(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(実施例1)
図1は、本実施の形態に係わる内視鏡リプロセッサの模式的構成図である。内視鏡リプロセッサ1は、汚染された内視鏡や内視鏡管路等付属品について、再生処理を行う装置である。ここでいう再生処理とは特に限定されるものではなく、水によるすすぎ、有機物等の汚れを落とす洗浄、所定の微生物を無効化する消毒、全ての微生物を排除または死滅させる滅菌、またはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。内視鏡リプロセッサ1は、装置本体11と、その上部に、例えば図示しない蝶番を介して開閉自在に接続された蓋体であるトップカバー12とにより、主要部が構成されている。
【0014】
内視鏡2は、操作部3と、操作部3から延出する可撓性を有する細長い挿入部4と、プロセッサ装置等と接続されるユニバーサルケーブル(図示せず)とを有して構成されている。操作部3には、図示しない操作ノブ、操作ボタンなどが配置されている。
【0015】
内視鏡2には、鉗子などの処置具を挿通するための処置具挿通チャンネル5(点線で示す)等の各種管路が設けられている。内視鏡2の操作部3の近傍には、処置具挿入口3bが設けられている。挿入部4の先端部には、処置具開口3aが設けられている。処置具挿通チャンネル5の一方は、処置具開口3aで開口し、他方は、処置具挿入口3bで開口している。
【0016】
さらに、内視鏡2には、後述する漏洩検知用の口金(以下、漏検口金という)3cが設けられている。内視鏡2の漏検口金3cは、内視鏡2の内部空間と連通している内視鏡2の通気口金である。内視鏡2の内部空間は、水密エリアである。
【0017】
装置本体11の上面の略中央部に、内視鏡2が収納自在な浸漬槽20が設けられている。浸漬槽20は、内視鏡2を収容する。
浸漬槽20は、使用後の内視鏡2がリプロセスされる際、内視鏡2が収納自在であり、浸漬槽20の槽内の面である底面には、槽本体23aに供給された洗浄液,水,アルコール,または消毒液等を浸漬槽20から排水するための排水口(図示せず)が設けられている。
【0018】
装置本体11の上面には、浸漬槽20へ水道水Wを供給するための液体供給ノズル21が設けられている。
また、浸漬槽20の槽内の面である周状の側面の任意の位置に、浸漬槽20に供給された洗浄液、水、アルコール、または消毒液等を循環させるための循環口22が設けられている。
【0019】
浸漬槽20の任意の位置に、浸漬槽20に貯留した洗浄液、水、アルコール、または消毒液等の水位を検出する水位センサ23が設けられている。
また、装置本体11には、メイン操作パネル24aが設けられている。メイン操作パネル24aには、洗浄消毒の開始を指示するためのスタートスイッチ、洗浄消毒のモード選択スイッチ等の各種スイッチ類が配設されている。メイン操作パネル24aは、液晶表示器のような表示部もさらに有している。表示部に表示される情報は、後述する制御部61からの表示信号に基づいて規定される。
【0020】
さらに、装置本体11には、ブザー音を発するブザー24bが設けられていても良い。
【0021】
装置本体11には、処置具用コネクタ25と、漏洩検知用コネクタ26が設けられている。処置具用コネクタ25は、内視鏡2の処置具挿入口3bと接続するための洗浄チューブ31が取り付け可能な洗浄槽口金である。漏洩検知用コネクタ26は、内視鏡2の漏検口金3cと接続するための漏洩検知用のチューブである漏検チューブ32が取り付け可能に構成されている。
【0022】
洗浄チューブ31の両端には、コネクタ31aと31bが設けられている。コネクタ31aは、内視鏡2の処置具挿入口3bに接続される内視鏡側コネクタである。すなわち、コネクタ31aは、内視鏡2の管路である処置具挿通チャンネル5の端部にある処置具挿入口3bに接続される管路接続口である。コネクタ31bは、処置具用コネクタ25に接続される装置側コネクタである。
内視鏡2の洗浄時、洗浄チューブ31を通して供給される洗浄液などの液体がコネクタ31aから処置具挿入口3bを通り、内視鏡2内の処置具挿通チャンネル5内に供給される。本実施例において、洗浄チューブは上述の気泡観察部の役割を果たす。
【0023】
洗浄チューブ31は、上述のエネルギー波として可視光線を透過する透明部分を含むチューブであり、後述するように内部を流れる液体中に気泡があると、検査者により目視で気泡の確認ができる。
