(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バックベゼルは、前記ユニットカバーの側に突出した配線引出台座部を有し、前記ユニットカバーは、前記バックベゼルの側に突出した、前記配線引出台座部の周囲に嵌る枠体部を備えている請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0007】
第1の実施形態の液晶テレビ10について、図面を参照して説明する。
図1は、電子機器の一例である液晶テレビ10の前面を示す正面図である。
図2は、液晶テレビ10を右側面から示す側面図である。
図3は、液晶テレビ10の背面を斜め上方から示す斜視図である。
図4は、テレビ本体12を分解して示す分解斜視図である。
【0008】
液晶テレビ10は、テレビ本体12と、テレビ本体12の下部にテレビ本体12を支持する卓上スタンド14とを備えている。液晶テレビ10は、テレビ本体12の下部に組み付けられた卓上スタンド14によりテレビ台T等の上に据え付けられる。
【0009】
以下、液晶テレビ10の説明において、基本的に、テレビ本体12を鉛直(後述する液晶パネル22の映像表示面を鉛直にした状態)に屹立させた状態で、液晶テレビ10の映像表示面側を前方とし、その逆を後方とし、それを基準に液晶テレビ10の左右を定める。又、かかる状態で、重力の方向を液晶テレビ10の下方、その逆を上方とする。説明上、液晶テレビ10は、鉛直に設置されているものとする。
【0010】
テレビ本体12は、
図4に示すように、フロントベゼル20、映像表示用セルとしての液晶パネル22、フレーム24、バックライト26、支持部材としてのバックベゼル28、ユニットカバー30を備えている。又、
図5に示すように、バックベゼル28の後面には、電源基板50及び制御基板52が取り付けられている。
【0011】
フロントベゼル20は、
図4に示すように、矩形の枠状部材で、バックベゼル28の前縁に組み付けられ、バックベゼル28及びユニットカバー30とで液晶テレビ10の筐体11を形成する。筐体11は、
図2、
図3に示すように、矩形で、後方に膨らみを有する形状である。
【0012】
液晶パネル22は、被光照射体であり、液晶ユニット31と偏光フィルム32とを少なくとも重ねて構成され、バックライト26が放射する光を透過させる状態と遮断する状態とを切り替えて画像を形成する。尚、映像表示パネルとして、液晶パネル22でなくともよい。
【0013】
フレーム24は、矩形の枠状に形成された部材であり、フロントベゼル20に液晶パネル22を組み入れた後、液晶パネル22の後方に配置され、液晶パネル22を押える。液晶パネル22の後方には、バックライト26が設けられている。
【0014】
バックライト26は、光学部材34と、発光体(発熱部でもある)としてのLEDバー36と、光反射部材としての反射シート38とを含んでいる。光学部材34は、拡散板40とプリズムシート41や拡散シート42等の各種光学シートを適宜含んで構成されており、LEDバー36の光を拡散させ、輝度斑のない均質な光を液晶パネル22に対して供給する。
【0015】
LEDバー36は、細長く形成された取付基板46と、取付基板46の第1の面(前面)48に配置された、発光素子としてのLED(発光ダイオード)44とを含んでいる。
【0016】
取付基板46は、アルミニウム、あるいはアルミニウム合金等、熱伝導性の良好な部材で形成されている。尚、熱伝導性が良好であれば、素材はアルミニウム等でなくともよい。取付基板46には、LED44を発光させるための電力をLED44に供給するための配線がプリントされている。
【0017】
LED44は、取付基板46の第1の面48上の5カ所の位置に、所定の間隔で取り付けられている。LED44の前面には、
図7に示すようにLED44を覆うレンズ部56が設けられている。レンズ部56を通った光は、第1の面48側に広く拡散される。尚、本実施形態では、レンズ部56を含めて、LED44と呼ぶこともある。LEDバー36は、2本平行に、上下方向に所定の間隔をあけて、反射シート38の上に設けられている。
【0018】
反射シート38は、例えば、発泡合成樹脂材で形成され、高い光反射率を有している。反射シート38は、少なくとも液晶パネル22側の面、つまり前面側に、反射面を備えている。LEDバー36は、反射シート38の反射面(前面)の上に重ねて設けられている。
