(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記指示を前記通信するステップは、前記UEのモデムプロセッサによって前記ピアエンティティのモデムプロセッサに通信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
前記UEのモデムプロセッサによって前記UEのアプリケーションプロセッサを通じて前記UE上の前記第1のアプリケーションに、前記UEが前記アイドル状態に入ることを示す指示を通信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記モデムプロセッサによって、前記UEが前記アイドル状態にあるときに前記アプリケーションプロセッサが前記モデムプロセッサの機能を呼び出すことを可能にするアプリケーションプログラミングインターフェースを前記アプリケーションプロセッサに提供するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
ユーザ機器(UE)における到達可能性を維持するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータによって実行される時、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行させるコードを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
ユーザ機器(UE)の到達可能性を処理するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータによって実行される時、請求項13に記載の方法を実行させるコードを含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、様々な態様について図面を参照して説明する。以下の説明では、説明の目的で、1つまたは複数の態様の完全な理解をもたらすために多数の具体的な詳細を記載する。しかし、そのような態様がこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることは、明らかであろう。
【0014】
添付の図面に関する下記の詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明する概念が実行され得る唯一の構成を表すように意図されているわけではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。しかし、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にするのを回避する目的で、周知の構造および構成要素がブロック図の形式で示されている。
【0015】
本態様は全般に、UEにおける到達可能性を維持することに関する。ワイヤレス通信システムでは、UE上にインストールされた1つまたは複数のアプリケーション(APP)とピアエンティティ上にインストールされた1つまたは複数のアプリケーションとの間の通信をサポートするために、UEがピアエンティティと通信していていることがある。一態様では、ワイヤレス通信システムにおけるUEの到達可能性ステータスを追跡することは、UE上のアプリケーションとピアエンティティ上のアプリケーションとの間の通信を維持するうえで重要な役割を果たすことができる。一例として、UEの到達可能性ステータスは、(ピアエンティティなどの)他のネットワークエンティティ上のアプリケーションに、ワイヤレス通信システムを通じてUE上のアプリケーションに到達できるかどうかを通知する。
【0016】
一態様では、UEがアイドル状態にある間にピアエンティティのアプリケーションがUEに到達可能性ステータス照会を送った場合、UEは到達可能性ステータス照会に応答するために、アイドル状態から接続状態に移行することができる。一例として、UEは、ワイヤレス通信システムにおいてUEが現在到達可能であることをピアエンティティに示すことによって、ピアエンティティの到達可能性ステータス照会に応答することができる。照会に応じた後、UEはアイドル状態に戻ることができる。
【0017】
到達可能性ステータス照会に起因して接続状態とアイドル状態との間で生じ得る絶え間ない移行の結果、UEはシグナリングオーバーヘッドおよび/または電力消費の増大に直面することがある。そのため、高い頻度の到達可能性ステータス更新を必要とし、それによってUEのアイドル動作を絶え間なく中断するピアエンティティ上のアプリケーションは、UEのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがある。したがって、アイドル状態にあるUEの到達可能性を維持することの改善が望まれる。
【0018】
一態様では、UEは、UEとピアエンティティとの間の無線接続の変化を検出することができ、この場合に無線接続の変化は、UEがアイドル状態に入ることに関連付けられる。そのような態様では、UEは、無線状態の変化が検出されたことに応答して、UEがアイドル状態に入ること、およびUEがアイドル状態にある間に指定持続時間にわたり到達可能であることを示す指示をピアエンティティに通信することができる。本態様ではさらに、UEは、次いで、指示をピアエンティティに通信した後にアイドル状態に入り、それによって、アイドル状態にある間におけるUEの到達可能性ステータスの維持を向上させることができる。したがって、いくつかの態様では、本装置および方法は、アイドル状態にあるUEの到達可能性を効果的に維持するための、現在の解決策と比較して効率的な解決策を提供する。
【0019】
図1を参照すると、UE110の到達可能性を維持するように構成された態様を有する、ネットワーク(図示せず)を通じてピアエンティティ130およびネットワークエンティティ120と通信しているUE110を含む、ワイヤレス通信システム100が示されている。
【0020】
UE110は、モバイルデバイス、モバイル装置、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。UE110は、1つまたは複数のタイプの通信(たとえば、ワイヤレス通信および/または有線通信、ネットワーク通信、ピアツーピア通信)をサポートおよび/または実行するように構成され、かつ1つまたは複数のタイプの動作(たとえば、処理動作、感知動作、データ記憶動作)をサポートおよび/または実行するように構成された、電子的物体、アプライアンス、センサ、機械またはツール、1つの機器、家庭用品(domestic object)、および他の同様のデバイスを指すこともある。一態様では、ピアエンティティ130は、UE110上にインストールされたアプリケーションのための処理に関係してUE110と通信するように構成された、サーバ、基地局、別のUEなどを含むことができる。
【0021】
一態様では、UE110およびピアエンティティ130は、ネットワーク(図示せず)を介して互いに通信していることがある。一態様ではさらに、ネットワークエンティティ120は、UE110およびピアエンティティ130が通信する際に経由するネットワークであり得る。UE110および/またはピアエンティティ130は、基地局(図示せず)を介してネットワークアクセスを受け取ることができ、この基地局は、アクセスポイントまたはノードと呼ばれることもあり、マクロセル、スモールセル、リレー、NodeB、モバイルNodeB、(たとえば、UE110および/もしくはピアエンティティ130とピアツーピアもしくはアドホックモードで通信している)UE、またはワイヤレスネットワークアクセスを提供するためにUE110と通信できる実質的に任意のタイプの構成要素であり得る。代替的に、UE110は、ピアツーピア接続を介してピアエンティティ130と通信していることがある。
【0022】
別の態様では、UE110は、ネットワーク(図示せず)を通じてネットワークエンティティ120と通信していることがある。一例として、UE110およびネットワークエンティティ120は、UTRANなどのワイヤレス通信ネットワークを通じて通信し得る。さらなる態様では、ネットワークエンティティ120は、ネットワークの端にあることがあり、基地局またはサービングセルと呼ばれることがある。またさらに、ネットワークエンティティ120は、ワイヤレス通信ネットワーク(たとえば、UTRAN)またはコアネットワークなどのネットワークであり得る。
【0023】
