(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6430625
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】排水ポンプおよび排水ポンプを備える衣類乾燥機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20181119BHJP
D06F 39/10 20060101ALI20181119BHJP
F04D 29/44 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
D06F39/08 311F
D06F39/08 321
D06F39/10 D
F04D29/44 C
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-501189(P2017-501189)
(86)(22)【出願日】2015年7月6日
(65)【公表番号】特表2017-524450(P2017-524450A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(86)【国際出願番号】KR2015006970
(87)【国際公開番号】WO2016006900
(87)【国際公開日】20160114
【審査請求日】2017年1月10日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0085437
(32)【優先日】2014年7月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】シン チンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】カン ウチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンソン
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンジョン
【審査官】
柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−355597(JP,A)
【文献】
特開2013−202072(JP,A)
【文献】
特開2010−104404(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/165109(WO,A1)
【文献】
特開平10−043119(JP,A)
【文献】
特開昭51−072169(JP,A)
【文献】
実開平06−067887(JP,U)
【文献】
韓国登録実用新案第20−0352798(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
D06F 39/10
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプモータと、
ハブと、前記ハブの中心から延長され、前記ポンプモータの回転軸に接続されるインペラ軸と、前記インペラ軸の外周面から延長される少なくとも一つのブレードと、を有するインペラと、
前記インペラが通過するインペラホールと、前記ポンプモータを収容する空間と、を有するハウジングと、
前記ハウジングの底面に結合され、洗浄水を吸入するための吸入ホールが形成されるポンプケースと、を有し、
前記吸入ホールは、前記インペラに対応する位置に形成され、
前記ポンプケースは、前記吸入ホールの縁から中心方向に延長され、前記インペラ軸の下端部を遮蔽する軸遮蔽部を有し、
前記軸遮蔽部は、前記吸入ホールの縁部から中心方向に向かうほど幅が狭くなる、ことを特徴とする排水ポンプ。
【請求項2】
前記ハウジングの底部から段差を有して形成され、前記ポンプモータが着座するポンプモータ着座部と、
前記ポンプモータ着座部から離隔する所定の位置から延長される排出ポートと、を更に有する、請求項1に記載の排水ポンプ。
【請求項3】
前記ハウジングの底面から延長され、前記吸入ホールを介して吸入される洗浄水を前記排出ポートにガイドする流動ガイドリブを更に有し、
前記流動ガイドリブは、前記吸入ホールおよび前記排出ポートを囲む閉曲線状からなる、請求項2に記載の排水ポンプ。
【請求項4】
