特許第6431393号(P6431393)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6431393
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F25B 29/00 20060101AFI20181119BHJP
   F25B 5/02 20060101ALI20181119BHJP
   F25B 6/02 20060101ALI20181119BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20181119BHJP
   F24F 11/84 20180101ALI20181119BHJP
【FI】
   F25B29/00 361B
   F25B5/02 510Q
   F25B6/02 J
   F25B13/00 104
   F25B13/00 361
   F24F11/84
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-18533(P2015-18533)
(22)【出願日】2015年2月2日
(65)【公開番号】特開2016-142453(P2016-142453A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大畑 亮祐
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−172418(JP,A)
【文献】 特開平06−249542(JP,A)
【文献】 特開2001−033119(JP,A)
【文献】 特開平05−099526(JP,A)
【文献】 特開平08−233377(JP,A)
【文献】 特開昭59−167657(JP,A)
【文献】 特開平03−129260(JP,A)
【文献】 特開2007−120937(JP,A)
【文献】 特開2006−145185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 5/02
F25B 6/02
F25B 13/00
F25B 29/00
F24F 11/00 − 11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、室外熱交換器と、前記室外熱交換器の一端の接続先を前記圧縮機の吸入側/吐出側に切り替える流路切替手段と、前記室外熱交換器の他端に接続される室外膨張弁と、を有する室外機と、
室内熱交換器と、前記室内熱交換器の一端に接続される室内膨張弁と、を有する複数台の室内機と、
前記圧縮機の吐出側と、それぞれの前記室内熱交換器の他端と、を接続する第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記圧縮機の吐出側と前記室内熱交換器との連通/遮断を、それぞれの前記室内熱交換器について切り替える複数の第1開閉手段と、
前記圧縮機の吸入側と、前記第1配管における前記第1開閉手段の下流側と、をそれぞれ接続する第2配管と、
前記第2配管に設けられ、前記圧縮機の吸入側と前記室内熱交換器との連通/遮断を、それぞれの前記室内熱交換器について切り替える複数の第2開閉手段と、
それぞれの前記室内熱交換器の前記一端と、前記室外熱交換器の前記他端と、を前記室内膨張弁及び前記室外膨張弁を介して接続する第3配管と、
空気調和機の各機器を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記第1開閉手段によって前記圧縮機の吐出側と前記室内熱交換器とを連通させる場合には、当該室内熱交換器に対応する前記第2開閉手段を閉止し、
前記第2開閉手段によって前記圧縮機の吸入側と前記室内熱交換器とを連通させる場合には、当該室内熱交換器に対応する前記第1開閉手段を閉止し、
さらに前記制御手段は、
複数台の前記室内機のうち一部で冷房運転を行い、残りの室内機を停止させる場合において、
複数台の前記室内機のうち冷房運転を行う室内機の台数が占める割合が所定閾値以下であるとき、
又は、
前記室外熱交換器の容量に対して、冷房運転を行う室内機が有する前記室内熱交換器の容量の合計値が占める割合が所定閾値以下であるとき、
前記室外熱交換器の前記一端を、前記流路切替手段を介して前記圧縮機の吸入側に接続するとともに、
冷房運転を行う室内機に関しては、前記圧縮機の吸入側と前記室内熱交換器とが連通するように前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段を制御し、
停止状態の室内機に関しては、前記圧縮機の吐出側と前記室内熱交換器とが連通するように前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段を制御し、
さらに、前記室外膨張弁を閉止すること
を特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記制御手段は、
複数台の前記室内機のうち一部で暖房運転を行い、残りの室内機を停止させる場合において、
複数台の前記室内機のうち暖房運転を行う室内機の台数が占める割合が所定閾値よりも大きいとき、
又は、
