(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(液体浴用剤組成物)
本発明の液体浴用剤組成物は、(A)水膨潤性粘土鉱物、(B)アニオン性ポリマー、(C)ベタイン系両性界面活性剤、及び(D)多価アルコールを含有してなり、更に必要に応じてその他成分を含有してなる。
【0010】
<(A)水膨潤性粘土鉱物>
前記水膨潤性粘土鉱物は、浴湯への溶解性、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさを付与するために含有される。
前記(A)成分の水膨潤性粘土鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト、スチブンサイトなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、浴湯への溶解性、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、モンモリロナイト、サポナイトが好ましく、膨潤力が50mL/2g以上のモンモリロナイトが特に好ましい。
【0011】
前記膨潤力は、第十五改正日本薬局方のベントナイトの膨潤力の試験法に準じて求められる。ベントナイトの膨潤力の試験方法は、具体的には、以下のとおりである。
―ベントナイトの膨潤力の試験方法(第十五改正日本薬局方)―
測定試料(ベントナイト)2.0gをとり、水100mLを入れた100mLメスシリンダーに10回に分けて加える。ただし、先に加えた前記測定試料がほとんど沈着した後、次の測定試料を加える。これを24時間放置するとき、容器の塊の見かけの容積は20mLの目盛以上である。即ち、前記試験方法において、測定試料を、ベントナイトからモンモリロナイトに代える以外は、前記試験法と同様の方法で、前記モンモリロナイトの膨潤力を求めることができる。
【0012】
前記(A)成分の水膨潤性粘土鉱物は天然物であってもよく、合成品であってもよい。また、市販品を用いることもできる。
前記(A)成分の市販品の具体例としては、例えば、クニピアG(膨潤力50mL/2g以上、クニミネ工業株式会社製)、クニピアF(膨潤力45mL/2g以上、クニミネ工業株式会社製)、ベンゲルFW(膨潤力35mL/2g以上、HOJUN株式会社製)等のモンモリロナイト;スメクトンSA(クニミネ工業株式会社製)等のサポナイト;HECTABRITE(日商岩井ベントナイト株式会社)、合成ヘクトライト(クニミネ工業株式会社製)等のヘクトライト;イオナイトT(水澤化学工業株式会社製)等のスチブンサイトなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、浴湯への溶解性、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、クニピアG、ベンゲルFWが好ましく、膨潤力が96mL/2gである、クニピアGがより好ましい。
【0013】
前記(A)成分の水膨潤性粘土鉱物の含有量は、液体浴用剤組成物全量に対して、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、0.05質量%〜4質量%が好ましく、0.5質量%〜3質量%がより好ましい。前記含有量が、0.05質量%未満であると、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさが悪くなることがあり、4質量%を超えると、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制が悪くなることがある。
【0014】
<(B)アニオン性ポリマー>
前記アニオン性ポリマーは、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、入浴中の肌のなめらかさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさを付与するために含有される。
前記(B)成分のアニオン性ポリマーとしては、(b1)1質量%水溶液の粘度が25℃で20mPa・s〜200mPa・sであるアルギン酸ナトリウム、(b2)エーテル化度が0.70〜1.6であり、かつ2質量%水溶液の粘度が25℃で12mPa・s〜300mPa・sであるカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】
前記(b1)成分のアルギン酸ナトリウムは、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、1質量%水溶液の粘度が25℃で20mPa・s〜200mPa・sであり、20mPa・s〜80mPa・sが好ましい。前記粘度が、20mPa・s未満であると、入浴後の肌のかさつきのなさが悪くなることがあり、200mPa・sを超えると、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制が悪化することがある。
前記粘度は、例えば、BL型粘度計(東京計器株式会社製)を用いて、25℃でNo.1又はNo.2のローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定することができる。
【0016】
前記(b1)成分のアルギン酸ナトリウムとしては、天然物であってもよく、合成品であってもよい。また、市販品を用いることもできる。前記市販品としては、例えば、キミカアルギンIL−2(1質量%水溶液25℃粘度:20mPa・s〜50mPa・s、株式会社キミカ製)、キミカアルギンIL−6(1質量%水溶液25℃粘度:50mPa・s〜80mPa・s、株式会社キミカ製)、キミカアルギンI−1(1質量%水溶液25℃粘度:80mPa・s〜200mPa・s、株式会社キミカ製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0017】
