(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のオーディオデータ閾値条件を満たすことは、閾値レベルのオーディオ信号振幅に達した後、より低い振幅のオーディオデータの期間が持続することを含む、請求項1に記載の方法。
繰り返されるオーディオデータの前記1つ又は複数の部分は、オーディオデータの閾値振幅、振幅の閾値極大値、振幅の極大値の後に前記オーディオデータの振幅低下が持続すること、及びパターン認識によって識別されるオーディオデータのパターン内のデータ点を含む部分群から選択される、請求項4に記載の方法。
繰り返されるオーディオデータの前記1つ又は複数の部分は、オーディオデータの閾値振幅、振幅の閾値極大値、振幅の極大値の後に前記オーディオデータの振幅低下が持続すること、及びパターン認識によって識別されるオーディオデータのパターン内のデータ点を含む部分群から選択される、請求項10に記載の方法。
繰り返されるオーディオデータの前記1つ又は複数の部分は、家具ユニット又は前記家具ユニットに取り付けられたサウンドデバイスの1つ又は複数の律動的振動から生成されるオーディオデータを含む、請求項10に記載の方法。
前記オーディオデータ閾値条件を満たすことは、閾値レベルのオーディオ信号振幅の後、より低い振幅のオーディオデータの持続期間が検出されることを含む、請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に記載される装置及び方法は、発作を検出し、発作関連イベントを介護者に適時警告するのに使用され得、検出された発作イベントが、てんかんの突然死(SUDEP)を含む悪影響の特定の危険性を呈し得ることの早期表示を提供するのに更に使用し得る。装置は、患者又は患者の衣服に取り付けられるセンサを含んでいてもよく、筋電図検査(EMG)を使用して筋電気活動を測定するように構成され得る。EMG電極及び/又は他のセンサを使用した発作の検出については、例えば、本出願人の米国特許出願第13/275,309号及び同第13/542,596号並びに本出願人の米国仮特許出願第61/875,429号、同第61,910,827号、同第61/915,236号、同第61/969,660号、同第61/979,225号、及び同第62/001,302号に更に記載されており、これらのそれぞれの開示は参照により本明細書に完全に援用される。本明細書に記載されるように、音響センサは、患者の状態をモニタするのに更に使用され得、幾つかの実施形態では、オーディオデータは、音響センサから収集又は受信され得、且つ/又はEMGデータと共に記憶され得る。オーディオデータは、リアルタイム発作検出の正確性を強化するために使用され得、且つ/又は収集されたセンサデータのレビューで使用され得る。例えば、オーディオデータは、リアルタイムで収集され、分析され、患者が発作を起こしている可能性があることを介護者に警告するか否かについて判断する際に使用され得る。幾つかの実施形態では、オーディオデータは、1つ又は複数の早期時間期間又は発作前時間期間中に収集されるEMGデータを含め、EMGデータの1つ又は複数の部分に基づいて発作活動の検出を補強するのに使用され、EMGデータと組み合わせて、緊急応答又は他のアラーム応答の開始に使用され得る。収集されたオーディオデータは、モニタ期間後に分析され、発作又は発作関連イベントが生じたか否かを確認するために使用することもできる。
【0007】
幾つかの実施形態では、収集又は受信されたオーディオデータを使用して患者をモニタすることは、半自動的又は完全に自動的であり得る。例えば、モニタシステムは、発作活動に特有の特徴についてデータを分析するように構成されるプロセッサを使用して、遠隔介護者による解釈を必要としないで動作するように構成され得る。幾つかの実施形態では、プロセッサは、1つ又は複数の基準を満たす、オーディオデータに含まれる反復パターンを識別し、発作を示し、アラームをトリガーするか、又は別のシステム応答を開始するために使用され得る方法において、パターンの存在を評価するように構成され得る。そして、それらの方法は、介護者の入力又は解釈を必要としないで自動化され得る。代替的には、オーディオデータは、解釈のために遠隔介護者に送信され得る。特に、発作活動との関係が疑われるデータは、自動プログラムを使用して最初に識別されるか、又はスクリーニングされた後、レビューのために介護者に送信され得る。例えば、プロセッサは、発作活動に関連付けられたパターンを識別するように構成することができ、それらのパターンの存在が見つけられた場合、オーディオデータは、更なる解釈及び/又は発作活動の検証のために介護者に送信され得る。したがって、プロセッサは、オーディオデータを含む1つ若しくは複数のアルゴリズムを使用してアラームを直接トリガーするように構成され得るか、又は発作の存在を示す可能性が最も高いものを識別する音を他の音特徴からフィルタリングするように構成され得る。
【0008】
幾つかの実施形態では、オーディオデータは処理されて、発作検出アルゴリズムで使用するために1つ又は複数の入力値を計算できる。オーディオデータを組み込んだ検出アルゴリズムは、個々に又は他のデータと組み合わせて動作して、発作を検出し得る。例えば、幾つかの実施形態では、オーディオデータはモニタルーチンに入力されてもよく、モニタルーチンは、1つ又は複数のEMGセンサ及び/又は他のセンサから導出される入力も含む。それらの実施形態の幾つかでは、オーディオ検出ルーチンは、1つの発作タイプ又は1つ若しくは複数の発作タイプの特定の症状に焦点を当て得る。例えば、発作を起こしている患者は時に、呼吸ストレスを示す特徴的な音を出し得るが、他の発作では、患者はその特定の音パターンを出さないことがある。オーディオ検出ルーチンは、識別された場合、検出の信頼度が高いことがある発作活動の1つ又は複数の特定の症状に対して選択的であるように構成され得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、オーディオ検出を、全般的な発作活動に対してよく反応するように構成されているEMGを特に含む他のセンサデータと組み合わせることが有利であり得る。そして、幾つかの実施形態では、オーディオ検出は、EMGと組み合わせられて、検出効率を改善するのみならず、識別された発作の分類に役立ち得る。幾つかの実施形態では、2つ以上のオーディオ検出ルーチンが、異なる発作症状で存在し得る様々なオーディオ特徴についてデータを分析する方法において一緒に実行され得る。例えば、幾つかの実施形態では、あるオーディオ検出ルーチンは、叫び声を示し得る高振幅信号の存在についてオーディオデータを調べるか、又は高振幅信号の後に低オーディオ振幅の部分が持続することについてオーディオデータを調べ、第2のオーディオ検出ルーチンは、1つ又は複数のパターンについてオーディオデータを調べ、パターンが発作の1つ又は複数の部分を周期的に示すか否かを判断し得る。幾つかの実施形態では、それらのルーチンは、患者固有であり、所与の患者又は患者層に対して特定の音を検出するように調整され得る。そして、幾つかの実施形態では、音声認識ソフトウェアが使用されて、所与の音が特定の患者から導出されたことを識別し得る。
【0009】