前記室外熱交換器の容量に対して、暖房運転を行う室内機が有する前記室内熱交換器の容量の合計値が占める割合が所定閾値よりも大きいとき、
前記室外熱交換器の前記一端を、前記流路切替手段を介して前記圧縮機の吸入側に接続するとともに、
暖房運転を行う室内機に関しては、前記圧縮機の吐出側と前記室内熱交換器とが連通するように前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段を制御し、
停止状態の室内機に関しては、前記圧縮機の吸入側と前記室内熱交換器とが連通するように前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段を制御し、さらに、当該室内機が有する前記室内膨張弁を閉止すること
を特徴とする請求項に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記制御手段は、
複数台の前記室内機のうち一部で暖房運転を行い、残りの室内機を停止させる場合において、
複数台の前記室内機のうち暖房運転を行う室内機の台数が占める割合が所定閾値以下であるとき、
又は、
前記室外熱交換器の容量に対して、暖房運転を行う室内機が有する前記室内熱交換器の容量の合計値が占める割合が所定閾値以下であるとき、
前記室外熱交換器の前記一端を、前記流路切替手段を介して前記圧縮機の吸入側に接続するとともに、
それぞれの前記室内機に関して、前記圧縮機の吐出側と前記室内熱交換器とが連通するように前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段を制御し、
さらに、停止状態の室内機が有する前記室内膨張弁を閉止又は微開にすること
を特徴とする請求項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
一台の室外機に複数台の室内機を接続し、それぞれの室内機を個別で運転/停止することが可能なマルチ型の空気調和機が知られている。マルチ型の空気調和機は、室外機の設置スペースが小さくて済むという利点や、室内機の増設が容易であるという利点があり、オフィス等の空調に広く利用されている。
【0003】
ところで、マルチ型の空気調和機において、複数台の室内機のうち一部は暖房運転を行い、残りの室内機は停止状態(スイッチオフの状態、又は、室内温度が設定温度に達して一時的に停止した状態)になっていることがある。停止している室内機に関しては、一般に、無駄な熱消費を抑えるために室内膨張弁を微開にして、この室内機に流れる冷媒の流量を小さくするようにしている。
【0004】
しかしながら、前記した方法において停止状態の室内機の台数が多くなると、圧縮機から吐出される冷媒のうち、暖房運転中の室内機に供給される冷媒の割合が少なくなるため、運転効率が低くなるという問題がある。
【0005】
このような問題を考慮し、暖房運転を行っている室内機での冷媒不足を解消する技術として、例えば、以下に示すものが知られている。すなわち、特許文献1には、一部の室内機で暖房運転を行い、残りの室内機が停止している場合、主流側ガス接続配管に設けられた電磁弁を閉じることによって、停止状態の室内機に液冷媒が溜まることを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−145185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、例えば、多数の室内機で暖房運転を行い、少数の室内機が停止している場合には、前記した電磁弁を閉じることで、停止している室内機の室内熱交換器がガス冷媒で満たされる。これによって、停止している多数の室内機の室内熱交換器において冷媒の凝縮が抑制され、前記した冷媒不足が解消される。
【0008】
しかしながら、特許文献1において、逆に少数の室内機で暖房運転を行い、多数の室内機が停止している場合において、停止している室内機の室内熱交換器をガス冷媒で満たすと多量の余剰冷媒が発生する。特に、外気温度が比較的高いときには、暖房運転を行っている室内機の室内熱交換器が余剰冷媒(液冷媒)で満たされ、その凝縮能力の低下を招くという問題がある。さらに、前記した凝縮能力の低下によって圧縮機に過大な負荷がかかり、暖房運転が一時的に停止される可能性もある。
【0009】
また、特許文献1において少数の室内機が冷房運転を行い、多数の室内機が停止している場合、室内熱交換器の蒸発能力に対して、室外熱交換器の凝縮能力が過大になりやすい。特に、外気温度が比較的低いときには、圧縮機の吐出側の圧力が許容範囲を下回ったり、冷房運転を行っている室内機の室内熱交換器が着霜したりすることで、冷房運転が一時的に停止される可能性がある。
【0010】
このように、特許文献1に記載の技術では、少数の室内機が空調運転(暖房運転又は冷房運転)を行っているとき、圧縮機の保護制御等によって空調運転が一時的に停止される可能性があり、信頼性をさらに高める余地がある。
【0011】
