(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板材料を提供するステップは、フィルム、シート、ウェブ、複合材料、積層材、発泡材料、織物材料、不織布材材料、繊維強化複合材料、熱可塑性材料および/または熱硬化性材料を提供するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
前記基板材料を提供する前記ステップが、第1層および第2層を提供するステップであって、前記第1層が、前記第2層の表面を露出させる1つ又は複数の開口を有する、ステップを含み、
突起を形成するステップが、前記第2層の前記表面上に突起を形成するステップを含む、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
前記基板材料を提供するステップが、連続的なおよび/または断続的な異なる材料の層を備える積層材を提供するステップを含む、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
前記第2の基板材料が、フィルム、シート、ウェブ、複合材料、積層材、発泡材料、織物材料、不織布材材料、繊維強化複合材料、熱可塑性材料および/または熱硬化性材料を含む、請求項8に記載の方法。
前記第1デバイスおよび前記第2デバイスのうちの一方、又は両方の少なくとも一部分が、前記基板の少なくとも一部分をクレープ領域にする波形の表面を有する、請求項1から10、12、及び13の何れか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
タッチファスナー(商業的には、Velcro(登録商標)、Scotchmate(登録商標)、Tri-Hook(登録商標)などとして知られている)は、もともとはテキスタイル技術を使用して製造されていた。タッチファスナーの最も一般的なタイプのうちの2つは、フックアンドループファスナーおよびマッシュルームアンドループファスナーである。
【0004】
フックアンドループタイプのファスナーは、一対のテキスタイルストリップから構成することができる。これらのテキスタイルストリップは、繰り返し使用できるクロージャーを形成するために結合させることができ、結合された一対のテキスタイルストリップのうちの一方は、多くのモノフィラメント要素を有するテキスタイル布地のストリップであり、フックのような形状で、一表面から突き出ており、他方は、一表面上のループ形状突起として織られたマルチフィラメントの要素をもつテキスタイルストリップである。これらのストリップの結合面が互いに押し合わされたとき、1つのストリップ上の多くのフック形状の要素が、ループ要素を対向するストリップに絡めさせ、一時的な、繰り返し使用できる結合を生成する。ストリップが剥離されると、フック要素は改変し、ループ要素から分離することができ、ファスナーが何度も繰り返し使用されることを可能にする。
【0005】
マッシュルームアンドループファスナーの場合は、フックタイプの結合ストリップは、マッシュルーム形状の、または先が丸くなったヘッドを有する多くのモノフィラメントの突起を含むストリップで置き換えられる。真直ぐなモノフィラメントの突起の先端を、各突起上に平らな「マッシュルームヘッド」が形成されるまで加熱することによって、マッシュルーム形状のヘッドを形成することができる。このストリップが、表面上にループ形状の突起をもつストリップと押し合わされたとき、マッシュルームヘッドが、ループ要素を対向するストリップに絡めさせ、一時的な、繰り返し使用できる結合を作り出すことができる。ストリップが剥離されると、マッシュルーム形状の要素は、時折、ループ要素をゆがませ、解放することができる。また、それぞれがマッシュルーム形状の突起をもつ2つのストリップ同士は、相互作用して機械的結合を形成する先が丸くなったヘッドで係合することができる。
【0006】
最近では、タッチファスナーを作る熱可塑性押出/成形方法の使用が普及している。フックアンドループファスナーの場合には、フックストリップが、一体型突起を有するウェブ様の形状にポリマーを押出することによって形成され、一方でループストリップが、やはり織物、編物または不織技術を使用して製造され得る。マッシュルームアンドループファスナーの場合には、マッシュルームストリップが、一体型ピン様突起を有するウェブ様の形状にポリマーを押し出し、マッシュルーム様のヘッドをピン様突起の上に形成することによって製造され得る。
【0007】
フックタイプおよびマッシュルームタイプのタッチファスナーを製造するための押出/成形技術の使用は、製作コストを下げ、タッチファスナーの性能および美観を改良し、したがって、使い捨ておむつ上のタブクロージャーなどの数多くの応用におけるそれらの使用が可能になっている。
【0008】
押出/成形タイプのタッチファスナーの製造のために使用する技術の例には、以下のようなものがある。
【0009】
一体型ベースを備えるフックファスナーの押出/成形であり、ベースは成形ローラ上に成形されてもよく、フック要素は、個々のキャビティ内に成形されていてもよい。型は、フックの引抜きを可能にするために回転する際、連続的に開閉することができる。(例えば、Menzinの米国特許第3,762,000号、同第3,758,657号、および同第3,752,619号ならびにErbの米国特許第3,196,490号参照。)
【0010】
一体型ベースを備えるフックファスナーの押出/成形であり、フック要素は、個々のキャビティ内に成形されてもよく、型は閉じたままである。フックは、冷却後にキャビティから引き抜くことができる。したがって、閉じた型から引き抜くことが可能でなければならないので、フックの外形は、いくらか制限される可能性がある。(例えば、Rochlisの米国特許第3,312,583号および同第3,541,216号、Fischerの米国特許第4,775,310号および同第4,794,028号、ならびにMurasakiの米国特許第5,393,475号参照。)
【0011】
ウェブの上面に沿って平行に走る、フック様断面の一連のレールを備えた材料のウェブの押出。レールは、断続的にベース材までクロスカットされていてもよい。ベース材は、フック要素間に間隙を確保するために伸縮することができる。(例えば、Erbの米国特許第3,665,504号および同第3,735,468号参照。)
【0012】
一連の成形されたピンまたは類似の要素を備える材料のウェブの押出、およびフックタイプまたはマッシュルームタイプのファスナーへの要素の事後形成。(例えば、米国特許第3,182,589号、同第3,270,408号、同第5,607,635号、同第5,755,015号、同第5,781,969号、および同第5,792,408号参照。)
【0013】
