて注文した購入ユーザに提供され、当該購入ユーザは、装身具の贈り先のユーザに提供された装身具と併せて当該識別情報もメッセージと併せて贈ってもよい。
【0035】
図3に示すように、(6)装身具の贈り先のユーザが、当該識別情報を、装身具造形システム100が搭載されている端末装置300に入力すると、装身具造形システム100は当該入力を受け付けて、記憶部230等に記憶されている当該識別情報に対応する装身具デザインデータを検索して取得し、(7)−1.端末装置300のスピーカーから取得された装身具デザインデータに含まれる音声情報を再生し、(7)−2.当該音声情報から音声解析された音声の内容(「ありがとう」)を表示してもよい。このような構成とすることで、装身具造形システム100によれば、メッセージ性のある装身具を提供するだけでなく、当該装身具と併せて音声メッセージの音声再生やテキスト表示で再現させることで、よりメッセージ性の高い付加サービスを提供できる装身具造形システムを実現することができる。
【0036】
また、装身具造形システム100は、図3に示すように、(1)音声入力した際に音声情報に付帯される位置情報(装身具造形システム100がGPS(Global Positioning System)機能を用いて位置情報を取得してもよい)を取得してもよい。例えば、図3の例では、桜の名所で音声入力した例とすると、当該桜の名所の位置を示す位置情報となる。さらに、装身具造形システム100は、図3に示すように、(1)音声入力した際に音声情報に付帯される日時情報を取得してもよい。例えば、図3の例では、桜の開花時期や一般的に「春」と区分とされる3月中旬〜4月下旬までの日付を示す日時情報の例とすると、当該「春」を示す日時情報となる。
【0037】
装身具造形システム100は、これらの取得した位置情報や日時情報に基づいて、例えば、装身具デザインの一部に位置情報が印字されるように造形したり、日時情報が印字されるように造形したりしてもよい。このような構成とすることで、よりメッセージ性の高い装身具をデザインすることが可能となる。
【0038】
また、装身具造形システム100は、これらの取得した位置情報や日時情報に基づいて、位置情報に関する風景画像データを取得して、当該位置情報に対応する音声情報の出力に合わせて、当該風景画像データが示す風景画像を表示してもよい。
【0039】
装身具造形システム100は、具体的には、図3に示すように、桜の名所の位置を示す位置情報に基づいて、当該名所の風景画像データを、(ア)インターネット等に公開されている該当する風景画像データを検索することで、(イ)装身具造形システム100に予め記憶される該当する風景画像データを検索することで取得し、(7)−1.で音声再生の際に合わせて(7)−2.取得した風景画像データが示す風景画像を表示してもよい。このような構成とすることで、装身具造形システム100によれば、装身具にさらに音声メッセージに関する場所のメッセージ性を付加するサービスを提供することができる。
【0040】
(機能構成) 図2は、本発明の一実施形態における装身具造形システム100の機能構成例を示す図である。図2に示すように、装身具造形システム100は、サーバ装置200と、端末装置300とを含む。
【0041】
具体的には、装身具造形システム100は、装身具を造形する装身具造形システムであって、ユーザが発する音声情報を取得する取得部と、音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅を持たせるように加工する加工部と、加工部に加工された音声波形に基づいて、装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する造形部と、装身具デザインデータを表示する表示部と、を備えるものである。
【0042】
ここで「音声情報」とは、ユーザが装身具造形システム100に入力した音声を示す情報である。音声情報は、具体的には、音声波形を示す音声の信号データであり、音声の高さ、強度、音圧を表す情報である。音声情報の音声データを記録するためのファイル形式は、MP3(MPEG Audio Layer-3)、WAV(Waveform Audio File Format)、AAC(Adavanced Audio Coding)等、適宜選択すればよい。
【0043】
装身具造形システム100は、上記のような構成とすることで、音声波形を用いて装着部分の少なくとも一部のデザインを形成することが可能となり、立体的かつ美的印象を与えるデザインが可能となる。また、所定の幅をもたせて滑らかな曲線を描くことで貴金属の加工のし易さを向上し、装身具の耐久性を向上させることができる。
【0044】
(サーバ装置200) サーバ装置200は、図2に示すように、制御部210、通信部220、記憶部230を含んで構成される。
【0045】
制御部210は、取得部211、加工部212、造形部213を備え、サーバ装置200の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。また、制御部210は、音声解析部214、識別部215を備えてもよい。
【0046】
制御部210は、一例として、端末装置300又はサーバ装置200の各機能部からの処理要求に基づいて、記憶部230に記憶されている音声情報等の各種情報を参照、演算、更新又は削除処理をし、当該処理結果を端末装置300において出力するための出力情報を生成してもよい。この場合、生成した出力情報は、通信部220及びネットワーク400を介して端末装置300に送信されてもよいし、サーバ装置200に入出力インタフェースを介して接続された出力装置(不図示)に出力してもよい。
