(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、液保持性の吸収体を具備する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配されてこれを固定している外装体とを備え、前身頃及び後身頃それぞれにおける該外装体の縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている使い捨て着用物品であって、
前記外装体は、着用者の身体から相対的に遠い側に位置する外層シートと、着用者の身体に相対的に近い側に位置する第1内層シートと、該外層シート及び該第1内層シートの間に位置する第2内層シートとを含んで構成され、
前記第1及び第2内層シートは、前記前身頃及び前記後身頃のうちの少なくとも一方における少なくとも胴回り部に配置されており、
前記外層シートは、前記第1及び第2内層シートの縦方向の端縁よりも、縦方向の外方に延出した延出部位を有するとともに、該延出部位が前記ウエスト開口部の開口縁で折り返され、折り返された該延出部位が該第1内層シートと接合されており、
前記外層シートは、溶融したエラストマー樹脂を2枚の不織布の間にストランド状又はシート状に供給し、これらを一体化して複合シート材料を形成し、該複合シート材料を一対の歯溝ロール間に噛み込ませて、前記エラストマー樹脂の供給方向と同方向に延伸させて得られたものであり、伸長可能な2枚の繊維シート間に、エラストマー樹脂からなるストランド又はフィルムが非伸長状態で配置固定された伸縮性シートからなり、
前記第1内層シートと前記第2内層シートとの間に、横方向に延びる弾性部材が配置されており、該弾性部材は伸長状態で両内層シートに固定され、それによって、該第1内層シートと、該第2内層シートと、該弾性部材とを有する複合弾性シートが前記胴周り部に形成されており、
前記第2内層シートと前記外層シートとは、前記サイドシール部において接合されているとともに、前記弾性部材が配された領域においては非接合状態になっており、
自然状態において、前記外層シートのうち、一対の前記サイドシール部の内端間の長さをL1とし、
自然状態において、前記複合弾性シートのうち、一対の前記サイドシール部の内端間において前記弾性部材が存在している部分の長さをL2としたとき、L1がL2と同じか又はL2がL1よりも短くなっている、使い捨て着用物品。
前記外層シートの単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S1が、前記複合弾性シートの単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S2と同じか又はS2がS1よりも高くなっている請求項1に記載の使い捨て着用物品。
前記複合弾性シートが、前記使い捨て着用物品の着用状態において、着用者の腸骨陵及び腸骨棘を覆う位置に配されている請求項1ないし4のいずれか一項に記載の使い捨て着用物品。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1ないし
図4には、本発明の使い捨て着用物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1が記載されている。おむつ1は、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する。おむつ1は、液保持性の吸収体23を具備する吸収性本体2と、該吸収性本体2の非肌対向面側に配されて該吸収性本体2を固定している外装体3とを備える。おむつ1は、前身頃F及び後身頃Rを備える。前身頃F及び後身頃Rそれぞれにおける外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部FS,RSどうしを接合することで、おむつ1には、一対のサイドシール部S,S、並びに着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。
【0010】
図2及び
図3に示すように、前身頃Fは、おむつ1を縦方向Xに二分する縦中心線Lxを基準として、着用時に着用者の身体の前側(腹側)を覆う部分であり、後身頃Rは、着用者の身体の後側(背側)を覆う部分である。本明細書において、肌対向面とは、おむつ1及びその構成部材(例えば吸収性本体2)における、着用状態において着用者の肌側に向けられる面(着用者の肌に近い側)である。また、非肌対向面は、おむつ1及びその構成部材における、着用状態において着用者の肌側とは反対側に向けられる面(相対的に肌対向面よりも肌から遠い側)である。
【0011】
おむつ1は、着用状態において着用者の腹側に配される腹側部1A、背側に配される背側部1C、及びそれらの間に位置して着用者の股間部に配される股下部1Bを有している。おむつ1の縦方向Xは、前身頃Fと後身頃Rとの間を延びる方向、すなわち、腹側部1Aと背側部1Cとの間を股下部1Bを介して延びる方向であり、吸収性本体2の長手方向に一致する。腹側部1Aは前身頃Fの一部である。背側部1Cは後身頃Rの一部である。股下部1Bは前身頃Fと後身頃Rとに跨って存している。腹側部1A及び背側部1Cは、いずれも縦方向Xにおいてサイドシール部Sと同位置にある部分であり、おむつ1の着用時に着用者の胴回りに配される胴回り部である。股下部1Bは、外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部にレッグ開口部LH,LH形成用の凹欠部(レッグ縁部LS,LS)が形成されている領域である。股下部1Bは、おむつ1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有しており、該排泄部対向部は通常、おむつ1の縦方向Xの中央部(縦中心線Lx上)又はその近傍に位置している。