そこで、本発明は、信頼性の高い空気調和機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記した課題を解決するために、本発明に係る空気調和機は、圧縮機と、室外熱交換器と、前記室外熱交換器の一端の接続先を前記圧縮機の吸入側/吐出側に切り替える流路切替手段と、前記室外熱交換器の他端に接続される室外膨張弁と、を有する室外機と、室内熱交換器と、前記室内熱交換器の一端に接続される室内膨張弁と、を有する複数台の室内機と、前記圧縮機の吐出側と、それぞれの前記室内熱交換器の他端と、を接続する第1配管と、前記第1配管に設けられ、前記圧縮機の吐出側と前記室内熱交換器との連通/遮断を、それぞれの前記室内熱交換器について切り替える複数の第1開閉手段と、前記圧縮機の吸入側と、前記第1配管における前記第1開閉手段の下流側と、をそれぞれ接続する第2配管と、前記第2配管に設けられ、前記圧縮機の吸入側と前記室内熱交換器との連通/遮断を、それぞれの前記室内熱交換器について切り替える複数の第2開閉手段と、それぞれの前記室内熱交換器の前記一端と、前記室外熱交換器の前記他端と、を前記室内膨張弁及び前記室外膨張弁を介して接続する第3配管と、空気調和機の各機器を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1開閉手段によって前記圧縮機の吐出側と前記室内熱交換器とを連通させる場合には、当該室内熱交換器に対応する前記第2開閉手段を閉止し、前記第2開閉手段によって前記圧縮機の吸入側と前記室内熱交換器とを連通させる場合には、当該室内熱交換器に対応する前記第1開閉手段を閉止し、さらに前記制御手段は、複数台の前記室内機のうち一部で冷房運転を行い、残りの室内機を停止させる場合において、複数台の前記室内機のうち冷房運転を行う室内機の台数が占める割合が所定閾値以下であるとき、又は、前記室外熱交換器の容量に対して、冷房運転を行う室内機が有する前記室内熱交換器の容量の合計値が占める割合が所定閾値以下であるとき、前記室外熱交換器の前記一端を、前記流路切替手段を介して前記圧縮機の吸入側に接続するとともに、冷房運転を行う室内機に関しては、前記圧縮機の吸入側と前記室内熱交換器とが連通するように前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段を制御し、停止状態の室内機に関しては、前記圧縮機の吐出側と前記室内熱交換器とが連通するように前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段を制御し、さらに、前記室外膨張弁を閉止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、信頼性の高い空気調和機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の構成図である。
図2】制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図3】第1モードにおける各弁の状態と、冷媒の流れと、を示す説明図である。
図4】第2モードにおける各弁の状態と、冷媒の流れと、を示す説明図である。
図5】第3モードにおける各弁の状態と、冷媒の流れと、を示す説明図である。
図6】第5モードにおける各弁の状態と、冷媒の流れと、を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
≪実施形態≫
<空気調和機の構成>
以下では、例えば、室内機20a,20b,20c,20d(図1参照)を、「室内機20a〜20d」と記すものとする。
図1は、本実施形態に係る空気調和機Aの構成図である。空気調和機Aは、ヒートポンプサイクルで冷媒を循環させることによって、室内空気の温度・湿度等の空調を行う装置である。図1に示すように、空気調和機Aは、室外機10と、室内機20a〜20dと、高圧ガス側配管3(第1配管)と、低圧ガス側配管4(第2配管)と、液側配管5(第3配管)と、冷媒切替ユニット60a〜60dと、を備えている。
【0016】
(室外機)
室外機10は、圧縮機11と、室外熱交換器12と、室外送風ファン13と、四方弁14(流路切替手段)と、逆止弁15と、室外膨張弁16と、制御装置17(制御手段)と、を備えている。
圧縮機11は、低圧ガス側主流管42を介して吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を高圧ガス側主流管31を介して吐出する装置である。なお、図1では図示を省略したが、気液分離を行うためのアキュムレータが圧縮機11の吸入側に設けられている。
【0017】
室外熱交換器12は、冷媒と、室外送風ファン13から送り込まれる外気と、の熱交換を行うための熱交換器である。室外熱交換器12の一端12nは、四方弁14の切替えによって圧縮機11の吸入側又は吐出側に接続され、他端12uは液側配管5に接続されている。
室外送風ファン13は、室外熱交換器12に外気を送り込むファンであり、室外熱交換器12の付近に設置されている。
【0018】
四方弁14は、室外熱交換器12の一端12nの接続先を圧縮機11の吸入側/吐出側に切り替える弁である。
四方弁14の二つの接続状態のうち実線は、室外熱交換器12の一端12nが、配管p1、四方弁14、配管p2、及び低圧ガス側主流管42(一部)を介して圧縮機11の吸入側に接続された状態を示している。また、破線は、室外熱交換器12の一端12nが、配管p1、四方弁14、配管p3、及び高圧ガス側主流管31(一部)を介して圧縮機11の吐出側に接続された状態を示している。
