特許第6430896号(P6430896)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6430896電子機器のスタンバイ処理制御装置およびスタンバイ処理制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6430896
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】電子機器のスタンバイ処理制御装置およびスタンバイ処理制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20181119BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20181119BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   G06F1/26 334A
   B60R1/00 A
   B60R16/02 660K
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-114940(P2015-114940)
(22)【出願日】2015年6月5日
(65)【公開番号】特開2017-4108(P2017-4108A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2017年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 宏範
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 祐二
(72)【発明者】
【氏名】藤野 喜得
【審査官】 征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01895388(EP,A1)
【文献】 特開2011−139141(JP,A)
【文献】 特開2010−282504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26−1/32
B60R1/00−1/04;1/08−1/12
B60R16/00−17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の電源オフ信号の検出に応じて、音声および画像の出力を停止させるとともに、スタンバイイン処理の開始および終了を随時受け付けるプレスタンバイモードを上記電子機器に設定する一方、上記電子機器の電源オン信号の検出に応じて、上記プレスタンバイモードの設定を解除するモード制御部と、
上記電源オフ信号が検出されたときに、上記スタンバイイン処理を開始せずに待機し、上記モード制御部により上記プレスタンバイモードが設定されてから所定時間以内に上記電源オン信号が検出されない場合に、上記所定時間が経過したときに上記スタンバイイン処理を開始させるスタンバイイン処理開始制御部と
上記モード制御部により上記プレスタンバイモードが設定されてから上記所定時間が経過したときに上記スタンバイイン処理開始制御部が上記スタンバイイン処理を開始させた後、上記スタンバイイン処理の実行中に上記電子機器の電源オン信号を検出した場合、強制的に上記スタンバイイン処理を終了させるスタンバイイン処理終了制御部と、
上記スタンバイイン処理終了制御部によって強制的に上記スタンバイイン処理が終了された場合、直ちにスタンバイアウト処理を実行させるスタンバイアウト処理制御部と、
を備えたことを特徴とする電子機器のスタンバイ処理制御装置。
【請求項2】
電子機器のモード制御部が、上記電子機器の電源オフ信号の検出に応じて、音声および画像の出力を停止させるとともに、スタンバイイン処理の開始および終了を随時受け付けるプレスタンバイモードを上記電子機器に設定する第1のステップと、
上記モード制御部が、上記プレスタンバイモードを設定してから所定時間以内に上記電子機器の電源オン信号を検出した場合に、上記プレスタンバイモードの設定を解除する第2のステップと、
上記電子機器のスタンバイイン処理開始制御部が、上記プレスタンバイモードが設定された後、上記所定時間以内に上記電源オン信号が検出されない場合に、上記所定時間が経過したときに上記スタンバイイン処理を開始させる第3のステップと、
上記モード制御部が、上記第3のステップにて上記スタンバイイン処理が開始された後、上記スタンバイイン処理の終了後に上記電子機器の電源オン信号を検出した場合、上記プレスタンバイモードの設定を解除する第4のステップと
上記電子機器のスタンバイイン処理終了制御部が、上記第3のステップにて上記スタンバイイン処理が開始された後、上記スタンバイイン処理の実行中に上記電子機器の電源オン信号を検出した場合、強制的に上記スタンバイイン処理を終了させる第5のステップと、
上記電子機器のスタンバイアウト処理制御部が、上記第5のステップにて上記スタンバイイン処理終了制御部によって強制的に上記スタンバイイン処理が終了された場合、直ちにスタンバイアウト処理を実行させる第6のステップと、