なお、洗浄チューブ31は、内部を流れる液体中の気泡の有無が目視により確認できればよく、全体が透明であってもよいし、一部だけが透明であってもよい。
【0024】
よって、洗浄チューブ31は、管路接続口であるコネクタ31aに連通しており、処置具挿入口3bから導出された液体中の気泡を観察するためのエネルギー波である可視光線を透過する材質から成る気泡観察部を構成する。そして、洗浄チューブ31は、内部が見えるように、少なくとも一部が透明である。
【0025】
漏検チューブ32の両端には、コネクタ32aと32bが設けられている。コネクタ32aは、内視鏡2の漏検口金3cに接続される内部接続口としての内視鏡側コネクタである。すなわち、コネクタ32aは、内視鏡2の通気口金である漏検口金3cに接続される内部接続口である。コネクタ32bは、漏洩検知用コネクタ26に接続される装置側コネクタである。
装置本体11は、吸水弁41、加圧用のポンプ42、及び送液用のポンプ43を有している。
【0026】
吸水弁41は、水道栓に接続されたホースが接続される給水ホース接続部(図示せず)と、浸漬槽20内に水Wを供給するための液体供給ノズル21に接続された管路51に接続されている。吸水弁41を開放することにより水道の吸水圧によってホースを通じて洗浄槽20内に水を供給することができる。
なお、水道栓が存在しない環境下で用いる場合は、液体供給ノズル21に水タンクを接続することができ、更に水タンクから水を供給するためのポンプを接続することもできる。
【0027】
ポンプ42は、漏検チューブ32に気体、ここでは空気を供給するための管路52に接続されている加圧ポンプである。ポンプ42は、内部接続口であるコネクタ32aに連通しており、コネクタ32aを通じて内視鏡2の内部に気体を導入する気体導入部を構成する。
なお、ここでは、気体として空気を用いているが、窒素ガス、アルゴンガスなどでもよい。その場合は、ポンプ42に窒素ガスなどのボンベが接続される。
【0028】
ポンプ43は、循環口22に一端が接続された管路53と、処置具用コネクタ25に一端が接続された管路54に接続されている送液ポンプである。ポンプ43は、漏洩検知時に動作されるが、洗浄消毒処理時にも動作されるので、正転と逆転のどちらも可能なポンプである。よって、ポンプ43は、洗浄チューブ31を介して、液体の吸引と送出をすることが可能である。内視鏡2の漏洩検知時には、処置具開口3aにおいて引き込まれて処置具挿通チャンネル5内に入った水Wは、洗浄チューブ31を介してポンプ43により吸引される。内視鏡2の洗浄時は、洗浄チューブ31を通して供給される洗浄液などの液体が、コネクタ31aから処置具挿入口3bを通り、内視鏡2の処置具挿通チャンネル5内に供給される。
管路52には、管路52内の圧力を測定するための圧力センサ55が設けられていてもよい。
(実施例2)
【0029】
管路54には、気泡観察部として、気泡センサ部56が設けられていてもよい。
気泡観察部として、気泡センサ部56を単独で用いても良いし、実施例1のチューブ31と併用してもよい。
併用する場合、気泡センサ部56を実施例1の可視光線を透過して目視で気泡を確認できる洗浄チューブ31と併用することで、検査者が洗浄チューブ31を流れる水W中の気泡Bを見逃した場合に、気泡Bを検出するという使い方もできる。
【0030】
図2は、気泡センサ部56の構成を示すブロック図である。
気泡センサ部56は、所定のエネルギー波EWを出射するエネルギー波出射部56aと、洗浄チューブ31から流れてきた水Wを通ったエネルギー波EW、あるいは水Wから反射して戻ってきたエネルギー波EWを受信するエネルギー波受信部56bとを有している。管路54のうち、気泡センサ部56が取り付けられた部分は、エネルギー波を透過する材質からなる。
【0031】
エネルギー波出射部56aは、水Wにエネルギー波を照射する照射部を構成する。エネルギー波受信部56bは、エネルギー波の反射量または透過量から気泡Bの有無を検知する検知部を構成する。
図2に示すように、気泡センサ部56は、管路54に設けられており、エネルギー波出射部56aとエネルギー波受信部56bは、管路54を挟むように配置されている。気泡センサ部56は、制御部61と接続されており、エネルギー波受信部56bの出力は、気泡センサ部56の出力として、制御部61へ供給される。
【0032】
