特許第6431323号(P6431323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6431323
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】水中油型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/892 20060101AFI20181119BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20181119BHJP
   A61K 8/894 20060101ALI20181119BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20181119BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20181119BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20181119BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   A61K8/892
   A61K8/891
   A61K8/894
   A61K8/37
   A61K8/81
   A61K8/06
   A61Q19/00
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-187996(P2014-187996)
(22)【出願日】2014年9月16日
(65)【公開番号】特開2016-60701(P2016-60701A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】奥浦 由佳
【審査官】 松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−242281(JP,A)
【文献】 特開平10−036221(JP,A)
【文献】 特開2007−197332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/892
A61K 8/06
A61K 8/37
A61K 8/81
A61K 8/891
A61K 8/894
A61Q 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)〜成分(E)、すなわち
成分(A)シリコーン系油剤と、
成分(B)シリコーン系界面活性剤と、
成分(C)グリセリンと脂肪酸及び二塩基カルボン酸とのエステル化合物と、
成分(D)アクリル酸系水溶性高分子と、
成分(E)ポリビニルアルコールを0.1〜1質量%と、
を含有する水中油型乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布時に適度な厚み感、のびの良さがあり、使用後のハリのある膜感がありながらも、程良い硬さの膜感を付与できる、水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、肌にハリ感を付与することを目的として、種々の技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、肌の上で厚みのある化粧膜を形成させるため、ポリビニルアルコールや、ラテックス類、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂などの皮膜形成剤と、低級アルコール、球状粉末及び清涼剤を含有する皮膚化粧料が開示されている。また、特許文献2には、所定のショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルに、ポリエチレンワックスやミツロウのような所定の固形油を組み合わせた水中油型化粧料が開示されている。特許文献3には、固形油や皮膜形成剤の代わりに、高粘性油剤と、イソノナン酸イソトリデシルと、ポリエチレングリコールなどの高分子を併用することでハリ感を付与可能な水中油型乳化化粧料が開示されている。特許文献4には、ペンタエリトリトールテトラベヘン酸エステル等の固形状油分を配合することにより、皮膚上に油膜を形成し、感触的なハリ感を与える化粧料が報告されている。
特許文献5には、N−アシルアミノ酸及び/又はその塩、並びにヒドロキシステアリン酸エステルを含有し、油相中に固形状油分を40質量%以上含有することを特徴とする乳化化粧料が開示されている。
また、グリセリンと脂肪酸及び二塩基カルボン酸とのエステル化合物は、油のゲル化剤であり(特許文献6)、油中水型乳化皮膚外用剤への配合が知られている(特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−239139号公報
【特許文献2】特開2009−234971号公報
【特許文献3】特開2007−61971号公報
【特許文献4】特公平6−62382号公報
【特許文献5】特開2012−20976号公報
【特許文献6】特開2008−31102号公報