【0047】
ここで「出力情報」とは、端末装置300の出力部340で出力される表示情報及び音声情報をいう。
【0048】
取得部211は、各種情報を取得する機能を有する。取得部211は、具体的には、ユーザが発する音声情報を取得する。取得部211は、より具体的には、入力部350が入力を受け付けたユーザの音声を直接取得してもよいし、記憶部230に記憶された音声情報を取得してもよい。
【0049】
また、取得部211は、音声情報に付帯する位置情報又は日時情報を取得してもよい。ここで「日時情報」とは、日時(特定の日付、時刻)を示す情報である。日時情報は、具体的には、ユーザが音声を端末装置300に入力して録音した日時を示す情報であってもよい。
【0050】
さらに、取得部211は、取得した位置情報に関する風景画像データを取得してもよい。取得部211は、具体的には、風景画像データを、(1)インターネット等に公開されている該当する風景画像データを検索することで、(2)装身具造形システム100に予め記憶される該当する風景画像データを検索することで、取得してもよい。このような構成とすることで、装身具造形システム100によれば、装身具に音声メッセージに関する場所のメッセージ性を付加するサービスを提供することができる。
【0051】
加工部212は、各種データを加工する機能を有する。加工部212は、具体的には、音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅を持たせるように加工する。このような構成とすることで、装身具の装着部分に所定の幅をもたせること貴金属やレザー等の材質における加工のし易さを向上し、耐久性を得ることが可能となる。
【0052】
加工部212は、より具体的には、音声波形を示す座標点を、所定の基準値以上であれば上側制御点と判別し、所定の基準値より小さければ下側制御点と判別して、上側制御点には所定の振幅値を加算し、下側の制御点には所定の振幅値を減算することで、音声波形の振幅に所定の幅をもたせるように音声波形を加工してもよい。このような構成とすることで、自動的に、かつ、統一して、音声波形により輪郭を造形した装身具を装着するための部分を形成することができる。
【0053】
ここで「所定の基準値」とは、音声波形の縦軸の座標点(例えば、音声波形の振幅)に所定の幅を持たせるための基準線を決定するための値である。このように所定の幅をもたせることによって、装身具の輪郭を立体的に音声波形で形成することを実現しつつ、装着部分に一定の幅をもたせ、耐久性を得ることができる。所定の基準値の値は、例えば、音声波形グラフの横軸との交点、すなわち、時間をtとし、tにおける音声波形の振幅値P(t)とした場合、所定の基準値はP(t)=0とすればよく、また、装身具のデザインに応じて適宜変更してもよい。
【0054】
ここで「所定の振幅値」とは、音声波形の縦軸の座標点に所定の幅をもたせるための振幅値をいう。所定の振幅値の具体的な値は、所定の幅の値と、音声波形の座標点の縦軸の数値を鑑みて適宜設定すればよい。
【0055】
ここで「上側制御点」及び「下側制御点」とは、音声波形の振幅の値を一定時間間隔でサンプリング、かつ、離散的に取得した座標点である。上側制御点及び下側制御点は、音声波形のグラフを構成するために制御する点である。上側制御点と下側制御点の違いは、振幅の基準の座標軸(音声波形グラフの横軸の線)より上側の座標点か下
側の座標点か、言い換えればプラスの値かマイナスの値かの違いである。
【0056】
ここで、加工部212の音声波形の加工の一例について、図4(a)及び(b)を用いて説明する。図4は、装身具造形システム100の音声波形の加工の様子を示す模式図である。
【0057】
図4に示すように、加工部212は、例えば、図4(a)に示されている音声波形(縦軸が振幅(音の大きさ)(P(t)、横軸が時間(t))について、当該音声波形を示す座標点を、P(t)≧0であれば上側制御点と、P(t)<0であれば下側制御点と判別して、上側制御点には所定の振幅値を加算し、下側の制御点には所定の振幅値を減算することで、音声波形の振幅に所定の幅をもたせるように音声波形を、図4(b)のような波形に加工してもよい。このような構成とすることで、自動的に、かつ、統一して、音声波形により輪郭を造形した装身具を装着するための部分を形成することができる。
【0058】
さらに、加工部212は、より具体的には、加減算された上側制御点及び下側制御点それぞれにおいて、所定の間隔ごとに曲線制御点を抽出し、当該抽出された曲線制御点に基づいて、波形が滑らかな曲線となるよう音声波形をさらに加工してもよい。加工部212は、例えば、スプライン曲線(spline curve)、B−スプライン曲線(B-spline curve)、ベジェ曲線(Bezier curve)等の曲線を描画する手法を用いて滑らかな曲線としてもよい。また、加工部212は、抽出した曲線制御点から、最小二乗法等を用いて近似曲線得ることで、滑らかな曲線としてもよい。
【0059】