前記(b2)成分のカルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度は、浴湯への溶解性の点から、0.70〜1.6であり、0.75〜1.6が好ましい。前記エーテル化度が、0.70未満であると、浴湯への溶解性、入浴中の肌のなめらかさ、及び入浴後の肌のかゆみのなさが不十分となることがあり、1.6を超えるものは、市販されていない。
前記カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度は、以下のようにして求めることができる。
−エーテル化度の算出−
試料としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム(無水物)0.5g〜0.7gを秤り、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化する。冷却した後、これを500mLビーカーに移し、水を250mL、更にピペットで0.05モル/Lの硫酸35mLを加えて30分間煮沸する。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1モル/Lの水酸化カリウムで逆滴定して、下記式1から、エーテル化度を算出することがで
きる。
〔式1〕
A=(B×C−D×E)/試料無水物(g)−アルカリ度(又は+酸度)
エーテル化度=(162×A)/(10,000−80×A)
ただし、前記式1中、前記「A」は、試料1g中の結合したアルカリに消費された0.05モル/Lの硫酸の使用量(mL)を表す。前記「B」は、0.05モル/Lの硫酸の使用量(mL)を表す。前記「C」は、0.05モル/Lの硫酸の力価を表す。前記「D」は、0.1モル/Lの水酸化カリウムの滴定量(mL)を表す。前記「E」は、0.1モル/Lの水酸化カリウムの力価を表す。前記「162」は、グルコースの分子量を表す。前記「80」は、CH
2COONa−Hの分子量を表す。
【0018】
前記(b2)成分のカルボキシメチルセルロースナトリウムは、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、2質量%水溶液の25℃での粘度が、12mPa・s〜300mPa・sであり、入浴後の肌のかさつきのなさの点から、20mPa・s〜250mPa・sが好ましく、50mPa・s〜250mPa・sがより好ましい。
前記粘度が、12mPa・s未満であると、入浴後の肌のかさつきのなさが悪くなることがあり、300mPa・sを超えると、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制が低下することがある。
前記粘度は、例えば、BL型粘度計(東京計器株式会社製)を用いて、25℃でNo.1又はNo.2のローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定することができる。
【0019】
前記(b2)成分のカルボキシメチルセルロースナトリウムとしては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、セロゲンF−7A(エーテル化度:0.7〜0.8、2質量%水溶液25℃粘度:12mPa・s〜18mPa・s、第一工業製薬株式会社製)、セロゲンF−SL(エーテル化度:0.8〜0.95、2質量%水溶液25℃粘度:20mPa・s〜40mPa・s、第一工業製薬株式会社製)、セロゲンF−815A(エーテル化度:0.8〜0.9、2質量%水溶液25℃粘度:50mPa・s〜150mPa・s、第一工業製薬株式会社製)、セロゲンF−SB(エーテル化度:0.85〜0.95、2質量%水溶液25℃粘度:150mPa・s〜250mPa・s、第一工業製薬株式会社製)、セロゲンF−930A(エーテル化度:0.85〜0.95、2質量%水溶液25℃粘度:200mPa・s〜300mPa・s、第一工業製薬株式会社製)、サンローズA20SH(エーテル化度:1.3〜1.6、2質量%水溶液25℃粘度:150mPa・s〜250mPa・s、日本製紙株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
前記(B)成分のアニオン性ポリマーの含有量は、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、液体浴用剤組成物全量に対して、0.1質量%〜1質量%が好ましく、0.3質量%〜0.6質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、入浴後の肌のかさつきのなさが不十分となることがあり、1質量%を超えると、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制が低下することがある。
【0021】
<(C)ベタイン系両性界面活性剤>
前記ベタイン系両性界面活性剤は、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさを付与するために含有される。
前記(C)成分のベタイン系両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イミダゾリン型(アミドアミン型)、カルボベタイン型(アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン)、スルホベタイン型(アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン)、ホスホベタイン型、アミドアミノ酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
