特許第6431982号(P6431982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6431982バッテリモジュールのための収容器、及び、このような収容器を有するバッテリモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6431982
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】バッテリモジュールのための収容器、及び、このような収容器を有するバッテリモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20181119BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20181119BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20181119BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20181119BHJP
【FI】
   H01M2/10 S
   H01M2/10 E
   H01M10/613
   H01M10/647
   H01M10/6556
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-525570(P2017-525570)
(86)(22)【出願日】2015年10月19日
(65)【公表番号】特表2017-534156(P2017-534156A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】EP2015074168
(87)【国際公開番号】WO2016074885
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年5月11日
(31)【優先権主張番号】102014223047.0
(32)【優先日】2014年11月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】コールベルガー、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ、ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ、ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ヨルク、ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】クラスニキ、クシュトリム
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァインベンツ、ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】パクズコウスキー、ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ライマー、エドゥアルト
(72)【発明者】
【氏名】リーポルト、ディルク
(72)【発明者】
【氏名】リカ、イオヌート マリアン
(72)【発明者】
【氏名】ベンツ、シュテッフェン
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−214497(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/066875(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/145917(WO,A1)
【文献】 特開2011−154985(JP,A)
【文献】 特開2014−044884(JP,A)
【文献】 特開2012−256467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10、10/52−10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリモジュールのための少なくとも1つのバッテリセル(12)を少なくとも部分的に押圧しながら収容するための収容器(34)であって、前記収容器(34)は、前記少なくとも1つのバッテリセル(12)の2つの対向する側に配置可能な少なくとも2つのエンドプレート(10)を有する、前記収容器(34)において、
