(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6431980
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】金属の水平電気化学堆積法
(51)【国際特許分類】
C25D 21/00 20060101AFI20181119BHJP
C25D 17/00 20060101ALI20181119BHJP
C25D 21/04 20060101ALI20181119BHJP
C25D 5/00 20060101ALI20181119BHJP
C25D 7/12 20060101ALI20181119BHJP
H01L 31/0224 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
C25D21/00 J
C25D17/00 K
C25D21/00 A
C25D21/04
C25D5/00
C25D7/12
H01L31/04 260
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-521075(P2017-521075)
(86)(22)【出願日】2015年10月11日
(65)【公表番号】特表2017-536477(P2017-536477A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】CN2015091697
(87)【国際公開番号】WO2016062206
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2017年5月22日
(31)【優先権主張番号】201410557444.5
(32)【優先日】2014年10月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515317145
【氏名又は名称】蘇州易益新能源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】季静佳
(72)【発明者】
【氏名】覃楡森
(72)【発明者】
【氏名】朱凡
【審査官】
関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−536986(JP,A)
【文献】
特開2011−066425(JP,A)
【文献】
特開2001−049488(JP,A)
【文献】
特開平10−317186(JP,A)
【文献】
特表2011−505068(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0011745(US,A1)
【文献】
特表2013−513021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 7/00− 7/12
C25D 5/00− 5/56
H01L 21/288
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積(Horizontal Electrochemical Deposition of Metal)する方法であって、
上部の金属陽極が金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の上部の陰極表面よりも上側に配置され、或いは、電解質溶液が上部の金属陽極に接触した後に、連続的に下へ金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の上部の陰極表面に流れ、電解質溶液が下部の金属陽極を浸漬した後に、金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の下部の陰極表面に接触し、或いは、電解質溶液が下部の金属陽極に接触した後に、連続的に、上へ金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の下部の陰極表面に噴射すること、を特徴とする結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積する方法。
【請求項2】
結晶シリコン太陽電池の上部の陰極表面は、上記結晶シリコン太陽電池が、光照を受けて電気エネルギーを発生させて、太陽電池の負極表面自体において生じる上部の陰極表面であり、上記結晶シリコン太陽電池の下部の陰極表面は、上記結晶シリコン太陽電池が外部電源の負極に接触した後に生じる下部の陰極表面であること、を特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積する方法。
【請求項3】
前記上部の金属陽極が金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の上部の陰極表面よりも上側に配置されることは、上部の金属陽極が上記結晶シリコン太陽電池の上部の陰極表面における電解質溶液に接触されることであり、上記電解質溶液が前記下部の金属陽極を浸漬した後、電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の下部の陰極表面に接触し、あるいは、電解質溶液が下部の金属陽極に接触した後に、連続的に上へ金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の下部の陰極表面に噴射することは、下部の金属陽極を金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の下部よりも下側に配置される
、を特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積する方法。
【請求項4】
前記電解質溶液が上部の金属陽極を接触した後に、下へ連続的に金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の上部の陰極表面に流れることは、上部の金属陽極をいずれかの位置に置くことであり、電解質溶液がいずれかの位置の前記上部の金属陽極に接触した後に金属の電気化学堆積される予定の結晶シリコン太陽電池の上部の陰極表面に搬送することであること、を特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積する方法。
【請求項5】