を有することを特徴とする電子機器のスタンバイ処理制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のスタンバイ処理制御装置およびスタンバイ処理制御方法に関し、特に、電子機器の電源をオンとしたときに実行される起動処理(スタンバイアウト処理)、および電子機器の電源をオフとしたときに実行される終了処理(スタンバイイン処理)の動作を制御する装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、スタンバイ状態にある電子機器の電源をオンにすると、所定の起動処理(スタンバイアウト処理)が実行され、電子機器が使用可能な状態となる。逆に、使用中の電子機器の電源をオフにすると、所定の終了処理(スタンバイイン処理)が実行され、電子機器がスタンバイ状態となる。起動処理および終了処理(以下、両方を合わせて「スタンバイ処理」という)は、ユーザによる電子機器の使用とは直接関係のない処理であるため、できるだけ短時間で終わらせることが望まれている。
【0003】
例えば、データのバックアップが正常に終了しなかったときに、次に車載機のACC(アクセサリ)をオンとしたときに、ソフトの起動が遅くなってしまうことを防止できるようにした技術が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の技術では、データのバックアップが正常に終了しなかったときに、起動要因を待機することなくCPUを起動してメモリを「idle」状態から「tran」状態(CPUからアクセス可能な状態)に移行させることにより、データのバックアップが正常に終了した次のACCオン時には既にメモリが「tran」状態となっているようにする。
【0004】
ところで、スタンバイ処理は、これが一度開始されると、その処理を途中で遮断することなく最後まで実行する仕様になっている。すなわち、電子機器の電源をオフにする操作に応じてスタンバイイン処理が開始された後、その処理が完了するまでの間に電源がオンに切り替えられたとしても、スタンバイイン処理は最後まで実行され、その後にスタンバイアウト処理が開始される。同様に、電子機器の電源をオンにする操作に応じてスタンバイアウト処理が開始された後、その処理が完了するまでの間に電源がオフに切り替えられたとしても、スタンバイアウト処理は最後まで実行され、その後にスタンバイイン処理が開始される。
【0005】
このため、例えばユーザが電子機器の電源をオフにした後、数秒以内に電源をオンにして再び電子機器を使用したいと考えた場合、スタンバイアウト処理が完了して電子機器を使用可能な状態となるまでに、相当に長い時間がかってしまうという問題があった。図8は、この問題を説明するための図である。
【0006】
図8において、ACC信号は電源(アクセサリ)のオン/オフを示す信号であり、ハイ状態が電源オン、ロウ状態が電源オフを示している。スタンバイイン信号は、スタンバイイン処理の実行を指示する信号であり、ロウ状態でアクティブとなる。スタンバイアウト信号は、スタンバイアウト処理の実行を指示する信号であり、ロウ状態でアクティブとなる。
【0007】
図8に示すように、電子機器が通常動作状態にあるときに、ACCオフの操作を行うと、ACC信号の立ち下がりに同期してスタンバイイン信号も立ち下がり、スタンバイイン処理が開始する。通常、このスタンバイイン処理は、5〜15秒程度の時間を要する。図8の例では、スタンバイイン処理が完了するまでの間にACCオンの操作を行った状態を示している。
【0008】
しかしながら、スタンバイイン処理の実行途中でACCをオンに切り替える操作を行ったとしても、スタンバイイン処理は最後まで継続して実行され、その後にスタンバイアウト処理が開始される。そして、このスタンバイアウト処理が完了することにより、電子機器が使用可能な通常動作状態となる。このため、ACCをオンにしてから電子機器が使用可能な状態となるまでに、相当に長い待ち時間が生じてしまう。
【0009】
また、特定の車種に搭載される電子機器では、図9に示すように、ACCオンの操作を行うと、ACC信号が立ち上がった後に一度立ち下がり、再度立ち上がる仕様になっている。この場合、最初のACC信号の立ち上がりに応じてスタンバイアウト処理が最後まで実行された後、ACC信号の立ち下がりに応じてスタンバイイン処理が最後まで実行され、さらに次のACC信号の立ち上がりに応じてスタンバイアウト処理が再び最後まで実行されることにより、ようやく電子機器が使用可能な状態となる。そのため、ACCオンの操作を行ってから電子機器が使用可能な状態となるまでに、非常に長い待ち時間が生じてしまう問題があった。
【0010】
従来、このような特定の車種に搭載される電子機器に関しては、最初にACC信号の立ち上がりを検出した後の数秒間(2秒程度)は、全ての信号を無視するというガードタイムを設定することにより、ACCオンの操作を行ってから電子機器が使用可能な状態となるまでに長い待ち時間が生じてしまう問題を回避していた。
【0011】