前記少なくとも2つのエンドプレート(10)は、当該エンドプレート(10)に固定されており少なくとも2つの差込要素(28)を各々が有する複数の結合手段(24)によって、以下のような形態により結合されており、即ち、
前記結合手段(24)の前記差込要素(28)が、前記エンドプレート(10)での当該結合手段(24)の固定のために、前記エンドプレート(10)のスリーブ(22)であって、当該結合手段(24)の伸長方向に対してほぼ直交して配置された平面上に伸びる前記スリーブ(22)に嵌まるという形態により結合されており、
前記差込要素(28)が前記結合手段(24)の一部として一体に形成されていることを特徴とする、収容器(34)。
【請求項2】
前記スリーブ(22)は、前記エンドプレート(10)を完全に貫通することを特徴とする、請求項1に記載の収容器(34)。
【請求項3】
対にして配置された少なくとも4つのエンドプレート(10)が設けられ、前記エンドプレート(10)は2つずつ、スリーブ(22)と一直線に並んで配置された状態で、互いに上下に位置付けられることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の収容器(34)。
【請求項4】
対にして配置された少なくとも4つのエンドプレート(10)が設けられ、前記エンドプレート(10)は2つずつ、スリーブ(22)と平行に配置された状態で、互いに平行に位置付けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の収容器(34)。
【請求項5】
前記スリーブ(22)は、金属材料から形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の収容器(34)。
【請求項6】
前記エンドプレート(10)は、プラスチックから形成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の収容器(34)。
【請求項7】
前記エンドプレート(10)は、少なくとも部分的に、ハニカム形状の構造(14)を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の収容器(34)。
【請求項8】
前記結合手段(24)は、金属材料から形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の収容器(34)。
【請求項9】
少なくとも1つのバッテリセル(12)を含むバッテリモジュールであって、前記バッテリモジュールは、前記少なくとも1つのバッテリセル(12)を収容するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの収容器(34)を有することを特徴とする、バッテリモジュール。
【請求項10】
少なくとも1つの温度調整要素(36)が設けられ、前記温度調整要素(36)は、少なくとも1つのエンドプレート(10)のスリーブ(22)と一直線に並んで配置されたスリーブ(38)を有し、少なくとも1つの結合手段(24)の前記差込要素(28)は、前記温度調整要素(36)の前記スリーブ(38)を通って案内され、又は、少なくとも1つの温度調整要素(36)が結合手段(24)として機能することを特徴とする、請求項9に記載のバッテリモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に少なくとも1つのバッテリセルを固定し場合により押圧するための、バッテリモジュールのための収容器に関する。さらに、本発明は、このような収容器を有するバッテリモジュールであって、収容器内には少なくとも1つのバッテリセルが配置されている、上記バッテリモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばリチウムイオン電池のような電気化学的なエネルギー貯蔵器が、広く多くの日常の用途において普及している。電気化学的なエネルギー貯蔵器は、例えば、ラップトップ(Laptop)、携帯電話、スマートフォン等のコンピュータで、さらに他の用途において使用されている。現在強く推進されている車両の電化、例えば電気自動車又はハイブリッド自動車等の自動車の電化においても、このようなバッテリによって利点がもたらされる。
【0003】
例えば自動車用途の分野のためのリチウムイオン電池は、複数の個別のバッテリセルを含むことが多い。この複数のバッテリセルは、電圧レベル又は電流レベルを上げるために互いに並列又は直列に接続され、機械的に1つに組み立てられてモジュールとなる。その際に、上記セルは、金属製のハウジングを備えていることが多く、ハウジング内には、例えば、巻回されて形成された電極を含むセルユニットが存在する。