前記金属の水平電気化学堆積法において、上部の金属陽極があり且つ下部の金属陽極がなく、前記結晶シリコン太陽電池の下表面以外の陰極表面に対して金属の電気化学堆積を行い、或いは、上部の金属陽極がなく且つ下部の金属陽極があり、前記結晶シリコン太陽電池の上表面以外の陰極表面に対して金属の電気化学堆積を行い、或いは、上部の金属陽極と下部の金属陽極とが共に存在し、結晶シリコン太陽電池のすべての陰極表面に対して金属の電気化学堆積を行うこと、を特徴とする請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積する方法。
【請求項6】
前記結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対して金属の電気化学堆積を行うことは、金属の光誘起電気化学堆積であり、あるいは、外部電源の金属の電気化学堆積であり、或いは、金属の光誘起電気化学堆積と外部電源の金属の電気化学堆積を同時に行うことであること、を特徴とする請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積する方法。
【請求項7】
前記結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対して金属の光誘起電気化学堆積を行うことは、外部電源の補助による金属の光誘起電気化学堆積であること、を特徴とする請求項6に記載の結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積する方法。
【請求項8】
前記上部の金属陽極及び下部の金属陽極は、可溶性陽極、又は非可溶性陽極であり、上部の金属陽極及び下部の金属陽極は、同一金属材料又は異なる金属材料であること、を特徴とする請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の結晶シリコン太陽電池の陰極表面に対し金属を水平方向に電気化学堆積する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属を電気化学堆積する方法に関し、特に、シート基板における、断続的又は連続的な金属の水平電気化学堆積法に関する。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、応用分野が広く、量産に適するメリットを有する。
【背景技術】
【0002】
現在、最も広く応用される結晶シリコン太陽電池の金属電極の生成方法は、スクリーン印刷技術を採用し、金属ペースト、例えば、銀ペーストや、アルミニウムペーストなどを、それぞれ、結晶シリコン太陽電池の負極及び正極表面に印刷することである。これらの金属ペーストは、高温焼結された後に、結晶シリコン太陽電池の金属電極を形成する。当該方法のメリットは、プロセスが簡単であり、量産しやすいことである。
【0003】
結晶シリコンの原材料のコスト及び価格の大幅低下により、銀ペーストは、結晶シリコン太陽電池の製造コストにおける割合は、連続的に上昇する。特に、銀粉末の価格の向上により、銀ペーストは、結晶シリコン太陽電池の総コストにおいて、15%以上占める。そのため、一部又は全部の銀ペーストの代わりに、価格が低い金属を採用することは、結晶シリコン太陽電池の製造コストの低下にとっては、顕著な意味を有している。
【0004】
金属銅は、高価な銀ペーストを置換する方法の1つである。しかしながら、高温で、結晶シリコンに拡散した金属銅は、明らかに結晶シリコンの少数の担体寿命に影響する。そのため、金属銅は、低温で結晶シリコン太陽電池に堆積するだけであり、それにより、結晶シリコン太陽電池の電極を生成する。
【0005】
以上の温度制限により、金属銅により銀ペーストを置換する方法は、以下の通りである、まず、結晶シリコン太陽電池負極に一層の少量の銀ペーストをスクリーン印刷し、高温焼結した後に、銀ペーストと結晶シリコン太陽電池の負極とが抵抗接点を形成し、即ち、結晶シリコン太陽電池の金属電極を生成し、その後に、当該銀ペーストには、さらに、銅金属の電気化学堆積を行い、結晶シリコン太陽電池が発生する電気エネルギーを収集して伝送する要求を満足する。
【0006】
また、金属銅により銀ペーストを置換する方法は、結晶シリコン太陽電池に直接的に各種の金属、例えばニッケル・銅・銀積層を電気化学堆積し、最終に結晶シリコン太陽電池の金属電極を生成する。
【0007】
銀ペーストをスクリーン印刷する技術に比べて、金属の電気化学堆積は、プロセスが簡単であり、製造コストが低い、結晶シリコン太陽電池金属電極の生成方法である。そのため、電気化学の方法を利用して結晶シリコン太陽電池に金属を堆積することは、現在、相当に活発的な技術研究分野である。
【0008】
特許CN101257059Aには、結晶シリコン太陽電池が光照を受けた後に発生する電位差を利用し、結晶シリコン太陽電池の負極表面に金属を電気化学堆積する方法、即ち、金属の光誘起電気化学堆積法を実施することを開示する。当該方法は、信頼できる結晶シリコン太陽電池の正極電子接触技術がないので、当該方法は、実験室に応用するだけである。
【0009】
特許CN102083717Aには、結晶シリコン太陽電池の正極電子接触方法を開示し、金属の電気化学堆積が結晶シリコン太陽電池の量産過程に応用される。しかしながら、当該方法は、2つの欠点がある。一方、結晶シリコン太陽電池の負極表面は、上部金属バネローラの作用で、下ローラと持続的に摩擦し、結晶シリコン太陽電池の負極表面を損傷するだけでなく、金属を電気化学堆積する方法により堆積する金属電極にも一定の破壊を引き起こす。他方、当該方法は、その応用の局限性を有し、当該方法は、アルミニウム裏面電界をスクリーン印刷する結晶シリコン太陽電池のみに応用される。
【0010】
光電変換効率を向上するために、結晶シリコン太陽電池の裏面表面安定化技術は、次第に、従来の結晶シリコン太陽電池のアルミニウム裏面電界技術を置換する。裏面表面安定化技術を採用した後に、結晶シリコン太陽電池の正極は、金属を電気化学堆積する方法を採用して結晶シリコン太陽電池の電極を生成することができる。しかしながら、以上に開示される2つの金属を電気化学堆積する方法は、結晶シリコン太陽電池の負極のみで、金属の電気化学堆積を行う。このように、結晶シリコン太陽電池の負極及び正極の電極には、共に金属を電気化学堆積する方法を採用して電極を生成する必要があると、必ず、その負極及び正極に対して、それぞれ、金属の電気化学堆積過程を行い、量産にとっては不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上の既存技術の欠点について、本発明は、シート基板における金属の水平電気化学堆積法を提供する。
【0012】
本発明の目的の一つは、金属の電気化学堆積を採用して結晶シリコン太陽電池に金属電極を生成する方法を求めるものであり、当該方法は、金属の電気化学堆積過程において、結晶シリコン太陽電池の負極表面がいずれかの固体に接触せず、結晶シリコン太陽電池の負極表面、及び金属が堆積された後に、固体との摩擦による損傷を避ける。
