特許第6430654号(P6430654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新電元工業株式会社の特許一覧

特許6430654駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法
<>
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000002
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000003
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000004
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000005
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000006
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000007
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000008
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000009
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000010
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000011
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000012
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000013
  • 特許6430654-駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6430654
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20181119BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20181119BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20181119BHJP
   F02N 11/04 20060101ALI20181119BHJP
   F02N 11/08 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   H02K7/18 B
   F02D45/00 362D
   F02D45/00 362K
   F02D29/02 321B
   F02N11/04 A
   F02N11/08 Z
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-546257(P2017-546257)
(86)(22)【出願日】2017年2月3日
(86)【国際出願番号】JP2017003976
【審査請求日】2017年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】河住 真次
(72)【発明者】
【氏名】大崎 真吾
(72)【発明者】
【氏名】松元 賢斗
【審査官】 比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2002/027181(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/002185(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D41/00−45/00
F02D29/00−29/06
H02K 7/18
F02N11/04
F02N11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4ストロークの内燃機関の駆動を制御する駆動制御システムであって、
前記内燃機関にトルクを付与するモータと、
前記モータのU相、V相、及びW相コイルの磁束のそれぞれの切り替わりに応じたU相、V相、及びW相検出信号を出力するU相、V相、及びW相センサ素子と、前記モータのロータに設けられ、前記モータの回転方向に2つのエッジを有するリラクタと、前記リラクタのエッジの立ち上がりの通過を検出すると第1の極性のパルス波を出力するとともに前記リラクタのエッジの立ち下がりの通過を検出すると第2の極性のパルス波を出力するピックアップコイルと、を含むセンサと、
前記内燃機関にトルクを付与するモータの動作を制御するドライバ回路と、
前記センサにより検出された前記内燃機関の上死点および回転角度の変化に基づいて、前記ドライバ回路を制御して前記モータを駆動する制御部と、を備え、
前記制御部は、
電源が投入された後、前記モータを駆動することにより、前記内燃機関の排気行程と吸気行程との間の第2の上死点を超え且つ前記内燃機関の圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点を超えないような基準トルクを、前記内燃機関に付与して前記内燃機関を回転させ、
前記モータを駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、前記モータの回転に応じて前記U相、V相、及びW相センサ素子が出力する前記U相、V相、及びW相検出信号、及び前記モータの回転に応じて前記ピックアップコイルが出力する前記パルス波を含むパルス情報に基づいて、前記内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出するものであり、
前記制御部は、
前記モータから前記内燃機関へのトルクの付与を開始し、
前記内燃機関へのトルクの付与を開始してからのトルク付与時間の計測を開始し、
前記内燃機関の回転速度が目標値に達したか否かを判断し、
前記内燃機関の回転速度が前記目標値に達していないと判断した場合には、前記トルク付与時間が設定時間を経過したか否かを判断し、
前記内燃機関の回転速度が前記目標値に達したと判断した場合および前記トルク付与時間が前記設定時間を経過したと判断した場合には、前記モータから前記内燃機関へのトルクの付与を停止することで、前記モータの正転駆動制御を実行する
ことを特徴とする駆動制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記電源が投入された後、前記モータを正転駆動することにより、前記基準トルクを、前記内燃機関に付与して前記内燃機関を正転させ、
前記モータを正転駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、前記U相、V相、及びW相検出信号、及び前記パルス情報に基づいて、前記内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動制御システム。
【請求項3】
前記リラクタは、前記モータを正転した際に前記ピックアップコイルにより始めに検出される第1のエッジと、前記モータを正転した際に前記ピックアップコイルにより前記第1のエッジの次に検出される第2のエッジと、を有し、
前記第1のエッジは、前記内燃機関の回転角度が自然停止位置から上死点との間の第1の検出角度にあるときに前記ピックアップコイルで検出される位置に設けられるとともに、前記第1の検出角度に関連付けられ、且つ、
前記第2のエッジは、前記内燃機関の回転角度が前記第1の検出角度よりも上死点に近い第2の検出角度にあるときに前記ピックアップコイルで検出される位置に設けられるとともに、前記第2の検出角度に関連付けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の駆動制御システム。
【請求項4】
前記第2の検出角度は、前記内燃機関の上死点に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の駆動制御システム。
