(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数枚の基板を上下方向に並べて収納可能なフロントオープンボックスの容器本体と、この容器本体の外部から内部にパージガスを供給可能な給気部材と、この給気部材からのパージガスを容器本体の内部後方から正面方向に供給可能なパージユニットとを備えた基板収納容器であって、
容器本体の内部両側に、基板を略水平に支持する一対の支持片を対向させて設け、この一対の支持片を上下方向に所定の間隔で配列し、
パージユニットは、容器本体の底部後方の給気部材に上流が連通されるパージガス用の導通部材と、この導通部材の下流の導出部から導出したパージガスを容器本体の正面方向に吹き出す縦長のユニット本体とを含んで容器本体の内部後方に位置し、導通部材の導出部を、ユニット本体の中央部あるいは中央部付近に設け、ユニット本体の容器本体正面に対向する対向部の上下方向に、パージガス用の複数の吹出口を設けたことを特徴とする基板収納容器。
導出路の長手方向に複数の分岐路を並べ備え、この複数の分岐路の幅を導出路の導通路側から導出路の末端部方向に向かうにしたがい狭くした請求項3記載の基板収納容器。
【背景技術】
【0002】
従来におけるFOUP等の基板収納容器は、
図18に部分的に示すように、複数枚の半導体ウェーハWを上下方向に並べて収納可能なフロントオープンボックスの容器本体1と、この容器本体1の開口した正面を閉鎖する蓋体とを備え、容器本体1の底板の前後部に、一対の給気バルブと排気バルブとがそれぞれ配設されており、これら給気バルブと排気バルブとにより、内部の空気がパージされるとともに、窒素ガス等の不活性ガス(
図18の矢印参照)に置換されることで、半導体ウェーハWの表面酸化や汚染、配線の腐食が防止される(特許文献1、2参照)。
【0003】
容器本体1は、その左右両側壁の内面に、半導体ウェーハWを水平に支持する左右一対の支持片が対設され、この一対の支持片が上下方向に所定の間隔で配列されており、上下方向に隣接する支持片と支持片との間に、半導体ウェーハWの周縁部に摺接する断面略V字形のスロットが凹み形成されている。この容器本体1は、パージ装置71の付設された蓋体開閉装置72に搭載され、この蓋体開閉装置72により、開口した正面に蓋体が嵌合されたり、正面から蓋体が取り外されたりする。
【0004】
一対の給気バルブと排気バルブとは、例えばパージ装置71から容器本体1の内部に不活性ガスを給気する一対の給気バルブが容器本体1の底板後方にそれぞれ嵌着され、容器本体1の内部から外部に空気を排気する一対の排気バルブが容器本体1の底板前方にそれぞれ嵌着されている。
【0005】
一対の給気バルブには、不活性ガスの流通制御に資する観点から、中空の円柱形等に形成されたタワーノズル70の下端部がそれぞれ装着される。この一対のタワーノズル70は、容器本体1の上下方向に指向し、周壁の上下方向に複数の吹出口が並んで穿孔されており、この複数の吹出口から吹き出る不活性ガスの流れが交差しないよう装着角度が調整される(特許文献3参照)。
【0006】
このような基板収納容器は、容器本体1の正面が蓋体に閉鎖された状態でパージ装置71の付設された蓋体開閉装置72に搭載されると、パージ装置71から容器本体1の内部に不活性ガスが各給気バルブを経由して給気され、タワーノズル70の周壁上下方向に並んだ複数の吹出口から不活性ガスが半導体ウェーハWに接触しつつ蓋体方向に吹き出て容器本体1内に充満する。不活性ガスが容器本体1内に充満すると、容器本体1内の空気が外部に各排気バルブを経由してパージされ、容器本体1内の気体が空気から不活性ガスに置換されることとなる。
【0007】
ところで、基板収納容器は、一般的には容器本体1の正面が蓋体により閉鎖された状態でパージされるが、容器本体1内の相対湿度を一定水準以下に均一に低下させたい場合には、容器本体1の正面から蓋体が蓋体開閉装置72により取り外され、容器本体1の正面が開口した状態でパージされることがある(特許文献4参照)。
【0008】
この容器本体1の正面が開口した状態でパージされる場合には
図18に示すように、EFEM(Equipment Front End Module)73に併設された蓋体開閉装置72に基板収納容器の容器本体1が搭載され、この容器本体1の正面から蓋体が蓋体開閉装置72により取り外された後、EFEM73天井のファンフィルターユニット74から床方向に大量のクリーンエア(同図の矢印参照)がダウンフローされるとともに、パージ装置71から容器本体1内に不活性ガスが給気バルブを介して供給される。
【0009】
供給された不活性ガスは、タワーノズル70の下端部から上部に流動し、タワーノズル70の各吹出口から半導体ウェーハWに接触しつつ、容器本体1の開口した正面方向に吹き出ることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来における基板収納容器は、以上のように構成され、優れた効果が期待できるものの、容器本体1の給気バルブにタワーノズル70の開口した下端部が単に装着されるに止まるので、容器本体1の半導体ウェーハW間における湿度にバラツキ、換言すれば、容器本体1の支持片間における湿度にバラツキが生じ、不具合が発生するおそれが考えられる。この点について詳しく説明すると、タワーノズル70の内部に給気された不活性ガスは、タワーノズル70の下方から上方に流動するにしたがい、タワーノズル70の上方側に徐々に蓄積されて圧力が高まり、下方の吹出口よりも上方の吹出口から強く大量に吹き出すので、タワーノズル70の上下方向で吹き出し量に差異が生じることとなる。