【特許文献7】特開2011−79753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用後のハリ感を付与するために、ポリビニルアルコールを皮膜形成剤として使用すると、塗布時の厚み感に欠け、使用後膜が乾燥してパリパリになるという問題点があった。
【0005】
従って本願発明は、ポリビニルアルコールを皮膜形成剤として使用しても、塗布時に適度な厚み感、のびの良さがあり、使用後のハリのある膜感がありながらも、程良い硬さの膜感を付与できる、水中油型乳化化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、成分(A)〜成分(E)、すなわち
成分(A)シリコーン系油剤と、
成分(B)シリコーン系界面活性剤と、
成分(C)グリセリンと脂肪酸及び二塩基カルボン酸とのエステル化合物と、
成分(D)アクリル酸系水溶性高分子と、
成分(E)ポリビニルアルコールを0.1〜1質量%と、
を含有する水中油型乳化化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水中油型乳化化粧料は、ポリビニルアルコールを皮膜形成剤として使用しても、塗布時に適度な厚み感、のびの良さがあり、使用後のハリのある膜感がありながらも、程良い硬さの膜感を付与する、という効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0009】
本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(A)〜成分(E)、すなわち
成分(A)シリコーン系油剤と、
成分(B)シリコーン系界面活性剤と、
成分(C)グリセリンと脂肪酸及び二塩基カルボン酸とのエステル化合物と、
成分(D)アクリル酸系水溶性高分子と、
成分(E)ポリビニルアルコールを0.1〜1質量%と、
を含有する。
【0010】
本発明で用いる成分(A)シリコーン系油剤は、特に限定されず、直鎖状、環状、架橋型等のいずれを用いても良い。具体的に例示すると、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルフェニルポリシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度のシリコーン油、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状シリコーン油、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ジメチコノール等から選択される一種又は二種以上を適宜配合して用いることができる。好ましくは環状シリコーン油を用い、より好ましくは直鎖状シリコーン油と環状シリコーン油を併用して用いる。
【0011】
シリコーン系油剤の配合量は、水中油型乳化化粧料全量に対し、1〜50質量%が好ましい。50質量%を超えて配合すると、ハリ感に欠ける使用感になる場合がある。
【0012】
本発明で用いる成分(B)シリコーン系界面活性剤は、特に限定されず、POE・メチルポリシロキサン共重合体、シリコーン鎖分岐型POE・メチルポリシロキサン共重合体、架橋型POE・メチルポリシロキサン共重合体、アルキル・POE共変性メチルポリシロキサン共重合体、シリコーン鎖分岐型アルキル・POE共変性メチルポリシロキサン共重合体、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が例示される。本発明においては、乳化安定性の面から、POE・メチルポリシロキサン共重合体を用いることが好ましい。
【0013】
本発明で用いる成分(B)は、HLBの異なる2種以上の界面活性剤を用いることが、乳化安定性上好ましい。また本発明の水中油型乳化化粧料においては、シリコーン系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、良性界面活性剤と併用して用いることも可能である。
【0014】
成分(B)の配合量は、油性成分の配合量によって異なるが、水中油型乳化化粧料全量全量に対し0.05〜5質量%配合することが好ましい。0.05質量%未満では乳化安定性が保てない場合がある。
【0015】
本発明で用いる成分(C)グリセリンと脂肪酸及び二塩基カルボン酸とのエステル化合物は、特に限定されない。たとえば、グリセリンと、炭素数10〜28の直鎖飽和二塩基酸と、炭素数14〜27の直鎖飽和脂肪酸と、炭素数8〜28の分岐飽和脂肪酸とをエステル化反応することにより得られるエステル化合物が挙げられる。具体的には、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルが例示される。
【0016】
本発明で用いる成分(C)の配合量は、水中油型乳化化粧料全量に対し0.01〜5質量%、好ましくは0.01〜1質量%配合する。5質量%を超えて配合するとべたつきを生じる場合がある。0.01質量%未満の配合では、塗布時に厚みが無く、上滑りするような使用感になる場合がある。
【0017】
成分(C)の配合量は、成分(A)シリコーン系油剤1質量部に対し、0.01〜1質量部、好ましくは0.01〜0.1質量部配合する。1質量部を超えて配合すると、乳化安定性が低下する場合がある。0.01質量部未満の配合では塗布時に厚みが無く、滑るような使用感になる場合がある。