これらの方法全てに共通する1つのテーマは、押出機または類似のデバイスによる、熱可塑性材料の溶融および供給である。タッチファスナーを製造する効率的な方法としばしば考えられるが、押出/成形技術は、典型的には、資本設備(押出機、冷却機、ポンピングシステム、乾燥機、ペレット運搬システム)に多額の投資を要し、大きな処理エネルギー消費、原料の扱いおよび事前乾燥、パージ/洗浄材料および開始材料の適切な処分、有害性ガスの換気など、ならびにロールを巻く能力またはさもなくば仕上がり品の加工を中断なく行う能力が必要になる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示に従ってフックタイプのファスナーとして使用できる突起を形成する装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図2】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2A】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2B】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2C】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2D】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2E】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2F】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2G】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2H】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2I】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2J】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2K】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2L】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2M】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図2N】本開示に従って突起として使用できる、例示的な直立形状の概略図である。
【
図3】本開示に従ってフックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図4】本開示に従ってフックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図5】本開示に従ってフックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図6】本開示に従ってフックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図7】本開示に従ってフックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図8】本開示に従ってフックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図9】本開示に従ってフックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図10A】本開示に従ってフックタイプのファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な正面図である。
【
図10B】本開示に従ってフックタイプのファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図である。
【
図11】
図10Aの方法および装置により製造される物品の概略図である。
【
図12】フックタイプのファスナーを提供するための、本開示による例示的な方法のブロック図である。
【
図13】フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の概略的な断面側面図であり、本開示に従って、他の材料は、振動源と基板の間に断続的に供給され得る。
【
図14A】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図14B】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図14C】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図15A】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図15B】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図15C】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図16A】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図16B】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図16C】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図17A】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図17B】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図17C】本開示に従って、熱可塑性物体上の場所に断続的な形で、フックファスナーとして使用できる突起を作る別の装置および方法の順次的、概略的な断面側面図である。
【
図18】本開示に従って製造された基板から突き出ている例示的な突起の拡大断面図である。
【
図19】本開示の例示的な方法に従って製造された、層状の基板から突き出ている例示的な突起の拡大断面図である。
【
図20A】本開示の方法とともに使用されることになる例示的なマスキング材料の上面図である。
【
図20B】本開示の方法とともに使用されることになる例示的なマスキング材料の上面図である。
【
図21】フックファスナーとして使用できる突起を作る、
図1の装置および方法の概略的な断面側面図であり、マスキング材料は、本開示に従って製造された基板と組み合わされる。
【
図22】フックファスナーとして使用できる突起を作る、
図1の装置および方法の概略的な断面側面図であり、マスキング材料は、基板上の突起の断続的なパターンを実現するために使用されるが、マスクは、本開示に従って製造された基板とは組み合わされない。
【
図24】フックファスナーとして使用できる突起を作る、
図1の装置および方法の概略的な断面側面図であり、本開示に従って、ガスケット材料が、基板上の断続的なパターンの突起に提供されており、ガスケットは、突起の個々の領域を囲う。
【発明を実施するための形態】
【0024】
成形されたフックファスナーは一般に、例えば、回転ドラムまたは型上に熱可塑性融解物を押出または射出することによって成形されており、型は、金属プレートの積層またはスタックからなり、プレートは、凹んだまたは刻み目のついたエッジを有する、またはさもなくば溶融ポリマーで満たすことができる一連のキャビティを外周に沿って実現するように設計されている。キャビティ内で成形された突起、またはフックが突き出ることができるストリップ様のベース部分は、同時に成形することができる。