前記ポンプケースが前記ハウジングの底面に結合されると、前記流動ガイドリブは前記ポンプケースの底に密着される、請求項3に記載の排水ポンプ。
【請求項5】
前記インペラホールは、前記ポンプモータ着座部の内側に形成される、請求項2に記載の排水ポンプ。
【請求項6】
前記流動ガイドリブと前記ポンプケースとの結合によって形成される空間は、
前記インペラホールの縁に沿って延長される流動ガイドリブ部分によって定義される回転領域と、
前記回転領域と連通し、前記回転領域から前記排出ポートに向かって延長される流動ガイドリブ部分によって定義される排出領域と、を有し、
前記吸入ホールを介して吸入される洗浄水は、前記回転領域で回転してから遠心力によって前記排出領域に移動して前記排出ポートにガイドされる、請求項3または4に記載の排水ポンプ。
【請求項7】
前記排出領域を定義する流動ガイドリブの両端部のうちいずれか一端が前記回転領域を定義する流動ガイドリブ部分と交わる点は、回転開始点として定義され、
前記排出領域を定義する流動ガイドリブの両端部のうち他の一端が前記回転領域を定義する流動ガイドリブ部分と交わる点は、排出開始点として定義され、
前記排出開始点から延長され、前記排出領域を定義する流動ガイドリブ部分は、前記排出開始点を通る前記インペラホールの接線方向に延長される、請求項6に記載の排水ポンプ。
【請求項8】
前記少なくとも一つのブレードは、前記インペラ軸から前記ハブの縁まで延長される形態で複数が形成され、
前記複数のブレードは、円周方向に互いに一定角度離隔するように配置される、請求項1に記載の排水ポンプ。
【請求項9】
前記少なくとも一つのブレードは、前記インペラ軸から前記ハブの縁方向に螺旋状に巻き付けられる単一ブレードであり、
前記ブレードの巻き方向は、前記インペラの回転方向と反対方向である、請求項1に記載の排水ポンプ。
【請求項10】
請求項1に記載の排水ポンプを有する、衣類乾燥機。
【請求項11】
キャビネットと、
前記キャビネットの内部に収容され、乾燥対象物が投入される乾燥ドラムと、
前記乾燥ドラムの内部に熱風を供給する吸入流路と、
前記吸入流路上の所定の位置に配置され、前記吸入流路に流入する空気を高温に加熱する加熱手段と、
前記乾燥ドラムから排出される熱風が流れる排気流路と、
前記排気流路上の所定の位置に装着され、前記乾燥ドラム内部の空気を強制流動させる送風装置と、
前記排気流路上の他の位置に装着されるリントフィルタと、
前記リントフィルタに付着したリントを除去するためのリントフィルタ洗浄装置と、を有し、
前記リントフィルタ洗浄装置は、
前記リントフィルタを収容する洗浄ケースと、
前記洗浄ケースの外側に配置され、前記リントフィルタに洗浄水を噴射する洗浄水供給ユニットと、
前記洗浄ケースの一側に配置され、前記リントフィルタに付着した異物と共に前記リントフィルタに沿って流れる洗浄水を排水する請求項1に記載の排水ポンプと、を有する、衣類乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水ポンプおよび排水ポンプを備える衣類乾燥機(a drain pump and a clothes dryer having a drain pump)に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類乾燥機は、回転するドラムの内部に乾燥対象物が投入された状態で、熱風を乾燥ドラムの内部に供給して衣類に吸収された水分を除去する家電機器である。ドラムに供給される熱風は、電気抵抗熱またはガス燃料を用いた燃焼熱によって生成され、送風ファンを利用して、上記熱風が乾燥ドラムの内部に供給されるようにする。
【0003】
また、上記衣類乾燥機は、熱風の供給方式に応じて循環式乾燥機と排気式乾燥機とに分類(区分)される(classified)。即ち、上記循環式乾燥機は、乾燥ドラムの内部に供給される熱風が乾燥機の内部で循環しながら加熱と冷却とを繰り返す方式の乾燥機であり、上記排気式乾燥機は、乾燥ドラムの内部に供給された熱風が乾燥ドラムから抜け出て乾燥機の外部に排出される方式の乾燥機である。
【0004】
一方、乾燥過程においては、衣類に付着しているリント(lint)が分離されて、乾燥ドラムから排出される空気中に浮遊することになり、衣類中に入っていた異物が乾燥ドラムの底に落ちることになる。
【0005】