【0012】
吸収性本体2は、
図2及び
図3に示すように平面視矩形形状を有している。吸収性本体2はその長手方向を、展開かつ伸長状態におけるおむつ1の縦方向Xに一致させて、横方向Yにおける外装体3の中央部に配置され、接着剤(図示せず)によって外装体3に接合されている。外装体3は、
図2及び
図3に示す如きおむつ1の展開かつ伸長状態のおむつ1の外形を形作っている。外装体3の周縁は、その状態のおむつ1の輪郭線を形成している。おむつ1の「展開かつ伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで広げた状態をいう。
【0013】
吸収性本体2は、
図4に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート21、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート22、及び両シート21,22間に介在配置された液保持性の吸収体23を有しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。表面シート21及び裏面シート22はそれぞれ、吸収体23の周縁から外方に延出した延出部において直接的に又は他の部材(例えば後述する側方カフス24)を介在させて互いに接合されており、吸収体23を挟持・固定している。吸収体23は、おむつ1(外装体3)の横方向Yの中央部に位置している。表面シート21及び裏面シート22としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート22としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
【0014】
吸収体23は、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コア231と、該吸収性コア231を被覆する紙や不織布等のコアラップシート232とから形成されている。吸収性コア231は、平面視において、縦方向Xの中央部が前後端部(縦方向X両端部)それぞれよりも横方向Yの長さ(幅)が短く、縦方向Xの中央部が括れた平面視砂時計状(ダンベル状)をなしている。吸収体23は、吸収性コア231の全体をコアラップシート232によって一体的に被覆されて形成されている。吸収体23は、平面視矩形形状に形成されている。
【0015】
吸収性本体2の肌対向面における縦方向Yに沿う左右両側部には、
図4に示すように、液抵抗性又は撥水性でかつ通気性のシート材25から構成された側方カフス24,24が設けられている。各側方カフス24の自由端部の近傍には糸状の側方カフス弾性部材26が1本又は複数本伸長状態で配されている。各側方カフス24は、伸長状態で配された側方カフス弾性部材26がおむつ1の着用状態において収縮することによって少なくとも股下部1Bで起立し、液の側方への流出を阻止する。
【0016】
外装体3は、
図2に示すように、その縦方向Xに沿う両側縁が股下部1Bにおいて内向きの円弧状に湾曲して一対のレッグ縁部LS,LSを形成しており、
図2に示す如き平面視において、縦方向Xの中央域が横方向Yの内方に向けて括れた砂時計状の形状を有している。股下部1Bには、外装体3において横方向Yの長さが最も短い部位が存している。外装体3は、前身頃F(腹側部1A)における縦方向Xに沿う両側縁部FS,FSと後身頃R(背側部1C)における縦方向Xに沿う両側縁部RS,RSとが、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されており、その接合によって、
図1に示すように、おむつ1に一対のサイドシール部S,Sが形成され、更にウエスト開口部WH及び一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。
【0017】
外装体3は、
図2及び
図3に示すように、外層シート31と、第1内層シート32aと、外層シート31及び第1内層シート32aの間に位置する第2内層シート32bとを含んで構成されている。おむつ1の着用状態において、外層シート31は着用者の身体から相対的に遠い側に位置して、おむつ1の非肌対向面(外面)を形成している。第1内層シート32aは、着用者の身体に相対的に近い側に位置して、おむつ1の肌対向面(内面)を形成している。外層シート31と第2内層シート32bとの間は、後述する所定の部位を除き、接着剤によって接合されている。
【0018】
図3に示すように、外層シート31は複数枚のシートが組み合わされて構成されている。詳細には、外層シート31は、腹側部1Aを構成する腹側外層シート31Aと、背側部1Cを構成する背側外層シート31Cと、両シート31A,31C間に位置して股下部1Bを構成する股下外層シート31Bとを含んで構成されている。外層シート31を構成する各シート31A,31B,31Cは、それらの縦方向Xの端部どうしが重ね合わされ、その重ね合わせ部分において接着剤H1によって互いに接合され一体化されている。接合手段としては、接着剤H1の他に、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール等を採用してもよい。シート31A,31Cとシート31Bとの重ね合わせ部分においては、それぞれ、縦方向Xの中央に位置するシート31Bが吸収性本体2から相対的に近い側に位置し、シート31Bの縦方向Xの両端部の非肌対向面はシート31A,31Cで被覆されている。
【0019】
外装体3は、一対のレッグ開口部LH,LHそれぞれの開口縁部にレッグギャザーを形成するレッグ弾性部材として、前身頃Fに伸長状態で配された1本又は複数本(本実施形態では複数本)の前側レッグ弾性部材35と、後身頃Rに伸長状態で配された1本又は複数本(本実施形態では複数本)の後側レッグ弾性部材36とを備えている。レッグ弾性部材35,36は、いずれも糸状又は帯状であり、外装体3を構成する外層シート31と第2内層シート32bとの間に接着剤により挟持固定されている。