【0012】
タワーノズル70の高さに依存して各吹出口からの不活性ガスの吹き出し量に差異が生じると、複数枚の半導体ウェーハWを整列収納した容器本体1の支持片間における湿度がばらつき、半導体ウェーハWを支持する支持片によっては湿度が低下しないので、容器本体1内の相対湿度を均一に下げることができないおそれが考えられる。
【0013】
この問題は、
図18に示すように、容器本体1の正面を開口させて不活性ガスに置換する場合、容器本体1の正面下方付近で不活性ガスと大量にダウンフローされたクリーンエアとが部分的に衝突し、容器本体1内の空気が不活性ガスに置換されずに滞留(同図の折り返しの矢印参照)したり、半導体ウェーハWを支持する支持片間における湿度のバラツキが大きくなるので、より重大で深刻となる。
【0014】
係る問題を解消する手段としては、タワーノズル70の高さに応じ、吹出口の大きさを変更するという方法があげられる。しかしながら、ユーザによっては、不活性ガスの供給条件が異なったり、クリーンエアのダウンフローの流量が相違するので、吹出口の大きさを変更するという方法では、最適なタワーノズル70を必ずしも得ることができず、係る問題を解消することは困難である。
【0015】
本発明は上記に鑑みなされたもので、基板を支持する支持片間における湿度がばらつくのを低減することのできる基板収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明においては上記課題を解決するため、複数枚の基板を上下方向に並べて収納可能なフロントオープンボックスの容器本体と、この容器本体の外部から内部にパージガスを供給可能な給気部材と、この給気部材からのパージガスを容器本体の内部後方から正面方向に供給可能なパージユニットとを備えたものであって、
容器本体の内部両側に、基板を略水平に支持する一対の支持片を対向させて設け、この一対の支持片を上下方向に所定の間隔で配列し、
パージユニットは、容器本体の底部後方の給気部材に
上流が連通されるパージガス用の導通部材と、この導通部材の
下流の導出部から導出したパージガスを容器本体の正面方向に吹き出す
縦長のユニット本体とを含んで容器本体の内部後方に位置し、導通部材の導出部を、ユニット本体の
中央部あるいは中央部付近に設け、ユニット本体の容器本体正面に対向する
対向部の上下方向に、パージガス用の
複数の吹出口を設けたことを特徴としている。
【0017】
なお、パージユニットの導通部材を、給気部材
に下端部が連通される
薄い導通管とするとともに、ユニット本体を、容器本体の上下方向に指向する
中空の薄い板形に形成して容器本体の内部後方に立て設け、
導通管を屈曲形成してその上端部の導出部をユニット本体の周壁の
中央部あるいは中央部付近に接続し、ユニット本体の容器本体正面に対向する正面壁の
上下方向に、複数の吹出口を並べ設けることができる。
【0018】
また、パージユニットの導通部材とユニット本体とを、
正面の上下方向に複数の吹出口を並べ備えた縦長のパージボックスに一体構成するとともに、このパージボックスを容器本体の内部後方に立て設けてその正面を容器本体の正面方向に向け、パージボックスの下部側方に給気部材用の接続管を設け、パージボックスの内部をパージ空間に形成し、このパージ空間の側部に、接続管に連通したパージ空間の下部から略中央部付近に伸びるパージガス用の導通路を形成し、この導通路の上端部に、パージ空間の横方向に指向してパージ空間の中央部付近に位置するパージガス用の導出路を連通形成するとともに、この導出路によりパージ空間を上下に二分し、導出路から複数の吹出口に対向するパージガス用の分岐路をそれぞれ分岐し、この複数の分岐路をパージ空間の上下方向に伸長することができる。
【0019】
また、パージボックスを正面の開口した略箱形に形成してその下部側方に給気部材用の接続管を設け、パージボックスの正面に、複数の吹出口を並べ備えたパージプレートを取り付け、これらパージボックスとパージプレートとの間に、濾過用のフィルタを介在することもできる。
【0020】
また、パージボックスの内部を複数のパージ空間に分割し、パージ空間の側部に、接続管に連通したパージ空間の下部から略中央部付近に伸びるパージガス用の導通路を形成し、この導通路に、パージ空間の幅方向に指向してパージ空間を上下に分割するパージガス用の導出路を形成するとともに、この導出路から複数の吹出口にフィルタを介して対向するパージガス用の複数の分岐路をそれぞれ分岐し、この複数の分岐路をパージ空間の上下方向に伸長することが可能である。
【0021】
また、導出路の長手方向に複数の分岐路を並べ備え、この複数の分岐路の幅を導出路の導通路側から導出路の末端部方向に向かうにしたがい狭くすることが可能である。
また、分岐路の幅を導出路側から末端部方向に向かうにしたがい狭くすることも可能である。
さらに、分岐路の深さを導出路側から末端部方向に向かうにしたがい浅くすることができる。
【0022】
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくとも各種のウェーハや液晶ガラス等が含まれる。容器本体は、透明、不透明、半透明のいずれでも
良い。この容器本体の底部前方には、容器本体の内部から外部に気体を排気可能な排気部材を取り付けることができる。
