(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外壁面材と、その外壁面材の屋内側に設けられた下地フレームとを有する外壁パネルが横並びに複数設けられ、隣り合う前記外壁パネルの間の目地には、当該目地に沿って上下に延びるガスケットが前記下地フレーム同士の間に配設されている外壁目地の止水構造であって、
前記目地を跨いだ状態で前記隣り合う外壁パネルに架け渡された止水シートを備え、
前記止水シートは、それら外壁パネルのそれぞれにおいて前記外壁面材と前記下地フレームとの間に挟まれた状態で固定されており、
前記止水シートにより、
前記目地において屋外側から前記下地フレーム同士の間に入り込んだ状態で、前記ガスケットの少なくとも下端部を屋内側から覆っている覆い部と、
前記ガスケットよりも下方に設けられ、該ガスケットの下端から流れ落ちた水を同ガスケットよりも屋外側に案内する案内部とが形成されており、
前記ガスケットと前記覆い部との間にはそれら両者間の隙間を塞ぐ止水部材が設けられており、
前記隙間は上下方向に延びており、
前記止水部材は、前記隙間における上端部にのみ配置され、
前記案内部は、前記ガスケットから流れ落ちた水を受け止めて案内する案内面を有し、
前記案内面は、屋外側へ向けて下方傾斜する傾斜面により構成され、
前記傾斜面は、前記覆い部と前記案内部とに跨がって形成され、その途中で前記ガスケットの下端に接触していることを特徴とする外壁目地の止水構造。
前記止水部材は、弾性を有する材料により形成され、前記ガスケットと前記覆い部との間の前記隙間において屋内外方向に圧縮された状態で配設されていることを特徴とする請求項1に記載の外壁目地の止水構造。
前記隣り合う外壁パネルの下地フレーム同士の間において前記覆い部よりも屋内側の領域はその屋内外方向の長さが前記目地の目地幅よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の外壁目地の止水構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した止水構造では、屋外において強風を伴う降雨があった場合に、雨水が止水シートに沿って吹き上がってくるおそれがある。その場合、雨水がガスケットと止水シートの覆い部との間の隙間を通じて建物内に吹き込む(吹き上がる)おそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、目地において屋内側への水の浸入を止水シートにより抑制した構成にあって、その止水シートに沿った建物内への雨水の吹き込みを防止することができる外壁目地の止水構造を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明の外壁目地の止水構造は、外壁面材と、その外壁面材の屋内側に設けられた下地フレームとを有する外壁パネルが横並びに複数設けられ、隣り合う前記外壁パネルの間の目地には、当該目地に沿って上下に延びるガスケットが前記下地フレーム同士の間に配設されている外壁目地の止水構造であって、前記目地を跨いだ状態で前記隣り合う外壁パネルに架け渡された止水シートを備え、前記止水シートは、それら外壁パネルのそれぞれにおいて前記外壁面材と前記下地フレームとの間に挟まれた状態で固定されており、前記止水シートにより、前記目地において屋外側から前記下地フレーム同士の間に入り込んだ状態で、前記ガスケットの少なくとも下端部を屋内側から覆っている覆い部と、前記ガスケットよりも下方に設けられ、該ガスケットの下端から流れ落ちた水を同ガスケットよりも屋外側に案内する案内部とが形成されており、前記ガスケットと前記覆い部との間にはそれら両者間の隙間を塞ぐ止水部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ガスケットとそのガスケットを屋内側から覆っている止水シートの覆い部との間の隙間が止水部材により塞がれているため、強風を伴う降雨がある場合に、雨水が当該隙間を通じて建物内に吹き込むのを防止することができる。これにより、止水シートにより屋内側への水の浸入を抑制した構成にあって、止水シートに沿った建物内への雨水の吹き込みを防止することができる。
【0010】
第2の発明の外壁目地の止水構造は、第1の発明において、前記ガスケットと前記覆い部との間の前記隙間は上下方向に延びており、前記止水部材は、前記隙間における上下方向の一部にのみ配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、止水部材がガスケットと覆い部との間の隙間において上下方向の一部にのみ配置されているため、止水部材の上下幅を比較的小さくして形成することができる。これにより、止水部材を目地内に押し込んで配設する作業をし易くすることができる。
【0012】
