【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、上記目的は、ネットワークを介して照明デバイスを制御するコントローラによって達成される。コントローラは、
第1の複数の時点に分布する照明設定の第1のシーケンスを受信する受信器と、
第1のシーケンスの照明設定を、第2の複数の時点に分布する照明設定の第2のシーケンスに変換するプロセッサと、
照明設定を照明デバイスに送信する送信器と、
を含み、
第1のシーケンスは、動的照明効果を規定し、
プロセッサは更に、ネットワークのネットワーク容量の指標を受信し、
プロセッサは更に、ネットワーク容量の指標に基づいて、第1のシーケンスの照明設定を第2のシーケンスの照明設定に変換する。
【0005】
動的照明効果(即ち、第1のシーケンスの照明設定)は、例えばユーザによって、ユーザ入力デバイス上で選択され、コントローラの受信器によって受信される。動的照明効果は、当該動的照明効果の選択後すぐに照明デバイスに適用されて、ユーザは照明効果が適用されることを待つ必要がないことが望まれる。更に、ユーザが、動的照明効果を意図したとおりに経験することが望まれる。プロセッサは、第1のシーケンスの照明設定に基づいて、第2のシーケンスの照明設定を作成する。これにより、プロセッサは、例えば第1のシーケンスから特定の照明設定を外すと決定することができ、これは、ネットワーク容量(例えばネットワークの帯域幅、ネットワーク負荷、ネットワークのダウンロード速度等)によってある期間内に送信可能である照明設定の数が制限される場合は有益である。プロセッサは、照明設定の数を減らすことによって、照明デバイスがより少ない遅延で第2のシーケンスの照明設定を受信することを可能にする。第2のシーケンスの照明設定は、第1のシーケンスの照明設定に基づいているので、コントローラは、照明デバイスが、第1のシーケンスの元の動的照明効果に似た第2のシーケンスの新しい動的照明効果を適用することを可能にする。したがって、コントローラは、ネットワーク容量を超えることなく、選択後すぐに動的照明効果を照明デバイスに通信し、第2のシーケンスの照明効果を適用することができ、これにより、ネットワークが最適に使用され、最適なユーザエキスペリエンスがもたらされる。或いは、プロセッサは、第1のシーケンスに対して、第2のシーケンスの照明設定の数を増やしてもよい。これは、ネットワーク容量によって、第1のシーケンスの照明設定の数よりも大きい数の照明設定をある期間毎に送信することが許容される場合に有益である。これは更に、コントローラが、第1のシーケンスの照明設定の間の遷移を向上させることを可能にする。
【0006】
コントローラの送信器は、照明設定を照明デバイスに送信する。これらの照明設定を送信するために、プロセッサは、照明デバイスによる適用に適しているメッセージ、信号又はデータパケットを生成する。メッセージ、信号又はデータパケットは、例えばメッセージ/信号/データパケット宛先情報、メッセージ/信号/データパケットソース情報、照明設定情報、シーケンス情報等を含むコンピュータ可読データを含んでよい。送信器は、これらのメッセージ、信号又はデータパケットを、任意の通信プロトコル(例えばWi−Fi(登録商標)、ジグビー(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、DALI、DMX、USB、パワーオーバーイーサネット(登録商標)、電力線通信等)を介して送信する。コントローラは、複数の通信チャネル/プロトコルを介して通信するように構成され、これにより、複数のタイプの照明デバイスへのメッセージ、信号又はデータパケットの送信を可能にすることが有益である。
【0007】
コントローラの一実施形態では、プロセッサは、所定のネットワーク容量に対するネットワーク利用の指標を受信する。プロセッサは更に、ネットワーク利用の指標に基づいて、第1のシーケンスの照明設定を第2のシーケンスの照明設定に変換する。第2のシーケンスの照明設定を、ネットワーク利用の指標に基づいて決定することは、プロセッサがネットワークをその容量を超えることなく最適に使用することを可能にするので有利である。更に、これは、照明設定の照明デバイスへの各適用間の遅延を少なくでき、最適なユーザエキスペリエンスがもたらされる。
【0008】
コントローラの更なる実施形態では、プロセッサは、ネットワーク利用に応じて、第2のシーケンスの照明設定の数を決定する。ネットワーク利用は、特定の時点でネットワークが対応可能であるメッセージ、信号又はデータパケットの現在の数及び/又はタイプに基づいていてよい。ネットワーク利用が高い場合、プロセッサは、第1のシーケンスの照明設定を第2のシーケンスの照明設定に変換すると決定し、この時、第2のシーケンスの照明設定の数は、第1のシーケンスの照明設定の数よりも少ない。或いは、ネットワーク利用が低い場合、プロセッサは、第1のシーケンスの照明設定を第2のシーケンスの照明設定に変換すると決定し、この時、第2のシーケンスの照明設定の数は、第1のシーケンスの照明設定の数よりも多い。これは、プロセッサがネットワークをその容量を超えることなく最適に使用することを可能とするため、有益である。
【0009】
コントローラの一実施形態では、プロセッサは、ネットワークの帯域幅の指標を受信する。プロセッサは更に、帯域幅の指標に基づいて、第1のシーケンスの照明設定を第2のシーケンスの照明設定に変換する。帯域幅(即ち、ネットワークにおけるデータ転送速度)は更に、ネットワークの容量を決定する。したがって、プロセッサが、帯域幅の指標に基づいて、照明デバイスに送信される照明設定の数及び/又はタイプを決定することができることが有利である。
【0010】