【0023】
パージガスには、少なくとも各種の不活性ガス(例えば、窒素ガスやアルゴンガス)とドライエア等が
含まれる。さらに、吹出口や分岐路の形は、必要に応じ、溝形、円形、楕円形、三角形や台形等の多角形とすることができる。
【0024】
本発明によれば、基板収納容器をパージする場合には、蓋体開閉装置等に基板収納容器の容器本体を搭載し、容器本体の外部から内部にパージガスを供給する。すると、パージガスは、容器本体の給気部材からパージユニットの導通部材に流入し、この導通部材内を流れてその下流の導出部から
ユニット本体の中央部あるいは中央部付近の内部に流入し、この内部から上下方向にそれぞれ分流して流通し、その後、ユニット本体の吹出口から吹き出る。
【0025】
この際、ユニット本体の下部ではなく、
中央部あるいは中央部付近にパージガスが流入するので、ユニット本体の上下方向におけるパージガスの圧力の不均衡が減少する。ユニット本体の吹出口からパージガスが吹き出すと、このパージガスが容器本体の内部後方から基板に接触しつつ複数の基板間を経由して容器本体の正面方向に流出し、容器本体内の気体が容器本体の外部にパージされ、パージガスに置換される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、
パージガスがユニット本体の下部ではなく、中央部あるいは中央部付近から上下方向に流入・分流し、各吹出口から吹き出るので、圧力の不均衡により、パージガスが下方の吹出口よりも上方の吹出口から強く大量に吹き出る事態が減少する。この減少により、ユニット本体の上下方向でパージガスの吹き出し量に差異が生じるのを抑制することができ、基板を収納した容器本体の支持片間における湿度がばらつき、容器本体内の相対湿度を均一に下げることができないおそれを排除することができるという効果がある。特に、最上段と最下段のパージガスの吹き出し量が略均一化するので、従来、問題となった最上段と最下段の基板を支持する支持片間における湿度のバラツキが大きくなるおそれを有効に抑制することができる。また、ユニット本体の高さに応じ、吹出口の大きさを変更する作業を省略することが可能となる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、
パージユニットの導通管とユニット本体とがそれぞれ薄く形成され、容器本体の前後方向に大きなスペースを占有しないので、容器本体の内部後方に容易に設置することが可能になる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、パージガスがパージボックスの導通路、導出路、及び分岐路に順次流入してパージボックスの上下方向に流れ、複数の吹出口から吹き出るので、パージガスが圧力の不均衡により、下方の吹出口よりも上方の吹出口から強く大量に吹き出る事態を減少させることができる。したがって、パージボックスの上下方向でパージガスの吹き出し量が相違するのを有効に抑制することができ、容器本体内の基板間における湿度がばらつくのを防ぎ、容器本体内の相対湿度の均一化に資することができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、導出路の上流と下流におけるパージガスの圧力の均一化に資することが可能になる。
請求項5記載の発明によれば、分岐路の末端部側の幅を狭くするので、分岐路の末端部側から吹き出すパージガスの吹き出し量を増加させ、複数の基板間に対する略均等な吹き出しの実現を図ることが可能になる。
請求項6記載の発明によれば、分岐路の末端部側の深さを浅くするので、分岐路の末端部側から吹き出すパージガスの吹き出し量を増加させ、複数の基板間に対する略均等な吹き出しの実現に資することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す断面説明図である。
【
図2】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体とパージユニットとを模式的に示す正面説明図である。
【
図3】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるパージユニットを模式的に示す正面説明図である。
【
図4】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体からパージユニットを取り外した状態を模式的に示す正面説明図である。
【
図5】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるパージユニットに不活性ガスが導入される状態を模式的に示す説明図である。
【
図6】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態における容器本体とパージユニットとを模式的に示す正面説明図である。
【
図7】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態における容器本体とパージユニットとを模式的に示す部分斜視説明図である。
【
図8】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態におけるパージユニットのパージボックスを模式的に示す分解斜視説明図である。
【