なお、実際に冷媒が流れる経路は、四方弁14の接続状態と、後記する高圧ガス側電磁弁61a〜61d及び低圧ガス側電磁弁62a〜62dの開閉状態と、によって決まる。
【0019】
逆止弁15は、圧縮機11から高圧ガス側主流管31を介して吐出されたガス冷媒が、低圧ガス側主流管42に流入することを阻止するための弁である。なお、四方弁14及び逆止弁15に代えて、室外熱交換器12の一端12nの接続先を圧縮機11の吸入側/吐出側に切り替える三方弁(流路切替手段)を設けるようにしてもよい。
室外膨張弁16は、室外熱交換器12に流れる冷媒の流量を調整したり、室外熱交換器12を蒸発器として使用する際に冷媒を減圧するものであり、液側主流管52に設けられている。
【0020】
制御装置17は、図示はしないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成される。そして、ROMに記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開し、CPUが各種処理を実行するようになっている。制御装置17は、室外機10の各機器を制御したり、冷媒切替ユニット60a〜60dの各電磁弁を制御したりする機能を有している。なお、制御装置17が実行する処理については後記する。
【0021】
(室内機)
室内機20aは、室内熱交換器21aと、室内送風ファン22aと、室内膨張弁23aと、を備えている。室内熱交換器21aは、冷媒と、室内送風ファン22aから送り込まれる室内空気と、の熱交換を行うための熱交換器である。室内送風ファン22aは、室内熱交換器21aに室内空気を送り込むファンであり、室内熱交換器21aの付近に設置されている。
【0022】
室内膨張弁23aは、室内熱交換器21aに流れる冷媒の流量を調整したり、室内熱交換器21aを蒸発器として使用する際に冷媒を減圧するものであり、液側接続管51aに設けられている。つまり、室内膨張弁23aは、液側接続管51a(一部)を介して室内熱交換器21aの一端nに接続されている。
その他、室内機20aは、室外機10の制御装置17から入力される情報に基づいて室内送風ファン22a、室内膨張弁23a等を制御する制御装置(図示せず)を備えている。
【0023】
室内機20aと並列接続されている他の室内機20b〜20dについては、室内機20aと同様の構成であるから説明を省略する。
【0024】
(高圧ガス側配管)
高圧ガス側配管3は、圧縮機11の吐出側と、それぞれの室内熱交換器21a〜21dの他端uと、を接続する配管である。高圧ガス側配管3は、高圧ガス側主流管31と、高圧ガス側接続管32a〜32dと、を備え、室内熱交換器21a〜21dに対応して四つに分岐している。
【0025】
高圧ガス側主流管31は、圧縮機11から吐出される高温高圧のガス冷媒を高圧ガス側接続管32a〜32dに導く配管であり、圧縮機11の吐出側に接続されている。
高圧ガス側接続管32aは、高圧ガス側主流管31から流入(分流)するガス冷媒を室内熱交換器21aに導く配管であり、高圧ガス側主流管31と、室内熱交換器21aの他端uと、に接続されている(他の高圧ガス側接続管32b〜32dについても同様)。
【0026】
(低圧ガス側配管)
低圧ガス側配管4は、圧縮機11の吸入側と、高圧ガス側配管3における高圧ガス側電磁弁61aの下流側と、を接続する配管である。低圧ガス側配管4は、低圧ガス側接続管41a〜41dと、低圧ガス側主流管42と、を備え、室内熱交換器21a〜21dに対応して四つに分岐している。
【0027】
低圧ガス側接続管41aは、室内熱交換器21aから流入する低圧のガス冷媒を、低圧ガス側主流管42に導く配管である。低圧ガス側接続管41aは、高圧ガス側接続管32aにおいて高圧ガス側電磁弁61aよりも下流側と、低圧ガス側主流管42と、に接続されている(他の低圧ガス側接続管41b〜41dについても同様)。
低圧ガス側主流管42は、低圧ガス側接続管41a〜41dから流入(合流)するガス冷媒を圧縮機11の吸入側に導く配管であり、圧縮機11の吸入側に接続されている。
【0028】
(液側配管)
液側配管5は、それぞれの室内熱交換器21a〜21dの一端nと、室外熱交換器12の他端12uと、を、室内膨張弁23a〜23d及び室外膨張弁16を介して接続する配管である。液側配管5は、液側接続管51a〜51dと、液側主流管52と、を備え、室内熱交換器21a〜21dに対応して四つに分岐している。
【0029】
液側接続管51aは、室内熱交換器21aの一端nと、液側主流管52と、に接続されている。前記したように、液側接続管51aには室内膨張弁23aが設けられている(他の液側接続管51b〜51dについても同様)。
液側主流管52は、室外熱交換器12の他端12uに接続されている。なお、液側主流管52において、液側接続管51a〜51dとの接続箇所よりも室外熱交換器12に近い位置に室外膨張弁16が設けられている。
【0030】
(冷媒切替ユニット)
冷媒切替ユニット60aは、室内熱交換器21aに流入する冷媒の向きを切り替えるものであり、高圧ガス側電磁弁61a(第1開閉手段)と、低圧ガス側電磁弁62a(第2開閉手段)と、を備えている。なお、他の冷媒切替ユニット60b〜60dについても同様であるから、以下では冷媒切替ユニット60aについて説明する。