エネルギー波は、例えば超音波、マイクロ波、レーザ光線、可視光線などである。管路54内を流れる水W中に気泡Bがあると、エネルギー波受信部56bの出力が変化する。よって、気泡センサ部56は、管路接続口であるコネクタ31aに連通しており、処置具挿入口3bから導出された液体中の気泡を観察するためのエネルギー波を透過する材質から成る気泡観察部を構成する。
【0033】
制御部61は、気泡センサ部56の出力の変化、例えば所定の閾値以上あるいは以下になることにより、気泡Bの有りを判定することができる。
以上のように、制御部61は、メイン操作パネル24a、ブザー24b、ポンプ41,42,43、圧力センサ55、及び気泡センサ部56が接続されている。
【0034】
制御部61は、水位センサ23からの水位信号、メイン操作パネル24aからの操作指示信号、及び圧力センサ55からの圧力信号を受信する。制御部61は、ブザー24bへの駆動信号を出力可能となっている。
【0035】
制御部61は、中央処理装置(CPU)、ROM、RAMを含み、ROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、メイン操作パネル24aの操作及び表示処理、ブザー24bの出力処理、各ポンプ41,42,43の起動及び停止処理、圧力センサ55及び気泡センサ部56の出力処理、等を実行して、漏洩検知工程及び洗浄消毒工程を実行する。
(作用)
次に、漏洩検知工程について説明する。
【0036】
はじめに、検査者は、浸漬槽20内に水が入っていない状態で、内視鏡2を内視鏡リプロセッサ1の浸漬槽20内にセットする。
検査者は、洗浄チューブ31のコネクタ31aを、内視鏡2の処置具挿入口3bに接続し、漏検チューブ32のコネクタ32aを、内視鏡2の漏検口金3cに接続する。検査者は、洗浄チューブ31のコネクタ31bを、装置本体11の処置具用コネクタ25に接続し、漏検チューブ32のコネクタ32bを、内視鏡2の漏洩検知用コネクタ26に接続する。
【0037】
検査者は、トップカバー12を閉じてから、洗浄消毒工程の開始を指示するためのメイン操作パネル24aに設けられたスタートボタンを押下すると、洗浄消毒工程が開始される。洗浄消毒工程の実行前に、漏洩検知工程が実行される。
図3は、制御部61により実行される漏洩検知工程の流れを示すフローチャートである。
【0038】
上述したようにスタートボタンが押下されると、内視鏡2の水密な内部空間への送気を開始する(S1)。制御部61は、ポンプ42を駆動して、内視鏡2の水密な内部空間への空気の供給を開始する。
【0039】
制御部61は、圧力センサ55の出力を監視して、内視鏡2の内部空間の圧力が所定の値PTH以上になったかを判定する(S2)。
内視鏡2の内部空間すなわち内視鏡2の水密エリア内の圧力が所定の値PTH以上にならなければ(S2:NO)、処理は何もしない。
【0040】
内視鏡2の内部空間内の圧力が所定の値PTH以上になると(S2:YES)、制御部61は、送気を継続したまま、浸漬槽20への注水を開始する(S3)。制御部61は、ポンプ41を駆動して、浸漬槽20への注水を開始する。液体供給部であるポンプ41が駆動されて、浸漬槽である浸漬槽20に水Wを供給して内視鏡2を浸漬させる。
【0041】
なお、S3の処理は、内視鏡2の内部空間内の圧力が所定の値PTH以上になると(S2:YES)、実行されているが、S3の注水は、S1の送気の開始と同時に開始するようにしてもよい。
【0042】
制御部61は、水位センサ23の出力を監視して、浸漬槽20の水位が所定の水位WLに到達したかを判定する(S4)。
図1では、浸漬槽20の水位が二点鎖線で示され、内視鏡2は水没していることが示されている。
浸漬槽20の水位が所定の水位WLに到達しなければ(S4:NO)、処理は何もしない。
【0043】
浸漬槽20の水位が所定の水位WLに到達すると(S4:YES)、制御部61は、ポンプ41の駆動を停止し、送液ポンプであるポンプ43を所定時間TAだけ駆動して水を吸引し、内視鏡2の処置具挿通チャンネル5内を水Wで満たす(S5)。
【0044】
制御部61は、管路54から管路53へ水Wを流すように、ポンプ43を所定時間TAだけ駆動して、内視鏡2の挿入部4の先端の処置具開口から処置具挿通チャンネル5内へ水Wを導入する。すなわち、液体吸引部であるポンプ43は、水Wに浸漬している処置具開口3aから水Wを吸引する。
【0045】
所定時間TAは、挿入部4の先端の処置具開口3aから処置具挿通チャンネル5内へ水Wを導入して、処置具挿通チャンネル5内を水Wで満たすのに必要な時間である。ポンプ43の吸引の圧力は、通常の洗浄動作時の圧力と同じかそれ以下の圧力である。