図9】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態におけるパージボックスからパージプレートの一部を取り外した状態を模式的に示す正面説明図である。
【
図10】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態を模式的に示す断面説明図である。
【
図11】
図9のパージボックスに不活性ガスが流通する状態を模式的に示す正面説明図である。
【
図12】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態におけるパージボックスのパージ空間からパージプレートを取り外した状態を模式的に示す正面説明図である。
【
図13】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態を模式的に示す正面説明図である。
【
図14】本発明に係る基板収納容器の第4の実施形態を模式的に示す正面説明図である。
【
図15】本発明に係る基板収納容器の第5の実施形態を模式的に示す正面説明図である。
【
図16】本発明に係る基板収納容器の第6の実施形態を模式的に示す正面説明図である。
【
図17】本発明に係る基板収納容器の第7の実施形態を模式的に示す側面説明図である。
【
図18】基板収納容器の容器本体正面から蓋体を取り外し、容器本体の正面を開口させてパージする状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、
図1ないし
図5、
図18の一部に示すように、複数枚の半導体ウェーハWを上下方向に並べて整列収納可能な容器本体1と、この容器本体1の正面を嵌合閉鎖する着脱自在の蓋体10と、容器本体1の正面を閉鎖した蓋体10を施錠する施錠機構20と、容器本体1の外部から内部に不活性ガスを供給可能な一対の給気バルブ30と、容器本体1の内部から外部に空気を排気可能な一対の排気バルブ40と、各給気バルブ30からの不活性ガスを容器本体1の内部後方から正面方向に供給可能なパージユニット50とを備え、このパージユニット50の導通部材である導通管51の導出部52を、ユニット本体53の下部以外の部分に接続するようにしている。
【0032】
各半導体ウェーハWは、
図1に示すように、例えば表面に回路パターンが形成されたφ300mmやφ450mmの薄く丸いシリコンウェーハからなり、図示しない専用のロボット装置のアームにより、容器本体1の内部に水平に支持収納されたり、取り出されたりする。
【0033】
容器本体1、蓋体10、施錠機構20、一対の給気バルブ30、一対の排気バルブ40、及びパージユニット50は、所定の樹脂を含有する成形材料により射出成形される。この成形材料に含まれる樹脂としては、例えばポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等があげられる。
【0034】
容器本体1は、
図1、
図2、
図4に示すように、正面の開口したフロントオープンボックスタイプに成形され、底板2にインターフェイスとなる平坦なボトムプレート3が下方から螺着されており、このボトムプレート3がパージ装置71の付設された蓋体開閉装置72等に対する位置決め機能や固定機能を発揮する。
【0035】
容器本体1の左右両側壁の内面には、半導体ウェーハWの周縁部両側を略水平に支持する左右一対の支持片4が対設され、この一対の支持片4が容器本体1の上下方向に所定の間隔で配列されており、各支持片4が容器本体1の前後方向に指向する長板に形成されるとともに、この支持片4の表面先端部には、半導体ウェーハWの前方への飛び出しを規制する飛び出し防止段差部5が半導体ウェーハWの肉厚以上の厚さで一体形成される。
【0036】
容器本体1の底板2における後部両側付近には、容器本体1の背面壁に近接する給気バルブ30用の取付孔6がそれぞれ丸く貫通して穿孔され、底板2における前部両側付近には、排気バルブ40用の取付孔6がそれぞれ丸く貫通して穿孔される。各取付孔6は、半導体ウェーハWの円滑な出し入れに資するよう、半導体ウェーハWの底板2に対する投影領域から外れる箇所に穿孔される。また、容器本体1の天板中央部には、半導体製造工場の天井搬送機構に把持される搬送用のトップフランジ7が着脱自在に装着され、容器本体1の正面内周における上下部の両側には、蓋体10用の施錠穴がそれぞれ穿孔される。
【0037】
容器本体1の両側壁の中央部には、握持操作用に機能するグリップ部8がそれぞれ着脱自在に装着される。また、容器本体1の両側壁の下部には、搬送用のサイドレール9がそれぞれ選択的に装着される。
このような容器本体1は、蓋体開閉装置72に位置決めして搭載され、開口した正面に蓋体10が圧入して嵌合された状態でパージされたり、EFEM73に併設された蓋体開閉装置72に位置決めして搭載され、蓋体開閉装置72により正面からシール状態の蓋体10が取り外された後、正面が開口した状態でパージされる。
【0038】
蓋体10は、
図1に示すように、容器本体1の開口した正面内に圧入して嵌合される蓋本体11と、この蓋本体11の開口した正面を被覆する表面プレート13と、容器本体1の正面内周と蓋本体11との間に介在される密封封止用のシールガスケットとを備え、蓋本体11と表面プレート13との間に施錠用の施錠機構20が介在して設置される。
【0039】