本明細書で使用する「スモールセル」という用語は、アクセスポイントまたはアクセスポイントの対応するカバレージエリアを指すことがあり、この場合のアクセスポイントは、たとえば、マクロネットワークアクセスポイントまたはマクロセルの送信電力またはカバレージエリアと比較して、比較的低い送信電力または比較的小さいカバレージを有する。たとえば、マクロセルは、限定はしないが、半径数キロメートルなどの、比較的大きい地理的エリアをカバーすることができる。対照的に、スモールセルは、限定はしないが、自宅、建築物、または建築物のフロアなどの、比較的小さい地理的エリアをカバーすることができる。したがって、スモールセルは、限定はしないが、基地局(BS)、アクセスポイント、フェムトノード、フェムトセル、ピコノード、マイクロノード、NodeB、進化型NodeB(eNB)、ホームNodeB(HNB)、またはホーム進化型NodeB(HeNB)などの装置を含むことができる。したがって、本明細書で使用する「スモールセル」という用語は、マクロセルと比較して、比較的低い送信電力および/または比較的小さいカバレージエリアセルを指す。
【0024】
一態様では、UE110は、UE110における到達可能性を維持するように構成され得る到達可能性維持構成要素101を含むことができる。別の態様では、到達可能性維持構成要素101は、UE110とピアエンティティ130との間の通信を処理するように構成され得る無線リンク通信構成要素102を含むことができる。同様に、ピアエンティティ130は、ピアエンティティ130とUE110との間の通信を処理するように構成され得る無線リンク通信構成要素131を含むことができる。
【0025】
一態様では、UE110の無線リンク通信構成要素102は、アプリケーション115などのUE110上にインストールされたアプリケーションおよびアプリケーション133などのピアエンティティ130上にインストールされたアプリケーションに関係するUE110とピアエンティティ130との間の通信を処理するように構成され得る。1つの非限定的な例では、UE110は、ソーシャルネットワーキングクライアント側アプリケーションがインストールされていることがあり、ピアエンティティ130は、ソーシャルネットワーキングサーバ側アプリケーションを有するサーバであり得る。非限定的な例ではさらに、サーバ側ソーシャルネットワーキングアプリケーションは、UE110の到達可能性ステータスを頻繁に(たとえば、数秒ごと、数分ごと、または数時間ごとに)収集しようとし得る。
【0026】
代替態様では、UE110は、アプリケーション115に関係するUE110とピアエンティティ130との間の通信を処理するように構成され得るモデムプロセッサ構成要素112を含むことができる。代替態様では、UE110のモデムプロセッサ112は、無線接続117を介してピアエンティティ130のモデムプロセッサ構成要素132と通信することができる。代替態様ではさらに、モデムプロセッサ構成要素112は、無線リンク通信構成要素102および無線リンク通信構成要素131を通じて無線接続を介してモデムプロセッサ構成要素132と通信することができる。
【0027】
別の態様では、UE110の到達可能性維持構成要素101は、UE110が無線接続117を介して接続状態にあるピアエンティティ130と通信していると判断するように構成され得る無線接続変化構成要素104を含むことができる。一態様では、無線接続変化構成要素104はまた、UE110がピアエンティティ130に加えて、またはピアエンティティ130の代わりに何らかの他のエンティティと通信していると判断するように構成され得る。一例として、無線接続変化構成要素104は、UE110がネットワークエンティティ120と通信していると判断するように構成され得る。いくつかの態様では、無線接続変化構成要素104はまた、無線接続の解放を開始するように構成され得る。
【0028】
さらなる態様では、無線接続変化構成要素104はまた、UE110とピアエンティティ130との間の無線接続117などの無線接続の変化を検出するように構成されてよく、この場合に無線接続117の変化は、UE110がアイドル状態に入ることに関連付けられる。一例として、無線接続変化構成要素104は、UE110とピアエンティティ130との間の無線接続117の利用量がしきい値を下回ることを検出し得る。本例では、無線接続117の利用量は、無線接続117上のスループット全体とすることができ、無線接続117を介して送られたパケットの数がしきい値を下回る。本例ではさらに、しきい値は、プログラム可能であってよく、動作状態に基づいて動的に変わり得る。
【0029】
別の例として、無線接続変化構成要素104は、UE110とサービングセル(図示せず)との間の接続の品質メトリックがしきい値を下回ることを検出し得る。本例では、品質メトリックは信号品質メトリックであり得る。さらに、別の態様では、品質メトリックは信号強度メトリックであり得る。さらなる態様では、品質メトリックは信号対干渉プラス雑音(SINR)比であり得る。本例ではさらに、しきい値は、プログラム可能であってよく、無線リンク通信構成要素102によって検出された動作状態および/または動作傾向に基づいて動的に変わり得る。
【0030】
さらなる例として、無線接続変化構成要素104は、UE110とピアエンティティ130との間の無線接続117が解放されることを検出し得る。本例では、無線接続117を解放することは、無線接続117に関連付けられるシグナリング無線ベアラ(SRB)および無線リソースをネットワークから外すことを含み得る。さらに本例では、UE110は無線接続117の解放を開始することができる。無線接続117の解放は、UE110の休眠、UE110が「サービス中止(Abort Service)」要求を実行していること、またはすべての無線接続が無効になる「機内モード(Airplane mode)」にUE110が入ることに起因し得る。本例ではさらに、ネットワークエンティティ120などのネットワークエンティティが無線接続117の解放を開始することができる。ネットワークエンティティ120は、UE110が無線リソース制御(RRC)専用チャネル(Cell_DCH)状態から、またはRRC順方向アクセスチャネル(Cell_FACH)状態からティアダウンすることによって無線接続117を解放することを要求し得る。
【0031】
一態様では、UE110の到達可能性維持構成要素101は、無線状態117の変化が無線接続変化構成要素104によって検出されたことに応答して、UE110がアイドル状態に入ること、およびUE110がアイドル状態にある間に指定持続時間106にわたり到達可能であることを示す指示118をピアエンティティ130に通信するように構成され得る指示通信構成要素105を含むことができる。一例として、指示118は、無線接続117を介して送信されるパケットにおけるメッセージフィールドであり得る。別の例として、指示118は、フィールドにおいて設定された1つまたは複数のフラグであり得る。本態様ではさらに、指示118は、ピアエンティティ130が指定持続時間106中にUE110に到達しようとすることができないことをさらに示し得る。
【0032】
代替態様では、指示通信構成要素105は、UE110のモデムプロセッサ構成要素112に、UE110がアイドル状態に入ることを知らせる通知を提供することができる。代替態様では、モデムプロセッサ構成要素112は、アプリケーションプロセッサ構成要素114を通じてUE110上のアプリケーション115に通知を通信することができる。一例として、通知は、パケットにおけるメッセージフィールドまたは設定された1つもしくは複数のフラグであり得る。代替態様ではさらに、モデムプロセッサ構成要素112はさらに、UE110がアイドル状態にあるときにアプリケーションプロセッサ構成要素114がモデムプロセッサ構成要素112の機能を呼び出すことを可能にするアプリケーションプログラミングインターフェースすなわちAPI113をアプリケーションプロセッサ構成要素114に提供することができる。代替態様ではまたさらに、モデムプロセッサ構成要素112は、モデムプロセッサ構成要素132などのピアエンティティ130のモデムプロセッサ構成要素に指示118を通信することができる。
【0033】
別の態様によれば、UE110の到達可能性維持構成要素101は、指示118が無線接続117を介してピアエンティティ130に通信された後にUE110にアイドル状態に入らせるように構成され得るアイドル状態構成要素108を含むことができる。
【0034】
さらなる態様では、UE110の到達可能性維持構成要素101は、UE110とサービングセルとの間の接続の品質メトリックがしきい値を下回ることを無線接続変化構成要素104が検出したことに応答して回復手順を開始するように構成され得る無線回復構成要素109を含むことができる。本態様では、無線回復構成要素109は、無線回復手順が失敗したかどうかを判断するように構成され得る回復手順失敗検出モジュール111を含むことができる。様々な無線リンク障害基準および無線リンク障害に伴う行為については、3GPP TS25.331 section 8.5.6に記述されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。たとえば、Cell_DCH状態にあるとき、周波数分割複信(FDD)における一次アップリンク周波数に関連するダウンリンク周波数において確立済み専用物理制御チャネル(DPCCH)またはフラクショナル専用物理チャネル(F-DPCH)のための層1からいくつかの連続的な「同期外れ」指示が受信されたときに無線回復手順の失敗(たとえば、無線リンク障害)が生じ得る。そのような場合、タイマが開始されることがあり、ダウンリンク周波数においていくつかの連続的な「同期中」指示を受信した後、UEの状態が変化すると、タイマは停止され、リセットされ得る。そうでなければ、タイマの終了は無線リンク障害と見なされ得る。