【0019】
反射シート38は、
図4及び
図9に示すように、基本的に矩形形状を有し、平坦に形成された平面部60を中央部分に備え、平面部60の周囲に、所定の角度で前方に傾斜した傾斜部62を備えている。
【0020】
平面部60には、LEDバー36を取り付けた際、LED44が配置される位置に第1貫通孔としての貫通孔64が設けられている。貫通孔64は、反射シート38を表裏に貫通し、
図4に示すように、LEDバー36の長手方向に沿った方向に長く形成されたほぼ長円形を有している。貫通孔64は、少なくともLED44が取り付けられる位置に重なるように形成されている。
【0021】
尚、貫通孔64は、強度的に支障が生じない範囲で、隣接した複数のLED44を跨いで、横方向に長く長孔に形成されていてもよい。又、貫通孔64は、縦方向には、LEDバー36の取付基板46の縦幅を越えない長さに形成され、LEDバー36を反射シート38の上面に取り付けた際、貫通孔64の一部がLEDバー36の取付基板46の上下からはみ出さないことが好ましい。又、反射シート38には、LEDバー36の取付ねじを通すための孔も設けられている。尚、反射シート38は、高い光反射率を有する素材であれば、発泡合成樹脂材でなくともよい。反射シート38の裏面には、バックベゼル28が設けられる。
【0022】
図9にバックベゼル28の断面を示す。
図9は、バックベゼル28を、
図8のF9−F9線を含む平面で破断した状態を示す断面図である。バックベゼル28の全体は、フロントベゼル20と組み付く矩形形状を有している。
【0023】
図9に示すように、バックベゼル28は、上方から後方に湾曲した上板部としての上部湾曲部68と、前後方向に設けられた横板部70と、縦方向に設けられた平板部72の3つの部分に大きく区分できる。上部湾曲部68と横板部70と平板部72の3つの部分は、合成樹脂材で一体に形成されていることが好ましい。
【0024】
上部湾曲部68は、
図9の縦断面で示すように、上端部82から後方に凸状に湾曲した形状を有している。上部湾曲部68の下端部74は、ほぼ水平に形成してあり、下端部74と横板部70の先端部76とが連結されている。
【0025】
横板部70は、ほぼ平板状で、先端部76は、上部湾曲部68の下端部74の湾曲に沿った形状を有している。横板部70の基端部78は、ほぼ直線状で、基端部78と平板部72の上端部80とが連結されている。尚、横板部70を取り付ける位置は、平板部72の上下方向の中央より上方の位置であれば、平板部72の上端部でなくともよい。
【0026】
平板部72は、平板状に形成されている。平板部72は、液晶パネル22に対して基本的に平行に設けられ、液晶テレビ10を鉛直に設置した場合、平板部72も鉛直に配置されるように形成されている。
【0027】
バックベゼル28は、かかる形状により、
図5に示すように、バックベゼル28の左右端縁29、31をバックベゼル28の中心部に対して前後方向に移動させる力Aやバックベゼル28の左右端縁29、31を中心軸C回りに捩じる力Bに対して十分な強度を有している。
【0028】
又、
図8、
図9に示すように、バックベゼル28の上部湾曲部68と平板部72との間には、補強部材84が設けられている。補強部材84は、金属製の板状部材で、上部と下部にそれぞれねじ孔を有し、バックベゼル28の左右方向のほぼ中央にねじ止めされている。補強部材84の上部は、
図9に示すように、上部湾曲部68の上端部82に固定され、下部は平板部72の上端部80に固定されている。
【0029】
バックベゼル28は、補強部材84が上部湾曲部68の上端部82と平板部72の上端部80との間に取り付けられていることにより、
図9に示すように、バックベゼル28の上部に、上部湾曲部68と横板部70と補強部材84とを結ぶ、いわば三角形の補強構造が形成される。これにより、バックベゼル28は、上部湾曲部68の上端部82を、平板部72に対して前後方向に移動させる力Dに対して十分な強度を有している。
【0030】
尚、補強部材84は、所望の強度を有していれば、金属製に限らず、合成樹脂製であってもよい。又、補強部材84は、一か所に限らず、バックベゼル28の所定の個所に適宜取り付けてよい。又、補強部材84の上部は、バックベゼル28の周囲に設けられている金属製のブラケットとともに上部湾曲部68に固定されることが好ましい。