蓋本体11は、基本的には底の浅い断面略皿形に形成され、内部に補強用や取付用のリブが複数配設されており、半導体ウェーハWに対向する対向面である裏面の中央部付近に、半導体ウェーハWとの接触を回避する凹部が形成されるとともに、この凹部には、半導体ウェーハWの周縁部前方を弾発的に保持するフロントリテーナ12が装着される。
【0040】
蓋本体11の裏面周縁部には枠形の嵌合溝が凹み形成され、この嵌合溝内に、容器本体1の正面内周に圧接する弾性のシールガスケットが密嵌されており、蓋本体11の周壁における上下部の両側には、容器本体1の施錠穴に対向する施錠機構20用の出没孔が貫通して穿孔される。
表面プレート13は、横長の正面矩形に形成され、補強用や取付用のリブ、螺子孔等が複数配設される。この表面プレート13の両側部には、施錠機構20用の操作孔がそれぞれ穿孔される。
【0041】
施錠機構20は、
図1に部分的に示すように、蓋体10の蓋本体11における左右両側部にそれぞれ軸支され、外部から回転操作される左右一対の回転プレートと、各回転プレートの回転に伴い蓋体10の上下方向にスライドする複数の進退動プレートと、各進退動プレートのスライドに伴い蓋本体11の出没孔から出没して容器本体1の施錠穴に接離する複数の施錠爪とを備えて構成される。
【0042】
各回転プレートは、蓋体10の表面プレート13の操作孔に対向し、この操作孔を貫通した蓋体開閉装置72の操作キーにより回転操作される。この回転プレートの周縁部付近には、湾曲した一対のカム溝が所定の間隔をおいて切り欠かれ、各カム溝に進退動プレートの末端部の連結ピンがスライド可能に嵌入される。
【0043】
各給気バルブ30は、
図1に部分的に示すように、容器本体1の内部に臨む略円筒形の第一のハウジング31と、この第一のハウジング31の開口下部にOリングを介し着脱自在に嵌合されて容器本体1の外部に露出する略円筒形の第二のハウジングとを備え、これら第一、第二のハウジングが螺子を介して螺合されており、蓋体開閉装置72に容器本体1が位置決めして搭載される際、蓋体開閉装置72のパージ装置71に接続される。
【0044】
第一、第二のハウジングの外周面には平面略リング形の係止フランジがそれぞれ周設され、これらの係止フランジが容器本体1の取付孔6の周縁部に上下方向からOリングを介して係止することにより、容器本体1の底板2に給気バルブ30が強固に嵌着固定されて容器本体1の背面壁に近接する。
【0045】
第一のハウジング31は、その開口した上端部が容器本体1内に露出し、内部に濾過用のフィルタが収納される。また、第二のハウジングは、第一のハウジング31よりも低く短く形成され、下部に接続用の継手が必要に応じて一体形成されており、パージ装置71からの不活性ガスを第一のハウジング31方向に供給する。
【0046】
各排気バルブ40は、
図1に部分的に示すように、容器本体1の底板2における前部両側付近の取付孔6にOリングを介し嵌合される円筒形のケースを備え、このケースには、空気の流通を制御する逆止弁である開閉弁がコイルバネを介し上下動可能に内蔵されており、ケースの開口した上下部には、濾過用のフィルタ41がそれぞれ嵌合される。このような排気バルブ40は、蓋体開閉装置72に容器本体1が位置決めして搭載され、給気バルブ30が不活性ガスを給気すると、正面が蓋体10により閉鎖された容器本体1内の空気を蓋体開閉装置72のパージ装置71に排気するよう機能する。
【0047】
パージユニット50は、
図1ないし
図3、
図5に示すように、容器本体1の一対の給気バルブ30にそれぞれ連通されて不活性ガス(
図5の矢印参照)を導通する一対の導通管51と、各導通管51の導出部52から導出した不活性ガス(
図1の矢印参照)を容器本体1の正面方向に吹き出す一対のユニット本体53とを備え、容器本体1の内部後方、具体的には容器本体1の背面壁内面寄りに位置する。
【0048】
各導通管51は、容器本体1の下方向から上方向に伸長して左右横方向に屈曲する中空の薄い略L字形に屈曲形成され、下端部が不活性ガス用の上流の導入部として給気バルブ30に接続されており、上端部が不活性ガス用の下流の導出部52としてユニット本体53の周壁の上下両端部以外の部分、具体的には側壁の中央部やその付近に接続される。
【0049】
各ユニット本体53は、縦長で中空の薄い板形に形成され、容器本体1正面に対向する正面壁の上下方向に、不活性ガス用の複数の吹出口54が所定の等間隔で並設されており、容器本体1の背面壁内面寄りに超音波溶着、螺子結合、凹凸結合等の方法で立設される。各ユニット本体53の内部正面には、不活性ガス中の微粒子を除去する濾過用のメンブレンフィルタ55が貼着される。
【0050】
複数の吹出口54は、支持片4に支持されて容器本体1の上下方向に並ぶ複数枚の半導体ウェーハWの配列ピッチに応じ、等間隔に配列される。各吹出口54は、溝形に形成されて容器本体1の左右横方向に伸長し、容器本体1の上下方向に隣接する複数枚の半導体ウェーハW間に不活性ガスを吹き出すよう機能する。
【0051】
上記構成において、容器本体1の正面を蓋体10により閉鎖した状態でパージする場合には、蓋体開閉装置72に基板収納容器の容器本体1を位置決め搭載し、容器本体1の外部から内部に不活性ガスを供給すれば良い。すると、不活性ガスは、蓋体開閉装置72のパージ装置71から給気バルブ30を経由して導通管51に流入し、この導通管51を導通して導出部52からユニット本体53の内部中央に流入し、このユニット本体53内の中央部から上下方向にそれぞれ分流して流通(