幾つかの実施形態では、オーディオデータは、1つ又は複数の時間期間中に収集又は受信されてもよく、データの特徴が時間の経過に伴って計算され得る。例えば、オーディオデータから導出される特徴は、信号振幅等のデータが導出された音波の強度又は出力に関連する尺度であり得るか、又は特徴の参照レベル又は値と比較される振幅は、例えば、デシベル単位又は音波の振幅、強度、若しくは出力を表す別の相対単位で表され得る。オーディオデータの特徴は追跡されて、データの傾向が発作特徴について分析され得る。例えば、信号振幅等の特徴は、時間の経過に伴って考慮され、信号での1つ又は複数のデータパターン又はキーポイント(極大値又は何らかの閾値振幅を満たす極大値など)の存在が特定され得る。極大値は、患者によって行われた特定の物理的活動(空気の飲み込み等)に関連し、繰り返され得る。例えば、患者が活動を行う都度、極大値又は何らかの閾値振幅を満たす極大値が存在し得る。極大値の位置又は他の反復パターン若しくは値を追跡することにより、患者が行った土台となる活動がモニタされ得る。例えば、オーディオデータの反復パターンの周期性及び/又はオーディオデータの反復パターン間の時間間隔の期間が特定され、発作を起こしている患者に典型的な周期性及び/又は時間間隔の期間と比較され得る。本明細書で使用される場合、「周期性」という用語は、特定のパターンが時間の経過に伴って現れるか、又は繰り返される規則性の程度を指す。幾つかの実施形態では、オーディオデータの1つ又は複数の特徴が特定され、1つ又は複数の反復データパターンの識別に使用され得る。オーディオデータの特徴は、非限定的な例として、オーディオ信号強度又は振幅、所与の周波数(又は特定の周波数範囲にわたる)での振幅、振幅の変化率、スペクトル傾斜、他のデータ、又はそれらのオーディオ特徴の組合せを含み得る。幾つかの実施形態では、収集又は受信された信号からのデータは、発作を起こしている患者で通常繰り返され得る活動に関連付けられたデータの1つ又は複数のモデルパターンと比較され得る。例えば、パターン認識ソフトウェアを使用して、モデルパターンへのデータの類似度が特定され(回帰分析等を用いることにより)、データの所与の部分がパターンに一致するか否かについての確実値が特定され得る。検出されたパターンが、発作中の患者が行う活動に対応する確実度が特定され、データが発作に関連するものとして適宜識別され得る確実度を増大させるために、時間の経過に伴うパターンの傾向が特定され得る。例えば、患者は、呼吸ストレス下にある場合、時間の経過に伴って繰り返してあえぐ傾向があり得るが、患者が疲労するにつれて、患者があえいでいる間に生成する音は弱くなるか、又は周波数がシフトし得る。患者活動(あえぎ(gasp)等)に一致することが予期される収集又は受信データを調べる場合、データの変化及び/又はシフトが、発作を起こしている(通常の又は異常な発作の進行中の)患者に典型的なデータの変化及び/又はシフトと比較され、それらの変化及び/又はシフトが予期される範囲内である場合、発作検出の確実度は改善され得る。
【0010】
幾つかの実施形態では、収集又は受信されたオーディオデータ内の反復パターンを識別するために、1つ又は複数のアルゴリズムが実行されて、発作中、患者によって実行される1つ又は複数の行動から導出又は記録されたデータのモデルセットとデータとが比較され、確実値が、1つ又は複数のデータ回帰アルゴリズムを使用するなどしてデータの識別された部分に割り当てられ得る。例えば、収集されたデータ及びモデルデータが重ねられ(臨床データ及びモデルデータの組の相対位置を変更させて)、幾つかの実施形態では、ずれ(deviations)の2点間分析(様々な各位置での)が実行され、ずれが最小になるように適宜重ねられた場合、臨床患者データとモデルデータとの類似値が特定され得る。点間の全体的なずれが適する場合、パターンが検出されると見なされ得る。パターンを発作活動に更に関連付けるために、検出された複数のパターンの周期値が特定され得る。幾つかの実施形態では、データは、音が患者に関連することを識別する1つ又は複数のアルゴリズムによって処理されてもよい。音が患者に関連することを識別するアルゴリズムは、例えば、任意の様々な音声認識アルゴリズム又はプログラムを含み得るか、又は基づき得る。
【0011】
幾つかの実施形態では、オーディオデータは、周囲ノイズ又はあるレベルの周囲ノイズを説明する(account for)ために、フィルタリング及び/又は補正されてもよく、幾つかの実施形態では、オーディオ信号の空間フィルタリングが使用されて、モニタリング領域内又はモニタリング領域近傍の様々な場所から発せられた音を分離し得る。幾つかの実施形態では、オーディオデータは、特定の音又は音成分を生成し得る1つ又は複数のイベントに基づいて分類され得る。例えば、オーディオデータは、非限定的な例として、発作の発生、人間の発話、ドアの閉鎖、犬の鳴き声、歩き、電話の音、他のイベント、及びそれらの組合せを含む任意の数のイベントの特徴であるものとして分類することができる。幾つかのイベントは、発作の存在を示す可能性がない背景ノイズであると見なされ得る。すなわち、ノイズの非発作関連源が特徴付けされ得る。幾つかの実施形態では、発作中に患者によって間接的に生成され得るイベントが特徴付けられ得る。例えば、発作の間代性部分(clonic−portion)中、患者は前後に移動し、家具等の近傍の物体を振動させることがあり、それにより、可聴音が生成され得る。そして、幾つかの実施形態では、家具品等の物体は、律動的に動く場合、特有の音を生成するように意図的に変更され得る。例えば、付近の動きに応答して特有の音を生成するベル又は他のサウンドデバイスが家具品に関連付けられ得る。好ましくは、ベルは、音響トランスデューサによって正確に捕捉される振動を生成してもよく、同振動は他の音と異なる。例えば、音発生デバイスは、逆ノッチ又はハイパスフィルタ及びローパスフィルタの組合せを容易に通る周波数で振動し得る。幾つかの実施形態では、オーディオデータの分類を促進するために、音は、強度、スペクトル形状、又は他の特徴に関して特徴付けられ、モニタリング中に収集されるデータと比較するためにデータベースに記憶され得る。収集されたデータ及び/又は空間的にフィルタリングされたデータは、1つ又は複数の既知の音から導出されたデータに当てはめられ、次に、音又は合計音の成分が発作から提供されたものであり得る(又は非発作イベントに関連付けられるものとしてカウントされない)確率が計算され、発作検出アルゴリズムで使用され得る。
【0012】
幾つかの実施形態では、オーディオデータは、断続的に実施し得るか、又は他のイベントがある時間期間以内で先行することによりアクティブ化される場合のみ、特定の応答をトリガーするように構成され得る1つ又は複数のモニタリングルーチンを使用して収集され得る。例えば、幾つかの実施形態では、オーディオデータは、収集され得るが、オーディオデータが発作関連イベントに関連付けられたEMGデータの検出に時間的に相関する場合のみ、アラーム応答を開始し得る。例えば、筋電図検査の幾つかのルーチンは、患者が、発作前に通常存在する弱い運動兆候を示している可能性があるか否かを調べ得る。そして、それらのルーチンが応答を生成する場合、患者が発作を起こしている危険性があると考えられ得る。幾つかの実施形態では、弱い運動兆候の検出は、患者を邪魔せずに受動的に終了するか、又は例えば、弱いイベントが終了しない場合、若しくは検出が別のイベントによって裏付けられる場合、能動的な応答を生成し得る。幾つかの実施形態では、発作の間代期部分前又は間代期部分なしの場合に検出される兆候を含め、発作の初期運動兆候の裏付けは、検出される1つ又は複数のオーディオパターンに基づいて行われ得る。すなわち、幾つかの実施形態では、オーディオ検出ルーチンは実行又はアクティブ化されて、先のEMGデータの検出が先行する場合のみ、所与の応答を提供し得る。例えば、弱い運動兆候がEMGを用いて検出される場合、オーディオ検出ルーチンは、オーディオデータが発作活動の存在を示し、EMGデータを裏付ける場合にアラームを発するようにアクティブになり得る。それらの弱い運動兆候は断続的にのみ存在し得る(発作が実際に現れるか否かに関係なく)ため、収集されたオーディオデータに基づいてアラームが不注意に開始される確率又は誤検出で開始される確率は最小に抑えられ得る。
【0013】
様々なシステムが、EMGデータ、オーディオデータ、及び他の患者関連データの収集、記憶に向けたデータの優先度付け、システム最適化に向けたそのようなデータの編成、及び/又は発作の疑いに応答してのアラームの開始に適宜使用され得る。
図1は、そのようなシステムの例示的な実施形態を示す。