【請求項5】
前記自然停止位置は、前記モータからトルクを付与されない状態で前記内燃機関が自然に停止したときに位置する前記内燃機関の回転角度である
ことを特徴とする請求項3に記載の駆動制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記モータを正転駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、最初に前記ピックアップコイルが出力した前記パルス情報の第1のパルス波が前記第1の極性であるか否かを判断し、
前記第1のパルス波が前記第1の極性である場合には、前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転しているか否かを判断し、
前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転している場合には、前記第1のパルス波が前記第1のエッジに基づいたものとして、
前記第2のエッジに関連付けられた前記第2の検出角度を前記内燃機関の前記第1の上死点に対応する前記基準位置として検出する
ことを特徴とする請求項4に記載の駆動制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転していない場合には、前記ピックアップコイルが前記パルス情報の前記第1のパルス波の次の第2のパルス波を出力しているか否かを判断し、
前記ピックアップコイルが前記第2のパルス波を出力している場合には、前記第2のパルス波が前記第2のエッジに基づいたものとして、前記第2のエッジに関連付けられた前記第2の検出角度を前記内燃機関の前記第2の上死点に対応する前記基準位置として検出する
ことを特徴とする請求項6に記載の駆動制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、
最初に前記ピックアップコイルが出力した前記パルス情報のパルス波が前記第1の極性ではない場合には、前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転しているか否かを判断し、
前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転している場合には、前記パルス情報の前記第1のパルス波が前記第1のエッジに基づいたものとして、
前記第2のエッジに関連付けられた前記第2の検出角度を前記内燃機関の前記第1の上死点に対応する前記基準位置として検出する
ことを特徴とする請求項6に記載の駆動制御システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転しているか否かを判断し、前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転していない場合には、前記パルス情報の前記第1のパルス波が前記第2のエッジに基づいたものとして、前記第2のエッジに関連付けられた前記第2の検出角度を前記内燃機関の前記第2の上死点に対応する前記基準位置として検出する
ことを特徴とする請求項8に記載の駆動制御システム。
【請求項10】
前記第1のエッジは、前記内燃機関の回転角度が圧縮行程にあるときに前記ピックアップコイルで検出される位置に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の駆動制御システム。
【請求項11】
前記駆動制御システムは、二輪車に積載され、
前記モータは前記二輪車の内燃機関に接続され、
前記制御部は、前記ドライバ回路により前記モータを駆動することにより、前記内燃機関を起動及び/又は駆動する
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動制御システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記U相、V相、及びW相検出信号の変化に基づいて、前記モータが、正転しているか、若しくは、逆転しているかを判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の駆動制御システム。
【請求項13】
前記制御部は、
前記電源が投入された後、前記内燃機関の始動前に、前記モータを正転駆動することにより、前記基準トルクを、前記内燃機関に付与して前記内燃機関を正転させ、
前記モータを正転駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、前記U相、V相、及びW相検出信号、及び前記パルス情報に基づいて、前記内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出し、
前記内燃機関の始動の際に、前記モータを制御しつつ、検出した前記基準位置に基づいて、前記内燃機関の行程を判別して、前記内燃機関の点火を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の駆動制御システム。
【請求項14】
4ストロークの内燃機関の駆動を制御する駆動制御システムであって、前記内燃機関にトルクを付与するモータと、前記モータのU相、V相、及びW相コイルの磁束のそれぞれの切り替わりに応じたU相、V相、及びW相検出信号を出力するU相、V相、及びW相センサ素子と、前記モータのロータに設けられ、前記モータの回転方向に2つのエッジを有するリラクタと、前記リラクタのエッジの立ち上がりの通過を検出すると第1の極性のパルス波を出力するとともに前記リラクタのエッジの立ち下がりの通過を検出すると第2の極性のパルス波を出力するピックアップコイルと、を含むセンサと、前記内燃機関にトルクを付与するモータの動作を制御するドライバ回路と、前記センサにより検出された前記内燃機関の上死点および回転角度の変化に基づいて、前記ドライバ回路を制御して前記モータを駆動する制御部と、を備えた駆動制御システムの制御方法であって、
前記制御部は、
電源が投入された後、前記モータを駆動することにより、前記内燃機関の排気行程と吸気行程との間の第2の上死点を超え且つ前記内燃機関の圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点を超えないような基準トルクを、前記内燃機関に付与して前記内燃機関を回転させ、
前記モータを駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、前記モータの回転に応じて前記U相、V相、及びW相センサ素子が出力する前記U相、V相、及びW相検出信号、及び前記モータの回転に応じて前記ピックアップコイルが出力する前記パルス波を含むパルス情報に基づいて、前記内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出するものであり、
前記制御部は、
前記モータから前記内燃機関へのトルクの付与を開始し、
前記内燃機関へのトルクの付与を開始してからのトルク付与時間の計測を開始し、
前記内燃機関の回転速度が目標値に達したか否かを判断し、
前記内燃機関の回転速度が前記目標値に達していないと判断した場合には、前記トルク付与時間が設定時間を経過したか否かを判断し、
前記内燃機関の回転速度が前記目標値に達したと判断した場合および前記トルク付与時間が前記設定時間を経過したと判断した場合には、前記モータから前記内燃機関へのトルクの付与を停止することで、前記モータの正転駆動制御を実行する
ことを特徴とする駆動制御システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動制御システム、および、駆動制御システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、4ストロークの内燃機関(エンジン)の駆動を制御する駆動制御システムの制御部(ECU)として、センサにより検出された内燃機関の上死点および回転角度の変化に基づいて、ドライバ回路を制御してモータを駆動するものが知られている。この従来の駆動制御システムの制御部(ECU)の電源投入時は、停止している内燃機関の行程(回転角度)に関する情報を保有していないため、電源投入時において、モータ始動制御前に、内燃機関の行程を判別する必要がある。
【0003】