図5の矢印参照)した後、メンブレンフィルタ55を通過して各吹出口54から吹き出る。
【0052】
この際、不活性ガスは、ユニット本体53の上下両端部における圧力が増大するので、上下両端部における流速がそれぞれ高まることとなる。各吹出口54から不活性ガスが吹き出すと、この不活性ガスが半導体ウェーハWに接触しつつ複数枚の半導体ウェーハW間を経由して容器本体1の正面方向に流出し、容器本体1内の空気が排気バルブ40から外部にパージされ、不活性ガスに置換されることとなる。
【0053】
これに対し、容器本体1の正面を開口させた状態でパージする場合には、EFEM73に併設された蓋体開閉装置72に基板収納容器の容器本体1を位置決め搭載し、この容器本体1から蓋体10を蓋体開閉装置72により取り外した後、EFEM73天井のファンフィルターユニット74から床方向に大量のクリーンエアをダウンフローするとともに、容器本体1の外部から内部に不活性ガスを供給する。
【0054】
すると、不活性ガスは、蓋体開閉装置72のパージ装置71から給気バルブ30を経由して導通管51に流入し、この導通管51を導通して導出部52からユニット本体53の内部中央に流入し、このユニット本体53内部の中央から上下方向にそれぞれ分流して流通した後、メンブレンフィルタ55を通過して各吹出口54から吹き出る。この際にも、不活性ガスは、ユニット本体53の上下両端部における圧力が増大するので、上下両端部における流速がそれぞれ増速する。
【0055】
各吹出口54から不活性ガスが吹き出すと、この不活性ガスが半導体ウェーハWに接触しつつ複数枚の半導体ウェーハW間を経由して容器本体1の開口した正面方向に流出し、容器本体1内の空気が容器本体1の正面から外部にパージされ、不活性ガスに置換されることとなる。
【0056】
上記構成によれば、不活性ガスがユニット本体53の下端部ではなく、中央部から上下方向に流入・分流し、各吹出口54から吹き出るので、圧力の不均衡により、不活性ガスが下方の吹出口54よりも上方の吹出口54から強く大量に吹き出る事態が減少する。この減少により、ユニット本体53の上下方向で不活性ガスの吹き出し量に差異が生じるのを有効に抑制することができるので、半導体ウェーハWを収納した容器本体1の支持片4間における湿度がばらつき、容器本体1内の相対湿度を均一に下げることができないおそれを排除することができる。
【0057】
特に、最上段と最下段の不活性ガスの吹き出し量が略均一化するので、従来、問題となった最上段と最下段の半導体ウェーハWを支持する支持片4間における湿度のバラツキが大きくなるおそれをきわめて有効に排除することができる。また、ユニット本体53の高さに応じ、吹出口54の大きさを変更する作業を確実に省略することが可能になる。さらに、パージユニット50の導通管51とユニット本体53とがそれぞれ薄く形成され、容器本体1の前後方向に大きなスペースを占有しないので、容器本体1の内部後方に容易に設置することが可能になる。
【0058】
次に、
図6ないし
図12は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、パージユニット50の導通部材とユニット本体53とを、正面のパージプレート61に複数の吹出口62を並べ備えたパージボックス56に一体構成し、このパージボックス56の内部に、給気バルブ30に連通して容器本体1の上下方向に指向する導通路58を形成し、この導通路58に、容器本体1の左右幅方向に指向する導出路59を連通形成するとともに、この導出路59からパージプレート61の吹出口62に対向する分岐路60を分岐して容器本体1の上下方向に伸長するようにしている。
【0059】
パージボックス56は、
図6ないし
図8、
図10に示すように、正面の開口した縦長の薄く浅い箱形に形成され、正面に左右一対のパージプレート61が覆着されるとともに、各パージプレート61との間に、不活性ガス中の微粒子を除去する縦長のメンブレンフィルタ55が介在されており、容器本体1の背面壁内面寄りに立設されて正面のパージプレート61が容器本体1の正面方向に向けられる。
【0060】
パージボックス56は、容器本体1の背面壁内面の中央部付近に対向し、下部両側には、下方に伸びる接続管がそれぞれ接続されており、各接続管が給気バルブ30に接続支持される。このパージボックス56は、必要に応じ、容器本体1の底板2後方、側壁後方、背面壁、天板後方に超音波溶着、螺子結合、凹凸結合等の方法で固定される。
【0061】
パージボックス56の内部は、
図8、
図9、
図11、
図12に示すように、左右一対のパージ空間57に分割され、各パージ空間57がメンブレンフィルタ55に対応する正面矩形の縦長に区画形成される。各パージ空間57の側部には、接続管に連通したパージ空間57の下部から中央部付近に伸びる不活性ガス用の導通路58が略I字の溝形に区画形成され、この導通路58の下流の上端部には、パージ空間57の左右横方向に指向する不活性ガス用の導出路59が連通形成されており、この導出路59が略I字の溝形に形成されてパージ空間57の中央部付近に位置するとともに、パージ空間57を上下に二分する。
【0062】
導出路59の上下部からは複数の吹出口62にメンブレンフィルタ55を介して対向する不活性ガス用の複数の分岐路60がそれぞれ分岐してパージ空間57の上下方向に伸長する。この複数の分岐路60は、