第3の発明の外壁目地の止水構造は、第2の発明において、前記止水部材は、前記隙間の上端部に配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、止水部材がガスケットと覆い部との間の隙間において上端部に配置されているため、当該隙間に雨水が下方から吹き込んだ場合には、その水が当該隙間を上方に流れた後、止水部材において止水されることになる。この場合、上方へ向けた水の流れの勢いを当該隙間にて低減させた後、止水部材による止水が行われるため、建物内への水の入り込みを好適に防止することができる。
【0014】
第4の発明の外壁目地の止水構造は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記案内部は、前記ガスケットから流れ落ちた水を受け止めて案内する案内面を有し、前記案内面は、屋外側へ向けて下方傾斜する傾斜面となっており、前記傾斜面は、前記覆い部と前記案内部とに跨がって形成され、その途中で前記ガスケットの下端に接触していることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、案内部においてガスケットから流れ落ちる水を受け止めて屋外側に案内する案内面が屋外側に向けて下方傾斜する傾斜面となっており、その傾斜面が覆い部と案内部とに跨がって形成されている。この場合、この傾斜面は、その途中でガスケットの下端に接触しているため、ガスケットと覆い部との間の隙間がガスケット下端において閉じられた(又はほぼ閉じられた)状態となっている。これにより、当該隙間への下方からの水の入り込みを抑制することができるため、当該隙間を通じた建物内への水の吹き込みをより確実に防止することができる。
【0016】
第5の発明の外壁目地の止水構造は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記止水部材は、弾性を有する材料により形成され、前記ガスケットと前記覆い部との間の前記隙間において屋内外方向に圧縮された状態で配設されていることを特徴とする。
【0017】
止水シートが外壁面材と下地フレームとの間に挟まれて固定されている上述の構成では、その挟み込み代の大きさにばらつきが生じることが想定される。その場合、覆い部の目地内部への入り込み寸法にばらつきが生じ、ひいては覆い部とガスケットとの間の隙間にばらつきが生じることが想定される。その点本発明では、止水部材がガスケットと覆い部との間の隙間において屋内外方向に圧縮された状態で配設されているため、隙間に生じるばらつきを止水部材の圧縮により吸収することができる。これにより、隙間のばらつきにかかわらず止水部材による止水機能を確実に発揮させることができる。
【0018】
第6の発明の外壁目地の止水構造は、第5の発明において、記隣り合う外壁パネルにはそれぞれ前記外壁面材と前記下地フレームとの間に挟まれた状態でシート材が固定されており、前記隣り合う外壁パネルの各シート材において、前記目地側にはみ出た部分同士が前記目地において互いに貼り合わせられ接続されることにより前記止水シートが構成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、各外壁パネルを横並びで設置した後、隣り合う外壁パネルのシート材同士を貼り合わせて接続し、その接続部分を目地に押し込むことで覆い部及び案内部が形成された止水シートを構成することができる。これにより、比較的容易に止水シートを外壁パネル間に架け渡されて設けることが可能となる。
【0020】
ところで、かかる構成では、シート材同士の貼り合わせに際し、その貼り合わせ代の大きさにばらつきが生じることが想定される。その場合、覆い部の目地内部への入り込み寸法にばらつきが生じ、ひいては覆い部とガスケットとの間の隙間にばらつきが生じることが想定される。その点本発明では、隙間に生じるばらつきを止水部材の圧縮により吸収することができるため、隙間のばらつきにかかわらず止水部材による止水機能を確実に発揮させることができる。
【0021】
第7の発明の外壁目地の止水構造は、第6の発明において、前記各シート材は、前記外壁パネルから前記目地側へのはみ出し寸法が互いに相違しており、前記各シート材のうち、前記はみ出し寸法の大きい側のシート材に前記止水部材が固定されていることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、隣り合う外壁パネルの各シート材を目地から屋外側に引き出した状態で貼り合わせする際、目地側へのはみ出し寸法の大きい側のシート材をU字状に曲げる等して、両シート材を貼り合わせることができる。例えば、両シート材のはみ出し寸法が同じである場合には、両シート材それぞれを内側に曲げる等して貼り合わせる必要があるが、両シート材のはみ出し寸法が異なる上記の構成では、貼り合わせに際し、概ねはみ出し寸法の大きい側のシート材だけ曲げる等すればよい。そのため、その貼り合わせ作業を比較的容易に行うことが可能となる。
【0023】
第8の発明の外壁目地の止水構造は、第1乃至第7のいずれかの発明において、前記隣り合う外壁パネルの下地フレーム同士の間において前記覆い部よりも屋内側の領域はその屋内外方向の長さが前記目地の目地幅よりも小さくなっていることを特徴とする。