【0004】
ハウジング内に配置されたセルユニットは、ともすれば、温度が上昇した際に又は充電過程若しくは放電過程によって膨らみ又は膨張する可能性がある。これにより、上記セルの内部抵抗がより大きくなり、上記セルの性能が下がる。従って、締め付けベルトを用いてモジュールに対して外部から力を付与し、このようにしてセルを纏めて押し込んで膨張を防止することが知られている。代替的に、セルの膨張に抗して作用するフレームでバッテリセルを囲むことが知られている。このようなフレームは、溶接された部品で構成されることが多く、又は、フレームも同様に締め付けベルトを有する。
【0005】
独国特許出願公開第102010046529号明細書には、少なくとも1つのバッテリセルを収容する四角形のフレームシステムが開示されている。このようなフレームシステムは、2つの圧迫プレート及び2つの側部を有し、2つの側部が2つの圧力板に固定されている。
【0006】
公開されていない独国特許出願第102014216407号明細書には、さらに、バッテリモジュールのための少なくとも1つのバッテリセルを少なくとも部分的に押圧しながら収容するための収容器が開示されており、この収容器は、少なくとも1つのバッテリセルの2つの対向する側に配置可能な2つのエンドプレートを有し、このエンドプレートは、当該エンドプレートに固定された複数の棒状の支持体によって結合されており、その際に、支持体は、少なくとも1つのバッテリセルの各稜部を少なくとも二次元で支持するよう構成されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バッテリモジュールのための少なくとも1つのバッテリセルを少なくとも部分的に押圧しながら収容するための収容器であって、収容器は、少なくとも1つのバッテリセルの2つの対向する側に配置可能な少なくとも2つのエンドプレートを有する、上記収容器に関する。上記少なくとも2つのエンドプレートは、当該エンドプレートに固定されており少なくとも2つの差込要素を各々が有する複数の結合手段によって、以下のような形態により結合されることが構想される。即ち、結合手段の差込要素が、エンドプレートでの結合手段の固定のために、エンドプレートのスリーブであって、結合手段の伸長方向に対してほぼ直交して配置された平面上に伸びる上記スリーブに嵌まるという形態により結合されていることが構想される。
【0008】
このような解決策によって、特に、バッテリモジュールを形成するための軽量で安価な収容器を創出することが可能となり、この収容器によって、1つのバッテリセル又は複数のバッテリセルの膨らみ又は膨張によるバッテリセルの性能悪化を防止することが可能である。
【0009】
従って、上記の収容器は、少なくとも1つのバッテリセルを少なくとも部分的に押圧しながら収容するために用いられる。特に、収容器は、複数のバッテリセルを収容するために役立ち、複数のバッテリセルが、互いの適切な接続によって、特に収容器と共にバッテリモジュールを形成する。従って、1つのバッテリセル又は複数のバッテリセルを収容することは、当該1つのバッテリセル又は複数のバッテリセルが収容器内に配置され又は少なくとも部分的に収容器によって囲まれることとして理解される。さらに、少なくとも部分的に押圧しながら収容することは、少なくとも1つのバッテリセルが永続的に押圧されるのではなく、バッテリセルの或る特定の駆動状態においてのみ、即ち例えば、バッテリセルの膨張が起きている駆動状態においてのみ、押圧されることとして理解される。従って、部分的に押圧することは、例えば、一時的に押圧することを意味しうる。
【0010】
収容器は、少なくとも1つのバッテリセルの2つの互いに対向する側に配置可能な2つのエンドプレートを有する。従って、1つバッテリセルがエンドプレートの間に配置され又は複数のバッテリセルがエンドプレートの間に配置され、その際に、各バッテリセルが、一方又は両方のエンドプレートと直接的に接触している必要はない。複数のバッテリセルが存在する際には、エンドプレートは特に、バッテリセルの構成又はバッテリセルのスタックの端に各々が存在し例えば対応する外側のバッテリセルと接触するように、配置されうる。その場合、最初のバッテリセルの前と最後のバッテリセルの後ろにそれぞれエンドプレートが配置されうる。その際に、エンドプレートは、バッテリセル全体、又は、バッテリセルの、エンドプレートに当接する側面全体を支持しうるように構成され又は寸法が定められる。
【0011】