ここで、特許5097654号に記載の従来の駆動制御システムは、電源投入時において、モータを回転させ、4つのセンサ素子(ホールIC)から得られた4つの検出信号に基づいて、内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出するものである。
【0004】
すなわち、上記従来技術は、電源投入時において、モータを回転させ、3つのセンサ素子から得られた3つの検出信号とピックアップコイルが出力するパルス情報とに基づいて、内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出するものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明では、電源投入時において、3つのセンサ素子から得られた3つの検出信号とピックアップコイルが出力するパルス情報とに基づいて、内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出することが可能な駆動制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る駆動制御システムでは、
4ストロークの内燃機関の駆動を制御する駆動制御システムであって、
前記内燃機関にトルクを付与するモータと、
前記モータのU相、V相、及びW相コイルの磁束のそれぞれの切り替わりに応じたU相、V相、及びW相検出信号を出力するU相、V相、及びW相センサ素子と、前記モータのロータに設けられ、前記モータの回転方向に2つのエッジを有するリラクタと、前記リラクタのエッジの立ち上がりの通過を検出すると第1の極性のパルス波を出力するとともに前記リラクタのエッジの立ち下がりの通過を検出すると第2の極性のパルス波を出力するピックアップコイルと、を含むセンサと、
前記内燃機関にトルクを付与するモータの動作を制御するドライバ回路と、
前記センサにより検出された前記内燃機関の上死点および回転角度の変化に基づいて、前記ドライバ回路を制御して前記モータを駆動する制御部と、を備え、
前記制御部は、
電源が投入された後、前記モータを駆動することにより、前記内燃機関の排気行程と吸気行程との間の第2の上死点を超え且つ前記内燃機関の圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点を超えないような基準トルクを、前記内燃機関に付与して前記内燃機関を回転させ、
前記モータを駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、前記モータの回転に応じて前記U相、V相、及びW相センサ素子が出力する前記U相、V相、及びW相検出信号、及び前記モータの回転に応じて前記ピックアップコイルが出力する前記パルス波を含むパルス情報に基づいて、前記内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出する
ことを特徴とする。
【0007】
前記駆動制御システムにおいて、
前記制御部は、
前記電源が投入された後、前記モータを正転駆動することにより、前記基準トルクを、前記内燃機関に付与して前記内燃機関を正転させ、
前記モータを正転駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、前記U相、V相、及びW相検出信号、及び前記パルス情報に基づいて、前記内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出する
ことを特徴とする。
【0008】
前記駆動制御システムにおいて、
前記リラクタは、前記モータを正転した際に前記ピックアップコイルにより始めに検出される第1のエッジと、前記モータを正転した際に前記ピックアップコイルにより前記第1のエッジの次に検出される第2のエッジと、を有し、
前記第1のエッジは、前記内燃機関の回転角度が自然停止位置から上死点との間の第1の検出角度にあるときに前記ピックアップコイルで検出される位置に設けられるとともに、前記第1の検出角度に関連付けられ、且つ、
前記第2のエッジは、前記内燃機関の回転角度が前記第1の検出角度よりも上死点に近い第2の検出角度にあるときに前記ピックアップコイルで検出される位置に設けられるとともに、前記第2の検出角度に関連付けられている
ことを特徴とする。
【0009】
前記駆動制御システムにおいて、
前記第2の検出角度は、前記内燃機関の上死点に設定されていることを特徴とする。
【0010】
前記駆動制御システムにおいて、
前記自然停止位置は、前記モータからトルクを付与されない状態で前記内燃機関が自然に停止したときに位置する前記内燃機関の回転角度である
ことを特徴とする。
【0011】
前記駆動制御システムにおいて、
前記制御部は、
前記モータを正転駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、最初に前記ピックアップコイルが出力した前記パルス情報の第1のパルス波が前記第1の極性であるか否かを判断し、
前記第1のパルス波が前記第1の極性である場合には、前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転しているか否かを判断し、
前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転している場合には、前記第1のパルス波が前記第1のエッジに基づいたものとして、
前記第2のエッジに関連付けられた前記第2の検出角度を前記内燃機関の前記第1の上死点に対応する前記基準位置として検出する
ことを特徴とする。
【0012】
前記駆動制御システムにおいて、
前記制御部は、
前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転していない場合には、前記ピックアップコイルが前記パルス情報の前記第1のパルス波の次の第2のパルス波を出力しているか否かを判断し、
前記ピックアップコイルが前記第2のパルス波を出力している場合には、前記第2のパルス波が前記第2のエッジに基づいたものとして、前記第2のエッジに関連付けられた前記第2の検出角度を前記内燃機関の前記第2の上死点に対応する前記基準位置として検出する
ことを特徴とする。
【0013】
前記駆動制御システムにおいて、
前記制御部は、
最初に前記ピックアップコイルが出力した前記パルス情報のパルス波が前記第1の極性ではない場合には、前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転しているか否かを判断し、
前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転している場合には、前記パルス情報の前記第1のパルス波が前記第1のエッジに基づいたものとして、
前記第2のエッジに関連付けられた前記第2の検出角度を前記内燃機関の前記第1の上死点に対応する前記基準位置として検出する
ことを特徴とする。
【0014】
前記駆動制御システムにおいて、
前記制御部は、
前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転しているか否かを判断し、前記モータを正転駆動した後に前記モータが逆転していない場合には、前記パルス情報の前記第1のパルス波が前記第2のエッジに基づいたものとして、前記第2のエッジに関連付けられた前記第2の検出角度を前記内燃機関の前記第2の上死点に対応する前記基準位置として検出する
ことを特徴とする。
【0015】
前記駆動制御システムにおいて、
前記第1のエッジは、前記内燃機関の回転角度が圧縮行程にあるときに前記ピックアップコイルで検出される位置に設けられている
ことを特徴とする。
【0016】
前記駆動制御システムにおいて、
前記駆動制御システムは、二輪車に積載され、
前記モータは前記二輪車の内燃機関に接続され、
前記制御部は、前記ドライバ回路により前記モータを駆動することにより、前記内燃機関を起動及び/又は駆動する
ことを特徴とする。
【0017】
前記駆動制御システムにおいて、
前記制御部は、
前記モータから前記内燃機関へのトルクの付与を開始し、
前記内燃機関へのトルクの付与を開始してからのトルク付与時間の計測を開始し、
前記内燃機関の回転速度が目標値に達したか否かを判断し、