【0035】
本態様ではさらに、無線回復手順が失敗したと回復手順失敗検出モジュール111が判断した場合、無線回復構成要素109はアイドル状態構成要素108に失敗を通知することができる。次いでアイドル状態構成要素108は、無線回復手順が失敗したとの判断に応答してUE110にアイドル状態に入らせることができる。次いでUE110はアイドル状態に入り、指定持続時間にわたりアイドル状態にある間に到達可能であり得る。
【0036】
図2を参照すると、UEの到達可能性を維持するための方法200の態様が、
図1のUE110によって実行され得る。UE110は、
図1のピアエンティティ130などのピアエンティティと通信していることがあり、この場合にUE110のアプリケーション115は、
図1の無線接続117などの無線接続を介してピアエンティティ130のアプリケーション133と通信する。
【0037】
210において、方法200は、UEとピアエンティティとの間の無線接続の変化を検出するステップを含むことができ、この場合に無線接続の変化は、UEがアイドル状態に入ることに関連付けられる。たとえば、到達可能性維持構成要素101の無線接続変化構成要素104は、UE110とピアエンティティ130との間の無線接続117の変化を検出するように構成されてよく、この場合に無線接続117の変化は、UE110がアイドル状態に入ることに関連付けられる。一態様では、無線接続117の変化は、無線接続117の利用量がしきい値を下回ることであり得る。一例として、無線接続117の不活動の結果として、無線接続117の利用量がしきい値を下回り得る。さらなる一例では、UE110とピアエンティティ130との間のデータセッション終了の結果として、無線接続117の利用量がしきい値を下回り得る。
【0038】
別の態様では、無線接続117の変化は、UE110とサービングセルとの間の接続の品質メトリックがしきい値を下回ることであり得る。さらなる態様では、無線接続117の変化は、UE110とピアエンティティ130との間の無線接続117が解放されることであり得る。一例として、無線接続117を解放することは、無線接続117に関連付けられるシグナリング無線ベアラ(SRB)および無線リソースをネットワークから外すことを含み得る。
【0039】
本態様では、UE110は無線接続117の解放を開始することができる。一例として、UE110は、UE110の休眠、UE110が「サービス中止」要求を実行していること、またはすべての無線接続が無効になる「機内モード」にUE110が入ることに起因して、無線接続117の解放を開始することができる。本態様における代替として、さらなる態様では、ネットワークエンティティ120などのネットワークエンティティが無線接続117の解放を開始することもできる。一例として、ネットワークエンティティ120は、UE110が無線リソース制御(RRC)専用チャネル(Cell_DCH)状態から、またはRRC順方向アクセスチャネル(Cell_FACH)状態からティアダウンすることを要求し得る。
【0040】
220において、方法200は、無線状態の変化が検出されたことに応答して、UEがアイドル状態に入ること、およびUEがアイドル状態にある間に指定持続時間にわたり到達可能であることを示す指示をピアエンティティに通信するステップを含むことができる。たとえば、UE110の指示通信構成要素105は、無線接続変化構成要素104が無線接続117の変化を検出したことに応答して、UE110がアイドル状態に入ること、およびUE110がアイドル状態にある間に指定持続時間(たとえば、指定持続時間106)にわたり到達可能であることを示す指示(たとえば、指示118)をピアエンティティ130に通信するように構成され得る。
【0041】
一態様では、指示118は、UE110のモデムプロセッサ(たとえば、モデムプロセッサ構成要素112)からピアエンティティ130のモデムプロセッサ(たとえば、モデムプロセッサ構成要素132)に通信され得る。別の態様では、UE110のモデムプロセッサ構成要素112は、UE110がアイドル状態に入ることを知らせる通知をアプリケーション115に提供することができる。代替態様では、モデムプロセッサ構成要素112は、アプリケーションプロセッサ構成要素114を通じてUE110上のアプリケーション115に通知を通信することができる。一例として、通知は、パケットにおけるメッセージフィールドまたは設定された1つもしくは複数のフラグであり得る。本態様ではさらに、モデムプロセッサは、アプリケーションプログラミングインターフェース113などのアプリケーションプログラミングインターフェースをアプリケーションプロセッサに提供することができる。本態様では、アプリケーションプログラミングインターフェース113は、UE110がアイドル状態にあるときにアプリケーションプロセッサがモデムプロセッサの機能を呼び出すことを可能にする。
【0042】
230において、方法200は、ピアエンティティが指定持続時間中にUEに到達しようとすることができないことを示す第2の指示118をピアエンティティに通信するステップを随意に含むことができる。一例として、UE110の指示通信構成要素105は、ピアエンティティ130が指定持続時間106中にUE110に到達しようとすることができないことを示す指示118をピアエンティティ130に通信することができる。ピアエンティティ130がUE110に到達しようとすることができないことを示す指示は、たとえば、無線状態が引き続き正常であるが、無線ネットワークまたはモバイルデバイス(たとえば、UE110)が、いくつか例を挙げると不活動、データセッション終了、またはモバイルデバイスの休眠を含み得る様々な通常の理由により、無線接続をティアダウンすることを決定し得るときに生じ得る。したがって、いくつかの態様では、ピアエンティティ130(たとえば、無線リンク通信構成要素131)は、UE110がアイドル状態に入ること、およびUE110がアイドル状態にある間に指定持続時間にわたり到達可能であることを示す第1の指示を受信し得る。ピアエンティティ130(たとえば、無線リンク通信構成要素131)は、第1の指示に応答して指定持続時間中にUE110に到達すること、UE110と連絡を取ること、またはUE110と通信することができる。他の態様では、ピアエンティティ130(たとえば、無線リンク通信構成要素131)は、ピアエンティティ130が指定持続時間中にUE110に到達しようとすることができないことを示す第2の指示をUE110から受信することがあり、その結果、ピアエンティティ130(たとえば、無線リンク通信構成要素131)は、第2の指示に応答して指定持続時間中にUE110に到達するのを控えることができる。
【0043】
240において、方法200は、指示をピアエンティティに通信した後にアイドル状態に入るステップを含むことができる。一例として、アイドル状態構成要素108は、指示通信構成要素105がピアエンティティ130に指示118を通信した後にUE110にアイドル状態に入らせることができる。
【0044】
図3を参照すると、UEの到達可能性を維持するための別の方法300の態様が、
図1のUE110によって実行され得る。UE110は、
図1のピアエンティティ130などのピアエンティティと通信していることがあり、この場合にUE110のアプリケーション115は、
図1の無線接続117などの無線接続を介してピアエンティティ130のアプリケーション133と通信する。
【0045】
310において、方法300は、UEとピアエンティティとの間の無線接続の変化を検出するステップを含むことができ、この場合に検出するステップは、UEとサービングセルとの間の接続の品質メトリックがしきい値を下回ることを検出するステップを含む。一例として、到達可能性維持構成要素101の無線接続変化構成要素104は、UE110とサービングセルとの間の接続の品質メトリックがしきい値を下回ることを検出し得る。一態様では、品質メトリックは信号品質メトリックであり得る。別の態様では、品質メトリックは信号強度メトリックであり得る。さらなる態様では、品質メトリックは信号対干渉プラス雑音(SINR)比であり得る。
【0046】