【0020】
前側レッグ弾性部材35は、
図2に示すように、前身頃Fにおける腹側部1A(胴回り部)を構成する外装体3の両側縁部FS,FS(サイドシール部S)それぞれからレッグ開口部LHの開口縁部であるレッグ縁部LSに沿って縦方向Xの内方かつ横方向Yの内方に延びて吸収性本体2の縦方向Xに沿う側縁2Sに達し、吸収体(図示せず)と重なっている。すなわち、前側レッグ弾性部材35の側縁部FS側とは反対側の端部は、吸収体の配置領域に位置している。
【0021】
後側レッグ弾性部材36は、
図2に示すように、後身頃Rにおける背側部1C(胴回り部)を構成する外装体3の両側縁部RS,RS(サイドシール部S)それぞれからレッグ開口部LHの開口縁部であるレッグ縁部LSに沿って縦方向Xの内方かつ横方向Yの内方に延びて吸収性本体2の縦方向Xに沿う側縁2Sに達し、吸収体(図示せず)と重なっている。すなわち、後側レッグ弾性部材36の側縁部RS側とは反対側の端部は、吸収体の配置領域に位置している。
【0022】
第1及び第2内層シート32a,32bは前身頃F及び前記後身頃Rにおける少なくとも胴回り部に配置されている。詳細には以下のとおりである。第1内層シート32aは、前身頃F及び後身頃Rの双方に1枚ずつ配置されている。各第1内層シート32aは、縦方向Xの前後端に第1端縁321a及び第2端縁322aを有する。第1端縁321aは、第1内層シート32aの一部が吸収性本体2における縦方向Xの一方の端部上を覆うように、該吸収性本体2上に位置している。吸収性本体2の上に位置する第1内層シート32aは、該吸収性本体2と接着剤H2によって接合されている。第1内層シート32aは、第1端縁321aの位置から、吸収性本体2の縦方向Xの端縁2aを越えて縦方向Xの外方に向けて延びている。
【0023】
第1内層シート32aが2枚配されているのとは対照的に、第2内層シート32bは1枚配されている。第2内層シート32bは、吸収性本体2の非肌対向面の全域を被覆し、かつ吸収性本体2の端縁2aを越えて縦方向Xの外方に向けて延びている。このように、先に説明した第1内層シート32aは、その縦方向Xの長さが、第2内層シート32bの縦方向Xの長さよりも短くなっている。そして、第2内層シート32bは、前身頃Fから後身頃Rまでにわたって縦方向Xに延びている。
【0024】
第1及び第2内層シート32a,32bとしては、それぞれ、各種製法による不織布が好ましく用いられる。そのような不織布として、例えばスパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。不織布の構成繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。不織布を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
図3に示すとおり、第2内層シート32bの縦方向Xの前後の端縁321bの位置は、第1内層シート32aの2つの端縁のうち、縦方向Xの外方寄りの端縁322aの位置と概ね一致している。そして、第1内層シート32aと第2内層シート32bとは、吸収性本体2の端縁2aよりも縦方向Xの外方の位置において互いに対向している。両内層シート32a,32bの間には、おむつ1の横方向Yに沿って延びる糸状の弾性部材33が複数本配置されている。弾性部材33は、吸収性本体2を横切らないように配されていることが好ましく、少なくとも吸収性コア23を横切らないように配されていることが好ましい。各弾性部材33は伸長状態で両内層シート32a,32bに固定されている。固定には例えば接着剤を用いることができる。これによって、おむつ1の前身頃F及び後身頃Rにおける胴周り部には、吸収性本体2の端縁2aよりも縦方向Xの外方の位置に、第1内層シート32aと、第2内層シート32bと、弾性部材33とを有する複合弾性シート34が形成される。複合弾性シート34は、おむつ1の着用状態において、該おむつ1を着用者の身体にフィットさせる目的で用いられる。胴周り部とは、前身頃F及び後身頃Rにおけるウエスト開口部WHと、レッグ開口部LHとの間の領域のことである。
【0026】
複合弾性シート34は、おむつ1におけるウエスト開口部WHとレッグ開口部LHとの間に、横方向Yに延びるように形成されている。特に複合弾性シート34は、おむつ1の着用状態において、着用者の腸骨陵及び腸骨棘を覆う位置に配されていることが好ましい。これにより、複合弾性シート34を腸骨領域に当接させて、着用状態におけるおむつ1のずれ落ちを効果的に防止することができる。
【0027】
図2及び
図3に示すように、腹側外層シート31Aは、第1及び第2内層シート32a,32bにおける縦方向Xの外方寄りの端縁322a,321bよりも、縦方向Xの外方に延出した腹側延出部31AEを有している。また、背側外層シート31Cは、第1及び第2内層シート32a,32bにおける縦方向Xの外方寄りの端縁322a,321bよりも、縦方向Xの外方に延出した背側延出部31CEを有している。両延出部31AE,31CEは、それぞれ、第1内層シート32aの縦方向Xにおける外方寄りの端縁322aを含む端部域323aを覆うように、ウエスト開口部WHの開口縁の位置で、第1内層シート32a側に折り返されている。折り返された両延出部31AE,31CEは、前記の端部域323aと対向し、両者の対向領域に接着剤H3が塗布されて両者が接合されている。
【0028】
