(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記含シリコン廃スラリーは、シリコンインゴットを切削したり、シリコンウェーハの表面を研磨したりする過程において発生し、含シリコンスラリー及び水溶性オイルを含むことを特徴とする請求項1に記載のブリケットの製造方法。
前記ブリケットの成形過程前に、前記含シリコンスラリーを乾燥させる乾燥過程と、前記含シリコンスラリーを粉砕する粉砕過程と、のうちの少なくともいずれか一方の過程を行うことを特徴とする請求項1に記載のブリケットの製造方法。
前記ブリケットの成形過程において、前記含シリコンスラリーにバインダーを配合した混合物に鉄成分を選択的に添加することを特徴とする請求項5に記載のブリケットの製造方法。
前記混合物は、前記混合物の総重量に対して、35乃至97wt%の含シリコンスラリー、0乃至50wt%の鉄成分、及び3乃至15wt%のバインダーを含むことを特徴とする請求項9に記載のブリケットの製造方法。
前記バインダーは、糖蜜、澱粉、ベントナイト、消石灰、又は水ガラス(ケイ酸ナトリウム)のうちの少なくともいずれか一種を含むことを特徴とする請求項10に記載のブリケットの製造方法。
【背景技術】
【0002】
一般に、製鋼工程においては、1500℃内外の溶鋼温度で銑鉄中の炭素をはじめとする不純物を酸化し、これらの酸化物は鉱滓として取り除く。
製鋼工程においては、酸素の吹込が始まってから所定の時間が経過した後に出鋼するが、このとき、成分の調節及び脱酸のために、溶鋼中にマンガン鉄、ケイ素鉄などを添加する。
【0003】
このとき、溶鋼中に添加されるケイ素鉄を製造するために多量のシリコンを必要とするが、シリコンのほとんどを海外からの輸入に依存し、しかも、シリコンの価格が高いため、全体的な製鋼費用が高騰してしまうという問題がある。
また、一般に、製鋼工程を含む製鉄過程において、溶鉱炉内の温度を高めるために発熱量が高いシリコン(Si)が昇熱剤として用いている。製鉄産業の特性からみて、膨大な量のシリコンが求められるが、発熱剤として用いられるシリコンの価格が高いため、全体的な製鉄費用が高騰してしまうという問題がある。
【0004】
その一方では、周知の如く、シリコンは、半導体産業の主材料として用いられており、様々な工程を経て半導体製品を製造すると、その副産物として多量のシリコンを含む廃スラリーが排出される。
このような廃スラリーを単に焼却したり土壌に埋め込んだりすると、深刻な大気汚染及び土壌汚染がもたらされるため、廃スラリーの処理に当たってセメントで固形化(固化)して保管したり埋め込んだりする方法が適用されていた。
【0005】
多量のシリコンを含む廃スラリーの排出過程について具体的に説明すると、下記の通りである。
半導体集積回路や太陽電池の製造に用いられるシリコンウェーハは、シリコンインゴットを切削(slicing)する工程を経て生産される。なお、切削されたシリコンウェーハは、表面の平坦化のために表面研磨過程を経ることもある。
【0006】
ワイヤーソーイング(wire sawing)工程とも呼ばれるシリコンインゴットの切削工程には、切削材であるシリコンカーバイド(SiC)及び切削油であるクーラント(Coolant;水溶性若しくは脂溶性の切削用オイル)を混合したスラリーが用いられている。ワイヤーソーイング工程は、スラリーが供給される状態でワイヤーソー(wire saw)と呼ばれる切削装備を用いてシリコンインゴットを切削することにより、シリコンウェーハを生産することができる。切削材の材料としては、シリコンカーバイド(炭化ケイ素)に加えて、アルミナ(酸化アルミニウム)、ダイヤモンド、二酸化ケイ素などが使用可能である。
【0007】
シリコンインゴットの切削過程において用いられるワイヤーソーは、所定の厚さを有するため、シリコンインゴットの相当量が切削過程中に切り屑(おが屑)として発生する。
また、シリコンウェーハ及びワイヤーソーの厚さが薄くなるにつれて、より多量の切り屑が発生してしまう。
【0008】
例えば、シリコンウェーハの厚さが0.1mmであり、ワイヤーソーの厚さが0.1mmである場合は、シリコンインゴットの約50%が切り屑として発生する。このため、シリコンインゴットの切削過程やシリコンウェーハの表面の研磨過程が終わった後、廃スラリー内には切削材、切削油、切り屑、装備などの摩耗微粉などが含まれる。
【0009】
このようなシリコンウェーハの製造時に発生する廃スラリーは、特殊産業廃棄物として分類されるが、廃スラリーを単に焼却したり埋め込んだりすると、深刻な大気汚染及び土壌汚染がもたらされる。この理由から、このようにして発生した廃スラリーは、セメントで固型化(固化)させて保管したり埋め込んだりするなどして処分している。
【0010】
しかしながら、たとえこのようにセメントで固型化(固化)させるなどして廃スラリーを処分するとしても、廃スラリーの保管空間や埋込み空間には制限があり、しかも、資源の無駄使いであるという見方もあるため、廃スラリーを再利用・再生するための工夫が切望されているのが現状である。
【0011】