前記内燃機関の回転速度が前記目標値に達していないと判断した場合には、前記トルク付与時間が設定時間を経過したか否かを判断し、
前記内燃機関の回転速度が前記目標値に達したと判断した場合および前記トルク付与時間が前記設定時間を経過したと判断した場合には、前記モータから前記内燃機関へのトルクの付与を停止することで、前記モータの正転駆動制御を実行する
ことを特徴とする。
【0018】
前記駆動制御システムにおいて、
前記制御部は、前記U相、V相、及びW相検出信号の変化に基づいて、前記モータが、正転しているか、若しくは、逆転しているかを判定することを特徴とする。
【0019】
前記駆動制御システムにおいて、
前記制御部は、
前記電源が投入された後、前記内燃機関の始動前に、前記モータを正転駆動することにより、前記基準トルクを、前記内燃機関に付与して前記内燃機関を正転させ、
前記モータを正転駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、前記U相、V相、及びW相検出信号、及び前記パルス情報に基づいて、前記内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出し、
前記内燃機関の始動の際に、前記モータを制御しつつ、検出した前記基準位置に基づいて、前記内燃機関の行程を判別して、前記内燃機関の点火を制御する
ことを特徴とする。
【0020】
本発明の一態様に係る駆動制御方法では、
4ストロークの内燃機関の駆動を制御する駆動制御システムであって、前記内燃機関にトルクを付与するモータと、前記モータのU相、V相、及びW相コイルの磁束のそれぞれの切り替わりに応じたU相、V相、及びW相検出信号を出力するU相、V相、及びW相センサ素子と、前記モータのロータに設けられ、前記モータの回転方向に2つのエッジを有するリラクタと、前記リラクタのエッジの立ち上がりの通過を検出すると第1の極性のパルス波を出力するとともに前記リラクタのエッジの立ち下がりの通過を検出すると第2の極性のパルス波を出力するピックアップコイルと、を含むセンサと、前記内燃機関にトルクを付与するモータの動作を制御するドライバ回路と、前記センサにより検出された前記内燃機関の上死点および回転角度の変化に基づいて、前記ドライバ回路を制御して前記モータを駆動する制御部と、を備えた駆動制御システムの制御方法であって、
前記制御部は、
電源が投入された後、前記モータを駆動することにより、前記内燃機関の排気行程と吸気行程との間の第2の上死点を超え且つ前記内燃機関の圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点を超えないような基準トルクを、前記内燃機関に付与して前記内燃機関を回転させ、
前記モータを駆動して前記基準トルクを前記内燃機関に付与した後、前記モータの回転に応じて前記U相、V相、及びW相センサ素子が出力する前記U相、V相、及びW相検出信号、及び前記モータの回転に応じて前記ピックアップコイルが出力する前記パルス波を含むパルス情報に基づいて、前記内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様に係る車両用電力供給システムにより、電源投入時において、3つのセンサ素子から得られた3つの検出信号とピックアップコイルが出力するパルス情報とに基づいて、内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一態様である第1の実施形態に係る駆動制御システム1000の構成の一例を示す図である。
図2図2は、図1に示す駆動制御装置100及びモータ102の詳細な構成の一例を示す図である。
図3図3は、図1に示すモータ102の詳細な構成の一例を示す図である。
図4図4は、図1に示す駆動制御システム1000の内燃機関103の各行程(クランクの角度)と気筒内の圧力との関係の一例を示す図である。
図5図5は、図1図2に示す駆動制御システム1000の各信号と内燃機関103の回転負荷との関係の一例(パターン1)を示す図である。
図6図6は、図1図2に示す駆動制御システム1000の各信号と内燃機関103の回転負荷との関係の一例(パターン2)を示す図である。
図7図7は、図1図2に示す駆動制御システム1000の各信号と内燃機関103の回転負荷との関係の一例(パターン3)を示す図である。
図8図8は、図1図2に示す駆動制御システム1000の各信号と内燃機関103の回転負荷との関係の一例(パターン4)を示す図である。
図9図9は、図1図2に示す駆動制御装置100が基準トルクを内燃機関103に付与するために、モータ102の正転駆動制御のフローの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、図1図2に示す駆動制御装置100が内燃機関103の上死点に対応する基準位置を検出するためのフローの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、図10に示すモータステージ判定処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、図10に示す正転・逆転判定処理の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、図10に示す位置判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【第1の実施形態】
【0024】
図1は、本発明の一態様である第1の実施形態に係る駆動制御システム1000の構成の一例を示す図である。また、図2は、図1に示す駆動制御装置100及びモータ102の詳細な構成の一例を示す図である。また、図3は、図1に示すモータ102の詳細な構成の一例を示す図である。また、図4は、図1に示す駆動制御システム1000の内燃機関103の各行程(クランクの角度)と気筒内の圧力との関係の一例を示す図である。
【0025】
本実施形態に係る内燃機関の駆動を制御する駆動制御システム1000は、例えば、図1図2に示すように、駆動制御装置(ECU:Engine Control Unit)100と、バッテリBと、モータ102と、エンジン(内燃機関)103と、センサ104と、を備える。
【0026】
この駆動制御システム1000は、例えば、二輪車(図示せず)に積載される。この場合、モータ102は該二輪車の内燃機関103に接続される。
【0027】
内燃機関103は、ここでは、例えば、4ストロークエンジンである。したがって、図4に示すように、内燃機関103の状態は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、および、排気行程を遷移するようになっている。また、図4に示すように、内燃機関103の気筒内の圧力(すなわち、クランクの回転負荷)は、上死点で最大になる。
【0028】
また、モータ102は、内燃機関103(すなわち、内燃機関103のクランク軸)にトルクを付与するようになっている。
【0029】
ここでは、モータ102は、内燃機関103のクランク軸にトルクを授受可能に連結されている。すなわち、このモータ102は、電動機と発電機の両方の機能を併せ持つ。このように、モータ102は、内燃機関103により駆動されて発電し、交流電圧を出力する交流発電機(ACG)としても機能するようになっている。
【0030】
このモータ102は、例えば、図2図3に示すように、ステータに設けられたU相コイルCU、V相コイルCV、及びW相コイルCWと、ロータROと、を含む。
【0031】
また、センサ104は、内燃機関103の回転速度(rpm)およびクランク角(例えば、回転角度の変化、上死点)を検出し、この検出結果に応じた検出信号を出力するようになっている。
【0032】
特に、このセンサ104は、内燃機関103の回転角度が、排気行程と吸気行程との間の第2の上死点TDC2(基準位置)、および、圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点TDC1(基準位置)を通過した場合に、検出信号の1つとして基準位置信号(パルス情報SPC)を出力するようになっている。
【0033】
このセンサ104は、例えば、図2図3に示すように、U相センサ素子ICU、V相センサ素子ICV、及びW相センサ素子ICWと、リラクタREと、ピックアップコイルPCと、を含む。
【0034】