乾燥ドラムから排出される空気中に含まれたリントを除去するために、乾燥ドラムから排出される空気の流路上にリントフィルタアセンブリまたはリントフィルタが装着される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記リントフィルタアセンブリにリントが堆積すると、空気の流動を妨げて送風ファンの負荷が増加し、その結果、乾燥性能の低下、電力消費(power consumption)の増加、および送風ファンの故障原因になっている。ひいては、乾燥過程で発生するリントなどが、乾燥ドラムとキャビネットとの間の隙間を介して乾燥ドラムの下側に装着されたファンモータまたは燃焼装置に流れ込んで、乾燥機火災の原因になることもある。
【0007】
このような問題を防止するために、上記リントフィルタアセンブリに堆積した異物を周期的に除去する必要があるが、着脱式リントフィルタアセンブリの場合、周期的にユーザがリントフィルタアセンブリを分離して掃除した後再装着する。
【0008】
リントフィルタアセンブリに堆積したリントを簡単に除去するために多様な方法が試みられており、最近では、リントフィルタアセンブリが乾燥機内部に装着された状態で、水を利用してリントを除去するリント除去構造が提案されている。
【0009】
従来技術によれば、リントフィルタアセンブリの前後方に設けられたノズルで水を噴射してリントフィルタアセンブリに堆積したリントを除去する。そして、上記ノズルから噴射される水と上記リントフィルタアセンブリから分離されるリント塊とは排水ポンプに流入して乾燥機の外部に排出される。
【0010】
しかし、従来の排水ポンプの場合、排水ポンプが動作する過程で、排水ポンプに吸入される異物が上記排水ポンプの吸入ホール(孔)(hole)を塞ぐか、上記排水ポンプのインペラに巻き付けられて、閉塞(clogging)現象を誘発することもある。このような閉塞現象は排水ポンプの負荷を増加させ、排水ポンプの負荷増加は最終(終局)的に排水ポンプの破損を招く問題点を抱えている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するための本発明の実施例に係る排水ポンプアセンブリまたは排水ポンプは、ポンプモータと、ハブとハブの中心から延長されポンプモータの回転軸に接続(連結)される(connected)インペラ軸とインペラ軸の外周面から延長されるブレードとを有するインペラと、インペラが通過するインペラホールとポンプモータを収容する空間とを有するハウジングと、ハウジングの底面に結合され、洗浄水を吸入するための吸入ホールが形成されるポンプケースと、を有し、吸入ホールは、インペラに対応する位置(地点)(position)に形成され、ポンプケースは、吸入ホールの縁から中心方向に延長され、インペラ軸の下端部を遮蔽する軸遮蔽部を有することができる。
【0012】
また、本発明の実施例に係る衣類乾燥機は、キャビネットと、キャビネットの内部に収容され、乾燥対象物が投入される乾燥ドラムと、乾燥ドラムの内部に熱風を供給する吸入流路と、吸入流路上の所定の位置に配置され、吸入流路に流入する空気を高温に加熱する加熱手段と、乾燥ドラムから排出される熱風が流れる排気流路と、排気流路上の所定の位置に装着され、乾燥ドラム内部の空気を強制流動させる送風装置と、排気流路上の他の位置に装着されるリントフィルタアセンブリと、リントフィルタアセンブリに付着したリントを除去するためのリントフィルタ洗浄装置と、を有し、リントフィルタ洗浄装置は、リントフィルタアセンブリを収容する洗浄ケースと、洗浄ケースの外側に配置され、リントフィルタアセンブリに洗浄水を噴射する洗浄水供給ユニットと、洗浄ケースの一側に配置され、リントフィルタアセンブリに付着した異物と共にリントフィルタアセンブリに沿って(along)流れる洗浄水を排水する排水ポンプアセンブリまたは排水ポンプと、を有することができる。
【発明の効果】
【0013】
上記のような構成をなす本発明の実施例に係る排水ポンプアセンブリおよびこれを備える衣類乾燥機によれば、リントフィルタの洗浄に使用される洗浄水に含まれた異物が排水ポンプの内部に引っ掛かったり(かかったり)(hung up)塞がる現象を最小化できる効果がある。詳しくは、排水ポンプの入口側に髪の毛などの異物が引っ掛かったり、排水ポンプのインペラ軸に髪の毛が巻き付けられて、排水ポンプの入口端が閉鎖される現象が最小化されることにより、排水ポンプの負荷増加による電力消費および排水ポンプの破損の可能性を最小化できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置が備えられた衣類乾燥機の斜視図である。