しかしながら、どのような条件・状況にあっても、ACCのオン操作から2秒以内に車両周辺の撮影画像を表示しなければならないという米国の法規制を電子機器に適用する場合は、ガードタイムによる待ち時間の回避方法を採用することはできない。ACCオンの直後に撮影画像の表示を指示する信号を出力しても、ガードタイムによりそれが無視されてしまうからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2013−84089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、電源オンの操作を行ってから電子機器が使用可能な状態となるまでの時間を短縮できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した課題を解決するために、本発明では、電子機器の電源オフ信号が検出されたときに、スタンバイイン処理を開始せずに待機し、音声および画像の出力を停止させるとともに、スタンバイイン処理の開始および終了を随時受け付けるプレスタンバイモードを電子機器に設定する。その後、電子機器の電源オン信号が検出されたときに、プレスタンバイモードの設定を解除する。また、プレスタンバイモードが設定されてから所定時間以内に電源オン信号が検出されない場合には、所定時間が経過したときにスタンバイイン処理を開始させる。また、所定時間の経過に応じてスタンバイイン処理を開始させた後、スタンバイイン処理の実行中に電子機器の電源オン信号を検出した場合、強制的にスタンバイイン処理を終了させ、直ちにスタンバイアウト処理を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した本発明によれば、電子機器の電源オフ信号が検出されても、直ちにスタンバイイン処理は開始されない。そのため、ユーザが電源オフの操作を行ってから数秒以内に電源オンの操作を行った場合、電源オンの操作が行われた時点でスタンバイイン処理は実行されていないから、スタンバイアウト処理を直ちに実行し、電子機器を使用可能な状態とすることができる。これにより、電源オンの操作を行ってから電子機器が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
【0016】
なお、電子機器の電源オフ信号の検出に応じてプレスタンバイモードが設定されてから所定時間が経過すると、スタンバイイン処理が開始されて、電子機器はスタンバイ状態とされる。ユーザが電源オフの操作を行った後、電源オン信号を検出することなく所定時間が経過した場合は、ユーザが電源オンの操作を行う可能性は低いと考えられることから、スタンバイイン処理の実行によって電子機器をスタンバイ状態に移行させることができる。
【0017】
また、本発明によれば、ユーザにより電源オンの操作が行われたときに、電源オン信号、電源オフ信号、電源オン信号が続けて出力されるような仕様の電子機器においても、電源オンの操作を行ってから電子機器が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。すなわち、最初の電源オン信号が検出されたときに、スタンバイアウト処理が開始される。そして、その直後に電源オフ信号が検出されると、プレスタンバイモードが設定され、更にその直後に検出される電源オン信号に応じてプレスタンバイモードの設定が解除される。このため、2つ目に検出される電源オフ信号に応じてスタンバイイン処理が実行されることはなく、スタンバイアウト処理の実行のみで電子機器を使用可能な状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態による電子機器のスタンバイ処理制御装置を適用した車載機の構成例を示すブロック図である。
図2】本実施形態のスタンバイ処理制御部による制御動作の一例として、ユーザがACCオフの操作を行ってから45秒以内にACCオンの操作を行った場合の動作例を示す図である。
図3】本実施形態のスタンバイ処理制御部による制御動作の一例として、ユーザがACCオフの操作を行ってから、45秒を経過した後にACCオンの操作を行った場合の動作例を示す図である。
図4】本実施形態のスタンバイ処理制御部による制御動作の一例として、ユーザがACCオフの操作を行ってから、45秒を経過した後、スタンバイイン処理の実行中にACCオンの操作を行った場合の動作例を示す図である。
図5】本実施形態のスタンバイ処理制御部による制御動作の一例として、ユーザがACCオンの操作を行ったときに、ACC信号が立ち上がった後に一度立ち下がり、再度立ち上がる仕様の特殊な車載機の動作例を示す図である。
図6】本実施形態による車載機の動作例として、車載機が通常動作状態にあるときに実行される動作例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態による車載機の動作例として、車載機がスタンバイ状態にあるときに実行される動作例を示すフローチャートである。
図8】従来の問題点を説明するための図である。
図9】従来の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による電子機器のスタンバイ処理制御装置を適用した車載機の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の車載機100は、ACC制御部10、スタンバイ処理制御部20、動作実行部30およびスタンバイ処理実行部40を備えている。また、本実施形態の車載機100は、スピーカ200およびディスプレイ300に接続されている。
【0020】
スタンバイ処理制御部20は、本実施形態による電子機器のスタンバイ処理制御装置に相当するものであり、その機能構成として、モード制御部21、スタンバイイン処理制御部22およびスタンバイアウト処理制御部23を備えている。スタンバイイン処理制御部22は、スタンバイイン処理開始制御部22Aおよびスタンバイイン処理終了制御部22Bを含む。