U相、V相、及びW相センサ素子ICU、ICV、ICWは、モータ102のU相、V相、及びW相コイルCU、CV、CWの磁束のそれぞれの切り替わりに応じたU相検出信号IHU、V相検出信号IHV、及びW相検出信号IHWを出力するようになっている。
【0035】
また、ピックアップコイルPCは、リラクタREのエッジの通過を検出するとパルス波P1、P2を出力するようになっている。
【0036】
例えば、ピックアップコイルPCは、リラクタREのエッジの立ち上がりの通過を検出すると第1の極性(ここでは正)のパルス波を出力するとともに、リラクタREのエッジの立ち下がりの通過を検出すると第2の極性(ここでは負)のパルス波を出力するようになっている。
【0037】
なお、上記通過とは、例えば、ピックアップコイルPCがエッジを検出可能な範囲(ピックアップコイルPCの近傍)を、リラクタREが通過することを意味する。
【0038】
また、リラクタREは、モータ102のロータROに設けられ、モータ102の回転方向(図3の正転方向)に2つのエッジE1、E2を有する。
【0039】
すなわち、リラクタREは、モータ102を正転(図3)した際にピックアップコイルPCにより始めに検出される第1のエッジE1と、モータ102を正転した際にピックアップコイルPCにより第1のエッジE1の次に検出される第2のエッジE2と、を有する。
【0040】
例えば、第1のエッジE1は、内燃機関103の回転角度が自然停止位置から上死点との間の第1の検出角度にあるときにピックアップコイルPCで検出される位置に設けられる。
【0041】
この第1のエッジE1は、本実施形態では、例えば、内燃機関103の回転角度が圧縮行程にあるときにピックアップコイルPCで検出される位置に設けられている。
【0042】
そして、この第1のエッジE1は、制御部CONにより、該第1の検出角度に関連付けられている。例えば、第1のエッジE1は、該第1の検出角度に関連付けて記憶部Mに記憶されている。
【0043】
なお、該自然停止位置は、モータ102からトルクを付与されない状態で内燃機関103が自然に停止したときに位置する内燃機関103の回転角度である。
【0044】
また、例えば、第2のエッジE2は、内燃機関103の回転角度が該第1の検出角度よりも上死点に近い第2の検出角度にあるときにピックアップコイルPCで検出される位置に設けられている。
【0045】
この第2のエッジE2は、制御部CONにより、該第2の検出角度に関連付けられている。例えば、第2のエッジE2は、該第2の検出角度に関連付けて記憶部Mに記憶されている。
【0046】
なお、該第2の検出角度は、本実施形態では、例えば、内燃機関103の上死点に設定されている。
【0047】
また、図1図2に示すように、バッテリBは、モータ102に駆動電力を供給し、または、モータ103による回生電力を充電するようになっている。
【0048】
また、駆動制御装置100は、検出信号(すなわち、検出信号から得られるモータ102の回転速度およびクランク角(例えば、回転角度の変化、上死点))に基づいて、モータ102の状態を判断し、内燃機関103の駆動を制御するようになっている。
【0049】
この駆動制御装置100は、例えば、制御部(CPU:Central Processing Unit)CONと、記憶部Mと、ドライバ回路Dと、を有する。
【0050】
また、ドライバ回路Dは、内燃機関103にトルクを付与するモータ102の動作を制御するようになっている。
【0051】
また、記憶部Mは、内燃機関103の始動等を制御するため(モータ102を制御するための)のマップを記憶するようになっている。
【0052】
制御部CONは、記憶部Mを参照し、センサ104により検出された内燃機関103の回転速度およびクランク角(例えば、回転角度の変化、上死点)に基づいて、ドライバ回路Dを制御してモータ102を駆動するようになっている。
【0053】
すなわち、制御部CONは、ドライバ回路Dによりモータ102を駆動することにより、内燃機関103を起動するとともに、内燃機関103を駆動するようになっている。
【0054】
この制御部CONは、電源が投入された後、内燃機関103の始動(点火制御)前に、モータ102を駆動(ここでは、正転駆動)することにより、内燃機関103の排気行程と吸気行程との間の第2の上死点TDC2を超え且つ内燃機関103の圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点TDC1を超えないような基準トルクを、内燃機関103に付与して内燃機関103を回転(ここでは、正転)させるようになっている。
【0055】
なお、該基準トルクは、内燃機関103の第2の上死点TDC2における回転負荷(圧力)MAX2以上、内燃機関103の第1の上死点TDC1における回転負荷(圧力)MAX1未満の値に設定される。
【0056】
そして、制御部CONは、モータ102を駆動(ここでは、正転駆動)して基準トルクを内燃機関103に付与した後、モータ102の回転に応じてU相、V相、及びW相センサ素子ICU、ICV、ICWが出力するU相、V相、及びW相検出信号IHU、IHV、IHWの変化に基づいて、モータ102が、正転しているか、若しくは、逆転しているかを判定するようになっている。
【0057】
さらに、制御部CONは、モータ102を駆動(ここでは、正転駆動)して基準トルクを内燃機関103に付与した後、モータ102の回転に応じてU相、V相、及びW相センサ素子ICU、ICV、ICWが出力するU相、V相、及びW相検出信号IHU、IHV、IHWの変化に基づいて、モータ102の後述のモータステージを判定するようになっている。
【0058】
さらに、制御部CONは、モータ102を駆動(ここでは、正転駆動)して基準トルクを内燃機関103に付与した後、内燃機関103の始動前に、モータ102の回転に応じてU相、V相、及びW相センサ素子ICU、ICV、ICWが出力するU相、V相、及びW相検出信号IHU、IHV、IHW、及びモータ102の回転に応じてピックアップコイルPCが出力するパルス波を含むパルス情報SPCに基づいて、内燃機関103の上死点に対応する基準位置を検出するようになっている。
【0059】
次に、以上のような構成を有する駆動制御システム1000の制御方法の一例について、説明する。図5は、図1図2に示す駆動制御システム1000の各信号と内燃機関103の回転負荷との関係の一例(パターン1)を示す図である。また、図6は、図1図2に示す駆動制御システム1000の各信号と内燃機関103の回転負荷との関係の一例(パターン2)を示す図である。また、図7は、図1図2に示す駆動制御システム1000の各信号と内燃機関103の回転負荷との関係の一例(パターン3)を示す図である。また、図8は、図1図2に示す駆動制御システム1000の各信号と内燃機関103の回転負荷との関係の一例(パターン4)を示す図である。
【0060】
まず、駆動制御装置100が基準トルクを内燃機関103に付与するために、モータ102の正転駆動制御のフローの一例について説明する。図9は、図1図2に示す駆動制御装置100が基準トルクを内燃機関103に付与するために、モータ102の正転駆動制御のフローの一例を示すフローチャートである。
【0061】
この図9に示すように、先ず、駆動制御装置100の制御部CONは、は、正転駆動制御を開始して、内燃機関103のクランク軸に回転軸が接続されたモータ102から内燃機関103へのトルクの付与を開始する(ステップS1)。
【0062】
次に、制御部CONは、は、内燃機関103へのトルクの付与を開始してからのトルク付与時間の計測カウントを開始する(ステップS2)。
【0063】
そして、制御部CONは、は、センサ104により検出した内燃機関103の回転速度が目標値に達したか否かを判断する(ステップS3)。
【0064】
そして、制御部CONは、は、このステップS3において内燃機関103の回転速度が目標値に達していないと判断した場合には、トルク付与時間が設定時間を経過したか否かを判断する(ステップS4)。
【0065】
そして、制御部CONは、は、このステップS4においてトルク付与時間が設定時間を経過していないと判断した場合には、センサ104により検出した内燃機関103の回転速度が目標値に達したか否かを判断するステップS3に戻る。
【0066】