図3に示すように、腹側延出部31AEは、ウエスト開口部WHの開口縁の位置で2回折り返されており、それによってウエスト開口部の開口縁近傍においては、3枚の該腹側外層シート31Aが重なり合っている。背側延出部31CEに関しても同様である。各延出部31AE,31CEの折り返し回数は2回に限られず、3回以上であってもよいし、あるいは1回であってもよい。したがって、各外層シート31A,31Cの重なり合いの枚数は3枚に限られず、2枚又は4枚以上であってもよい。ウエスト開口部WHの開口縁近傍において各延出部31AE,31CEが複数回折り返されていることで、伸縮性を有する各外層シート31A,31Cによる着用者の腰回りのフィット性が向上する。したがって、この実施形態を採用する場合には、ウエスト開口部WHの開口縁に沿って、横方向に延びる糸ゴム等の弾性部材を配さなくても、腰回りのフィット性を充分に高めることができる。つまり、ウエスト開口部WHの開口縁及びその近傍に配置されている伸縮性材料は、各外層シート31A,31Cのみとすることができる。こうすることで、各外層シート31A,31Cのうち、後述する第2内層シート32bとの非接合部位に大きな皺が発生したり、たるみが発生したりすることが効果的に抑制され、各外層シート31A,31Cと第2内層シート32bとの非接合状態と相まって、おむつ1の外観の印象が一層向上する。
【0029】
本実施形態においては、外層シート31を構成する腹側外層シート31A及び背側外層シート31Cは少なくとも横方向Yに伸縮性を有していることが好ましい。これに対し、外層シート31の残りの部分である股下外層シート31B並びに第1及び第2内層シート32a,32bは伸縮性を有しておらず非伸縮性である。したがって、外装体3において、シート31A,31Cを含む領域は横方向Yに伸縮性を有し、シート31A,31Cを含まない領域は横方向Yに伸縮性を有していない。本実施形態においては、前身頃Fの胴回り部である腹側部1Aは腹側外層シート31Aを含み、後身頃Rの胴回り部である背側部1Cは背側外層シート31Cを含むから、腹側部1A及び背側部1Cともに、横方向Yに伸縮性を有している。また本実施形態においては、腹側外層シート31Aが、腹側部1Aと股下部1Bとの境界、すなわち、前身頃Fにおける一対のサイドシール部S,Sそれぞれの下端(縦方向Xの内方側の端部)を通って横方向Yに延びる仮想直線を越えて股下部1Bに延出し、背側外層シート3Cが、背側部1Cと股下部1Bとの境界、すなわち、後身頃Rにおける一対のサイドシール部S,Sそれぞれの下端(縦方向Xの内方側の端部)を通って横方向Yに延びる仮想直線を越えて股下部1Bに延出しているので、股下部1Bにおける両シート31A,31Cのこれら延出部を含む部分、すなわち、股下部1Bにおける腹側部1A及び背側部1C寄りの部分も、それぞれ横方向Yに伸縮性を有している。一方、股下部1Bにおける腹側部1A及び背側部1C寄り以外の部分(股下部1Bの縦方向Xの中央部)は横方向Yに伸縮性を有していない。
【0030】
シートが、ある方向に実質的に伸縮性を有しないとは、該シートに対して当該ある方向に引っ張る力を加えても、該シートが、ほとんど伸びないことを意味する。例えば、長さ15×幅5cmのサンプルに対して、該サンプルをテンシロン等の材料引っ張り試験機で長手方向に引っ張って、該サンプルが破断するときの破断伸度が10%以下である場合、そのサンプルは、長手方向に実質的に伸縮性を有しない。なお破断伸度とは、(破断時の該サンプル長さ−該サンプルの元の長さ)/(該サンプルの元の長さ)×100で算出することができる。
【0031】
上述のとおり、腹側外層シート31A及び背側外層シート31Cは、少なくとも横方向Yに伸縮性を有していることが好ましい。
図5には、伸縮性の腹側外層シート31Aの一例が示されている。
図5に示す腹側外層シート31Aは、非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層の一面に糸状の弾性フィラメントが接合した構成を有するもので、該繊維層としての2枚の繊維シート41,42と、両シート41,42間に介在配置された該弾性フィラメントとしての弾性部材43とを含んで構成されている。伸縮性の背側外層シート31Cも
図5に示す伸縮性の腹側外層シート31Aと同様に構成することができる。なお、
図5において、糸状の弾性フィラメントに代えて、弾性フィルムを用いることもできる。特に腹側外層シート31A及び背側外層シート31Cは、伸長可能な2枚の不織布間に、エラストマー樹脂からなるストランド又はフィルムが非伸長状態で配置固定された伸縮性シートからなることが好ましい。
【0032】
伸長可能とは、(イ)2枚の不織布の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、2枚の不織布が全体として伸長する場合とを包含する。
【0033】
腹側外層シート31Aを構成する弾性部材43は、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成された弾性フィラメントである。複数の弾性部材43は、それぞれ、シート31Aの全長(外装体3の横方向Yの全長)にわたって実質的に連続している。複数の弾性部材43は、互いに交差せずに一方向(横方向Y)に延びるように配列している。弾性部材43は、実質的に非伸長状態で2枚のシート41,42に接合されている。腹側外層シート31Aにおける弾性部材43とシート41,42との接合は、シート41,42を構成する繊維(非弾性繊維)が弾性部材43中に埋没した状態で該弾性部材43に融着することによりなされたものであることが好ましく、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いてなされたものではないことが好ましい。したがって、シート41,42(非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層)とこれに接合されている弾性部材43との間には接着剤が存在しないことが好ましい。
【0034】