【0018】
本発明で用いる成分(D)アクリル酸系水溶性高分子は、アクリル基構造を有しているもので、化粧料として使用可能であればよく、特に限定されない。例えば、ポリアクリル酸及びその塩、カルボマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、アクリルアミド・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリロイルジメチルタウリン塩共重合体、アクリル酸塩・アクリロイルジメチルタウリン共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合体、アクリロイルジメチルタウリン塩・ビニルピロリドン共重合体などが挙げられ、この中でアクリル酸塩・アクリロイルジメチルタウリン共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合体、及びアクリロイルジメチルタウリン塩・ビニルピロリドン共重合体等が挙げられ、1種を単独で、若しくは2種以上を併用して用いる。
【0019】
アクリル酸系水溶性高分子の配合量は、水中油乳化型化粧料全量に対し0.01〜3質量%である。0.01質量%未満の配合では、乳化安定性に問題が生じる場合がある。3質量%を超えて配合すると、べたつきや、突っ張り感の点から使用感上問題となる場合がある。
【0020】
本発明で用いる成分(E)ポリビニルアルコールは、重合度が500〜4000、好ましくは2000〜3000のものを用いる。ポリビニルアルコールの配合量は、0.1〜1質量%である。0.1質量%未満の配合ではハリ感を付与することが困難である1質量%を超えて配合すると、乾燥後の膜が厚くなりすぎ、使用感上好ましくない。
【0021】
本発明においては、ハリ感付与成分として上記成分(E)ポリビニルアルコール以外のハリ感付与成分を併用することができる。かかるハリ感付与成分としては、カラスムギ穀粒エキス、アルモンドエキス、コルクガシ樹皮エキス、モロコシ茎汁などの植物由来成分、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、脂肪酸変性セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩などのセルロース系高分子、キサンタンガム、タマリンドガム、ナットウガム、グアガム、ヒドロキシプロピルグアガム、スクレロチウムガム、タマリンドガム、ビオサッカリドガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどのガム質が例示される。
【0022】
本発明の水中油型乳化化粧料には、水溶性保湿剤を配合することが好ましい。かかる水溶性保湿剤としては、通常化粧料に配合し得るものであれば特に限定されないが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等のポリオール類及びその重合体;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール類;グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、トレオース、キシロース、アラビノース、フコース、リボース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ラフィノース、グルコシルトレハロース、グルコン酸、グルクロン酸、シクロデキストリン類(α−、β−、γ−シクロデキストリン、及び、マルトシル化、ヒドロキシアルキル化等の修飾シクロデキストリン)、β−グルカン、キチン、キトサン、ヘパリン及び誘導体、ペクチン、アラビノガラクタン、デキストリン、デキストラン、グリコーゲン、エチルグルコシド、メタクリル酸グルコシルエチル重合物若しくは共重合物等の糖類及びその誘導体類、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ムコイチン硫酸、カロニン硫酸、ケラト硫酸、デルマタン硫酸、シロキクラゲ多糖体、フコイダン、チューベロース多糖体等の天然由来多糖体、クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸及びその塩、尿素、2−ピロリドン−5−カルボン酸及びそのナトリウム等の塩、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、ヒスチジン、タウリン等のアミノ酸類及びその塩、コラーゲン及びその誘導体並びに加水分解物、エラスチン及びその加水分解物、加水分解ケラチン、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、加水分解卵殻膜蛋白質、アシル化ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体、米醗酵液、米糠醗酵液、酒粕エキス、日本酒エキス、パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等のアシル化ペプチド類、シリル化ペプチド類、乳酸菌培養液、酵母抽出液、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、グルタチオン、アルブミン、乳清、塩化コリン、ホスホリルコリン、胎盤抽出液等が挙げられる。これらの水溶性保湿剤の中でも、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ベタイン、グルコシルトレハロース、米醗酵液、米糠醗酵液、酒粕エキス、日本酒エキスから選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0023】