【
図3】本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置の斜視図である。
【
図4】上記リントフィルタ洗浄装置の分解斜視図である。
【
図5】
図3のI−Iに沿って切断した縦断面図である。
【
図6】本発明の実施例に係る衣類乾燥機を構成する排水ポンプの分解斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に係る衣類乾燥機を構成する排水ポンプの分解斜視図である。
【
図8】本発明の実施例に係る衣類乾燥機を構成する排水ポンプの縦断面図である。
【
図9】ポンプケースが除去された排水ポンプの底面図である。
【
図10】ポンプケースが装着された排水ポンプの底面図である。
【
図11】本発明の他の実施例に係るインペラ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置が備えられた衣類乾燥機について、図面を参照して詳しく説明する。そして、本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置が備えられた衣類乾燥機の一例として、排気式乾燥機を挙げて説明する。しかし、本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置は、排気式乾燥機だけではなく循環式乾燥機を含む全ての形態の衣類乾燥機に適用可能であることを明示する。
【0016】
図1は本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置が備えられた衣類乾燥機の斜視図であり、
図2は上記衣類乾燥機の側面図である。
【0017】
図1および
図2を参照すると、本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置が備えられた衣類乾燥機10は、内部に乾燥対象物が投入される乾燥ドラム11と、上記乾燥ドラム11の前面部を支持するフロントキャビネット12と、上記フロントキャビネット12の底部に装着される遮断部材(blocking member)14と、上記乾燥ドラム11の後面部を支持するリアキャビネット13と、上記乾燥ドラム11の下側に提供されるリントフィルタ洗浄装置30と、を含むことができる。詳しくは、上記衣類乾燥機10は、上記乾燥ドラム11に供給される空気を吸入する吸入ダクト21と、上記吸入ダクト21と上記乾燥ドラム11の背面に形成された空気流入ホールとを接続するリアダクト19と、上記フロントキャビネット12の底面に接続され、上記乾燥ドラム11から排出される空気をガイドするガイドダクト15と、上記ガイドダクト15の出口端に接続される送風装置16と、上記送風装置16の出口端に接続される排気ダクト20と、を更に含むことができる。上記リントフィルタ洗浄装置30は、上記排気ダクト20の所定の位置に装着され、上記排気ダクト20に沿って流れる空気中に含まれたリントが、上記リントフィルタ洗浄装置30に備えられたリントフィルタアセンブリまたはリントフィルタ32を通過しながらフィルタリングされるようにする。
【0018】
一方、上記フロントキャビネット12とリアキャビネット13との間には、ミドルキャビネット(図示せず)が提供され、上記乾燥ドラム11および上記乾燥ドラム11の下側に配置される各種の部品を覆って保護する。上記ミドルキャビネットは、上記衣類乾燥機10の両側面および上面を定義し、上記ミドルキャビネットの底面には、上記衣類乾燥機10の底部を定義するベースプレート101が提供され、上記ベースプレート101の上に上記部品が装着される。
【0019】
また、上記遮断部材14は、乾燥過程で乾燥対象物に入っていた異物、例えば銅貨、ボールペンなどの体積が大きくて硬い形態の異物が上記ガイドダクト15に吸い込まれることを防止するために提供される。リントなどの異物は、上記ガイドダクト15に流入しても上記リントフィルタ洗浄装置30に装着されたリントフィルタ32(後述する)でフィルタリングされ、その他の異物、即ち体積のある異物は、上記遮断部材14で遮断されて上記乾燥ドラム11に残ることになる。万一、リント以外の物質が上記ガイドダクト15に吸い込まれる場合、上記送風装置16が破損したり、排気ダクト20の内部でガタガタという音を発生させることがあるので、上記遮断部材14によって上記異物が上記乾燥ドラム11から抜け出さないようにする必要がある。そして、上記遮断部材14は上記フロントキャビネット12に着脱可能に結合することができる。