図1の実施形態では、発作検出システム10は、ビデオカメラ9、検出ユニット12、音響センサ13、ベースステーション14、及びアラート送受信器16を含み得る。検出ユニットは、患者の皮膚表面又はその近傍での筋肉からの電気信号を検出し、それらの電気EMG信号を処理のためにプロセッサに送ることが可能な1つ又は複数のEMG電極を備え得る。ベースステーションは、検出ユニットからEMG信号を受信して処理し、且つ/又は音響センサから音響データを受信して処理し、処理されたEMG信号及び/又は音響信号から、発作が発生した可能性があるか否かを判断し、アラートを介護者に送信することが可能なコンピュータを備え得る。アラート送受信器は、介護者によって携帯されるか、又は介護者の近傍に配置されて、ベースステーションによって送信されるアラートを受信し中継し得る。例えば、アラート送受信器16、無線デバイス17、18、記憶データベース19、及び1つ又は複数の環境送受信器(図示せず)を含め、システム10に含まれ得る他の構成要素については、本出願人の米国特許出願第13/275,309号及び同第13/542,596号に更に詳細に記載されている。
【0014】
図1に示されるように、1つ又は複数の音響センサ13が検出システム10に含まれ得る。音響センサは、例えば、モニタリングエリア内又は近傍の1つ又は複数の場所に配置されていてもよい。幾つかの実施形態では、音響センサは、患者又は患者の衣服に取り付けてもよい。したがって、音響センサは、患者に取り付けられ、患者と共に移動し得、又は患者が移動する際に静止したままであり得る。
図1では、音響センサ13は、他の要素とは別個のユニットであるものとして示されている。例えば、検出ユニット12は患者の片方の腕に取り付けられ、音響センサ13は、同じ又は他の腕に装着されていてもよい。しかしながら、音響センサは、1つ又は複数の他のデバイスと一体的であってもよい。例えば、音響センサは、ビデオカメラ9、検出ユニット12、ベースステーション14の何れかに統合されていてもよく、又は何らかの他のデバイス若しくは要素に統合されていてもよい。
【0015】
図2は、発作特徴についてオーディオ信号を分析する例示的な方法20を示す。ステップ22において、オーディオ信号は、1つ又は複数の音響センサを使用して収集され得るか、又はデータは分析のためにプロセッサにインポートされ得る。音響センサ又はマイクロホンは、例えば、音波を電気信号に変換するのに適する音響/電気トランスデューサを含み得る。幾つかの実施形態では、トランスデューサは、所望の周波数範囲にわたって大きな信号歪みもなく動作することができ、同所望の周波数範囲は、例えば、人間の発話の周波数範囲を含み得、且つ/又は環境ノイズの任意の様々な発生源又はモニタリング場所内の1つ又は複数の家具ユニット又は物体に特に関連付けられ得るデバイスを含む音生成デバイスをスペクトル的に特徴付けるのに有用であり得る等の他の周波数を含み得る。本明細書で使用される場合、音響データのスペクトル特徴付けは、1つ又は複数の周波数にわたる信号強度の記述を指す。ステップ24において、収集又は受信したオーディオ信号は処理されて、オーディオデータの1つ又は複数の特徴の値を特定し得る。例えば、ステップ24において、信号は処理又は調整されて、例えば、背景ノイズを除去し、且つ/又は所望の周波数帯又は周波数分布を分離し得る。幾つかの実施形態では、信号は、約5KHz〜約10KHzに達し得る信号の処理に適するアナログ/デジタル変換器を通して処理され得る。幾つかの実施形態では、収集されたオーディオ信号を調整するために、1つ又は複数のハイパスフィルタ及び/又はローパスフィルタを使用することもできる。
【0016】
幾つかの実施形態では、処理は、前に1つ又は複数の参照期間中にあらかじめ取得されたオーディオデータと信号との比較を更に含み得る。例えば、参照期間は収集され得、オーディオ特徴のベースラインレベル及び/又はオーディオ特徴内のノイズ変動等の参照期間のベースラインオーディオ特徴が、確立され得る。幾つかの実施形態では、収集されたオーディオ信号は、ベースライン値に対する比率に関してオーディオデータの特徴をスケーリングするか、又は特徴ベースラインノイズレベルを超える幾つかの標準偏差に関してスケーリングすることによって処理され得る。例えば、オーディオデータの振幅又は1つ若しくは複数の周波数帯にわたる振幅が、ベースライン振幅レベルと比較され、且つ/又は振幅のベースラインレベルとの比較により別の方法でスケーリングされ得る特徴であってもよい。
【0017】
ステップ24でのデータの処理が使用されて、オーディオデータの1つ又は複数の特徴の値を特定し得る。例えば、幾つかの実施形態では、データの処理が使用されて、振幅等のオーディオデータの特徴がいかに経時追跡されるかが評価され得る。例えば、幾つかの実施形態では、処理されたオーディオデータは、モニタされる周波数の所望の部分に関連付けられた振幅データであってもよく、幾つかの実施形態では、振幅データは、収集された周波数の全て又は選択された部分を含み得る。
【0018】
データが処理されて、データの特徴的な値及び値がいかに経時追跡されるかを特定すると、アルゴリズムは、特徴的な値が、発作活動に予期されるように経時変化するか否かを更に調べ得る。例えば、ステップ26において、幾つかの実施形態では、処理されたデータは分析されて、特徴について決定された値の中で特徴的な点を識別し、特徴的な点が発作活動に関連付けられた1つ又は複数の周期性要件を満たすか否かを判断し得る。例えば、特徴的な点は、同特徴的な点が閾値振幅値を満たす場合に識別されて、次に、それらの特徴的な点間のタイミング又は周期性が調べられてもよい。すなわち、ステップ26は、経時追跡された特徴のデータ値の比較(ステップ24において説明するように)、閾値基準を満たすことに基づく独特の点又はクリティカル点(critical point)の識別、及び時間の経過に伴う特徴的な点又はクリティカル点間のタイミングが周期性要件を満たすか否かの判断を含み得る。
【0019】
幾つかの実施形態では、複数の別個の点が評価され、点間の時間の周期値が特定され得る。しかしながら、オーディオ信号のいくつかの傾向は繰り返されないことがある。例えば、発作によっては、初期又は高強度叫び声(更に以下に説明するように)が存在し、幾つかの実施形態では、初期高強度叫び声(その後に、より低振幅の信号の部分が持続することがある)は、処理されたオーディオ信号を分析することによって識別し得る。そして、幾つかの実施形態では、オーディオ信号は他のセンサデータ(好ましくはEMGデータ)と一緒に入力されて、発作を検出し、一方、他の実施形態では、オーディオ信号の1つ又は複数の特徴が使用されて、アラームを直接トリガーし得る。例えば、オーディオ信号が収集又は受信され(ステップ22)、振幅が経時追跡され(ステップ24)、振幅傾向の分析(ステップ26)において、高強度叫び声のシグネチャの後に遅延期間が続き、次に、複数のあえぎを示す繰り返される一連の特徴的な点又はパターンが続くことが検出される場合、発作検出の信頼度は高くなり得る。
【0020】
幾つかの実施形態では、オーディオ信号の処理及び分析は、1つ又は複数のパターン認識プログラムを実行して、データの特定の部分がパターンに一致するか否かをオーディオデータ内で識別することを含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、特徴的又はクリティカルな点(上述したような)は、例えば、発作中に一般に行われる活動後にモデリングされるパターンを含むパターンの一部であり得る。幾つかの実施形態では、パターン認識は、データセットの平滑化、データセット内の1つ又は複数の極値の識別、並びにオーバーレイ及び回帰分析を含む1つ又は複数の手順の適用を含み得る。例えば、プログラムは、オーディオデータセット内の極大値を識別し、極大の周囲のデータを特定の音に関連付けられた1つ又は複数のモデル関数に当てはめるようにしてもよい。例えば、モデル音は、空気を求めてあえぐ患者を表し得るか、又は空気を求めてあえぐ患者の記録から導出することができ、所与のデータセットが、収集データを重ね、回帰分析を使用して当てはめ、音がモデル音への閾値レベルの類似性を満たすか否かを判断することにより、モデル音と比較され得る。例えば、アルゴリズムは、データの特定の部分があえぎのパターンに一致するか否か又は幾らかの確率であえぎのパターンに一致するか否かを判断し得る。