ここで、また、加工部212の音声波形の加工の一例について、図4(b)及び(c)を用いて説明する。図4に示すように、加工部212は、例えば、図(b)に示されている音声波形について、加減算された上側制御点及び下側制御点それぞれにおいて、所定の間隔ごとに曲線制御点を抽出し、当該抽出された曲線制御点に基づいて、波形が滑らかな曲線となるよう音声波形を図4(c)のような波形にさらに加工し、装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を形成してもよい。このような構成とすることで、音声波形そのままの形状だと波形を表す線が連続した尖ったきざみ目のようになっているため装身具の輪郭として加工するのが非常に困難なところ、滑らかな曲線を描くことで特に、材質が貴金属、レザー等であった場合の加工のし易さを向上し、耐久性を得ることが可能となる装身具造形システムを提供することができる。
【0060】
また、加工部212は、取得部211に取得された位置情報に基づいて、加工された音声波形を補正してもよい。加工部212は、例えば、位置情報に示された場所(例えば、国や地域)に応じて、音声波形を、きつめ、柔らかめな曲線を描くように補正してもよい。加工部212は、具体的には、加工された音声波形の制御点(上側制御点、下側制御点、曲線制御点等)に対して、取得部211が取得した位置情報に基づく係数を、演算処理(例えば、加減算、乗除算処理など)をすることにより、音声波形を補正してもよい。加工部212によれば、このような構成とすることで、音声メッセージが込められた(入力された)場所や地域性を自動的に装身具に表現することができ、よりメッセージ性の高い装身具を効率的に造形することができる。
【0061】
また、加工部212は、取得部211に取得された日時情報に基づいて、加工された音声波形を補正してもよい。加工部212は、例えば、日時情報に示された日付、時間(例えば、春夏秋冬、朝昼夜)に応じて、音声波形を、きつめ、柔らかめな曲線を描くように補正してもよい。加工部212は、具体的には、加工された音声波形の制御点(上側制御点、下側制御点、曲線制御点等)に対して、取得部211が取得した日時情報に基づく係数を、演算処理(例えば、加減算、乗除算処理など)をすることにより、音声波形を補正してもよい。加工部212によれば、このような構成とすることで、音声メッセージが込められた(入力された)季節性や時間帯を自動的に装身具に表現することができ、よりメッセージ性の高い装身具を効率的に造形することができる。
【0062】
造形部213は、装身具のデザインを造形する機能を有する。造形部213は、具体的には、加工部212に加工された音声波形に基づいて、装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する。
【0063】
また、造形部213は、装身具デザインの一部に位置情報が印字されるよう造形してもよい。造形部213は、具体的には、取得部211に取得された日時情報を前記装身具デザインデータに付与し、装身具が指輪や腕輪だった場合にはアーム部分の裏側の部分に、当該位置情報に示された緯度経度、または場所名を印字するよう造形してもよい。造形部213によれば、このような構成とすることで、音声メッセージが込められた(入力された)場所を自動的に装身具に刻み込むことができ、よりメッセージ性の高い装身具を効率的に造形することができる。
【0064】
また、造形部213は、装身具デザインの一部に日時情報が印字されるよう造形してもよい。造形部213は、具体的には、取得部211に取得された日時情報を前記装身具デザインデータに付与し、装身具が指輪や腕輪だった場合にはアーム部分の裏側の部分に、当該日時情報に示された日付を印字するよう造形してもよい。造形部213によれば、このような構成とすることで、音声メッセージが込められた(入力された)日付を自動的に装身具に刻み込むことができ、よりメッセージ性の高い装身具を造形することができる。
【0065】
また、造形部213は、音声解析部214に解析された音声のスペクトルの時間遷移による音声のスペクトログラムが示す特徴に応じて、装飾具デザインの色合いを特定してもよい。音声解析部214は、例えば、音声のスペクトログラムが示す要素、例えば、音色、音の高さ、音の大きさ(周波数ごとの強度)に応じた色合いを予め設定し、造形部213は、音声情報に基づいて解析された音声のスペクトログラムによって(音声情報の周波数分析を時間的に連続して行い、色によって強さを表すことで、強さ、周波数、時間の3次元表示を実現することで)、音声波形の時間軸と当該音声のスペクトログラムの時間軸を合わせて、装身具デザインの色合いを特定してもよい。音声解析部214によれば、このような構成とすることで、音声を入力したユーザの音声の特徴に応じた色合いを装身具デザインに施すことができ、よりメッセージ性の高い装身具を構成することができる。
【0066】
また、造形部213は、入力部350が受け付けた指定入力に基づいて、装身具デザインの輪郭又は色合いを変更してもよい。造形部213は、具体的には、音声波形を形成する曲線の曲がり度合い(曲線のカーブ度合い(きつめ、柔らかめ等)、装身具のサイズの指定入力に応じて、装身具デザインの輪郭を形成したり、材質の指定入力に応じて、装身具デザインのテクスチャを設定、変更したりしてもよい。このような構成とすることで、ユーザの多種多様なリクエストに応じた装身具デザインを提供する装身具造形システムを実現できる。
【0067】
音声解析部214は、取得部211に取得された音声情報を解析する機能を有する。音声解析部214は、具体的には、音声情報が示す音声の周波数スペクトルを解析する。
