(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記角度が第2のしきい値に適合するとき、前記仮想インジケータを前記2次元トップダウン図において表示することから、前記充電スポットの前記場所の前記仮想インジケータを第3の図において表示することへ遷移するための手段をさらに備え、前記第3の図は、前記2次元トップダウン図のアップサイドダウン図を備える、請求項1に記載のデバイス。
前記角度が第3のしきい値に適合するとき、前記仮想インジケータを前記第3の図において表示することから、前記充電スポットの前記場所の前記仮想インジケータを第4の図において表示することへ遷移するための手段をさらに備え、前記第4の図は、前記3次元透視図のアップサイドダウン図、または前記充電スポットの前記場所が前記第3のしきい値に適合したことを示すアイコンを備える、請求項2に記載のデバイス。
前記プロセッサは、前記充電スポットの前記場所の前記仮想インジケータを、前記電気車両のユーザインターフェース上に表示するようにさらに構成される、請求項4に記載のデバイス。
前記センサ回路は、第1の充電ベースの第1の充電スポットおよび第2の充電ベースの第2の充電スポットの場所を、前記第1の充電ベースと第2の充電ベースの両方からの信号を検出できるように位置決めされていることに応じて決定するようにさらに構成され、前記プロセッサは、前記第1および第2の充電スポットの、前記電気車両の前記充電カプラに対する感知された位置のインジケータを表示するようにさらに構成される、請求項4に記載のデバイス。
前記プロセッサは、前記第1または第2の充電スポットの前記場所がもはや視界内に位置していないとき、前記第1または第2の充電スポットのうちの一方の前記場所の前記インジケータを動的に除去するように構成される、請求項10に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面に示された様々な特徴は、縮尺通りに描かれていないことがある。したがって、明確にするために、様々な特徴の寸法は任意に拡大または縮小されていることがある。加えて、図面のいくつかは、所与のシステム、方法、またはデバイスの構成要素のすべてを図示していないことがある。最後に、同様の参照番号が、明細書および図面全体を通じて同様の特徴を表すために使用され得る。
【0012】
添付の図面に関連させて以下に記載される詳細な説明は、例示的な実施形態の説明を目的としたものであり、本発明を実践できる唯一の実施形態を表すことを意図したものではない。本説明全体にわたって使用される「例示的」という用語は、「例、実例、または例示として機能すること」を意味しており、必ずしも、他の例示的な実施態様よりも好ましい、または有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、例示的な実施形態の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。場合によっては、いくつかのデバイスがブロック図の形式で示されている。
【0013】
ワイヤレスに電力を伝達することは、物理的な導電体を使用することなく、電場、磁場、電磁場などに関連する任意の形態のエネルギーを送信機から受信機に伝達する(たとえば、電力は、自由空間を通って伝達され得る)ことを指す場合がある。電力伝達を実現するために、ワイヤレス場(たとえば、磁場)内に出力された電力は、「受信コイル」によって受信、捕捉、または結合することができる。
【0014】
本明細書では、リモートシステムを記載するために電気車両が使用され、その一例は、その運動能力の部分として、充電可能なエネルギー蓄積デバイス(たとえば、1つまたは複数の再充電可能な電気化学セルまたは他のタイプのバッテリ)から導出された電力を含む車両である。非限定的な例として、いくつかの電気車両は、電気モータ以外に、直接運動のための、または車両のバッテリを充電するための従来型内燃機関を含むハイブリッド電気車両であり得る。他の電気車両は、電力からすべての運動能力を引き出すことができる。電気車両は自動車に限定されず、オートバイ、カート、スクーターなどを含む場合がある。限定ではなく例として、リモートシステムは、本明細書では電気車両(EV)の形態で記載される。さらに、充電可能なエネルギー蓄積デバイスを使用して、少なくとも部分的に電力供給され得る他のリモートシステム(たとえば、パーソナルコンピューティングデバイスなどの電子デバイス)も考えられる。
【0015】
図1は、例示的な実施形態による、電気車両を充電するための例示的なワイヤレス電力伝達システム100の図である。電気車両112が効率的にベースワイヤレス充電システム102aに結合するように駐車している間に、ワイヤレス電力伝達システム100により電気車両112の充電が可能になる。2つの電気車両のためのスペースが、対応するベースワイヤレス充電システム102aおよび102bの上で駐車するべき駐車エリアの中に示される。いくつかの実施形態では、ローカル配電センタ130は、電力バックボーン132に接続され得、交流電流(AC)または直流電流(DC)の供給を、電力リンク110を介してベースワイヤレス充電システム102aおよび102bに提供するように構成され得る。ベースワイヤレス充電システム102aおよび102bの各々はまた、電力をワイヤレスに伝達(送信または受信)するためのベースカプラ104a、104bを含む。いくつかの他の実施形態では(
図1に示さず)、ベースカプラ104aまたは104bは、スタンドアロンの物理ユニットであってよく、ベースワイヤレス充電システム102aまたは102bの部分でない。
【0016】
電気車両112は、バッテリユニット118、電気車両カプラ116、および電気車両ワイヤレス充電ユニット114を含み得る。電気車両ワイヤレス充電ユニット114および電気車両カプラ116は、電気車両ワイヤレス充電システムを形成する。本明細書に示すいくつかの図では、電気車両ワイヤレス充電ユニット114は、車両充電ユニット(VCU)とも呼ばれる。電動車両カプラ116は、たとえば、ベースカプラ104aによって生成される電磁場の領域を介して、ベースカプラ104aと相互作用し得る。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態では、電気車両カプラ116がベースカプラ104aによって発生したエネルギー場の中に位置するとき、電気車両カプラ116は電力を受信し得る。この場は、ベースカプラ104aによって出力されるエネルギーが電動車両カプラ116によって捕捉され得る領域に対応し得る。たとえば、ベースカプラ104aによって出力されるエネルギーは、電気車両112を充電または給電するのに十分なレベルにあり得る。場合によっては、場は、ベースカプラ104aの「近距離場」に相当し得る。近距離場は、ベースカプラ104aから離れる電力を放射しない、ベースカプラ104aの中の電流および電荷からもたらされる、強い反応場が存在する領域に相当し得る。場合によっては、近距離場は、以下でさらに説明するように、ベースカプラ104aの波長の約1/2π以内にある領域(反対に電気車両カプラ116の場合も同様)に相当し得る。
【0018】
ローカル配電センタ130は、通信バックホール134を介して外部ソース(たとえば、電力網)と、および通信リンク108を介してベースワイヤレス充電システム102aと通信するように構成され得る。本明細書でのいくつかの図に示されるベース共通通信ユニット(BCC)は、ローカル配電センタ130の部分であってよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、電気車両カプラ116がベースカプラ104aに対して十分な位置合わせの中に入るように電気車両のオペレータが単に電気車両112を位置決めすることによって、電気車両カプラ116は、ベースカプラ104aに位置合わせされ得、したがって、近距離場の領域内に配置され得る。位置合わせ誤差が許容できる値を下回ったとき、位置合わせが十分であると言われてよい。他の実施形態では、オペレータは、電気車両112がワイヤレス電力伝達のための許容エリア内に適切に配置されているときを決定するために、視覚的なフィードバック、音声のフィードバック、またはそれらの組合せを与えられ得る。また他の実施形態では、電気車両112は、オートパイロットシステムによって位置決めされ得、オートパイロットシステムは、十分な位置合わせが達成されるまで電気車両112を移動させ得る。これは、運転手の介入なく、または運転手の最小限の介入のみを伴って、電気車両112によって自動的かつ自律的に実行され得る。これは、サーボステアリング、レーダーセンサ(たとえば、超音波センサ)、および電気車両を安全に操作かつ調整するための知能が装備されている電気車両112に関して可能であり得る。さらに他の実施形態では、電気車両112、ベースワイヤレス充電システム102a、またはそれらの組合せは、カプラ116および104aを互いに対して機械的に変位および移動させてそれらをより正確に方向合わせおよび位置合わせし、それらの間に十分な、および/またはさもなければより効率的な結合を生じさせるための機能を有し得る。
【0020】
ベースワイヤレス充電システム102aは、様々な場所に位置することができる。非限定的な例として、いくつかの適切な場所には、電気車両112の所有者の自宅の駐車エリア、従来のガソリンスタンドに倣った電気車両ワイヤレス充電用に確保された駐車エリア、ならびにショッピングセンタおよび職場などの他の場所の駐車場が含まれる。
【0021】
ワイヤレスに電気車両を充電することは、数々の利点をもたらすことができる。たとえば、充電は、自動的に、実質的に運転手の介入および操作なしに実行することができ、それによって、ユーザの利便性が向上する。露出した電気接点、および機械的摩耗をなくすこともでき、それによって、ワイヤレス電力伝達システム100の信頼性が向上する。ケーブルおよびコネクタを用いる操作を不要にすることができ、戸外の環境において湿気および水分にさらされる場合がある、ケーブル、プラグ、またはソケットをなくすことができ、それによって、安全性が向上する。目に見えるまたはアクセス可能なソケット、ケーブル、およびプラグをなくすこともでき、それによって、電力充電デバイスへの潜在的な破壊行為が減少する。さらに、電力網を安定させるために、電気車両112を分散蓄積デバイスとして使用することができるので、便利なドッキングとグリッド間のソリューションは、車両とグリッド間(V2G)の動作のための車両の利用可能性を高める助けとなり得る。
【0022】
図1を参照して記載されたワイヤレス電力伝達システム100は、美的で無害な利点をもたらすこともできる。たとえば、車両および/または歩行者の妨げになる場合がある、充電柱(charge column)および充電ケーブルをなくすことができる。
【0023】
車両とグリッド間の機能のさらなる説明として、ワイヤレス電力の送信機能および受信機能は、ベースワイヤレス充電システム102aが電気車両112に電力を送信できるように、または電気車両112がベースワイヤレス充電システム102aに電力を送信できるように、互恵的に構成することができる。この機能は、再生可能エネルギー生産(たとえば、風または太陽)の過剰な需要または不足によって引き起こされるエネルギー不足の際に、電気車両112が配電システム全体に電力を寄与できるようにすることによって配電網を安定させるために、有用であり得る。
【0024】
図2は、
図1のワイヤレス電力伝達システム100で使用され得るワイヤレス電力伝達システム200の例示的な構成要素を示すことの概略図である。
図2に示されるように、ワイヤレス電力伝達システム200は、インダクタンスがL
1のベースカプラ204を含むベース共振回路206を含み得る。ワイヤレス電力伝達システム200は、インダクタンスがL
2の電気車両カプラ216を含む電気車両共振回路222をさらに含む。本明細書で説明される実施形態は、一次側と二次側の両方が共通の共振周波数に合わされている場合に、磁気的または電磁気的な近距離場を介して一次側構造物(送信機)から二次側構造物(受信機)へとエネルギーを効率的に結合することが可能な共振構造を形成する、容量負荷導体ループ(すなわち、多巻コイル)を使用することができる。コイルは、電気車両カプラ216およびベースカプラ204に対して使用され得る。エネルギーを結合するために共振構造を使用することは、「磁気結合共振」、「電磁結合共振」、および/または「共振誘導」と呼ばれることがある。ワイヤレス電力伝達システム200の動作は、ベースカプラ204から電気車両112(図示せず)への電力伝達に基づいて説明されるが、それに限定されない。たとえば、上記で説明したように、エネルギーは逆方向でも伝達され得る。
【0025】
図2を参照すると、電源208(たとえば、ACまたはDC)が、ベースワイヤレス電力充電システム202の部分としてのベース電力コンバータ236に電力P
SDCを供給して、エネルギーを電気車両(たとえば、
図1の電気車両112)に伝達する。ベース電力コンバータ236は、標準的な電源のACからの電力を、適切な電圧レベルのDC電力へ変換するように構成されるAC/DCコンバータ、および、DC電力をワイヤレス大電力伝達に適した動作周波数の電力に変換するように構成されるDC/低周波(LF)コンバータなどの回路を含み得る。ベース電力コンバータ236は、電力P
1をベースカプラ204と直列の同調キャパシタC1を含むベース共振回路206に供給して、動作周波数において電磁場を放出する。直列同調共振回路206は、例示的と解釈されるべきである。別の実施形態では、キャパシタC
1は、ベースカプラ204と並列に結合されてもよい。また他の実施形態では、同調は、並列トポロジまたは直列トポロジの任意の組合せで、いくつかのリアクタンス要素から形成され得る。キャパシタC
1は、実質的に動作周波数で共振するベースカプラ204とともに共振回路を形成するために設けられ得る。ベースカプラ204は、電力P
1を受信し、電気車両を充電または給電するのに十分なレベルの電力をワイヤレスに送信する。たとえば、ベースカプラ204によってワイヤレスに供給される電力レベルは、数キロワット(kW)程度(たとえば、1kWから110kWまでの間、またはこれよりも高いkWまたは低いkW)にあり得る。
【0026】
ベース共振回路206(ベースカプラ204および同調キャパシタC
1を含む)および電気車両共振回路222(電気車両カプラ216および同調キャパシタC