【0021】
発作中、患者によっては、叫び、うなり、又はあえぐことがあり、その結果生成される音響信号の全体振幅又は強度は高くなり得る。したがって、音響センサ振幅でのスパイク又は持続したスパイクの存在は、発作の状態に相関する傾向があり得る。しかしながら、他のイベントが、高振幅オーディオ信号を生成する傾向があることもある。したがって、好ましい実施形態では、処理された信号は、非発作源からの音響データを区別するために分析され得る。本明細書に記載される様々な実施形態では、非発作イベントからの音響データの区別は、様々な方法で達成され得る。
【0022】
例えば、患者によっては、発作を起こすとき、喉を介して大量の空気を強引に通して、可聴信号が生成される傾向が有り得る。患者によっては、繰り返して空気を吸い込み、肺から吐き出す傾向があり、結果として生成される音パターンは、特にうなり又はあえぎとして特徴付けられ、ある程度の規則性をもって時間的に繰り返され得る。本明細書での幾つかの実施形態は、発作のうなり又はあえぎに似た音パターンの存在について、収集されたオーディオ信号を分析し得る。更に、幾つかの実施形態は、音パターンが繰り返されるか否かを判断して、発作の存在を検出するべく繰り返される音パターンが使用され得る。特に、発作の音パターンの周期性は、例えば、通常の人間の発話を含む幾つかの他の音よりも高い規則性を有し得、且つ/又は発作によっては、低い周波数成分を含み得る。例えば、通常の人間の発話は、発作中に生成される音よりもバリエーションを有する傾向があり得る。更に、発作で生成される音の規則性は、人間の発話よりランダムであり得、一般に、例えば、発作の特定の部分として繰り返して空気を必死で吸い込み吐き出している可能性がある人物と同じようには変化しないことがある。
【0023】
発作を起こしている患者の反復音パターンの個々のメンバの反復率が特徴付けられてもよく、患者によっては、時間の経過に伴い存在するパターンメンバ数(the number of pattern members)は、毎秒約0.5〜約5メンバパターンであり得る。例えば、患者によっては、1秒当たり反復音パターンの少なくとも約3つのメンバが、発作のある部分の開始時に存在し得、通常、その数は発作進行中に低下する。その数は、発作の進行を通して徐々に低下するか、又は急に終わり得る。その進行は、時間の経過に伴って特徴付けられ、介護者に通信され、正常及び異常な発作の進行又は回復での進行モデルを含む進行モデルと比較され得る。幾つかの実施形態では、反復音パターンの周期性は、個々の患者にて特定してもよく、又は1つ若しくは複数の患者特徴(例えば、患者の年齢、性別、身長、及び/又は体重)に基づいて患者に対して推定されてもよく、幾つかの実施形態では、発作音パターンの予期される周期性が、患者モニタリング前に推定され得る。
【0024】
幾つかの実施形態では、音が収集されてもよく、パターン認識アルゴリズムが、1つ又は複数の特徴的なパターンについて、結果として生成された音響データを精査し得る。例えば、音は、反復発作音に関連付けられたオーディオデータの部分を識別するために収集されて処理されてもよい。特徴的なパターンは、特定のデータ特徴又はデータ特徴の組合せの存在に基づいて識別され得る。例えば、閾値極大振幅の存在、閾値極大振幅の後に音響振幅低減の期間が持続すること、又は閾値極大が1つ又は複数のモデル関数と類似の部分で囲まれることが、パターンの識別に使用され得る。パターンを識別するために、オーディオデータはビニングされ、時間単位(又はビン)にわたって積分され、信号対雑音を改善し得る。データは、発作のうなり声又はあえぎ中の吸気及び/又は呼気中等の時間期間を通して関連する変化を追跡するのに適切であり得るような時間期間内でビニングされ得る。例えば、幾つかの発作では、うなり声からのオーディオデータは、空気を吸い込んでいるときはよりゆっくりと変化し、横隔膜が空気を肺から強制的に出すときはより高速で変化し得る。患者によっては、空気が肺から大部分押し出されたときに続き、それに近い時間で認識可能な音を出す傾向があり得る。例えば、患者は、息をしようとあえぎ、息をのみ得る。そして、肺の収縮及び/又は拡張中に生成される音を確実に捕捉するために、例えば、データは、約50ミリ秒までの期間にわたってビニングされ、積分され得る。反復音パターンは、幾つかの実施形態では、様々な部分に分割され、音パターンの個々の部分が識別されてもよい。例えば、吸気及び呼気中、異なる音が出され、発作に関連付けられた呼気異常音が続く吸気に関連付けられた特徴的パターンについてオーディオデータを調べることにより、識別され得る。例えば、正常な呼吸は、幾つかの発作よりも対称的な吸気及び呼気のプロファイルを示し得るため、吸気に関連付けられた第1のパターン及び呼気に関連付けられた第2のパターンに音を分割することが、発作の存在を検出するアルゴリズムにおいて使用され得る。すなわち、患者が吸気中及び呼気中であると考えられる相対時間が識別され、呼気時間に対する吸気時間の比率が特定され得る。約1:1から有意に異なる比率(約0.8:1〜約1.2:1に及ぶ範囲外など)は、呼吸ストレス及び発作活動の可能性を特徴付けるために使用され得る。特に、幾つかの実施形態では、検出された音は、発作のうなり声又はあえぎの特徴について調べられてもよく、これは、データを分割し、吸気に典型的なデータの部分及び呼気に典型的なデータの部分を探し、それらの部分の持続時間の対称性が高いか、それとも低いかを特徴付けることを含み得る。すなわち、もがいての呼吸の場合、ある部分が他方の部分よりも長く続く時間的非対称性が識別され得る。
【0025】
アルゴリズムは、識別されたデータパターンが予期される周期性を維持するか否かを更に判断し得る。例えば、うなり声の部分が吸気部分と呼気部分との間で非対称性を示し得る間、吸気及び呼気の全体パターンは、発話を含む他の音よりも高い規則性を有するものとして特徴付けられ得る。例えば、パターンが存在し、0.2〜約2秒毎に約1回という規則性で、時間の経過に伴って繰り返され、パターンが幾つかの回数(少なくとも4〜約10回等)又は特定の期間にわたって検出される場合、発作アラームの開始が促され得る。検出されたパターン内の任意の様々な点が、検出パターンが発生するタイミングの識別に使用されてもよく、パターンの周期性の評価に更に使用されてもよい。例えば、検出パターンの開始時間、中間時間、又は終了時間が使用され得る。本明細書に記載される大半のパターンは、何らかの閾値を満たす極大振幅値を含んでいてもよく、その値の時間は、検出パターンの時間内の位置の識別に好都合に使用され得る。
【0026】
幾つかの実施形態では、周期性の経時変化は追跡され(アラームが開始され得る後であっても)、例えば、アルゴリズムは、発作からの異常な回復の兆候を探し得る。幾つかの実施形態では、反復音パターンの周期性はさらに、EMGデータバーストの周期性と比較され得る。例えば、EMGデータバースト及び呼吸ストレスの周期は両方とも、脳の異なる部位から送られる非協調性信号の存在に関連し、患者によっては、バーストの位相及び/又は周期性及び呼吸ストレスの期間中に生成されるオーディオデータの位相及び/又は周期性を、患者が発作の進行及び/又は回復の異常な兆候を示している可能性があるときを識別するためのものを含め、一緒に関連させる、且つ/又は追跡してもよい。
【0027】