【0013】
本発明の別の目的は、金属の電気化学堆積を採用して結晶シリコン太陽電池に金属電極を生成する方法を求めるものであり、当該方法は、同時に結晶シリコン太陽電池の負極表面及び正極表面に対して、金属の電気化学堆積過程を実施することができ、両面結晶シリコン太陽電池の金属電極生成プロセスを簡易化する。
【0014】
本発明の更なる目的は、金属の電気化学堆積を採用して結晶シリコン太陽電池に金属電極を生成する方法を求めるものであり、当該方法は、広い適用性及び実用性を有し、即ち、当該方法は、単独に太陽電池のp型電極に電気めっきすることができるが、単独に太陽電池のn型電極にも電気めっきすることができ、或いは、太陽電池のp型電極及びn型電極には同時に電気めっきを実施することができる。
【0015】
本発明の最後の目的は、金属の電気化学堆積を採用して結晶シリコン太陽電池に金属電極を生成する方法を求める以外に、さらに、適用性がより広い、そのほかのシート基板における金属を電気化学堆積する方法を求めるものであり、本発明の応用範囲を拡大する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を実現するために、本発明は、シート基板に金属を電気化学堆積する方法を実施することを開示する。本発明に開示されるシート基板における金属を電気化学堆積する方法は、金属の電気化学堆積プロセスにおける上部の金属陽極を金属の電気化学堆積される予定のシート基板上表面における電解質溶液の上方、或いは、そのほかの箇所に置かれ、金属の電気化学堆積プロセスにおける電解質溶液が上部の金属陽極を通過した後にシート基板の上表面に流れることである。上部の金属陽極は、正電位の作用で酸化反応を発生し、電子を失って金属イオンを生成した後に、電解質溶液と共に、シート基板の上表面に流れる。電解質溶液内の金属イオンは、シート基板の陰極表面において電子が得られ、固体金属を生成して、かつシート基板の陰極表面に堆積する。
【0017】
本発明のメリットの1つは、上部の金属陽極において酸化反応を発生して生成する金属イオンは、流れる電解質溶液により適時に陰極表面に搬送され、当該金属の電気化学堆積過程における酸化還元反応の有効性を向上させる。同様に、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法において、陰極表面は、持続的に上から下への電解質溶液に洗い出され、金属イオンの濃度が当該陰極表面のいずれかの位置でも、終始均一であり、それにより、金属堆積の均一性を向上させる。さらに、陰極表面が持続的に上から下への電解質溶液に洗い出される過程により、さらに、いずれかの生成するガスが陰極表面に積み上げられることを回避することができる。
【0018】
本発明の別のメリットは、本発明に係る金属の電気化学堆積の実施過程において、シート基板の上表面は、いずれかの固体と接触しない。本発明の金属を電気化学堆積する方法は、結晶シリコン太陽電池負極(n型表面)表面に応用されて金属を堆積する時に、即ち、シート基板が結晶シリコン太陽電池である場合、本発明のこのメリットは、より明らかである。例えば、現在、大部分の結晶シリコン太陽電池の主受光面が負極であり、負極主受光面の品質は、直接的に当該結晶シリコン太陽電池の光電変換効率に直接的に関連する。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、結晶シリコン太陽電池の負極表面がいずれの固体とも接触しないので、結晶シリコン太陽電池の負極表面が破壊される可能性を低減する。
【0019】
結晶シリコン太陽電池は、光照で電気エネルギーを発生し、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、結晶シリコン太陽電池表面に応用して金属を堆積する時に、金属の光誘起電気化学堆積法を採用することができる。金属の光誘起電気化学堆積法を採用する時に、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、結晶シリコン太陽電池負極の上方における電解質溶液の液体厚さが小さく、電解質溶液の光に対する吸収を減少し、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する場合、最大限度で光照エネルギーを利用することができる。
【0020】
本発明の別のメリットは、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法が実際の応用において活用することができることである。例えば、従来の外部電源の方法を使用して本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施することができる。金属の光誘起電気化学堆積法を使用して本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施することもできる。さらに、従来の外部電源の方法及び金属の光誘起電気化学堆積法は、同時に本発明に係る金属を電気化学堆積する方法に適用できる。
【0021】
本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、実際応用において活用できる別の特徴が、金属の電気化学堆積プロセスにおける回路が閉鎖することを保証する条件で、金属陽極の位置が多くの選択を有する。例えば、金属陽極は、直接的に金属の電気化学堆積の負極表面に対向しないことができる。
【0022】
シート基板が結晶シリコン太陽電池である場合、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、結晶シリコン太陽電池の負極表面において本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施することができるが、結晶シリコン太陽電池の正極において本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施することもでき、さらに、同時に結晶シリコン太陽電池の負極及び正極において、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施することができる。そのため、本発明の1つの重要なメリットとしては、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、太陽電池の正極及び負極において、同時に金属の電気化学堆積を行うことを可能にする。
【0023】