【0068】
識別部215は、各種データに識別情報を付与する機能を有する。識別部215は、具体的には、装身具デザインデータごとに識別情報を付与する。
【0069】
また、識別部215は、入力情報に基づいて、各種データを識別する機能も有してもよい。識別部215は、例えば、入力部350から入力された入力情報のうち、QRコード等の識別情報に基づいて、記憶部230に記憶される当該識別情報に対応する装身具デザインデータを識別してもよい。識別された装身具デザインデータは取得部211に取得され、端末装置300に送信されて出力部340によって出力されてもよい。
【0070】
さらに、識別部215は、撮影部360等によって撮影された装身具の動画像に基づいて、対応する装身具デザインデータを識別してもよい。識別部215は、具体的には、画像認識技術を用いて、装身具の動画像の特徴量を抽出し、当該抽出された特徴量に基づいて、対応する装身具デザインデータを推定してもよい。当該特徴量の抽出、推定処理にあたっては、機械学習技術(例えば、ニューラルネットワーク等)を用いてもよい。
【0071】
通信部220は、制御部210の制御によって、ネットワーク400を介して端末装置300又は他のサーバ装置200との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部220は、具体的には、端末装置300へ出力情報を送信したり、端末装置300から入力情報を受信したりしてもよい。
【0072】
ここで「入力情報」とは、端末装置300やサーバ装置200にI/Oインタフェースによって接続された端末装置(不図示)によって入力される情報である。入力情報は、具体的には、操作入力部351から指定入力された識別情報、音声入力部352から入力された音声情報、撮影部360が撮影した動画像情報をいう。
【0073】
記憶部230は、制御部210の制御によって、サーバ装置200が演算及び加工処理する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部230は、具体的には、音声情報、位置情報、日時情報、装身具デザインデータ(識別情報含む)、風景画像データ等を記憶する。記憶部230は、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0074】
(端末装置300) 端末装置300は、図2に示すように、制御部310、通信部320、記憶部330、出力部340、入力部350、撮影部360を含んで構成される。
【0075】
制御部310は、サーバ装置200の制御部210と同様に、取得部211、加工部212、造形部213を備えてもよく、サーバ装置200の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。また、制御部310は、制御部210と同様に、音声解析部214、識別部215を備えてもよい。当該各機能部の機能は、制御部210と同様のため、説明を割愛する。
【0076】
通信部320は、制御部310の制御によって、ネットワーク400を介してサーバ装置200又は他の端末装置300との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部320は、例えば、サーバ装置200から出力情報等を受信したり、入力情報をサーバ装置200に送信したりしてもよい。
【0077】
記憶部330は、制御部310の制御によって、端末装置300が動作する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部330は、具体的には、音声情報、位置情報、日時情報、装身具デザインデータ(識別情報含む)、風景画像データ等を記憶する。記憶部330は、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD、SSD、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0078】
出力部340は、表示部341、音声出力部342を備え、制御部310の制御によって、端末装置300に各種情報を出力する機能を有する。出力部340は、例えば、造形部313に生成された装身具デザインデータを出力する。
【0079】
表示部341は、制御部310の制御によって、音声情報等の各種情報を表示する機能を有する。表示部341は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OL
ED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を用いればよい。表示部341は、制御部310の制御によって、サーバ装置200からネットワーク400を介して送信された出力情報等を表示する機能を有する。
【0080】
表示部341の表示画面は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語や、ビットマップデータあるいは圧縮処理された画像データなど、端末装置300で画面表示可能な一般的なデータ形式で生成されればよい。
【0081】
表示部341は、制御部310の制御によって、造形部313に生成された装身具デザインデータを表示する。表示部341は、例えば、図3の(4)−2.に示すように、加工された音声波形が一部に造形された装身具デザインを表示する。