【0024】
ところで、隣り合う外壁パネルの下地フレーム同士の間において覆い部よりも屋内側の領域に当該覆い部をガスケットとの間で挟み込む挟み込む部材を設け、それによりガスケットと覆い部との間に隙間を生じさせないようにすることが考えられる。この場合にも、ガスケットと覆い部との間を通じた建物内への水の吹き込みを防止することが可能となる。しかしながら、下地フレームの厚み(屋内外方向の長さ)が小さい場合等には、上記屋内側の領域を十分確保することができず、上記屋内側の領域に挟み込み部材を設けることが困難となる。そこで本発明では、この点に鑑み、上記屋内側の領域を十分確保できない構成、具体的には同領域における屋内外方向の長さが目地幅よりも小さくなっている構成に上記第1の発明を適用している。この場合、上記屋内側の領域に挟み込み部材を設けることが困難な場合でも、建物内への水の吹き込みを防止することが可能となる。
【0025】
第9の発明の外壁目地の止水構造は、第1乃至第8のいずれかの発明において、梁及び柱を有する直方体状の枠体と、その枠体の側面に設けられた前記外壁パネルとを備える複数の建物ユニットが互いに連結されてなるユニット式の建物に適用され、隣り合う建物ユニットの前記外壁パネル間の目地において前記ガスケットと前記覆い部との間の隙間が前記止水部材により塞がれていることを特徴とする。
【0026】
隣り合う建物ユニットの外壁パネル間の目地には、上述した挟み込み部材を下地フレーム同士の間に架け渡して配設するのが困難と考えられる。その点本発明では、かかる建物ユニット間の目地に対して第1の発明の止水構造を適用しているため、当該目地において建物内への水の吹き込みを好適に防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、建物として、複数の建物ユニットが互いに組み合わされてなるユニット式建物について具体化している。
図1は、そのユニット式建物の概要を示す斜視図であり、
図2は建物ユニットを示す斜視図である。
【0029】
図1に示すように、建物10は、基礎11上に設けられた建物本体12と、その建物本体12の上方に設けられた屋根部13とを備える。建物本体12は、一階部分14と二階部分15とを有する二階建ての建物となっており、複数の建物ユニット20が互いに連結されることにより構成されている。建物ユニット20は製造工場においてあらかじめ製造され、その後施工現場にトラック等により搬送されるものとなっている。また、屋根部13は、切り妻式の屋根として構成されている。
【0030】
建物10の二階部分15にはバルコニー16が設けられている。バルコニー16は、一階部分14に設けられた複数の建物ユニット20の上に跨がって設けられている。つまり、バルコニー16はいわゆるルーフバルコニーとなっている。バルコニー16は、バルコニー床部18と、バルコニー床部18の周縁部に立設されたバルコニー腰壁部19とを備える。バルコニー腰壁部19は、バルコニー16の3方に配設されており、残りの一方には外壁部17が設けられている。外壁部17は、二階部分15に設けられた複数の建物ユニット20の側面部に跨がって形成されている。この場合、バルコニー床部18とバルコニー腰壁部19と外壁部17とにより囲まれた空間はバルコニー空間BSとなっている。
【0031】
続いて、建物ユニット20の構成について説明する。
図2は、建物ユニット20を示す斜視図である。
図2に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなり、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなる。
【0032】
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材27が支持され、床小梁26によって床面材28が支持されている。
【0033】
次に、外壁部17の下端部周辺の構成について
図3〜
図5を参照しつつ説明する。
図3は外壁部17の下端部周辺を示す正面図であり、
図4は隣り合う外壁パネル31の構成を示す正面図であり、
図5は
図3のA−A線断面図である。なお、
図3においては、外壁面材41の裏側に配置された下地フレーム42を破線で示し、
図4においては、壁下シート51及びシート材61における外壁面材41の裏側に配置された部分を破線で示している。また、
図4では、隣り合う外壁パネル31を建物10に固定していない状態で示している。
【0034】
図3〜
図5に示すように、外壁部17は、横並びに設けられた複数の外壁パネル31を有している。外壁パネル31は、外壁部17の屋外面(外壁面)を形成する外壁面材41と、外壁面材41の屋内側に設けられた下地フレーム42とを有している。外壁面材41は、窯業系サイディングボード等の外装材により矩形板状に形成されている。
【0035】
下地フレーム42は、上下方向に延びる縦フレーム材42a,42bと、左右方向に延びる横フレーム材42cとを有しており(