320において、方法300は、UEとサービングセルとの間の接続の品質メトリックがしきい値を下回ることに応答して無線回復手順を開始するステップを含み得る。一例として、UE110の無線回復構成要素109は、UE110とサービングセルとの間の接続の品質メトリックがしきい値を下回ることを無線接続変化構成要素104が検出したことに応答して無線回復手順を開始することができる。
【0047】
330において、方法300は、無線回復手順が失敗したかどうかを判断するステップを含むことができる(様々な無線リンク障害基準および無線リンク障害に伴う行為については、3GPP TS25.331 section 8.5.6に記述されている)。一例として、UE110の無線回復構成要素109は、無線回復手順が失敗したかどうかを判断することができる。
【0048】
340において、方法300は、無線状態の変化が検出されたことに応答して、UEがアイドル状態に入ること、およびUEがアイドル状態にある間に指定持続時間にわたり到達可能であることを示す指示をピアエンティティに通信するステップを含むことができる。たとえば、UE110の指示通信構成要素105は、無線接続変化構成要素104が無線接続117の変化を検出したことに応答して、UE110がアイドル状態に入ること、およびUE110がアイドル状態にある間に指定持続時間106にわたり到達可能であることを示す指示118をピアエンティティ130に通信するように構成され得る。
【0049】
350において、方法300は、無線回復が失敗したとの判断に応答してアイドル状態に入るステップを含むことができる。一例として、アイドル状態構成要素108は、無線回復手順が失敗したと無線回復構成要素109の回復手順失敗検出モジュール111が判断したことに応答して、UE110にアイドル状態に入らせることができる。
【0050】
図4は、UEの到達可能性を維持するように構成された態様を有する処理システム414を使用する装置400のハードウェア実装の一例を示すブロック図である。処理システム414を使用する装置400は、いずれも
図1にあるUE110、ネットワークエンティティ120、および/またはピアエンティティ130であり得る。この例では、処理システム414は、バス402によって全般的に表されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス402は、処理システム414の具体的な用途および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続するバスおよびブリッジを含み得る。バス402は、プロセッサ404によって概略的に表される1つまたは複数のプロセッサ、およびコンピュータ可読媒体406によって概略的に表されるコンピュータ可読媒体を含む様々な回路を互いにリンクさせる。一態様では、バス402はまた、
図1に関して本明細書で説明したように、UE110の1つもしくは複数の構成要素および/または到達可能性維持構成要素101を互いにリンクさせる。別の態様では、バス402は、
図1に関して本明細書で説明したように、ピアエンティティ130の1つまたは複数の構成要素を互いにリンクさせることもできる。さらなる態様では、個別のエンティティであるというよりむしろ、到達可能性維持構成要素によって実行される機能は、メモリ404および/またはコンピュータ可読媒体406と連携して動作するプロセッサ404によって実施され得る。
【0051】
バス402は、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路をリンクさせることもでき、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上は説明しない。バスインターフェース408は、バス402とトランシーバ410との間にインターフェースを提供する。トランシーバ410は、送信媒体上の様々な他の装置と通信するための手段を提供する。また、装置の性質に応じて、ユーザインターフェース412(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティックなど)が設けられてもよい。
【0052】
プロセッサ404は、バス402の管理、およびコンピュータ可読媒体406上に記憶されたソフトウェアの実行を含む全般的な処理を受け持つ。ソフトウェアは、プロセッサ404によって実行されると、任意の特定の装置の以下で説明される様々な機能を処理システム414に実行させる。コンピュータ可読媒体406は、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ404によって操作されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0053】
図5は、本明細書で開示する原理に基づいてUEにおける到達可能性を維持するためのシステム500を示している。たとえば、システム500は、
図1のUE110において実装され得る。システム500は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実施される機能を表す機能ブロックであり得る、機能ブロックを含むものとして表されていることを諒解されたい。システム500は、連携して動作することができる電気的構成要素の論理グルーピング510を含む。たとえば、論理グルーピング510は、UEとピアエンティティとの間の無線接続の変化を検出するための電気的構成要素511を含むことができ、この場合に無線接続の変化は、UEがアイドル状態に入ることに関連付けられる。さらに、論理グルーピング510は、無線状態の変化が検出されたことに応答して、UEがアイドル状態に入ること、およびUEがアイドル状態にある間に指定持続時間にわたり到達可能であることを示す指示をピアエンティティに通信するための電気的構成要素512を含むことができる。さらに、論理グルーピング510は、指示をピアエンティティに通信した後にアイドル状態に入るための電気的構成要素513を含むことができる。
【0054】
さらに、システム500は、電気的構成要素511〜513に関連付けられた機能を実行するための命令を保持するメモリ520を含むことができる。一態様では、メモリ520は、
図4のコンピュータ可読媒体406などのコンピュータ可読媒体(たとえば、非一時的コンピュータ可読媒体)を含むことができる。別の態様では、メモリ520は、
図4のプロセッサ404などのプロセッサに組み込まれ得る。電気的構成要素511〜513は、メモリ520の外部にあるものとして示されているが、これらの電気的構成要素のうちの1つまたは複数は、メモリ520内に存在し得ることを理解されたい。一例では、電気的構成要素511〜513は、少なくとも1つのプロセッサを含むことができ、または、各電気的構成要素511〜513は、
図4のプロセッサ404などの少なくとも1つのプロセッサの対応するモジュールとすることができる。さらに、追加または代替の例では、電気的構成要素511〜513は、
図4のコンピュータ可読媒体406などのコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品とすることができ、各電気的構成要素511〜513は、対応するコードとすることができる。
【0055】
本開示全体にわたって提示される様々な概念は、広範な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実装され得る。限定されるものではないが、例として、
図6に示される本開示の態様は、W-CDMAエアインターフェースを使用する、UEの到達可能性を維持するように構成された態様を有するUMTSシステム600を参照して示される。
【0056】
UMTSネットワークは、コアネットワーク(CN)604、UMTS Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)602、およびユーザ機器(UE)610の3つの相互作用する領域を含む。この例では、UTRAN602は、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャスト、および/または他のサービスを含む様々なワイヤレスサービスを提供する。UTRAN602は、無線ネットワークコントローラ(RNC)606などのそれぞれのRNCによって各々制御される、無線ネットワークサブシステム(RNS)607などの複数のRNSを含み得る。ここで、UTRAN602は、本明細書で説明するRNC606およびRNS607に加えて、任意の数のRNC606およびRNS607を含むことができる。RNC606は、とりわけ、RNS607内の無線リソースの割り当て、再構成、および解放を担う装置である。RNC606は、任意の適切なトランスポートネットワークを使用する、直接の物理接続、仮想ネットワークなど様々なタイプのインターフェースを介して、UTRAN602中の他のRNC(図示せず)に相互接続され得る。