腹側外層シート31Aは、弾性部材43の延びる方向(横方向Y)と同方向に伸縮可能になっている。シート31Aの伸縮性は、弾性部材43の弾性に起因して発現する。シート31Aを弾性部材43の延びる方向と同方向に引き伸ばすと、弾性部材43及びシート41,42が伸長する。そしてシート31Aの引き伸ばしを解除すると、弾性部材43が収縮し、その収縮に連れてシート41,42が引き伸ばし前の状態に復帰する。また、シート31Aにおいては、弾性部材43と直交した状態で結合している他の弾性部材は存在していないので、シート31Aを、弾性部材43の延びる方向(横方向Y)と同方向に引き伸ばしたときには、該シート31Aが横方向Yに縮む、いわゆる幅縮みをほとんど起こさずに伸長する。
【0035】
腹側外層シート31Aを構成する2枚のシート41,42は、それぞれ短繊維の不織布であり得る。不織布としては、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。シート41とシート42とは、同種のものでもよく、あるいは異種のものでもよい。ここで言う、「同種のシート」とは、シートの製造プロセス、シートの構成繊維の種類、構成繊維の繊維径や長さ、シートの厚みや坪量等がすべて同じであるシートどうしを意味する。これらのうちの少なくとも一つが異なる場合には、「異種のシート」である。
【0036】
腹側外層シート31Aを構成する弾性部材43(弾性フィラメント)は、例えば熱可塑性エラストマーやゴム等を原料とするものである。特に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた弾性フィラメントは熱融着させやすいので、腹側外層シート31Aに好適である。熱可塑性エラストマーとしては、例えばSBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα−オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの熱可塑性エラストマーからなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。
【0037】
伸縮性を有する上述の腹側外層シート31A及び背側外層シート31Cは、例えば特開2009−61743号公報に記載の方法に従って製造することができる。具体的には、溶融したエラストマー樹脂を2枚の不織布の間にストランド状又はシート状に供給し、これらを一体化して複合シート材料を形成し、該複合シート材料を一対の歯溝ロール間に噛み込ませて、前記エラストマー樹脂の供給方向と同方向に延伸させることで得ることができる。この歯溝ロールは、ロールの軸線方向に延びる歯と溝とを、ロールの回転方向に交互に有するものである。
【0038】
図3に示すとおり、腹側及び背側外層シート31A,31Cと、第2内層シート32bとは、弾性部材33が配された領域において直接に対向しており、その領域において両者の間に他の部材は介在していない。そして、腹側及び背側外層シート31A,31Cと、第2内層シート32bとは、弾性部材33が配された領域において非接合状態になっている。つまり各外層シート31A,31Cは、第2内層シート32bの動きに追従することなく、独立して動くことができる。その結果、各外層シート31A,31Cは、第2内層シート32bを含む複合弾性シート34の伸縮に追従しないので、該複合弾性シート34の収縮によって発生するシャーリングが各外層シート31A,31Cに転写されにくくなる。したがって、各外層シート31A,31Cの配置部位において、おむつ1はすっきりとした外観を呈する。しかも、各外層シート31A,31Cは、それ自体が伸縮性を有しているので、複合弾性シート34の収縮時に各外層シート31A,31Cが複合弾性シート34から意図せず浮き上がってたるんでしまうという不都合も起こりにくい。このことによっても、おむつ1はすっきりとした外観を呈する。
【0039】
上述のとおり、各外層シート31A,31Cと第2内層シート32bとは、弾性部材33が配された領域において非接合状態になっている。しかしサイドシール部Sにおいては、両者は接合されている。また、弾性部材33が配されていない領域、例えば股下部1Cにおいては、外層シート31の一部である股下外層シート31Bと第2内層シート32bとが、接着剤等の接合手段によって接合されている。
【0040】
図6(a)は、
図2に示す展開状態のおむつ1から、腹側外層シート31Aのみを取り出した状態を示している。なお、背側外層シート31Cについての図示は省略するが、腹側外層シート31Aと同様の構成を有している。一方、
図6(b)は、
図2に示す展開状態のおむつ1から、複合弾性シート34を含む部位のみを取り出した状態を示している。
図6(a)及び
図6(b)に示す状態は、おむつの自然状態である。つまり、伸縮性を有する部材である腹側外層シート31Aや弾性部材33等を張り延ばして広げた状態ではなく、腹側外層シート31Aや弾性部材33等に外力を加えずに、これらが弛緩した状態が示されている。この状態において、腹側外層シート31Aのうち、一対のサイドシール部S,Sの内端間の長さをL1と定義する(
図6(a)参照)。また、この状態において、複合弾性シート34のうち、一対のサイドシール部S,Sの内端間において弾性部材33が存在している部分の長さをL2と定義する。本実施形態においては、L1とL2とが特定の大小関係を有している。具体的には、L1がL2と同じか又は、L2がL1よりも短くなっている。L1とL2とがこのような関係を満たすことで、おむつ1の着用状態において複合弾性シート34が収縮してシャーリングが発生しても、そのシャーリングが腹側外層シート31Aに転写されにくくなり、大きな縦皺が腹側外層シート31Aに発生することが効果的に抑制される。また、腹側外層シート31Aにたるみが生じることが効果的に抑制される。このような有利な効果を一層顕著なものとする観点から、L2はL1の0.7倍以上、特に0.75倍以上であることが好ましい。また、L2はL1の1倍以下、特に0.95倍以下であることが好ましい。例えばL2はL1の0.7倍以上1倍以下であることが好ましく、0.75倍以上0.95倍以下であることが更に好ましい。