【0020】
また、上記リントフィルタ洗浄装置30には、洗浄水供給管17および洗浄水排水管18が接続される。上記洗浄水供給管17の入口端は、上記リアキャビネット13に装着され、外部給水源1から接続される水供給管2が接続される。そして、上記洗浄水供給管17の出口端は、上記リントフィルタ洗浄装置30の制御バルブ35の流入ポートに接続される。そして、上記洗浄水排水管18の入口端は、上記リントフィルタ洗浄装置30の排水ポンプ40(
図3参照)に接続される。
【0021】
また、上記送風装置16は、ファンモータ161と、上記ファンモータ161の回転軸に接続される送風ファン162と、を含む。上記送風ファン162は、上記ガイドダクト15の出口端側に配置され、上記乾燥ドラム11を通過して上記ガイドダクト15にガイドされる空気を上記排気ダクト20にガイドする。
【0022】
また、排気式乾燥機の場合、上記吸入ダクト21の入口部にガス燃焼装置が備えられ、吸入ダクト21に吸入される空気を高温に加熱する。そして、電気式乾燥機の場合、上記リアダクト19の内部に電気ヒータが装着され、上記吸入ダクト21に流入する空気が上記乾燥ドラム11の内部に流入する前に高温に加熱する。
【0023】
上記のような構成をなす衣類乾燥機10の乾燥過程について簡略に説明すると、まず、上記フロントキャビネット12に備えられた投入ホール121を介して上記乾燥ドラム11の内部に乾燥対象物を投入する。そして、乾燥開始命令を入力すると上記送風装置16が作動し、上記吸入ダクト21に流入する空気がガス燃焼装置または電気ヒータによって高温に加熱される。そして、高温に加熱された空気は、上記リアダクト19に沿って上記乾燥ドラム11の後面を介して乾燥ドラム11の内部に流入する。そして、上記乾燥ドラム11の内部に流入する高温乾燥した空気は、上記乾燥対象物を乾燥させながら高温多湿の状態に変わる。そして、高温多湿の空気は乾燥対象物から発生するリントを含有した状態で、上記遮断部材14を通過して上記ガイドダクト15にガイドされる。そして、上記ガイドダクト15にガイドされる高温多湿の空気は、上記送風装置16によって上記排気ダクト20にガイドされる。そして、上記排気ダクト20にガイドされる高温多湿の空気は、上記リントフィルタ洗浄装置30を通過しながらリントフィルタ32によってリントがフィルタリングされる。そして、上記リントフィルタ洗浄装置30が作動して、上記リントフィルタ32に付着したリントが落ちて洗浄水と共に排水ポンプ40によって外部に排出される。
【0024】
一方、上記リントフィルタ洗浄装置30は、ヒートポンプを利用した循環式乾燥機にも提供可能である。詳しくは、ヒートポンプを利用した循環式乾燥機は、キャビネットの内部にヒートポンプサイクルが装着され、上記乾燥ドラム11を通過した高温多湿の空気が上記ヒートポンプサイクルの蒸発器を通過するようにする。そして、上記蒸発器を通過しながら低温乾燥の状態に変わった空気が上記ヒートポンプサイクルの凝縮器を通過するようにして、高温乾燥の状態になるようにする。そして、上記凝縮器を通過した高温乾燥した空気は、空気ダクトに沿って上記乾燥ドラム11の背面を介して上記乾燥ドラム11の内部に流入するようにする。そして、上記蒸発器に接続される湿空気流路の所定の位置に上記リントフィルタ洗浄装置30が装着され、上記乾燥ドラム11を通過した高温多湿の空気が上記蒸発器を通過する前に、上記リントフィルタ洗浄装置30を通過しながらリントを含む異物が上記リントフィルタでフィルタリングされる。そして、上記乾燥ドラム11を通過した湿蒸気に含まれた蒸気は、上記蒸発器を通過しながら凝縮される。そして、凝縮される水は、上記リントフィルタ洗浄装置30の排水ポンプ40にガイドされる。即ち、上記リントフィルタ32を洗浄するために提供される水だけではなく、上記蒸発器を通過しながら凝縮される水も上記排水ポンプ40にガイドされる。
【0025】