特に、シリコンインゴットの切削過程においては、多量のシリコン微粉が廃スラリーに含まれるため、微粉状態のシリコン(Si)をいかに効率よく分離して再生するかが資源の再活用及び産業廃棄物の処理分野において主要な争点として取り上げられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、半導体又は太陽電池ウェーハの製造時に発生する含シリコン廃スラリーを精製して、製鋼工程において溶鋼の昇熱及び成分調節用途に用いることのできるブリケットの製造方法及びこれを用いて製造されたブリケットを提供する。
本発明は、製鋼工程において溶鋼の昇熱及び成分調節を安価に且つ効率よく行うことのできるブリケットの製造方法及びこれを用いて製造されたブリケットを提供する。
【0013】
また、本発明は、環境汚染の原因となる含シリコン廃スラリーの処理費用を節減することのできるブリケットの製造方法及びこれを用いて製造されたブリケットを提供する。
更に、本発明は、シリコンの酸化による品質の低下を防ぐことのできるブリケットの製造方法及びこれを用いて製造されたブリケットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ブリケットを製造する方法であって、
含シリコン廃スラリーを用意する過程と、
前記含シリコン廃スラリーから含シリコンスラリー及び水溶性オイルを分離する1次オイル洗浄過程と、
前記1次オイル洗浄過程後に、前記1次オイル洗浄過程において分離された水溶性オイ
ル及び水を分留して、水溶性オイル及び水を分離する分離過程と、
前記含シリコンスラリーから水溶性オイルを取り除く2次オイル洗浄過程と、
前記含シリコンスラリーにバインダーを配合した混合物を用いて、ブリケットを形成す
る成形過程と、を含み、
前記バインダーは、1次オイル分離過程において分離された水及び水溶性オイルと、2
次オイル分離過程において分離された水及び水溶性オイルと、分離過程において分離され
た水溶性オイル及び水と、のうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0015】
前記含シリコン廃スラリーは、シリコンインゴットを切削したり、シリコンウェーハの表面を研磨したりする過程において発生し、含シリコンスラリー及び水溶性オイルを含んでいてもよい。
前記含シリコン廃スラリーは、少なくともシリコン(Si)及びシリコンカーバイド(SiC)を含有していてもよい。
【0016】
前記1次オイル洗浄過程は、前記含シリコン廃スラリーに水を第1の混合割合で混合する過程と、前記含シリコン廃スラリー及び水を攪拌する過程と、前記含シリコン廃スラリー及び水の混合物をろ過して含シリコンスラリー、水溶性オイル及び水を分離する過程と、を含んでいてもよい。
【0017】
前記第1の混合割合は、前記水の体積が前記含シリコン廃スラリーの体積に対して0.
2倍〜8倍であってもよい。
【0018】
前記2次オイル洗浄過程は、前記含シリコンスラリーに水を第2の混合割合で混合する過程と、前記含シリコンスラリー及び水を攪拌する過程と、前記含シリコンスラリー及び水の混合物をろ過して含シリコンスラリーと、水溶性オイル及び水を分離する過程と、を含んでいてもよい。
前記第2の混合割合は、前記水の体積が前記含シリコンスラリーの体積に対して0.2倍〜8倍であってもよい。
【0019】
前記ブリケットの成形過程前に、前記含シリコンスラリーを乾燥させる乾燥過程と、前記含シリコンスラリーを粉砕する粉砕過程と、のうちの少なくともいずれか一方の過程を行ってもよい。
【0020】
前記ブリケットの成形過程において、前記含シリコンスラリーにバインダーを配合した混合物に鉄成分(Fe source)を選択的に添加してもよい。
前記混合物は、前記混合物の総重量に対して、35〜97wt%の含シリコンスラリーと、0〜50wt%の鉄成分、及び3〜15wt%のバインダーを含んでいてもよい。
前記バインダーは、糖蜜、澱粉、ベントナイト、消石灰、又は水ガラス(ケイ酸ナトリウム)のうちの少なくともいずれか一種を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、半導体又は太陽電池ウェーハの製造時に発生する含シリコン廃スラリーを精製して粉末を作り、ここにバインダーを添加してブリケット化させることにより、製鋼工程において昇熱及び成分調節用途に用いられるブリケットを形成することができる。このように、廃スラリーを用いて製鋼工程において昇熱及び成分調節用途に用いられるブリケットを製造することにより、製鋼費用を節減することができる。
【0024】
また、環境汚染の原因となる含シリコン廃スラリーを焼却したり埋め込んだりすることなく、製鉄所の製鋼工場において溶鋼を製造する過程において昇熱剤及び成分調節用途に再生・再利用することができる。従って、廃棄物の処理費用を削減し、費用の節減による価格競争力を確保するとともに、製鋼過程において引き起こされる環境汚染を極力抑えることができるという効果がある。
【0025】