図3参照)、これら各フレーム材42a〜42cが互いに組み合わせられることにより構成されている。縦フレーム材42a,42bは外壁面材41の幅方向に所定の間隔で複数設けられ、縦フレーム材42aが外壁面材41の幅方向の中間部に配置され、縦フレーム材42bが外壁面材41の幅方向の端部に配置されている。縦フレーム材42aは断面コ字状の鋼材により形成され、縦フレーム材42bは断面L字状の鋼材により形成されている(
図7参照)。また、横フレーム材42cは、外壁面材41の上端部及び下端部にそれぞれ設けられており、断面コ字状の鋼材により形成されている。
【0036】
下地フレーム42は、建物ユニット20の床大梁23、天井大梁22(図示略)及び柱21(
図7参照)に対しボルト等により固定されている。これにより、外壁パネル31が建物ユニット20の側面に取り付けられている。なお、外壁パネル31は、予め製造工場において建物ユニット20に組み付けられるものとなっている。
【0037】
外壁部17の下方にはベースフレーム33が設けられている。ベースフレーム33は、外壁部17の幅方向に延びる長尺状をなしており、例えば断面矩形の鋼材により形成されている。ベースフレーム33は、バルコニー床部18よりも上方に突出した状態で設けられており、その突出した部分が立ち上がり部33aとなっている。ベースフレーム33は、建物ユニット20の床大梁23に取付部材(図示略)を介して固定されている。
【0038】
バルコニー床部18は、図示しないバルコニー床梁により支持された床下地材45と、床下地材45の上に設けられた床断熱材46と、床断熱材46の上に敷設された防水板47とを有している。床下地材45は、ALC(軽量気泡コンクリート)等により形成され、床断熱材46は、硬質ウレタンフォーム等の発泡系断熱材により形成されている。防水板47は、耐水皮膜(例えば塩化ビニル膜)が施された鋼板により形成されており、その一部がベースフレーム33(立ち上がり部33a)の屋外側面に沿って立ち上げられた立ち上がり部47aとなっている。なお、防水板47がバルコニー床部18において防水層を構成しており、ベースフレーム33がその防水層の立ち上がり部を支持する防水下地となっている。
【0039】
図3〜
図5に示すように、外壁パネル31の下端部には壁下シート51が取り付けられている。壁下シート51は、クロロプレンゴム(CRゴム)等の耐水性を有する材料により形成された防水シートであり、外壁パネル31の下端部に沿って延びている。壁下シート51は、その上部が外壁パネル31の外壁面材41及び下地フレーム42(詳しくはフレーム下端の横フレーム材42c)の間に挟まれた状態で取り付けられており、その下部が外壁パネル31よりも下方に垂れ下がって防水板47の立ち上がり部47aの屋外側面に重ねられている。この場合、壁下シート51は、外壁パネル31と防水板47の立ち上がり部47aとの間に上下に架け渡された状態となっており、それによりそれら両部材31,47aの間が壁下シート51により閉塞されている。これにより、ベースフレーム33の立ち上がり部33aと外壁パネル31との間を通じて雨水等の水が屋内側に浸入することが防止されている。
【0040】
隣り合う外壁パネル31の間には上下方向に延びる目地32(縦目地)が形成されている。この目地32には、当該目地32を通じて屋内側に水が浸入するのを防止すべく止水処理が施されている。以下においては、かかる止水構造について
図3に加え
図6〜
図8を用いながら説明する。なお、
図6は目地32の止水構造を示す縦断面図であり、
図7は目地32の止水構造を示す横断面図である。また、
図8は目地32の止水構造を分解した状態で示す横断面図である。なお、
図6は
図3のB−B線断面図に相当し、
図7及び
図8は
図6のC−C線断面図に相当する。
【0041】
また、
図3,
図6〜
図8では、隣り合う建物ユニット20の外壁パネル31間の目地32が示されており、以下においてはこれら各
図3,6〜8を参照しながらかかる目地32に対する止水構造について説明する。
【0042】
図3及び
図6〜
図8に示すように、隣り合う建物ユニット20の各外壁パネル31の境界部では、それら各外壁パネル31の外壁面材41同士の間、及び下地フレーム42同士の間にそれぞれ所定の隙間が形成されており、それら各隙間によって上記の目地32が形成されている。この場合、上記下地フレーム42同士は互いの縦フレーム材42bが隣接配置されており、それら各縦フレーム材42bの間に目地32(の一部)が形成されている。各縦フレーム材42bはそれぞれ、上述したように断面L字状をなしており、外壁面材41の屋内側面に取り付けられた取付板部43と、目地32を挟んで互いに対向する対向板部44とを有している。対向板部44の外側面(目地32とは反対側の面)にはブラケット49が固定され、そのブラケット49は柱21の側面に固定されている。この場合、縦フレーム材42bひいては下地フレーム42が柱21にブラケット49を介して固定されている。
【0043】