これらの水溶性保湿剤は、単独又は2種以上を組み合わせて、水中油型乳化化粧料全量に対して5〜50質量%、好ましくは5〜30質量%の割合で配合することができる。配合量が5質量%を下回ると、望ましい保湿効果が得られない場合がある。逆に50質量%を超えて配合すると、べたつきの原因となる場合がある。
【0024】
本発明の水中油型乳化化粧料は、例えば、たるみ防止用化粧料、保湿化粧料、アンチエイジング化粧料、美白化粧料、保湿化粧料、アンチエイジング化粧料等の乳液状、ジェル状あるいはクリーム状の製品が好ましく製造できる。本発明の水中油乳化型化粧料は、通常所謂化粧料はもちろんのこと、医薬部外品に分類される化粧料等も含み得る。
【0025】
本発明の水中油型乳化化粧料は、必須成分である(A)〜(E)のほか必要に応じて、通常化粧料、医薬部外品化粧料に配合される、水性成分、油性成分、色素、乳化剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤、香料、樹脂、防菌防黴剤、アルコール類、薬剤等を適宜配合することができる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
【0027】
(試料の調製)
表1、2に示した組成に従い、定法により実施例1〜4及び比較例1〜3の各試料を調整し、下記評価に供した。結果を表3、4に示した。
【0028】
(試験例1:塗布時の評価)
化粧を施していない女性官能評価専門パネル20名により、実施例及び比較例で得られた各試料2gを顔全体に塗布してもらい、塗布時の「肌上の厚み感」及び「肌上での伸び」について、下記の評価基準に従い官能評価を実施した。
【0029】
<厚み感の評価基準>
◎:20名中16名以上が、肌上での厚み感が程良いと回答
○:20名中11〜15名が、肌上での厚み感が程良いと回答
△:20名中6〜10名が、肌上での厚み感が程良いと回答
×:20名中5名以下が、肌上での厚み感が程良いと回答
【0030】
厚み感に関しては、ハリ付与用美容液として期待される塗布時の厚み感に関し、期待通りの厚み感を有するものを「程良い」と回答するように指示した。
【0031】
<伸びの良さの評価基準>
◎:20名中16名以上が、肌上での伸びが程良いと回答
○:20名中11〜15名が、肌上での伸びが程良いと回答
△:20名中6〜10名が、肌上での伸びが程良いと回答
×:20名中5名以下が、肌上での伸びが程良いと回答
【0032】
厚み感、伸びの良さに関しては、ハリ付与用美容液として期待される塗布時の厚み感、伸びに関し、期待通りの厚み感、伸びを有するものを「程良い」と回答するように指示した。
【0033】
(試験例2:塗布後の評価)
同評価パネルにより、試験例1の評価5分後の「ハリ感」、「膜感」について、下記の評価基準に従い官能評価を実施した。
【0034】
<ハリ感の評価基準>
◎:20名中16名以上が、肌上でのハリ感が程良いと回答
○:20名中11〜15名が、肌上でのハリ感が程良いと回答
△:20名中6〜10名が、肌上でのハリ感が程良いと回答
×:20名中5名以下が、肌上でのハリ程感が良いと回答
【0035】
<膜感の評価基準>
◎:20名中16名以上が、肌上での膜感が程良いと回答
○:20名中11〜15名が、肌上での膜感が程良いと回答
△:20名中6〜10名が、肌上での膜感が程良いと回答
×:20名中5名以下が、肌上での膜感が程良いと回答
【0036】
ハリ感、膜感さに関しては、ハリ付与用美容液として期待される塗布時のハリ感、膜感に関し、期待通りのハリ感、膜感を有するものを「程良い」と回答するように指示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
表2に示したとおり、本発明の実施例1は、塗布時の厚み感、伸びの良さが程良く、使用後のハリ感、膜感に優れたものであった。これに対しポリビニルアルコールを配合量の加減以下の0.08質量%配合した比較例1は、使用後のハリ感、膜感に欠ける使用感であった。またポリビニルアルコールを上限を超える1.3質量%配合した比較例1は、使用後のハリ感が強すぎ、膜感も硬いため良好な評価を得られなかった。また成分(C)のグリセリンと脂肪酸及び二塩基カルボン酸とのエステル化合物を、シリコーン系増粘剤として使用されるジメチコン(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーに代替した比較例3におおいては、使用時の厚み感に欠け、ハリ感、膜感ともに満足度の低い結果となった。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】