更に、含シリコン廃スラリーの粉末化工程において生成する、水溶性オイル及び水を含有する廃水を、ブリケットの製造時に必要な添加剤として再利用して、排出される廃水の再処理を不要にしたり、廃水を再処理が不要になるようなレベルまで淨化して排出したりすることができる。従って、製鋼工程の溶鋼の製造過程において用いられる昇熱及び成分調節用途のブリケットを、環境にやさしく且つ経済的に製造することができる。
【0026】
更にまた、ブリケットの製造過程において、含シリコン粉末の粘性を保つためのバインダーに、水の代わりに水溶性オイルを添加して再利用することにより、シリコンの酸化による品質の低下を防ぐことができる。
更にまた、含シリコン廃スラリーを粉末化させてこれをブリケットに成形して提供することにより、製鋼工程の転炉への投入を容易にし、粉末の飛散による火災や爆発のリスクを除去することができるという効果がある。
【0027】
これらに加えて、廃棄物と認識されるシリコン粉末を、製鋼工程の溶鋼の製造過程において用いられる昇熱及び成分調節用途のブリケット製品に成形して提供することにより、廃棄物の国家間の移動などに関する規制から自由になるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施形態について詳述する。
本発明について説明するに当たって、関連する公知の機能若しくは構成などの具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合には、それについての詳細な説明を省略する。
【0030】
図1は、一般に、半導体ウェーハ又は太陽電池ウェーハの製造過程において副産物として排出される含シリコン廃スラリーを精製する工程を説明するための図である。
図1に示すように、シリコンインゴットの切削工程やシリコンウェーハの表面研磨工程において発生する廃スラリーには、切削材、シリコンの切り屑、切削油、及びその他の切削工程において発生する切削材やワイヤーソーなどの微粉が含まれている。
【0031】
このような廃スラリーから再生可能なシリコン及び切削材を分離するために、図示の如く、オイル洗浄過程を経る。このようなオイル洗浄過程により切削油は取り除かれ、このときに発生する廃水は廃水処理システムに送られて再利用される。
その一方では、オイル洗浄過程を経た廃スラリーからは、シリコンの分離過程を通じて有用なシリコンを分離して再利用するが、このとき、シリコンの分離のために遠心分離過程を経る場合もある。なお、分離されたシリコンは、再び乾燥過程を通じて再利用される。
【0032】
シリコンの分離過程において、分離されて再利用されるシリコンは、大きな粒径を有するシリコンのみであるため、 大きな粒径を有するシリコンが分離された後、廃スラリーには依然として微粉状態の切削材と不純物及び微粉状態のシリコンが多量に存在する。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態により含シリコン廃スラリーを精製して製鋼工程において用いられる昇熱及び成分調節用ブリケットを製造する方法を説明するための工程手順図であり、
図3は、
図2に示す1次オイル洗浄過程を説明するための工程手順図であり、
図4は、
図2に示す2次オイル洗浄過程を説明するための工程手順図であり、
図5は、
図2に示すブリケット成形過程を説明するための工程手順図であり、
図6は、本発明の実施形態が適用される装置構成例を説明するための図であり、
図7は、
図6に組み込まれる分留システムの一例を説明するための図である。
【0034】
図2に示すように、本発明の一実施形態によるブリケットの製造方法は、1次オイル洗浄過程(S10)、分離過程(S20)、2次オイル洗浄過程(S30)、乾燥過程(S40)、粉砕過程(S50)、及びブリケット成形過程(S60)を含んでなる。
【0035】
本発明の一実施形態の最終的な結果物であるブリケット、即ち、製鋼工程の溶鋼の製造過程において溶鋼の昇熱及び成分調節用途に用いられるブリケットは、1次オイル洗浄過程(S10)及びブリケット成形過程(S60)によっても製造可能である。ここで、2次オイル洗浄過程(S30)、乾燥過程(S40)、及び粉砕過程(S50)は、必要に応じて選択的に行ってもよい。
【0036】
即ち、2次オイル洗浄過程(S30)、乾燥過程(S40)、又は粉砕過程(S50)のうちのいずれか一つ以上の過程は、ブリケットの製造過程において選択的に行われてもよい工程である。以下においては、本発明の実施形態によるブリケットの製造方法が1次オイル洗浄過程(S10)と、分離過程(S20)と、2次オイル洗浄過程(S30)と、乾燥過程(S40)と、粉砕過程(S50)と、ブリケット成形過程(S60)と、を含む場合について説明する。
【0037】
まず、1次オイル洗浄過程(S10)においては、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、及び水溶性オイルを含む含シリコン廃スラリー、例えば、初期の廃スラリーからオイルを分離することができる。
【0038】
含シリコン廃スラリー、即ち、初期の廃スラリーは、半導体ウェーハ又は太陽電池ウェーハの製造過程において、ワイヤーソーイング工程などの副産物として発生する。このため、初期の廃スラリーには、シリコンインゴットが切削されながら発生するシリコン、切削剤としてのシリコンカーバイド(SiC)、及び切削油としての水溶性オイルが含有されている。