本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、非常に水平前進式構造を有する装置に適用する。水平前進式装置は、材料供給及び材料排出のステップを十分に簡単にし、生産ランの自動化を実現する上で有利である。
【0024】
本発明の別のメリットは、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する装置が、非常に簡単なことである。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する過程において、シート基板には、一層の電解質溶液があり、当該電解質溶液層の自重により、シート基板をそれを支持する導電性ローラに密着させることができ、そのため、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する電解質溶液溝には、上ローラを必要としてしなくてもよく、装置の構造を簡易化するだけでなく、装置のコストを節約する。これらのメリットは、シート基板が可撓性材料である時に、より重要である。
【0025】
当然ながら、本発明の別のメリットは、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、連続的な金属の電気化学堆積には適用され、断続的な金属の電気化学堆積にも適用される。つまり、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を採用し、連続的な金属の電気化学堆積を採用しても、断続的な金属の電気化学堆積を採用しても、発生した結果が共通である。例えば、実験室において本発明に係る断続的な金属を電気化学堆積する方 法を採用した結果は、いずれかの修正を行わず、量産の水平前進式装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のp型スクリーン印刷電池における応用の1つを示す断面模式図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の導電性シート基板における応用の1つを示す断面模式図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のn型両面電池における応用の1つを示す断面模式図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のp型太陽電池における応用の1つを示す断面模式図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のシート基板における応用の1つを示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面を参照し、さらに、本発明を詳しく説明する。明らかに、これらの説明は、本発明を限定するためのものではない。本発明の精神及びその実質を脱離しない場合、当業者は、本発明に基づいて、各種のほかの相応する組合せや、変更、修正を行うことができる。これらの相応する組合せや、変更、修正は、本発明の請求範囲に含まれる。
【0028】
図1は、金属の光誘起電気化学堆積法により本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する実施例を示す。本実施例において、シート基板90は、p型結晶シリコンスクリーン印刷太陽電池である。p型結晶シリコンスクリーン印刷太陽電池とは、当該電池の正極の金属電極320がアルミニウムペーストをスクリーン印刷した後に焼結してなる。p型結晶シリコンスクリーン印刷太陽電池90の構造において、スクリーン印刷するアルミニウムペーストは、基本的に、当該太陽電池の正極面積の大部分をカバーする。p型結晶シリコンスクリーン印刷太陽電池90の負極表面310が光源80からの光照を受けた後に電気エネルギーを発生し、金属電極320に発生する正電位が、それを支持する導電性ローラ60により本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の上部の金属陽極20に伝送する。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法における上部の金属陽極20は、p型結晶シリコンスクリーン印刷太陽電池の正電位の作用で、酸化反応を発生して、電子を失って金属イオンを生成する。生成する金属イオンは、電解質溶液40と共にp型結晶シリコンスクリーン印刷太陽電池90の負極表面310に流れ、電解質溶液40内の金属イオンは、上部の金属陽極20の下方のp型結晶シリコンスクリーン印刷太陽電池90の負極表面310の絶縁されていない面積において電子が得られ、還元反応を発生して金属を生成して、かつp型結晶シリコンスクリーン印刷太陽電池の負極表面310の絶縁されていない面積に堆積し、それにより、当該システムにおいて、本発明に係る、完全な金属を電気化学堆積する方法の光誘起電気化学酸化還元反応を完了する。
【0029】
金属を光誘起電気化学堆積するレートを速くしたり、金属の光誘起電気化学堆積の光源80照度に対する要求を低減するために、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、
図1に示す実施例において外部電源のを追加することができる。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のこの応用において、外部電源の正極と上部の金属陽極20とを接続し、外部電源のの負極と導電性ローラ60とを接続し、外部電源の電位により、金属の電気化学堆積の電位差を増加する。
【0030】
図1に示す実施例において、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、上部の金属陽極20を電解質溶液40の液面42上方に置かれる。上部の金属陽極20は、管状形式に作成することができる。上部の金属陽極20を管状形式に作成する実施例において、電解質溶液40は、上部の金属陽極20の内表面に接触し、直接的に上部の金属陽極20の管内から本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のシート基板90の負極表面310へ流れる。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法における上部の金属陽極20を管状形式に作成することにより、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の実施装置を簡易化することができる。
【0031】