目地32には、その奥側への水の浸入を防止すべく、ガスケット53,54が設けられている。ガスケット53,54は目地32において屋内外に所定の間隔をあけて2つ配置されており、いずれのガスケット53,54も目地32に沿って上下に延びるように設けられている。つまり、本実施形態では、目地32の止水処理として二重シール構造が採用されており、当該目地32における止水効果が高められている。
【0044】
各ガスケット53,54はいずれも定形シールよりなり、EPDM等の弾性を有する樹脂材料により形成されている。各ガスケット53,54のうち、ガスケット53が隣接する外壁面材41の間に配設され、ガスケット54が隣接する下地フレーム42(詳しくは縦フレーム材42b)の間に配設されている。つまり、各ガスケット53,54のうち、ガスケット53が屋外側、ガスケット54が屋内側に配置されている。この点からすると、ガスケット53を一次ガスケット(一次止水シール)、ガスケット54を二次ガスケット(二次止水シール)と称することもできる。また、ガスケット53は、その下端が目地32の下端と同じ高さ位置に設定されているのに対し、ガスケット54は、その下端が目地32の下端よりも上方に設定されている。なお、一次止水シールとして、ガスケット53(定形シール)に代え、シリコン樹脂等からなる不定形シールを用いてもよい。
【0045】
上記のように、目地32の止水処理として二重シール構造を採用したことで、雨水等の水が仮に屋外側の(一次)ガスケット53を通過したとしても、屋内側の(二次)ガスケット54によりその水が屋内側に浸入するのを阻止することが可能となる。ここで、ガスケット54に到達した水はガスケット54に沿って流下することとなるが、その場合その水はガスケット54の下端からその下方のベースフレーム33上に落ち、同フレーム33から屋内側に流れ込むことが懸念される。そこで、本実施形態では、その対策として、ガスケット54下端から流れ落ちる水をバルコニー空間BS側(屋外側)に導いて排出する排出構造を備えている。以下、かかる排出構造について説明する。
【0046】
隣り合う外壁パネル31には目地32を跨いだ状態で止水シート56が架け渡されている。止水シート56は、塩化ビニル等の耐水性を有する材料により形成された防水シートである。止水シート56は、各外壁パネル31において外壁面材41と下地フレーム42との間に挟まれた状態で固定されているとともに、その一部が外壁パネル31よりも下方に垂れ下がって防水板47の立ち上がり部47aの屋外側面に重ねられている。この場合、止水シート56は、外壁パネル31と防水板47の立ち上がり部47aとの間に上下に架け渡された状態となっており、それによりそれら両部材31,47aの間が止水シート56により閉塞されている。また、左右方向(隣り合う外壁パネル31の並ぶ方向)における止水シート56の両端部はそれぞれ各外壁パネル31の壁下シート51の屋外側面に重ねられている。これにより、止水シート56と各外壁パネル31の壁下シート51とが互いに連続している。
【0047】
目地32においては、止水シート56における左右方向の中間部分が屋外側から下地フレーム42(詳しくは縦フレーム材42b)同士の間に入り込んだ状態になっている。この入り込み部分57は、屋内側に向けて突出した横断面U字形状になっており、上方、下方及び屋外側に向けて開放された内側空間57aを有している。この内側空間57aには、ガスケット54の下端側が屋外側から嵌め込まれている。ガスケット54は、内側空間57aにおいてその両側面をそれぞれ止水シート56に密着させて配設されている。この場合、ガスケット54の下端側が止水シート56の入り込み部分57により屋内側から覆われた状態となっている。なお、入り込み部分57は、その屋外側からガスケット53により覆われた状態となっている。
【0048】
止水シート56の入り込み部分57においては、その上側部分により、ガスケット54を屋内側から覆っている覆い部58が形成されている。覆い部58は、入り込み部分57においてガスケット54と上下方向に重複する範囲に形成されている。覆い部58において上側の部分は外壁面材41に対する屋内側への入り込み寸法が一定とされているのに対し、下側の部分は上記入り込み寸法が下方に向かうにつれ徐々に小さくなっている。
【0049】
また、覆い部58(詳しくは上側部分)は、下地フレーム42同士(詳しくは縦フレーム材42b)の間においてその屋内側端部付近まで入り込んでいる。ここで、縦フレーム材42b(対向板部44)は、その屋内外方向(換言すると外壁パネル31の壁厚み方向)の長さが比較的小さくなっており、詳しくは同方向の長さが外壁面材41の厚みの約2倍又はそれよりも小さくなっている。この場合、下地フレーム42同士の間において覆い部58よりも屋内側の領域は、その屋内外方向の長さL3(詳しくは、覆い部58の屋内側端部から下地フレーム42の屋内側端部までの屋内外方向の長さ)が極めて小さくなっており、詳しくは当該長さL3が目地32の幅(目地幅)よりも小さくなっている。なお、上記屋内側の領域には何も部材が配設されていない。
【0050】