【0025】
押出または射出プロセスを用いる代わりに、比較的複雑さが少ない比較的安価な方法で、振動エネルギーを使用してポリマーを軟化させることで、突起(フック、マッシュルームヘッドなど)を製作できることが見出された。例示的な一実施形態においては、
図1の概略的な断面側面図に示すように、熱可塑性材料の基板11が、振動源13と回転成形ロール15の間に位置付けられるか、またはその間を通過してもよく、ロールは、外周に沿って、フック形状のまたは他の形状の複数のキャビティ17を有する。基板11は、フィルム、シート、ウェブ、複合材料、積層材もしくは他の形態を有していてもよいが、これらには限定されず、または例えば使い捨て幼児おむつに付いている個々の締結タブとして使用することができる、フィルム、シート、ウェブ、積層材または基板熱可塑性材料の部分であってもよい。これらの幼児おむつでの使用においては、タッチファスナーは、使用者が、おむつを幼児に固着するために使用する「サイドタブ」に取り付けることができる。これらのタブは、取り付けるときまたは幼児が動いたときにタブの伸縮および曲げを可能にする、伸張性の材料の一片を備えて構成されてもよい。本開示はさらに、事前形成されたフィルム、シート、ウェブ、複合材料、積層材などを、基板材料として使用することを企図する。
【0026】
動作中、振動源13は、回転成形ロール15の外表面に近接して、また処理中の熱可塑性材料の基板11に接触して位置付けられる。振動源13には、例えば振動超音波ホーンがあるが、これには限定されない。これらのホーンは、アルミニウムまたはチタンなどの金属から作られていてもよく、米国では、Branson Ultrasonics、Dukaneまたは、Sonitekなどの企業から販売されており、ヨーロッパでは、Mecasonicsなどの企業から販売されている。振動源13は、必要に応じて約50Hzから約50kHzの間の周波数で振動することができる。他の振動エネルギー源も使用することができ、これには、回転偏心ローラ、高圧力音波、あるいは他の機械のおよび/または電気機械のまたは音響の形態の振動エネルギーがあるが、これらに限定されない。したがって、そのようなエネルギーは、基板に伝達され、本明細書における突起の形成を助けることができる。
【0027】
成形ロール15および振動源13に接触している熱可塑性材料の基板11の部分は、振動源からの振動エネルギーによって軟化され、熱可塑性材料の所望の部分が成形ロールのキャビティ17に入れられて、ロールが回るとフック形状のまたは他の形状の要素または突起19をフィルムまたはシート21の前面上に形成することができる。この方法は、回転式形成と呼ぶことができる。押し込めるという言及は、熱可塑性材料がキャビティ17内に入るのを、またこれを満たすのを助けるために、必要量の圧力を熱可塑性材料へ印加することとして理解することができる。熱可塑性シート21は、フック19用のキャリングストリップとして機能することができる。
【0028】
フックファスナーを製造するために使用することができる熱可塑性材料には、ポリアミド、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)およびそれらの混合物などがあるが、これらには限定されない。熱可塑性材料は、フィラー、繊維、難燃剤、着色剤などで改変または強化されていてもよい。
【0029】
本発明の利点の1つには、振動源のすぐ隣にある熱可塑性材料が、溶融せずにすみ、したがって、その元の特性の、全てではないにしろほとんどが保持され得る、つまり、その元の特性を損ねる可能性がある熱履歴の影響を受けずにすむということがある。
【0030】
事前に分子配向した材料、または代替として、分子配向することが可能な材料が使用されるとき、キャビティに入る材料の分子配向は、印加される振動エネルギーを変えることによって、維持、増加、または減少され得る。
【0031】
図18は、本開示の例示的な方法に従って製造される基板21から突き出る、
図1に示すような例示的な突起19の拡大断面図である。少なくとも部分的には、本開示による振動作用によって基板に与えられる熱が比較的少量であるために、配向が損なわれる温度(例えば、非晶質ポリマーの場合はTg、または結晶性ポリマーの場合はTm)をポリマーが十分上回る他のプロセスと比べて、配向に依存し得るポリマーの特性が、より効率的に維持され、かつ/または値が増加することすらあり得る。すなわち、振動エネルギーの付加から形成された突起の起立部19Aが、形成後の収縮量で、または形成後対形成前のその引張り強さで測定すると、実質上、その分子配向を維持またはいくらか増加させることがある。例えば、ポリマー材料が、キャビティに入る前、存在する配向面(例えば、押出の方向などと理解することができる縦方向に)の方向にTS1の引張り強さ(TS)をもっている場合、振動エネルギーにさらされることによって形成された突起は、なおもTS1の少なくとも50%以上(例えば、最大200%)の配向の方向に引張り強さ(TS2)を示すことがある。
【0032】
さらに、振動エネルギーにさらされる前の配向に起因する収縮量が、前記基板における所与の方向に所与の値(S1)をもつとすると、振動エネルギーにさらされた後に存在し得る、突起における同じ方向での収縮量(S2)は、その元の値の少なくとも50%以上(例えば、150%)であり得る。すなわち、S2≧0.50(S1)である。本明細書では、収縮量という言及は、基板が、それを超えると配向がゆるみ、全体的に消失する温度まで加熱されるときに起こる、寸法の減少として理解することができる。本明細書で述べるように、これは、非晶質ポリマーに対するガラス転移温度(Tg)を上回ることがあり、結晶性ポリマーに対する融点(Tm)の付近となることもある。
【0033】
さらに、任意の所与の方向に収縮量が5.0%以下である状況として理解することができる、配向をほとんど含まないか全く含まない基板から開始される可能性があることが本明細書では企図される。それはまた、所与の基板に対して、所与の縦方向のエルメンドルフ引裂き強さ(ETMD)が、所与の横方向のエルメンドルフ引裂き強さ(ETCD)とほぼ等しい状況としても特徴付けることができる。横方向は、例えば、縦方向(MD)を横切る方向として理解することができる。すなわち、ETMDは、ETCDの約+/-20%以内である。エルメンドルフ引裂き強さは、ASTM D1922により測定することができ、引裂きを当該基板の長さにわたって伝搬するために必要な平均力として理解することができる。したがって、配向をほとんどまたは全く含まないような基板のために、振動エネルギーの印加および機械的係合のための突起の形成は、そこから突起が形成された全体的に非配向の基板に対して配向を含む突起をもたらすことができる。そのような突起における配向は、それが所与の方向に5.0%を超える収縮量を含むようなものであってもよい。
【0034】