このようにして、排気行程と吸気行程との間の第2の上死点TDC2を超え且つ圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点TDC1を超えないような既述の基準トルクを正転駆動制御により内燃機関103に付与して、内燃機関103を正転させる(図5図8)。
【0067】
一方、制御部CONは、は、ステップS3において内燃機関103の回転速度が目標値に達したと判断した場合およびステップS4においてトルク付与時間が設定時間を経過したと判断した場合には、該基準トルクが内燃機関103に付与されたと判断し、正転駆動制御を停止することによりモータ102から内燃機関103へのトルクの付与を停止する(ステップS5)。
【0068】
次に、駆動制御装置100が内燃機関103の上死点に対応する基準位置を検出するためのフローの一例について説明する。図10は、図1図2に示す駆動制御装置100が内燃機関103の上死点に対応する基準位置を検出するためのフローの一例を示すフローチャートである。また、図11は、図10に示すモータステージ判定処理の一例を示すフローチャートである。また、図12は、図10に示す正転・逆転判定処理の一例を示すフローチャートである。また、図13は、図10に示す位置判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
図10に示すように、例えば、ユーザによりイグニッションキーが操作されると、駆動制御システム1000に電源が投入されて、駆動制御装置100が起動する。この電源投入時においては、駆動制御装置100は、停止している内燃機関の行程(回転角度)に関する情報を保有していない。すなわち、内燃機関103の始動(点火制御)前に、内燃機関103のエンジンステージは未確定の状態である(ステップSa)。
【0070】
その後、図10に示すように、駆動制御装置100の制御部CONは、内燃機関103の始動(点火制御)前に、モータ102の正転駆動制御により、排気行程と吸気行程との間の第2の上死点TDC2を超え且つ圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点TDC1を超えないような既述の基準トルクを、内燃機関103に付与して、内燃機関103を正転させる。
【0071】
そして、図10に示すように、制御部CONは、モータ102の回転に応じてW相センサ素子ICWが出力するW相検出信号IHWのエッジを検出した場合(ステップSb)、モータ102の回転に応じてV相センサ素子ICVが出力するV相検出信号IHVのエッジを検出した場合(ステップSc)、及び、モータ102の回転に応じて、U相センサ素子ICUが出力するU相検出信号IHUのエッジを検出した場合(ステップSd)には、モータステージ判定処理を実行する(ステップSe)。
【0072】
ここで、モータステージは、例えば、図5ないし図8に示すように、U相、V相、及びW相検出信号IHU、IHV、IHWの“High”レベルと“Low”レベルの組み合わせで決まる6個のモータステージ“0”〜モータステージ“5”に区分されている。図5ないし図8の例では、1つのモータステージは、内燃機関103の回転角度で10°である。
【0073】
そして、例えば、モータ102が正転する場合、モータステージは、モータステージ“0”、“1”、“2”、“3”、“4”、“5”の順番の変化が繰り返されることなる。一方、モータ102が逆転する場合、モータステージは、モータステージ“5”、“4”、“3”、“2”、“1”、“0”の順番の変化が繰り返されることなる。
【0074】
このモータステージ判定処理では、例えば、図11に示すように、制御部CONは、U相、V相、又はW相検出信号IHU、IHV、IHWのエッジ(例えば、図5ないし図8のU相検出信号IHUの立ち下がりエッジ)を検出すると、今回(現在)のモータステージの値(モータ102が正転している場合、例えば、“1”)を、前回のモータステージの値(“1”)として保持する(ステップSe1)。
【0075】
そして、制御部CONは、U相、V相、及びW相検出信号IHU、IHV、IHWの検出したレベル(例えば“High”レベル、“High”レベル、“Low”レベル)から、新しいモータステージ(“2”)を判定する(ステップSe2)。
【0076】
そして、制御部CONは、判定した新しいモータステージ(“2”)を、今回のモータステージとして更新する(ステップSe3)。
【0077】
このようにして、制御部CONは、モータ102を駆動(ここでは、正転駆動)して基準トルクを内燃機関103に付与した後、モータ102の回転に応じてU相、V相、及びW相センサ素子ICU、ICV、ICWが出力するU相、V相、及びW相検出信号IHU、IHV、IHWの変化に基づいて、モータ102のモータステージを判定する。
【0078】
そして、図10に示すように、制御部CONは、このモータステージ判定処理(ステップSe)を実行した後、モータステージ判定処理を実行する(ステップSf)。
【0079】
このモータステージ判定処理(ステップSf)では、例えば、図12に示すように、先ず、制御部CONは、前回モータステージの値を取得する(ステップSf1)。
【0080】
そして、制御部CONは、今回(現在)モータステージの値を取得する(ステップSf2)。
【0081】
そして、制御部CONは、今回モータステージの値が前回モータステージの値よりも大きいか否かを判断する(ステップSf3)。
【0082】
すなわち、モータステージの値が“0”、“1”、“2”、“3”、“4”、“5”の順番で変化しているか(モータ102が正転しているか)否か、を判断する。なお、今回モータステージの値が前回モータステージの値よりも大きい場合には、モータステージの値が“0”から“5”の順番で変化している場合(モータ102が逆転している場合)も含まれることになるが、この場合は、以下のステップSf4、Sf7で判断することになる。
【0083】
そして、制御部CONは、前回モータステージの値が今回モータステージの値よりも小さい場合(ステップSf3でYESの場合)、前回モータステージの値が“0”且つ今回モータステージの値が“5”であるか否かを判断する(ステップSf4)。
【0084】
すなわち、制御部CONは、前回モータステージの値が今回モータステージの値よりも小さい場合であって、モータステージの値が“0”から“5”の順番で変化しているか否かを判断する。
【0085】
そして、制御部CONは、前回モータステージの値が“0”且つ今回モータステージの値が“5”である場合(ステップSf4でYESの場合)には、モータ102が逆転していると判断する(ステップSf5)。
【0086】
すなわち、制御部CONは、前回モータステージの値が今回モータステージの値よりも小さい場合であって、モータステージの値が“0”から“5”の順番で変化している場合には、モータ102が逆転していると判断する。
【0087】
また、制御部CONは、前回モータステージの値が“0”且つ今回モータステージの値が“5”ではない場合(ステップSf4でNOの場合)には、制御部CONは、モータ102が正転していると判断する(ステップSf6)。
【0088】
すなわち、制御部CONは、前回モータステージの値が今回モータステージの値よりも小さい場合であって、モータステージの値が“5”から“0”の順番で変化している場合には、モータ102が正転していると判断する。
【0089】
一方、制御部CONは、前回モータステージの値が今回モータステージの値よりも小さくない場合(ステップSf3でNOの場合)、前回モータステージの値が“5”且つ今回モータステージの値が“0”であるか否かを判断する(ステップSf7)。
【0090】
すなわち、制御部CONは、前回モータステージの値が今回モータステージの値よりも大きい場合であって、モータステージの値が“5”から“0”の順番で変化しているか否かを判断する。
【0091】
そして、制御部CONは、前回モータステージの値が“5”且つ今回モータステージの値が“0”である場合(ステップSf7でYESの場合)には、モータ102が正転していると判断する(ステップSf8)。
【0092】
すなわち、制御部CONは、前回モータステージの値が今回モータステージの値よりも大きい場合であって、モータステージの値が“5”から“0”の順番で変化している場合には、モータ102が正転していると判断する。
【0093】