止水シート56の入り込み部分57においては、覆い部58よりも下方部分(ガスケット54の下方部分)により、ガスケット54から流れ落ちる水を屋外側に案内する案内部59が形成されている。案内部59は、止水シート56の入り込み部分57に加えて、止水シート56における目地32よりも下方(外壁パネル31よりも下方)にはみ出した部分により形成されている。案内部59においては、屋内側への入り込み寸法が下方に向かうにつれて徐々に小さくされている。
【0051】
案内部59は、ガスケット54の下端から流れ落ちる水を受け止めてそれを屋外側に案内する案内面59aを有している。案内面59aは、屋外側に向けて下方傾斜する傾斜面となっている。案内面59aは、目地32(ガスケット53)の下端よりも下方へと延びており、その下端部においてガスケット54よりも屋外側に、さらにはベースフレーム33(及び防水板47の立ち上がり部47a)よりも屋外側に達している。これにより、案内面59aに沿って流れる水はベースフレーム33よりも屋外側にてバルコニー床部18上に排出されることになる。なお、案内面59aは、屋外側に向けて下方傾斜した傾斜面であれば、その傾斜は直線状であっても曲線状であってもよい。
【0052】
また、案内面59aを構成する傾斜面62は覆い部58の下端側から延びている。つまり、この傾斜面62は、覆い部58と案内部59とに跨がって形成されている。また、この傾斜面62はガスケット54の下端に接触している。この場合、覆い部58とガスケット54との間の隙間63がその下端において閉じられた状態となっている。
【0053】
ここで、止水シート56は、各外壁パネル31のそれぞれに設けられたシート材61が接続されることにより形成されている。
図4に示すように、シート材61は、外壁パネル31における下側の隅角部に対して配置されている。シート材61は、外壁パネル31の下端部に沿って左右方向に延びているとともに、外壁パネル31の側端部に沿って上下方向に延びている。この場合、シート材61は、外壁パネル31から下方にはみ出しているとともに、幅方向(目地32側)にもはみ出している。
【0054】
隣り合う外壁パネル31においては、シート材61が外壁パネル31から幅方向にはみ出すはみ出し寸法が互いに異なっている。隣り合う外壁パネル31のうち、一方の外壁パネル31(以下、この符号にaを付す)についてのシート材61のはみ出し寸法をL1とし、他方の外壁パネル31についてのシート材61(以下、この符号にbを付す)のはみ出し寸法をL2とした場合、L2がL1よりも大きくなっている。なお、L1及びL2はいずれも外壁面材41の厚みよりも大きな寸法となっている。
【0055】
各外壁パネル31のシート材61a,61bにはそれぞれ、上記はみ出し部分の先端側に接着面61cが設けられている。それら接着面61c同士は接着剤等を用いて互いに貼り合わせられており、その貼り合わせによってシート材61a,61b同士が互いに接続され止水シート56が構成されている。
【0056】
目地32においてガスケット54と止水シート56の覆い部58との間には止水部材65が配設されている。本実施形態では、この止水部材65によりガスケット54と覆い部58との間の隙間63を塞ぐことで、当該隙間63を通じた雨水の建物内への吹き込みを防止している。以下、かかる止水部材65に関する構成について説明する。
【0057】
ガスケット54と覆い部58との間の隙間63は上下方向に延びており、その隙間63の上端部に止水部材65が配設されている。止水部材65は、所定の厚みを有する弾性材料により形成され、例えばEPDM等のゴム材(スポンジ材)により形成されている。止水部材65は、ガスケット54と覆い部58との間で屋内外方向に圧縮された状態で配設されている。これにより、それら両者54,58間の隙間63がその上端部にて止水部材65により閉塞されている。
【0058】
止水部材65は、止水シート56を構成する各シート材61a,61bのうち、外壁パネル31から目地32側へのはみ出し寸法L2の大きい側のシート材61bに固定されている。止水部材65は、シート材61bのはみ出し部の先端部に接着剤を用いて固定され、詳しくははみ出し部の先端から基端側へ向けた所定範囲に固定されている。
【0059】
次に、目地32に対して上述した止水処理を施す際の作業手順について説明する。
図9は、かかる作業手順を説明するための図である。
【0060】
施工現場では、まず製造工場から搬送されてくる各建物ユニット20をそれぞれ所定の位置に設置する作業を行う。これにより、隣り合う建物ユニット20の外壁パネル31間に目地32が形成される。なお、シート材61及び壁下シート51は製造工場において予め外壁パネル31に取り付けられる。
【0061】
止水処理に際しては、まず
図9(a)に示すように、隣り合う外壁パネル31の各シート材61a,61bを目地32から屋外側に引き出す。
【0062】
次に、
図9(b)に示すように、はみ出し寸法が大きい側のシート材61bの先端側を屋内側に折り返すようにして、各シート材61a,61bの接着面61c同士を接着剤等を用いて貼り合わせる。これにより、各シート材61a,61bが互いに接続されて止水シート56が形成される。