2を含む)は、実質的に同じ周波数に同調され得る。さらに以下で説明するように、電気車両カプラ216は、ベースカプラの近距離場結合モード領域内に位置決めされ得、その逆も同様である。この場合には、ベースカプラ204および電気車両カプラ216は、電力がベースカプラ204から電気車両カプラ216へ伝達され得るように互いに結合されるようになり得る。直列キャパシタC
2は、実質的に動作周波数で共振する電気車両カプラ216とともに共振回路を形成するために設けられ得る。直列同調共振回路222は、例示的であるものと解釈されるべきである。別の実施形態では、キャパシタC
2は、電気車両カプラ216と並列に結合されてもよい。また他の実施形態では、電気車両共振回路222は、並列トポロジまたは直列トポロジの任意の組合せで、いくつかのリアクタンス要素から形成され得る。要素k(d)は、コイル間隔dにおいて得られる相互結合係数を表す。等価抵抗R
eq,1およびR
eq,2は、それぞれ、ベースカプラ204および電気車両カプラ216ならびに同調(逆リアクタンス)キャパシタC
1およびC
2に固有であり得る損失を表す。電気車両カプラ216およびキャパシタC
2を含む電気車両共振回路222は、電力P
2を受信し、電力P
2を電気車両充電システム214の電気車両電力コンバータ238に供給する。
【0027】
電気車両電力コンバータ238は、とりわけ、動作周波数での電力を、電気車両バッテリユニットを表し得る電力シンク218の電圧レベルでのDC電力に戻す形で変換するように構成される、LF/DCコンバータを含み得る。電気車両電力コンバータ238は、変換された電力P
LDCを電力シンク218に供給し得る。電源208、ベース電力コンバータ236、およびベースカプラ204は、上記で説明したような様々な場所に固定され、位置してよい。電気車両電力シンク218(たとえば、電気車両バッテリユニット)、電気車両電力コンバータ238、および電気車両カプラ216は、電気車両(たとえば、電気車両112)の部分、またはそれのバッテリパック(図示せず)の部分である電気車両充電システム214に含まれ得る。電気車両充電システム214はまた、電気車両カプラ216を通じてベースワイヤレス電力充電システム202に電力をワイヤレスに供給して、電力をグリッドに戻すように構成され得る。電気車両カプラ216およびベースカプラ204の各々は、動作モードに基づいて、送信カプラまたは受信カプラとしての働きをすることができる。
【0028】
図示されていないが、ワイヤレス電力伝達システム200は、電気車両電力シンク218または電源208をワイヤレス電力伝達システム200から安全に切断するための、負荷切断ユニット(LDU)を含み得る。たとえば、緊急事態またはシステム障害の場合、LDUは、負荷をワイヤレス電力伝達システム200から切断するようにトリガされ得る。LDUは、バッテリへの充電を管理するためのバッテリ管理システムに加えて設けられてよく、または、バッテリ管理システムの部分であってもよい。
【0029】
さらに、電気車両充電システム214は、電気車両カプラ216を電気車両電力コンバータ238と選択的に接続および切断するための、開閉回路(図示せず)を含み得る。電気車両カプラ216を切断することで、充電を中止することができ、(送信機としての働きをする)ベースワイヤレス電力充電システム202によって「見られる」ような「負荷」を変化させることもでき、このことは、(受信機としての働きをする)電気車両充電システム214をベースワイヤレス充電システム202から「覆い隠す」ために使用され得る。送信機が負荷感知回路を含む場合、負荷の変化が検出され得る。したがって、以下でさらに説明するように、ベースワイヤレス充電システム202などの送信機は、電気車両充電システム214などの受信機がベースカプラ204の近距離場結合モード領域に存在するときを決定するための機構を有し得る。
【0030】
上述されたように、動作において、電気車両(たとえば、
図1の電気車両112)へのエネルギー伝達の間に、ベースカプラ204がエネルギー伝達を提供するための電磁場を生成するように、入力電力が電源208から供給される。電気車両カプラ216は、電磁場に結合し、電気車両112による蓄積または消費のための出力電力を生成する。上述されたように、いくつかの実施形態では、ベース共振回路206および電気車両共振回路222は、それらがほぼまたは実質的に動作周波数において共振するような、相互共振関係に従って構成および同調される。以下でさらに説明するように、電気車両カプラ216がベースカプラ204の近距離場結合モード領域の中に位置しているとき、ベースワイヤレス電力充電システム202と電気車両充電システム214との間の送信損失は最小である。
【0031】
述べたように、効率的なエネルギー伝達は、空間への放射による大幅な損失を伴うことがある遠距離場での電磁波を介するよりも、電磁近距離場を介してエネルギーを伝達することによって行われる。近距離場の中にあるとき、送信カプラと受信カプラとの間に結合モードが確立され得る。この近距離場結合が発生し得るカプラの周りの空間は、本明細書では近距離場結合モード領域と呼ばれる。
【0032】
図示されていないが、ベース電力コンバータ236および電気車両電力コンバータ238は双方向である場合、送信モードについて発振器、電力増幅器などの駆動回路、フィルタ、および整合回路を、また受信モードについて整流器回路を、ともに含み得る。発振器は、調整信号に応答して調整され得る所望の動作周波数を生成するように構成され得る。発振器信号は、電力増幅器によって、制御信号に応答する増幅量で増幅され得る。フィルタおよび整合回路は、高調波または他の不要な周波数を除去し、共振回路206および222によって与えられるようなインピーダンスを、ベース電力コンバータ236および電気車両電力コンバータ238にそれぞれ整合させるために含まれ得る。受信モードについて、ベース電力コンバータ236および電気車両電力コンバータ238はまた、整流器およびスイッチング回路を含み得る。
【0033】
開示される実施形態全体で説明されるような電気車両カプラ216およびベースカプラ204は、「導体ループ」、より具体的には「多巻導体ループ」またはコイルと呼ばれることがあり、またはそのように構成され得る。ベースカプラ204および電気車両カプラ216はまた、「磁気」カプラと本明細書では呼ばれることがあり、またはそのように構成され得る。「カプラ」という用語は、別の「カプラ」に結合するために、エネルギーをワイヤレスに出力または受信することができる構成要素を指すことが意図される。
【0034】
上記で説明したように、送信機と受信機との間のエネルギーの効率的な伝達は、送信機と受信機との間の整合された共振またはほぼ整合された共振中に行われる。しかしながら、送信機と受信機との間の共振が整合されていないときでも、効率を下げてエネルギーを伝達することができる。
【0035】
共振周波数は、上述されたようなカプラ(たとえば、ベースカプラ204およびキャパシタC
2)を含む共振回路(たとえば、共振回路206)のインダクタンスおよび静電容量に基づき得る。
図2に示すように、インダクタンスは、一般にカプラのインダクタンスであり得るが、静電容量は、所望の共振周波数において共振構造を作成するようにカプラに追加され得る。したがって、大きいインダクタンスを示す大きい直径のコイルを使用する大きいサイズのカプラについて、共振を生み出すために必要となる静電容量の値は小さくてよい。インダクタンスはまた、コイルの巻数に依存し得る。さらに、カプラのサイズが増大するにつれて、結合効率は増大し得る。このことは、主にベースカプラと電気車両カプラの両方のサイズが増大する場合に当てはまる。さらに、カプラおよび同調キャパシタを含む共振回路は、エネルギー伝達効率を改善するために高い品質(Q)ファクタを有するように設計され得る。たとえば、Q値は300以上であり得る。
【0036】
上述されたように、いくつかの実施形態によれば、互いの近距離場の中にある2つのカプラの間で電力を結合させることが開示される。上述されたように、近距離場は、主にリアクタンスを持つ電磁場が存在するカプラの周りの領域に相当し得る。カプラの物理的サイズが周波数に関係する波長よりもずっと小さい場合、波の伝搬またはカプラから離れる放射に起因する電力の大幅な損失はない。近距離場結合モード領域は、カプラの物理的ボリュームの近く、通常は波長のごく一部の中にあるボリュームに相当し得る。いくつかの実施形態によれば、外来物体、たとえば、誘電物体および人体との相互作用がより小さいために、実際に磁場を取り扱うことは電界よりも容易であるので、単巻または多巻の導体ループなどの磁気カプラが送信と受信の両方のために使用されることが好ましい。とはいえ、「電気」カプラ(たとえば、ダイポールおよびモノポール)または磁気カプラと電気カプラの組合せが使用されてもよい。
【0037】
図3は、
図1のワイヤレス電力伝達システム100で使用され得る、および/または
図2のワイヤレス電力伝達システム200がその部分であり得る、ワイヤレス電力伝達システム300の例示的な構成要素を示す機能ブロック図である。ワイヤレス電力伝達システム300は、通信リンク376と、位置または方向を決定するための、たとえば磁場信号を使用する案内リンク366と、ベースカプラ304と電気車両カプラ316のうちの一方または両方を機械的に移動させることができる位置合わせ機構356とを示す。ベースカプラ304および電気車両カプラ316の機械的な(運動学的な)位置合わせは、ベース位置合わせシステム352および電気車両充電位置合わせシステム354によって、それぞれ制御され得る。案内リンク366は、案内信号がベース案内システムもしくは電気車両案内システムによって、またはそれらの両方によって放出され得ることを意味する、双方向シグナリングを可能にし得る。
図1を参照して上記で説明したように、エネルギーが電気車両112の方へ流れるとき、
図3において、ベース充電システム電力インターフェース348は、ベース電力コンバータ336にAC電源またはDC電源(図示せず)などの電源から電力を供給するように構成され得る。ベース電力コンバータ336は、ベース充電システム電力インターフェース348を介してAC電力またはDC電力を受信して、
図2に関するベース共振回路206の共振周波数に近い周波数で、または共振周波数でベースカプラ304を駆動し得る。電気車両カプラ316は、近距離場結合モード領域の中にあるとき、エネルギーを電磁場から受信して、
図2に関する電気車両共振回路222の共振周波数で、または共振周波数の近くで発振し得る。電気車両電力コンバータ338は、電気車両カプラ316からの発振信号を、電気車両電力インターフェースを介してバッテリを充電するための適した電力信号に変換する。
【0038】
ベースワイヤレス充電システム302は、ベースコントローラ342を含み、電気車両充電システム314は、電気車両コントローラ344を含む。ベースコントローラ342は、たとえば、コンピュータ、ベース共通通信(BCC)、電力配電センタの通信エンティティ、またはスマート電力網の通信エンティティなどの他のシステム(図示せず)に、ベース充電システム通信インターフェースを提供し得る。電気車両コントローラ344は、たとえば、車両上のオンボードコンピュータ、バッテリ管理システム、車両内の他のシステム、およびリモートシステムなどの他のシステム(図示せず)に、電気車両通信インターフェースを提供し得る。
【0039】
ベース通信システム372および電気車両通信システム374は、別個の通信チャネルを伴う特有の用途のための、また同様に
図3の図に図示されない他の通信エンティティとワイヤレスに通信するための、サブシステムまたはモジュールを含み得る。これらの通信チャネルは、別個の物理チャネルまたは別個の論理チャネルであってよい。非限定的な例として、ベース位置合わせシステム352は、通信リンク376を通じて電気車両位置合わせシステム354と通信して、たとえば、電気車両位置合わせシステム352もしくはベース位置合わせシステム302のいずれか、またはそれらの両方による自律的かつ機械的(運動学的)な位置合わせを介して、または本明細書で説明されるようなオペレータ支援を用いて、ベースカプラ304および電気車両カプラ316をより密接に位置合わせするためのフィードバックメカニズムを提供し得る。同様に、ベース案内システム362は、充電スポットへオペレータを案内するために、またベースカプラ304および電気車両カプラ316を位置合わせする際に、必要とされるような位置または方向を決定するために、通信リンク376を通じて、また同様に案内リンク366を使用して電気車両案内システム364と通信し得る。いくつかの実施形態では、通信リンク376は、ベースワイヤレス充電システム302と電気車両充電システム314との間で他の情報を通信するために、ベース通信システム372および電気車両通信システム374によってサポートされる複数の別個の汎用通信チャネルを備え得る。この情報は、電気車両の特性、バッテリの特性、充電状態、およびベースワイヤレス充電システム302と電気車両充電システム314の両方の電力能力についての情報、および電気車両に関する保守および診断データを含み得る。これらの通信チャネルは、たとえば、WLAN、Bluetooth(登録商標)、zigbee、セルラーなどのような、別個の論理チャネルまたは別個の物理通信チャネルであり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、電気車両コントローラ344はまた、電気車両の主要バッテリおよび/または補助バッテリの充電および放電を管理するバッテリ管理システム(BMS)(図示せず)を含み得る。本明細書で論じるように、ベース案内システム362および電気車両案内システム364は、たとえば、マイクロ波、超音波レーダー、磁気ベクタリング原理に基づいて位置または方向を決定するために必要とされるような機能およびセンサを含む。さらに、電気車両コントローラ344は、電気車両オンボードシステムと通信するように構成され得る。たとえば、電気車両コントローラ344は、たとえば、半自動の駐車操作を実行するように構成されたブレーキシステムのための、または、ベースカプラ304と電気車両カプラ316との間に十分な位置合わせをもたらすためにいくつかの応用例で必要となり得るような多くの便利さおよび/または高い駐車精度を提供する、大部分が自動化された駐車「パークバイワイヤ」とともに支援するように構成されたステアリングサーボシステムのための位置データを、電気車両通信インターフェースを介して提供し得る。その上、電気車両コントローラ344は、視覚的出力デバイス(たとえば、ダッシュボードのディスプレイ)、音響/オーディオ出力デバイス(たとえば、ブザー、スピーカー)、機械的入力デバイス(たとえば、キーボード、タッチスクリーン、および、ジョイスティック、トラックボールなどのポインティングデバイスなど)、およびオーディオ入力デバイス(たとえば、電子音声認識を伴うマイクロフォン)と通信するように構成され得る。