別の実施例において、上部の金属陽極20は、電解質溶液ダクト30内に置かれることができ、電解質溶液ダクト30が不活性材料管、例えば、プラスチック管又はガラス管などを使用することができる。電解質溶液40は、上部の金属陽極20の外表面に接触し、電解質溶液ダクト30から本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の太陽電池のシート基板90の負極上表面310に流れる。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のこの構造設計により、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の上部の金属陽極20の利用率を向上させることができる。
【0032】
ある実施形態において、上部の金属陽極20は、電解質溶液40の液面42より高くてもよい。そのほかの実施形態において、電解質溶液40の液面42の上方における上部の金属陽極20は、低くて電解質溶液40の液面42に接触してもよい。
【0033】
本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の上部の金属陽極20を流れた電解質溶液40は、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の太陽電池のシート基板90の負極上表面310へ流れる。シート基板90の負極上表面310から流れ出す電解質溶液40は、電解質溶液溝50により収集した後に、電解質溶液ダクト30に戻し、それにより、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の上部の金属陽極20を流れた後に、さらに、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のシート基板90の負極上表面310へ流れる電解質溶液循環を完了する。
【0034】
図1において、導電性ローラ60は、シート基板90を支持している。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のある実施例において、導電性ローラ60は、左右回動することができ、それにより、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法で堆積した金属がより均一になっている。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の別の実施例において、導電性ローラ60は、1つの方向へ回動することができ、例えば、水平前進式構造を有する、ある量産設備において、1つの方向へ回動する導電性ローラ60は、連続的に本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を完了することができる。
【0035】
導電性ローラ60は、金属材料を採用することができる。本発明のある実施例において、絶縁材料を採用して当該金属導電性ローラの大部分の導電性が必要ではない面積をカバーすることができ、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の実施過程において、短絡による電位差の損失を減少させる。本発明の別のある実施例において、導電性ローラ60は、絶縁材料を採用することができる。これらの実施例において、導電性材料を採用して、導電性が必要である導電性ローラ60の面積を接続し、それにより、導電性ローラの効果を実現することができる。
【0036】
本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のそのほかのある応用において、導電性ローラ60は、所定数の固定導電性支持点に置換されることができ、特に、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法において金属の断続的電気化学堆積法を採用する際、所定数の固体導電性支持に代わることにより、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法をより簡単にすることができる。
【0037】
太陽電池の以外、本発明に係る金属の水平電気化学堆積法は、さらに、そのほかのシート基板に拡大適用することができる。
図2に示すように、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のある実施例において、シート基板10は、導体であり、即ち、シート基板10の上表面と下表面との間の導電性性質がシート基板10自体の導電性性質により決められる。
【0038】
さらに、本発明に係る上部の金属陽極は、一般の物理的上方の金属陽極ではなく、金属の電気化学堆積の意味でシート基板10の上表面陰極の上部の金属陽極である。或いは、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法において、電解質溶液は、金属陽極に接触した後にシート基板10の上表面へ流れる金属陽極被は、上部の金属陽極と称される。そのため、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の具体的実施例において、上部の金属陽極をいずれかの適当な位置に置かれることができる。
図2に示す実施例において、上部の金属陽極20は、電解質溶液溝50の底部に置かれる。電解質溶液40は、上部の金属陽極20に接触した後に、送液管32を介してシート基板10の上表面に搬送する。送液管32は、電解質溶液液面42の上方に取り付けられてもよく、電解質溶液液面42に非常に近接する位置に取り付けられてもよく、また、低くて電解質溶液液面42に接触してもよい。
【0039】
図2に示す実施例において、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法における上部の金属陽極20は、電源70の正極に接続され、導電性ローラ60は、電源70の負極に接続される。上部の金属陽極20は、電源70の正電位の作用で、酸化反応を発生して電子を失って金属イオンを生成する。生成する金属イオンは、電解質溶液40と共に、シート基板10の上表面300に流れ、電解質溶液40内の金属イオンがシート基板10の上表面において電子が得られ、還元反応を発生して金属を生成して、かつシート基板10の陰極表面に堆積される。シート基板10は、導電性ローラ60を介して、電源70の負極から連続的に電子が得られ、それにより、当該システムにおいて、本発明に係る、完全な金属を電気化学堆積する方法の電気化学酸化還元反応を完了する。
【0040】