【0031】
高圧ガス側電磁弁61aは、圧縮機11の吐出側と室内熱交換器21aとの連通/遮断を切り替える電磁弁であり、高圧ガス側接続管32aに設けられている。高圧ガス側電磁弁61aは、制御装置17からの指令に応じて開閉するようになっている。
【0032】
低圧ガス側電磁弁62aは、圧縮機11の吸入側と室内熱交換器21aとの連通/遮断を切り替える電磁弁であり、低圧ガス側接続管41aに設けられている。低圧ガス側電磁弁62aは、制御装置17からの指令に応じて開閉するようになっている。
【0033】
<空気調和機の動作>
図2は、制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、室外機10の制御装置17(図1参照)と、室内機20a〜20dの制御装置(図示せず)と、をまとめて「制御装置」と記すものとする。
ステップS101において制御装置は、室内機20a〜20dのうち、暖房運転を行う室内機が存在するか否かを判定する。暖房運転を行う室内機が存在する場合(S101:Yes)、制御装置の処理はステップS102に進む。
【0034】
ステップS102において制御装置は、室内機20a〜20dのうち、冷房運転を行う室内機が存在しないか否かを判定する。冷房運転を行う室内機が存在しない場合(S102:Yes)、制御装置の処理はステップS103に進む。
ステップS103において制御装置は、室内機20a〜20dのうち暖房運転を行う室内機の台数が占める割合fを算出する。
【0035】
ステップS104において制御装置は、ステップS103で算出した割合fが所定閾値Fよりも大きいか否かを判定する。この所定閾値F(例えば、0.25)は、停止している室内機の室内熱交換器をガス冷媒で満たすか否かの判定基準となる閾値である。
暖房運転の室内機が占める割合fが所定閾値Fよりも大きい場合(S104:Yes)、制御装置の処理はステップS105に進む。
【0036】
ステップS105において制御装置は、第1モードを実行する。
図3は、第1モードにおける各弁の開閉状態と、冷媒の流れと、を示す説明図である。なお、図3では、開いている弁や駆動しているファンを白抜きで図示し、閉じている弁や停止しているファンを塗潰しで図示している(図4図6も同様)。また、図3に示す例では、4台の室内機20a〜20dのうち、暖房運転を行う室内機20a〜20c(3台)が占める割合fが0.75(>F=0.25)であり、暖房負荷が比較的大きい状態になっている。
【0037】
制御装置は、第1モードを実行する際、室外熱交換器12の一端12nの接続先が圧縮機11の吸入側となるように四方弁14を制御する。
また、制御装置は、暖房運転を行う室内機20a〜20cに関しては、圧縮機11の吐出側と室内熱交換器21a〜21cとが連通するように高圧ガス側電磁弁61a〜61cを開き、低圧ガス側電磁弁62a〜62cを閉じる。言い換えると、制御装置は、高圧ガス側電磁弁61a〜61cによって圧縮機11の吐出側と室内熱交換器21a〜21cとを連通させる場合には、低圧ガス側電磁弁62a〜62cを閉止する。
【0038】
また、制御装置は、停止状態の室内機20dに関しては、圧縮機11の吸入側と室内熱交換器21dとが連通するように低圧ガス側電磁弁62dを開き、高圧ガス側電磁弁61dを閉じる。言い換えると、制御装置は、低圧ガス側電磁弁62dによって圧縮機11の吸入側と室内熱交換器21dとを連通させる場合には、高圧ガス側電磁弁61dを閉止する。さらに、制御装置は、室内送風ファン22dを停止し、室内膨張弁23dを閉止する。
【0039】
圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、高圧ガス側配管3を介して室内熱交換器21a〜21cに流入する。室内熱交換器21a〜21cを通流するガス冷媒は、室内送風ファン22a〜22cから送り込まれる室内空気と熱交換して凝縮し、液冷媒になる。室内熱交換器21a〜21cから流出した液冷媒は、液側配管5を通流する過程で室外膨張弁16によって減圧され、減圧された冷媒が室外熱交換器12に流入する。室外熱交換器12を通流する冷媒は、室外送風ファン13から送り込まれる外気と熱交換して蒸発し、低圧のガス冷媒になる。室外熱交換器12から流出したガス冷媒は、四方弁14を介して圧縮機11の吸入側に向かう。
【0040】
また、停止状態の室内機20dに関しては、低圧ガス側電磁弁62dが開いているため、室内熱交換器21dは、低圧ガス側配管4を介して圧縮機11の吸入側に連通している。したがって、室内熱交換器21d内の冷媒は、低圧ガス側配管4を介して圧縮機11の吸入側に回収される(吸い込まれる)。これによって、室内熱交換器21dが保有する冷媒を少なくし、暖房運転を行う室内機20a〜20cに循環する冷媒を十分に確保できる。
【0041】
図2のステップS104において、暖房運転の室内機が占める割合fが所定閾値F以下である場合(S104:No)、制御装置の処理はステップS106に進む。
ステップS106において制御装置は、第2モードを実行する。なお、第2モードを行う際の条件として、外気温度(≦室内温度)と室内温度との差の絶対値が所定閾値以下である(つまり、暖房負荷が小さい)という条件を追加してもよい。
【0042】