幾つかの実施形態では、オーディオデータは、呼気開始直後うなり声又はあえぎの時間中、高振幅(特徴的な周波数変化に関連付けられることが多い)を有し得る。より一般的には、例えば、閾値要件、条件、又は他の区別できる特徴を満たすものとして識別される点を含むパターン内の任意の1つ又は複数の点が、識別され、周期性の計算に使用され得る。患者によっては、発作の幾つかの部分中、特徴的なうなり声の振幅は高くなり得、患者は類似の音を繰り返し得るが、筋肉疲労は、音パターンの全体振幅を抑制し得る。すなわち、反復パターンは、幾つかの回数にて識別され得るが、後の反復は低下した振幅を有するものとして特徴付けられ得る。同様に、患者によっては、1つ又は複数の周期値は、経時変動し得る。したがって、幾つかの実施形態では、全体信号振幅の抑制及び/又は周期性の傾向が伴ったオーディオデータの特徴的パターンの検出が、発作検出アルゴリズムで使用され得る。
【0028】
幾つかの実施形態では、オーディオデータは、複数の間隔にわたって収集され分析され得る。例えば、オーディオデータは、発作の過程中に発生し得る振幅及び/又は周波数変化の捕捉に適切な時間間隔にわたって分析され得る。例えば、幾つかの実施形態では、オーディオデータは、約0.01〜約0.1秒の間隔に分割され得る。任意の所与の間隔中、オーディオデータ又は処理されたオーディオデータの1つ又は複数の特徴的な値が計算され得、特徴的な値は記憶され得る。アルゴリズムは、連続した収集間隔からの特徴的な値を分析するか、又はある時間間隔にわたって平滑化されたデータを分析し、1つ又は複数の特徴的なパターンを探し得る。2つ以上の反復パターンメンバが識別されると、アルゴリズムは、パターンが発作の1つ又は複数の周期性要件を満たすか否かを判断し得る。例えば、パターンは、閾値音響振幅値又は極大である閾値音響振幅の存在等の閾値条件を満たすことによって識別され、方法は、検出されたパターン間の時間間隔を特定し得る。例えば、2つの閾値振幅値の隣接する検出間の時間間隔が特定され得る。閾値間の時間期間が発作状態の特徴である場合、アラームが送信され得るか、又は他のデータによって裏付けられる場合、アラームが送信され得る。
【0029】
音響信号から識別される1つ又は複数の特徴的な点又は特徴的なパターンの周期性に基づいて発作特徴について患者をモニタする方法30を
図3に示す。ステップ32において、信号又は適宜処理された信号(例えば、フィルタリング又は背景補正された信号)が、時間間隔について収集又は受信され、1つ又は複数のデータ値が、収集された音響信号又はオーディオ信号から計算され得る。間隔について計算されたデータ値は、非限定的な例として、振幅データを含んでいてもよく、幾つかの実施形態では、振幅データは1つ又は複数のスペクトル周波数に関連付けられ得る。例えば、空気を求めてあえぐ患者は、1つ又は複数の周波数帯での音を生成する傾向があり、オーディオデータを分析するためのルーチンによっては、振幅データは、患者又は特定の患者層で記録された周波数に基づいて分離され得る。
【0030】
ステップ34において、計算されたデータ値は記憶され、ステップ36において、他の近くの間隔からのデータを含む記憶データ値は分析されて、1つ又は複数の基準を満たすデータを識別し得る。上述したように、幾つかの実施形態では、1つ又は複数のパターン認識プログラムが、時間の経過に伴いデータセット(例えば、幾つかの隣接する時間間隔に関連付けられたデータ)に対して実行され得る。幾つかの実施形態では、時間間隔内のオーディオ信号の振幅が特定の閾値を超える場合、又はオーディオ信号の振幅が近くの時間間隔内の他の振幅よりも大きい場合(例えば、オーディオ信号が、閾値極大値としての資格を満たす場合)、音響データは、閾値振幅基準を満たし得る。その点は特徴的であると見なされて、更なる計算に使用され得る。他の特徴的な点又は閾値点も識別することができる。例えば、幾つかの実施形態では、振幅の極小又は振幅導関数データの変曲点が識別され得る。より一般的には、幾つかの実施形態では、特徴的な点又は識別された点は、パターンが検出されたときに確実にタイムスタンプし得る検出パターンの開始、中間、又は終了等の検出パターン内の任意の点であり得る。
【0031】
患者によっては、音響データは、スペクトル特徴の変化によって特徴付けられ得る。例えば、うなり声の初期部分中等の発作期間の一部分中、データの平均周波数は、うなり声の後の部分等の他の発作期間での平均周波数と異なり得る。すなわち、発作中に患者によって生成される音の優位周波数は変化し、幾つかの実施形態では、検出アルゴリズムは、音響データの周波数分布が、基準を満たす定義された方法で変化するか否かを識別し得る。例えば、うなり声又はあえぎは、複数の時間間隔にわたって広がり、各間隔で、信号データの平均又はメジアン周波数が特定され得る。平均周波数は、うなり声の時間期間にわたって変化し、患者によっては、例えば、時間の経過に伴ってより高い周波数に移り、次により低い周波数に移り得る。したがって、ステップ32において計算されたデータ値は、間隔中に収集された信号の平均又はメジアン周波数値であり得る。データは、ステップ34において、記憶され、ステップ36において、付近の間隔での他の周波数値と比較され得る。例えば、間隔中のデータが、平均周波数が増大から低減に遷移するか、又は低減から増大に遷移する点である場合、その時間間隔は印を付けられ得る。幾つかの実施形態では、方法は、閾値平均若しくはメジアン周波数又は局所平均若しくはメジアン周波数に達したか否かを判断し得る。
【0032】
ステップ36において、データは分析されて、パターン又は特徴的な点がオーディオデータに存在するか否かを判断し得る。例えば、特徴的な点は、極大振幅値としての基準を満たすこと又は極大振幅値が何らかの閾値を満たすこと等の1つ又は複数の基準を満たすことに基づいて識別され得る。ステップ38において、時間の経過に伴って識別された複数のパターン又は点の周期性が調べられ得る。
【0033】
ステップ38において、検出パターンの識別された点の間の1つ又は複数の時間が特定され得る。例えば、0.5秒期間の時間が、点が閾値極大振幅値であるという条件を満たすため、特定の閾値を満たすものとして識別されたデータ間隔で経過したことが特定され得る。ステップ40において、アルゴリズムは、時間が発作を示すか否かを分析し得る。例えば、幾つかの実施形態では、時間期間は、約0.2〜約2秒である場合、発作を示すものとして識別され得る。アルゴリズムは、発作が示される前に任意の数の適する時間期間が識別されなければならないように調整され得る。例えば、2つ以上の識別された点又は検出パターン間の期間が特定され、測定されるべき適した期間数が多いほど、アルゴリズムは、発作が発生している可能性がある高い確率を示し得る。例えば、幾つかの実施形態では、アルゴリズムは、少なくとも約4つ〜約10のパターンが識別されてから、アラームを開始し得る。持続時間の規則性又は時間期間の規則性が、アルゴリズムにおいて更に分析され得る。例えば、複数の期間に関連付けられた標準偏差又は他の統計学的尺度が使用されて、特定された期間が適宜周期性を有するか否かを分析し得る。
【0034】
単なる例として、モニタリング期間にわたり、患者が10回、息を吸って吐き、患者が、吸った空気が肺に運ばれているサイクルを開始するときに近い時間において、認識可能な音が生成される場合、その音は、振幅及び又は周波数等によって特徴付けられてもよく(例えば、サイクルで吸気及び呼気の部分が、他の点から拾い出されるか、又は検出され得る)、発作関連パターン内の点として識別され得る。10サイクルの場合、識別された点(この例では、患者が空気を求めてあえぐ際の吸気中に生成される認識された音である)の間に9つの期間があり得る。その認識された音は、例えば、特定の時間に振幅の極大を含み得るか、又は他の方法で特徴付けられ得る。例えば、識別された時間は、以下のように、下付き文字によって好都合に特徴付けられ得る。
【0035】
T
1,T
2,T
3,...,T
10
次に、識別された時間の間の相対期間が、以下のように計算され得る。
T
2−T
1=ΔT
1
T
3−T
2=ΔT
2...