【0031】
図6に示すように、横板部70には、第1スリットとしてのスリット90を有する傾斜部92が形成されている。傾斜部92は、
図12、
図13に示すように、平板状の天井壁96を有し、少なくとも後述する溝部94に位置を合せて設けられている。
【0032】
図11に、
図8のF11−F11線を含む平面で上部湾曲部68の周辺を破断した断面図を示す。尚、
図11においては、補強部材84の記載は省略されている。
【0033】
図11に示すように、横板部70と平板部72とは、横板部70と平板部72の垂直線とのなす角度aが、+3度程度の角度で連結されている。一方、傾斜部92の天井壁96は、天井壁96と平板部72の垂直線とのなす角度bが、概ね+10度の、横板部70と平板部72とのなす角度より若干大きい角度に形成されている。
【0034】
傾斜部92は、溝部94の横幅e1より広い横幅e2を有している。傾斜部92の内部には、複数のスリット90が設けられている。スリット90は、バックベゼル28の表裏を貫通し、平板部72の裏面側を上部湾曲部68の内側に連通している。
【0035】
スリット90は、傾斜部92の天井壁96と、天井壁96に交差する平板部72の双方を含んで、液晶テレビ10の前後方向にほぼ沿った方向に形成されている。又、傾斜部92の左右方向の横幅e2は、前方側より後方側の方が広く形成されていてもよい。
【0036】
図6に示すように、平板部72には、前述した溝部94と第2貫通孔としての貫通孔98が設けられている。溝部94は、
図12、
図13に示すように、底部100と、底部100の左右両側に設けられた縦壁102とを有し、液晶パネル22の側に凹むように形成されている。各溝部94は、LEDバー36に設けられたLED44と同一の間隔をもって5カ所に、鉛直方向に沿って形成されている。尚、溝部94は、完全な鉛直に設けられていなくともよい。各溝部94は、基本的に、平板部72の上端から下端まで延びている。各溝部94の上部には、前述したように傾斜部92が設けられている。又、一部の溝部94は、平板部72に取り付けられた電源基板50や制御基板52に重なり、溝部94の一面が塞がれ、筒状に形成されているものがある。溝部94の底部100には、貫通孔98が設けられている。
【0037】
貫通孔98は、円形で、平板部72の表裏を貫通し、LEDバー36を取り付けた際、LED44が配置される位置に合せて、上下2段にそれぞれ5カ所ずつ平行に設けられている。
【0038】
更に、
図6に示すように、平板部72には、卓上スタンド14の取付脚に連結される連結金具106が取り付けられている。連結金具106は、金属製の細長い金具で、バックベゼル28に2か所、左右均等の位置に設けられている。連結金具106は、バックベゼル28の下部から平板部72の上部まで延び、卓上スタンド14をテレビ本体12に固定すると、卓上スタンド14の脚部に連結される。更に平板部72には、連結金具106がLEDバー36と前後方向に交差する位置に、平板部72を表裏を貫通する貫通孔108が設けられている。
【0039】
又、バックベゼル28の平板部72には、
図6及び
図10に示すように、配線引出口としての電源線引出口130を形成する台座部110が設けられている。台座部110は、矩形で、
図6にも示すように、後方に所定量突出している。台座部110の後面は、平坦に形成されている。台座部110には、電源線120が係合される、配線の引出部としての係合部122が設けられている。台座部110には、後述するユニットカバー30に設けられた枠体部112が嵌め合わされる。
【0040】
このように、バックベゼル28に台座部110が設けられることにより、バックベゼル28は、平板部72の厚みが実質的に増加した同等の効果を有し、たわみやねじりに対する強度が向上される。バックベゼル28の後方には、ユニットカバー30が取り付けられる。
【0041】
ユニットカバー30は、上縁37がバックベゼル28の上部湾曲部68の下端部74に連続した形状を有し、液晶テレビ10の後面をバックベゼル28とともに形成する。
【0042】