前記イミダゾリン型両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油アルキル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
前記カルボベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドベタインなどが挙げられる。
前記スルホベタイン型両性界面活性剤としては、アルキルスルホベタインとして、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタインなどが挙げられ、アルキルヒドロキシスルホベタインとして、例えば、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
前記ホスホベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルヒドロキシホスホベタインなどが挙げられる。
前記ベタイン系両性界面活性剤の中でも、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、カルボベタイン型両性界面活性剤が好ましい。
【0023】
前記カルボベタイン型両性界面活性剤としては、前記アルキル(炭素数12〜18)ベタインとして、例えば、ヤシ油アルキル(炭素数12〜18)ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキル(炭素数12〜18)ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。前記アルキル(炭素数12〜18)アミドベタインとして、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。これらの中でも、入浴中の肌のなめらかさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、ヤシ油アルキル(炭素数12〜18)ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好ましく、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインがより好ましく、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが特に好ましい。
【0024】
前記(C)成分のベタイン系両性界面活性剤の含有量は、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、液体浴用剤組成物全量に対して、1質量%〜8質量%であり、2質量%〜6質量%が好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさが悪くなることがあり、8質量%を超えると、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制が悪くなることがある。
【0025】
<質量比(C/A)>
前記(C)成分の含有量と前記(A)成分の含有量との質量比(C/A)は、浴湯への溶解性、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、0.6〜20であり、1〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。
前記質量比(C/A)が、0.6未満であると、浴湯への溶解性、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさが悪くなることがあり、20を超えると、浴湯への溶解性、入浴中の肌への刺激のなさ、及び入浴後の肌のかゆみのなさが悪くなることがある。
【0026】
<(D)多価アルコール>
前記多価アルコールは、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさを付与するために含有される。
前記(D)成分の多価アルコールとしては、例えば、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制の点から、ジプロピレングリコールがより好ましい。
【0027】
前記(D)成分の多価アルコールの含有量は、液体浴用剤組成物全量に対して、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさが悪くなることがあり、30質量%を超えると、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制が悪くなることがある。
【0028】
<その他の成分>
本発明の液体浴用剤組成物は、前記(A)成分〜前記(D)成分に加えて、通常液体浴用剤組成物に使用されるその他の成分を含有することができる。
前記その他の成分としては、例えば、精製水等の水、抗炎症剤、保湿剤、油性成分、前記(C)成分以外の界面活性剤、無機顔料、殺菌剤・防腐剤、pH調整剤、色素、香料組成物などが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて適宜選択することができる。
【0029】
<製造方法>
本発明の液体浴用剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分の水膨潤性粘土鉱物を60℃にて精製水に膨潤させ、60℃に加温した前記(B)成分のアニオン性ポリマー、前記(D)成分の多価アルコール、及び精製水を加えてよく撹拌する。その後、冷却した後、前記(C)成分のベタイン系両性界面活性剤、及び水溶性の前記その他の成分を加え、撹拌し、加熱した油溶性の前記その他の成分を加え、ホモミキサーを用いて乳化し、攪拌混合することにより、製造することができる。
【0030】
<pH>