【0041】
ワイヤレス電力伝達システム300は、検出およびセンサシステム(図示せず)などの他の補助システムを含み得る。たとえば、ワイヤレス電力伝達システム300は、案内システム(362、364)によって要求されるように位置を決定して運転手または車両を充電スポットへ適切に案内するためのシステムとともに使用するためのセンサ、要求される分離/結合を用いてカプラを相互に位置合わせするためのセンサ、電気車両カプラ316が結合を達成するために特定の高さおよび/または位置へ移動するのを妨げ得る物体を検出するためのセンサ、ならびにシステムの信頼できる無害かつ安全な動作を実行するためにシステムとともに使用するための安全センサを含み得る。たとえば、安全センサは、安全半径を越えてベースカプラ304および電気車両カプラ316に接近しつつある動物または子供の存在の検出、加熱(誘導加熱)されることがあるベースカプラまたは電気車両カプラ(304、316)の近くにまたは近傍に位置する金属物体の検出、およびベースカプラまたは電気車両カプラ(304、316)の近くの白熱物体などの有害な事象の検出のためのセンサを含み得る。
【0042】
ワイヤレス電力伝達システム300はまた、たとえば、有線充電ポート(図示せず)を電気車両充電システム314に設けることによって、有線接続を介したプラグイン充電をサポートし得る。電気車両充電システム314は、電気車両との間で電力を伝達する前に、2つの異なる充電器の出力を統合し得る。スイッチング回路は、ワイヤレス充電と有線充電ポートを介した充電との両方をサポートするために必要とされるような機能を提供し得る。
【0043】
ベースワイヤレス充電システム302と電気車両充電システム314との間で通信するために、ワイヤレス電力伝達システム300は、ベースカプラ304および電気車両カプラ316を介した帯域内シグナリング、および/または、通信システム(372、374)を介した、たとえば、RFデータモデム(たとえば、非ライセンス帯域の中での無線上のイーサーネット)を介した帯域外シグナリングを使用し得る。帯域外通信は、車両の使用者/所有者への付加価値サービスの割振りのために十分な帯域幅を提供し得る。ワイヤレス電力搬送波の低深度の振幅変調または位相変調が、干渉が最小限の帯域内シグナリングシステムとしての働きをし得る。
【0044】
一部の通信(たとえば、帯域内シグナリング)は、特定の通信アンテナを使用することなく、ワイヤレス電力リンクを介して実行され得る。たとえば、ベースカプラ304および電気車両カプラ316はまた、ワイヤレス通信カプラまたはアンテナとしての働きをするように構成され得る。したがって、ベースワイヤレス充電システム302のいくつかの実施形態は、ワイヤレス電力経路におけるキーイングタイププロトコルを可能にするためのコントローラ(図示せず)を含み得る。既定のプロトコルを用いて既定の間隔で送信電力レベルをキーイング(振幅シフトキーイング)することによって、受信機は送信機からのシリアル通信を検出し得る。ベース電力コンバータ336は、ベースカプラ304の近距離場結合モード領域の中での動作中の電気車両電力受信機の存在または不在を検出するための負荷感知回路(図示せず)を含み得る。例として、負荷感知回路は、ベース電力コンバータ336の電力増幅器へ流れている電流を監視し、その電流は、ベースカプラ304の近距離場結合モード領域の中で動作中の電力受信機の存在または不在によって影響を及ぼされる。電力増幅器での負荷の変化の検出は、エネルギーを送信するためのベースワイヤレス充電システム302を有効にするのかどうか、受信機と通信するのかどうか、またはそれらの組合せを判定する際に使用するために、ベースコントローラ342によって監視され得る。
【0045】
ワイヤレス大電力伝達を可能にするために、いくつかの実施形態は、10〜150kHzの範囲の周波数で電力を伝達するように構成され得る。この低周波数結合により、ソリッドステートスイッチングデバイスを使用して達成され得る高効率な電力変換が可能になり得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるワイヤレス電力伝達システム100、200、および300は、再充電可能または交換可能なバッテリを含む様々な電気車両112とともに使用され得る。
【0046】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、電気車両412の中に配置された交換可能な非接触式バッテリを示す機能ブロック図である。本実施形態では、ワイヤレス電力インターフェース(たとえば、充電器とバッテリ間のワイヤレスインターフェース426)を統合し、たとえば、地中に埋め込まれた地上ベースのワイヤレス充電ユニット(図示せず)から電力を受信し得る電気車両バッテリユニット(図示せず)にとって、低いバッテリ位置が有用であり得る。
図4では、電気車両バッテリユニットは、再充電可能なバッテリユニットであってよく、バッテリコンパートメント424に収容され得る。電気車両バッテリユニットはまた、充電器とバッテリ間のワイヤレス電力インターフェース426を提供し、充電器とバッテリ間のワイヤレス電力インターフェース426は、カプラ、共振同調および電力変換回路、ならびに、地上ベースのワイヤレス充電ユニットと電気車両バッテリユニットとの間での効率的かつ安全なワイヤレスエネルギー伝達のために必要とされるような他の制御機能および通信機能を含む、電気車両ワイヤレス電力サブシステム全体を統合し得る。
【0047】
電気車両のカプラ(たとえば、電気車両カプラ116)は、突出した部分がないように、かつ、地面と車体間の所定のすきまが保たれ得るように、電気車両バッテリユニットまたは車体の底面と面一に統合されることが有用であり得る。この構成は、電気車両ワイヤレス電力サブシステムに専用の電気車両バッテリユニットの中に、いくらかの空間を必要とし得る。
図4に示すように、電気車両412と地上ベースのワイヤレス充電ユニットとの間にワイヤレス電力および通信を提供し得る充電器とバッテリ間のワイヤレス電力インターフェース426のそばに、電気車両バッテリユニット422はまた、バッテリとEV間の非接触インターフェース428を提供し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、
図1を参照すると、ベースカプラ104aおよび電気車両カプラ116は、固定された位置にあってよく、カプラは、たとえば、ベースワイヤレス充電システム102aに対する電気車両カプラ116の全体的な配置によって、近距離場結合モード領域内に持ち込まれる。しかしながら、エネルギー伝達を迅速、効率的かつ安全に実行するために、ベースカプラ104aと電気車両カプラ116との間の距離は、結合を改善するように短縮される必要があり得る。したがって、いくつかの実施形態では、ベースカプラ104aおよび/または電気車両カプラ116は、それらを互いにより近くに持ち込むために(空隙を短縮するために)、垂直方向で配置可能および/または移動可能であり得る。
【0049】
図1を参照すると、上述された充電システムは、電気車両112を充電するために、または電力網に戻す形で電力を伝達するために、様々な場所で使用され得る。たとえば、電力の伝達は、駐車場環境で生じ得る。「駐車エリア」が本明細書で「駐車スペース」または「駐車区画」と呼ばれることもあることに留意されたい。ワイヤレス電力伝達システム100の効率を高めるために、電気車両112内の電気車両カプラ116が、関連する駐車エリア内のベースカプラ104aに対して適切に位置合わせされるのを可能にするように、電気車両112はX方向およびY方向に沿って位置合わせされ得る。
【0050】
さらに、開示される実施形態は、1つまたは複数の駐車スペースまたは駐車エリアを有する駐車場に適用可能であり、駐車場内の少なくとも1つの駐車スペースは、以下で同様に充電ベース102が参照されるベースワイヤレス充電システム102aを備え得る。いくつかの実施形態では、充電ベース102は、単にベースカプラ104aだけを備えてもよく、ベースワイヤレス充電システムの残りの部分は他のどこかに設置される。たとえば、共通の駐車エリアは複数の充電ベースを、それぞれ共通の駐車エリアの対応する駐車スペースに収容することができる。電気車両112を駐車エリアの中に配置する際に車両のオペレータを支援して、電気車両112内の電気車両カプラ116をベースワイヤレス充電システム102aの部分としてのベースカプラ104aに対して位置合わせするために、案内システム(
図1に示さず)が使用され得る。電気車両112を位置決めする際に電気車両のオペレータを支援して、電気車両112内の電気車両カプラ116がベースカプラ104aに十分に位置合わせされることを可能にするために、案内システムは、電子ベースの手法(たとえば、UWB信号、三角測量、磁場感知(たとえば、磁気ベクタリング)に基づく位置および/もしくは方向発見原理、ならびに/または光学的な、準光学的な、および/もしくは超音波の感知方法を使用する、たとえば、無線ベースの位置決め)、機械ベースの手法(たとえば、車輪ガイド、トラックまたはストップ)、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
【0051】
上記で説明したように、電力をベースワイヤレス充電システム102aへ/から送信/受信するために、電気車両充電ユニット114は電気車両112の底面に配置され得る。たとえば、電気車両カプラ116は、電磁場の曝露に関して最大限安全な距離をもたらし、電気車両の前向き駐車および後向き駐車を可能にする、好ましくは中心位置の近くで車体底面に統合され得る。
【0052】
図5Aは、本発明の例示的な実施形態による、電気車両112をワイヤレス充電するために使用され得る例示的な周波数を示す周波数スペクトルのチャートである。
図5Aに示すように、電気車両へのワイヤレス大電力伝達のための可能性のある周波数範囲は、3kHz〜30kHz帯域のVLF、いくつかの除外がある30kHz〜150kHz帯域の低LF(ISMなどの用途)、HFの6.78MHz(ITU-R ISMバンド6.765〜6.795MHz)、HFの13.56MHz(ITU-R ISMバンド13.553〜13.567)、およびHFの27.12MHz(ITU-R ISMバンド26.957〜27.283)を含み得る。
【0053】
図5Bは、例示的な実施形態による、ワイヤレス電力伝達(WPT)のために使用され得る例示的な周波数と、電気車両のワイヤレス充電での付随的な目的のために、たとえば、電気車両通信エンティティをベース通信エンティティに位置決めすること(磁気ベクタリング)および電気車両通信エンティティをベース通信エンティティとペアリングすることのために使用され得る低レベル磁気情報信号、すなわちビーコン信号のための例示的な周波数を示す周波数スペクトルの一部分の図である。
図5Bに示すように、WPTは、
図5Bに示す周波数スペクトル部分の下端におけるWPT動作周波数帯域505内で行われ得る。図示のように、動作中の充電ベースは、たとえば、周波数の不安定性に起因して、または同調の理由で意図的に、WPT動作周波数帯域505内のわずかに異なる周波数で電力をワイヤレスに伝達し得る。いくつかの実施形態では、WPT動作周波数帯域505は、
図5Aに示す可能性のある周波数範囲のうちの1つの中に位置し得る。いくつかの実施形態では、磁気シグナリング(ビーコニング)のための動作周波数帯域515は、干渉を避けるためにWPT動作周波数帯域505から周波数分離510だけオフセットされ得る。周波数分離510は、
図5Bに示すように、WPT動作周波数帯域505の上方に位置し得る。いくつかの態様では、周波数分離は、10〜20kHz以上のオフセットを備え得る。いくつかの態様では、周波数分割方式を使用して、動作中の充電ベースは、いくらかのチャネル間隔を伴う異なる周波数において磁気ビーコンを放出し得る。いくつかの態様では、磁気シグナリング(ビーコニング)515のための動作周波数帯域内の周波数チャネル間隔は、1kHzのチャネル間隔を備え得る。
【0054】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、電気車両をワイヤレス充電するのに有用であり得る例示的な周波数および送信距離を示すチャートである。電気車両のワイヤレス充電に有用であり得るいくつかの例示的な送信距離は、約30mm、約75mm、および約150mmである。いくつかの例示的な周波数は、VLF帯域の約27kHzおよびLF帯域の約135kHzであり得る。
【0055】
電気車両112の充電サイクル中に、
図1に関するワイヤレス電力伝達システム100のベースワイヤレス充電システム102aは、様々な動作状態を通過し得る。ワイヤレス電力伝達システム100は、1つまたは複数のベースワイヤレス充電システム(たとえば、102aおよび102b)を含み得る。ベースワイヤレス充電システム102aは、
図3に示すように、コントローラおよび電力変換ユニットのうちの少なくとも1つ、ならびにベースコントローラ342、ベース電力コンバータ336、およびベースカプラ304などのベースカプラを含み得る。ワイヤレス電力伝達システム100は、
図1に示すローカル配電センタ130を含み得、中央制御装置、グラフィカルユーザインターフェース、
図26Aに関するベース共通通信エンティティ2615、およびリモートサーバまたはサーバのグループへのネットワーク接続をさらに含み得る。
【0056】
ワイヤレス電力伝達システム100の効率性を高めるために、電気車両112内の電気車両カプラ116が、関連する駐車エリア内のベースカプラ104と十分に位置合わせされるのを可能にするように、電気車両112はX方向およびY方向に沿って(たとえば、磁場を使用して)位置合わせされ得る。規制上の制約(たとえば、電磁場強度の制限)のもとでの最大電力、および最大伝達効率を達成するために、ベースカプラ104aと電気車両カプラ116との間の位置合わせ誤差は、できるだけ小さく設定され得る。