【0039】
また、約5%の鉄(Fe)成分及び微量の銅(Cu)などを含有していてもよい。このため、1次オイル洗浄過程(S10)においては、初期の廃スラリーに含有されている水溶性オイルを分離する過程を行ってもよい。このとき、初期の廃スラリーに含有されているシリコンカーバイドの粒径は、多岐に亘るため、1次オイル洗浄過程(S10)前に、遠心分離工程などを通じて、相対的に大きな粒径を有するシリコンカーバイドを分離する工程を行ってもよい。
【0040】
ワイヤーソーイング工程などの副産物である初期の廃スラリーには、水溶性オイル(例えば、PEG+DEG)が約10wt%〜30wt%含有されているが、初期の廃スラリーを製鋼工程に用いるためには、初期の廃スラリーに含有されている水溶性オイルを所定のレベルまで取り除かなければならない。
【0041】
オイルを取り除くための方法としては、高温を用いた燃焼方法及び水を用いた洗浄方法が挙げられる。しかしながら、高温を用いて水溶性オイルを燃焼させる場合には、水溶性オイルの含有量が増えるにつれて大気汚染が激しくなり、高温によりシリコンが酸化される虞がある。また、初期の廃スラリーには水溶性オイルが多量含有されていて初期の廃スラリーを水で洗浄してもよいが、この場合には、水溶性オイルが水に溶解されて廃水処理費用が高騰してしまうという問題がある。
【0042】
この実施形態は、水溶性オイルを初期の廃スラリーから分離し、後述する工程を通じて再利用することができる。また、必要に応じて、水溶性オイルが所定のレベルまで取り除かれた含シリコンスラリーから、更に水溶性オイルを取り除いてもよい。このような構成によれば、オイルの燃焼による大気汚染及びシリコンの酸化を防ぐことができ、水溶性オイルを再利用することができて経済性の面からみてもメリットがあるのみならず、後述するように、分留を通じて水溶性オイルから水を分離するので、最終的に生成する廃水の処理費用がほとんどかからないというメリットがある。
【0043】
このように、初期の廃スラリーから水溶性オイルを取り除く過程において発生する副産物、例えば、水溶性オイル及び水は、ブリケットの製造に際してバインダーとして再利用することができる。
【0044】
このために、この実施形態においては、初期の廃スラリーに攪拌及びポンピングが行えるようなレベルまで混合した状態で、例えば、フィルタープレスなどを用いたプレス方式を適用して水溶性オイル及び水を初期の廃スラリーから分離することができる。次いで、水を蒸発させて水溶性オイルを再利用し、水溶性オイルを所定のレベルまで取り除いたスラリー、即ち、含シリコンスラリーを、乾燥工程を通じて適切な大きさに粉砕する。なお、粉砕したスラリーをブリケットに成形して製鋼工程の溶鋼の製造過程において昇熱及び成分調節用途に用いることができる。
【0045】
図3に示すように、1次オイル洗浄過程(S10)は、S12、S14及びS16過程を含んでいてもよい。
まず、S12過程においては、廃スラリー貯留タンクに貯留されている初期の廃スラリーを、第1の攪拌器10に供給し、第1の混合割合に対応する水を第1の攪拌器10に供給することにより、初期の廃スラリーに水を混合することが行われる。
【0046】
例えば、貯留されている初期の廃スラリーの粘度の低下を防ぐために、廃スラリー貯留タンクの内部は所定の温度を保つように構成されてもよい。また、貯留されている初期の廃スラリーが貯留時間の経過に起因する沈殿現象により固化してしまうことを防ぐために、所定の周期おきに攪拌作業が行われるように構成されてもよい。この場合、廃スラリー貯留タンクは、攪拌操作を行えるように構成されてもよい。
【0047】
初期の廃スラリーは、半導体ウェーハ又は太陽電池ウェーハの製造過程において発生する副産物を含んでいてもよい。このような副産物は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、水溶性オイル、鉄(Fe)及び銅(Cu)などを含んでいてもよい。
初期の廃スラリーと水との第1の混合割合は、体積比を基準として約1:0.2〜1:8の範囲に設定されてもよい。即ち、水の体積が初期の廃スラリーの体積の約0.2倍〜8倍になるように水を初期の廃スラリーに混合する。上述したように、第1の混合割合は、初期の廃スラリーに対する攪拌及びポンピングを考慮して設定される。
【0048】
S14過程においては、第1の攪拌器10を動作させて水が混合されている初期の廃スラリーを攪拌することが行われる。
1次オイル洗浄過程(S10)の具体的な構成例について説明すると、下記の通りである。
【0049】
まず、S12過程においては、廃スラリー貯留タンクに貯留されている初期の廃スラリーを第1の攪拌器10に供給し、第1の混合割合に対応する水を第1の攪拌器10に供給することにより、初期の廃スラリーに水を混合することが行われる。
【0050】
例えば、貯留されている初期の廃スラリーの粘度の低下を防ぐために、廃スラリー貯留タンクの内部は所定の温度に保たれるように構成されてもよい。また、貯留されている初期の廃スラリーが貯留時間の経過に起因する沈殿現象により固化されてしまうことを防ぐために、所定の周期おきに攪拌作業が行われるように構成されてもよい。この場合、廃スラリー貯留タンクは、攪拌操作が行えるように構成される。