【0021】
ACC制御部10は、ACCの電源制御を行う。具体的には、ACC制御部10は、ユーザによるACCオンまたはACCオフの操作に応じて、ACCオン信号(電源オン信号)またはACCオフ信号(電源オフ信号)を出力する。本実施形態では、ACC信号の立ち上がりをACCオン信号、ACC信号の立ち下がりをACCオフ信号とする。
【0022】
動作実行部30は、車載機100の通常動作を制御する。通常動作とは、ACCオン信号の検出に応じて行われるスタンバイアウト処理が完了してから、ACCオフ信号の検出に応じてスタンバイイン処理が開始されるまでの間に、車載機100によって行われる通常の動作のことである。例えば、車載機100がナビゲーション装置の場合、ナビゲーション装置が提供する走行案内や経路探索といった通常の動作のことである。動作実行部30は、通常動作を実行した結果として、各種の音声をスピーカ200に出力し、各種の画像をディスプレイ300に表示させる。
【0023】
スタンバイ処理実行部40は、スタンバイ処理制御部20からの制御に従って、スタンバイイン処理およびスタンバイアウト処理を実行する。すなわち、スタンバイ処理実行部40は、ACCオフ信号がスタンバイ処理制御部20により検出されたときに、当該スタンバイ処理制御部20からの制御に従ってスタンバイイン処理を実行する。また、スタンバイ処理実行部40は、ACCオン信号がスタンバイ処理制御部20により検出されたときに、当該スタンバイ処理制御部20からの制御に従ってスタンバイアウト処理を実行する。
【0024】
スタンバイ処理制御部20のスタンバイイン処理制御部22は、上述のように、ACCオフ信号がスタンバイ処理制御部20により検出された場合、スタンバイ処理実行部40にスタンバイイン処理を実行させる。スタンバイアウト処理制御部23は、上述のように、ACCオン信号がスタンバイ処理制御部20により検出された場合、スタンバイ処理実行部40にスタンバイアウト処理を実行させる。
【0025】
モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオフ信号の検出に応じて、プレスタンバイモードを車載機100に設定する。プレスタンバイモードとは、直ちにスタンバイイン処理は実行せず、動作実行部30による音声および画像の出力を停止させるとともに、スタンバイイン処理の開始および終了を随時受け付けるモードのことである。また、モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号の検出に応じて、プレスタンバイモードの設定を解除する。
【0026】
スタンバイイン処理開始制御部22Aは、ACC制御部10から出力されるACCオフ信号が検出されたときに、直ちにはスタンバイイン処理を開始せずに待機する。そして、モード制御部21によりプレスタンバイモードが設定されてから所定時間(例えば、45秒)以内にACCオン信号が検出されない場合に、当該所定時間が経過したときにスタンバイイン処理を開始させるようスタンバイ処理実行部40を制御する。
【0027】
スタンバイイン処理終了制御部22Bは、モード制御部21によりプレスタンバイモードが設定されてから所定時間が経過したときにスタンバイイン処理開始制御部22Aがスタンバイ処理実行部40にスタンバイイン処理を開始させた後、スタンバイイン処理の実行中にACCオン信号を検出した場合、スタンバイイン処理を強制的に終了させる。これにより、スタンバイアウト処理制御部23がスタンバイ処理実行部40に対してスタンバイアウト処理を直ちに実行させることができる状態となる。
【0028】
図2図5は、上記のように構成した本実施形態のスタンバイ処理制御部20による制御動作例を示す図である。なお、図2図5において、スタンバイイン信号、スタンバイアウト信号およびプレスタンバイ信号は、ロウ状態のときにアクティブとなる信号である。
【0029】
図2は、ユーザがACCオフの操作を行ってから45秒以内にACCオンの操作を行った場合の動作例を示す図である。図2に示すように、動作実行部30によって車載機100の通常動作が実行されているときに、ユーザがACCオフの操作を行うと、ACC制御部10は、ACC信号を立ち下げることによってACCオフ信号を出力する。
【0030】
モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオフ信号の検出に同期して、スタンバイイン処理制御部22および動作実行部30に供給するプレスタンバイ信号を立ち下げることにより、プレスタンバイモードを設定する。これにより、動作実行部30による音声および画像の出力が停止する。このとき、スタンバイイン処理開始制御部22Aは、ACCオフ信号が検出されても直ちにはスタンバイイン信号を立ち下げることはせず、スタンバイ処理実行部40に対してスタンバイイン処理の開始を指示せずに待機する。
【0031】
その後、ユーザがACCオンの操作を行うと、ACC制御部10は、ACC信号を立ち上げることによってACCオン信号を出力する。モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号の検出に同期して、スタンバイイン処理制御部22および動作実行部30に供給するプレスタンバイ信号を立ち上げることにより、プレスタンバイモードの設定を解除する。