本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の別の実施例において、シート基板10の材料は、導体ではなくてもよく、例えば、プリント基板であってもよい。これらの実施例において、シート基板10は、ある特定の処理、例えば、導電性孔を使用する方法により、導電性ローラ60の伝導及び電源70の負極の負電位の作用で、シート基板10に陰極表面を発生させ、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を完了する。
【0041】
別の実施例において、シート基板10は、剛性基板、例えば、剛性プリント基板である。そのほかのある実施例において、シート基板10は、可撓性基板、例えば、可撓性プリント基板であってもよい。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法において、固体がシート基板10の上表面と接触しないので、シート基板の上表面に対していずれかの損傷をもたらさない。そのため、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、特に、可撓性基板に対して金属の電気化学堆積を行うことに適用する。
【0042】
さらに、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、さらに、外部電源と光誘起電源とが発生した電位差を利用して、それぞれ、シート基板の2つの表面に対して、同時に金属の電気化学堆積を行うことができる。
図3は、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法が主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池の正極及び負極に対して、同時に金属の電気化学堆積を行う実施例を示す。当該実施例において、シート基板は、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200である。当該電池の主受光面が正極であるので、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する時、
図3に示すように、光源80を当該結晶シリコン太陽電池200の下方に移動することができる。光源80が発生する光は、光透過電解質溶液容器50を透過して、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の主受光面に照射する。
【0043】
本実施例において、上部の金属陽極20と下部の金属陽極24とは、共に、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の上方に位置する。電解質溶液40が上部の金属陽極20に接触した後に、送液管34を介して主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の上表面、即ち、その負極表面350に搬送する。電解質溶液40が下部の金属陽極24に接触した後に、送液管36を介して主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の下表面、即ち、その正極表面360に搬送される。送液管34は、電解質溶液液面42の上方に取り付けられてもよく、電解質溶液液面42に非常に近接する位置に取り付けられてもよく、また、低くて電解質溶液液面42に接触してもよい。送液管36は、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の下方に取り付けられる。送液管36は、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200に非常に近接する下表面に取り付けられることが好ましい。本実施例において、上部の金属陽極20と下部の金属陽極24とが相対的に集中する箇所に置かれ、量産において本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の実施装置を簡易化する。
【0044】
主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の正極360及び負極350という2つの電極において、同時に本発明に係る金属の電気化学堆積を行う目的を実現するために、本発明のこの実施例において、外部電源の70の正極と下部の金属陽極24とが接続し、外部電源の70の負極とシート基板200を支持する導電性ローラ60とが接続する。主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の正極360は、外部電源の70の作用で、かつシート基板200を支持する導電性ローラ60の伝導で、電気化学反応において、下部の金属陽極24に対して陰極である。このように、電解質溶液40内の金属イオンは、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の正極360の絶縁されていない面積において電子を受けた後に、金属を生成して、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の正極360の絶縁されていない面積に堆積する。
【0045】
本発明の当該実施例において、光源80をオンにすると、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200は、電気エネルギーを発生する。当電解質溶液40は、上部の金属陽極20を通過して主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の負極350の表面の絶縁されていない面積に流れた後に、電解質溶液40内の金属イオンが電子を受けて、金属を生成した後に、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の負極350の絶縁されていない面積に堆積する。上部の金属陽極20は、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の正極360の作用で、シート基板200を支持する導電性ローラ60の伝導により、上部の金属陽極20が酸化反応を発生した後に金属イオンを生成して、かつ電解質溶液40に溶解し、完全な電気化学酸化還元反応を完了する。当該実施例において、光源80と外部電源の70とを同時にオンすると、当該システムは、それぞれ、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200に対して、同時に負極350表面に対する金属の光誘起電気化学堆積及び正極350表面の外部電源に対する金属の電気化学堆積を行う。