【0063】
次に、
図9(c)に示すように、止水シート56のうち目地32から屋外側に引き出されている部分を目地32内に押し込む。この際、止水シート56の上端側から下端に向けて徐々に目地32への止水シート56の入り込み寸法が小さくなるように止水シート56の形を整え、それにより止水シート56の入り込み部分57により覆い部58及び案内部59を形成する。なお、止水シート56を目地32内に押し込むにあたっては、例えば専用の押し込み治具を屋外側から目地32内に挿入し、その挿入した治具を用いて押し込む。
【0064】
次に、
図9(d)に示すように、目地32内の下地フレーム42同士の間にガスケット54を嵌め込む。この際、ガスケット54の下端側を止水シート56における入り込み部分57の内側空間57aに入り込ませる。そして、その入り込み状態でガスケット54を止水部材65に向けて押し込み、それによりガスケット54と止水シート56(覆い部58)との間で止水部材65を圧縮させる。これにより、ガスケット54と覆い部58との間の隙間63が止水部材65により塞がれる。なお、ガスケット54を止水部材65に向けて押し込むにあたっては、例えば専用の押し込み治具を屋外側から目地32内に挿入し、その挿入した治具を用いて押し込む。
【0065】
その後、目地32内の外壁面材41同士の間にガスケット53を嵌め込む。これにより、目地32に対する止水処理が完了する。
【0066】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0067】
ガスケット54と止水シート56の覆い部58との間の隙間63を止水部材65により塞いだため、強風を伴う降雨がある場合に、雨水が当該隙間63を通じて建物内に吹き込むのを防止することができる。
【0068】
止水部材65をガスケット54と覆い部58との間の隙間63において上下方向の一部にのみ配置したため、止水部材65の上下幅を比較的小さくして形成することができる。これにより、止水部材65を目地32内に押し込んで配設する作業をし易くすることができる。
【0069】
具体的には、止水部材65を上記隙間63において上端部に配置した。この場合、当該隙間63に雨水が下方から吹き込んだ場合には、その水が当該隙間63を上方に流れた後、止水部材65において止水されることになる。この場合、上方へ向けた水の流れの勢いを当該隙間63にて低減させた後、止水部材65による止水が行われるため、建物内への水の入り込みを好適に防止することができる。
【0070】
案内部59にガスケット54から流れ落ちる水を受け止めて屋外側に案内する案内面59aを設け、その案内面59aを屋外側に向けて下方傾斜する傾斜面62により構成した。そして、この傾斜面62を覆い部58と案内部59とに跨がるように形成し、その途中でガスケット54の下端に接触させた。この場合、ガスケット54と覆い部68との間の隙間63がガスケット54下端において閉じられた(又はほぼ閉じられた)状態となるため、当該隙間63への下方からの水の入り込みを抑制することができる。これにより、当該隙間63を通じた建物内への水の吹き込みをより確実に防止することができる。
【0071】
止水シート56が外壁面材41と下地フレーム42との間に挟まれて固定されている上述の構成では、その挟み込み代の大きさにばらつきが生じることが想定される。その場合、覆い部58の目地32内部(目地奥側)への入り込み寸法にばらつきが生じ、ひいては覆い部58とガスケット54との間の隙間63にばらつきが生じることが想定される。その点、上記の実施形態では、止水部材65をガスケット54と覆い部58との間の隙間63において屋内外方向に圧縮された状態で配設したため、隙間63に生じるばらつきを止水部材65の圧縮により吸収することができる。これにより、隙間63のばらつきにかかわらず止水部材65による止水機能を確実に発揮させることができる。
【0072】
隣り合う外壁パネル31のシート材61a,61b同士を貼り合わせて接続し、それにより止水シート56を形成する上述の構成では、シート材61a,61b同士の貼り合わせに際し、その貼り合わせ代の大きさにばらつきが生じることが想定される。その場合、覆い部58の目地32内部への入り込み寸法にばらつきが生じ、ひいては覆い部58とガスケット54との間の隙間63にばらつきが生じることが想定される。その点上記の実施形態では、隙間63に生じるばらつきを止水部材65の圧縮により吸収することができるため、隙間63のばらつきにかかわらず止水部材65による止水機能を確実に発揮させることができる。
【0073】