【0057】
UE610(たとえば、
図1の到達可能性維持構成要素101を含むUE110および/またはピアエンティティ130)とNodeB608(たとえば、いずれも
図1にある、ネットワークエンティティ120、および/またはUE110とネットワークエンティティ120との間またはUE110とピアエンティティ130との間のワイヤレス通信を提供するように構成された基地局)との間の通信は、物理(PHY)層および媒体アクセス制御(MAC)層を含むものと見なされ得る。さらに、それぞれのNodeB608によるUE610とRNC606との間の通信は、無線リソース制御(RRC)層を含むものと見なされ得る。本明細書では、PHY層は、層1と見なされ、MAC層は、層2と見なされ、RRC層は、層3と見なされ得る。以下で提供される情報は、参照により本明細書に組み込まれるRRC Protocol Specification、3GPP TS 25.331 v9.1.0に述べられている用語を使用する。
【0058】
RNS607によってカバーされる地理的領域は、いくつかのセルに分けることができ、無線トランシーバ装置が各セルにサービスする。無線トランシーバ装置は、通常、UMTS適用例ではNodeBと呼ばれるが、当業者によって、基地局(BS)、送受信基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。明快にするために、各RNS607に3つのNodeB608が示されているが、RNS607は、任意の数のワイヤレスNodeBを含んでもよい。NodeB608は、ワイヤレスアクセスポイントを任意の数のモバイル装置のためのCN604に提供する。モバイル装置の例には、携帯電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオ装置、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤなど)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の類似の機能デバイスなどがある。モバイル装置は、通常、UMTS適用例ではUEと呼ばれるが、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれることもある。UMTSシステムでは、UE610は、ネットワークへのユーザの加入情報を含む汎用加入者識別モジュール(USIM)611をさらに含み得る。説明のために、1つのUE610がいくつかのNodeB608と通信しているように示される。順方向リンクとも呼ばれるダウンリンク(DL)は、NodeB608からUE610への通信リンクを指し、逆方向リンクとも呼ばれるアップリンク(UL)は、UE610からNodeB608への通信リンクを指す。
【0059】
CN604は、UTRAN602など1つまたは複数のアクセスネットワークとインターフェースをとる。図示のように、CN604は、GSM(登録商標)コアネットワークである。しかしながら、当業者が認識するように、GSM(登録商標)ネットワーク以外のタイプのCNへのアクセスをUEに提供するために、本開示全体にわたって提示される様々な概念を、RANまたは他の適切なアクセスネットワークにおいて実装することができる。
【0060】
CN604は、回線交換(CS)領域およびパケット交換(PS)領域を含む。回線交換要素のいくつかは、モバイルサービス交換センター(MSC)、ビジターロケーションレジスタ(VLR)、およびゲートウェイMSCである。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)、およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)を含む。EIR、HLR、VLR、およびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換領域とパケット交換領域の両方によって共有され得る。図示の例では、CN604は、MSC612およびGMSC614によって回線交換サービスをサポートする。いくつかの用途では、GMSC614は、メディアゲートウェイ(MGW)とも呼ばれ得る。RNC606のような1つまたは複数のRNCが、MSC612に接続され得る。MSC612は、呼設定、呼ルーティング、およびUEモビリティ機能を制御する装置である。MSC612は、UEがMSC612のカバレッジエリア内にある間に加入者関連の情報を格納するVLRも含む。GMSC614は、UEが回線交換ネットワーク616にアクセスするためのゲートウェイを、MSC612を通じて提供する。GMSC614は、特定のユーザが加入したサービスの詳細を反映するデータのような加入者データを格納するホームロケーションレジスタ(HLR)615を含む。HLRは、加入者に固有の認証データを格納する認証センター(AuC)とも関連付けられている。特定のUEについて、呼が受信されると、GMSC614は、UEの位置を判断するためにHLR615に問い合わせ、その位置でサービスする特定のMSCに呼を転送する。
【0061】
CN604はまた、サービングGPRSサポートノード(SGSN)618およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)620によって、パケットデータサービスをサポートする。汎用パケット無線サービスを表すGPRSは、標準の回線交換データサービスで可能なものよりも速い速度でパケットデータサービスを提供するよう設計されている。GGSN620は、パケットベースネットワーク622へのUTRAN602の接続を提供する。パケットベースネットワーク622は、インターネット、プライベートデータネットワーク、または何らかの他の適切なパケットベースネットワークでもよい。GGSN620の一次機能は、UE610にパケットベースネットワーク接続を提供することである。データパケットは、MSC612が回線交換領域において実行するのと同じ機能をパケットベース領域において主に実行するSGSN618を介して、GGSN620とUE610との間で転送され得る。
【0062】
UMTSのエアインターフェースは、スペクトラム拡散直接シーケンス符号分割多元接続(DS-CDMA)システムを利用してよい。スペクトラム拡散DS-CDMAは、チップと呼ばれる一連の疑似ランダムビットとの乗算によって、ユーザデータを拡散させる。UMTSの「広帯域」W-CDMAエアインターフェースは、そのような直接シーケンススペクトラム拡散技術に基づいており、さらに周波数分割複信(FDD)を必要とする。FDDは、NodeB608とUE610との間のULおよびDLに異なるキャリア周波数を使用する。DS-CDMAを利用し、時分割複信(TDD)を使用するUMTSの別のエアインターフェースは、TD-SCDMAエアインターフェースである。本明細書で説明される様々な例は、W-CDMAエアインターフェースを指し得るが、基礎をなす原理はTD-SCDMAエアインターフェースに等しく適用可能であり得ることを、当業者は理解するだろう。
【0063】
HSPAエアインターフェースは、スループットの向上および遅延の低減を支援する、3G/W-CDMAエアインターフェースに対する一連の拡張を含む。前のリリースに対する他の修正には、HSPAが、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、チャネル送信の共有、ならびに適応変調および適応符号化を利用する。HSPAを定義する規格は、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)およびHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス、拡張アップリンクまたはEULとも呼ばれる)を含む。
【0064】
HSDPAは、高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)を、トランスポートチャネルとして利用する。HS-DSCHは、高速物理ダウンリンク共有チャネル(HS-PDSCH)、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)、および高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)という、3つの物理チャネルによって実装される。
【0065】
これらの物理チャネルの中でも、HS-DPCCHは、対応するパケット送信の復号が成功したかどうかを示すための、HARQ ACK/NACKシグナリングをアップリンクで搬送する。つまり、ダウンリンクに関して、UE610は、ダウンリンク上のパケットを正常に復号したかどうかを示すために、HS-DPCCHを通じてフィードバックをNodeB608に与える。