【0082】
また、表示部341は、制御部310の制御によって、入力部350が受け付けた識別情報に基づいて、風景画像データが示す風景画像を音声情報の出力に合わせて表示してもよい。表示部341は、例えば、図3の(7)−2.に示すように、音声情報の出力に合わせて風景画像を表示してもよい。このような構成とすることで、装身具造形システム100によれば、装身具にさらに音声メッセージに関する場所のメッセージ性を付加するサービスを提供することができる。
【0083】
表示部341は、制御部310の制御によって、変更された装身具デザインを、所定数まとめて表示してもよい。表示部341は、例えば、変更履歴として、装身具デザインの変更前(初回作成時)と変更後を表示してもよい。当該変更後の装身具デザインは1つ以上であれば、いくつあってもよく、「所定数」は、表示画面のサイズ、デザインや記憶部330等の記憶装置の容量等で適宜設定すればよい。このような構成とすることで、装身具デザインを検討するユーザが変更前後の装身具デザインを同時に見比べることができ、使い勝手の良い装身具造形システムを提供することができる。
【0084】
音声出力部342は、制御部310の制御によって、音声情報の音声を出力する機能を有する。音声出力部342は、例えば、図3の(7)−2.に示すように、音声情報を含んだ出力情報に基づいて、「ありがとう」といった音声波形のメッセージを音声出力してもよい。
【0085】
また、音声出力部342は、制御部310の制御によって、入力部350が入力を受け付けた識別情報に基づいて、音声情報の音声を出力してもよい。このような構成とすることで、装身具を贈られたユーザが当該識別情報を指定することによって、音声メッセージを再生でき、よりメッセージ性の高いサービスを提供することができる。
【0086】
入力部350は、操作入力部351、音声入力部352を備え、制御部310の制御によって、端末装置300に各種情報を入力する機能を有する。入力部350は、例えば、ユーザからの識別情報の入力を受け付ける。
【0087】
入力部350は、制御部310の制御によって、音声波形を形成する曲線の曲がり度合い、装身具のサイズ、材質のうち少なくともいずれか一つを指定する入力を受け付けてもよい。
【0088】
操作入力部351は、制御部310の制御によって、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有する。操作入力部351は、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。
【0089】
音声入力部352は、制御部310の制御によって、ユーザからの音声を入力し受け付ける機能を有する。音声入力部352は、入力を受け付けた音声に基づいて、音声情報を生成し、記憶部330に記憶し、また、サーバ装置200に通信部320及びネットワーク400を介して送信する。音声入力部352は、具体的には、端末装置300に取り付けられたマイク等により実現される。
【0090】
撮影部360は、制御部310の制御によって、端末装置300に備えつけられたレンズから装身具等を撮影する機能を有する。撮影部360は、例えば、携帯端末のカメラであってもよい。
【0091】
(動作例) 本発明の一実施形態に係る装身具造形システム100の動作の一例を、図5及び図6を用いて説明する。
【0092】
図5は、本発明の一実施形態に係る装身具造形システム100の対象者の身体の向き等の検知から判定処理までの動作例を示すフローチャートである。
【0093】
取得部211は、ユーザが発する音声情報を取得する(ステップS10)。取得部211は、取得した音声情報を加工部212に伝達する。なお、各機能部間の各種情報及び各種データの伝達にあたっては、情報そのものを送受信してもよいし、記憶部230等に記憶された情報の所在を送受信してもよい。
【0094】
加工部212は、伝達された音声情報に基づいて、当該音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅を持たせるように加工する(ステップS11)。さらに、加工部212は、波形が滑らかな曲線となるよう音声波形を加工する(ステップS12)。加工部212は、加工した音声波形を含む音声情報を造形部213に伝達する。
【0095】
造形部213は、伝達された音声情報に含まれる加工された音声波形に基づいて、装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形する(ステップS13)。また、造形部213は、造形した装身具の装着部分をもって、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する(ステップS14)。造形部213は、生成した装身具デザインデータを記憶部230に記憶し、また、通信部220及びネットワーク400を介して端末装置300に伝達する。
【0096】
端末装置300は、制御部310の制御によって、通信部320を介して伝達された装身具デザインデータを、記憶部330に記憶し、表示部341で表示する(ステップS15)。
【0097】
次に、図6は、本発明の一実施形態に係る装身具造形システム100が実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0098】
ユーザが音声を発して、装身具造形システム100に対して音声を入力する(ステップS21)。