【0041】
上述のL1とL2との関係は、腹側外層シート31Aと複合弾性シート34、及び背側外層シート31Cと複合弾性シート34の双方で成立することが最も好ましい。しかし、これらのうちのいずれか一方で成立すれば、本発明の所期の目的は達成される。
【0042】
L1及びL2の長さは、各外層シート31A,31Eに用いられるエラストマー樹脂の種類や、複合弾性シート34に配される弾性部材の太さ及び伸長倍率等を適切に調整することで達成される。
【0043】
L1及びL2の長さは次の方法で測定される。対象となるおむつのサイドシール部を切り開き、おむつを展開状態とする。先ず、サイドシールパターンの幅方向内側部分を繋いだ直線に沿って、ハサミなどを用いてサイドシール部を切り開く。展開状態となったおむつから、腹側外層シート31A、背側外層シート31C、複合弾性シート34(弾性部材33並びに第1及び第2内層シート32a、32bを含むシート)を取り出す。この取り出しは、腹側外層シート31Aと複合弾性シート34のみが重なっている部分、及び背側外層シート31Cと複合弾性シート34のみが重なっている部分の、胴回り開口側及び股下側それぞれをハサミなどで直線状に切断することで行う。取り出された腹側外層シート31A及び背側外層シート31C、並びに複合弾性シート34を平坦な水平面上に載置し、自然状態とする。この状態下に、腹側外層シート31A及び背側外層シート31については、サイドシール部S,Sの内端間の長さL1を測定する。複合弾性シート34については、サイドシール部S,Sの内端間において、弾性部材33が存在している部分の長さL2を測定する。弾性部材33が複数配されていて、かつそれらの長さが異なる場合には、長さが最も長い弾性部材33の当該長さをもってL2とする。
【0044】
腹側及び背側外層シート31A,31Eに皺が一層生じにくく、またこれらの外層シート31A,31Eにたるみが一層生じにくくするために、これらの外層シート31A,31Eの単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S1が、複合弾性シート34の単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S2と同じであるか又はS2をS1よりも高くすることが好ましい。この観点から、S2は、S1の1.0倍以上、特に1.05倍以上であることが好ましく、1.3倍以下、特に1.25倍以下であることが更に好ましい。具体的には、S2は、S1の1.0倍以上1.3倍以下であることが好ましく、1.05倍以上1.25倍以下であることが更に好ましい。
【0045】
シートの単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S1、S2は次の方法で測定される。おむつ1の長さ方向に沿って5cm、幅方向に沿って10cmの寸法にシートを切り取ったものを測定サンプルとし、そのサンプルを、チャック間を5cmに設定した伸長応力測定装置に、10cm切り取った側が離間するように設置する。次いで、チャック間を7.5cmまで離間させ、そのときの応力を1.5倍伸長時応力として記録する。伸長応力測定装置としては、島津製作所製オートグラフAG−ISを使用する。
【0046】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、前身頃F及び後身頃Rのいずれにおいても、第1内層シート32aと、第2内層シート32bと、弾性部材とを有する複合弾性シートが形成されていたが、これに代えて、前身頃F及び後身頃Rのいずれか一方にのみ、複合弾性シートを形成してもよい。
【0047】
また前記実施形態においては、外層シート31は複数枚のシート31A,31B,31Cが組み合わされて構成されていたが、これに代えて、1枚の連続したシートから外層シートが構成されていてもよい。
【0048】
また、外装体3が、腹側部に位置する外装体腹側領域及び背側部に位置する外装体背側領域に分割されており、吸収性本体2が、前記外装体腹側領域及び前記外装体背側領域に架け渡して固定されていてもよい。
【0049】
また、前記の実施形態は、本発明の使い捨て着用物品には、パンツ型使い捨ておむつに適用したものであるが、本発明をこれ以外の着用物品、例えばテープ型使い捨ておむつ等の吸収性物品等に適用してもよい。
【0050】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の使い捨て着用物品を開示する。
<1>
着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、液保持性の吸収体を具備する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配されてこれを固定している外装体とを備え、前身頃及び後身頃それぞれにおける該外装体の縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている使い捨て着用物品であって、
前記外装体は、着用者の身体から相対的に遠い側に位置する外層シートと、着用者の身体に相対的に近い側に位置する第1内層シートと、該外層シート及び該第1内層シートの間に位置する第2内層シートとを含んで構成され、
前記第1及び第2内層シートは、前記前身頃及び前記後身頃のうちのいずれか一方における少なくとも胴回り部に配置されており、