前記液体浴用剤組成物のpHは、浴湯への溶解性、計量キャップへの付着抑制、及び入浴後の肌のかさつきのなさの点から、25℃で4〜8であり、5〜7が好ましい。前記pHが、4未満であると、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制が悪くなることがあり、8を超えると、入浴後の肌のかさつきが生じることがある。
前記pHは、例えば、pHメーター(HM−30R、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、測定することができる。
前記pHの調整は、pH調整剤を用いて行うことができる。前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制の点から、クエン酸及び水酸化カリウムが好ましい。
【0031】
<粘度>
前記液体浴用剤組成物の25℃における粘度は、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制の点から、200mPa・s〜1,800mPa・sが好ましく、200mPa・s〜800mPa・sがより好ましい。前記粘度が、200mPa・s未満であると、浴湯への溶解性が悪くなることがあり、1,800mPa・sを超えると、浴湯への溶解性、及び計量キャップへの付着抑制が悪くなることがある。
前記粘度は、B型粘度計を用いて、25℃でNo.3のローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定することができる。
【0032】
本発明の液体浴用剤組成物は、優れた浴湯への溶解性、及び良好な計量キャップへの付着抑制効果を有し、入浴中の肌のなめらかさ、入浴中の肌への刺激のなさ、入浴後の肌のかゆみのなさ、及び入浴後の肌のかさつきのなさのすべてを兼ね備えているので、液体浴用剤組成物として好適に用いられる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、各成分の含有量は全て純分換算値である。
【0034】
(実施例1〜52及び比較例1〜20)
下記表1〜表13に示す組成及び含有量(質量%)に従って、常法により液体浴用剤組成物を調製した。即ち、60℃の精製水に膨潤させた(A)水膨潤性粘土鉱物に、60℃に加温した精製水に溶解させた(B)アニオン性ポリマー、(D)ジプロピレングリコール又は1,3−ブチレングリコールを加えてよく撹拌した。その後、40℃まで冷却し、(C)ベタイン系両性界面活性剤、及び水溶性の共通成分(ポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油、安息香酸ナトリウム、エタノール、クエン酸又は水酸化カリウム)を加え、撹拌し、70℃に加熱した油溶性の共通成分(コメ胚芽油、流動パラフィン、イソステアリン酸)を加え、ホモミキサーを用いて乳化し、撹拌し、実施例1〜52及び比較例1〜20の液体浴用剤組成物を調製した。
なお、実施例及び比較例の各液体浴用剤組成物は全て25℃で粘稠液体であった。前記液体浴用剤組成物の粘度は、B型粘度計を用いて、25℃でNo.3のローターを使用し、60rpmで1分間測定した。
調製した実施例及び比較例の各液体浴用剤組成物のpHは、pHメーター(HM−30R、東亜ディーケーケー株式会社)を用いて、25℃で2分間後の値を測定した。
【0035】
次に、調製した各液体浴用剤組成物について、以下のようにして、「浴湯への溶解性」、「計量キャップへの付着抑制」、「入浴中の肌のなめらかさ」、「入浴中の肌への刺激のなさ」「入浴後の肌のかゆみのなさ」、及び「入浴後の肌のかさつきのなさ」を評価した。結果を表1〜表13に併記した。
【0036】
<浴湯への溶解性>
200Lのお湯(40℃)を入れた浴槽に、調製した各液体浴用剤組成物45mLを計量キャップで計り取り、全体に円を描くように投入した。浴槽の深さ1/2まで手をいれ、大きく3回円を描くように攪拌し、攪拌後の溶解状態を専門パネル1名が目視観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:5秒間より早く全体に均一に分散
◎〜○:5秒間以上10秒間未満で全体に均一に分散
○:10秒間以上20秒間未満で全体に均一に分散
△:20秒間以上50秒間未満に全体に均一に分散
×:50秒間以上経過しても、均一に分散せず
【0037】
<計量キャップへの付着抑制>
ポロプロピレン(PP)製の円筒形の計量キャップ(直径4.5cm、深さ3.5cm)の空の状態での重量を測定した(前記重量をa(g)とする)。次に、前記計量キャップに、各液体浴用剤組成物45gを量り取り、前記液体浴用剤組成物を浴槽に全体に円を描くように一度に投入し、投入後すみやかに、前記計量キャップの重量を測定した(前記重量をb(g)とする)。前記液体浴用剤組成物の投入前後の計量キャップの重量の差(b−a)から、計量キャップに付着した液体浴用剤組成物の重量を算出した。
以上の実験を専門パネル5名が各1回行い、平均値を算出し、下記基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
◎:付着量の平均値が3g未満
◎〜○:付着量の平均値が3g以上3.5g未満
○:付着量の平均値が3.5g以上4g未満
△:付着量の平均値が4g以上4.5g未満
×:付着量の平均値が4.5g以上
【0038】
<入浴中の肌のなめらかさ>
各液体浴用剤組成物について、専門パネル20名により、以下のようにして「入浴中の肌のなめらかさ」を評価した。
42℃、30Lのお湯を入れた浴槽を2つ用意し、一方に各液体浴用剤組成物6.75mLを、円を描くように投入し、攪拌した。他方はさら湯のままとした。