ユニットカバー30は、上部に、ユニットカバー30の表裏を貫通した第2スリットとしてのスリット114が形成されている。スリット114は、少なくとも傾斜部92と電源基板50の上部と制御基板52の上部に相当する位置に形成されている。
【0043】
ユニットカバー30には、枠体部112が、前述したように台座部110に合せて設けられている。枠体部112は、台座部110の周囲に嵌る壁部116を四方に有している。枠体部112には、電源線120が係合された係合部122を避ける切欠き部123が設けられている。
【0044】
壁部116で囲まれた枠体部112の内部は、空間となっている。ユニットカバー30をバックベゼル28に取り付け、台座部110に枠体部112が組み付けられると、液晶テレビ10の後面に電源線引出口130が形成される。電源線引出口130は、周囲を壁部116で覆われ、液晶テレビ10の電源線120が引き出される以外、液晶テレビ10の外方とユニットカバー30の内側空間とは遮断される。
【0045】
このようにユニットカバー30には、枠体部112が前後方向に延びる壁部116で形成されている。壁部116は、4か所に矩形に配置され、各壁部116のそれぞれの角部は互いに連結されている。これにより、ユニットカバー30は、厚みが実質的に増加したと同等の効果が得られ、変形に対する強度が向上される。
【0046】
ユニットカバー30は、
図4に示すように、左右両側が前方に湾曲し、左右端縁33、35が、バックベゼル28の平板部72の左右端縁29、31に連結される。ユニットカバー30の下端には、平板状で、前方に延びる底板132が設けられ、平板部72の下端部に連結される。ユニットカバー30の下端部周辺には、底板132を含めて、ユニットカバー30の表裏を貫通したスリットが形成されている。ユニットカバー30の下端部周辺に設けられたスリットは、主に液晶テレビ10の内部へ外気を導入させる外気導入口として機能する。
【0047】
次に、第1の実施形態に係る液晶テレビ10の作用、効果について説明する。バックライト26のLED44が点灯されると、LED44で発生した光は、前方に直接照射されるともに反射シート38で反射され前方に照射される。前方に照射された光は、拡散板40等の光学部材34を通過して、均一に拡散され、液晶パネル22を裏側から照射する。
【0048】
LED44の点灯に伴ってLED44で発生した熱は、
図7に示すように、レンズ部56を通してLED44の前方に放射される。LED44の前方に放射された熱は、LED44の前方の空気を暖める。暖められた空気は、反射シート38と光学部材34の間に形成された空間内を上昇し、液晶テレビ10の内部に対流を生じさせる。これにより、LED44から発生した熱はLED44の前方に放散され、LED44の温度上昇を抑制させることができる。
【0049】
又、LED44で発生した熱は、LED44の後方にある取付基板46に伝達され、取付基板46を加熱する。加熱された取付基板46の熱は、反射シート38の貫通孔64及びバックベゼル28の平板部72に設けられている貫通孔98を通して、バックベゼル28の後方に放散される。これにより、LED44の温度上昇を抑制させることができる。
【0050】
更に、バックベゼル28に設けられた貫通孔98から放散された熱は、貫通孔98の周辺の空気を暖める。貫通孔98の周辺の暖められた空気は、溝部94の内部を通って横板部70まで上昇する。横板部70に達した熱気の一部は、
図11や
図13に示すように、スリット90を通って上部湾曲部68と反射シート38とにより区画される空間の内部に流入する。
【0051】
又、横板部70に達した熱気の一部は、傾斜部92の傾斜に沿ってバックベゼル28の後方に流れ、ユニットカバー30に形成されたスリット114から液晶テレビ10の外部に放出される。傾斜部92の傾斜は、横板部70の傾斜より大きく、熱気を効果的に外部に放散できる。
【0052】
そして、溝部94内での熱気の上昇に伴って、ユニットカバー30とバックベゼル28との間に外気が導入され、一部が溝部94内を上昇して、貫通孔98の周辺温度が低下される。
【0053】
このように、第1の実施形態に係る液晶テレビ10では、バックライト26のLED44から発生した熱は、LED44が取り付けられた位置の後方に設けられた貫通孔64および貫通孔98を通して、反射シート38とバックベゼル28を通過して放散される。