前記外層シートは、前記第1及び第2内層シートの縦方向の端縁よりも、縦方向の外方に延出した延出部位を有するとともに、該延出部位が前記ウエスト開口部の開口縁で折り返され、折り返された該延出部位が該第1内層シートと接合されており、
前記外層シートは、伸長可能な2枚の繊維シート間に、エラストマー樹脂からなるストランド又はフィルムが非伸長状態で配置固定された伸縮性シートからなり、
前記第1内層シートと前記第2内層シートとの間に、横方向に延びる弾性部材が配置されており、該弾性部材は伸長状態で両内層シートに固定され、それによって、該第1内層シートと、該第2内層シートと、該弾性部材とを有する複合弾性シートが前記胴周り部に形成されており、
前記第2内層シートと前記外層シートとは、前記サイドシール部において接合されているとともに、前記弾性部材が配された領域においては非接合状態になっており、
自然状態において、前記外層シートのうち、一対の前記サイドシール部の内端間の長さをL1とし、
自然状態において、前記複合弾性シートのうち、一対の前記サイドシール部の内端間において前記弾性部材が存在している部分の長さをL2としたとき、L1がL2と同じか又はL2がL1よりも短くなっている、使い捨て着用物品。
【0051】
<2>
前記外層シートの単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S1が、前記複合弾性シートの単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S2と同じか又はS2がS1よりも高くなっている前記<1>に記載の使い捨て着用物品。
<3>
前記第1内層シートの縦方向の長さが、前記第2内層シートの縦方向の長さよりも短く、
前記第2内層シートが前記前身頃から前記後身頃までにわたって縦方向に延びている前記<1>又は<2>に記載の使い捨て着用物品。
<4>
前記外層シートが、溶融したエラストマー樹脂を2枚の不織布の間にストランド状又はシート状に供給し、これらを一体化して複合シート材料を形成し、該複合シート材料を一対の歯溝ロール間に噛み込ませて、前記エラストマー樹脂の供給方向と同方向に延伸させて得られたものである前記<1>ないし<3>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<5>
前記複合弾性シートが、前記使い捨て着用物品の着用状態において、着用者の腸骨陵及び腸骨棘を覆う位置に配されている前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<6>
前記外層シートの前記延出部位が2回以上折り返され、それによって該ウエスト開口部の開口縁近傍においては、3枚以上の該外層シートが重なり合っている前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
【0052】
<7>
前記ウエスト開口部の開口縁及びその近傍に配置されている伸縮性材料が、前記外層シートのみである前記<1>ないし<6>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<8>
前記外層シートは、腹側部を構成する腹側外層シートと、背側部を構成する背側外層シートと、両シート間に位置して股下部を構成する股下外層シートとを含んで構成され、前記腹側外層シートと前記背側外層シートとが前記伸縮性シートからなり、前記股下外層シートは伸縮性を有しておらず非伸縮性である前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<9>
前記第1内層シートは、前記前身頃及び前記後身頃の双方に1枚ずつ配置されている前記<1>ないし<8>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<10>
前記第1内層シートは、前記前身頃及び前記後身頃の双方に1枚ずつ配置されており、
前記第1内層シートは、前記縦方向の前後端に第1端縁及び第2端縁を有し、該第1端縁は、前記第1内層シートの一部が前記吸収性本体における前記縦方向の一方の端部上を覆うように、該吸収性本体上に位置している前記<1>ないし<9>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。(段落0022)
<11>
前記第1内層シートは、前記前身頃及び前記後身頃の双方に1枚ずつ配置されており、
前記第1内層シートは、前記縦方向の前後端に第1端縁及び第2端縁を有し、該第1端縁は、前記第1内層シートの一部が前記吸収性本体における前記縦方向の一方の端部上を覆うように、該吸収性本体上に位置しており、
前記吸収性本体の上に位置する前記第1内層シートは、該吸収性本体と接合されている前記<1>ないし<10>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
【0053】
<12>
前記第1内層シートは、前記前身頃及び前記後身頃の双方に1枚ずつ配置されており、
前記第1内層シートは、前記縦方向の前後端に第1端縁及び第2端縁を有し、該第1端縁は、前記第1内層シートの一部が前記吸収性本体における前記縦方向の一方の端部上を覆うように、該吸収性本体上に位置しており、
前記第1内層シートは、前記第1端縁の位置から、前記吸収性本体の前記縦方向の端縁を越えて前記縦方向の外方に向けて延びている前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<13>
前記第2内層シートは、前記吸収性本体の非肌対向面の全域を被覆し、かつ前記吸収性本体の端縁を越えて前記縦方向の外方に向けて延びている前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<14>