従って、エンドプレートは特に、圧迫プレートの機能を果たし、このようにして、少なくとも1つのバッテリセルの少なくとも部分的又は一時的な締め付けが可能となる。このような締め付けは、特に、例えば温度により条件付けられたバッテリセルの膨張であって、当該セルの内部抵抗がそれにより大きくなり又は当該セルの性能が下がる上記膨張に抗して作用するために役立つ。膨張は、例えば、セルに含まれる電解質の蒸発若しくは分解により引き起こされ、又は、充電過程若しくは放電過程によっても引き起こされうる。
【0012】
上記の収容器ではさらに、エンドプレートが、当該エンドプレートに固定された複数の結合手段によって結合されることが構想される。換言すれば、収容器は、エンドプレートに固定されており当該エンドプレートを結合する複数の結合手段を含む。これにより、収容器は、安定して自立的な構造を形成することが可能であり、これにより、バッテリセルに対して締付力が掛けられる。
【0013】
結合手段は棒状に構成されているが、このことは本発明の趣旨では特に、結合手段が、エンドプレート間に伸びる自身の長さと比べて、より短くて制限された幅を有し、これにより個々の結合手段が互いに間隔を取っているということを意味する。特に、棒状の結合手段とは、当該棒状の結合手段が収容器の限られた領域内に存在し例えば側面全体を形成してはおらず、例えば、収容器の隅領域に存在することとして理解される。
【0014】
結合手段が棒状に形成されることにより、非常に安定した結合体と特に軽量の結合体とが統合されうる。なぜならば、空間的な広がりが制限されることによって、結合手段のために必要な材料が制限され、従って重量が軽減されるからである。このことは、特に移動体の用途のために、例えば、少なくとも部分的に電気で駆動する車両で利用される際に有利である。
【0015】
さらに、材料の節約によって、さらに、従来技術による解決策に対して成し遂げられる部品の削減及び簡素化によって、特に安価な構成が可能となりうる。
【0016】
しかしながら、棒状の構成は必須ではなく、従って、棒状ではない構成も本発明の範囲に含まれる。
【0017】
さらに、特に良好な安定性が可能となる。なぜならば、外部から収容器に対して作用する力の影響が、収容器により形成された骨組みであって、特に固く結合された構成要素から成る上記骨組みを介して、良好に低減されるからである。
【0018】
エンドプレートでの結合手段の固定に関して、エンドプレートは各々、結合手段の伸長方向に対してほぼ直交して配置された平面上に伸びる少なくとも2つのスリーブを有する。例えば、スリーブは、エンドプレートの上端領域から下端領域へと配置される方向に伸びている。その際に、結合手段の伸長方向とは、特に、結合手段の長さ、従って、一方のエンドプレートから他方のエンドプレートへの方向が意図されている。
【0019】
上記スリーブは、特に、エンドプレートの内側に配置され又はエンドプレートに固定されており、場所を取らずに安定的に結合手段を固定することを保証しうる。このことを実現するために、結合手段は各々少なくとも2つの差込要素を有し、この少なくとも2つの差込要素は、エンドプレートでの結合手段の固定のためにスリーブに嵌まる。
【0020】
差込要素とは、スリーブに差し込むことが可能でありこのようにして結合手段を固定しうる要素として理解されうる。その際に、例えば、差込要素が棒状の結合手段の一部として構成され、例えば棒状の結合手段と一体に形成されることが構想される。これにより、製造が特に容易になりうる。差込要素がスリーブに嵌まっているため、差込要素も、結合手段の伸長方向に対してほぼ直交して配置された平面上に伸びており、その際に、差込要素とスリーブとの厳密な位置合わせは互いに調整されうる。
【0021】
結合手段は、モジュールが完成した状態において、例えば、バッテリセルの上側から下側へと伸びる方向に伸びている。その際に、結合手段の伸長方向に対してほぼ直交する方向付けとは、厳密な直角、又は、直角に対して+/−30°、特に+/−15°、例えば+/−5°のずれを有しうる角度を意味するものとする。本構成において、エンドプレートと結合手段との特に安定的な固定が実現され、その際に、確実な固定が、差込要素を差し込むだけで、更なる別の固定要素を必然的に設けることなく実現されるが、この更なる別の固定要素は、本発明の範囲から排除されない。
【0022】
従って、収容器は、エンドプレート及び結合手段が存在する際には、簡単なやり方で、単に互いに嵌め合わせることによって、製造されうる。従って、収容器の組立プロセス、及び解体プロセスも、特に簡単に、時間が掛からずに進行し、従って、製造及びサービス作業が特に簡単に進行しうる。