図12に示すように、導出路59の長手方向に所定の間隔で並行に配列され、各分岐路60が同じ幅・深さで略I字の溝形に区画形成される。
【0063】
各パージプレート61は、
図6ないし
図9、
図11に示すように、各メンブレンフィルタ55や各パージ空間57に対応する正面矩形で縦長の薄板に形成され、上下方向に、容器本体1の上下方向に並ぶ複数枚の半導体ウェーハWの配列ピッチに対応する複数の吹出口62が等間隔に並設される。各吹出口62は、溝形に形成されて容器本体1の左右横方向に伸長するとともに、メンブレンフィルタ55や複数の分岐路60に対向し、複数枚の半導体ウェーハW間に不活性ガスを吹き出すよう機能する。
【0064】
上記構成において、容器本体1の正面を蓋体10により閉鎖した状態でパージする場合には、蓋体開閉装置72に基板収納容器の容器本体1を位置決め搭載し、容器本体1の外部から内部に不活性ガスを供給すれば良い。すると、不活性ガスは、蓋体開閉装置72のパージ装置71から給気バルブ30を経由してパージボックス56の接続管に流入し、この接続管を流通して導通路58と導出路59とに順次導入され、導出路59から複数の分岐路60にそれぞれ分流して上下方向に流通した後、メンブレンフィルタ55を通過して各吹出口62から吹き出る(
図11の矢印参照)。
【0065】
この際、不活性ガスは、複数の分岐路60の上下両端部における圧力が増大するので、分岐路60の上下両端部における流速がそれぞれ増速する。各吹出口62から不活性ガス(
図10の矢印参照)が吹き出すと、この不活性ガスが半導体ウェーハWに接触しつつ複数枚の半導体ウェーハW間を経由して容器本体1の正面方向に流出し、容器本体1内の空気が排気バルブ40により外部にパージされ、不活性ガスに置換される。
【0066】
これに対し、容器本体1の正面を開口させた状態でパージする場合には、EFEM73に併設された蓋体開閉装置72に容器本体1を位置決め搭載し、この容器本体1から蓋体10を蓋体開閉装置72により取り外した後、EFEM73天井のファンフィルターユニット74から床方向に大量のクリーンエアをダウンフローするとともに、容器本体1の外部から内部に不活性ガスを供給する。
【0067】
すると、不活性ガスは、蓋体開閉装置72のパージ装置71から給気バルブ30を経由してパージボックス56の接続管に流入し、この接続管を流通して導通路58、導出路59に順次導入され、導出路59から複数の分岐路60にそれぞれ分流して上下方向に流通した後、メンブレンフィルタ55を通過して各吹出口62から吹き出る。この際にも、不活性ガスは、複数の分岐路60の上下両端部における圧力が増大するので、分岐路60の上下両端部における流速がそれぞれ増速する。
【0068】
各吹出口62から不活性ガス(
図7の矢印参照)が吹き出すと、この不活性ガスが半導体ウェーハWに接触しつつ複数枚の半導体ウェーハW間を経由して容器本体1の開口した正面方向に流出し、容器本体1内の空気が容器本体1の正面から外部にパージされ、不活性ガスに置換される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0069】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、不活性ガスがパージボックス56の導通路58、導出路59、及び複数の分岐路60に順次流入してパージ空間57の上下方向に流れ、各吹出口62から吹き出るので、不活性ガスが圧力の不均衡により、下方の吹出口62よりも上方の吹出口62から強く大量に吹き出る事態が減少するのは明らかである。
【0070】
したがって、パージボックス56の上下方向で不活性ガスの吹き出し量に差異が生じるのを有効に抑制することができるので、半導体ウェーハWを収納した容器本体1の支持片4間における湿度がばらつき、容器本体1内の相対湿度を均一に下げることができないおそれを排除することができる。特に、従来、問題となった最上段と最下段の半導体ウェーハWを支持する支持片4間における湿度のバラツキが大きくなるおそれをきわめて有効に排除することができる。また、パージユニット50の導通部材とユニット本体53とを大きなスペースを占有しない薄形のパージボックス56に一体構成するので、容器本体1内に簡単に設置することができる。
【0071】
次に、
図13は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、導出路59の長手方向に複数の分岐路60を配列し、この複数の分岐路60の幅(太さ)を上流である導出路59の導通路58側から下流である導出路59の閉じた末端部方向に向かうにしたがい徐々に狭くするようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0072】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、複数の分岐路60の幅を導出路59の上流方向から下流方向に向かうにしたがい狭くするので、導出路59の上流と下流における不活性ガスの圧力の均一化を図ったり、不活性ガスの圧力や流速を容易に制御することができる。
【0073】
次に、
図14は本発明の第4の実施形態を示すもので、この場合には、導出路59の先端部と上下部とから複数の吹出口62に対向するパージガス用の分岐路60を分岐し、この分岐路60を大きな正面略菱形に膨出形成して容器本体1の上下方向に伸長するようにしている。