前記第2内層シートの縦方向の前後の端縁の位置は、前記第1内層シートの2つの端縁のうち、縦方向の外方寄りの端縁の位置と概ね一致している前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<15>
前記第1内層シートと前記第2内層シートとの間には複数本の前記弾性部材が配されている前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<16>
前記弾性部材は、前記吸収性本体を横切らないように配されている前記<1>ないし<15>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
【0054】
<17>
前記複合弾性シートは、前記ウエスト開口部と前記レッグ開口部との間に、横方向に延びるように形成されている前記<1>ないし<16>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<18>
前記外層シートは、腹側部を構成する腹側外層シートと、背側部を構成する背側外層シートと、両シート間に位置して股下部を構成する股下外層シートとを含んで構成され、
前記腹側外層シートが、前記前身頃における一対の前記サイドシール部それぞれの下端(縦方向Xの内方側の端部)を通って前記横方向に延びる仮想直線を越えて股下部に延出し、
前記背側外層シートが、前記後身頃における一対の前記サイドシール部それぞれの下端(縦方向Xの内方側の端部)を通って横方向に延びる仮想直線を越えて股下部に延出している前記<1>ないし<17>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<19>
前記外層シートと、前記第2内層シートとが、前記弾性部材が配された領域において直接に対向しており、その領域において両者の間に他の部材は介在していない前記<1>ないし<18>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<20>
前記股下部において、前記外層シートと前記第2内層シートとが接合されている前記<1>ないし<19>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<21>
L2はL1の0.7倍以上、特に0.75倍以上であることが好ましく、またL2はL1の1倍以下、特に0.95倍以下であることが好ましく、L2はL1の0.7倍以上1倍以下であることが好ましく、0.75倍以上0.95倍以下であることが更に好ましい前記<1>ないし<20>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
【0055】
<22>
前記複合弾性シートの単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S2は、前記外層シートの単位幅当たりの1.5倍伸長時応力S1の1.0倍以上、特に1.05倍以上であることが好ましく、1.3倍以下、特に1.25倍以下であることが更に好ましく、S2は、S1の1.0倍以上1.3倍以下であることが好ましく、1.05倍以上1.25倍以下であることが更に好ましい前記<1>ないし<21>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<23>
吸収性本体は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を有する前記<1>ないし<22>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<24>
前記外装体は、一対の前記レッグ開口部それぞれの開口縁部に、前身頃に伸長状態で配された1本又は複数本の前側レッグ弾性部材と、後身頃に伸長状態で配された1本又は複数本の後側レッグ弾性部材とを備えており、該レッグ弾性部材は、前記外層シートと前記第2内層シートとの間に挟持固定されている前記<1>ないし<23>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<25>
前記外装体は、一対の前記レッグ開口部それぞれの開口縁部に、前身頃に伸長状態で配された1本又は複数本の前側レッグ弾性部材と、後身頃に伸長状態で配された1本又は複数本の後側レッグ弾性部材とを備えており、
前記前側レッグ弾性部材は、前身頃における胴回り部を構成する外装体の両側縁部それぞれから前記レッグ開口部の開口縁部であるレッグ縁部に沿って縦方向の内方かつ横方向の内方に延びて前記吸収性本体の縦方向に沿う側縁に達している前記<1>ないし<24>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<26>
前記外装体は、一対の前記レッグ開口部それぞれの開口縁部に、前身頃に伸長状態で配された1本又は複数本の前側レッグ弾性部材と、後身頃に伸長状態で配された1本又は複数本の後側レッグ弾性部材とを備えており、
前記後側レッグ弾性部材は、後身頃における胴回り部を構成する外装体の両側縁部それぞれから前記レッグ開口部の開口縁部であるレッグ縁部に沿って縦方向の内方かつ横方向の内方に延びて前記吸収性本体の縦方向に沿う側縁に達している前記<1>ないし<25>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
【0056】
<27>
前記第1内層シート及び前記第2内層シートは、それぞれ、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布のいずれかのうちの少なくとも一つである前記<1>ないし<26>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。
<28>
パンツ型使い捨ておむつである前記<1>ないし<27>のいずれか1に記載の使い捨て着用物品。