さらに、縦および横の両方向の配向がある状況として理解することができる、二軸配向を有する基板から開始される可能性があることが本明細書では企図される。例えば、縦および横方向は、5.0%を超える比較的均一な収縮値を示す可能性がある。したがって、機械的係合のための突起の形成時、基板の表面に振動エネルギーを集中させる能力のために、下にある基板が、二軸配向を実質上保持して、基板内に存在する下にある二軸配向をほぼ崩さずに突起を形成すると理解することができる。
【0035】
なお、上述の基板および突起の特性について、そのような特性のうちの1つまたは複数が、任意の所与の基板/突起構成の中に存在し得ることにも留意されたい。
【0036】
多層材料(積層材)が利用できる場合、層状の材料のうちの1つまたは複数の部分は、フック部分の特性を選択的に操作することができる製品の製造を可能にするキャビティに形成することができる。
図19は、
図1に示すものなどの、本開示の例示的な方法に従って製造された、層状の基板から突き出た例示的な突起の拡大断面図の例である。ここで、第2の材料121は、基板材料21に連結されており、本開示による処理によって突起19が形成される。第2の材料121の部分122は、突起19の本体または起立部19A内に伸長することができ、強化された特性を突起に与えることができる。例えば、基板材料121から形成されている部分122は、基板材料21に対応するショアー硬度値とは異なるショアー硬度値を有することができる。
【0037】
多層積層材が利用される場合、ファスナー要素は、1つまたは複数の色から製造することができ、ストリップ様のベースは、異なる色であってもよい。さらに、透明な表面層をもつ多層積層材が使用される場合、締結要素またはストリップ様の材料は、透明に形成されてもよい。
【0038】
ウェブの形態に基板を形成して一体型突起を含める前に原料が溶融状態になる、この分野で教示される従来技術とは異なり、本開示は、振動エネルギーを使用してポリマーを軟化させ、それを所望の形状に形成し、それによりまた、処理されるポリマーの熱履歴を最小限にすることによって、基板材料が、分子配向、多色の層または複合構造などの望ましい特性を保持することを可能にする。
【0039】
図1を参照すると、成形ロール15の上またはこれに隣接して、冷却するための手段を備えることができ、形成物、すなわち複数のフックタイプの突起19を含むポリマーのストリップ21を、成形ロールから剥離することができる。冷却は、例えば、外部からおよび/もしくは内部で成形ロールを冷却すること、内部でおよび/もしくは外部から振動源を冷却することならびに/または熱可塑性材料を直接的におよび/もしくは液体、ガス、空気や他の手段の使用によって間接的に冷却することにより、達成することができる。
【0040】
場合によっては、型またはホーンから突起を「分離」するのを助けるために冷却が行われる間またはその後に、超音波エネルギーのアフターバーストが印加されることがある。これは、エネルギー源の、すなわちホーンの表面に突起が形成されるとき、特に有用であり得る。
【0041】
タッチ締結システムの中で接合部分のうちの1つとして使用することができる基板上に突起を実現する処理の一例を、
図12に示してある。ブロック100に記載されているように、成形ロールの外周に沿って配置された、複数のフック形状のまたは他の形状のキャビティを有する、成形ロールまたは他の形状を提供することができ、キャビティは、キャビティの形状に合致している突起を形成することが可能である。ブロック200では、例えば超音波ホーンまたはロールといった振動エネルギー源が提供され得る。基板材料が、例えば、フィルム、シート、ウェブ、積層材、複合材料などの形態で提供されることがあり(ブロック300)、基板が、成形ロールと振動源の間に位置付けられる(ブロック400)。
【0042】
振動源に通電して(ブロック500)、選択的に基板材料を軟化させ、材料を成形ロール内のキャビティに入れ、突起を形成することができる。別法として、成形ロールは平坦であってもよく、突起を形成するためのキャビティは、
図5、7および8に表した振動源の表面内に形成されていてもよい。
【0043】
必要であれば、突起、および基板は冷却してもよく、その表面から伸長する突起を含む基板は、成形ロールからはがして、タッチファスナーシステムにおいて使用するためのストリップを形成することができる。冷却は、ロールから離れた後に、成形ロールと振動源の間、成形ロールの中または基板の上で行ってもよい。突起は、続いて、所望の形状に事後形成することができる。
【0044】
本明細書に記載されているように、突起を形成するためのキャビティは、回転ホーンの表面内に形成されていてもよい(
図4〜8参照)。
【0045】
フック形状のキャビティおよびフック形状の突起は本明細書中で言及しているが、真直ぐなピン、角度が付けられたピン、テーパ付きピン、マッシュルームヘッドをもつピン、および湾曲ピン、ならびに、これらには限定されないが、円形の、楕円形の、正方形の、矩形の、台形の、十字の、多葉の、引っかけフック状の、複数肢のまたはそれらの組合せなどのさまざまな断面をもつ要素が挙げられるが、これらには限定はされない、タッチファスナーシステムの「フック」部分として機能することができる他の形状をもつ突起を製造するために、キャビティは選択してもよいことが予想される。突起は、中実のコアを含むか、または管状などの中空の形態であってもよい。これらの形状のうちのいくつかの例は、
図2A〜Nに示されている。例えば、
図2Gは、多葉の突起の例であり、
図2Iは、管状の例であり、
図2Jは、十字形の例であり、
図2Kは、Y字形の例であり、
図2Lは、引っかけフック状の例であり、
図2Mは、複数肢の例である。さらに、
図2Jが、4肢突起の例であり、
図2Kが、3肢突起の例であるとすると、突起は、5、6、7、8など、さらに肢を有してもよいことが企図される。そのような突起では、高さ、厚さ、および突起がキャリングストリップ21または基板から突き出ることができる角度が変化することがある。さらに、突起は、均一の高さで形成されてもよく、または高さは変化してもよい。
【0046】
振動源13の表面は、熱可塑性材料を振動エネルギーにさらすことができる時間を延ばす、またはそれ以外にも方法の特性および/または性能を向上させるように形作ることができる。
図3は、振動源13Aの改変表面のタイプの一例を示し、ここで、成形ロール15の表面と形状が相補的である、振動源13Aの表面12Aの部分が提供されている。また、
図3において、この例では、より厚い熱可塑性材料11Aが、振動源13Aと成形ロール15の間を通過することを可能にするために、複雑な湾曲表面として振動面の部分12が改変されている。振動源13Aの形作りは、仕上がり品の歪みを低減し、熱可塑性材料の基板11を、振動源13と回転成形ロール15の間に導くことを助けるために利用することもできる。
【0047】
例示的な別の実施形態において、
図4に示すように、振動源は、突起を形成するためのキャビティを有することができるロールであってもよく、回転ロール22は、軟化した熱可塑性物をキャビティに押し込むように位置付けられてもよい。回転振動源20は、その外周に沿って複数のフック形状のまたは他の形状のキャビティ17を含んでいてもよく、(