【0032】
また、スタンバイアウト処理制御部23は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号の検出に同期して、スタンバイ処理実行部40に供給するスタンバイアウト信号を立ち下げることにより、スタンバイ処理実行部40にスタンバイアウト処理を実行させる。そして、このスタンバイアウト処理が完了することにより、車載機100は動作実行部30による通常動作が可能な状態となる。
【0033】
このように、ユーザがACCオフの操作を行ってから45秒以内にACCオンの操作を行った場合には、スタンバイイン処理は行われることがなく、ACCオンの操作を行った直後からスタンバイアウト処理を実行し、車載機100を通常動作可能な状態とすることができる。これにより、ユーザがACCオフの操作を行った後に、思い直してACCオンの操作を行うような場合において、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。この場合の待ち時間は、スタンバイアウト処理を行うのにかかる時間だけである。
【0034】
図3は、ユーザがACCオフの操作を行ってから、45秒を経過した後にACCオンの操作を行った場合の動作例を示す図である。この動作例は、典型的には、ユーザがACCをオフにして車から降りて、次に乗車の必要が生じたときにACCをオンにするケースを示したものである。
【0035】
図3に示すように、動作実行部30によって車載機100の通常動作が実行されているときに、ユーザがACCオフの操作を行うと、ACC制御部10は、ACC信号を立ち下げることによってACCオフ信号を出力する。モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオフ信号の検出に同期して、プレスタンバイ信号を立ち下げることにより、プレスタンバイモードを設定する。これにより、動作実行部30による音声および画像の出力が停止する。このとき、スタンバイイン処理開始制御部22Aは、ACCオフ信号が検出されても直ちにはスタンバイイン信号を立ち下げることはせず、スタンバイ処理実行部40に対してスタンバイイン処理の開始を指示せずに待機する。
【0036】
その後、プレスタンバイモードを設定してから45秒が経過すると、スタンバイイン処理開始制御部22Aは、スタンバイイン信号を立ち下げることにより、スタンバイ処理実行部40にスタンバイイン処理を実行させる。このスタンバイイン処理が完了することにより、車載機100はスタンバイ状態となる。
【0037】
その後、ユーザがACCオンの操作を行うと、ACC制御部10は、ACC信号を立ち上げることによってACCオン信号を出力する。モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号の検出に同期して、プレスタンバイ信号を立ち上げることにより、プレスタンバイモードの設定を解除する。
【0038】
また、スタンバイアウト処理制御部23は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号の検出に同期して、スタンバイ処理実行部40に供給するスタンバイアウト信号を立ち下げることにより、スタンバイ処理実行部40にスタンバイアウト処理を実行させる。そして、このスタンバイアウト処理が完了することにより、車載機100は動作実行部30による通常動作が可能な状態となる。
【0039】
このように、ユーザがACCオフの操作を行ってから45秒を経過すると、スタンバイイン処理が実行されて、車載機100はスタンバイ状態となる。ユーザがACCオフの操作を行った後、ACCオン信号を検出することなく45秒が経過すれば、ユーザが思い直してACCオンの操作を行う可能性は低いと考えられることから、スタンバイイン処理の実行によって車載機100をスタンバイ状態に移行させることができる。
【0040】
車載機100がスタンバイ状態となった後、ユーザがACCオンの操作を行った場合には、その時点でスタンバイイン処理が行われることはなく、ACCオンの操作を行った直後からスタンバイアウト処理を実行し、車載機100を通常動作可能な状態とすることができる。これにより、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。この場合も、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの待ち時間は、スタンバイアウト処理を行うのにかかる時間だけである。
【0041】
図4は、ユーザがACCオフの操作を行ってから、45秒を経過した後、スタンバイイン処理の実行中にACCオンの操作を行った場合の動作例を示す図である。このようなケースが生じることは多くないと予想されるが、そのようなケースでも、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの時間が短かいことを示したものである。
【0042】
図4において、プレスタンバイモードを設定してから45秒が経過した時点でスタンバイイン処理を実行するところまでは、図3の例と同じである。図4の例では、このスタンバイイン処理が完了する前に、ユーザがACCオンの操作を行っている。