【0046】
電気化学酸化還元反応において、電位差は、当該電気化学反応のレートを決める。金属の光誘起電気化学堆積法を利用して本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する過程において、光源80の光強度を調節することにより、太陽電池200が発生する電位を調節し、それにより、太陽電池200の負極350に金属を堆積するレートを調節する。他方、電源70の電位を調節し、太陽電池200の正極360に金属を堆積するレートを制御することにより、最終、太陽電池200の正極360及び負極350における金属の電気化学堆積のレートを任意に制御することができる。
【0047】
本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のほかのある実施例において、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の正極360、即ち、シート基板200を支持する導電性ローラ60に接続することに代わりに、上部の金属陽極20を下部の金属陽極24に接続する。このような接続方法は、主受光面が正極であるn型結晶シリコン両面太陽電池200の負極350における金属の電気化学堆積のレートの光源80の光照強度に対する依存度を低減することができる。
【0048】
実施例3を略変化すると、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、外部電源と光誘起電源とが発生する電位差を利用して、それぞれ、p型結晶シリコン太陽電池の2つの表面に対して、同時に金属の電気化学堆積を行う。
図4は、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法が主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池の正極及び負極に対して、同時に金属の電気化学堆積を行う実施例を示す。当該実施例において、シート基板は、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200である。当該主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200は、絶縁ローラ60により支持される。当該電池の主受光面が負極であるので、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する時、
図4に示すように、光源80を当該結晶シリコン太陽電池200の下方に移動することができる。光源80が発生する光は、光透過電解質溶液容器50を透過して、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の主受光面に照射する。
【0049】
本実施例において、上部の金属陽極24と下部の金属陽極20とは、それぞれ、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の上方および下方に位置する。本実施例において、上部の金属陽極24は、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の上表面に置かれるが、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の上表面に接触しない。電解質溶液40が上部の金属陽極24に接触した後に、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の上表面、即ち、その正極表面360に流れる。上部の金属陽極24は、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の上表面に物理的接触しないが、上部の金属陽極24は、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の上表面との距離が小さいので、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の上表面には電解質溶液がある時、上部の金属陽極24は、電解質溶液の表面に接触してしまう。下部の金属陽極20は、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の下表面の下方に置かれ、かつ直接的に電解溶液40に浸漬する。
【0050】
主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の正極360及び負極350という2つの電極において、同時に本発明に係る金属の電気化学堆積を行う目的を実現するために、本発明のこの実施例において、外部電源の70の正極と上部の金属陽極24とが接続し、外部電源の70の負極と導電性ローラ66とが接続する。主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の正極360は、外部電源の70の作用で、かつ導電性ローラ66の伝導で、電気化学反応において、上部の金属陽極24に対して陰極である。このように、電解質溶液40内の金属イオンは、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の正極360の絶縁されていない面積において電子を受けた後に、金属を生成して、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の正極360の絶縁されていない面積に堆積する。
【0051】
本発明の当該実施例において、光源80をオンすると、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200は、電気エネルギーを発生する。電解質溶液40内の金属イオンは、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の負極350の表面において、電子を受けて、金属を生成した後に、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の負極350の絶縁されていない面積に堆積する。下部の金属陽極20は、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200の正極360の作用で、導電性ローラ66の伝導で、下部の金属陽極20は、酸化反応を発生した後に、金属イオンを生成して、かつ電解質溶液40に溶解し、完全な電気化学酸化還元反応を完了する。当該実施例において、光源80と外部電源の70を同時にオンすると、当該システムは、それぞれ、主受光面が負極であるp型結晶シリコン太陽電池200に対して、負極350表面に対する金属の光誘起電気化学堆積及び正極360表面の外部電源に対する金属の電気化学堆積を行う。