図1および3に示すような)固定振動源13、13Aの代わりに使用され、回転ロール22に近接して位置付けられてもよい。振動源20は、回転式超音波ホーンであってもよい。これらのホーンは、例えばチタンでできていてもよく、米国ではBranson Ultrasonicsから販売されており、ヨーロッパではMecasonicsから販売されている。製造物の背面24のパターニングが望まれる場合、平坦なロールの代わりに、パターン付き表面を備えるロールを用いてもよい。織物構造または革材料やその他のデザインをまねるための製造物の背面に対するパターニングは、製造物の美観および/または機能性を高めるように働くことができる。場合によっては、パターン付き表面は、ベース材内に穴を形成し、それにより、ファスナーを通気性または透過性にするために、一方または両方のロール上に設計することができる。
【0048】
例示的な別の実施形態において、
図5に示すように、その外周に沿って複数のフック形状のまたは他の形状のキャビティ17を
図4に示すように有する回転振動源20は、非回転固定圧盤26に近接して位置付けることができる。圧盤表面28は、平坦であってもよいし、製造物の背面のパターニングが望まれる場合は、パターン付きであってもよい。
【0049】
図6は、別のタイプの改変固定圧盤30の例示的な実施形態を、回転式振動源20とともに示している。この例では、より厚い熱可塑性材料(基板)が、振動源20と改変固定圧盤30の間を通過できるようにするために、この例では複雑な湾曲表面として圧盤の一表面32が改変されている。参照番号32Aは、圧盤30の表面の形状が回転式振動源20の表面の形状と相補的である領域を示す。改変固定圧盤30の形作りはまた、仕上がり品の歪みを低減し、回転振動源20と固定圧盤30の間に熱可塑性材料基板11Aを導くことを助けるためにも利用できる。圧盤表面32は、平坦であってもよいし、製造物の背面のパターニングが望まれる場合は、パターン付きであってもよい。
【0050】
例示的な別の実施形態において、
図7に示すように、その外周に沿って複数のフック形状のまたは他の形状のキャビティ17を有する回転振動源20を、シート21Aの前面および背面の両方に突起を有するポリマーストリップを製造するために、回転成形ロール15(
図1に示したようなもの)と組み合わせることができる。回転振動源20は、回転成形ロール15の外表面に近接して位置付けることができ、両ロールは、その外周に沿って、複数のフック形状のまたは他の形状のキャビティ17を含むことができる。図示のように、これは、フック形状のまたは他の形状の要素19を、キャリングストリップ21Aの前面23および背面24に同時に備える製造物の製造を可能にする。
【0051】
例示的な別の実施形態において、
図8に示すように、その外周に沿って複数のフック形状のまたは他の形状のキャビティ17を有する回転振動源20は、その外周に沿って複数のフック形状のまたは他の形状のキャビティ17を有する別の回転振動源20Aに近接して位置付けることができる。これは、フック形状のまたは他の形状の要素19を、キャリングストリップ21Aの前面23および背面24に同時に備える製造物の製造を可能にすることになる。
【0052】
例示的なまた別の実施形態において、本質的に固定式または回転式のいずれかの2つ以上の振動源は、同時に使用することができる。
図9は、成形ロール15の外周に沿って複数のフック形状のまたは他の形状のキャビティ17を有する回転成形ロール15に近接する、2つの固定振動源13の使用を表す。
【0053】
上記のように、本開示による方法および装置は、熱可塑性材料の基板のストリップの1つまたは複数の表面上に、タッチ締結システムにおける他の形状をもつフックファスナーまたは突起要素として機能することができる突起を備えた製造物を形成するのに適しており、この基板は、フィルム、シート、ウェブ、複合材料、積層材もしくは他の形態、またはそれらの部分からの形態を有する。基板は、例えば発泡ポリマーなどのセルラー構造を有することができ、あるいは、分子配向したフィルムまたは、例えば、繊維強化物を含むことができる複合材料であってもよい。突起は、さまざまな形状、長さおよび寸法を有することができる。突起は、多層のフィルムまたは基板シートまたはそれらの部分を構成する材料のうちの1つまたは複数から形成されていてもよい。
【0054】
基板の少なくとも一部分が、熱硬化性ポリマーを含み得ることが企図される。
【0055】
突起がその上に形成される基板は、連続的なまたは断続的な層の材料およびそれらの組合せを含み得ることがさらに企図される。例えば、突起が、おそらくはおむつ製作機械に従って(inline)おむつのクロージャータブを製造するために、断続的なウェブ上に形成され得ることが企図される。
【0056】
突起は、その最終的な形状に形成してもよいし、あるいは例えば後の処理ステップでフック形状に再形成され得る真直ぐなピン、もしくは先を丸くしてマッシュルーム形状とされ得る真直ぐなピン、または締結要素として機能することが可能なフックに事後形成され得る改変フックのように、部分的に形作って製造し、最終的な外形を得るよう事後形成してもよいことがさらに企図される。
【0057】
本明細書中で形成された突起は、ループ要素(例えば、フックなどの突起と機械式に係合する構造)をもつ材料と係合することによって、あるいはスクリーン様の材料、連続気泡発泡体様の材料、または類似もしくは接合用の突起(例えば、フック、マッシュルームなど)を有する材料と係合することによって、一時的または永続的のいずれかの締結の手段を提供することができる、ことがさらに企図される。
【0058】
本明細書に記載される方法の具体的な利点において、本開示の突起は、振動源を必要に応じてオン/オフすることにより、または振動源の位置および/もしくは接触力および/もしくは振動周波数を断続的に変化させることにより、基板上に断続的に形成され得る。例えば、ウェブが、方法を経て基板上に突起を断続的に形成する間に、超音波ホーンまたは他の振動源を上下に断続的に動かすことができる。したがって、突起は、所望のパターンに形成することができ、パターンは、基板のインライン処理の間に変化してもよい。したがって、突起は、装置の動作条件次第で、均一の高さまたは複数レベルの高さとなり得る。
【0059】
本開示によれば、突起は、ウェブなどの基板上に形成することができ、このウェブの部分は、ウェブの伸縮を可能にするためにクレープにまたは折られて形成される。
図10Aは、装置の構成の例示的な実施形態を示す概略的な正面図であり、成形ロール42は、突起要素を形成するためのキャビティを有する表面の部分44を含み、振動源40および成形ロール42は、それぞれが、クレープ領域を形成するために構成されたその表面46、46Aの相補的部分を含む。
図10Bは、
図10Aの概略的な断面側面図である。
図11は、
図10Aに表された構成から製造することができる製造物の例を表す。この例では、フックタイプの要素19は、ウェブ21B上のクレープ領域48に隣接して形成されている。このタイプの構成は、おむつのクロージャータブ上のフック要素およびクレープ領域を形成するために使用されて、この応用に現在使用されているエラストマー不織布に接着結合されたタッチファスナーの複雑な組合せをなくす場合に、魅力的であることが分かる。したがって、クレープ部分および締結部分は、伸張性のおむつ締結タブが形成されるように、同時にウェブ材料に形成することができる。表面46、46Aのいずれかは、クレープ領域を形成するために構成することができる、またはこれらの表面のうちの1つが、ニップ圧力を受けて対向する表面構成に合致するゴムまたはエラストマーなどの適合(compliant)材料を含むことができる。クレープという言及は、ウェブのひだなどの波うった表面を得るためにエンボス加工することによって付与されるウェブにおける質を意味すると理解できる。波うった表面という言及は、相対位置が上下する表面を意味すると理解できる。