また、上記リントフィルタ32を通過した空気中には微細な異物が含まれていることがあり、このような異物は、上記蒸発器の表面に付着することがある。即ち、蒸発器の配管および冷却ピンに微細なリントが付着することがあり、これを除去するために別途の蒸発器洗浄ノズルを利用して、上記蒸発器の表面に付着したリントを除去するようにすることができる。そして、上記蒸発器の洗浄に使用される水も上記リントフィルタ洗浄装置30の排水ポンプ40にガイドされるようにすることができる。
【0026】
以下では、上記リントフィルタ洗浄装置30の構成および作動について、図面を参照して詳しく説明する。
【0027】
図3は本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置の斜視図であり、
図4は上記リントフィルタ洗浄装置の分解斜視図であり、
図5は
図3のI−Iに沿って切断した縦断面図である。
【0028】
図3〜
図5を参照すると、本発明の実施例に係るリントフィルタ洗浄装置30は、ロアーケース311およびアッパーケース312からなる洗浄ケース31と、上記洗浄ケース31の内部に置かれるリントフィルタ32と、上記リントフィルタ32の上面に配置される水供給ポートアレイ33と、上記水供給ポートアレイ33に出口端が接続される給水管アレイ34と、上記給水管アレイ34の入口端が接続される制御バルブ35と、上記洗浄ケース31の内部一側(one inner side)に収容される排水ポンプ40と、を含むことができる。ここで、上記水供給ポートアレイ33、給水管アレイ34、および制御バルブ35は、洗浄水供給ユニットとして定義することができる。上記洗浄ケース31の内部には、上記リントフィルタ32が垂直に立てられる。上記アッパーケース312には、上記リントフィルタ32が貫通する挿入ホール315が形成される。
【0029】
そして、上記洗浄ケース31の一側には、上記乾燥ドラム11を通過した高温多湿の空気が流入する流入口313が形成され、上記流入口313が形成される面の反対面には、上記リントフィルタ32を通過した高温多湿の空気が排出される排出口314が形成される。そして、上記洗浄ケース31の底に落下する洗浄水は、上記排水ポンプ40が置かれる上記洗浄ケース31の底に向かって流れる。
【0030】
また、上記水供給ポート33は、上記リントフィルタ32の上面に所定の間隔を置いて配置される複数の供給ポート(a plurality of supply ports)を含む。本実施例では、上記水供給ポートアレイ33が第1供給ポート乃至第4供給ポート331、332、333、334を含むと提示されているが、これに制限されるものではなく、上記リントフィルタ32の大きさに応じて適切に設定することができる。
【0031】
また、上記給水管アレイ34は、上記水供給ポートアレイ33に接続される複数の給水管を含む。本実施例では、上記給水管アレイ34が第1給水管乃至第4給水管341、342、343、344を含むと提示されているが、これに制限されるものではなく、上記供給ポートの個数に応じて適切に設定することができる。
【0032】
図6および
図7は本発明の実施例に係る衣類乾燥機を構成する排水ポンプの分解斜視図であり、
図8は本発明の実施例に係る衣類乾燥機を構成する排水ポンプの縦断面図である。
【0033】
図6〜
図8を参照すると、本発明の実施例に係る衣類乾燥機10の排水ポンプ40は、ハウジング41、ポンプモータ42、インペラ43、およびポンプケース44を含むことができる。詳しくは、上記ハウジング41は、上記ロアーケース311の一側に装着され、底部と上記底部の縁から上方に延長される側面部とからなり、内部に上記ポンプモータ42を収容する空間が形成される。そして、上記ロアーケース311の一側には、上記ハウジング41が収容されるための空間が設けられる。上記ハウジング41が収容される上記ロアーケース311の底部は凹んで洗浄水がたまるようにすることができる。そして、上記ハウジング41が収容される上記ロアーケース311の底部は、上記排水ポンプ40の方にいくほど下方に傾斜するように形成され、上記リントフィルタ32に沿って流れる洗浄水が、上記ハウジング41が収容される上記ロアーケース311の底部に向かって流れるようにすることができる。
【0034】