【0051】
初期の廃スラリーは、半導体ウェーハ又は太陽電池ウェーハの製造過程において発生する副産物を含んでいるが、その具体例として、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、水溶性オイル、鉄(Fe)及び銅(Cu)などが挙げられる。
【0052】
初期の廃スラリーと水との第1の混合割合は、体積比を基準として約1:0.2〜1:8の範囲に設定されてもよい。即ち、水の体積が初期の廃スラリーの体積の約0.2倍〜8倍になるように、水を初期の廃スラリーに混合する。上述したように、第1の混合割合は、初期の廃スラリーに対する攪拌及びポンピングを考慮して設定される。
S14過程においては、第1の攪拌器10を動作させて初期の廃スラリー及び水の混合物を攪拌することが行われる。
【0053】
S16過程においては、設定された攪拌時間が経過すると、攪拌された初期の廃スラリー及び水の混合物を第1のろ過システム20に供給して、初期の廃スラリー及び水の混合物から水及び水溶性オイルをろ過して分離することが行われる。
【0054】
具体的なろ過方式としては、例えば、フィルタープレスを用いたプレス方式を用いて水及び水溶性オイルを分離する方式が適用可能であり、この方式に加えて、遠心分離方法など公知の種々の技術が適用可能である。
このろ過工程を経ると、初期の廃スラリーに含まれている水溶性オイルが所定のレベルまで取り除かれて含シリコンスラリーが得られる。
【0055】
その一方では、後述するが、この実施形態に従い製造された中間物の一つである含シリコンスラリーを乾燥させ且つ粉砕すると、含シリコン粉末が得られる。この含シリコン粉末は、シリコン及びシリコンカーバイドが多量含有されていて発熱量がかなり高いため、転炉(converter)にそのまま投入した場合に火災が発生することが懸念される。
【0056】
このため、後述するブリケット成形過程(S60)により含シリコン粉末を圧着して所定の大きさ及び形状を有する塊状のブリケット(briquette)に加工して用いる。ここで、加熱及び成分調節用途のブリケットを製造するための中間材料である含シリコン粉末に含有されているオイルの量が少な過ぎると、圧着されたブリケットの形状が保たれずに壊れやすくなる虞があるため、含シリコン粉末にある程度のオイル成分が含まれている方が、ブリケットの製造に有利である。
【0057】
もし、1次オイル洗浄過程(S10)によって得られる含シリコンスラリーに残留する水溶性オイルの含量が多すぎる場合には、この水溶性オイル成分は、後述する2次オイル洗浄過程(S30)によって適正なレベルまで再び取り除かれる。
次いで、分離過程(S20)においては、1次オイル洗浄過程(S10)において分離された水溶性オイル及び水を分留して水溶性オイル及び水を互いに分離することが行われる。
【0058】
この過程を経て抽出された水溶性オイルは、後述するブリケット成形過程(S60)において再利用され、水は、追加的な廃水処理工程が不要になるようなレベルまで淨化される。
【0059】
図7に基づいて、分離過程(S20)が行われる分留システム30の具体的な構成例について説明する。
分留システム30は、水/オイル貯留タンク310と、ポンプ320と、蒸留塔330と、第1の捕集手段340と、第2の捕集手段350と、第1の熱交換器360と、第2の熱交換器370と、水貯留タンク380及びオイル貯留タンク390を備えていてもよい。
【0060】
1次オイル洗浄過程(S10)を通じて初期の廃スラリー及び水の混合物から分離された水溶性オイル及び水は、水/オイル貯留タンク310に供給されて一時的に貯留される。
【0061】
以下、水溶性オイルがPEG及びDEGにより構成された場合を例にとって説明する。以下の説明において開示する温度、圧力、流量などに対する数値は単なる一例に過ぎず、特定の要求条件に応じて変更可能な値であることはいうまでもない。
【0062】
図7には、システムを構成する要素間の供給流路の、例えば、弁が設けられている特定の個所F、F1、F2、B1、B2、B3、W1、W2、W3における温度、圧力及び流量が表記されている。水/オイル貯留タンク310に貯留される水溶性オイル及び水は、wt%を基準としてPEGとDEGと水との混合割合が20:13:67である。
【0063】
ポンプ320は、温度が20℃であり、圧力が760mmHgであり、且つ流量が300Kg/hrである条件下で水溶性オイル及び水を蒸留塔330に供給する。
蒸留塔330は、水溶性オイル及び水を分留して互いに分離するための手段であり、機能的に、加熱部、冷却部及び捕集部に大別される。
【0064】
例えば、蒸留塔330は、蒸留を多段、即ち、例えば、10段で行うように構成されてもよい。ボイラーの蒸気が150℃以上の温度でリボイラーに供給される状態で、水溶性オイル及び水をリボイラーで加熱して蒸留すると、第1の捕集手段340には、温度が51.5℃であり、圧力が100mmHgであり、且つ流量が200Kg/hrである水が捕集され、第2の捕集手段350には、温度が137℃であり、圧力が106mmHgであり、且つ流量が99.5Kg/hrである水溶性オイル、即ち、PEG/DEGが捕集される。