【0060】
例示的な別の実施形態において、突起は、伸張性のまたは非伸張性のウェブに同時に突起を取り付ける間に、形成することができる。
図13に示すように、伸張性の材料または非伸張性の材料11Bは、回転成形ロール15と固定振動源13(または、回転式振動源または本明細書に開示されるような突起を形成するための型および振動源の他の構成)(例えば、
図1、3〜9、10Aおよび10B参照)の間に供給することができる。振動源13は、型15に近接して位置付けできるが、伸張性の材料または非伸張性の材料11Bの溶融または改変を避けるには十分離れている。熱可塑性または熱硬化性(thermosettable)材料18の片は、伸張性の材料または非伸張性の材料11Bの1つまたは複数の側面と振動源13の間に断続的に供給することができる。この片が振動源13と型ロール15の間を通過したとき、例えば、さらなる厚さによって、熱可塑性または熱硬化性(thermosettable)材料はキャビティ17に押し込められ得る。
【0061】
さらに、突起のパターンは、事前に穿孔または事前にダイカットされたマスキング材料を基板(フィルム、シート、複合材料など)と成形ロールの間を通過させ、それにより、選択的に成形ロールの領域を覆い、突起の断続的なパターンを実現することによって形成することができる。マスクは、必要があれば取り除いても(
図22)、基板に結合させてもよい(
図21)。したがって、パターンの変化は、成形ロールの構成を変える必要なく比較的容易に実現され得る。マスクのダイカッティングまたはその他の形成は、インラインで、またはオフラインで行うことができる。
【0062】
図20Aおよび20Bは、そのような目的のためのマスキング材料の例を示す。
図20Aは、1つまたは複数の開口84が内部に形成されている紙、金属、フィルム、布地などの材料シート82を含むマスク80の上面図である。
図21は、
図1の装置および方法を示し、シート形態のマスク80は、振動源13と成形ロール15の間のニップに供給され、それによりマスクの部分が成形ロール中の選択されたキャビティ17を覆い、断続的なパターンの突起19が、開口84を通して、形成された基板21の表面上に形成される。
【0063】
図22は、類似の方法を示し、マスク80は、基板21から分離させ、仕上がり品の一部分にしなくてもよい。
【0064】
図23は、
図21の装置および方法の斜視図である。
【0065】
図24は、
図1と類似の別の装置および方法を示し、シート形態の材料90(発泡体、不織ウェブなど)は、基板材料11に積層され、振動源13と成形ロール15の間のニップに供給される。材料90の部分が断続的なパターンの突起19を実現することを可能にし、また材料90Aが突起19の個々の領域を囲み、ガスケットとして働くことを可能にするために、成形ロール15の部分100が、取り除かれていてもよい。したがって、図示のように、断続的なパターンの突起19は、材料90Aの領域間の島のように形成される。熱可塑性材料の層11は、突起19が形成されるとき、材料90に含浸(impregnate)させる。突起19の高さは、材料90Aの高さ未満であってもよく、それにより、突起が接合締結システム要素と係合せず、早まった係合が、実質上妨げられることが企図される。おむつ用の締結タブなどの応用においては、これによって、突起が乳児の肌に接触することから保護することもできる。
【0066】
また、突起は、複数の材料層を成形ロールと振動源の間を通過させることによって、材料被覆層内の開口を通して形成できることが企図され、ここで、被覆層は、ロールの1つまたは複数内のキャビティのパターンにそろえた穴を含んでいてもよく、あるいはテキスタイルなどの多孔性の材料は、基板材料をロール内のキャビティの中へ貫通して押し込めるための開口を提供することができる、または被覆層の強度は、基板材料が被覆材料を突き破り、型のキャビティに入るように十分に弱い。
【0067】
図20Bは、開口84が被膜内に形成される領域を除いて、例えば被膜によって、または別の材料86を積層することによって覆われたスクリーン、不織、連続気泡発泡体などの多孔性基板材料88から作られる別のタイプのマスク80Aを示す。多孔性材料88は、突起がそれを通して形成できるように、開口84を通して視認でき、一方で、マスクの被覆領域が、突起19の形成を妨げるように働く。マスクは、液体のスプレーまたは浸漬、次いでそれを乾燥するなどによって、局所的に直接、成形ロールの表面の一部分に塗布できることがさらに企図される。次いで、この被膜は、基板の選択された領域における突起の形成を妨げることができる。マスクは、繰り返し使用することができる、または、剥離し、再適用することができる。
【0068】
さらに、複数層の積層材、例えば、強化層を有する背中合せの突起のパターンを実現するために、熱可塑性基板/布地/熱可塑性布地は、共働ロールと振動源(例えば、
図7および8参照)の間を通過することができる。
【0069】
成形ロール表面(または回転式ホーン表面)の部分を隆起させて切込みまたは基板のきわめて薄い部分を作り出すことによって、断続的な切込みまたはスリットまたは他の形状の穴が、基板内に製造できることがさらに企図される。基板に対するこれらの改変は、締結ストリップをより軟性に、および/または伸縮性に、および/または通気性にするよう働くことがある。
【0070】
本明細書に記載された方法および装置は、突起を形成するために使用する材料のみを加熱および冷却すればよいため、比較的少ない加熱および冷却エネルギーの消費でよいので、押出/成形方法に勝る利点をもたらすことができる。さらに、複数色が基板材料の選択によって実現でき、多種多様な特性が、分子配向した基板または複合材料基板を含むがこれらに限定はされない基板材料の選択を通して得られ得る。パターン、ロゴなどをプリントした材料が、基板として使用されてよく、それにより、それらの表面の1つまたは複数に突起を形成させることができ、プリントされたパターンなどを判別可能に維持することを可能にする。方法の開始時間は、比較的短くてもよく、方法は任意に開始と中断ができ、連続的な押出プロセスでしばしば必要とされる、複雑でコストのかかる自動の移送(transfer)巻取り機の必要性がなくなる。最終的に、必要な床空間を大幅に減少できる。
【0071】
タッチファスナーは、しばしばさまざまな熱可塑性物体に接着される。そのような応用の1つには、自動車のドアパネルおよび内側の天井材パネルへのタッチファスナーの取付けがある。タッチファスナーとして使用するために選択される材料(ポリアミド、ポリオレフィンなど)は、しばしば、接着結合を困難にし、コスト高にし、また、よく破損源になる。本明細書に記載の方法および装置のバージョンは、フックタイプのファスナー(突起)が、このようなベース材の表面の一部分としてまたはその上に形成することができるので、ファスナーをベース材に結合させる接着剤の必要性をなくすまたは低減することができることが企図される。