T
10−T
9=ΔT
9
そして次に、任意の様々な手順が使用されて、期間がどの程度周期的又は時間規則的であり得るかの1つ又は複数の尺度を特定できる。例えば、一実施形態では、識別された点間の時間間隔が特定され(上のように)、次に、平均時間期間が計算され得る。平均時間期間は、個々に測定された時間期間と比較され(例えば、平均期間からどの程度の偏差が存在するか)、次に、標準偏差、相対偏差、又はパーセント偏差が特定され得る。例えば、プロセッサは以下のように計算を実行し得る。
【0036】
平均時間期間=(ΔT
1+ΔT
2+ΔT
3+...+ΔT
9)/(N=9)=ΔT
(ave)
平均偏差=Σ│個々の偏差│/偏差の数(No.Deviations)=│(ΔT
1−ΔT
(ave))│+│(ΔT
2−ΔT
(ave))│+...│(ΔT
9−ΔT
(ave))│/(N=9)
パーセント偏差=[平均偏差/ΔT
(ave)]×100%
パーセント偏差は、例えば、パーセント偏差の1つ又は複数の閾値と比較され、パーセント偏差が閾値基準を満たす場合、検出パターンの周期性(例えば、上記例では、一連の10の吸気及び呼気が10の反復パターンを生成する)は、発作活動を示すものとして見られ得る。例えば、周期性要件が満たされる場合、アラーム又は他の応答が実行され得る。幾つかの実施形態では、アルゴリズムは、パーセント偏差と、最小パーセント偏差及び/又は最大パーセント偏差を含む1つ又は複数の閾値との比較を含み得る。例えば、人為的に周期性を有する反復ノイズ源は、非常に低いパーセント偏差を示し得、発作を示すと見なされないことがある。しかしながら、発作中に出される音よりもランダムであり得る人間の発話は、より低い周期性を有し得る。そして、幾つかの実施形態では、オーディオ検出方法は、データと最小及び/又は最大パーセント偏差の両方(又は周期性の他の適する尺度)との比較及び最小及び/又は最大期間との比較を含み得る。例えば、オーディオデータのある部分が、パーセント偏差の閾値(例えば、周期性の最小閾値及び最大閾値を満たす)内で繰り返されるパターンを有し、オーディオデータのその部分が1秒当たり何らかの最小回数〜最大回数の間で繰り返されるパターンを含む場合、オーディオデータは発作を示すものと見なされ得る。
【0037】
幾つかの実施形態では、音響データは個々に使用されて、アラーム状態をトリガーし得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、検出アルゴリズムは、他のセンサデータ(例えば、EMGデータ)が、発作が存在し得ることの発見をサポートするか否かを分析することもできる(ステップ42に示されるように)。例えば、音響データが収集され、データが発作の特徴であると判断され、同じ時間期間に、閾値EMG値エリアも満たされる場合、方法30は、発作検出の信頼度が高いと見なし、ステップ44において、アラームプロトコルを開始し得る。幾つかの実施形態では、音響データは、EMGデータと一緒に重み付けされて、発作が存在し得る確率を特定し得る。そして、幾つかの実施形態では、音響データが使用されて、弱い運動兆候が発作活動を示すことの発見を裏付けし得る。幾つかの実施形態では、オーディオデータは、2011年10月17日に出願され、参照により本明細書に援用される、本出願人の関連する同時係属中の出願第13/275,309号に記載される監督アルゴリズムにおいて入力として機能し得る。患者によっては、発作の可聴兆候と発作の筋肉兆候との間に時間的な遅延が生じることがあり、EMGデータ及び音響データが関連すると判断される時間期間は、それに従って調整され得る。
【0038】
幾つかの実施形態では、発作検出アルゴリズムは、1つ又は複数のEMGセンサ及び1つ又は複数の音響センサのそれぞれからの入力を含み、例えば、両タイプのセンサが適切な閾値レベルを超える場合、アラーム状態がトリガーされ得る。それらの実施形態の幾つかは、検出された音響パターンの周期性をモニタし、且つ/又は音響データの他のシグネチャを統合し得る。
図4は例示的な方法50を示し、方法50では、例えば、EMGセンサ及び音響センサのそれぞれが、特定の時間期間中、各閾値レベルを超える場合、アラームが開始され得る。ステップ52において、患者は、EMGセンサと音響センサとの組合せを使用してモニタされてもよく、方法は、第1の閾値検出イベントを探し得る。何れかのセンサが閾値を超える場合、方法は、ステップ54に示されるように、他のセンサタイプの閾値イベントをモニタする時間期間を確立し、患者を引き続きモニタし得る。例えば、第1のイベントが、EMG閾値の超過である場合、方法は、オーディオ信号の閾値検出がアラームをトリガーし得る、そのイベントに続く期間を確立し得る。したがって、ステップ56に示されるように、方法50は、EMGセンサ及び音響センサの両方の閾値検出が、確立された時間期間内で満たされたか否かを判断し得る。閾値EMGイベント及び閾値音響イベントの両方が満たされた場合、ステップ58に示されるように、アラームプロトコルが開始され得る。代替的には、裏付けイベントが検出されなかった場合、システムは、次の閾値イベントについての患者のモニタリングに戻り得る。例えば、方法50は、あるイベントが検出され、その裏付けイベントが、最長で約2分又は約5分までの時間期間以内に検出されることを要求し得る。
【0039】
患者によっては、発作のある部分中に生成される音は、発作の他の部分中に生成される音と異なり得る。例えば、患者によっては、多くの場合、発作の筋緊張部分中、時に大きな叫び声を伴って急速に息を吐き出すことがある。患者は、吸気せず、ある時間期間にわたり、律動的な呼吸を開始し得る。例えば、間代期中又は間代期の開始後、患者は吸気を再開し得、そのうち、多くの場合は安定した呼吸を取り戻そうとする際、音パターンを繰り返し生成し始め得る。本明細書での幾つかの方法は、時間の経過に伴ってオーディオデータを調べ、発作の様々な部分に典型的な特徴を識別することにより、それらの特徴は一緒に分析されて、発作検出の信頼性を上げ得る。例えば、患者をモニタする方法は、高振幅叫び声又は発作の開始に典型的な音について、収集されたオーディオデータを分析することを含んでいてもよく、次に、データを追跡して、安定した呼吸を取り戻そうと試みるパターンを探し得る。例えば、高振幅叫び声の後に、ある特徴的な時間にわたってより低い振幅のオーディオ信号が続き、次に、反復パターン(
図4に関して上述したように)が続く場合、発作が存在すると考えられ、アラーム又は他の応答が開始され得る。
【0040】
更に、発作を検出する方法の幾つかの実施形態では、オーディオデータは、他のセンサデータと共に収集され得る。オーディオデータでの傾向が、発作の2つ以上の部分(上述した部分等)の間の遷移を示すように見え、その他のセンサデータが、それらの遷移を裏付ける場合、発作検出の信頼度は大きく改善され得る。例えば、幾つかの実施形態では、2つ以上の筋電図検査ルーチンが、オーディオ信号の収集と一緒に実行され、複数のデータが使用されて、発作を検出のみならず、1つ又は複数の発作期間の遷移中、発作活動の変化を追跡することもできる。発作の治療又は終止(例えば、迷走神経刺激法を含み得る等)、追加のセンサデータの選択的収集又は送信、及び/又は検出された発作状況への選択的及びカスタマイズされた応答に関連付けられた様々な用途が、本明細書に記載されるような発作活動の検出及び変化の追跡から恩恵を受け得る。
【0041】
幾つかの実施形態では、発作活動について患者をモニタする方法は、初期運動兆候及び/又は筋緊張活動に高い応答性を有する第1のEMGルーチンを含み、第2のEMGルーチンは、間代期活動に選択的であり得る。発作活動に典型的な初期運動兆候の検出又は発作の異なる段階に応答する又は選択的であるルーチンは、例えば、2014年5月21日に出願された本出願人の同時係属中の仮出願第62/001,302号に記載されていると共に、2014年8月1日に出願された本出願人の同時係属中の仮出願第62/032,147号に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に援用される。
【0042】
例えば、初期運動兆候及び/又は筋収縮活動に応答的であり得るルーチンは、ある時間期間にわたってEMG信号を収集することと、その期間内の1つ又は複数の連続又は重複する時間窓内の収集信号の振幅を積分することと、次に、積分された振幅が、例えば、閾値が一貫して満たされたか否か又は幾つかの時間窓にわたりある確率で満たされるか否かを判断し得るように、ある時間にわたり特定の閾値を超えたか否かを判断することとを含み得る。EMG信号振幅のレベルは、1つ又は複数の周波数帯で収集される信号から計算され、1つ又は複数のターゲット周波数帯を分離するべく適切なフィルタが使用され得る。積分されたEMG信号振幅の閾値レベル及び/又は閾値がある時間期間にわたって維持されることの要件は、幾つかの実施形態では、発作又は危険である可能性が高い発作で典型的に見られるよりも弱いことがある運動兆候にそのルーチンを応答的にするように設定され得る。積分時間窓は、相対的に弱い運動兆候の検出を改善するように確立され得る。例えば、幾つかの実施形態では、EMG信号収集の積分時間窓は、少なくとも約20ミリ秒、少なくとも約50ミリ秒、又は少なくとも約100ミリ秒の持続時間であり得る。