【0065】
第1の捕集手段340が供給する、温度が51.5℃であり、圧力が100mmHgであり、且つ流量が200Kg/hrである水は、第1の熱交換器360を経て、温度が30℃であり、圧力が2967mmHgであり、且つ流量が200Kg/hrである状態で水貯留タンク380に供給される。
【0066】
第2の捕集手段350が供給する、温度が137℃であり、圧力が106mmHgであり、且つ流量が99.5Kg/hrである水溶性オイルは、第2の熱交換器370を経て、温度が30℃であり、圧力が2967mmHgであり、且つ流量が99.5Kg/hrである状態でオイル貯留タンク390に供給される。
【0067】
水貯留タンク380は、第1の熱交換器360を経て供給される水を貯留する手段であり、貯留される水の温度は30℃であり、圧力は760mmHgであり、シミュレーションを行ったところ、そのCODはわずか数ppmに過ぎず、ほとんど廃水の再処理を行う必要がないレベルであることが分かる。
【0068】
オイル貯留タンク390は、第2の熱交換器370を経て供給されるオイルを貯留する手段であり、貯留されるオイルの温度は30℃であり、圧力は760mmHgであり、シミュレーションを行ったところ、含水量が約0.5wt%であり、PEGが約60.3wt%であり、且つDEGが約39.2wt%であるオイルが回収されることが分かる。
【0069】
次いで、2次オイル洗浄過程(S30)においては、1次オイル洗浄過程(S10)を通じて水溶性オイル及び水が分離されたスラリー、即ち、含シリコンスラリーに水を設定された第2の混合割合で混合した状態で攪拌した後にろ過して、含シリコンスラリーに残留する水溶性オイルを洗浄することを行ってもよい。
【0070】
例えば、第2の混合割合は、水の体積が含シリコンスラリーの体積の約0.2倍〜8倍になるように設定してもよく、2次オイル洗浄過程(S30)は、50℃以下の低温において行われるように構成されてもよい。
【0071】
上述したように、1次オイル洗浄過程(S10)を通じて初期の廃スラリーに含有されている水溶性オイルが所定のレベルまで取り除かれるとはいえ、工程条件などに応じて、残留する水溶性オイルを更に取り除かなければならない場合があり、このための工程が2次オイル洗浄過程(S30)である。
【0072】
2次オイル洗浄過程(S30)の具体的な構成例について説明すると、下記の通りである。
図4に示すように、2次オイル洗浄過程(S30)は、S32過程、S34過程及びS36過程を含んでいてもよい。
【0073】
まず、S32過程においては、1次オイル洗浄過程(S10)を通じて水溶性オイルが所定のレベルまで分離されて取り除かれたスラリー、即ち、含シリコンスラリーを第2の攪拌器40に供給し、設定された第2の混合割合に対応する水を第2の攪拌器40に供給することにより、含シリコンスラリーに水を混合することが行われる。
【0074】
含シリコンスラリーと水との第2の混合割合は、体積比を基準として1:0.2〜1:8の範囲において設定される。即ち、水は、含シリコンスラリーの体積の約0.2倍〜8倍の体積を有するように含シリコンスラリーに混合される。
含シリコンスラリーと水との混合割合を上述したように設定する理由は、下記の通りである。
【0075】
混合割合が0.2倍未満である場合には、含シリコンスラリーの粘度を考慮するとき、以降の攪拌工程及びポンピング工程を行い難く、且つ、 混合割合が8倍を超える場合には、水溶性オイルの除去比が急激に高くなって、むしろ後続工程であるブリケット成形過程(S60)においてブリケットの成形性を低下させてしまうという問題がある。
【0076】
即ち、含シリコンスラリーに混合された水は、後述する攪拌及びろ過過程を経て、水溶性オイルと混合されて廃水の形で外部に排出される。この廃水は環境汚染の原因になるため追加的な廃水処理過程を経るが、これを考慮すると、廃水処理作業が行われ易くなるように水の量を増やすことが好ましい。なお、水の量が増えるにつれてオイル洗浄度が高くなるため、含シリコンスラリーから取り除かれるオイルの量も増える。
【0077】
その一方では、上述したように、この実施形態に従い製造される中間物の一つである含シリコンスラリーを乾燥させ且つ粉砕すると、含シリコン粉末が得られる。この含シリコン粉末は発熱量がかなり高いため、転炉 (converter)にそのまま投入した場合に火災が発生することが懸念される。このため、後述するブリケット成形過程(S60)を通じて含シリコン粉末を圧着して所定の大きさ及び形状を有する塊状のブリケット(briquette)に加工して用いることが好ましい。
【0078】
ここで、もし、昇熱及び成分調節用途のブリケットを製造するための中間材料としての含シリコン粉末に含有されているオイルの量が少な過ぎると、圧着されたブリケットの形状が保たれず、壊れやすくなる虞があるため、含シリコン粉末にはある程度のオイル成分が含まれていることが好ましい。