【0054】
これにより、LED44から発生した熱をバックベゼル28の後方に放散でき、LED44の温度上昇を抑制できる。更に、熱気は、溝部94を通ることにより円滑に上昇し、そして傾斜部92を介して液晶テレビ10の外部に効率よく放出されるので、より効果的に温度上昇を抑制できる。
【0055】
又、バックベゼル28の平板部72に取り付けられた電源基板50や制御基板52から放出された熱は、電源基板50等の周囲の空気を暖める。電源基板50等で暖められた空気は、バックベゼル28の平板部72とユニットカバー30とで区画された空間内を上昇する。
【0056】
平板部72とユニットカバー30との間の空間内を上昇した熱気は、横板部70に到達して、横板部70の傾斜に沿って熱気が後方に流れる。横板部70は、バックベゼル28の後方側が前方側より高くなるように傾斜が設けられているので、熱気は円滑に後方に導かれる。ユニットカバー30の上部には、ユニットカバー30の表裏を貫通したスリット114が形成されているので、横板部70に沿ってバックベゼル28の後方に案内された熱気は、スリット114を通り、液晶テレビ10の外部に放出される。
【0057】
それと同時に、ユニットカバー30の下部に設けられたスリットから、外気がユニットカバー30とバックベゼル28の平板部72との間に導入されるので、電源基板50等が外気により冷却される。尚、スリット114は、縦方向に限らず、横方向に設けられていてもよい。又、スリット114は、形状も細長い形状に限らず、丸や矩形等任意の形状でよい。
【0058】
更に、LEDバー36と連結金具106の交差する個所に貫通孔108が設けられていることから、貫通孔108を通してLEDバー36からの熱が連結金具106に放射される。連結金具106は、縦方向に延びる比較的大きな金属部材で、熱容量が大きく、又、下部は卓上スタンド14に連結して外部に連結されてることから、LEDバー36の熱を効果的に吸収し、そして液晶テレビ10の外部に放散させることができる。これによっても、液晶テレビ10は、LED44が発生する熱を効率よく外部に放出し、温度上昇を抑制できる。
【0059】
又、反射シート38の貫通孔64は、長円形に形成され開口面積が広いので、LEDバー36と断熱性の高い反射シート38とが接する面積が減少し、LEDバー36の熱を効果的にバックベゼル28の裏面側に放散し、LEDバー36の温度上昇を抑制できる。
【0060】
次に、第2の実施形態から第6の実施形態の液晶テレビ10について説明する。各実施形態では、第1の実施形態の液晶テレビ10と同一の部材には同一の符号を付す。同一の符号を付した部材の説明は、第1の実施形態における説明に代えるものとする。各実施形態の液晶テレビ10の全体的な構成については、第1の実施形態の液晶テレビ10と同等であるので、第1の実施形態の記載を参酌するものとする。
【0061】
第2の実施形態の液晶テレビ10について、
図14を参照して説明する。この実施形態では、バックベゼル28に金属板140が、LED44からの熱を放散させるために設けられた貫通孔98に合せて取り付けられている。金属板140は、熱伝導性が良好な金属板であり、LEDバー36の取付基板46から放散された熱を吸収し、加熱される。そして、金属板140から周囲に熱が放射され、あるいは金属板140の周囲の空気を加熱し、バックベゼル28の後方に熱を放散させる。これによっても、LEDバー36の取付基板46の熱を効率よく放散でき、LED44の温度上昇を抑制できる。
【0062】
尚、金属板140は、貫通孔98を完全に塞ぐ形でなく、バックベゼル28の平板部72から離して取り付けてもよい。すると、貫通孔98内の熱気の流出によってもLEDバー36を冷却することができる。又、金属板140に孔をあけたり、貫通孔98からずらして貫通孔98の一部が開放される形で金属板140を平板部72に取り付けてもよい。
【0063】
第3の実施形態の液晶テレビ10について、
図15を参照して説明する。この実施形態では、バックベゼル28に設けられた貫通孔98にヒートシンク142が取り付けられている。ヒートシンク142の放熱用のフィン144は、バックベゼル28の後方に露出させ、吸熱側の端部は、LEDバー36の取付基板46に直接接触させる。
【0064】