【0066】
HS-DPCCHはさらに、変調方式と符号化方式の選択、およびプリコーディングの重みの選択に関して、NodeB608が正しい決定を行うのを支援するための、UE610からのフィードバックシグナリングを含み、このフィードバックシグナリングはCQIおよびPCIを含む。
【0067】
「HSPA Evolved」またはHSPA+は、MIMOおよび64-QAMを含むHSPA規格の進化形であり、スループットの増大およびパフォーマンスの向上を可能にする。つまり、本開示のある態様では、NodeB608および/またはUE610は、MIMO技術をサポートする複数のアンテナを有し得る。MIMO技術の使用により、NodeB608は空間領域を活用して、空間多重化、ビームフォーミング、および送信ダイバーシティをサポートすることができる。
【0068】
多入力多出力(MIMO)は、マルチアンテナ技術、すなわち複数の送信アンテナ(チャネルへの複数の入力)および複数の受信アンテナ(チャネルからの複数の出力)を指す際に一般に使用される用語である。MIMOシステムは一般にデータ伝送パフォーマンスを高め、ダイバーシティ利得がマルチパスフェージングを低減させて伝送品質を高めること、および空間多重化利得がデータスループットを向上させることを可能にする。
【0069】
空間多重化を使用して、同じ周波数で同時に様々なデータストリームを送信することができる。データストリームを単一のUE610に送信してデータレートを上げること、または複数のUE610に送信して全体的なシステム容量を拡大することができる。これは、各データストリームを空間的にプリコーディングし、次いで空間的にプリコーディングされた各ストリームをダウンリンクで異なる送信アンテナを介して送信することによって達成される。空間的にプリコーディングされたデータストリームは、様々な空間シグネチャを伴いUE610に到着し、これによりUE610の各々は、当該UE610に向けられた1つまたは複数のデータストリームを回復することができる。アップリンク上では、各UE610は、1つまたは複数の空間的にプリコーディングされたデータストリームを送信することができ、これによりNodeB608は空間的にプリコーディングされた各データストリームのソースを識別することができる。
【0070】
空間多重化は、チャネル状態が良好なときに使用できる。チャネル状態がさほど好ましくないときは、ビームフォーミングを使用して送信エネルギーを1つもしくは複数の方向に集中させること、またはチャネルの特性に基づいて送信を改善することができる。これは、複数のアンテナを介して送信するデータストリームを空間的にプリコーディングすることによって達成できる。セルの端において良好なカバレージを達成するために、シングルストリームビームフォーミング伝送を送信ダイバーシティと組み合わせて使用できる。
【0071】
一般に、n個の送信アンテナを利用するMIMOシステムの場合、同じチャネル化コードを利用して同じキャリアでn個のトランスポートブロックが同時に送信され得る。n個の送信アンテナで送られる異なるトランスポートブロックは、互いに同じまたは異なる変調方式および符号化方式を有し得ることに留意されたい。
【0072】
一方、単入力多出力(SIMO)は一般に、単一の送信アンテナ(チャネルへの単一の入力)および複数の受信アンテナ(チャネルからの複数の出力)を利用するシステムを指す。それによって、SIMOシステムでは、単一のトランスポートブロックがそれぞれのキャリアで送られ得る。
【0073】
図7を参照すると、UEの到達可能性を維持するように構成された態様を有するUTRANアーキテクチャのアクセスネットワーク700が示されている。多元接続ワイヤレス通信システムは、セル702、704、および706を含む複数のセルラー領域(セル)を含み、セルの各々は、1つまたは複数のセクタを含み得る。複数のセクタはアンテナのグループによって形成されてよく、各々のアンテナがセルの一部にあるUEとの通信を担う。たとえば、セル702において、アンテナグループ712、714、および716は、各々異なるセクタに対応し得る。セル704において、アンテナグループ718、720、および722は、各々異なるセクタに対応する。セル706において、アンテナグループ724、726、および728は、各々異なるセクタに対応する。セル702、704、および706は、各セル702、704、または706の1つまたは複数のセクタと通信していてもよい、いくつかのワイヤレス通信デバイス、たとえばユーザ機器またはUEを含み得る。たとえば、UE730および732は、NodeB742と通信していてもよく、UE734および736は、NodeB744と通信していてもよく、UE738および740は、NodeB746と通信していてもよい。ここで、各NodeB742、744、746は、それぞれのセル702、704、および706の中のすべてのUE730、732、734、736、738、740のために、CN604(
図6参照)へのアクセスポイントを提供するように構成される。UE730、732、734、736、738、および740は、
図1のUE110および/またはピアエンティティ130であり得る。NodeB742、744、および746は、いずれも
図1にあるUE110、ネットワークエンティティ120、およびピアエンティティ130の間のワイヤレス通信を提供するように構成された基地局であり得る。
【0074】
UE734がセル704における図示された位置からセル706に移動するとき、サービングセル変更(SCC)またはハンドオーバが生じて、UE734との通信が、ソースセルと呼ばれ得るセル704からターゲットセルと呼ばれ得るセル706に移行することがある。UE734において、それぞれのセルに対応するNodeBにおいて、無線ネットワークコントローラ606(
図6参照)において、またはワイヤレスネットワークにおける別の適切なノードにおいて、ハンドオーバプロシージャの管理が生じ得る。たとえば、ソースセル704との呼の間、または任意の他の時間において、UE734は、ソースセル704の様々なパラメータ、ならびに、セル706、および702のような近隣セルの様々なパラメータを監視することができる。さらに、これらのパラメータの品質に応じて、UE734は、近隣セルの1つまたは複数との通信を保つことができる。この期間において、UE734は、UE734が同時に接続されるセルのリストであるアクティブセットを保持することができる(すなわち、ダウンリンク専用物理チャネルDPCHまたはフラクショナルダウンリンク専用物理チャネルF-DPCHをUE734に現在割り当てているUTRAセルが、アクティブセットを構成し得る)。
【0075】
アクセスネットワーク500によって用いられる変調方式および多元接続方式は、導入されている特定の電気通信規格に応じて異なり得る。例として、規格は、Evolution-Data Optimized(EV-DO)またはUltra Mobile Broadband(UMB)を含み得る。EV-DOおよびUMBは、CDMA2000規格ファミリーの一部として第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)によって公表されたエアインターフェース規格であり、CDMAを用いて移動局にブロードバンドインターネットアクセスを提供する。規格は代替的に、広帯域CDMA(W-CDMA)およびTD-SCDMAなどのCDMAの他の変形態を用いるUniversal Terrestrial Radio Access(UTRA)、TDMAを用いるGlobal System for Mobile Communications(GSM(登録商標))、ならびにOFDMAを用いるEvolved UTRA(E-UTRA)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、およびFlash-OFDMであり得る。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE Advanced、およびGSM(登録商標)は、3GPP団体による文書に記述されている。CDMA2000およびUMBは、3GPP2団体による文書に記述されている。実際の利用されるワイヤレス通信規格、多元接続技術は、具体的な用途およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0076】
無線プロトコルアーキテクチャは、具体的な用途に応じて様々な形態をとり得る。ここでHSPAシステムに関する一例を、
図8を参照して提示する。
【0077】
図8を参照すると、例示的な無線プロトコルアーキテクチャ800は、UEの到達可能性を維持するように構成された態様を有するNodeB/基地局(たとえば、いずれも
図1にある、UE110とピアエンティティ130との間、もしくはUE110とネットワークエンティティ120との間のワイヤレス通信を提供するように構成された基地局)またはUE(たとえば、