【0072】
ここまでに記載した方法および装置は、さまざまな表面上に突起を形成する連続的なまたは半連続的な方法を主に対象としている。「プランジ(plunge)形成」と記載することができる例示的な別の実施形態においては、突起の形成が所望される場所に持ってくることができる、自動式の機器、ロボットが持ったまたは手で持ったホーン、またはその他の振動源を使用して、突起は、熱可塑性物体上のどこにでも形成することができる。
図14A、BおよびCは、超音波ホーン54が、その上に位置するキャビティ17を備えて構成することができる振動面50を有することができる(
図14A)方法を示す。超音波ホーン54は、熱可塑性物体52(例えば、車両用のドアパネルまたは天井材基板)に押し付け(矢印A)、振動エネルギーを印加して(
図14B)、選択的に熱可塑性材料を軟化させ、熱可塑性材料52の一部分をキャビティ17に押し込めることができる。次いで、振動エネルギーは止められ、熱可塑性材料は冷却され、超音波ホーンは後退して(矢印B、
図14C)新たに形成された突起19をキャビティ17から解放し、取付け用の局所的なパターンの突起がその上に形成された表面をもつプラスチック物体を提供することができる。
【0073】
場合によっては、型またはホーンから突起を「分離」させるのを助けるために冷却が行われる間またはその後に、超音波エネルギーのアフターバーストを印加することができる。これは、エネルギー源の表面内、すなわち、ホーン内に突起が形成されるとき、特に有用であり得る。取外し可能または取替え可能なホーン先端が、突起のパターンを比較的高速に変えることを可能にするために使用され得ることが企図される。
【0074】
図15A、BおよびCは同様に、さまざまな熱可塑性または熱硬化性(thermosettable)材料60が、超音波ホーン54と物体52の間に位置付けることができ(
図15A)、位置付けした材料60から完全にまたは部分的に、突起19の形成を可能にする(
図15B)ことを示す。このように、突起19は、第2の材料60から、材料が物体52に結合できる振動処理によって形成することができる(
図15C)。これは、物体52が、熱可塑性および/または熱硬化性ドアパネル、計器盤、中央コンソール、後部クローズアウトパネル、天井材などとして理解することができる自動車のトリムパネルである状況において、特に有用性があることが理解できる。
【0075】
例示的な別の実施形態において、
図16A、BおよびCに示すように、キャビティは、超音波ホーン54内にではなく、型様のベース56内に実現され得る。熱可塑性物体52は、超音波ホーンと型ベース56の間に位置付けし(
図16A)、圧力下に保持することができる(矢印A、
図16B)。振動エネルギーは、ホーン(
図16B)に印加され、物体52からの一部分の材料をベースのキャビティ17に押し込めることができる。また、振動エネルギーは止められ、熱可塑性材料は冷却され、超音波ホーンは後退して(矢印B)(
図16C)新たに形成された突起19をキャビティ17から解放し、取付け用の局所的なパターンの突起がその上に形成された表面をもつプラスチックパネルを実現することができる。
【0076】
図17A、BおよびCは、さまざまな熱可塑性または熱硬化性材料60が、突起19を必要とする物体52とキャビティ17を有する型様のベース56の間に位置付けることができる(
図17A)ことを示す。突起は、物体52および材料60の周りでホーン54と型56を押し合わせ、振動エネルギーを印加すること(矢印A、
図17B)によって、材料60から形成することができる。また、振動エネルギーは止められ、熱可塑性材料は冷却され、超音波ホーンは後退して(矢印B)(
図17C)新たに形成された突起19をキャビティ17から解放し、物体52とは異なる材料の局所的なパターンの突起がその上に形成された表面をもつプラスチックパネルを実現する。
【0077】
本明細書に記載された方法および装置は、異なるタイプの材料が層をなして装置に供給され、突起が、層の1つまたは複数の上またはそれを通って形成できるので、フックタイプの材料をより大きな成形された物体に挿入成形することの複雑さを大幅に低減することができる。したがって、基板層の一部分用のまたは突起用の材料は、基板材料とは異なっていてもよい。超音波ホーンまたはその他の振動エネルギー源の使用および本明細書に開示された、不連続的なまたは断続的な方法において物体の上に突起を形成するための、または物体の表面上に突起のパターンを局所的に形成するための型様のベースの使用は、比較的少ない資本および空間要件とともに容易に動かすことが可能なきわめて柔軟な方法を実現することができる。本明細書の連続的なまたは半連続的な方法について開示された特徴の全てはまた、物体上に局所的に突起を取り付けることに適用され得ることが企図される。
【0078】
タッチ締結システムにおいて要素として使用するための本明細書に開示された突起は、広い範囲の締結または保持強度を実現するために、比較的広い範囲のサイズおよび密度に製造することができる。なんらかの具体的な制限に縛られるものではないが、そのような突起の高さは、約10ミクロン未満から約5mmを超える範囲になり得ることが企図される。
【0079】
本明細書および図面は、本発明の現在好ましい実施形態を例示的に説明している。本明細書および図面は、これらの実施形態を説明することを意図しており、本発明の範囲を制限する意図はない。本発明のさらに他の改変形態および変更形態が、添付の特許請求の範囲内で上記の教示に照らして可能であることが当業者には理解されよう。したがって、特許請求の範囲内で、本明細書および図面が具体的に示し、説明したものとは異なる形で、本発明を実施することができる。
【0080】
本願には、下記の出願も提示されている。
[項目1]
基板上に突起を形成する方法であって、
外表面を有する型を提供するステップと、
表面を有する基板材料を提供するステップと、
振動エネルギー源としてデバイスを提供するステップであって、前記型およびデバイスの一方または両方は複数のキャビティを有し、前記キャビティは形状を有する、ステップと、
前記基板材料を前記型と前記デバイスの間に位置付けるステップと、
前記デバイスに通電するステップであって、前記基板材料の一部分が、前記型の型面の内側の前記キャビティに入る、ステップと、
前記基板材料の前記表面の少なくとも一部分の上に突起を形成するステップとを含み、
前記キャビティが突起を形成するように形作られ、該突起が、フック、マッシュルーム、真直ぐなピン、角度が付けられたピン、テーパ状のピン、湾曲ピン、引っかけフック状、複数肢、十字形、Y字形、および多葉形のうちの1つ以上のように形成され、それぞれが、円形、楕円形、正方形、矩形、台形、中実、中空およびそれらの組合せた断面を有する、方法。
[項目2]
前記基板材料が、前記キャビティに押し込められる、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記形成された基板は、波形の表面を有する前記型および前記デバイスの一方または両方の一部分から製造されるクレープ領域をさらに有する、項目1に記載の方法。
[項目4]
前記デバイスへの前記通電が断続的である、項目1に記載の方法。