また、上記ハウジング41の底部には、上記ポンプモータ42が着座(安着)する(seated)ポンプモータ着座部(seat)411が形成され、上記ポンプモータ着座部411は、下側に所定の深さの段差を有して形成される。そして、上記ポンプモータ着座部411の内側には、上記インペラ43が貫通するインペラホール412が所定の大きさで形成される。詳しくは、上記インペラホール412の直径は、上記ポンプモータ着座部411の直径より小さく形成され、上記モータ着座部411にモータが着座するようにすることができる。
【0035】
また、上記ポンプモータ着座部411から離隔する上記ハウジング41の底部の任意の点から(所定の点には)(from any point)、排出ポート413が所定の長さで突出し、上記排出ポート413には排水ホースhが接続される。上記排出ポート413は、上記ハウジング41の底面に結合される上記ポンプケース44と連通して、上記ポンプケース44でポンピングされる洗浄水が上記排出ポート413を介して上記排水ホースhに排出されるようにする。
【0036】
また、上記ハウジング41を形成する上記底部の底面には流動ガイドリブ414が下方に延長され、上記流動ガイドリブ414によって定義される空間に上記インペラ43が収容される。そして、上記ポンプケース44が上記ハウジング41の底面に結合されると、上記流動ガイドリブ414の下端部は上記ポンプケース44の底に密着される。
【0037】
また、上記ポンプケース44は、上記流動ガイドリブ414を収容する大きさに形成される。詳しくは、上記ポンプケース44は、上記流動ガイドリブ414より大きくて、上記流動ガイドリブ414と実質的に同一形状に形成することができる。そして、上記ポンプケース44は、上記流動ガイドリブ414の延長長さと同じ深さ(または厚さ)に形成することができる。
【0038】
そして、上記ポンプケース44の底には、吸入ホール441が形成され、上記吸入ホール441を介して洗浄水が吸入された後、上記インペラ43によって回転してから上記排出ポート413にポンピングされる。
【0039】
一方、上記インペラ43は、ハブ431、上記ハブ431の中心から所定の長さに延長され、上記ポンプモータ42の回転軸に接続されるインペラ軸432、および上記インペラ軸432の外周面から上記ハブ431の半径方向に延長される複数のブレード433を含む。
【0040】
詳しくは、上記ハブ431の底面と上記インペラ軸432が繋がる部位は、所定の曲率でラウンド状に形成される。このようにインペラ軸432の縁部が滑らかにラウンド状に形成されることにより、上記吸入ホール441を介して上側に吸入される洗浄水が上記ハブ431にぶつかった後、上記インペラ43の半径方向に滑らかに方向転換されて、流動抵抗を最小化することができる。
【0041】
また、上記ブレード433は、図示のように4つが円周方向に一定間隔離隔するように形成されるが、これに制限されるものではなく、設計条件に応じて少なくとも2つ以上が円周方向に一定間隔離隔するように設置されてもよい。上記ブレード433の高さは、上記インペラ軸432の長さに対応する長さに延長され、上記ハブ431の縁まで延長される。そして、上記ハブ431は、図示のように四角形に形成されてもよく、円形に形成されてもよい。
【0042】
図9はポンプケースが取り除かれた(除去された)(removed)排水ポンプの底面図である。
図9を参照すると、ポンプケース41(ハウジング41)の底面には、上記流動ガイドリブ414が延長されて形成され、上記流動ガイドリブ414は、上記インペラホール412の縁に沿って延長される(extend)。
【0043】
詳しくは、上記流動ガイドリブ414の内側領域は、上記インペラホール412を含む回転領域414aと、上記回転領域414aから外側に延長される排出領域414bと、として定義することができる。そして、上記排出領域414bは、上記回転領域414aから遠ざかるほど幅が狭くなる形態に延長され、上記排出領域414bの端部に上記排出ポート413が形成される。
【0044】
上記回転領域414aは、上記ポンプケース44の吸入ホール441を介して吸入される洗浄水が上記インペラ43によってインペラ43の回転方向に回転する領域であり、上記排出領域414bは、上記回転領域414aで回転する洗浄水が遠心力によって上記排出ポート413に排出される領域である。
【0045】