図1のUE110および/もしくはピアエンティティ130)のユーザプレーン802および制御プレーン804に関係する。UEおよびNodeBの無線プロトコルアーキテクチャ800は、層1 806、層2 808、および層3 810という3つの層で示される。層1 806は最下層であり、様々な物理層の信号処理機能を実装する。したがって、層1 806は物理層807を含む。層2(L2層)808は、物理層807の上にあり、物理層807を通じたUEとNodeBとの間のリンクを担う。層3(L3層)810は、無線リソース制御(RRC)サブレイヤ815を含む。RRCサブレイヤ815は、UEとUTRANとの間の層3の制御プレーンシグナリングを処理する。
【0078】
ユーザプレーンでは、L2層808は、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ809、無線リンク制御(RLC)サブレイヤ811、およびパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ813を含み、これらはネットワーク側のNodeBで終端する。示されないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端するネットワーク層(たとえばIP層)と、接続の他の端部(たとえば、遠端のUE、サーバなど)で終端するアプリケーション層とを含めて、L2層808より上にいくつかの上位層を有し得る。
【0079】
PDCPサブレイヤ813は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を行う。PDCPサブレイヤ813はまた、無線送信のオーバーヘッドを低減するための上位層データパケットのヘッダ圧縮、データパケットの暗号化によるセキュリティ、および、NodeB間のUEのハンドオーバのサポートを実現する。RLCサブレイヤ811は、上位層のデータパケットのセグメント化および再構築、失われたデータパケットの再送信、ならびに、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)による順序の狂った受信を補償するためのデータパケットの再順序付けを行う。MACサブレイヤ809は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ809はまた、1つのセルの中の様々な無線リソース(たとえばリソースブロック)の複数のUEへの割り当てを担う。MACサブレイヤ809はまた、HARQ動作も担う。
【0080】
図9は、UE950の到達可能性を維持するように構成された態様を有するUE950と通信しているNodeB910のブロック図である。一態様では、NodeB910は、
図6のNodeB608、
図1のネットワークエンティティ120、および/または
図1のUE110とピアエンティティ130との間のワイヤレス通信を提供するように構成された基地局であってもよく、UE950は、
図6のUE610、
図1のUE110、および/または
図1のピアエンティティ130であってもよい。ダウンリンク通信では、送信プロセッサ920は、データ源912からデータを受信し、コントローラ/プロセッサ940から制御信号を受信することができる。送信プロセッサ920は、参照信号(たとえばパイロット信号)とともに、データ信号および制御信号のための様々な信号処理機能を提供する。たとえば、送信プロセッサ920は、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC)コード、順方向誤り訂正(FEC)を支援するための符号化およびインターリービング、様々な変調方式(たとえば、二位相偏移変調(BPSK)、四位相偏移変調(QPSK)、M-位相偏移変調(M-PSK)、M-直角位相振幅変調(M-QAM)など)に基づいた信号配列へのマッピング、直交可変拡散率(OVSF)による拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングコードとの乗算を、提供することができる。送信プロセッサ920のための、符号化方式、変調方式、拡散方式および/またはスクランブリング方式を決定するために、チャネルプロセッサ944からのチャネル推定が、コントローラ/プロセッサ940によって使われ得る。これらのチャネル推定は、UE950によって送信される参照信号から、またはUE950からのフィードバックから、導出され得る。送信プロセッサ920によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ930に与えられる。送信フレームプロセッサ930は、コントローラ/プロセッサ940からの情報とシンボルとを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いでこのフレームは送信機932に与えられ、送信機932は、アンテナ934を通じたワイヤレス媒体によるダウンリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。アンテナ934は、たとえば、ビームステアリング双方向適応アンテナアレイまたは他の同様のビーム技術を含む、1つまたは複数のアンテナを含み得る。
【0081】
UE950において、受信機954は、アンテナ952を通じてダウンリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上へ変調されている情報を回復する。受信機954によって回復された情報は、受信フレームプロセッサ960に与えられ、受信フレームプロセッサ960は、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ994に提供し、データ信号、制御信号、および参照信号を受信プロセッサ970に提供する。受信プロセッサ970は次いで、NodeB910中の送信プロセッサ920によって実行される処理の逆を実行する。より具体的には、受信プロセッサ970は、シンボルを逆スクランブルおよび逆拡散し、次いで変調方式に基づいて、NodeB910によって送信された、最も可能性の高い信号配列点を求める。これらの軟判定は、チャネルプロセッサ994によって計算されるチャネル推定に基づき得る。そして軟判定は、データ信号、制御信号、および参照信号を回復するために、復号されてデインターリーブされる。そして、フレームの復号が成功したかどうか判断するために、CRCコードが確認される。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータがデータシンク972に与えられ、データシンク972は、UE950および/または様々なユーザインターフェース(たとえばディスプレイ)において実行されているアプリケーションを表す。復号に成功したフレームが搬送する制御信号は、コントローラ/プロセッサ990に与えられる。一態様では、UE950は、到達可能性維持構成要素101を含み得るコントローラ/プロセッサを含むことができる。受信プロセッサ970によるフレームの復号が失敗すると、コントローラ/プロセッサ990は、確認応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを用いて、そうしたフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
【0082】
アップリンクでは、データ源978からのデータおよびコントローラ/プロセッサ990からの制御信号が、送信プロセッサ980に与えられる。データ源978は、UE950で実行されているアプリケーションおよび様々なユーザインターフェース(たとえばキーボード)を表し得る。NodeB910によるダウンリンク送信に関して説明する機能と同様に、送信プロセッサ980は、CRCコード、FECを支援するための符号化およびインターリービング、信号配列へのマッピング、OVSFによる拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングを含む、様々な信号処理機能を提供する。NodeB910によって送信される参照信号から、または、NodeB910によって送信されるミッドアンブル中に含まれるフィードバックから、チャネルプロセッサ994によって導出されるチャネル推定が、適切な符号化方式、変調方式、拡散方式、および/またはスクランブリング方式を選択するために、使われ得る。送信プロセッサ980によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ982に与えられる。送信フレームプロセッサ982は、コントローラ/プロセッサ990からの情報とシンボルとを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いでこのフレームは送信機956に与えられ、送信機956は、アンテナ952を通じたワイヤレス媒体によるアップリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。