図4は、第2モードにおける各弁の開閉状態と、冷媒の流れと、を示す説明図である。なお、図4に示す例では、4台の室内機20a〜20dのうち暖房運転を行う室内機(1台)が占める割合fが0.25(≦F=0.25)であり、暖房負荷が比較的小さい状態になっている。
【0043】
制御装置は、第2モードを実行する際、室外熱交換器12の一端12nの接続先が圧縮機11の吸入側となるように四方弁14を制御する。
また、制御装置は、暖房運転を行う室内機20aに関しては、圧縮機11の吐出側と室内熱交換器21aとが連通するように高圧ガス側電磁弁61aを開き、低圧ガス側電磁弁62aを閉じる。
また、制御装置は、停止状態の室内機20b〜20dに関しても、圧縮機11の吐出側と室内熱交換器21b〜21dとが連通するように高圧ガス側電磁弁61b〜61dを開き、低圧ガス側電磁弁62d〜62dを閉じる。この点が、前記した第1モード(図3参照)とは異なっている。さらに、制御装置は、停止状態の室内機20b〜20dが有する室内膨張弁23b〜23dを閉止又は微開にする。
【0044】
圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、高圧ガス側配管3を介して、それぞれの室内熱交換器21a〜21dに流入する。ここで、停止状態の室内機20b〜20dに関しては、室内膨張弁23b〜23dが閉止されている(又は微開になっている)ため、圧縮機11からの冷媒が室内熱交換器21b〜21dに溜められる。すなわち、室内熱交換器21b〜21dでは、室内空気との熱交換(自然対流)によって高圧のガス冷媒が凝縮し、液冷媒として溜められる。
【0045】
このように、室内熱交換器21b〜21dに液冷媒を保有することで、暖房運転を行っている室内機20aの室内熱交換器21a内に余剰の液冷媒が溜まることを抑制できる。したがって、室内熱交換器21aの凝縮能力を最大限に引き出し、暖房運転を行う際の運転効率を従来よりも高めることができる。また、室内熱交換器21aでは、室内送風ファン22aから送り込まれる室内空気との熱交換によって冷媒が十分に凝縮するため、高圧ガス側配管3における圧力上昇が抑制される。これによって、圧縮機11を一時的に停止させることなく暖房運転を継続できるため、従来よりも信頼性が高く、また、快適性に優れた空気調和機Aを提供できる。
【0046】
図2のステップS102において冷房運転を行う室内機が存在する場合(S102:No)、制御装置の処理はステップS107に進む。例えば、一部の室内機では年間を通して冷房運転を行うことでサーバ室を冷やし、残りの室内機では冬季に暖房運転を行って室内を温めることがある。このようなときには、暖房運転・冷房運転が別々の室内機で同時に(時間的に重複して)行われる。
【0047】
ステップS107において制御装置は、冷房運転を行う室内機の台数に対して、暖房運転を行う室内機の台数が占める割合gを算出する。
ステップS108において制御装置は、ステップS107で算出した割合gが所定閾値G以下であるか否かを判定する。この所定閾値G(例えば、1.0)は、室外熱交換器12を凝縮器として用いるか(第3モード)、又は、蒸発器として用いるか(第4モード)を決める際の判定基準となる閾値である。割合gが所定閾値G以下である場合(S108:Yes)、制御装置の処理はステップS109に進む。
【0048】
ステップS109において制御装置は、第3モードを実行する。
図5は、第3モードにおける各弁の開閉状態と、冷媒の流れと、を示す説明図である。なお、図5に示す例では、冷房運転を行う室内機の台数(3台)に対して、暖房運転を行う室内機の台数(1台)占める割合gが0.33(≦G=1.0)になっている。
【0049】
制御装置は、第3モードを実行する際、室外熱交換器12の一端12nの接続先が圧縮機11の吐出側となるように四方弁14を制御する。
また、制御装置は、冷房運転を行う室内機20a〜20cに関しては、圧縮機11の吸入側と室内熱交換器21a〜21cとが低圧ガス側配管4を介して連通するように低圧ガス側電磁弁62a〜62cを開き、高圧ガス側電磁弁61a〜61cを閉じる。
また、制御装置は、暖房運転を行う室内機20dに関しては、圧縮機11の吐出側と室内熱交換器21dとが高圧ガス側配管3を介して連通するように高圧ガス側電磁弁61dを開き、低圧ガス側電磁弁62dを閉じる。
【0050】
圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒のうち一部は、高圧ガス側配管3を介して室内熱交換器21dに流入し、残りのガス冷媒は四方弁14を介して室外熱交換器12に流入する。室外熱交換器12において凝縮した冷媒、及び、室内熱交換器21dにおいて凝縮した冷媒は、液側配管5を通流する過程で室内膨張弁23a〜23cによって減圧され、室内熱交換器21a〜21cに向かう。室内熱交換器21a〜21cにおいて蒸発した冷媒は、低圧ガス側配管4を介して圧縮機11の吸入側に向かう。
このように、冷房運転を行う室内機が、暖房運転を行う室内機よりも多い場合には室外熱交換器12を凝縮器として機能させることで、凝縮能力の不足分を補うことができる。
【0051】
図2のステップS108において、冷房運転の室内機に対して暖房運転の室内機が占める割合gが所定閾値Gよりも大きい場合(S108:No)、制御装置の処理はステップS110に進む。