【0023】
さらに、このような結合手段は、簡単かつ安価に製造可能であるため、収容器が比較的安価となりうる。スリーブを配置することによって、構成がさらに特に安定的になる。なぜならば、外部からもたらされる力が確実に吸収されるからである。
【0024】
その際に、例えば、結合手段が、その伸張方向に対して平行な角度で(winkelig)構成され又はその伸張方向に対して平行に角部(Winkel)を有し、このようにして少なくとも1つのバッテリセルの各稜部(Kante)を少なくとも二次元で支持するよう構成されることが構想される。換言すれば、結合手段は、特にプレート形状のバッテリセルの場合には、バッテリセルの稜部が二次元で又は2つの平面で支持されるように構成されうる。その際に、支持される次元又は平面は、特に、エンドプレートにより形成される支持に対して直角に配置されている。従って、結合手段とエンドプレートとの協働において、バッテリセルを三次元で支持すること、従ってバッテリセルを完全に支持することが可能となる。
【0025】
これにより、1つのバッテリセル又は複数のバッテリセルが確実に、全ての空間方向において固定される。従って、バッテリセルの通常状態、即ち膨張していない状態において既に、定められた予圧が存在する必要があるということが避けられる。このことによって、バッテリセルを大事に使用すること、さらにこれにより、バッテリセル及びバッテリモジュールの特に有利な長い寿命が可能となる。換言すれば、従来技術による解決策の短所、即ち、モジュール底部が剥き出しのまま形成されることが多く、これにより、予圧が存在しなければバッテリセルが結合体から抜ける可能性があったという短所に対応することが可能である。しかしながら、通常の状態においても予圧を設けることは、本発明の枠組みにおいて必ずしも必須ではないが、排除もされないことに注意されたい。
【0026】
しかしながら、バッテリセルでは、充電状態に依存した又は温度に依存した膨張がエンドプレートによる支持の次元においてのみ起きることが多いため、棒形状による結合手段の構成は短所ではない。従って、バッテリセルの膨張を回避し又は当該膨張に抗して作用するための、面全体を介した支持は、エンドプレートにより十分となりうる。
【0027】
さらに、上記の収容器は、基本的には、様々な構成によるバッテリセルのために適している。従って、例えば、例えば膨らんだ又は凸面状のセル、及び、凹面状のセルが利用可能であり、その際に、全てのセルについて、最小の押圧力が基本的には必須ではない。
【0028】
さらに、このような収容器は、例えば、以下に記載するスリーブによりエンドプレートに形状結合式又は材料結合式に結合することが可能な、例えば規格化された標準仕様として入手可能なプロファイル(Profil)を利用することによって製造されうる。その際には、コストが掛かり、比較的大きな公差連鎖(Toleranzkette)によりかなり複雑になる可能性があるレーザ溶接を行わなくてもよい。
【0029】
以上、上記の収容器によって、バッテリモジュール内でバッテリセルを固定し、少なくとも一時的な締め付けによってバッテリモジュールの性能を温度に左右されずに維持することが、特に簡単で安価なやり方で可能となる。
【0030】
一構成の枠組みにおいて、スリーブは、エンドプレートを完全に貫通しうる。特に本構成において、高い安定性と高い可変性とが統合されうる。なぜならば、本構成において、差込要素も同様に、エンドプレートを完全に貫通し又は少なくとも大部分を貫いて伸びることが可能であり、このことによって、結合の安定性が著しく向上するからである。さらに、エンドプレートのスリーブが一直線に並んで配置されており差込要素が充分な長さを有する場合には、差込要素によって、上下に配置された複数のエンドプレートの固定が可能になる。
【0031】
特に、高い可変性に関して、対にして配置された少なくとも4つのエンドプレートが設けられ、上記エンドプレートは2つずつ、スリーブと一直線に並んで配置された状態で、互いに上下に位置付けられていることが構想されうる。本構成において、先に説明したように、差込要素が、複数のスリーブの内部に配置されるために十分な長さを有する場合には有利でありうる。なぜならば、複数のエンドプレート同士のこのような簡単な固定が、比較的少数の結合手段によって可能だからである。その際に、対にして配置された4つのエンドプレートとは、特に、エンドプレートが2つずつ対になって、1対のエンドプレートとして少なくとも1つのバッテリセルをその間で押圧するように配置されていることを意味しうる。従って、本構成では、バッテリセルの2つのモジュールが上下に配置されうる。