上記排出領域414bを定義する上記流動ガイドリブ414と上記回転領域414aを定義する流動ガイドリブとが交わる点(地点)(point)は、それぞれ回転開始点414cおよび排出開始点414dとして定義することができる。上記回転開始点414cは、上記リントフィルタ32からリントを含む洗浄水が上記ポンプケース41に向かって流れ込む側に形成される。ちなみに、
図9で上記ポンプケース41の上側に表された(expressed)矢印は、上記リントフィルタ32から流れてくる洗浄水の流れ方向を表し、上記流動ガイドリブ414の内側に図示された矢印は、上記インペラ43によって吸入される洗浄水の流れ方向を表す。
【0046】
また、上記排出開始点414dは、上記回転開始点414cの反対側に位置する。そして、上記排出開始点414dから上記排出ポート413に向かって延長される流動ガイドリブ部分は、上記回転領域414aを定義する円の接線に沿って延長される。
【0047】
このように、上記インペラ43によって吸入される洗浄水が上記インペラ43によって回転してから上記排出ポート413の方に排出される際に、上記回転領域414aの接線方向に滑らかに排出されるので、上記回転領域414aと排出領域414bとの境界部分で異物が引っ掛かる現象を防止することができる。
【0048】
図10はポンプケースが装着された排水ポンプの底面図である。
図10を参照すると、上記ポンプケース44は上記ハウジング41の底面に装着され、上記流動ガイドリブ414を覆う。
【0049】
詳しくは、上記ポンプケース44は、上記流動ガイドリブ414によって定義される流路形状と実質的に同一形状をなし、上記流動ガイドリブ414によって定義される流路形状より大きく形成される。したがって、上記ポンプケース44も回転領域と排出領域とに区分され、上記回転領域に上記吸入ホール441が形成される。
【0050】
詳しくは、上記吸入ホール441は一例として円形からなるが、これに制限されるものではなく、上記吸入ホール441の中心は上記インペラ軸432の中心と一致する。そして、上記吸入ホール441の縁から上記吸入ホール441の中心方向に軸遮蔽部442が延長される。上記軸遮蔽部442は、上記吸入ホール441の中心方向に延長されて上記インペラ軸432の端部を覆う大きさに形成される。
【0051】
上記軸遮蔽部442が上記インペラ軸432の端部を覆うことにより、上記吸入ホール441に流入する洗浄水に含まれた髪の毛などの異物が上記インペラ軸432に巻き付けられる現象を防止することができる。そして、上記インペラ軸432の中心を通って上記軸遮蔽部442を二等分する線を基準に上記吸入ホール441は対称な形状に構成される。
【0052】
また、上記回転開始点414cから上記インペラ43の回転方向に所定角度(θ)離隔した点に上記排出開始点414dが形成され、上記所定角度(θ)は約270度である。上記インペラ43によって回転してから排出開始点414dを通る洗浄水は、遠心力によって上記排出領域に移動して上記排出ポート414(排出ポート413)に排出される。
【0053】
図11は本発明の他の実施例に係るインペラ構造を示す図である。
図11を参照すると、本発明の他の実施例に係るインペラ43aは、ハブ431a、インペラ軸432a、およびブレード433aからなることは前の実施例と同一である。ただし、上記ブレード433aの形状において差異がある。
【0054】
詳しくは、上記ブレード433aは、図示のように、上記インペラ軸432aから螺旋状に巻き付けられる単一ブレード形状をなすことを特徴とする。そして、上記ブレード433aの巻き方向は、上記インペラ43aの回転方向と反対方向に巻き付けられることを特徴とする。上記インペラ43aのブレード433aが上記インペラ43aの回転方向と反対方向に巻き付けられることにより、上記吸入ホール441を介して吸入される洗浄水に含まれた髪の毛などの異物が上記インペラ軸432aに巻き付けられることを防止することができる。
【0055】
上記のような構成をなす本発明の実施例に係る排水ポンプアセンブリおよびこれを備える衣類乾燥機によれば、リントフィルタアセンブリの洗浄に使用される洗浄水に含まれた異物が排水ポンプの内部に引っ掛かったり塞がる現象を最小化できる効果がある。詳しくは、排水ポンプの入口側に髪の毛などの異物が引っ掛かったり、排水ポンプのインペラ軸に髪の毛が巻き付けられて、排水ポンプの入口端が閉鎖される現象が最小化されることにより、排水ポンプの負荷増加による電力消費および排水ポンプの破損の可能性を最小化できる長所がある。