各シート材61a,61bのはみ出し寸法L1,L2を互いに異ならせたため、各シート材61a,61bを目地32から屋外側に引き出した状態で貼り合わせする際、はみ出し寸法の大きい側のシート材61bをU字状に曲げる等して、両シート材61a,61bを貼り合わせることができる。例えば、両シート材61a,61bのはみ出し寸法が同じである場合には、両シート材61a,61bそれぞれを内側に曲げる等して貼り合わせる必要があるが、両シート材61a,61bのはみ出し寸法が異なる上記の構成では、貼り合わせに際し、概ねはみ出し寸法の大きい側のシート材61bだけ曲げる等すればよい。そのため、その貼り合わせ作業を比較的容易に行うことが可能となる。
【0074】
ところで、下地フレーム42同士の間において覆い部58よりも屋内側の領域に当該覆い部58をガスケット54との間で挟み込む挟み込み部材を設け、それによりガスケット54と覆い部58との間に隙間を生じさせないようにすることが考えられる。この場合にも、ガスケット54と覆い部58との間を通じた建物内への水の吹き込みを防止することが可能となる。しかしながら、上記の実施形態では、下地フレーム42(詳しくは縦フレーム材42b)の厚み(屋内外方向の長さ)が小さくなっており、それにより上記屋内側の領域における屋内外方向の長さが目地32の幅よりも小さくなっている。そのため、上記屋内側の領域に挟み込み部材を設けることが困難となっている。そこで上記の実施形態では、この点に鑑み、かかる構成に対して止水部材65を用いた上述の止水構造を適用している。この場合、上記屋内側の領域に挟み込み部材を設けることが困難な場合でも、建物内への水の吹き込みを防止することが可能となる。
【0075】
隣り合う建物ユニット20の外壁パネル31間の目地32には、上述した挟み込み部材を下地フレーム42同士の間に架け渡して配設するのが困難と考えられる。その点上記の実施形態では、かかる建物ユニット20間の目地32に対して止水部材65を用いた上述の止水構造を適用しているため、当該目地32において建物内への水の吹き込みを好適に防止することが可能となる。
【0076】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0077】
(1)上記実施形態では、止水部材65をガスケット54と覆い部58との間の隙間63において上端部に配置したが、これを変更して、止水部材65を当該隙間63の中間部や下端部に配置してもよい。また、止水部材65を当該隙間63の上下方向全域に亘って配設してもよい。
【0078】
(2)上記実施形態では、止水部材65を止水シート56(シート材61b)に固定したが、これを変更して、止水部材65をガスケット54に固定してもよい。また、止水部材65を止水シート56にもガスケット54にも固定しないようにしてもよい。その場合、止水シート56を目地32内に入り込ませて覆い部58及び案内部59を形成した後、止水部材65を目地32内に嵌め込み、その後ガスケット54を目地32に嵌め込むことになる。
【0079】
(3)上記実施形態では、覆い部58によりガスケット54の下端側を屋内側から覆うようにしたが、例えば覆い部58(止水シート56)をガスケット54の上端まで延ばして形成し、当該覆い部58によりガスケット54の上下方向全域を覆うようにしてもよい。
【0080】
(4)上記実施形態では、案内面59aを構成する傾斜面62を覆い部58と案内部59とに跨がって形成したが、傾斜面62を案内部59にのみ形成してもよい。
【0081】
(5)上記実施形態では、隣り合う外壁パネル31において各シート材61a,61bのはみ出し寸法L1,L2を互いに異ならせたが、それらはみ出し寸法L1,L2を同じにしてもよい。また、止水シート56は必ずしも2つのシート材61a,61bを接続することで構成する必要はなく、例えば隣り合う外壁パネル31間に架け渡された1枚のシート材により形成してもよい。
【0082】
(6)ところで、縦フレーム材42b(下地フレーム42)についてその屋内外方向の長さが比較的大きくされている場合には、縦フレーム材42b同士の間における覆い部58よりも屋内側の領域を比較的大きな領域とすることができる。例えば、当該屋内側の領域の屋内外方向の長さL3を目地幅よりも十分大きくすることができる。そこで、そのような場合に、当該屋内側の領域に覆い部58に対して屋内側から当接した状態でスペーサ部材を配設してもよい。この場合、ガスケット54とスペーサ部材との間で止水部材65を圧縮させることができるため、止水部材65をより好適に圧縮させることができる。
【0083】
(7)上記実施形態では、隣り合う建物ユニット20の外壁パネル31間の目地32に本発明の止水構造を適用したが、一の建物ユニット20において隣り合う外壁パネル31間の目地に本発明の止水構造を適用してもよい。
【0084】
(8)上記実施形態では、バルコニー16(バルコニー空間BS)に面した二階部分15の外壁部17に本発明の目地止水構造を適用したが、二階部分15における他の外壁部や、一階部分14の外壁部に本発明を適用してもよい。
【0085】
(9)上記実施形態では、ユニット式建物への適用例を説明したが、鉄骨軸組工法により構築される建物等、他の構造の建物にも本発明を適用できる。要するに、外壁パネルが横並びに設けられている建物であれば、隣り合う外壁パネル間の目地に本発明の止水構造を適用することができる。