【0043】
幾つかの実施形態では、EMG信号振幅の閾値レベルは、随意筋収縮中に個人が提供し得る信号振幅の測定値に基づいて作成され得る。そして、幾つかの実施形態では、弱い運動兆候を捕捉するために、最大随意収縮値の約2%〜約50%の値が設定され得る。
【0044】
また例として、間代期活動に選択的であり得るルーチンは、EMGデータの部分が、最小バースト幅及び/又は最大バースト幅基準を満たすことに基づいて、間代期バーストを含むか否かを判断することを含み、幾つかのバーストが検出される場合、ルーチンは応答的であると見なされ、間代期活動が検出され得る。すなわち、ルーチンは、バーストをカウントするか、又はバースト率を特定し、数又は率が閾値を超える場合、能動的な応答が記録され得る。幾つかの実施形態では、バーストエンベロープが生成され、同バーストエンベロープは、バーストの識別に使用され得るSNR閾値に影響し得る。例えば、単純なピーク検出法を用いる場合、バーストは、約1.25〜約20の閾値SNRを満たし、約25〜約75ミリ秒のバースト幅の最小閾値及び約250ミリ秒〜約400ミリ秒以下の最大バースト幅閾値を満たすことにより、認められ得る。次に、バーストはカウントされ、バーストの数又はバーストの率が特定され得る。次に、例えば、約2つ〜約6つのバーストが約1秒の時間窓内で測定される場合又は別の適するバースト数が、何らかの他の適切な時間窓内でカウントされる場合、患者によっては、能動的なルーチン応答がトリガーされ得る。
【0045】
オーディオデータ及びEMGデータの両方の収集及び処理又は処理を含み得る発作特徴について患者をモニタする方法60を
図5に示す。方法50のように、オーディオデータ及びEMGデータの両方の存在は一般に、発作が存在することの信頼度を増大させ得る。しかしながら、方法50では、幾つかの実施形態では、発作イベントが検出され、裏付けイベントも検出されることのみが必要とされ得る。例えば、一方のイベントはEMGデータに基づき得、裏付けイベントはオーディオデータであり得る。そして、一方のイベントが検出され、裏付け検出が約2分なし(without)で行われる場合、イベントは裏付けられたと見なされ、アラームが開始され得る。
【0046】
検出効率を改善するために、方法60において、個々に又は組み合わせて、1つ又は複数の発作期又は部分の選択的検出を促進し得る特定のルーチンが実行される。すなわち、例えば、EMGデータをまず考慮して、上述した例示的なルーチンの組合せが実行され得る。そして、それらのEMGルーチンが個々に発作の所与の部分に応答的である場合、患者によっては、アラームがトリガーされ得る。両ルーチンが発作活動を支持する場合も、発作検出の信頼度及び発作の深刻性が高い可能性があるため、アラームがトリガーされ得る。例えば、間代活動の選択的検出は、発作の悪影響に関連し得、一般に、筋収縮−間代発作が検出される場合、緊急応答が実行され得る。弱い運動兆候又は筋収縮期活動の検出の後に、間代期活動の選択的検出が続く場合、その検出のパターンは、発作が検出されたことの信頼度を増大させ得、従来の筋収縮−間代発作イベントとして発作を分類するために更に使用され得る。
【0047】
次に、オーディオデータを考慮し、あるルーチンにおいて、音エネルギーが収集され処理されて、発作の開始近くの叫び声に典型的であり得る両高振幅信号の存在を識別し、第2のオーディオ検出ルーチンにおいて、データは、例えば、発作に対処しようとする際又は発作から回復しようとする際に空気を求めてあえいでいる人を示し得る反復パターンの存在について調べられ得る。幾つかの実施形態では、オーディオデータを調べるルーチンは追加又は代替として、発作中、苦しんでいる患者から間接的に生成される音を識別し得る。例えば、ルーチンは、家具又はサウンドデバイスが律動的に動いていることの兆候についてオーディオデータを調べ得る。ここでも、活動の2つ以上の特徴が存在する場合(例えば、両ルーチンが発作活動のシグネチャの存在を示す場合)、発作が存在する確率は高く、アラームがトリガーされ得る。信頼度を改善するために、ルーチンは、オーディオデータの様々な側面間の特徴的な遅れを探し得る。例えば、反復音パターンが、叫び声から時間的に相関する(例えば、予期される時間だけ隔てられる)場合、検出の信頼度は増大し得る。例えば、一般に筋収縮活動を示す叫び声が検出され、次に、反復音パターンが、約5〜約45秒以内に識別される(あえぎ又は家具若しくはサウンドデバイスの律動的な動きから)場合、発作検出の信頼度が改善され得る。そして、その組合せは選択的に、筋収縮−間代発作として特徴付けられ得る。
【0048】
方法50との対照として、方法60は、検出アルゴリズムにおいて、個々に又は組み合わせて発作の1つ又は複数の部分に選択的である様々なルーチンの時間的な関係を考慮することにより、検出効率を改善し得る。そして、重要なことに、同じ部分についての2つのルーチンが略同時に検出される場合、検出は適宜重み付けされ得る。例えば、2つのルーチンにおいて検出され、ルーチンが両方とも発作の開始近くの時間に選択的である場合、検出は超線形に(super−linearly)重み付けされ得る。すなわち、2つの検出がなされ、発作に対してイベントの時間寄与において相関する場合、検出は、それに従って調整され得る。例えば、幾つかの実施形態では、検出は非線形(又は超加算的)に寄与し得る。幾つかの実施形態では、検出がなされるが、時間的に相関しない場合、イベントはそれでもなお、発作を検出するアルゴリズムに含まれ得るが、重みが低減された状態でのみ含まれ得る。代替的には、イベント間の時間的コヒーレンスが維持されることが要求され得る。すなわち、相関がない場合、検出はカウントされないことがある。様々なルーチンが発作の同じ部分に相関し得るため、時間的コヒーレンスに対する要件は厳格であり得、発作を不正確に識別する危険性は、それに従って最小に抑えられ得る。
【0049】
再び
図5を参照すると、ステップ62において、オーディオデータ及びEMGデータは収集され処理され得る。代替的には、方法60は、センサデータを分析する方法を含み得る。すなわち、センサデータは、別個に収集され得、方法60が使用されて、発作イベントについてデータを分析し得る。方法60では、複数のルーチンが一緒に実行され得る。ルーチンは、個々に又は組み合わせて、発作の一部分に選択的であり得、方法は、実際の発作で補記されるような様々な応答の予期されるタイミングに基づくように、様々な検出を重み付けし(weigh)得る。例えば、幾つかの実施形態では、EMGを使用して検出する第1のルーチン及び第2のルーチン(上述したものを含む)のそれぞれが一緒に実行され(ステップ62において)、様々なアルゴリズムは、発作の分離された部分及び/又は様々な多部分発作イベントについてデータを調べ得る。同様に、これもまたステップ62に示されるように、発作のオーディオシグネチャを検出する第1及び第2のルーチンのそれぞれが実行され得る。例えば、一方のルーチンは、発作の開始近くで発生し得るような可聴叫び声(audible scream)の存在を示し得る高振幅オーディオデータの発生を探して、収集されたオーディオデータを分析し得、第2のオーディオルーチンは、発作の後の部分又は発作の回復を示す反復データを探し得る。
【0050】
EMG検出の第1のルーチンは、筋収縮期活動又は発作前活動を探し得る。可聴叫び声が、筋収縮期活動のEMG検出と時間的に相関する場合、発作検出アルゴリズムにおいて、相対検出が組み合わせられ得る。特に、幾つかの実施形態では、検出の相対的重み(ステップ64)が、超線形的に加算され得、すなわち、上記例では、両検出(EMG及びオーディオ)が行われたのみならず、検出は、予期される方法で時間的にコヒーレントにも行われ、部分は多くの場合、発作の同じ部分に関連するため、発作検出での増大信頼度(increase confidence)は特に高くなり得る。すなわち、略時間(about the time)に発生すると予期されるオーディオイベント及びEMGイベントがなされ、信号は時間的に相関する。幾つかの実施形態では、EMGを使用して早期発作又は筋収縮期活動を識別するルーチン及び初期高振幅叫び声を検出するルーチンは、時間的に相関すると考えられ得、イベントが互いから約1分以内に生じる場合、発作検出アルゴリズムでは重み付けされ得る。
【0051】
同様に、アルゴリズムは、例えば、呼吸のコントロールを再び得ようとしているか、又は音の律動的な動きを引き起こしている患者の存在を示し得、発作の初期兆候後に生じ得る反復オーディオデータの発生を探して、収集されたオーディオデータを分析し得る。更に、アルゴリズムは、間代期活動及び/又は発作後回復に関連付けられたEMGデータに選択的な1つ又は複数のルーチンを使用して、EMGデータを分析し得る。患者によっては、間代期バーストの存在及び空気を求めてのあえぎの存在は、高く相関し得る。そして、幾つかの実施形態では、EMGを使用して間代期活動を識別するルーチン及び反復的なあえぎを検出するルーチンは、イベントが互いに対して約30秒以内に発生する場合、時間的に相関すると考えることができ、発作検出アルゴリズムにおいて重み付けされ得る。更に、患者によっては、上述したオーディオルーチン及びEMG検出ルーチンの周期性での傾向が高く相関し得る。例えば、EMGで測定されるような患者の運動兆候及び患者のオーディオ応答(例えば、あえぎ)は相関し得る。