[項目5]
前記基板材料は熱可塑性および/または熱硬化性材料を含む、項目1に記載の方法。
[項目6]
前記型は回転ロールを備える、項目1に記載の方法。
[項目7]
前記型は回転ロールを備え、前記デバイスは回転ロールを備える、項目1に記載の方法。
[項目8]
前記型は固定されており、前記デバイスは回転ロールを備える、項目1に記載の方法。
[項目9]
前記振動エネルギーは、機械的若しくは電気機械的、又は音響的なものである、項目1に記載の方法。
[項目10]
前記デバイスは、超音波ホーンを備える、項目1に記載の方法。
[項目11]
前記基板材料が、突起を形成する前記型の表面内の前記キャビティに入り、前記基板の一部分が、前記突起のためのキャリングストリップとして働く、項目1に記載の方法。
[項目12]
前記基板は積層材を含み、第2の層の表面をさらす1つまたは複数の開口を含む第1の層を有し、前記突起は、前記第2の層の前記表面上に形成される、項目1に記載の方法。
[項目13]
発泡体、繊維強化プラスチック、配向された熱可塑性または熱硬化性材料を含む、連続的なおよび/または断続的な異なる材料の層を含む積層材を前記基板が有する、項目1に記載の方法。
[項目14]
前記キャビティから取り除かれた後に、前記突起は所望の形状に事後形成される、項目1に記載の方法。
[項目15]
前記事後形成は、振動エネルギーを使用する、項目14に記載の方法。
[項目16]
前記突起は、マッシュルーム形状のヘッドを含むために事後形成される、項目14に記載の方法。
[項目17]
後続のステップとして、前記突起が、ループ要素、相補的形状の突起または他の接合特徴のうちの1つまたは複数をもつ第2の基板材料に係合して、前記基板材料を前記第2の基板材料に締結させる、項目1に記載の方法。
[項目18]
前記突起を前記キャビティから取り除くことを助けるために、振動エネルギーが前記突起に印加される、項目1に記載の方法。
[項目19]
第2の熱可塑性材料が、前記基板材料と前記型または前記デバイスの間を通過し、前記第2の熱可塑性材料は、前記振動エネルギーにさらされ、前記第2の基板材料を前記基板材料に接着させる、項目1に記載の方法。
[項目20]
前記第2の熱可塑性材料は、前記突起の少なくとも一部分を形成する、項目19に記載の方法。
[項目21]
前記基板は、おむつの一部分を含む、項目1に記載の方法。
[項目22]
前記基板は、おむつの一部分を含む、項目3に記載の方法。
[項目23]
一方または両方の前記ロールが、パターン付き表面を含み、前記パターン付き表面が、前記基板内に穴を形成する、項目7に記載の方法。
[項目24]
基板上に突起を形成する方法であって、
表面を有する基板材料を提供するステップと、
振動エネルギー源としてデバイスを提供するステップであって、前記デバイスは、複数のキャビティを有する表面を有し、前記キャビティは、前記表面の少なくとも一部分に沿って配置され、前記キャビティは形状を有する、ステップと、
前記デバイスを前記基板材料の前記表面に押し付けるステップと、
前記デバイスに通電し、前記基板材料の一部分を前記デバイスの前記表面内の前記キャビティに押し込め、前記基板材料の前記表面上に突起を形成するステップであって、前記 突起は、全体的に前記キャビティの前記形状に合致する、ステップとを含み、
前記キャビティが突起を形成するように形作られ、該突起が、フック、マッシュルーム、真直ぐなピン、角度が付けられたピン、テーパ状のピン、湾曲ピン、引っかけフック状、複数肢、十字形、Y字形、および多葉形のうちの1つ以上のように形成され、それぞれが、円形、楕円形、正方形、矩形、台形、中実、中空およびそれらの組合せた断面を有する、方法。
[項目25]
前記デバイスは、手作業でまたはロボット作業で、前記基板材料の前記表面に押し付けられる、項目24に記載の方法。
[項目26]
前記型の表面から取り除かれた後に、前記突起は所望の形状に事後形成される、項目24に記載の方法。
[項目27]
前記事後形成は、振動エネルギーを使用する、項目26に記載の方法。
[項目28]
前記突起は、マッシュルーム形状のヘッドを含むために事後形成される、項目26に記載の方法。
[項目29]
第2の熱可塑性材料が、前記基板材料と前記デバイスの間を通過し、前記第2の熱可塑性材料は、前記振動エネルギーにさらされ、前記第2の基板材料を前記基板材料に接着させる、項目24に記載の方法。
[項目30]
前記基板が、自動車のトリムパネルを含む、項目24に記載の方法。
[項目31]
基板上に突起を形成する装置であって、
表面を有する型と、
振動エネルギー源としてのデバイスとを備え、
前記型およびデバイスの一方または両方は、複数のキャビティを有し、前記キャビティは形状を有し、前記形状は、ループ要素または相補的形状の突起または他の接合材料のうちの1つまたは複数との機械的係合に適した基板からの突起の形成を実現する、装置。
[項目32]
前記型および前記デバイスの1つまたは複数は、ロールを含む、項目31に記載の装置。
[項目33]
前記振動エネルギーは、機械のまたは電気機械のまたは音響のものである、項目31に記載の装置。
[項目34]
前記デバイスは超音波ホーンである、項目31に記載の装置。
[項目35]
前記デバイスは、前記基板の第1の側面と係合する、少なくとも部分的に湾曲した表面を有し、前記基板の第2の側面は、少なくとも部分的に湾曲した前記型の表面と係合し、前記デバイスおよび前記型の前記湾曲した表面は、形状が相補的である、項目31に記載の装置。
[項目36]
前記相補的湾曲表面が、さらにクレープ領域を形成する、項目35に記載の装置。
[項目37]
前記型の前記湾曲表面が、適合材料を含む、項目35に記載の装置。
[項目38]
前記形成された基板が、おむつ用の伸張性締結タブを含む、項目31に記載の装置。
[項目39]
基板上に突起を形成する装置であって、
振動エネルギー源としてのデバイスを備え、前記デバイスは複数のキャビティを有し、前記キャビティは形状を有し、前記形状は、ループ要素または相補的形状の突起または他の接合材料との機械的係合に適した基板内に突起の形成を実現する、装置。
[項目40]
機械的係合のための物品であって、2つの側面を有し、一方または両方の側面から伸張する1つまたは複数の突起を含む基板を備え、前記基板は、縦方向(MD)および横方向(CD)を有する物品において、
i.前記基板は、前記縦方向に引張り強さTS1を有し、前記1つもしくは複数の突起は、引張り強さTS2を有し、ここで、TS2は、TS1の値の50%以上であること、及び、
ii.前記基板は、所与の方向に収縮量S1を有し、前記1つもしくは複数の突起は、同じ方向に収縮量S2を有し、S2≧0.50(S1)であること、
のうちの1つ以上の特徴を有する、物品。
[項目41]
機械的係合のための物品であって、2つの側面を有し、一方または両方の側面から伸張する複数の突起を含む基板を備え、前記基板は、前記基板表面に突起を形成する前に、縦方向(MD)および横方向(CD)を有し、前記基板は、前記縦方向および前記横方向への収縮量が互いに+/-20%の範囲内である収縮値を示す二軸配向を有することを特徴とし、前記基板は、前記基板表面上に突起を形成した後に、前記縦方向および前記横方向の収縮量が互いに+/-20%の範囲内である収縮値を示す二軸配向を有する、物品。