ステップS110において制御装置は、第4モードを実行する。なお、第4モードについては詳細な説明を省略するが、制御装置は、室外熱交換器12を蒸発器として機能させるように四方弁14を切り替え、高圧ガス側電磁弁61a〜61d及び低圧ガス側電磁弁62a〜62dの開閉状態を、冷房運転/暖房運転に応じて適宜切り替える。
【0052】
図2のステップS101で暖房運転を行う室内機が存在しない場合(S101:No)、制御装置の処理はステップS111に向かう。ステップS111において制御装置は、室内機20a〜20dのうち、冷房運転を行う室内機が存在するか否かを判定する。冷房運転を行う室内機が存在する場合(S111:Yes)、制御装置の処理はステップS112に進む。
ステップS112において制御装置は、室内機20a〜20dのうち冷房運転を行う室内機の台数が占める割合hを算出する。
【0053】
ステップS113において制御装置は、ステップS112で算出した割合hが所定閾値H以下であるか否かを判定する。この所定閾値H(例えば、0.25)は、停止している室内機の室内熱交換器を凝縮器として機能させるか否かの判定基準となる閾値である。
冷房運転の室内機が占める割合hが所定閾値H以下である場合(S113:Yes)、制御装置の処理はステップS114に進む。
ステップS114において制御装置は、第5モードを実行する。なお、第5モードを実行する条件として、外気温度(≧室内温度)と室内温度との差の絶対値が所定閾値以下である(つまり、冷房負荷が小さい)という条件を追加してもよい。
【0054】
図6は、第5モードにおける各弁の状態と、冷媒の流れと、を示す説明図である。図6に示す例では、4台の室内機20a〜20dのうち、冷房運転を行う室内機20a(1台)が占める割合hが0.25(≦H=0.25)であり、冷房負荷が比較的小さい状態になっている。
【0055】
制御装置は、第5モードを実行する際、室外熱交換器12の一端12nの接続先が圧縮機11の吸入側となるように四方弁14を制御するとともに、室外膨張弁16を閉止する。
また、制御装置は、冷房運転を行う室内機20aに関しては、圧縮機11の吸入側と室内熱交換器21aとが連通するように低圧ガス側電磁弁62aを開き、高圧ガス側電磁弁61aを閉じる。
また、制御装置は、停止している室内機20b〜20dに関しては、圧縮機11の吐出側と室内熱交換器21b〜21dとが連通するように高圧ガス側電磁弁61b〜61dを開き、低圧ガス側電磁弁62b〜62dを閉じる。
【0056】
圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、高圧ガス側配管3を介して室内熱交換器21b〜21dに流入する。室内熱交換器21b〜21dを通流するガス冷媒は、自然対流によって室内空気と熱交換して凝縮する。このように第5モードでは、停止している室内機20b〜20dの室内熱交換器21b〜21dを凝縮器として機能させている。
室内熱交換器21b〜21dから流出した冷媒は、液側配管5を通流する過程で室内膨張弁23aによって減圧され、減圧された冷媒が室内熱交換器21aに流入する。室内熱交換器21aを通流する冷媒は、室内送風ファン22aから送り込まれる室内空気から吸熱して蒸発し、低圧のガス冷媒になる。室内熱交換器21aから流出したガス冷媒は、低圧ガス側配管4を介して圧縮機11の吸入側に戻る。
【0057】
なお、室外熱交換器12は、室内機20a〜20dの全てが冷房運転を行っている場合にも凝縮能力が不足しないよう、その容量が十分に確保されている。仮に、室外膨張弁16を開き、室外熱交換器12(凝縮器)及び室内熱交換器21a(蒸発器)を介して冷媒を循環させると、前記したように、室外熱交換器12の凝縮能力が十分に確保されているため、その凝縮能力が過大になってしまう。その結果、特に外気温度が低い場合には室内熱交換器21aが着霜し、除霜を行うために冷房運転が一時的に停止される可能性が高くなる。
【0058】
これに対して、本実施形態(第5モード)では、停止している室内機20b〜20dの室内熱交換器21b〜21dを凝縮器として機能させることで、外気温度が低い場合に凝縮能力を抑え、室内熱交換器21aの着霜を防止できる。すなわち、冷房運転を継続して行うことができるため、従来よりも信頼性が高く、また、快適性に優れた空気調和機Aを提供できる。
【0059】
図2のステップS113において、冷房運転の室内機が占める割合hが所定閾値Hよりも大きい場合(S113:No)、制御装置の処理はステップS115に進む。
ステップS115において制御装置は、第6モードを実行する。第6モードについては詳細な説明を省略するが、制御装置は、室外熱交換器12を凝縮器として機能させるように四方弁14を切り替え、さらに室内機20a〜20dの運転状態に応じて、高圧ガス側電磁弁61a〜61d及び低圧ガス側電磁弁62a〜62dの開閉状態を適宜切り替える。
【0060】
また、ステップS111において冷房運転を行う室内機が存在しない場合(S111:No)、つまり、全ての室内機が停止している場合には、制御装置の処理は「START」に戻る(RETURN)。
なお、制御装置は、リモコン(図示せず)の操作によって、室内機の暖房運転/冷房運転が切り替えられたり、室内機の運転/停止が切り替えられたりするたびに、図2に示す処理を繰り返す。