分岐路60の幅は、上流である導出路59側から下流である上下の閉じた末端部方向に向かうにしたがい徐々に狭く先細りになるよう形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0074】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、分岐路60の幅が導出路59側から末端部方向に向かうにしたがい徐々に鋭利な先細りになるので、不活性ガスの圧力や流速を容易に制御することができる。また、分岐路60の末端部側の幅を先細りとすれば、分岐路60の末端部側における不活性ガスの圧力増大が期待できるので、分岐路60の末端部側から吹き出す不活性ガスの吹き出し量を増加させ、全半導体ウェーハW間に対する均等な吹き出しの実現を容易に図ることができる。また、分岐路60を複数ではなく、単数とするので、パージボックス56の製造の容易化の他、パージボックス56の構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0075】
次に、
図15は本発明の第5の実施形態を示すもので、この場合には、導出路59の長手方向に複数の分岐路60を配列し、各分岐路60の幅を導出路59側から上下の閉じた末端部方向に向かうにしたがい徐々に狭い鋭利な先細りに形成するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0076】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、不活性ガスの圧力や流速の容易な制御が大いに期待できる。また、分岐路60の末端部側の幅を鋭利な先細りとすれば、分岐路60の末端部側における不活性ガスの圧力増大が期待できるので、分岐路60の末端部側から吹き出す不活性ガスの吹き出し量を増加させ、全半導体ウェーハW間に対する均等な吹き出しの実現を容易に図ることができる。さらに、各分岐路60の形状の多様化も期待できる。
【0077】
次に、
図16は本発明の第6の実施形態を示すもので、この場合には、導出路59の先端部と上下部とから複数の吹出口62に対向するパージガス用の分岐路60を分岐し、この分岐路60を菱形に類似した大きな正面多角形に膨出形成して容器本体1の上下方向に伸長するようにしている。
分岐路60の幅は、導出路59側から上下の閉じた末端部方向に向かうにしたがい徐々に狭く先細りになるよう形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0078】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、不活性ガスの圧力や流速の容易な制御、分岐路60の形状の多様化が期待できる。また、分岐路60の末端部側の幅を狭い先細りとすれば、分岐路60の末端部側における不活性ガスの圧力増大が期待できるので、分岐路60の末端部側から吹き出す不活性ガスの吹き出し量を増加させ、全半導体ウェーハW間に対する均等な吹き出しの実現を図ることが可能になる。
【0079】
次に、
図17は本発明の第7の実施形態を示すもので、この場合には、複数の分岐路60のうち、少なくとも所定の分岐路60の深さ(厚さ)を上流である導出路59側から下流である閉じた末端部方向に向かうにしたがい徐々に浅くするようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0080】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、不活性ガスの圧力や流速の容易な制御、分岐路60の形状の多様化が期待できる。また、分岐路60の末端部側の深さを浅くすれば、分岐路60の末端部側における不活性ガスの圧力増大が期待できるので、分岐路60の末端部側から吹き出す不活性ガスの吹き出し量を増加させ、全半導体ウェーハW間に対する均等な吹き出しの実現が期待できる。
【0081】
なお、上記実施形態では給気バルブ30に導通管51を直接接続したが、給気バルブ30に導通管51を継手部材を介して接続しても良い。また、給気バルブ30にパージボックス56の接続管を直接接続しても良いが、給気バルブ30に接続管を継手部材を介して接続しても良い。また、ユニット本体53の側壁の中央部付近に導通管51の導出部52を接続したが、EFEM73の条件に応じ、ユニット本体53側壁の上部、上部と中央部との間、中央部等に導通管51の導出部52を接続しても良い。
【0082】
また、パージユニット50のユニット本体53やパージボックス56を合成樹脂により成形したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、ユニット本体53やパージボックス56を通気性の多孔質パイプ製等することもできる。また、ユニット本体53を中空の円柱形や角柱形等とすることもできる。また、パージボックス56の内部を複数のパージ空間57に分割したり、単一のパージ空間57とすることも可能である。
【0083】
また、導通路58と導出路59とをL字形に組み合わせても良いが、何らこれに限定されるものではなく、例えばT字形等に組み合わせることも可能である。さらに、分岐路60の幅を導出路59側から閉じた末端部方向に向かうにしたがい徐々に狭くするとともに、分岐路60の深さを導出路59側から末端部方向に向かうにしたがい徐々に浅くすることも可能である。