【0052】
電気化学酸化還元反応において、電位差は、当該電気化学反応のレートを決める。金属の光誘起電気化学堆積法を利用して本発明に係る金属を電気化学堆積する方法を実施する過程において、光源80の光強度を調節することにより、太陽電池200が発生する電位を調節し、それにより、太陽電池200の負極350に金属を堆積するレートを調節する。他方、電源70の電位を調節し、太陽電池200の正極360に金属を堆積するレートを制御することにより、最終、太陽電池200の正極360及び負極350の金属の電気化学堆積のレートを任意に制御することができる。
【0053】
両面太陽電池の以外、本発明に係る金属の水平電気化学堆積法は、いずれかのシート基板の2つの表面に対して、同時に金属の電気化学堆積を行うことに拡大適用することができる。
図5に示すように、当該実施例において、シート基板100は、絶縁体であり、シート基板100の上表面と下表面との間の導電性性質は、上表面、下表面を接続する導電性孔400により実現する。
【0054】
当該実施例において、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、上部の金属陽極20を電解質溶液40の液面42の上方に置かれる。ある実施形態において、上部の金属陽極20を管状形式に作成することができる。上部の金属陽極20を管状形式に作成する実施例において、電解質溶液40は、金属陽極20の内表面を流れ、直接的に金属陽極20の管内から本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のシート基板100の上表面に流れることができる。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法における金属陽極20を管状形式に作成することにより、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の実施装置を簡易化することができる。
【0055】
そのほかのある実施例において、金属陽極20は、電解質溶液ダクト30内に置かれることができ、電解質溶液ダクト30が不活性材料管、例えば、プラスチック管又はガラス管などを使用することができる。電解質溶液40は、金属陽極20の外表面に接触し、電解質溶液ダクト30から本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のシート基板100の上表面に流れることができる。本発明に係る金属を電気化学堆積する方法のこの構造設計により、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の金属陽極20の利用率を向上させることができる。
【0056】
ある実施形態において、金属陽極20は、電解質溶液40の液面42より高くてもよい。そのほかの実施形態において、電解質溶液40の液面42の上方における上部の金属陽極20は、低くて電解質溶液40の液面42に接触してもよい。当該実施例において、下部の金属陽極22は、電解質溶液の容器50の底部に置かれる。電解質溶液容器50内の電解質溶液40の液面は、ちょうどシート基板100の下表面に接触する。
【0057】
図5に示される実施例において、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の上部の金属陽極20及び下部の金属陽極22は、同時に電源70の正極に接続され、シート基板100を支持する導電性ローラ60は、電源70の負極に接続される。上部の金属陽極20及び下部の金属陽極22は、電源70の正電位の作用で、酸化反応を発生して電子を失って金属イオンを生成する。生成する金属イオンは、電解質溶液40と共に、シート基板100の上表面に流れ、或いは、電位差の作用で下から上へ電解質40を通過してシート基板の下表面に移行し、電解質溶液40内の金属イオンは、シート基板100の陰極表面において電子が得られ、還元反応を発生して金属を生成して、かつシート基板100の陰極表面に堆積する。シート基板100は、シート基板100を支持する導電性ローラ60により、電源70の負極から連続的に電子が得られ、それにより、当該システムにおいて、本発明に係る、完全な金属を電気化学堆積する方法の電気化学酸化還元反応を完了する。
【0058】
以上の実施例において、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、さらに、2つの外部電源を採用し、それぞれ、シート基板の上表面、下表面に対する金属の電気化学堆積を行い、かつそれぞれ、シート基板の上表面、下表面における金属の電気化学堆積のレートを制御する。例えば、上部の金属陽極20をその内の1つの外部電源の正極に接続し、下部の金属陽極22を別の外部電源のの正極に接続し、2つの外部電源の負極を同時にシート基板100を支持する導電性ローラ60に接続する。上部の金属陽極20及び下部の金属陽極22は、それぞれ、2つの電源の正電位の作用で、酸化反応を発生し、電子を失って金属イオンを生成する。生成する金属イオンは、電解質溶液40と共に、シート基板100の上表面に流れ、或いは、電位差の作用で、下から上へ電解質40を通過してシート基板の下表面に移行し、電解質溶液40内の金属イオンは、シート基板100の陰極表面において電子が得られ、還元反応を発生して金属を生成し、かつシート基板100の陰極表面に堆積する。シート基板100は、シート基板100を支持する導電性ローラ60により、それぞれ、2つの外部電源の負極から連続的に電子が得られ、それにより、当該システムにおいて、本発明に係る、完全な金属を電気化学堆積する方法の電気化学酸化還元反応を完了する。2つの当該外部電源を調節することにより、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法は、それぞれ、単独にシート基板100の上表面、下表面における金属の電気化学堆積のレートを制御することを実現することができる。
【0059】
異なる金属の電気化学堆積の応用に応じて、そのほかの実施例において、本発明に係る金属を電気化学堆積する方法の上部の金属陽極20及び下部の金属陽極22は、非溶解陽極を使用することもできる。これらの実施例において、本発明に係る金属の電気化学堆積における金属イオンは、上部の金属陽極20及び下部の金属陽極22により発生するものではなく、電解質溶液40に溶解する金属酸化物により提供される。