【0057】
駐車エリアの中で電気車両112を位置決めする際に、電気車両112内の電気車両カプラ116をベースワイヤレス充電システム102aのベースカプラ104aに位置合わせするように車両オペレータを支援するために、案内システム(
図3に関して上記で説明した案内システム362および364などの)が使用され得る。電気車両カプラ116とベースカプラ104aとの間の結合効率がいくらかのしきい値を越えるように電気車両カプラ116およびベースカプラ104が位置合わせされたとき、それら2つはワイヤレス充電のための「スイートスポット」(許容エリア)内にあると言われる。この「スイートスポット」エリアは、放出に換算して定義されることもあり、たとえば、車両がこの許容エリアの中に駐車される場合、車両の周囲で測定されるような漏れ磁場は、規定された制限、たとえば、人体曝露の制限を常に下回る。
【0058】
案内システムは、様々な手法を含み得る。ある手法では、案内は、電気車両を「スイートスポット」の上に位置決めする際に、電気車両カプラのベースカプラに対する位置および/または方向を決定することに基づく表示または他の光学もしくは音響フィードバックを使用して電気車両のオペレータを支援することを含み得る。別の手法では、案内は、電気車両カプラ116のベースカプラ104に対する位置および/または方向を決定することに基づく、車両の直接かつ自動の案内を含み得る。
【0059】
位置および/または方向を決定するために、電磁波ベースの手法(たとえば、伝搬時間測定および三角測量のためにマイクロ波広帯域信号を使用する無線ベースの方法)、音響波ベースの手法(たとえば、伝搬時間測定および三角測量のために超音波を使用する)、光学または準光学の手法(たとえば、光学センサおよび電子カメラを使用する)、慣性ベースの手法(たとえば、加速度計および/またはジャイロメータを使用する)、空気圧力ベースの手法(たとえば、多層式駐車場においてフロアレベルを決定するため)、誘導ベースの手法(たとえば、WPTベースカプラまたは他の専用の誘導ループによって生成される磁場を感知することによる)などの、様々な手法が適用され得る。
【0060】
さらなる手法では、案内は、機械ベースの手法(たとえば、車輪ガイド、トラックまたはストップ)を含み得る。また別の手法では、案内は、案内ならびに位置および/または方向を決定するための上の手法および方法の組合せを含み得る。上の案内手法はまた、拡張されたエリア、たとえば、駐車場の内側、またはローカルエリア位置決めシステム(たとえば、屋内の位置決め)を必要とする駐車場での案内のために適用され得、ここで、位置決めは位置および/または方向を決定することを指す。
【0061】
屋内(GPSなどのグローバル衛星ベースナビゲーションシステムの受信がない)または屋外での自動車の環境において、異なる季節ごとの天候条件(雪、氷、水、群葉)において、異なる日中(日光照射、暗闇)において、信号源およびセンサが汚されて(汚れ、泥、ほこりなど)、異なる地上特性(アスファルト、鉄筋コンクリート)を伴って、車両および他の反射もしくは遮蔽している物体(その車両自体の車輪、隣接して駐車されている車両など)の存在において遭遇するような、すべての状態において確実に機能する場合、位置決めまたは位置特定の方法は実際的かつ有用であると見なされてよい。その上、インフラストラクチャ設置の複雑さおよびコストを最小限に抑えるために、ベースワイヤレス充電システム302(
図3に関する)の物理ユニットの外部に追加のコンポーネント(信号源、アンテナ、センサなど)を取り付ける必要がない方法が好ましくあり得る。本態様は、車両側にも適用され得る。好ましい実施形態では、アンテナおよびセンサを含む案内システム364のすべての車両側構成要素は、電気車両ワイヤレス充電システム314の物理ユニットに完全に統合される。同様に、好ましい実施形態では、アンテナおよびセンサを含む案内システム362のすべてのベース側構成要素は、ベースワイヤレス充電システム302の物理ユニットに完全に統合される。
【0062】
誘導ベースの手法の一実施形態では、
図3を参照すると、ベースカプラ304もしくは電気車両カプラ316のいずれか、またはベースワイヤレス充電システム302もしくは電気車両充電システム314に含まれる任意の他の専用の誘導ループは、それぞれ、電気車両充電システム314に含まれてよく、またはベースワイヤレス充電システム302に含まれてもよいセンサシステムまたはセンサ回路によって感知され得る、交番磁場(「磁場ビーコン信号」または「磁気感知場」とも呼ばれる)を生成し得る。磁場ビーコン信号用の周波数は、案内および位置合わせ(位置決め)の目的ならびに通信エンティティのペアリングのために使用され得、WPTの動作周波数と同一であってよく、またはWPTの周波数と異なるが位置決めのための感知が近距離場において行われるように十分低くてもよい。ある適当な周波数の一例は、低周波(LF)(たとえば、20〜150kHzからの範囲内で)におけるものであってよい。低周波(LF)磁場ビーコン信号の近距離場特性(場の強さ対距離である3次べき乗則減衰)および磁気ベクトル場パターンの特性は、多くの場合にとって十分な精度で位置を決定するために有用であり得る。さらに、この誘導ベースの手法は、上記に記載したような環境影響に比較的無反応であり得る。磁場ビーコン信号は、WPTのために使用されるものと同じコイルまたは同じコイル構成を使用して生成され得る。いくつかの実施形態では、特に磁場ビーコン信号を生成または感知するための1つまたは複数の別個のコイルが使用されてよく、いくつかの潜在的な問題点を解決する場合があり、確実かつ正確なソリューションをもたらし得る。
【0063】
一態様では、磁場ビーコン信号を感知することは、単にWPT結合の代表である位置合わせスコアのみを提供し得るが、より多くの情報(たとえば、実際の位置合わせ誤差、および駐車の試みに失敗した場合の修正のやり方)を車両オペレータに提供することができない場合がある。本態様では、ベースカプラおよび電気車両カプラのWPTコイルは、磁場を生成および感知するために使用され得、ベースカプラと電気車両カプラとの間の結合効率は、場が電流を生成することを知っている感知WPTコイルの短絡回路電流または開回路電圧を測定することによって決定され得る。この位置合わせ(すなわち、測定)モードにおいて必要とされる電流は、通常のWPTのために一般に使用される電流よりも小さくてよく、周波数は同じであってよい。
【0064】
別の態様では、
図1を参照すると、磁場を感知することは、電気車両112をワイヤレス充電スタンドの「スイートスポット」の中に正確に駐車する際に運転手を支援するために使用され得る、拡張された範囲にわたる位置情報を提供し得る。そのようなシステムは、周波数選択的でありWPTシステムで使用される通常の電流または電圧トランスデューサよりも感度のよい、専用の能動フィールドセンサを含み得る。人体曝露の規格に準拠するために、磁気感知場は、上述されたように結合効率を測定するために使用されるものよりも、低いレベルに低減されなければならないことがある。ベースカプラ104が磁気感知場を生成し、ベースカプラ104の活性面が常に電気車両112によって覆われているとは限らない場合、このことは特に当てはまることがある。
【0065】
異なる態様では、磁気近距離場を感知することはまた、拡張されたエリア、たとえば、駐車場の内側の中の駐車区画の外側で位置決め(案内)するために適用され得る。本態様では、磁場の発生源は、進入路すなわち車路において道路に埋め込まれ得る。
【0066】
電磁ベースの手法の一実施形態では、案内システムは、ウルトラワイドバンド(UWB)技術を使用し得る。マイクロ波、たとえば、Kバンド(24GHz)またはEバンド(77GHz)の周波数範囲(自動車の使用のための)で動作するUWB技術に基づく技法は、十分な時間分解能をもたらすこと、正確な測距を可能にすること、およびマルチパスの影響の緩和の可能性を有する。UWBに基づく位置決め方法は、遮断(たとえば、車輪による遮断)、反射(たとえば、隣接して駐車されている車両からの反射)、ベースワイヤレス充電システム102の物理ユニット、電気車両ワイヤレス充電ユニット114の物理ユニット、および
図1に示すように車両の車台の底部に取り付けられている車両カプラ116のうちの少なくとも1つに統合されているアンテナを想定する実環境で予期される回折などの、波の伝搬の影響に対処するのに十分頑強であり得る。狭帯域無線周波数(RF)技術(たとえば、極超短波(UHF)帯域で動作する)に基づき、単に無線信号強度(距離を示す)を測定するだけの方法は、そのような環境において十分な精度および信頼性をもたらし得ない。磁気近距離場の場の強さではなく、自由空間における電波の場の強さのみが、距離と線形に低下する。その上、信号強度は、マルチパスの受信および経路の遮断によって引き起こされるようなフェージングに起因して大幅に変動することがあり、信号強度対距離の関係に基づく正確な測距を困難にする。
【0067】
一実施形態では、ベースワイヤレス充電システム102または電気車両112のいずれかは、正確な三角測量を可能にするために十分に離間した複数の統合されたアンテナから、UWB信号を放出および受信し得る。例示的な一態様では、1つまたは複数のUWBトランスポンダは、それぞれ、電気車両112に搭載されて、またはベースワイヤレス充電システム102の中で使用される。相対位置は、信号の往復遅延を測定することによって、かつ三角測量を実行することによって、決定され得る。
【0068】
別の態様では、ベースワイヤレス充電システム102または電気車両112のいずれかは、正確な三角測量を可能にするために十分に離間した複数の統合されたアンテナから、UWB信号を放出し得る。複数のUWB受信機は、それぞれ、電気車両112に取り付けられるか、またはベースワイヤレス充電システム102に統合される。位置決めは、衛星ベースの位置決めシステム(GPS)と同様に、すべての受信された信号の相対的な到達時間(ToA)を測定すること、および三角測量によって実行される。
【0069】
一態様では、ベースワイヤレス充電システム102、または電気車両112のオンボードシステムの部分としてのUWBトランシーバはまた、危険な空間における外来物体の検出、たとえば、ベースワイヤレス充電システム102によって生成されるような磁場がいくらかの安全レベルを越える場所を検出するために、使用(再使用)され得る。これらの物体は、生命のない物体、たとえば、渦電流加熱を受けやすい金属物体、または過度の磁場曝露を受けやすい人や動物などの生命のある物体であり得る。
【0070】
図7Aおよび
図7Bは、充電ベース102を有する駐車区画に入りつつある電気車両112を示す。電気車両カプラ116の充電ベース102に対する位置は、
図7Aおよび
図7Bに示すように、地上ベースの座標系(x'701,y'710)または車両ベースの座標系(x702,y711)で定義され得る。
【0071】
地上ベースの座標系は次のように定義され得る。
【0072】
・駐車区画の長手方向の(長い方の)軸に平行なx'軸(長い方のストライプと平行に輪郭を描く場合)、
【0074】
・ベースカプラ104の磁気の中心点上の原点O'725。
【0075】
車両ベースの座標系は次のように定義され得る。
【0076】
・車両の長手方向の(長い方の)軸と平行なx軸(本質的に、運転方向の)、
【0077】
・x軸と直交するy軸(横方向)、および
【0078】
・電気車両カプラ116の磁気の中心点上の原点O726。
【0079】
磁気の中心点は、カプラによって生成されるような磁場パターンのすべての対称軸がインターセプトする点として定義され得る。WPTカプラの各々によって理想的に生成されることになる磁場パターンが2つの垂直な対称面を示すという条件で、この定義は、ベースカプラ104(一次側)および電気車両カプラ116(二次側)ならびに任意のWPTカプラ技術に適用され得る。
【0080】
完全に定義される駐車位置は、以下のものによって記述され得る(
図7Aを参照)。
【0081】
・車両ベースまたは地上ベースの座標系においてそれぞれ定義される点PまたはP'(
図7Aに示すようなP'720)、および
【0082】
・地上座標系に対する車両座標系の、またはその逆の回転角α(
図7Aに示すようなα750)。
【0083】
不完全に定義される駐車位置は、車両ベースの座標系において以下のものによって記述され得る(
図7Bを参照)。
【0084】
・直交座標での点P721=(x
P,y
P)、および
【0085】
・極座標での点P721=(OP,φ)。
【0086】
いくつかの駐車支援用途にとって、駐車区画に対する車両の傾きを決定する必要はなくてよい。代わりに、車両が本質的にマーキングと平行に駐車されるように、車両のオペレータが車両の正確な向きのみについて注意すればよい。目に見えるマーキングがない場合(たとえば、雪のために)、運転手は車両を位置合わせするために、駐車されている他の車両、縁石、車輪止め、壁などのような他の目に見える物体または構造(
図7Cを参照)へ彼ら自身を向けようと試みてよい。
図7Cは、駐車区画の白いマーキングおよび他の目に見える構造を備えた駐車場に駐車されている車両の絵である。区画に角度(たとえば、45度)が付けられた駐車場では、方位の確定はより困難であり得る。
【0087】
3つの値が決定されることを必要とする完全な位置決めに対して、傾きを無視する不完全な2D位置決めにとって2つの値だけが必要とされ、システムの複雑さとコストを潜在的に低減する。衛星ベースのグローバルポジショニングシステム(GPS)は、車両が静止している場合、本来備わったナビゲーションデバイスを用いて車両の方位角を決定することを可能にしないシステムの一例である。車両が移動しているときのみ、移動/車両の方向は、その後の位置決定(履歴データ)を使用して決定され得る。静止している場合を履歴なしにサポートするために(「コールドスタート」)、方位角を提供するためのさらなる手段(たとえば、地球の磁場を使用するコンパス)が望ましくあり得る。
【0088】
図7Bに示すように充電ベース102の位置を車両の座標系(702,711)で決定することは、不完全な位置決めの手法であり得る。磁場を感知することに基づく位置決め方法は、距離D730および角度φ751を直接提供し得る。運転手の介入を伴わない、またはほとんど伴わない完全に自動化された車両駐車のために、案内および位置合わせシステムは、完全に定義される位置データに依拠し得る。電気車両カプラ116の充電ベース102に対する位置は、