これによると、取付基板46からヒートシンク142に熱が伝達され、ヒートシンク142に伝達された熱は放熱用のフィン144からバックベゼル28の後方に放散される。これによっても、LEDバー36のLED44の熱を効率よく外部に放散でき、温度上昇を抑制できる。
【0065】
第4の実施形態の液晶テレビ10について、
図16を参照して説明する。この実施形態では、バックベゼル28に設けられた貫通孔98にヒートパイプ146が取り付けられている。放熱部としてのヒートパイプ146の放熱側の端部148は、バックベゼル28の溝部94内の上部に配置させ、ヒートパイプ146の吸熱側の端部150は、LEDバー36の取付基板46に直接接触させることが好ましい。又、上記実施形態において、貫通孔98や貫通孔64を、一方向に長い長孔に形成してもよい。
【0066】
これによると、取付基板46の熱が、ヒートパイプ146の端部150に伝達され、ヒートパイプ146を通り放熱側の端部148からバックベゼル28の溝部94内に放散される。これによっても、LEDバー36のLED44の熱を効率よく放散でき、温度上昇を抑制できる。
【0067】
第5の実施形態の液晶テレビ10について、
図17を参照して説明する。この実施形態では、バックベゼル28に溝部94が横方向にも設けられている。横方向に延びる溝部94は、LEDバー36の取付位置に合せて形成されている。更に、横方向の溝部94には、バックベゼル28の表裏を貫通した貫通孔98が複数設けられている。かかる貫通孔98は、反射シート38の貫通孔64と対応していることが好ましい。又、貫通孔98や貫通孔64を、一方向に長い長孔に形成してもよい。
【0068】
これによると、LEDバー36の取付基板46の裏面側に貫通孔98が複数配置されるとともに、溝部94によって各貫通孔98が連結される。すると、取付基板46の熱は、各貫通孔98を通して溝部94内に放射される。貫通孔98の設けられている位置が、LED44の裏側のみでないので、LED44から取付基板46に伝達された熱がLEDバー36の各所からバックベゼル28の裏側に放散される。
【0069】
又、横方向の溝部94内で生じた熱気は、溝部94を通って縦方向の溝部94に移動し、そこを上昇してスリット114を通して液晶テレビ10の外部に放出される。したがって、この実施形態の液晶テレビ10によれば、LEDバー36のLED44の熱を効率よく放散し、温度上昇を抑制できる。
【0070】
第6の実施形態の液晶テレビ10について、
図18を参照して説明する。この実施形態では、ユニットカバー30にスリット114が、LEDバー36の取付位置と溝部94の位置に合せて形成されている。スリット114は、縦方向に5カ所とユニットカバー30の上下方向のほぼ中央部分に横方向にそれぞれ設けられている。
【0071】
これによると、LEDバー36が取り付けられ位置の裏面側にスリット114が配置されるとともに、溝部94の部分にもスリット114が設けられる。すると、取付基板46の熱は、横方向に設けられた各スリット114を通してバックベゼル28の外部に放出される。更に、溝部94にある熱気が、電源基板50で覆われる以外は各スリット114から直接液晶テレビ10の外部に放散される。したがって、この実施形態の液晶テレビ10によれば、LEDバー36のLED44の熱を効率よくスリット114を通して液晶テレビ10の外部に放散でき、温度上昇を抑制できる。尚、スリット114は、縦方向と横方向の双方に設けるのではなく、いずれか一方でもよい。
【0072】
尚、電子機器としては液晶テレビ10に限るものではない。発光装置を用いたものであれば、各実施形態の構成は他の電子機器にも利用できる。バックライト26は、液晶テレビ10のバックライトに限るものではない。各実施形態での構成は、LED44と反射シート38とを有して構成したものであれば、照明用として単体で用いられる照明装置等にも利用できる。又、バックライト26は、複数のLEDバー36を用いたり、複数のLED44を用いたものに限らず、各実施形態の構成は、少なくとも1つのLED44を用いたものに利用できる。更に、各実施形態における発光体は、LEDに限るものでなく、他の光源を用いたものでもよい。
【0073】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。