【0043】
ユーザがACCオンの操作を行うと、ACC制御部10は、ACC信号を立ち上げることによってACCオン信号を出力する。モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号の検出に同期して、プレスタンバイ信号を立ち上げることにより、プレスタンバイモードの設定を解除する。
【0044】
また、スタンバイイン処理終了制御部22Bは、スタンバイイン信号を立ち上げることにより、スタンバイ処理実行部40が実行中のスタンバイイン処理を強制的に終了させる。これにより、スタンバイアウト処理制御部23がスタンバイ処理実行部40に対してスタンバイアウト処理を直ちに実行させることができる状態となる。
【0045】
これに応じて、スタンバイアウト処理制御部23は、スタンバイ処理実行部40に供給するスタンバイアウト信号を立ち下げることにより、スタンバイ処理実行部40にスタンバイアウト処理を実行させる。そして、このスタンバイアウト処理が完了することにより、車載機100は動作実行部30による通常動作が可能な状態となる。
【0046】
このように、ユーザがACCオフの操作を行ってから45秒を経過することによってスタンバイイン処理が開始された後、当該スタンバイイン処理の実行中にユーザがACCオンの操作を行った場合、その時点ではプレスタンバイモードが設定されているので、スタンバイイン処理を強制的に終了させることができる。これにより、直ちにスタンバイアウト処理を行って、車載機100を通常動作可能な状態とすることができる。これにより、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。この場合も、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの待ち時間は、スタンバイアウト処理を行うのにかかる時間だけである。
【0047】
図5は、ユーザがACCオンの操作を行ったときに、ACC信号が立ち上がった後に一度立ち下がり、再度立ち上がる仕様の特殊な車載機100の動作例を示す図である。
【0048】
図5に示すように、車載機100がスタンバイ状態にあるときに、ユーザがACCオンの操作を行うと、ACC制御部10は、ACC信号を立ち上げた後に立ち下げ、再度立ち上げることにより、ACCオン信号、ACCオフ信号、ACCオン信号を続けて出力する。
【0049】
この場合、スタンバイアウト処理制御部23は、1つ目に出力されるACCオン信号に応じて、スタンバイ処理実行部40にスタンバイアウト処理を実行させる。また、モード制御部21は、2つ目に出力されるACCオフ信号に応じて、プレスタンバイモードを設定する。これにより、動作実行部30による音声および画像の出力が停止する。
【0050】
さらに、モード制御部21は、3つ目に出力されるACCオン信号に応じて、プレスタンバイモードの設定を解除する。また、スタンバイアウト処理制御部23は、1回目のスタンバイアウト処理が終了した後に続けて2回目のスタンバイアウト処理をスタンバイ処理実行部40に実行させる。そして、この2回目のスタンバイアウト処理が完了することにより、車載機100は動作実行部30による通常動作が可能な状態となる。
【0051】
このように、ユーザによりACCオンの操作が行われたときに、ACCオン信号、ACCオフ信号、ACCオン信号が続けて出力されるような仕様の車載機100においても、2つ目のACCオフ信号に応じてスタンバイイン処理が行われることがないので、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。なお、2回のスタンバイアウト処理の実行にかかる合計時間が2秒以内であれば、米国の法規制を満たすこともできる。
【0052】
図6および図7は、上記のように構成した本実施形態による車載機100の動作例を示すフローチャートである。ここで、図6は、車載機100が通常動作状態にあるときに実行される動作例を示している。図7は、車載機100がスタンバイ状態にあるときに実行される動作例を示している。まず、図6に基づいて、車載機100が通常動作状態にあるときの動作例を説明する。なお、図6に示すフローチャートは、ユーザがACCオフの操作を行ったときに開始する。
【0053】
まず、モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオフ信号が検出されたか否かを判定する(ステップS1)。ACCオフ信号を検出した場合、モード制御部21は、プレスタンバイモードを車載機100に設定する(ステップS2)。その後、モード制御部21は、プレスタンバイモードを設定してから所定時間(45秒)が経過したか否かを判定する(ステップS3)。
【0054】
ここで、所定時間が経過していない場合、モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号が検出されたか否かを判定する(ステップS4)。ACCオン信号が検出されない場合、処理はステップS3に戻る。一方、ACCオン信号が検出された場合、モード制御部21は、プレスタンバイモードの設定を解除する(ステップS5)。そして、スタンバイアウト処理制御部23は、スタンバイ処理実行部40にスタンバイアウト処理を実行させる(ステップS6)。この流れは、図2に示した動作である。