また、制御部CONは、前回モータステージの値が“5”且つ今回モータステージの値が“0”ではない場合(ステップSf7でNOの場合)には、制御部CONは、モータ102が逆転していると判断する(ステップSf9)。
【0094】
すなわち、制御部CONは、前回モータステージの値が今回モータステージの値よりも大きい場合であって、モータステージの値が“0”から“5”の順番で変化している場合には、モータ102が逆転していると判断する。
【0095】
このように、制御部CONは、モータ102を駆動(ここでは、正転駆動)して基準トルクを内燃機関103に付与した後、モータ102の回転に応じてU相、V相、及びW相センサ素子ICU、ICV、ICWが出力するU相、V相、及びW相検出信号IHU、IHV、IHWの変化に基づいて、モータ102が、正転しているか、若しくは、逆転しているかを判定する。
【0096】
そして、図10に示すように、制御部CONは、この正転・逆転判定処理(ステップSf)を実行した後、位置検出処理を実行する(ステップSg)。
【0097】
この位置検出処理を実行する(ステップSg)では、例えば、図13に示すように、先ず、制御部CONは、モータ102を駆動(ここでは正転駆動)して基準トルクを内燃機関103に付与した後、最初にピックアップコイルPCが出力したパルス情報(パルス信号SPC)の第1のパルス波P1が第1の極性(ここでは正)であるか否かを判断する(ステップSg1)。
【0098】
そして、制御部CONは、第1のパルス波P1が第1の極性である場合(ステップSg1でYESの場合)には、既述の正転・逆転判定処理(ステップSf)で得られた結果に基づいて、モータ102を正転駆動した後にモータ102が逆転しているか否かを判断する(ステップSg2)。
【0099】
そして、制御部CONは、モータ102を正転駆動した後にモータ102が逆転している場合(ステップSg2でYESの場合)には、第1のパルス波P1が第1のエッジE1に基づいたものとして、エンジンステージの値が“14”であると判定する(ステップSg3)。
【0100】
ここで、例えば、図5に示すように、内燃機関103が圧縮行程の回転角度aで停止している場合、モータ102を正転駆動して基準トルクを内燃機関103に付与すると、第1の上死点TDC1の手前のエンジンステージ14で、ピックアップコイルPCから第1の極性(正)の第1のパルス波P1が出力される。しかし、内燃機関103が第1の上死点TDC1を超えずに、回転角度bで逆転し、エンジンステージ13で、ピックアップコイルPCから第2の極性(負)の第2のパルス波P2が出力されることとなる(パルス情報SPCのパターン1)。
【0101】
そして、上記ステップSg1〜Sg3により、内燃機関103が第1の上死点TDC1を超えずに逆転したことから、このパルス情報SPCが図5のパターン1であることが判別されるため、第1のパルス波P1が第1のエッジE1(立ち上がり)に基づいたものであることが分かる。なお、第2のパルス波P2も第1のエッジE1(立ち下がり)に基づいたものである。
【0102】
そして、第1のエッジE1と第2のエッジE2との間隔、および、第1のエッジE1と第2のエッジE2と内燃機関103の回転角度との関係は既知のものである。すなわち、第1の上死点TDC1の手前のエンジンステージ14に内燃機関103が位置(第1のエッジE1がエンジンステージ13、14の間に位置)していることが分かる。
【0103】
これにより、図5に示す状態では、制御部CONは、第2のエッジE2に関連付けられた第2の検出角度を内燃機関103の第1の上死点TDC1に対応する基準位置として検出する。
【0104】
一方、制御部CONは、モータ102を正転駆動した後にモータ102が逆転していない場合(ステップSg2でNOの場合)には、ピックアップコイルPCがパルス情報SPCの第1のパルス波P1の次の第2のパルス波P2を出力しているか否かを判断する(ステップSg4)。
【0105】
そして、制御部CONは、ピックアップコイルPCが第2のパルス波P2を出力している場合(ステップSg4でYESの場合)には、第2のパルス波P2が第2のエッジE2に基づいたものとして、エンジンステージの値が“3”であると判定する(ステップSg5)。
【0106】
ここで、例えば、図6に示すように、内燃機関103が燃焼行程の回転角度cで停止している場合、モータ102を正転駆動して基準トルクを内燃機関103に付与すると、第2の上死点TDC2の手前のエンジンステージ2で、ピックアップコイルPCから第1の極性(正)の第1のパルス波P1が出力される。さらに、内燃機関103が第2の上死点TDC2を超えるため、エンジンステージ3で、ピックアップコイルPCから第2の極性(負)の第2のパルス波P2が出力されることとなる(パルス情報SPCのパターン2)。
【0107】
そして、上記ステップSg1、Sg2、Sg4、Sg5により、内燃機関103が第2の上死点TDC2を超えて正転したことから、このパルス情報SPCが図6のパターン2であることが判別されるため、第1のパルス波P1が第1のエッジE1(立ち上がり)に基づいたものであり、第2のパルス波P2は第2のエッジE2(立ち下がり)に基づいたものであることが分かる。
【0108】
そして、既述のように、第1のエッジE1と第2のエッジE2との間隔、および、第1のエッジE1と第2のエッジE2と内燃機関103の回転角度との関係は既知のものである。すなわち、第2の上死点TDC2の手前のエンジンステージ3に内燃機関103が位置(第2のエッジE2がエンジンステージ3の間に位置)していることが分かる。
【0109】
これにより、図6に示す状態では、制御部CONは、第2のエッジE2に関連付けられた第2の検出角度を内燃機関103の第2の上死点TDC2に対応する基準位置として検出する。
【0110】
なお、制御部CONは、ピックアップコイルPCが第2のパルス波P2を出力していない場合(ステップSg4でNOの場合)には、モータ102が逆転し、若しくは、第2のエッジE2が出力するまでは、既述のパターン1又はパターン2の何れであるかを確定できないため、例えば、エンジンステージの値を、“14”に仮決めする(ステップSg6)。
【0111】
一方、制御部CONは、最初にピックアップコイルPCが出力したパルス情報SPCのパルス波が第1の極性ではない(第2の極性である)場合(ステップSg1でNOの場合)には、モータ102を正転駆動した後にモータ102が逆転しているか否かを判断する(ステップSg7)。
【0112】
そして、制御部CONは、モータ102を正転駆動した後にモータ102が逆転している場合(ステップSg7でYESの場合)には、パルス情報SPCの前記第1のパルス波P1が第1のエッジE1に基づいたものとして、エンジンステージの値が“13”であると判定する(ステップSg8)。
【0113】
ここで、例えば、図7に示すように、内燃機関103が圧縮行程の回転角度dで停止している場合、モータ102を正転駆動して基準トルクを内燃機関103に付与すると、内燃機関103が第1の上死点TDC1を超えずに、この回転角度dで逆転し、エンジンステージ13で、ピックアップコイルPCから第2の極性(負)の第1のパルス波P1が出力されることとなる(パルス情報SPCのパターン3)。
【0114】
そして、上記ステップSg1、Sg7、Sg8により、内燃機関103が第1の上死点TDC1を超えずに逆転したことから、このパルス情報SPCが図7のパターン3であることが判別されるため、第1のパルス波P1が第1のエッジE1(立ち下がり)に基づいたものであることが分かる。
【0115】
そして、既述のように、第1のエッジE1と第2のエッジE2との間隔、および、第1のエッジE1と第2のエッジE2と内燃機関103の回転角度との関係は既知のものである。すなわち、第1の上死点TDC1の手前のエンジンステージ13に内燃機関103が位置(第1のエッジE1がエンジンステージ13、14の間に位置)していることが分かる。
【0116】
これにより、図7に示す状態では、制御部CONは、第2のエッジE2に関連付けられた第2の検出角度を内燃機関103の第1の上死点TDC1に対応する基準位置として検出する。
【0117】
また、制御部CONは、モータ102を正転駆動した後にモータ102が逆転していない場合(ステップSg7でNOの場合)には、パルス情報SPCの第1のパルス波P1が第2のエッジE2に基づいたものとして、エンジンステージの値が“3”であると判定する(ステップSg9)。