【0032】
更なる別の構成の枠組みにおいて、対にして配置された少なくとも4つのエンドプレートが設けられ、上記エンドプレートは2つずつ、スリーブと平行に配置された状態で、互いに平行に位置付けられうる。本構成でも高い可変性が可能となり、さらに、複数のバッテリセルが、又は、複数のモジュール、特に互いに平行に配置された少なくとも2つのモジュールが安定的にかつ安価なやり方で配置されうる。
【0033】
更なる別の構成の枠組みにおいて、さらに、スリーブが金属材料から形成され、即ち、例えば鋼等の、金属又は金属合金を有する物質から形成されることが構想されうる。本構成は、エンドプレートがプラスチックで形成される場合には特に有利でありうる。金属材料から成るスリーブの構成によって、エンドプレート自体の材料に対する力の作用が低減され、これにより、比較的大きな力が作用した際にも、エンドプレートへの損傷が防止され又は少なくとも著しく低減されうる。例えばPTFE(polytetrafluoroethylene、ポリテトラフルオロエチレン)等のプラスチックから成るエンドプレートの構成は、特に軽量化された構成を可能とし、このことは特に移動体の用途において有利でありうる。さらに、プラスチックプレートによっても十分な安定性が構築され、バッテリセルの確実な締め付け又は固定が可能である。
【0034】
更なる別の構成の枠組みにおいて、エンドプレートは、少なくとも部分的にハニカム形状の構造を有しうる。特に、ハニカム形状の構造を設けることによって、エンドプレートは特に重量が小さいが、それにも関わらず安定性が高くなりうる。その際に、ハニカム形状の構造とは特に、六角形の形状をした凹部が互いに直接隣接している構造として理解されうる。その際に、六角形の凹部は、例えばフレームによって画定され、このフレームは、一番外側のフレームを除いて、それぞれ2つの六角形の凹部に対応して配置されている。このような構造は特に、バッテリセルの反対側に配置されるために設けられた表面に設けられる。
【0035】
更なる別の構成の枠組みにおいて、結合手段は、金属材料から、即ち、金属又は金属合金を有する材料から形成されうる。例えば、結合手段は、鋼から形成されうる、本構成において、収容器の特に高い安定性が実現可能となりうる。収容器はさらに、結合手段が金属で実現されるにも関わらずそれが棒状に形成されていることにより、重量が小さい。なぜならば、結合手段のために、比較的少量の金属のみ利用すればよいからである。
【0036】
本発明に係る収容器の更なる別の技術的特徴及び利点に関しては、本発明に係るバッテリモジュール、図面、及び図に対する説明に関連する解説が詳細に参照される。
【0037】
本発明の主題は、さらに、少なくとも1つのバッテリセル、特に複数のバッテリセルを含むバッテリモジュールであって、上記バッテリモジュールは、少なくとも1つのバッテリセルを収容するための、上記のように構成された少なくとも1つの収容器を有する、上記バッテリモジュールである。
【0038】
要約すれば、上記のバッテリモジュールでは、バッテリセルを固定し、少なくとも一時的な締め付けによりバッテリセル、従ってバッテリモジュールの性能を温度に左右されずに維持することが、特に簡単で安価なやり方で可能となる。
【0039】
一構成の枠組みにおいて、少なくとも1つの温度調整要素が設けられ、この温度調整要素は、少なくとも1つのエンドプレート、好適には少なくとも2つのエンドプレートのスリーブと一直線に並んで配置されたスリーブを有し、少なくとも1つの結合手段の差込要素は、温度調整要素のスリーブを通って案内される。この構成では、バッテリセルに加えて、温度調整要素が、対応する固定手段によって固定され、これにより、バッテリモジュールの構造がさらに簡素化され、従って、製造が特に簡単かつ低コストで可能となる。代替的に、少なくとも1つの温度調整要素が結合手段として機能することが構想されうる。従ってこの構成では、温度調整要素は結合手段として、エンドプレートのスリーブ内に案内可能な少なくとも2つの差込要素を有する。換言すれば、結合手段が、温度調整要素として構成可能であり、例えばプレート形状をしており、プレート形状で配置された温度調整媒体チャネルを備えていてもよい。
【0040】