【0083】
アップリンク送信は、UE950において受信機機能に関して説明されたのと同様の方式で、NodeB910において処理される。受信機935は、アンテナ934を通じてアップリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上へ変調されている情報を回復する。受信機935によって回復された情報は、受信フレームプロセッサ936に与えられ、受信フレームプロセッサ936は、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ944に提供し、データ信号、制御信号、および参照信号を受信プロセッサ938に提供する。受信プロセッサ938は、UE950中の送信プロセッサ980によって実行される処理の逆を実行する。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータ信号および制御信号が、データシンク939およびコントローラ/プロセッサにそれぞれ与えられ得る。フレームの一部が、受信プロセッサによる復号に失敗すると、コントローラ/プロセッサ940は、確認応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを用いて、そうしたフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
【0084】
コントローラ/プロセッサ940および990は、それぞれNodeB910およびUE950における動作を指示するために使われ得る。たとえば、コントローラ/プロセッサ940および990は、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電力管理、および他の制御機能を含む、様々な機能を提供することができる。メモリ942および992のコンピュータ可読媒体は、それぞれ、NodeB910およびUE950のためのデータおよびソフトウェアを記憶することができる。NodeB910におけるスケジューラ/プロセッサ946は、リソースをUEに割り振り、UEのダウンリンク送信および/またはアップリンク送信をスケジューリングするために、使われ得る。
【0085】
W-CDMAシステムを参照して、電気通信システムのいくつかの態様を示してきた。当業者が容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明する様々な態様は、他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャおよび通信規格に拡張され得る。
【0086】
例として、様々な態様は、他のUMTS、たとえばTD-SCDMA、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、高速パケットアクセスプラス(HSPA+)およびTD-CDMAに拡張され得る。様々な態様はまた、Long Term Evolution(LTE)(FDD、TDD、またはこれら両方のモードによる)、LTE-Advanced(LTE-A)(FDD、TDD、またはこれら両方のモードによる)、CDMA2000、Evolution-Data Optimized(EV-DO)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Ultra-Wideband(UWB)、Bluetooth(登録商標)、および/または他の適切なシステムを利用するシステムに拡張され得る。実際の利用される電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、具体的な用途およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0087】
本開示の様々な態様によれば、要素または要素の一部分または要素の組合せを、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」で実装できる。プロセッサの例として、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理回路、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実施するように構成された他の適切なハードウェアがある。処理システム内の1つまたは複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。ソフトウェアはコンピュータ可読媒体上に存在し得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体であってよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、例として、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、取り外し可能ディスク、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の適切な媒体を含む。また、コンピュータ可読媒体は、例として、搬送波、伝送路、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を送信するための任意の他の適切な媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体は、処理システムの中に存在してもよく、処理システムの外に存在してもよく、または処理システムを含む複数のエンティティに分散してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品として具現化され得る。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料内のコンピュータ可読媒体を含み得る。当業者は、具体的な用途およびシステム全体に課される全体的な設計制約に応じて、本開示全体にわたって示される説明する機能を最善の形で実装する方法を認識するだろう。
【0088】
開示した方法におけるステップの特定の順序または階層は例示的なプロセスを示していることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層は再構成可能であることを理解されたい。添付の方法クレームは、サンプル的順序で様々なステップの要素を提示しており、クレーム内で明記していない限り、提示した特定の順序または階層に限定されるように意図されているわけではない。
【0089】
上記の説明は、本明細書で説明する様々な態様を当業者が実施できるようにするために与えられる。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般的原理は他の態様に適用され得る。したがって、請求項は本明細書で示す態様に限定されるよう意図されているわけではなく、請求項の文言と整合するすべての範囲を許容するように意図されており、単数の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」ではなく、「1つまたは複数の」を意味するよう意図されている。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は「1つまたは複数の」を意味する。項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」という語句は、単一の要素を含め、それらの項目の任意の組合せを意味する。たとえば、「a、bまたはcのうちの少なくとも1つ」は、「a」、「b」、「c」、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、「a、bおよびc」を含むことが意図されている。当業者が知っているか、後に知ることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素と構造的かつ機能的に同等のものはすべて、参照により本明細書に明確に組み込まれ、請求項によって包含されることが意図される。また、本明細書で開示する内容は、そのような開示が請求項で明記されているか否かにかかわりなく、公に供することは意図されていない。請求項のいかなる要素も、「のための手段」という語句を使用して要素が明記されている場合、または方法クレームで「のためのステップ」という語句を使用して要素が記載されている場合を除き、米国特許法第112条第6項の規定に基づき解釈されることはない。