このため、廃水処理作業及びブリケットの製造の効率性を高めるために、含シリコン粉末と水との混合割合を以上のように設定している。
【0079】
次いで、S34過程においては、第2の攪拌器40を動作させて水が混合されている含シリコンスラリーを攪拌することにより、含シリコンスラリーに残留する水溶性オイルの溶解を促すことが行われる。
【0080】
次いで、S36過程においては、設定された攪拌時間が経過すると、水と攪拌された含シリコンスラリーを第2のろ過システム50に供給して、含シリコンスラリーから水及びこの水に溶解されている水溶性オイルをろ過して取り除くことが行われる。具体的なろ過方式は、公知の種々の技術を適用して構成可能である。
【0081】
その一方では、水を用いて含シリコンスラリーを洗浄する過程において、水の温度が低過ぎると、オイル洗浄力が大幅に低下する虞があり、水の温度が高過ぎると、シリコンが水と反応して二酸化ケイ素(SiO
2)が生成されて、発熱特性を低下させる虞がある。このため、このような問題を防ぐために、この実施形態は、2次オイル洗浄過程(S30)の全ての過程又は一部の過程が50℃以下の低温において行われるように構成されてもよい。
【0082】
次いで、乾燥過程(S40)においては、2次オイル洗浄過程(S30)を通じて水溶性オイルが洗浄された含シリコンスラリーを乾燥器60に供給して設定された乾燥温度で乾燥させることが行われる。このような乾燥過程(S40)は、必要に応じて選択的に行われてもよく、自然乾燥方式により乾燥されてもよく、200℃以下の大気雰囲気下又は窒素雰囲気下で行われるように構成されてもよい。
【0083】
乾燥過程(S40)の具体的な構成例について説明すると、下記の通りである。
乾燥過程(S40)は、水溶性オイルが所定のレベルまで取り除かれた含シリコンスラリーを粉砕する前に乾燥させる過程である。
ここで、含シリコンスラリーに含まれているシリコンが大気状態に所定の時間以上に露出される場合、大気中に存在する酸素により酸化されて二酸化ケイ素が生成するため、昇熱剤の発熱特性や溶鋼の成分調節効率が低下する虞がある。
【0084】
従って、このような問題を防ぐために、この実施形態は、含シリコンスラリーの乾燥過程を200℃以下、より具体的には、約110℃〜130℃の温度下で、且つ大気雰囲気下又は窒素雰囲気下で行うように構成される。含シリコンスラリーを窒素雰囲気下で乾燥すると、シリコンの酸化なしに乾燥温度を高めることができるので、乾燥速度が速くなり、しかも、乾燥率が上がる。
【0085】
粉砕過程(S50)においては、乾燥過程(S40)を通じて乾燥された塊状の含シリコンスラリーを粉砕器70に供給して粉砕することが行われる。このような粉砕過程(S50)は、必要に応じて選択的に行われてもよい。
【0086】
例えば、粉砕過程(S50)においては、乾燥された含シリコンスラリーを直径5cm以下の粉末に粉砕するように構成されてもよい。このような粉砕過程(S50)を経ると、この実施形態の中間物の一つである含シリコン粉末が得られ、この粉末は規則的又は不規則的な任意の形状を呈していても構わない。
【0087】
次いで、ブリケット成形過程(S60)においては、粉砕過程(S50)を通じて得られた含シリコン粉末にバインダー(binder)を追加し且つ攪拌した後に、ブリケット成形器(80)を用いてブリケット(briquette)に成形することが行われる。ここでは、含シリコンスラリーを乾燥させ且つ粉砕して含シリコン粉末を用いてブリケットを形成する過程について説明するが、乾燥させ且つ粉砕する過程を行わない場合には、含シリコンスラリーを用いてブリケットを形成してもよい。
【0088】
ブリケット成形過程(S60)の具体的な構成例について説明すると、下記の通りである。
図5に示すように、ブリケット成形過程(S60)は、S62、S64及びS66過程を含んでいてもよい。
【0089】
S62過程においては、粉砕過程(S50)を通じて得られた含シリコン粉末に鉄成分(Fe source)及びバインダー(binder)を添加することが行われる。
鉄成分の追加は選択的に行われ、鉄成分を追加する理由の一つは、最終的に製造されるブリケットの比重を調節するためである。
【0090】
即ち、この実施形態に従い製造される最終物である昇熱及び成分調節用途のブリケットは、製鋼工程の溶鋼の製造過程において転炉に投入されるが、このブリケットの比重(specific gravity)が低過ぎると、ブリケットが溶融状態の溶鋼の内部に浸透することができず、その表面に浮遊してしまい、その結果、昇熱及び成分調節の効率が低下する。
【0091】
この実施形態は、これを防ぐために、含シリコン粉末に鉄成分を添加し、この実施形態において鉄成分の添加は選択的に行われる。このとき、鉄成分は、製鋼鉱滓を磁力選別などの選別工程を用いて選別したものであってもよい。
【0092】
例えば、ブリケット成形過程(S60)において、含シリコン粉末と、鉄成分及びバインダーの総重量を基準として、含シリコン粉末が約35〜97wt%になるように、鉄成分が約0〜50wt%になるように、且つ、バインダーは約3〜15wt%になるように設定されることが好ましい。ここで、「鉄成分が0wt%である」とは、鉄成分が添加されていない場合を意味する。