図7Aに示すように、地上ベースの座標系(x'701,y'710)または車両ベースの座標系(x702,y711)において定義され得る。
【0089】
グローバルポジショニングシステム(GPS)ベースの自動車のナビゲーションシステムのマンマシンインターフェース(MMI)(運転手インターフェース)は、車両の瞬間の位置および随意に他の関心事の地点(ガソリンスタンドおよびサービスステーション、駐車場、レストランなど)を示す地図と、目的地までの距離、次の分岐またはジャンクションまでの距離、推定される到着時間、道路の速度制限および瞬間の車両速度に関する数値と、方向、警告、スピード違反などについての音声プロンプトなどの可聴情報などの、視覚的に表示される情報を提供する。
【0090】
完全に自動化された駐車(ドライブバイワイヤ)とは対照的に、運転手は、車両の全体にわたる完全な制御(ステアリング、加速、ブレーキング)を依然として有し得、したがって、駐車の安全について完全に責任を担う。運転手は、案内および位置合わせシステムによって運転手インターフェースを介して提供されるフィードバックに集中しそれを受け入れている間、人、物体、隣接して駐車されている車両などについて車両の周囲を継続的に注意するべきである。運転手を利用可能な駐車区画へ案内すること、および電気車両カプラ116をベースカプラ104に位置合わせすることは、ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカー、ハプティックなどのような現在のインターフェースデバイスの完全な再使用を含み得る。ワイヤレス電力充電のための案内および位置合わせシステムを現在のインターフェースデバイスに採用することは、グローバルな案内システムから局所化された案内システムへの連続性および「シームレスな」移行をもたらし得、強化されたユーザ体験およびより迅速なユーザ採用をもたらす。
【0091】
図8Aは、駐車場までの経路および車両の位置を示す例示的な都市の地図の抜粋を示し、経路は、グローバルポジショニングシステムから受信される信号から位置データを決定するオンボードナビゲーションデバイスによって計算される。このナビゲーションモードでは、運転手インターフェースのスクリーンは、経路図を「鳥瞰」図または「平面」図で表示し得る。視野角は、
図8Bに示すように、車両アイコンの背後からの視野を表し得る。車両の瞬間の位置は、ピラミッド型の矢印801によって示される。
【0092】
図9Aは、駐車場管理システムによって割り当てられたかもしれない駐車区画までの車両の経路を示す、例示的な駐車場の平面図を示す。本実施形態では、衛星の受信がない場合に、電気車両112のオンボードナビゲーションシステムは、ローカル(屋内)位置決めシステムに依拠し得る。
図9Bは、
図9Aに示すシナリオに対応する局所環境における、運転手インターフェースの例示的な表示の写実的なスクリーンショットである。この例では、運転手インターフェースは、平面図、ローカルナビゲーションモードにおける電気車両112の背後からの鳥瞰図での電気車両112の経路および位置を備える仮想的な局所環境を表示し得る。別の実施形態では、運転手インターフェースは、仮想カメラが運転手の頭部の同じ位置に位置するかのように仮想的な局所環境を表示し得る「運転手の視点」で、仮想的な局所環境を表示し得る。
【0093】
図10Aは、電気車両112が駐車区画に接近しつつあるシナリオを示す。いくつかの実施形態では、電気車両112がベースカプラ104を含む充電ベース102までのしきい値距離内にあるとき、
図9Bに示すような局所環境表示は、仮想的な局所環境の位置決めシステムから駐車支援(案内および位置合わせ)システムへ遷移し得る。いくつかの実施形態では、電気車両112のオンボード案内システムは、充電ベース102によって放出される磁場ビーコン信号、UWBを使用する代替技術、音響ベースの手法、または任意の他の位置決めシステムに基づく位置決めに依拠し得る。
【0094】
図10Bは、電気車両112を充電スポット1015によって示される充電ベース102の上に駐車するための駐車支援モードの例示的な表示の写実的なスクリーンショットであり、スクリーンショットは、
図10Aに示すシナリオに対応する。充電スポット1015は、上で定義した「スイートスポット」の位置を表し得る。この例では、表示は、地上1030の上の透視座標格子オーバーレイ1035によって、また地平線表示1025および空の描写1020(「空のストライプ」)によって、前景および背景を伴う運転手の3D視野に基づく仮想環境の表示である。本態様では、表示は、電気車両カプラ116と充電ベース102との間の推定距離を示す距離インジケータ1010と、充電スポット1015によって示される目標へ車両を最適にステアリングする際に運転手をさらに支援するための方向インジケータ1005とを示し得る。同じ情報を与えることができる代替の概念も使用され得る。システムは、計算された最適な駐車軌跡を実際の軌跡と継続的にリアルタイムで比較することによって、そのような案内情報を取得し得る。実際の駐車軌跡は、いくつかの過去の位置決定(履歴データ)から取得され得る。
【0095】
透視座標格子1035は、電気車両112とともに移動している車両の座標系を表す。中央の垂直破線は、車両の長手方向において電気車両カプラ116の磁気の中心を通過するx軸に相当する。それの方向は、充電スポット1015によって示される充電ベース102に対する電気車両112の現在の進行方向を示す。透視座標格子1035の水平破線は、距離目盛として働き得る等距離の線を表す。表示されている円形状スポット1015は、
図10Bに示すように、車両の座標系における充電スポットの現在の位置を示す。充電スポット1015はまた、他の形状またはアイコンによって表されてもよい。
【0096】
図10Cは、駐車が夕刻に行われるときに「夜間」表示モードを示す例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットである。
図10Dは、3D視野を提供するために必要とされる必須の要素に削減された透視座標格子の「軽い」バージョンを示す例示的な運転手インターフェース表示のスクリーンショットである。システムはまた、充電スポット(図示せず)に到達するための、計算された最適な軌跡を表示し得る。これは、
図9B(
図10Dに示さず)または
図11Cに示す透視矢印905と同様の透視矢印によって示され得る。
【0097】
図11Aは、運転手の視点の投影が仮想カメラ1105を使用してどのように行われ得るのかを示す図である。この例では、仮想カメラ1105は、電気車両カプラ116の磁気の中心から垂直に上方で位置決めされる。たとえば、図示のように、仮想カメラ1105は、実質的に運転手の視線(運転手の目)の高さにおいて位置決めされる。カメラの角度は、その中心の光軸1115(破線)が常にP
x1125に向けられるように制御され得、P
x1125は、
図11Bに示すようにx軸(y=0)上に投影された充電スポットの位置P1150である。その上、カメラの垂直の視界(角度γ1110)は、画像(A1135)の上縁が数理的な地平線(H1120)の上方にあるように十分大きく選ばれてよく、空の描写1020(空のストライプ)は、電気車両112がしきい値距離、たとえば、3メートルまたは10フィートを越えているときに現れ得る。
図11Bは、
図10Aに示すシナリオにおいて、運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。
図11Bは、点A1135(上縁)、B1130(下縁)、P1150(充電スポットの位置)、H1120(地平線)、およびP
x1125(充電スポットのx位置)が、表示上でどこに写像されるのかを示す。
【0098】
図11Cは、計算された(提案された)軌跡1060および電気車両カプラ116の位置を、固定されたカーソル1040とともに示す鳥瞰図に基づく、代替の表示構成を示す例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットである。
図11Dは、2次元トップダウン図を示す例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットである。これらの実施形態では、オーバーレイされた軌跡1060からのカーソル1040のオフセットは、計算された軌跡1060からの実際の軌跡の偏移を示す。
【0099】
図12Aは、充電ベース102に電気車両112が接近しつつあるシナリオを示す。本実施形態では、電気車両は、軌跡1205に沿って約6フィートの距離において、充電ベース102に接近しつつある。
図12Bは、充電スポット1015を示す例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットであり、スクリーンショットは
図12Aに示すシナリオに対応する。一態様では、電気車両112が充電ベース102の近くに移動するにつれて、表示上の充電スポット1015が大きくなって、充電ベース102が電気車両カプラ116に近くなりつつあることを示し得る。別の態様では、電気車両112が充電ベース102の近くに移動するにつれて、充電スポット1015が中心線の近くに移動して、車両が進行方向を充電スポット1015の方へ変化させたことを示し得る。方向アイコン1005に加えて、システムは、実際の軌跡が計算された最適な軌跡から過度に逸脱する場合、音声プロンプト1075(たとえば、「左に寄れ」)および警告を出力し得る。
【0100】
図13Aは、電気車両112内での仮想カメラ1105の例示的な位置を示す。いくつかの実施形態では、仮想カメラ1105は、
図13B〜
図13D、
図14B、
図14D、
図15B〜
図15C、
図16B、
図17B〜
図17C、
図17E、
図18B〜
図18C、
図18E、
図19B、
図20B、
図21B、
図22B、
図23B、
図24B、
図25B、および
図25Cの表示を生成するために使用され得る。
図12Aに示すシナリオに対応するこの例では、画像の上縁(A1115)が数理的な地平線(H1120、図示せず)の下方にあり、空の描写1020(空のストライプ、図示せず)がもはや目に見えないように、電気車両112は十分に、充電ベース102の十分近くに移動している。
図13Bは、運転手の視点が、点A1135(上縁)、B1130(下縁)、P1150(充電スポットの位置)、およびP
x1125(充電スポットのx位置)を示す例示的な運転手インターフェース表示(
図12Aに示すシナリオ)上にどのように写像されるのかを示す。本態様では、
図11Bに関して、充電スポット1015は、より大きくより円形状になって、電気車両112が充電ベース102の近くに移動していることを示し得る。
【0101】
図13Cは、計算された(提案された)軌跡1060および電気車両カプラ116の位置を、固定されたカーソル1040とともに示す鳥瞰図に基づく、代替の表示構成を示す例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットである。
図13Dは、2次元トップダウン図に基づく、別の代替の表示構成を示す例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットである。両方の表示モードでは、距離は、円形状の充電スポット1015のサイズおよび関連したズーム効果によって示される。たとえば、電気車両112が充電スポット1015の近くに移動するにつれて、充電スポット1015は大きくなり得る。別の態様では、電気車両112が充電スポット1015の近くに移動するにつれて、円形の充電スポット1015の形状は、
図11Cのような楕円形状の様相から
図13Cのような円形状の様相へ変化して、電気車両112が充電ベース102の近くに移動していることを示し得る。
【0102】
図14Aは、電気車両112が充電ベース102の上方にあり、電気車両カプラ116が充電ベース102のスイートスポットに入ろうとしているシナリオを示す。本態様では、システムは、案内モードから位置合わせモードへ遷移し得、それは、ある距離、たとえば、充電ベース102の磁気の中心から1〜2フィートにおいて起こり得る。そのような遷移は、センサ回路が、充電ベース102と関連したスイートスポットまたはベースカプラ104の電気車両カプラ116に対する場所を決定するとともに、プロセッサが、スイートスポット/ベースカプラ104の場所と電気車両カプラ116との間の距離がしきい値に適合すると決定したとき、起こり得る。いくつかの実施形態では、センサ回路は、
図3のワイヤレス電力伝達システム300に関して説明されたセンサを備え得る。そのような遷移は、電気車両112が
図12Aまたは
図13Aに示す位置にあるときの3D視野(たとえば、
図13C)から、電気車両112が
図14Aまたは
図14Cに示され以下でさらに説明するような位置にあるときの、仮想的にトップダウン2D視野(たとえば、
図14B、
図14D)への緩やかな変化によって、運転手インターフェース上に現れ得る。
【0103】
図14Bは、例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットであり、スクリーンショットは
図14Aのシナリオに対応し、車両座標系の原点および電気車両カプラ116の磁気の中心を示す十字線1405を備えた位置合わせモードを示す。
図14Bの運転手インターフェース表示はまた、充電スポット1015、電気車両カプラ116と充電ベース102の磁気の中心との間の推定距離を示す距離インジケータ1010、車両を位置合わせの位置へステアリングする際に運転手をさらに支援するための方向インジケータ1005、座標格子1035、および地上1030を示す。いくつかの態様では、システムは、十字線1405の水平の線が目に見えるようになるとき、位置合わせモードであると見なされ得る。いくつかの他の態様では、位置合わせゾーンに対応する位置合わせモードに入ることは、音声プロンプト1075「ゆっくりと前進」または他の音声プロンプト1075によって告知され得る。
【0104】
図14Cは、仮想カメラ1105を位置合わせゾーンの中で使用する運転手の視点の投影を示す図である。
図14Dは、
図14Aに示すシナリオにおいて、位置合わせモードで運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。
【0105】
位置合わせモードでは、P
x1125をトラッキングしている仮想カメラ1105が、今や