【0046】
従って、ポンプ43は、洗浄チューブ31及び気泡センサ部56に接続されて、処置具開口3aから液体である水Wを導入し、処置具挿入口3bおよびコネクタ31aを経由して洗浄チューブ31及び気泡センサ部56に液体を導入する液体導入部を構成する。言い換えれば、ポンプ43は、コネクタ31a又は気泡センサ部56に接続されて処置具開口3aから液体を吸引する液体吸引部である。
なお、ポンプ43は、処置具挿入口3bあるいはコネクタ31aに接続されるように設けられてもよい。
【0047】
ポンプ43の駆動時間が所定時間TAを経過すると、制御部61は、検査者に漏洩検知の開始を促すための所定の告知出力を行う(S6)。
具体的には、制御部61が、所定の表示を行うための表示信号をメイン操作パネル24aに出力したりあるいはブザー24bへの音出力信号を出力したりすることにより、検査者への漏洩検知の開始を促す。
【0048】
検査者は、上記の告知がされた後、トップカバー12を開けて、洗浄チューブ31が見えるようにする。なお、トップカバー12が透明であって、トップカバー12越しに洗浄チューブ31を見る場合には、検査者は、トップカバー12を状態のままでもよい。
【0049】
その後、制御部61は、所定期間TB経過した後、送液ポンプであるポンプ43を所定時間TCだけ駆動する(S7)。ポンプ43が駆動されると、水Wが処置具開口3aから処置具挿通チャンネル5内に導入され、処置具挿入口3bから洗浄チューブ31へ流れる。
【0050】
なお、ここでは、所定時間TBが経過すると、ポンプ43が制御部61により駆動されるが、検査者に所定のボタン操作などの操作入力をさせて、制御部61は、その操作入力を受けると、ポンプ43を駆動するようにしてもよい。
【0051】
上述したように、洗浄チューブ31は透明であるので、処置具挿通チャンネル5内に孔などがあって、ポンプ42により送り込まれた空気がその孔から漏れると、ポンプ43によって処置具挿通チャンネル5内に導入された水Wが気泡と共に移動して、洗浄チューブ31内を流れる。よって、検査者は、目視により、気泡の有無を確認することができるので、処置具挿通チャンネル5内の孔、亀裂などの有無を迅速に発見することができる。
【0052】
また、内視鏡2の外表面に孔等があれば、その孔等のある位置から気泡がでているのも、目視により発見することができる。
図4は、上述した漏洩検知の原理を説明するための模式図である。
【0053】
挿入部4内の処置具挿通チャンネル5内のある位置に孔hがあるとき、漏検チューブ32から送り出された空気は、二点鎖線で示すように、内視鏡2の内部空間S内に導入される。内部空間S内に導入された空気により、内部空間S内の圧力は増加し、空気は孔hから噴出する。
【0054】
処置具挿通チャンネル5内には、ポンプ43により、処置具開口3aから水Wが処置具挿通チャンネル5内に導入されて、処置具挿通チャンネル5内を流れている。
孔hから噴出した空気は、気泡Bとなって、水Wと共に、洗浄チューブ31内に流れるので、検査者は、透明な洗浄チューブ31を目視していれば、気泡Bの有無を判定することができる。気泡Bが確認されれば、処置具挿通チャンネル5内のどこかの位置に孔等があると推定あるいは判定することができる。
【0055】
検査者は、目視により洗浄チューブ31内の気泡Bの存在を発見すると、メイン操作パネル24a上の停止ボタンを押下して、内視鏡リプロセッサ1の洗浄消毒処理を中止させる。停止ボタンが押下されると、ポンプ42,43は停止する。
また、内視鏡2の外表面に孔等があれば、その孔等のある部位から気泡が噴出するので、検査者は、従来のように、外表面に孔などがあると判定することができる。
【0056】
気泡センサ部56は、ポンプ43が所定時間TCだけ駆動している間、管路54を流れる水Wを透過したエネルギー波の受信信号を出力する。
S7の処理中、制御部61は、気泡センサ部56の出力信号に基づく水W中の気泡Bの有無の判定を含む判定処理を行う(S8)。S8の処理は、所定時間TCの間だけ行われる。
【0057】
S8の判定処理では、気泡Bの有無の判定が行われ、気泡Bがあると判定されると、制御部61は、検査者へ所定の告知を行うと共に、各ポンプ42、43を停止する。所定の告知の方法は、例えば、ブザー24bを駆動してブザー音を鳴らすと共に、所定のメッセージ表示をメイン操作パネル24aにおいて行う、といった告知処理により行われる。