【0099】
入力部350は、制御部310の制御によって、当該音声入力を受け付ける(ステップS22)。入力部350は、制御部310の制御によって、入力を受け付けた音声に基づいて音声情報を生成する。
【0100】
取得部211は、入力部350から送信された音声情報を取得する(ステップS23)。また、取得部211は、当該音声情報に付帯する位置情報を取得する(ステップS24)。さらに、取得部211は、当該位置情報に関する風景画像データを取得する(ステップS25)。また、取得部211は、当該音声情報に付帯する日時情報を取得する(ステップS26)。
【0101】
加工部212は、取得部211から送信された音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅を持たせるように加工する(ステップS27)。加工部212は、さらに、波形が滑らかな曲線となるよう音声波形を加工する(ステップS28)。
【0102】
造形部212は、加工部212から送信された音声情報が示す音声波形に基づいて、装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形する(ステップS29)。造形部212は、造形した装身具の装着部分を用いて、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する(ステップS30)。さらに、造形部212は、取得部211から送信された位置情報、日時情報を、装身具デザインデータに付与し、装身具デザインの一部に日時情報、位置情報が印字されるよう造形する(ステップS31)。
【0103】
識別部215は、造形部212から送信された装身具デザインデータに識別情報を付与する(ステップS32)。
【0104】
出力部340は、識別部215から送信された装身具デザインデータ、風景画像データを表示する(ステップS33)。
【0105】
ユーザは、出力部340に出力された装身具デザインデータ、風景画像データを確認する(ステップS34)。
【0106】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0107】
サーバ装置200及び端末装置300の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。なお、ここで「回路」は、コンピュータによるデジタル処理、すなわち、ソフトウェアによる機能的処理としての意味合いを含んでもよい。また、当該回路は、再構築可能な回路(例えば、FPGA:Field Programmable Gate Array)により実現されてもよい。
【0108】
サーバ装置200及び端末装置300の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、サーバ装置200、端末装置300は、各機能を実現するソフトウェアである装身具造形プログラムの命令を実行するCPU、上記装身具造形プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記装身具造形プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記装身具造形プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記装身具造形プログラムは、当該装身具造形プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記装身具造形プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0109】
なお、上記装身具造形プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)、Ruby、Perlなどのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)、PHP、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【符号の説明】
【0110】
100 装身具造形システム 200 サーバ装置 210 制御部 211 取得部 212 加工部 213 造形部 214 音声解析部 215 識別部 220 通信部 230 記憶部 300 端末装置 310 制御部 310 制御部 311 取得部 312 加工部 313 造形部 314 音声解析部 315 識別部 320 通信部 330 記憶部 340 出力部 350 入力部 360 撮影部 400 ネットワーク
【要約】      (修正有)
【課題】音声波形から装身具の装着部分の輪郭を形成するための波形の加工ができる装身具造形システム等を提供する。
【解決手段】装身具造形システムは、装身具を造形する装身具造形システムであって、ユーザが発する音声情報を取得する取得部211と、音声情報が示す音声波形を、当該音声波形の振幅に所定の幅を持たせるように加工する加工部212と、加工部に加工された音声波形に基づいて、装身具の装着部分の少なくとも一部の輪郭を造形し、装身具デザインを示す装身具デザインデータを生成する造形部213と、装身具デザインデータを表示する表示部341と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6