本発明に係るバッテリモジュールの更なる別の技術的特徴及び利点に関しては、本発明に係る収容器、図面、及び図に対する説明に関連する解説が詳細に参照される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明に係る主題の更なる別の利点及び有利な構成が、図面によって示され、以下の明細書の記載において解説される。記載される特徴は、相反することが文脈から明確には判明しない限り、個別に又は任意の組み合わせにおいて本発明の主題となりうる。図面は、単に解説するものであり、本発明を何らかの形態で限定することは意図されていないことに注意されたい。
図1】斜め前から見た本発明に係る収容器のためのエンドプレートの概略図を示す。
図2】斜め後ろから見た図1のエンドプレートの概略図を示す。
図3】側方から見た本発明に係る収容器のための結合手段の概略図を示す。
図4】本発明の一構成に係る収容器の概略図を示す。
図5】本発明の他の構成に係る収容器の概略図を示す。
図6】斜め上から見た本発明に係る収容器のための温度調整要素の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1及び図2には、エンドプレート10が示されている。エンドプレート10は、例えば同じ構造をした第2のエンドプレート10と共に、少なくとも1つのバッテリセル12、特に複数のバッテリセル12を、以下で詳細に記載するように少なくとも部分的に押圧するために役立つ。このために、1つのバッテリセル12又は複数のバッテリセル12は、特に上記エンドプレート10の間に配置されうる。
【0043】
エンドプレート10は、例えばプラスチックで形成され、射出成形部品として構成されるが本構成には限定されない。エンドプレート10に関して、図1及び図2にはさらに、このエンドプレート10が少なくとも部分的にハニカム形状の構造14を有することが示されている。その際に、上記構造14は、例えば多角形の凹部16により形成されうる。多角形の凹部16は、その枠組み又はフレーム18に隣接して配置され、このようにして、ほぼ表面全体に亘って延在しうるハニカム形状のパターンが獲得される。
【0044】
さらに、アダプタプレート(Adapterplatte)とも称されるエンドプレート10は、製造時又は修理の際に適切な工具によって収容器10又は完成したバッテリモジュールを把持し操作しうるために、凹部20を有しうる。
【0045】
図1及び図2にはさらに、エンドプレート10が2つのスリーブ22を有することが示されている。この2つのスリーブ22は、例えば金属材料から形成され及び/又はエンドプレート10を完全に貫通しうる。スリーブ22は、例えば、エンドプレート10に挿入され、又はエンドプレート10に圧入されうる。
【0046】
図3には、例えば2つのエンドプレート10を互いに結合するために用いることが可能な結合手段24が示されている。結合手段24は、棒状に形成されており、矢印26が示す自身の伸張方向に対して直交して配置された2つの差込要素28を有する。この差込要素28は特に、以下に記載するように、エンドプレート10の固定のために当該エンドプレート10のスリーブ22に嵌まるために利用される。結合手段24は、例えば金属材料から形成されうる。
【0047】
さらに、モジュールが完成した状態で少なくとも1つのバッテリセル12を確実に固定しうるために、結合手段24が、互いにほぼ直交して配置された2つの側部30、32を有することが構想されうる。これにより、エンドプレート10と協働して、バッテリセル12の三次元での固定を可能にすることが出来る。
【0048】
図4には、バッテリモジュールのための少なくとも1つのバッテリセル12を少なくとも部分的に押圧しながら収容するための収容器34が、純粋に概略的に示されている。収容器34は、少なくとも1つのバッテリセル12の対向する2つの側に配置可能な、少なくとも2つのエンドプレート10を有する。エンドプレート10は、図4では純粋に概略的に示されており、ここでは特にスリーブ22が見て取れる。上記少なくとも2つのエンドプレート10は、図4によれば、当該エンドプレート10に固定された合計4つの棒状の結合手段24によって、以下のような形態により結合されており、即ち、結合手段24の各差込要素28が、エンドプレート10での結合手段24の固定のためにスリーブ22に嵌まるという形態により結合されていることが示されている。その際に、スリーブ22は、結合手段24の伸張方向に対してほぼ直交して方向付けられており、スリーブ22はさらにエンドプレート10の上端領域から下端領域へと伸びており、従って、バッテリモジュールが完成した状態において、バッテリセル12の上端領域から下端領域へと伸びている。
【0049】
収容器を製造するために、結合手段24又は結合手段24の差込要素28は、図4に矢印で示すように、エンドプレート10又はエンドプレート10のスリーブ22に入れられ又は差し込まれるだけでよい。従って、バッテリセル12が、簡単なやり方で確実に収容器内で保持されうることが分かる。