【0118】
ここで、例えば、図8に示すように、内燃機関103が排気行程の回転角度eで停止している場合、モータ102を正転駆動して基準トルクを内燃機関103に付与すると、内燃機関103が第2の上死点TDC2を超えるため、エンジンステージ3で、ピックアップコイルPCから第2の極性(負)の第1のパルス波P1が出力されることとなる(パルス情報SPCのパターン4)。
【0119】
そして、上記ステップSg1、Sg7、Sg9により、内燃機関103が第2の上死点TDC2を超えて正転したことから、このパルス情報SPCが図8のパターン4であることが判別されるため、第1のパルス波P1が第2のエッジE2(立ち下がり)に基づいたものであることが分かる。
【0120】
そして、既述のように、第1のエッジE1と第2のエッジE2との間隔、および、第1のエッジE1と第2のエッジE2と内燃機関103の回転角度との関係は既知のものである。すなわち、第2の上死点TDC2の手前のエンジンステージ3に内燃機関103が位置(第2のエッジE2がエンジンステージ3の間に位置)していることが分かる。
【0121】
これにより、図8に示す状態では、制御部CONは、第2のエッジE2に関連付けられた第2の検出角度を内燃機関103の第2の上死点TDC2に対応する基準位置として検出する。
【0122】
そして、図10に示すように、制御部CONは、この位置検出処理(ステップSg)を実行した後、内燃機関103が位置するエンジンステージが確定しているか否かを判断する(ステップSg)。
【0123】
そして、制御部CONは、内燃機関103が位置するエンジンステージが確定している場合には、処理を終了し、一方、内燃機関103が位置するエンジンステージが確定していない場合には、ステップSaに戻り、同様の処理を実行する。
【0124】
なお、既述の図5ないし図8において、4ストロークエンジンの4つの行程に対応する24個のエンジンステージ00から23のうちの、1つのステージは、内燃機関103の30度の回転角度に相当する。しかし、このエンジンステージの1つのステージに対応する回転角度は、30度に限られず、10度や15度等のその他の角度であってもよい。
【0125】
以上のステップにより、駆動制御装置100が実行する制御方法では、制御部CONは、電源が投入された後、内燃機関103の始動前に、モータ102を正転駆動して基準トルクを内燃機関103に付与した後、U相、V相、及びW相検出信号、及びパルス情報に基づいて、内燃機関の上死点に対応する基準位置(すなわち、内燃機関103の回転角度(エンジンステージ)とリラクタRE(第2のエッジE2)の位置との関係)を検出する。
【0126】
そして、制御部CONは、内燃機関103の始動の際には、モータ102を制御しつつ、検出した基準位置に基づいて、内燃機関103の行程を判別して、内燃機関103の点火を制御して、内燃機関103を駆動する。
【0127】
以上のように、本発明の一態様に係る駆動制御システム1000は、4ストロークの内燃機関の駆動を制御する駆動制御システムであって、内燃機関にトルクを付与するモータ102と、モータのU相、V相、及びW相コイルCU、CV、CWの磁束のそれぞれの切り替わりに応じたU相、V相、及びW相検出信号IHU,IHV,IHWを出力するU相、V相、及びW相センサ素子ICU、ICV、ICWと、モータのロータROに設けられ、モータの回転方向に2つのエッジを有するリラクタREと、リラクタREのエッジの立ち上がりの通過を検出すると第1の極性のパルス波を出力するとともにリラクタREのエッジの立ち下がりの通過を検出すると第2の極性のパルス波を出力するピックアップコイルPCと、を含む検出センサ104と、内燃機関にトルクを付与するモータの動作を制御するドライバ回路Dと、検出センサにより検出された内燃機関の上死点および回転角度の変化に基づいて、ドライバ回路を制御してモータを駆動する制御部CONと、を備える。
【0128】
そして、制御部は、電源が投入された後、モータを正転駆動することにより、内燃機関103の排気行程と吸気行程との間の第2の上死点TDC2を超え且つ内燃機関103の圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点TDC1を超えないような基準トルクを、内燃機関に付与して内燃機関を正転させ、モータを正転駆動して基準トルクを内燃機関103に付与した後、モータの回転に応じてU相、V相、W相センサ素子が出力するU相、V相、W相検出信号、及びモータの回転に応じてピックアップコイルが出力するパルス波のパルス情報SPCに基づいて、内燃機関の第1又は第2の上死点TDC1、TDC2に対応する基準位置を検出する。
【0129】
このように、本発明の駆動制御装置では、内燃機関の行程を検出するための構成として、U相、V相、及びW相検出信号を出力する3つのホールICのと、パルス情報SPCを出力するピックアップコイルおよびリラクタREを用い、内燃機関の始動時の電源投入時には、内燃機関の排気行程と吸気行程との間の第1の上死点TDC1を超えない程度のトルクでモータを回転させることにより得られる、U相、V相、及びW相検出信号IHU,IHV,IHWとパルス情報(パルス信号SPC)に基づいて、上死点に対応する基準位置を検出する。
【0130】
これにより、電源投入時において、3つのセンサ素子から得られた3つの検出信号とピックアップコイルPCが出力するパルス情報とに基づいて、内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出することができる。
【0131】
特に、電源投入時において、より早く内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出でき、リラクタREの第1、第2のエッジの位置を調整することで行程を特定するタイミングが調整できる。
【0132】
なお、図1においては、内燃機関103とモータ102とが一体になった場合に示しているが、内燃機関103とモータ102とが別体になっていてもよい。
【0133】
また、実施形態においては、モータ102は、電動機と発電機の両方の機能を併せ持つ場合について示している。
【0134】
しかし、モータ102が内燃機関103のクランク軸にトルクを与えるように連結され、電動機の機能のみを持つようにしても、本発明の作用・効果を奏することができる。この場合、発電機として機能するモータが別途用意される。
【0135】
また、実施形態では、既述の基準トルクは、内燃機関103に付与して内燃機関103を回転(ここでは、正転)させるようになっていた。しかし、制御部CONは、電源が投入された後、モータ102を逆転駆動することにより、内燃機関103の排気行程と吸気行程との間の第2の上死点TDC2を超え且つ内燃機関103の圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点TDC1を超えないような基準トルクを、内燃機関103に付与して内燃機関103を逆転させるようにしてもよい。この場合も、該基準トルクは、内燃機関103の第2の上死点TDC2における回転負荷(圧力)MAX2以上、内燃機関103の第1の上死点TDC1における回転負荷(圧力)MAX1未満の値に設定される。
【0136】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0137】
1000 駆動制御システム
100 駆動制御装置(ECU)
B バッテリ
102 モータ
103 内燃機関(エンジン)
104 センサ
【要約】
駆動制御システムの制御部は、電源が投入された後、モータを駆動することにより、内燃機関の排気行程と吸気行程との間の第2の上死点を超え且つ内燃機関の圧縮行程と燃焼行程との間の第1の上死点を超えないような基準トルクを、内燃機関に付与して内燃機関を回転させ、モータを駆動して基準トルクを内燃機関に付与した後、モータの回転に応じてU相、V相、及びW相センサ素子が出力するU相、V相、及びW相検出信号、及びモータの回転に応じてピックアップコイルが出力するパルス波を含むパルス情報に基づいて、内燃機関の上死点に対応する基準位置を検出する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13