【0058】
従って、検査者は、目視により洗浄チューブ31内の気泡Bの存在を発見すると、メイン操作パネル24a上の停止ボタンを押下して、洗浄消毒工程を中止させる。さらに、検査者は、S8の判定処理における告知に応じて、洗浄消毒工程を中止させることができる。洗浄消毒工程を中止した後、検査者は、内視鏡2を浸漬槽20から取り出す。
【0059】
S8の判定処理では、水W中に気泡Bがあると判定されなければ、処理は、何もせず、制御部61は、ポンプ42と43を停止する(S9)。
以上のように、検査者は、洗浄チューブ31を見て、気泡Bの有無を判定できると共に、気泡センサ部56による気泡Bの検出結果も確認することができる。
S8の処理の直後あるいは所定時間TD経過後、処理は、洗浄消毒工程に移行する(S10)。
【0060】
なお、トップカバー12の閉じるのをセンサなどにより検知するようにして、制御部61は、トップカバー12が閉じられたのを検知すると、洗浄消毒工程を開始するようにしてもよい。
あるいは、漏洩検知工程の終了を指示するボタンを設け、漏洩検知工程の終了を指示するボタンが押下されると、制御部61は、洗浄消毒工程を開始するようにしてもよい。
【0061】
さらにあるいは、漏洩検知工程の終了後、洗浄消毒工程の開始を指示するボタンを設け、洗浄消毒工程の開始を指示するボタンが押下されると、制御部61は、洗浄消毒工程を開始するようにしてもよい。
さらになお、上述した実施の形態の内視鏡リークテスタである内視鏡リプロセッサ1では、1つの内視鏡の漏洩検査が行われているが、浸漬槽20内に複数の内視鏡を浸漬させて同時に複数の内視鏡の漏洩検査ができるようにした場合、漏洩ありと検知された内視鏡が取り出されたことを検知するようにして、漏洩ありと検知された内視鏡が取り出されたことが検知されると、制御部61は、洗浄消毒工程を開始するようにしてもよい。
【0062】
以上のように、上述した実施の形態によれば、内視鏡の水密性チェックを短時間で行うことができる内視鏡リークテスタとしての内視鏡リプロセッサを実現することができる。
【0063】
なお、上述した実施の形態では、内視鏡2の管路として処置具挿通チャンネル5を例として説明したが、上述した実施の形態は、送気・送水チャンネル等の他の管路の漏洩検知にも適用できることは言うまでもない。
さらになお、上述した実施の形態は、内視鏡リークテスト機能が搭載された内視鏡リプロセッサに関する例であるが、漏洩検知だけを行う内視鏡リークテスタにも適用可能であることは言うまでもない。
【0064】
(変形例)
次に変形例について説明する。
上述した実施の形態では、漏洩検知のために処置具挿通チャンネル5内に水Wを導入するために、内視鏡2の処置具挿入口3bから水Wを吸引するようにしているが、処置具開口3aから処置具挿通チャンネル5内に水Wを送り込むようにしてもよい。
【0065】
図5は、処置具開口3aから処置具挿通チャンネル5内に水Wを送り込む方法を説明するための図である。
内視鏡リークテスタには、挿入部4の先端部に装着可能な送液用のコネクタ71が設けられる。コネクタ71には、チューブ(あるいは管路)72を介して、
図1に示される水Wを吐出する送液用のポンプ43が接続される。挿入部4の先端部の処置具開口3aにコネクタ71を接続して、送液用のポンプ43を駆動することにより、処置具開口3aから処置具挿通チャンネル5内に水Wを送り込むことができる。
【0066】
すなわち、ポンプ43は、内視鏡2の処置具挿通チャンネル5の端部である処置具開口3aに接続されて、処置具開口3aから液体である水Wを導入し、処置具挿入口3bおよびコネクタ31aを経由して洗浄チューブ31及び気泡センサ部56に液体を導入する液体導入部を構成する。特に、ポンプ73は、処置具開口3aに接続される接続口であるコネクタ71に連通しており、コネクタ71を通じて内視鏡2の管路に液体である水Wを導入するために水Wを吐出する液体吐出部である。
本変形例によっても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
以上のように、上述した実施の形態及び変形例によれば、内視鏡の水密性チェックを短時間で行うことができる内視鏡リークテスタ及び内視鏡リプロセッサを実現することができる。
【0068】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。