【0050】
図5には、更なる別の構成に係る収容器34が示されている。図5では、既に収容器34内に配置されたバッテリセル12が示されている。図5には、対にして配置されたエンドプレート10であって、部分的にスリーブと一直線に並んで配置された状態で互いに上下に位置付けられた上記エンドプレート10が設けられた構成が示されている。さらに図5には、対にして配置されたエンドプレート10であって、部分的にスリーブ22と平行に配置された状態で互いに平行に位置付けられた上記エンドプレート10が設けられることが示されている。これにより簡単なやり方で、複数のバッテリモジュールのために適した収容器34が創出される。詳細には、図5に示す収容器によって、合計で4つのモジュールが収容され、その際に、このような構成は、高さ及び/又は幅及び/又は奥行きが、特に、対にして配置された更なる別のエンドプレート10を設けることによって拡張される。
【0051】
さらに図5は、差込要素28が少なくとも部分的に、例えば当該差込要素28が異なるエンドプレート10の2つのスリーブ22内に位置付けられうる長さを有して、形成されうることを示している。本構成では、例えば上下に位置付けられた2つのモジュールの間に、更なる別の結合手段24の代わりに分離要素25のみが設けられている。この分離要素25は、バッテリセル12を固定するが差込要素25を有する必要はなく、それを通じて複数の差込要素28又は1つの差込要素28を案内するための開口部のみ有していればよい。図5の構成では、例えば、上方の結合手段24の各差込要素28は、上方のエンドプレート10を貫通し、さらに、下方のエンドプレート10又は下方のエンドプレート10のスリーブ22の内部に達しうるが、下方の結合手段の差込要素28は、下方のエンドプレート10又は下方のエンドプレート10のスリーブ22の内部に達するだけでよく、又は、下方の結合手段24の各差込要素28は、上方のエンドプレート10を貫通し、さらに、上方のエンドプレート10又は上方のエンドプレート10のスリーブ22の内部に達しうるが、上方の結合手段の差込要素28は、上方のエンドプレート10又は上方のエンドプレート10のスリーブ22の内部に達するだけでよい。個々のモジュールはさらに、固定手段によって互いに固定されている。
【0052】
さらに、図5にEで示す領域は、例えば、3つの差込要素28を有する結合手段24が設けられる場合には、エンドプレート10を含みうる。代替的に、2つの別々のエンドプレート10が利用されてもよい。
【0053】
さらに、温度調整要素36が設けられていることが示されており、この温度調整要素36は、エンドプレート10のスリーブ22と一直線に並んで配置されたスリーブ38を有しうる。その際に、少なくとも1つの結合手段24の差込要素28は、温度調整要素36のスリーブ38を通って案内されている。本構成では、上記の収容器34における温度調整要素36の特に簡単な固定が可能である。代替的に、温度調整要素36は、他のやり方で、バッテリセル12に固定されてもよい。
【0054】
上記の収容器34で利用するための温度調整要素36が、図6に示されている。温度調整要素36は、特に、例えば押出しアルミニウムで成形されうるプレート形状の基体40により形成される。任意に、バッテリセル12から基体40を電気的に絶縁するために、例えばプラスチック被覆等の絶縁材料が存在してもよい。基体40は、矢印で示すように、例えば冷却媒体等の温度調整媒体を案内するための構造を有する。その際に、この温度調整媒体構造は、ほぼ平行なチャネル44を有し、その際に、例えばプラスチック製の密閉手段42によって、U字状の方向転換が実現されうる。さらに、例えばプラスチック製の更なる別の密閉手段46が、温度調整媒体を導入するための入口48及び温度調整媒体を排出するための出口50を有しうる。
【0055】
図6ではさらに、先に記載したような差込要素28を収容することが可能なスリーブ38が見て取れる。代替的に、温度調整要素は、結合手段24として機能することが可能であり、エンドプレート10で固定され又はエンドプレート10を互いに固定させるために、スリーブ38の代わりに差込要素28を有するということが構想されてもよい。
【0056】
さらに、基体40の4つの角に設けることが可能であり損傷時の温度調整手段の流出を低減させることが可能なクラッシャブルゾーン52が示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6