【0093】
また、S62過程において添加されるバインダーは、ブリケットの成形のために含シリコン粉末又はシリコン及び鉄成分を含有する粉末に粘性を与えるためものであり、糖蜜、澱粉、ベントナイト(bentonite)、消石灰、又は水ガラス(ケイ酸ナトリウム)のうちの少なくともいずれか一種を含んでいてもよい。
【0094】
更に、バインダーは、1次及び2次オイル洗浄工程において分離された水及び水溶性オイルと、分離工程において分離された水及び水溶性オイルと、のうちの少なくともいずれか一方を更に含んでいてもよい。
【0095】
バインダーを構成する材料成分間の混合割合は状況に応じて変更可能であり、このバインダーには、水が混合されてもよく、水溶性オイルが混合されてもよく、水及び水溶性オイルが両方ともが混合されてもよい。
【0096】
一例によれば、バインダーに水及び水溶性オイルを両方とも混合して用いる場合には、1次オイル洗浄過程(S10)において初期の廃スラリーから分離された水及び水溶性オイルを、バインダーに含まれる材料として再利用することができる。
【0097】
他の例によれば、バインダーに水を混合して用いる場合、分離過程(S20)を通じて水溶性オイルから分離された水を、バインダーに含まれる材料として再利用することができる。この場合、一部のSiが酸化されてSiO
2に変わって、最終製品である昇熱及び成分調節用途のブリケットの効率を低下させてしまうという問題が生じる虞がある。バインダーに水を混合して用いる場合には、Siの酸化を防ぐために、最小量の水を最短時間に混ぜてブリケット化させるように構成されることが好ましい。
【0098】
更に他の例によれば、バインダーに水溶性オイルを混合して用いる場合、分離過程(S20)を通じて水から分離された水溶性オイルを、バインダーに含まれる材料として再利用することができる。このように、水の代わりに水溶性オイルをバインダーに混合して用いる場合、Siの酸化を防ぐことができる。
【0099】
S64過程においては、バインダーが添加されている含シリコン粉末又は、シリコン及び鉄成分を含有する粉末の構成成分が適切に混合されるように攪拌することが行われる。もちろん、この攪拌のために、ブリケット成形器80を、自体的に攪拌が行えるように構成してもよく、別途の攪拌器を用いて攪拌してもよい。
【0100】
S66過程においては、バインダーが添加されて攪拌された含シリコン粉末又はシリコン及び鉄成分を含有する粉末を、ブリケット成形器80を用いて特定の形状を有するブリケットに成形することが行われる。
【0101】
以上、詳述したように、本発明によれば、半導体又は太陽電池ウェーハの製造時に発生する含シリコン廃スラリーを精製して粉末を作り、ここにバインダーを添加してブリケット化させることにより、ブリケットを製造することができる。従って、製鋼工程において溶鋼の昇熱及び成分調節用途のブリケットを安価に且つ効率よく製造可能な方法が提供されるという効果がある。
【0102】
また、環境汚染の原因となる含シリコン廃スラリーを焼却したり埋め込んだりすることなく、製鉄所の製鋼工場において溶鋼の昇熱剤及び成分調節用途に再生・再利用することができる。従って、廃棄物の処理費用を削減し、費用の節減による価格競争力を確保するとともに、製鋼過程において引き起こされる環境汚染を極力抑えることができるという効果がある。
【0103】
更に、含シリコン廃スラリーの粉末化工程において発生する水溶性オイル及び水を含有する廃水を、ブリケットの製造時に必要な添加剤として再利用して、排出される廃水の再処理を不要にしたり、廃水を再処理が不要になるようなレベルまで淨化して排出したりすることができる。従って、製鋼工程において溶鋼の昇熱及び成分調節用途に用いられるブリケットの、環境にやさしく且つ経済的に製造可能な方法が提供されるという効果がある。
【0104】
更にまた、ブリケットの製造過程において、含シリコン粉末の粘性を保つためのバインダーに、水の代わりに水溶性オイルを添加して再利用することができる。このため、シリコンの酸化による品質の低下が防止可能な昇熱及び成分調節用のブリケットの製造方法が提供されるという効果がある。
【0105】
更にまた、含シリコン廃スラリーを粉末化してこれをブリケットに成形して提供することができる。これにより、製鋼工程の転炉に投入し易く、粉末による火災や爆発のリスクを除去することができるという効果がある。
【0106】
これらに加えて、廃棄物とも認識されるシリコン粉末を、製鋼工程において溶鋼の昇熱及び成分調節用途のブリケット製品に成形して提供することができる。このため、廃棄物の国家間の移動などに関する規制から自由になるという効果がある。
【0107】
以上、添付図面と結び付けて本発明の技術思想について述べたが、これは、本発明の好適な実施形態を例示的に説明するものに過ぎず、本発明を限定するものではない。なお、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも本発明の技術思想の範囲を逸脱しない範囲内において種々の変形及び模倣が行えるということはいうまでもない。