【0055】
上記ステップS3において、プレスタンバイモードを設定してから所定時間(45秒)が経過したとモード制御部21にて判定された場合、スタンバイイン処理開始制御部22Aは、スタンバイ処理実行部40にスタンバイイン処理を実行させる(ステップS7)。その後、スタンバイイン処理終了制御部22Bは、スタンバイイン処理の実行中にACCオン信号を検出したか否かを判定する(ステップS8)。
【0056】
スタンバイイン処理の実行中にACCオン信号が検出されない場合、スタンバイイン処理終了制御部22Bは、そのスタンバイイン処理が通常に終了したか否かを判定する(ステップS9)。スタンバイイン処理が終了していない場合、処理はステップS8に戻る。一方、スタンバイイン処理が終了した場合、車載機100はスタンバイ状態となり、図6に示すフローチャートの処理は終了する。この流れは、図3に示した動作である。
【0057】
上記ステップS8において、スタンバイイン処理の実行中にACCオン信号が検出された場合、スタンバイイン処理終了制御部22Bは、スタンバイイン処理を強制的に終了させる(ステップS10)。そして、モード制御部21は、プレスタンバイモードの設定を解除する(ステップS11)。その後、スタンバイアウト処理制御部23は、スタンバイ処理実行部40にスタンバイアウト処理を実行させる(ステップS6)。この流れは、図4に示した動作である。
【0058】
次に、図7に基づいて、車載機100がスタンバイ状態にあるときの動作例を説明する。なお、図7に示すフローチャートは、ユーザがACCオンの操作を行ったときに開始する。
【0059】
まず、スタンバイアウト処理制御部23は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号が検出されたか否かを判定する(ステップS21)。ACCオン信号を検出した場合、スタンバイアウト処理制御部23は、スタンバイ処理実行部40にスタンバイアウト処理を実行させる(ステップS22)。
【0060】
その後、モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオフ信号が検出されたか否かを判定する(ステップS23)。ここで、ACCオフ信号が検出されない場合、ユーザがACCオンの操作を行ったときに、ACCオン信号、ACCオフ信号、ACCオン信号を続けて出力するような特殊な車載機100ではないので、図7に示すフローチャートの処理を終了する。この流れは、図3に示した動作である。
【0061】
一方、スタンバイ処理実行部40がスタンバイアウト処理の実行を開始した直後にACCオフ信号が検出された場合、ACCオン信号、ACCオフ信号、ACCオン信号を続けて出力するような特殊な車載機100に該当する。この場合、モード制御部21は、プレスタンバイモードを車載機100に設定する(ステップS24)。
【0062】
その後、モード制御部21は、ACC制御部10から出力されるACCオン信号が検出されたか否かを判定する(ステップS25)。ACCオン信号が検出されない場合は、ステップS25の判定を繰り返す。一方、ACCオン信号が検出された場合、モード制御部21は、プレスタンバイモードの設定を解除する(ステップS26)。そして、スタンバイアウト処理制御部23は、ステップS22で実行されたスタンバイアウト処理の終了に続けてスタンバイアウト処理を行うようにスタンバイ処理実行部40を制御する(ステップS27)。この流れは、図5に示した動作である。
【0063】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、ユーザがACCオフの操作を行った後にACCオンの操作を行った場合に、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。また、ユーザがACCオンの操作を行ったときに、ACCオン信号、ACCオフ信号、ACCオン信号が続けて出力されるような仕様の車載機100においても、ACCオンの操作を行ってから車載機100が使用可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。何れの場合も、ACCオンの操作から2秒以内に車両周辺の撮影画像を表示しなければならないという米国の法規制を満たすこともできる。
【0064】
なお、上記実施形態では、電子機器の一例として車載機100を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。電源オフの操作に応じてスタンバイイン処理を行い、電源オンの操作に応じてスタンバイアウト処理を行うようになされた電子機器であれば、上記実施形態を同様に適用することが可能である。
【0065】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
10 ACC制御部
20 スタンバイ処理制御部
21 モード制御部
22 スタンバイイン処理制御部
22A スタンバイイン処理開始制御部
22B スタンバイイン処理終了制御部
23 スタンバイアウト処理制御部
30 動作実行部
40 スタンバイ処理実行部
100 車載機(電子機器)
図1
図2
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図9