次に、評価する手の状態をそろえるために両手にゴム手袋をして、各浴槽に前腕部を片方ずつ入れて5分間静置した。5分間後、ゴム手袋を外した反対側の手で前腕部にさわり、「入浴中の肌のなめらかさ」について、「さら湯と比較して、入浴中の肌がなめらかである」と回答した専門パネル20名中の人数により、下記評価基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
◎:「さら湯と比較して、入浴中の肌がなめらかである」と判断した人数が16名以上
◎〜○:「さら湯と比較して、入浴中の入浴中の肌がなめらかである」と判断した人数が13名以上15名以下
○:「さら湯と比較して、入浴中の肌がなめらかである」と判断した人数が11名以上12名以下
△:「さら湯と比較して、入浴中の肌がなめらかである」と判断した人数が6名以上10名以下
×:「さら湯と比較して、入浴中の肌がなめらかである」と判断した人数が5名以下
【0039】
<入浴中の肌への刺激のなさ>
各液体浴用剤組成物について、専門パネル20名により、以下のようにして「入浴中の肌への刺激のなさ」を評価した。
42℃、30Lのお湯を入れた浴槽を2つ用意し、一方に各液体浴用剤組成物6.75mLを、円を描くように投入し、攪拌した。他方はさら湯のままとした。
次に、評価する手の状態をそろえるために両手にゴム手袋をして、各浴槽に前腕部を片方ずつ入れて5分間静置した。5分間後、ゴム手袋を外した反対の手で前腕部をさわり、「入浴中の肌への刺激のなさ」について、「さら湯と比較して、入浴中の肌への刺激がない」と回答した専門パネル20名中の人数により下記評価基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
◎:「さら湯と比較して、入浴中の肌への刺激がない」と判断した人数が16名以上
◎〜○:「さら湯と比較して、入浴中の肌への刺激がない」と判断した人数が13名以上15名以下
○:「さら湯と比較して、入浴中の肌への刺激がない」と判断した人数が11名以上12名以下
△:「さら湯と比較して、入浴中の肌への刺激がない」と判断した人数が6名以上10名以下
×:「さら湯と比較して、入浴中の肌への刺激がない」と判断した人数が5名以下
【0040】
<入浴後の肌のかゆみのなさ>
各液体浴用剤組成物について、専門パネル20名により、以下のようにして「入浴後の肌のかゆみのなさ」を評価した。
42℃、30Lのお湯を入れた水槽を2つ並べて用意し、一方に各液体浴用剤組成物6.75mLを、円を描くように投入し、攪拌した。他方はさら湯のままとした。
次に、評価する手の状態をそろえるために両手にゴム手袋をして、各水槽に腕を片方ずつ入れて5分間静置した。タオルドライした後、22℃で40%RHの恒温室で15分間乾燥させた。
次に、乾燥させた各腕の前腕部をゴム手袋を外した手でさわり、「入浴後の肌のかゆみのなさ」について、「さら湯と比較して、入浴後の肌のかゆみがない」と回答した専門パネル20名中の人数により、下記評価基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
◎:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかゆみがない」と判断した人数が16名以上
◎〜○:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかゆみがない」と判断した人数が13名以上15名以下
○:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかゆみがない」と判断した人数が11名以上12名以下
△:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかゆみがない」と判断した人数が6名以上10名以下
×:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかゆみがない」と判断した人数が5名以下
【0041】
<入浴後の肌のかさつきのなさ>
各液体浴用剤組成物について、専門パネル20名により、以下のようにして「入浴後の肌のかさつきのなさ」を評価した。
42℃、30Lのお湯を入れた水槽を2つ並べて用意し、一方に各液体浴用剤組成物6.75mLを、円を描くように投入し、攪拌した。他方はさら湯のままとした。
次に、評価する手の状態をそろえるために両手にゴム手袋をして、各水槽に腕を片方ずつ入れて5分間静置した。タオルドライした後、22℃で40%RHの恒温室で15分間乾燥させた。
次に、乾燥させた各腕の前腕部をゴム手袋を外した手でさわり、「入浴後の肌のかさつきのなさ」について、「さら湯と比較して、入浴後の肌のかさつきがない」と回答した専門パネル20名中の人数により、下記評価基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
◎:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかさつきがない」と判断した人数が16名以上
◎〜○:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかさつきがない」と判断した人数が13名以上15名以下
○:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかさつきがない」と判断した人数が11名以上12名以下
△:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかさつきがない」と判断した人数が6名以上10名以下
×:「さら湯と比較して、入浴後の肌のかさつきがない」と判断した人数が5名以下
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】
【表13】
【0055】
なお、実施例1〜52及び比較例1〜20で用いた液体浴用剤組成物の原料の具体的な内容は、下記の表14に示すとおりである。
【0056】
【表14】