【0052】
幾つかの実施形態では、音響センサの活性化の閾値レベルは、非発作参照期間中に音響センサで収集されるベースラインレベルを超える幾つかの標準偏差であるレベルに基づき得る。代替的には、幾つかの実施形態では、オーディオ活性化の閾値レベルは、音響センサベースラインレベルと閾値ノイズレベルとの比率に基づいて設定され得る。例えば、音響センサの閾値レベルは、音響センサの測定ベースラインレベルの約10デシベル〜約40デシベル上に音響信号が増大する場合、達し得る。他の実施形態では、音響センサの活性化の閾値レベルが、センサが標準参照レベルよりも上の特定のデシベルレベルに達することに基づいて定義され得る。音響センサは、例えば、通常、約20マイクロパスカルの外圧を使用して測定され得るような0db信号と突き合わせて較正されてもよい。幾つかの実施形態では、音響センサの活性化の閾値レベルは、音響センサが約50デシベル又は約75デシベルを超えるレベルで音を測定する場合、満たされ得る。幾つかの実施形態では、オーディオ活性化の閾値レベルは、通常の発話が閾値を超えないが、発作を起こしている幾人かの患者にとっては典型的であり得るような叫び声は、活性化の閾値レベルを超え得るように十分に高くし得る。
【0053】
EMG活動の閾値は、例えば、T二乗統計値、振幅バーストの存在、又はそれらのEMG特徴の組合せを含むEMG活動の任意の様々な特徴に基づき得る。幾つかの実施形態では、EMG信号は、ある時間期間にわたって収集され、フィルタリングによって処理されて、複数の周波数帯を選択し得る。例えば、EMG周波数スペクトルは、3つ以上等の幾つかの周波数帯に分割されてもよく、各周波数帯の1つ又は複数の特徴、例えば、帯の出力内容又は帯内の1つ若しくは複数の周波数でのスペクトル密度が測定され得る。周波数帯の測定された特徴は、他の周波数帯で測定されるような特徴に関する分散及び共分散によって正規化され、その結果生成される正規化値は処理され、1つ又は複数のT二乗統計値が特定され得る。T二乗統計値は、参照T二乗統計値と比較され、T二乗値が参照値を超える場合、閾値条件が満たされ得る。幾つかの実施形態では、T二乗参照値は、1つ又は複数の参照及び/又はトレーニング期間を使用して確立され得る。例えば、参照T二乗値は、患者が休憩中であり得る間に得られるT二乗ベースラインからの幾つかの標準偏差であり得る。他の実施形態では、参照T二乗値は、患者が最大随意収縮を行っている可能性がある間で得られる測定値に基づいてスケーリングされ、且つ/又は患者の中間上部の腕囲に基づいて計算され得る。
【0054】
幾つかの実施形態では、アラームプロトコルの開始は、特定の時間期間内にオーディオ活動及びEMG活動の両方の閾値レベルを満たすことに依存し得る。例えば、これもまた音量が大きい場合がある非発作イベントから生じているオーディオ信号に基づく発作の誤検出をなくすために、オーディオ検出に加えてEMG活性化が生じることが要求され、両閾値イベントが確立された時間期間内で生じる場合のみ、アラームプロトコルが開始され得る。EMG活性化及びオーディオ活性化の時間的相関は、個々の患者又は患者群に対して調整され得る。
【0055】
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の音響センサからのデータは、発作検出方法において、1つ又は複数の他のセンサからの他のデータと共に使用され得る。例えば、オーディオデータは、音響センサからのデータを定期的に調べ、高振幅信号の期間を探すように構成されるアルゴリズム内のサブメソッドの一環として収集され得る。検出される場合、サブメソッドは、レジスタの値を増大させ、レジスタの内容を累積レジスタに定期的に転送し得る。したがって、累積レジスタは、音響活動の尺度として機能し得る。累積レジスタは、所望のレートで定期的に調整され(例えば、インクリメント又はデクリメント)、それにより、最近の音響データのみが保持されるように構成され得る。したがって、特定の時間期間中、音響活動が高い場合、累積レジスタは値を増大する傾向があり得る。米国特許出願第13/275,309号及び同第13/542,596号により完全に記載されるような他のサブメソッドが動作することもでき、EMGデータの異なる特徴の番兵として機能し得る。定期的に、監督アルゴリズムが、1つ又は複数の累積レジスタの内容を分析して、発作が発生している可能性が高いか否かを判断してもよい。監督アルゴリズムが、累積レジスタ内の値の和又は値の加重和が閾値を超えると判断する場合、アラームプロトコルが開始され得る。
【0056】
幾つかの実施形態では、複数のオーディオセンサがモニタリング領域に存在し、かつその領域内又は近傍から発せられた音は異なるセンサによって検出され得る。音成分を空間的にフィルタリングするために検出信号間の差異が使用され得る。例えば、オーディオデータの空間フィルタリングは、患者の予期される位置又は測定される位置に関連付けられたデータと組み合わせて使用され得る。例えば、患者から空間的に異なる場所から発せられた可能性が高い音成分は、カウントされないか、又は発作検出アルゴリズムで使用される音又は音成分の有意性を低減する係数で重み付けされ得る。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の環境送受信器が、検出エリアに配置され、患者が移動する際、患者の相対位置が確立され得る。
【0057】
幾つかの実施形態では、音響データは、アラームプロトコルを開始するか否かを判断するアルゴリズムにおいてリアルタイムで分析され、統合され得る。音響データの分析は、完全自動化又は半自動化され得る。例えば、幾つかの実施形態では、音響データは振幅データ又は正規化データを含み得、介護者による解釈の必要なく、検出アルゴリズムに統合され得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、オーディオデータは、発作中又は発作後に介護者に送信することもできる。例えば、幾つかの実施形態では、オーディオデータ又は可能な発作活動に相関するオーディオデータは、適切な行動をとるように訓練された遠隔人員に送信され得る。幾つかの実施形態では、遠隔人員に送信されたデータは圧縮されて、送信帯域幅を低減することができるか、又は処理されて、介護人員による効率的な分析を促進することができる。例えば、オーディオデータ及び/又はEMGデータは、情報が分析中に容易にスクロールされ得るように適宜圧縮され得る。
【0058】
幾つかの実施形態では、イベントに関連する発作又は発作の可能性の検出は、EMGデータ及びオーディオデータのリモートモニタリング設備への自動送信をトリガーし得る。例えば、アラームがトリガーされる場合、イベント前後のデータがレビューのために送信され得る。幾つかの実施形態では、EMGデータは、ファイルのサイズを低減するように間引かれ得るが、目に見える品質を失うほどは間引かれない。ファイルの低減は、例えば、インターネットサービスを用いてローカルコンピュータからのデータを操作する場合、応答性を高め得る。次に、ローカルコンピュータでデータを見ている介護者は、送信されたデータの任意の部分を見ること/聞くことを選択し得る。一実施形態では、予期されるイベントの両側の5分間隔(例えば、10分のデータ)が、レビューのために送信され、且つ/又はアップロードされ得る。ローカルコンピュータでデータを見ている介護者は、10分間全体を見ること/聞くことを選択することもでき、又は1〜10と記された一連のボタンで、特定の1分区間で見ること/聞くことを選ぶこともできる。ソフトウェアは、EMGデータの選択された部分が、関連付けられたオーディオデータ(例えば、EMGデータと同時に収集されたデータ)が同時に聞かれるようなレートで画面をスクロールし得るように構成され得る。
【0059】
開示された方法及び装置並びにそれらの利点について詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明から逸脱せずに、本明細書において様々な変更形態、置換形態、及び代替形態をなし得ることを理解されたい。更に、本願の範囲は、本明細書に記載されるプロセス、マシン、製造、組成、又は物質、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることが意図されない。例えば、「含む」という言葉の使用は、「備える」という言葉が解釈されるように、すなわち、オープンエンドとして解釈されるべきである。本開示から容易に理解されるように、本明細書に記載される対応する実施形態と略同じ機能を実行するか、又は略同じ結果を達成する、現存するか、又は後に開発されるプロセス、マシン、製造、物質組成、手段、方法、又はステップが利用可能である。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、マシン、製造、物質組成、手段、方法、又はステップをその範囲内に包含することが意図される。