図14Cに示すように角度τ1410だけほぼ垂直に傾斜している(天底ポインティング)ので、
図14Bに示すような座標格子1035は、実質的に2次元の図において充電スポット1015の上方に現れる。位置合わせモードでは、表示される充電スポット1015は、今やスイートスポットのエリアを表し得る。位置合わせモードのゾーンは、車両の軌跡の横方向の修正にとって限定された機会を提供し、運転手の責任は、主に、
図14Bに示すように十字線1405の中心が充電スポット1015によって示されるスイートスポット内になるとすぐに電気車両112を停止させることである。十字線1405の中心が充電スポット1015の外側にあった場合では、運転手は、電気車両112を横方向に移動させて十字線1405の中心を充電スポット1015に持ってくることができないことになる。しかし、運転手は、電気車両カプラ116の磁気の中心(
図14Bで十字線1415によって示される)が充電ベース102のスイートスポット(
図14Bで充電スポット1015によって示される)の中に来るように電気車両カプラ116を充電ベース102に位置合わせし直すために、前向きまたは後向きのいずれかで電気車両112を移動させ得る。
【0106】
位置合わせモードのゾーンにおいて、
図3に関する位置合わせシステム352、354は、電気車両カプラ116が充電ベース102のスイートスポット内にあるとき、たとえば、充電スポットの色、音声プロンプト、または他の指示(図示せず)を変化させることによって、さらなる位置合わせフィードバックを運転手に提供するように機能し始めることができる。この情報は、案内システムによって使用される方法と異なる方法を使用して、たとえば、継続的にベースカプラと電気車両カプラとの間の結合効率を測定し、規定されているしきい値と比較することによって、決定され得る。
【0107】
図15Aは、後側における充電ベース102のスイートスポットを電気車両112および電気車両カプラ116が去りつつあるシナリオを示す。
図15Bは、後方視野を充電スポット1015の正面図と区別するために有用であり得る「アップサイドダウン」図を示す、例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットである。アップサイドダウン図はまた、後向き駐車の操作の部分としての後向きの位置合わせで現れ得る。
図15Cは、後向き駐車のための代替「バックミラー」図の表示モードを示す、例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットであり、それは、仮想カメラ1105の傾斜角τが90度を越えるとすぐに、表示の中に含まれるバックミラーアイコン1525によって示され得る。バックミラーアイコン1525は、電気車両112が充電スポット1015の上へ後退しているのか、または充電スポット1015から離れて移動しているのかを示す、任意の他のアイコンまたはテキストであってよい。アップサイドダウン図とバックミラー図の両方は、x軸の左に充電スポット1015を示し、運転手の駐車体験は、バックミラーを使用する後向き駐車と類似であり得る。
【0108】
図16Aは、位置合わせゾーンの中の電気車両112内の仮想カメラ1105の位置を示す図であり、ベースカプラ104のスイートスポットを電気車両112が去りつつある
図16Aのシナリオに対応する。本実施形態では、仮想カメラ1105は、依然としてP
x1125をトラッキングしており、90度を越える角度τ1410(図示せず)だけ傾斜している。
図16Bは、
図15Aに示すシナリオにおいて、また
図15Bに示す表示モードにとって、運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。カメラの傾斜(90度を越える)および表示上の写像(
図16B)は、以前のシナリオ(たとえば、
図14C)のように保たれ、電気車両112が充電ベース102の向こう側へ移動したとき、
図15Bに示すような「アップサイドダウン」図を自動的に生成する。
【0109】
図17Aは、電気車両112が充電ベース102から離れつつある、たとえば、約6フィートの距離におけるシナリオを示す。
図17Bおよび
図17Cは、それぞれ、電気車両112が充電ベース102からより遠く離れて移動するにつれて縮小されていく充電スポット1015を備えた座標系のアップサイドダウン図および代替バックミラー図を示す、例示的な運転手インターフェース表示のスクリーンショットである。後向き駐車の操作において、これらの表示図のうちの一方は、後向きの案内のために使用され得る。
図16Bと対照的に、充電スポット1015のサイズはより小さくなり、その外観はより楕円形状になり、充電スポット1015が
図15Bまたは
図15Cよりも遠くへ離れていることを示す。
図17Dは、車両が充電ベース102から離れつつあるときの電気車両112内の仮想カメラ1105の位置を示す図であり、
図17Aに示すシナリオに対応する。本実施形態では、
図16Aから継続して、仮想カメラ1105は、依然としてP
x1125をトラッキングしており、90度を越える角度τ1410(図示せず)だけ傾斜している。この例では、電気車両112は、
図16Aに示す電気車両112よりも充電ベース102から遠く離れて移動している。
【0110】
図17Eは、
図17Aに示すシナリオにおいて、また
図17Bのアップサイドダウン図に示す表示モードにとって、運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。
図18Aは、(
図10Aと対照的に)車両が駐車区画を去ったときの、たとえば、充電ベース102から約9〜10フィートの距離におけるシナリオを示す。
図18Bおよび
図18Cは、それぞれ、電気車両112が充電ベース102からより遠く離れて移動するにつれてさらに縮小されていく充電スポット1015を備えた座標系のアップサイドダウン図および代替バックミラー図を示す、例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットである。後向き駐車の操作において、これらの表示図のうちの一方は、後向きの案内のために使用され得る。
【0111】
図18Dは、電気車両112内の仮想カメラ1105の位置を示す図であり、
図18Aに示すシナリオに対応する。本実施形態では、仮想カメラ1105は、依然としてP
x1125をトラッキングしており、90度を越える角度τ1410(図示せず)だけ傾斜している。
図18Eは、
図18Aに示すシナリオにおいて、また
図18B(「アップサイドダウン」)に示す表示モードにとって、運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。
【0112】
図19Aは、
図10Aのシナリオにおいて、電気車両112内の仮想カメラ1105の位置を示す図である。本実施形態では、電気車両112が充電ベース102に接近しつつあるとき、仮想カメラはわずかに「進んで」おり、仮想カメラが、「進み」の長さ1950(
図19A)と呼ばれるいくらかの長さだけ電気車両112に近い人為的な点P'
x1925をトラッキングしていることを意味する。電気車両カプラ116が位置合わせモードのゾーンの中に位置するときを除き、進みの長さ1950は通常は一定であり、それは以下でさらに説明する。本態様では、点P'
x1925は、表示の中心上に写像され得る。
図19Bは、
図10Aに示すシナリオにおいて、また
図19Aに示すような、進んでいるカメラのトラッキング点P'
x1925にとって、運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。この写像方式では、カメラのトラッキング点P'
xは、依然として表示の中心上に写像され、したがって、充電スポット1015は表示されるエリアの上半分に現れる。充電スポット1015はまた、他の形状またはアイコンによって表されてもよい。
【0113】
図20Aは、電気車両112が充電ベース102に接近しつつあるときに仮想カメラがわずかに進んでいる場合の、電気車両112の仮想カメラ1105の位置を示す図であり、
図12Aに示すシナリオに対応する。本実施形態では、進みの長さ1950は、依然として一定かつ最大である。
図20Bは、
図12Aに示すシナリオにおいて、また
図20Aに示すような、進んでいるカメラのトラッキング点P'
x1925にとって、運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。本態様では、カメラのトラッキング点P'
xは、表示の中心にとどまる。したがって、充電スポット1150は、表示エリアの上半分に現れる。
【0114】
図21Aは、位置合わせゾーンの中で電気車両112の仮想カメラ1105を使用する運転手の視点の投影を示す図であり、
図14Aに対応する。しかしながら、位置合わせゾーンにおいて、点P'
x1925が車両座標系の原点に到達したとき(
図21A)、仮想カメラ1105の傾斜角が90度に到達したことを意味し、仮想カメラ1105はロックされて2Dルックダウン図を提供する。位置合わせにとって適当なこの2D表示モードでは、点P'
x1925および十字線1405は固定されたままであり、代わりに円形状の充電スポット1015(P1150)は、
図21Bに矢印によって示すように移動している。
図21Bは、90度の位置においてロックされた仮想カメラ1105を伴う
図14Aに示すシナリオにおいて、運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。本実施形態では、またカメラがロックされているとき、カメラのトラッキング点P'
xと十字線の中心1925の両方は、表示の中心に固定されたままである。
【0115】
図22Aは、位置合わせゾーンの中の電気車両112内の仮想カメラ1105の位置を示す図であり、
図15Aに示すシナリオ(車両が後方のスイートスポットを去りつつある)に対応する。P
x1125とP'
x1925との間の距離の差が遅れの長さ2205よりも大きくなるとすぐに、仮想カメラ1105は、ロック解除されるようになり、遅れの長さ2205を伴うP'
x1925をトラッキングし始める。
図22Bは、P
x1125よりも遅れている仮想カメラのトラッキング点P'
x1925を伴う
図16Aに示すシナリオにおいて、運転手の視点が例示的な運転手インターフェース表示上にどのように写像されるのかを示す。
【0116】
図23Aは、電気車両112が充電ベース102から離れつつあり(
図17Aに示すシナリオ)、仮想カメラ1105が遅れの長さ2205だけ遅れているときの、電気車両112内の仮想カメラ1105の位置を示す図である。増大するカメラの傾斜(90度よりも小さいγ)は、運転手の視点が
図23Bに示すような方法で写像される場合、アップサイドダウンである3D透視図を再び示す。あるいは、バックミラー図(図示せず)が適用されてもよい。
【0117】
図24Aは、互いに隣接する複数の駐車区画に、例示的な識別番号(ID#63〜66)と、所望の駐車区画へ向きを変えようとしている電気車両112とを伴う充電ベースが装備されているシナリオを示す。本実施形態では、案内システムは、運転手が彼/彼女の車両を駐車しようとしている充電ベースを知らない。運転手がいかなる駐車区画番号(ID)も知らない場合、または最小限の運転手の介入という要件が存在する(たとえば、向きを変えるときに運転手が駐車区画番号を入力する必要がない)場合、このことはそうであり得る。そのようなシナリオは、位置決めシステムの範囲の中のすべての充電ベースの相対位置の決定を必要とすることがある。その結果得られる位置に基づいて、システムは、次いで、仮想カメラ(たとえば、仮想カメラ1105)の投影によって規定され、
図24Aに例示的に示すような画角の中にある充電スポットを、瞬時に選択し得る。いくつかの実施形態では、仮想カメラ1105は、2つのスポットのうちの近い方をトラッキングし得る。
図24Bは、
図24Aに示すような画角から得られる例示的な運転手インターフェース表示(「夜」表示モード)の写実的なスクリーンショットである。いくつかの態様では、電気車両112のオンボードナビゲーションシステムは、位置決めのために使用される信号、たとえば、磁場ビーコン信号によって伝達され得る識別子(図示のような番号)を有する、2つの充電ベースID#64およびID#65を示すことがある。電気車両112が駐車区画へ向きを変えていくにつれて、充電スポット1015のうちの1つは、自動的に表示窓(図示のような1015B)の中から外へ移動し、希望される充電ベース(ID#64)を希望されない充電ベース(ID#65)から区分する。
【0118】
図25Aは、電気車両112が充電ベースID#64にさらに接近しつつあるときの電気車両112のシナリオを示す。この状況では、1つの充電ベースID#64だけが
図25Aに例示的に示すような画角内にあり得る。
図25Bは、
図25Aに示すような画角から得られる例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットである。
図25Cは、充電ベースID#64のスイートスポットに到達する前に、電気車両112が充電ベースID#64へより近くに接近しつつあるシナリオと、そのシナリオが、上述された方法のうちの1つにおいて仮想カメラを使用してもたらし得るような、例示的な運転手インターフェース表示の写実的なスクリーンショットとを示す。
【0119】
図26Aは、様々な実施態様による、例示的な複数車両および多重駐車場ならびに充電システム2600の機能ブロック図である。
図26Aに示す構成要素は、様々な実施形態による
図1のワイヤレス電力伝達システム100の中で使用され得る。一実施形態では、駐車および充電システム2600は、それぞれ複数の駐車スペース2606a〜cのうちの1つに対応し、システム2600が電気車両2608などの複数の車両を同時に充電できるようにする複数の充電ベース2601a〜cを含み得る。いくつかの実施形態では、各充電ベース2601a〜cは、ベースコントローラユニット(BCU)(たとえば、BCU2604a〜c)、ベースカプラ(たとえば、ベースカプラ2602a〜c)、および通信トランシーバ2603(たとえば、通信トランシーバ2603a〜c)を含み得る。
【0120】