【0061】
<効果>
本実施形態によれば、暖房運転又は冷房運転を行う室内機の台数や、外気温度の変化に応じて各弁を制御することで、空調に要する適量の冷媒を循環させることができる。したがって、従来よりも広い条件で対人空調としての快適性を確保できるとともに、高いCOP(Coefficient Of Performance:成績係数)で空調を行うことができる。また、本実施形態によれば、圧縮機11の保護のために暖房運転を一時的に停止したり、室内熱交換器の除霜のために冷房運転を一時的に停止したりすることがほとんどなくなるため、空気調和機Aの信頼性を従来よりも高めることができる。
【0062】
≪変形例≫
以上、本発明に係る空気調和機Aについて実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、実施形態では、暖房運転又は冷房運転を行う室内機の台数に基づいて各運転モード(第1〜第6モード)を決定する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、暖房運転又は冷房運転を行う室内機に関して、その室内熱交換器の容量に基づいて運転モードを決定するようにしてもよい。これによって、例えば、室内熱交換器21a〜21dの容量が同一でない場合でも、以下で説明するように最適な運転モードを選択できる。
【0063】
すなわち、前記した実施形態では、暖房運転を行う室内機の台数が占める割合fが所定閾値Fよりも大きいときに第1モードを実行する場合について説明したが(S104:Yes、S105)、これに限らない。すなわち、室外熱交換器12の容量に対して、暖房運転を行う室内機が有する室内熱交換器の容量の合計値が占める割合が所定閾値よりも大きいときに、第1モードを実行するようにしてもよい。これによって、停止している室内機の室内熱交換器に多量の液冷媒が溜まることを防止できる。
【0064】
また、実施形態では、暖房運転を行う室内機の台数が占める割合fが所定閾値F以下であるときに第2モードを実行する場合について説明したが(S104:No、S106)、これに限らない。すなわち、室外熱交換器12の容量に対して、暖房運転を行う室内機が有する室内熱交換器の容量の合計値が占める割合が所定閾値以下であるときに、第2モードを実行するようにしてもよい。これによって、停止している室内機の室内熱交換器に液冷媒を溜めることができる。
なお、前記した条件が成立し、かつ、外気温度(≦室内温度)と室内温度との差の絶対値が所定閾値以下であるときに第2モードを実行するようにしてもよい。
【0065】
また、実施形態では、冷房運転を行う室内機に対して、暖房運転を行う室内機が占める割合gが所定閾値G以下であるときに第3モードを実行する場合について説明したが(S108:Yes、S109)、これに限らない。すなわち、冷房運転を行う室内機の室内熱交換器の容量の合計値に対して、暖房運転を行う室内機の室内熱交換器の容量の合計値が占める割合が所定閾値以下であるときに、第3モードを実行するようにしてもよい。これによって、室外熱交換器12を凝縮器として機能させることができる。
なお、室外熱交換器12を蒸発器として機能させる第4モードについても同様である。
【0066】
また、実施形態では、冷房運転を行う室内機の台数が占める割合hが所定閾値H以下であるときに第5モードを実行する場合について説明したが(S113:Yes、S114)、これに限らない。すなわち、室外熱交換器12の容量に対して、冷房運転を行う室内機が有する室内熱交換器の容量の合計値が占める割合が所定閾値以下であるときに、第5モードを実行するようにしてもよい。これによって、停止している室内機の室内熱交換器を凝縮器として機能させることができる。
なお、前記した条件が成立し、かつ、外気温度(≧室内温度)と室内温度との差の絶対値が所定閾値以下であるときに第5モードを実行するようにしてもよい。
【0067】
また、実施形態では、空気調和機Aが4台の室内機20a〜20dを備える構成(図1参照)について説明したが、互いに並列接続される室内機の台数は3台以下であってもよいし、また、5台以上であってもよい。
【0068】
また、各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
【符号の説明】
【0069】
A 空気調和機
10 室外機
11 圧縮機
12 室外熱交換器
12n 室外熱交換器の一端
12u 室外熱交換器の他端
13 室外送風ファン
14 四方弁(流路切替手段)
15 逆止弁
16 室外膨張弁
17 制御装置(制御手段)
20a,20b,20c,20d 室内機
21a,21b,21c,21d 室内熱交換器
n 室内熱交換器の一端
u 室内熱交換器の他端
22a,22b,22c,22d 室内送風ファン
23a,23b,23c,23d 室内膨張弁
3 高圧ガス側配管(第1配管)
4 低圧ガス側配管(第2配管)
5 液側配管(第3配管)
61a,61b,61c,61d 高圧ガス側電磁弁(第1開閉手段)
62a,62b,62c,62d 低圧ガス側電磁弁(第2開閉手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6