コントローラの一実施形態では、コントローラは更に、更なるデバイスから、第1のシーケンスの照明設定をダウンロードする。プロセッサは更に、信号のダウンロード速度に基づいて、第1のシーケンスの照明設定のうちのどの照明設定をダウンロードするかを決定する。これは、例えばダウンロード速度が、第1のシーケンスを全体としてダウンロードするには遅すぎる場合に有利である。プロセッサは、早い時点で照明デバイスに送信される照明設定を最初にダウンロードし、後の時点で照明デバイスに送信される照明設定を次にダウンロードすると決定してよい。これにより、プロセッサは、ダウンロードした後すぐに動的照明効果の第1の照明設定を照明デバイスに適用することができ、これは、少なくとも1つの照明設定がダウンロードコマンドを受信したすぐ後にレンダリングされることにより、最適化されたユーザエキスペリエンスがもたらされる。
【0011】
コントローラの更なる実施形態では、プロセッサは更に、第1のシーケンスの照明設定がダウンロードされていない場合、予備照明設定を生成する。送信器は更に、第1のシーケンスがダウンロードされる前に、予備照明設定を照明デバイスに送信する。この実施形態によって、コントローラは、動的照明設定の選択を受信後、照明設定を、当該照明設定の照明デバイスへの送信の準備ができていなくても適用することができる。これは、予備照明設定が照明デバイスにすぐに適用されることにより、ユーザが動的照明効果を選択するとすぐにフィードバックを受信し、これにより、照明制御のユーザエキスペリエンスが向上されるので有利である。予備照明設定は、所定の照明設定、ユーザ指定の照明設定、デフォルトの照明設定、前の照明設定及びプレビュー照明設定を含むグループのうち少なくとも1つに基づいていてよい。
【0012】
コントローラの一実施形態では、プロセッサは、第1のシーケンスの照明設定のうちの少なくとも2つの照明設定を1つの照明設定にまとめる。これは、第1のシーケンスの照明設定の数を減らす必要のある場合に有益である。例えばプロセッサは、t1(第1の時点)における第1のシーケンスの第1の照明設定をまとめ、t2(第2の時点)における第1のシーケンスの第2の照明設定をまとめ、まとめられた照明設定を生成する。次に、まとめられた照明設定は、第2のシーケンスの照明設定において実施される。まとめられた照明設定は、例えば第1及び第2の照明設定の色相、彩度、色温度、強度又は輝度の補間であってよい。
【0013】
コントローラの一実施形態では、プロセッサは、遷移照明設定を生成する。遷移照明設定は、第1のシーケンスの照明設定のうちの2つの順次照明設定の間の照明設定である。上記まとめられた照明設定と同様に、遷移照明設定は、例えば2つの順次照明設定の色相、彩度、色温度、強度又は輝度の補間であってよい。プロセッサは更に、2つの順次照明設定の間に複数の遷移照明設定を生成してもよく、これにより、2つの順次照明設定の間の遷移が向上される。
【0014】
コントローラの一実施形態では、コントローラは更に、ユーザ入力を受信するユーザインターフェースを含む。ユーザ入力は、動的照明効果の選択を表す。プロセッサは更に、ユーザインターフェースを介してユーザから受信したユーザ入力を処理する。ユーザインターフェースは、例えばタッチパッド若しくはタッチスクリーンといったタッチセンサデバイス、マイクロホンといったオーディオセンサ、動きを検出する加速度計及び/若しくはジャイロスコープといった動きセンサ並びに/又はユーザ入力を受信する1つ以上のボタンを含む。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、上記目的は、ネットワークを介して照明デバイスを制御する方法によって達成される。この方法は、
第1の複数の時点に分布する照明設定の第1のシーケンスを受信するステップと、
ネットワークのネットワーク容量の指標を受信するステップと、
ネットワーク容量の指標に基づいて、第1のシーケンスの照明設定を、第2の複数の時点に分布する照明設定の第2のシーケンスに変換するステップと、
第2のシーケンスの照明設定を照明デバイスに送信するステップと、
を含み、第1のシーケンスは、動的照明効果を規定する。
【0016】
方法の一実施形態では、第1のシーケンスの照明設定は、時間と共に繰り返され、第1のシーケンスの照明設定は、第2のシーケンスの照明設定と第3のシーケンスの照明設定との間に分布し、第2のシーケンスの照明設定は、第2の複数の時点に分布し、第3のシーケンスの照明設定は、第3の複数の時点に分布する。第2のシーケンス及び第3のシーケンスは、それぞれ、第1の瞬間及び第2の瞬間において送信される。また、方法は更に、
照明デバイスによって、第2のシーケンスの照明設定を受信するステップと、
照明デバイスによって、第2のシーケンスの照明設定を適用するステップと、
照明デバイスによって、第3のシーケンスの照明設定を受信するステップと、
第2のシーケンスの照明設定が繰り返される場合、照明デバイスによって、第2のシーケンスの照明設定及び第3のシーケンスの照明設定を適用することで、第1のシーケンスの照明設定を再作成するステップとを含む。
【0017】
これは、時間と共に反復性の動的照明効果の分解能(即ち、単位時間あたりに照明デバイスによって適用される照明設定の量)の増加を可能にするという利点を提供する。第1の反復サイクル中、第2のシーケンスの照明設定のみが照明デバイスによって適用される一方で、第2の反復サイクル中、第2及び第3のシーケンスの照明設定が照明デバイスによって適用され、これにより、第1のシーケンスの照明設定が再作成される。
【0018】
方法の一実施形態では、各照明設定は、
1つの時点における1つの照明設定である静的照明設定と、
第1の時点における第1の静的照明設定から第2の時点における第2の静的照明設定への遷移である遷移照明設定と、
を含むグループのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、上記目的は、コンピュータデバイスの処理ユニット上で実行されると、本発明による方法の何れか1つの方法を実行するコンピュータプログラムコードを含む、上記コンピュータデバイス用のコンピュータプログラムプロダクトによって達成される。