通信トランシーバ2603に対応するBCUを使用して車両2608を充電するのに適合する場所内に車両2608があるとき、通信トランシーバ2603はBCU識別(たとえば、車両2608の受信機2612によって受信される)を受信範囲内にある車両2608に送信するように構成され得る。たとえば、トランシーバ2603a〜cは各々、BCU識別を備え車両2608の受信機2612によって受信されるように構成された信号(たとえば、ビーコン信号)を、送信することができる。いくつかの態様では、第1のトランシーバ2603aによって送信される充電ベース識別子が、トランシーバ2603aが位置決めされている駐車スペース内に実質的に位置決めされた車両2608のみによって受信され得るように、トランシーバ2603a〜cは構成され得る。たとえば、充電ベース2601aが位置決めされている駐車スペース内に実質的に位置決めされた車両2608は、トランシーバ2603aのみから充電ベース識別子を受信することが可能であり得るが、充電ベース2601bおよび2601cに関する充電ベース識別子を受信できない場合がある。非限定的な例では、トランシーバ2603aから送信される信号の強度は、単一の駐車スペースの中に位置する車両2608へ充電ベース識別子を首尾よく送信するのに十分なレベルであり得る。別の非限定的な例では、車両2608は、異なる周波数において隣接する異なる充電ベースによって送信された複数の磁場ビーコン信号を受信するが、車両がそこから充電されようとしている充電ベースと希望されない他の充電ベースとの間を見分けることができる。ビーコン信号および充電ベースを見分けることは、上で説明され
図24Aに例示的に示すように、位置情報、たとえば、磁場ビーコン信号の各々から充電ベースの各々について決定される電気車両カプラと充電ベースとの間の距離および角度に基づいて、実行され得る。本明細書で説明するいくつかの実施形態によれば、トランシーバ2603a〜cおよび受信機2612に関して使用するのに、様々な通信フォーマット(たとえば、RFID、Bluetooth(登録商標) LE、短距離近接性検出技術)が適合する。BCU2604a〜cと車両2608との間のこの通信チャネルは、あるタイプの近接性検出器と見なされ得る。BCU2604が車両2608から情報を直接受信することもできるいくつかの実施形態では、トランシーバ2603および受信機2612の代わりに適切なトランシーバが使用され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、信号を送信している充電ベースに対応する充電ベースを使用して車両2608を充電するのに適合する場所内に車両2608があるとき、充電ベース2601は、受信範囲内にある車両2608へ磁場を介して信号(たとえば、車両2608の受信機2612によって受信される)を送信するように構成され得る。たとえば、ベースカプラ2602a〜cは各々、他のベースカプラ2602a〜cの各々とは別の周波数において充電ベースの識別を備え車両2608の受信機2612によって受信されるように構成された信号(たとえば、ペアリング信号)を、送信することができる。いくつかの態様では、第1のベースカプラ2602aによって送信された充電ベース識別子が、ベースカプラ2602aが位置決めされている駐車スペース内に実質的に位置決めされた車両2608によってのみ受信され得るように、ベースカプラ2602a〜cは構成され得る。たとえば、充電ベース2601aが位置決めされている駐車スペース内に実質的に位置決めされた車両2608は、ベースカプラ2602aのみから充電ベース識別子を受信することが可能であり得るが、ベースカプラ2602bおよび2602cに関する充電ベース識別子を受信できない場合がある。非限定的な例では、ベースカプラ2602aから送信された信号の強度は、単一の駐車スペース内に位置する車両2608へ充電ベース識別子を首尾よく送信するのに十分なレベルであり得る。別の非限定的な例では、複数の隣接するベース受信機は、車両2608によって送信された磁場ビーコン信号を受信する。充電ベース2601を見分けることは、位置情報、たとえば、車両によって送られた磁場ビーコン信号を使用して充電ベースの各々によって決定される電気車両カプラとベースカプラ2602との間の距離および角度に基づいて、実行され得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、磁場を介して充電ベースによって送信される信号は、充電ベースを識別するために、トランシーバ2603によって送信され車両2608の受信機2612によって受信される情報と相関され得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、車両2608は、磁場を介して信号を受信し、トランシーバ2619を介してベースカプラ2602に確認応答信号を送ることによって通信リンクを確立する。別の実施形態では、車両2608は、磁場を介して確認応答信号を送る。
【0124】
いくつかの実施形態では、ベースカプラ2602は、車両2608のトランシーバ2619から信号を受信し、ベースカプラ2602は、それに応答して磁場を介して車両2608に信号を送信する。トランシーバ2619は、車両センサから受信された情報に基づいて、そのようなトリガ信号を送ることができる。そのようなセンサは、受信機の近くの物体、磁場、熱、無線周波数、負荷の変動などを、または車両の運転手の行動、たとえば、駐車スペースへ向きを変えるときに案内および位置合わせのための磁場を充電ベース2601に要求したことを検出するためのセンサを含み得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、磁場信号を送信および受信する機能は、電気車両2608が磁場を介してベースカプラ2602に信号を供給し、ベースカプラ2602が信号を受信するように、相補的であるように構成され得る。たとえば、電気車両2608bは、電気車両の識別を備える信号(たとえば、ペアリング信号)を、駐車エリアの中の異なる電気車両とは別の周波数において送信することができる。いくつかの態様では、電気車両によって送信された電気車両識別子が、ベースカプラ2602aが位置決めされている駐車スペース内に実質的に位置決めされたベースカプラ2602aのみによって受信され得るように、電気車両2608は構成され得る。たとえば、充電ベース2601aが位置決めされている駐車スペース内に実質的に位置決めされたベースカプラ2602aは、電気車両2608bのみから電気車両識別子を受信することが可能であり得るが、電気車両2608aに関する電気車両識別子を受信することができない場合がある。非限定的な例では、電気車両2608bから送信された信号の強度は、単一の駐車スペース内に位置する車両2608へ電気車両識別子を首尾よく送信するのに十分なレベルであり得る。別の非限定的な例では、いくつかの隣接する充電ベースは車両識別子を受信することができるが、システムは、たとえば、車両によって送られた磁場信号から決定される位置情報を使用して、希望される充電ベースを希望されないものと見分けることができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、磁場を介して電気車両2608によって送信される信号は、電気車両を識別するために、トランシーバ2619によって送信され充電ベースによって受信される情報と相関され得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、ベースカプラ2602は、磁場を介して信号を受信し、トランシーバ2603を介して車両2608に確認応答信号を送ることによって、通信リンクを確立する。別の実施形態では、ベースカプラ2602は磁場を介して確認応答信号を送る。
【0128】
別の実施形態では、車両2608は、トランシーバ2603から信号を受信し、車両2608は、それに応答して磁場を介してベースカプラ2602に信号を送信する。トランシーバ2603は、充電ベースすなわち充電ベースセンサから受信された情報に基づいて、そのようなトリガ信号を送ることができる。そのようなセンサは、ベースカプラ2602の近くの物体、磁場、熱、無線周波数、動き、負荷の変動などを、または車両の運転手の行動、たとえば、駐車スペースへ向きを変えるときに案内および位置合わせのための磁場を充電ベースに要求したことを検出するためのセンサを含み得る。
【0129】
充電ベース2601a〜cは、充電ベース2601a〜cの各々と通信するように構成され1つまたは複数の駐車および充電バックエンドサーバ2614とネットワーク2616を介して通信するように構成される、ベース共通通信(BCC)システム2615と通信し得る。ネットワーク2616は、たとえば、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)などの任意のタイプの通信ネットワークであり得る。本明細書で説明するいくつかの実施形態によれば、BCCシステム2615とBCU2604a〜cとの間の通信に関して、様々な通信フォーマット(たとえば、Ethernet(登録商標)、RS-485、CAN)が適合する。
【0130】
BCC2615は、以下でより十分説明するように、車両2608のトランシーバ2619と通信するように構成された受信機2617を備えることができる。本明細書で説明するいくつかの実施形態によれば、(受信機2617およびトランシーバ2619を介した)BCCシステム2615と車両2608との間の通信に関して、様々な通信フォーマット(たとえば、DSRC、Bluetooth(登録商標) LE、WiFi)が適合する。BCC2615が情報を車両2608へ送信するいくつかの実施形態では、受信機2617の代わりに適切なトランシーバが使用され得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、各充電ベース2601a〜cは、
図3に関して上記で説明したベースワイヤレス充電システム302に対応し得る。たとえば、充電ベース2601a〜cはベースコントローラ342に対応し得、ベースカプラ2602a〜cはベースカプラ304に対応し得、各充電ベース2601a〜cはベース通信システム372を含み得る。他の実施形態では、充電システム2600は、1つまたは複数のベースワイヤレス充電システム302を含み得、ベースワイヤレス充電システム302は各々、ベースコントローラ342およびベースカプラ304などの複数の各システム構成要素を含み得る。様々な実施形態では、トランシーバ2603a〜cは、縁石側に、ベースカプラ2602a〜cの隣の地上に配置されてよく、かつ/またはベースカプラ2602aに直接統合されてもよい。充電ベース2601a〜cは複数の送信機を含むことができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、複数の駐車スペース2606a〜cは、各々、文字または番号などのスペースインジケータで示される。たとえば、運転手が対応する充電ベース2601を識別するのを可能にするように、充電ベースの標示が駐車スペース上に設けられてよい。
図26Aに示すように、充電ベース2601a、BCU2604a、およびベースカプラ2602aに対応する駐車スペース2606aは、スペースインジケータ「A」で示され得る。充電ベース2601b、BCU2604b、およびベースカプラ2602bに対応する駐車スペース2606bは、スペースインジケータ「B」で示され得る。充電ベース2601c、BCU2604c、およびベースカプラ2602cに対応する駐車スペース2606cは、スペースインジケータ「C」で示され得る。スペースインジケータは、駐車および充電システム2600で利用可能な充電ベース2601a〜cをユーザが識別するのを支援し得る。
【0133】
電気車両2608は、車両コントローラユニット(VCU)2610、受信機2612、およびトランシーバ2619を含み得る。一実施形態では、電気車両2608は電気車両112(
図1)であり得る。電気車両2608は、
図3に関して上記で説明した電気車両充電システム314を含むことができる。たとえば、VCU2610は電気車両コントローラ344に対応し得、電気車両2608は電気車両通信システム374を含むことができる。電気車両2608は、複数の受信機、送信機、および/またはトランシーバを含み得る。
【0134】
電気車両通信システム374は、駐車および充電システム2600における充電ベース2601a〜cの各々の中に位置する複数のベース通信システム372のうちの1つまたは複数と通信するために使用され得る。上記で説明したように、
図3に関して、電気車両通信システム374は、専用狭域通信(DSRC)、IEEE802.11x(たとえば、WiFi)、Bluetooth(登録商標)、zigbee、セルラーなどのような任意のワイヤレス通信システムによって、またWPTカプラ304および316によってもたらされる磁場を介した信号によって、ベース通信システム372と通信することができる。したがって、いくつかの実施形態では、電気車両通信システム374は、ベース通信システム372が接続できる基地局としての働きをすることができる。他の実施形態では、各ベース通信システム372は、電気車両通信システム374が接続できる基地局としての働きをすることができる。
【0135】
図26Bは、本明細書で説明するいくつかの実施形態による、ベースカプラ2602と車両2608との間の通信を伴う例示的な構成を概略的に示す。電気車両2608(たとえば、車両2608a)が複数のBCU2604a〜cを備えた駐車および充電システム2600に入る前に、通信リンク(
図26Bで「1」と標示された菱形で示される)が車両2608とベースカプラ2602との間に確立され得る。充電ベース2601は、ベースカプラ2602を介してまたは1つまたは複数のさらなるコイルを介して、ワイヤレス電力伝送用の強度レベルよりも低い強度レベルで、磁場を介して信号を送信することができる。たとえば、一態様では、ベースカプラ2602は、磁場を介してワイヤレス電力および信号を提供するように構成され得る。別の態様では、ベースカプラ2602はワイヤレス電力を提供するように構成され得、充電ベース2601は、1つまたは複数の追加のコイル(たとえば、信号を提供するように構成された、ハウジング内に統合されているか、またはベースカプラ2602のコイルと実質的に同じ平面にあるものなど)をさらに備え得る。信号は、ワイヤレス電力伝送用の周波数とは別の周波数で提供されてよい。充電ベース2601aの信号伝送を他の充電ベースの信号伝送から区分するために、信号は、磁場の変化に基づいて変調されてよい。たとえば、変化が周波数分割方式であるとき、信号周波数は、信号とワイヤレス電力伝達との間の干渉および複数の信号の間の干渉を避けるように、一時的にワイヤレス電力伝送の動作周波数から少なくとも10kHzだけオフセットされた別個の周波数に、固定的または動的に割り当てられてよい。車両2606は、充電ベース2601を識別するための信号を受信することができ、充電ベースとペアリングするために充電ベースと通信リンクを確立することができる。充電ベース2601はまた、信号をトランシーバ2619によって受信された情報と相関させることによって識別され得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、通信リンクは、車両2608とベースカプラ2602との間に確立され得る。車両2608は、電気車両カプラ316(
図3に示す)を介してまたは他のコイルを介して、ワイヤレス電力伝送用の強度レベルよりも低い強度レベルで、磁場を介して信号を送信することができる。信号は、ワイヤレス電力伝送用の周波数とは別の周波数で提供されてよい。車両2608aの信号伝送を他の車両の信号伝送から区分するために、信号は、磁場の変化に基づいて変調されてよい。たとえば、変化が周波数分割方式であるとき、信号周波数は、信号とワイヤレス電力伝達との間の干渉および複数の信号の間の干渉を避けるように、一時的にワイヤレス電力伝送の動作周波数から少なくとも10kHzだけオフセットされた別個の周波数に、固定的または動的に割り当てられてよい。充電ベースは、車両2608を識別するための信号を受信することができ、車両とペアリングするために車両と通信リンクを確立することができる。車両はまた、信号をトランシーバ2603によって受信された情報と相関させることによって識別され得る。
【0137】
別の実施形態では、充電ベースはまた、電気車両2608が充電ベースの近傍にあることを示す信号をトランシーバ2619から受信することができる。本実施形態では、充電ベースは、それに応答して磁場を介して信号を送信することができる。たとえば、車両負荷検出センサは、充電ベースが電気車両の近傍にあることを検出し得る。トランシーバ2619は、次いで、車両が充電ベースの近傍にあることを示す信号を、無線周波数を介してトランシーバ2603へ送ることができる。充電ベースは、次いで、この情報を受信および分析することができ、充電ベースを識別するための信号を磁場を介して送ることができ、上述されたように通信リンクを確立し電気車両2608を充電ベースにペアリングさせるプロセスを開始することができる。
【0138】
別の実施形態では、車両2608はまた、充電ベースが車両2608の近傍にあることを示す信号をトランシーバ2603から受信することができる。本実施形態では、車両は、それに応答して磁場を介して信号を送信することができる。たとえば、充電ベースの動き検出器センサは、電気車両が充電ベースの近傍にあることを検出し得る。トランシーバ2603は、次いで、車両が充電ベースの近傍にあることを示す信号を、無線周波数を介してトランシーバ2619へ送ることができる。電気車両2608は、次いで、この情報を受信および分析することができ、電気車両2608を識別するための信号を磁場を介して送ることができ、上述されたように通信リンクを確立し電気車両2608を充電ベースにペアリングさせるプロセスを開始することができる。
【0139】
別の実施形態では、電気車両カプラが充電ベースの近傍の中にある(接近段階)場合に車両が駐車スペースへ向きを変えるとき、ペアリングはすでに行われ得る。さらなる相対位置情報、たとえば、距離および方向が使用されるとき、かつ車両が接近しつつある充電ベースをシステムが明確に識別できるとすぐに、このことは可能であり得る。位置情報は、適切なセンサシステムを使用して磁場のX、Y、Zの方向成分を決定することによって、磁場ビーコン信号から導き出され得る。
【0140】
電気車両2608が複数の利用可能な充電ベース2601a〜cを備えた駐車および充電システム2600に入るとき、車両2608の運転手は、充電ベース2601のうちの1つまたは複数(たとえば、車両2608を充電するようにスケジュールされたBCU2604を備える充電ベース2601)を識別することができる。一実施形態では、車両2608の運転手は、駐車スペース2606を、たとえば、上述されたようにスペースインジケータを使用して、視覚的に識別し得る。したがって、車両2608の運転手は、駐車施設内でナビゲートして、電気車両2608を充電するためのエネルギーを提供するのに利用可能な(たとえば、割り当てられた、スケジュールされた、または予約された)充電ベース2601を発見し得る。車両2608が駐車スペース2606に接近するとき、または車両2608が駐車スペース2606の中に駐車されると、充電ベース2601は、現在、通信範囲内にある車両2608と、上述された磁場ビーコン信号を介してペアリングしようと試み得る。
【0141】
電気車両2608と適切な駐車スペース2606に対応する充電ベース2601との間に通信リンクが確立されると、通信リンクは、電気車両案内、電気車両位置合わせ、充電制御、ステータス通信、許可および/または識別、支払い管理などのうちの1つまたは複数のために使用され得る。
【0142】
図27は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、電気車両112を案内する例示的な方法2700のフローチャートである。方法2700は、
図26Aおよび
図26Bに関して上記で説明した電気車両112と、複数車両および多重駐車場の駐車および充電システム2600とを参照して本明細書で説明されるが、方法2700が他の適切なデバイスおよびシステムによって実施され得ることを当業者は諒解されよう。たとえば、方法2700は、たとえば、VCU2610(
図26A)などのプロセッサまたはコントローラによって実行され得る。方法2700は、特定の順序を参照して本明細書で説明されるが、様々な実施形態では、本明細書のブロックが異なる順序で実施されるか、または省略されることがあり、さらなるブロックが追加されることがある。
【0143】
方法2700の動作ブロック2710において、方法は、充電ベースと関連した充電スポットの、電気車両の充電カプラに対する場所を決定することを備える。方法2700の動作ブロック2720において、方法は、充電スポットの場所のインジケータを、3次元透視図において表示することを備え、インジケータは、電気車両のユーザを、電気車両の充電カプラを充電ベースの上で許容エリア内に位置決めするように案内するために表示される。許容エリアは、充電スポットのエリアに相当し得る。方法2700の動作ブロック2730において、方法は、基準点と充電スポットの場所に関する地上での点との間の角度がしきい値に適合すると決定することに基づいて、充電スポットの場所のインジケータを、2次元トップダウン図において表示することへ遷移することを備える。
【0144】
図28は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、電気車両を案内するための装置2800の機能ブロック図である。装置2800が
図28に示す簡易化されたブロック図よりも多くの構成要素を有し得ることを、当業者は諒解するだろう。
図28は、特許請求の範囲内の実装形態のいくつかの顕著な特徴を説明するのに有用な構成要素のみを含む。
【0145】
装置2800は、充電ベースと関連した充電スポットの、電気車両の充電カプラに対する場所を決定するための手段2810を備える。いくつかの実施形態では、場所を決定するための手段2810は、磁場センサを使用して実施され得る。いくつかの実施形態では、場所を決定するための手段2810は、方法2700(
図27)の動作ブロック2710において説明された機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。装置2800は、充電スポットの場所のインジケータを、3次元透視図において表示するための手段2820をさらに備え、インジケータは、電気車両のユーザを、電気車両の充電カプラを充電ベースの上で許容エリア内に位置決めするように案内するために表示される。許容エリアは、充電スポットのエリアに相当し得る。いくつかの実施形態では、表示するための手段2820は、ユーザインターフェース表示スクリーンを備える。いくつかの実施形態では、表示するための手段2820は、方法2700(
図27)の動作ブロック2720において説明された機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。装置2800は、基準点と充電スポットの場所に関する地上での点との間の角度がしきい値に適合すると決定することに基づいて、充電スポットの場所のインジケータを、2次元トップダウン図において表示することへ遷移するための手段2830をさらに備える。いくつかの実施形態では、遷移するための手段2830は、プロセッサを備える。いくつかの実施形態では、遷移するための手段2830は、方法2700(
図27)の動作ブロック2730において説明された機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。
【0146】
上述された方法の様々な動作は、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアの構成要素、回路、および/またはモジュールなどの、動作を実行することが可能な任意の適切な手段によって実行され得る。一般に、図に示す任意の動作は、その動作を実行することが可能な対応する機能的手段によって実行され得る。
【0147】
様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して、情報および信号が表され得る。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光学場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0148】
本明細書で開示された実施形態に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装することができる。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能に関して上述されている。そのような機能がハードウェアとして実現されるか、またはソフトウェアとして実現されるかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課される設計制約によって決まる。説明された機能は特定の適用例ごとに様々な方法で実装できるが、そのような実装の決定は、本発明の実施形態の範囲からの逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。
【0149】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的なブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書に説明された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替ではプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラまたはステートマシンであってもよい。プロセッサを、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえばDSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することもできる。
【0150】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する方法またはアルゴリズムおよび機能のステップは、直接ハードウェアで具現化されても、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化されても、またはその2つの組合せで具現化されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、それらの機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして有形の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、または有形の非一時的コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、または、当技術分野で既知である任意の、他の形態の記憶媒体中に存在することができる。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、かつ記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上述したものの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含められるべきである。プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に存在し得る。ASICは、ユーザ端末内に存在してもよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末の中に個別構成要素として存在することができる。
【0151】
本開示の概要を示すために、本発明のいくつかの態様、利点、および新規の特徴が本明細書に説明されている。本発明の任意の特定の実施形態に従って、そのような利点の必ずしもすべてが達成されない場合があることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に教示された1つの利点または利点のグループを、本明細書に教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、達成または最適化するように具現化または実行することができる。
【0152】
上で説明された実施形態の様々な修正が容易に明らかになり、本明細書に定義された一般原理は、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるものである。