(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1冷凍ユニットにおける前記第1圧縮機、前記第1凝縮器及び前記第1減圧器の配置と、前記第2冷凍ユニットにおける前記第2圧縮機、前記第2凝縮器及び前記第2減圧器の配置と、が同じである、
請求項1又は2に記載の超低温フリーザ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0013】
本実施形態に係る超低温フリーザ1は、後述する貯蔵室4内を所定温度以下(例えば−80℃以下)の超低温に冷却することが可能な冷凍装置であり、例えば長期低温保存を行う生体組織や検体、あるいは冷凍食品などの超低温保存に好適である。
【0014】
==超低温フリーザの構成==
図1は、本実施形態に係る超低温フリーザ1の外観斜視図を示す。また
図2は、超低温フリーザ1の断熱扉13を開けた状態の外観斜視図を示す。
図3は、貯蔵室4内を透視した超低温フリーザ1の正面図である。
図4は、貯蔵室4内を透視した超低温フリーザ1の平面図である。
図5は、貯蔵室4内を透視した超低温フリーザ1の側面図である。
【0015】
なお以下の説明において、超低温フリーザ1の正面に相対した時に左手側から右手側に向かう方向をX軸の正方向とし、手前側から奥手側に向かう方向をY軸の正方向とし、鉛直上向きをZ軸の正方向とする。
【0016】
超低温フリーザ1は、上面に開口を有する貯蔵室4を区画する略直方形状の断熱箱2と、貯蔵室4の開口を開閉可能な断熱扉13と、断熱箱2の側方に隣接して配置される機械室3と、を備えて構成されている。
【0017】
断熱箱2は、前側断熱壁2A、後側断熱壁2B、右側断熱壁2C、左側断熱壁2D及び断熱底2Eを有し、内部に貯蔵室4を形成している。貯蔵室4の内部には、生体組織や食品等の収容物が貯蔵される。
【0018】
本実施形態に係る超低温フリーザ1は、貯蔵室4への収容物の出し入れを容易化するために、
図4に示すように、前側断熱壁2Aの厚さT1を、後側断熱壁2Bの厚さT2、右側断熱壁2Cの厚さT3、及び左側断熱壁2Dの厚さT4よりも薄くなるように形成している。
【0019】
このように断熱箱2を構成することによって、作業者は、収容物を貯蔵室4へ出し入れする際に、作業者の立ち位置により近い位置で収容物の上げ下ろしを行うことが可能となるため、貯蔵室4への収容物の出し入れを容易化することができる。そしてこのため、より短時間で貯蔵室4への収容物の出し入れを行うことが可能となり、断熱扉13を開けておかなければならない時間を短くすることができる。そのため、貯蔵室4内の温度上昇を抑えることが可能となる。
【0020】
また、作業者の立ち位置により近い位置で収容物の上げ下ろしを行うことが可能となることから、無理の少ない姿勢で収容物の出し入れ作業を行うことが可能となり、作業の安全性を向上させることも可能となる。
【0021】
断熱扉13は、後側断熱壁2Bの上端部に沿って並設される複数(本実施形態では5個)の枢支部材14に枢支ないし軸支されて、これらの枢支部材14により形成される、後側断熱壁2Bの上端部に沿う方向に形成される中心軸の周りを回動することで断熱箱2の開口を開閉する。断熱扉13には把手部16が設けられており、作業者は、把手部16を操作することで断熱扉13の開閉操作を行う。
【0022】
また本実施形態に係る断熱箱2は、上面が開口する内箱7と、内箱7の周囲を囲む外箱6と、ブレーカ8と、断熱材9と、真空断熱パネル12と、を有して構成されている。
【0023】
外箱6は、鋼板製の板材により構成され、上方が開口し、断熱箱2の外壁面及び外底面を構成する。内箱7は、アルミニウム等の熱伝導性の良い金属製の板材により構成され、同様に上方が開口し、断熱箱2の内壁面及び内底面を構成する。ブレーカ8は、合成樹脂製の部材であり、外箱6及び内箱7の上端間を接続するように装着される。
【0024】
断熱材9は、外箱6、内箱7及びブレーカ8にて囲繞された空間内に充填されるポリウレタン樹脂である。断熱材9は、断熱箱2の前側断熱壁2A、後側断熱壁2B、右側断熱壁2C、左側断熱壁2D及び断熱底2Eにそれぞれ充填される。
【0025】
真空断熱パネル12は、通気性を有しないアルミニウムや合成樹脂等から成る多層フィルムにより構成される容器にグラスウールを収納し、所定の真空排気手段により容器内の空気を排出して、当該容器の開口部を熱溶着等により接合することにより構成される断熱性を有する部材である。
【0026】
真空断熱パネル12は、内箱7と外箱6との間に充填される上記断熱材9と、外箱6と、の間に装着される。
【0027】
本実施形態に係る真空断熱パネル12は、断熱材9に比べてより高い断熱性能を有している。そのため、断熱材9と真空断熱パネル12とを併用することにより、断熱材9のみを用いる場合に比べてより高い断熱性能を得ることができる。
【0028】
このため、本実施形態に係る超低温フリーザ1では、前側断熱壁2Aにおいて真空断熱パネル12と断熱材9とを併用するようにしている。より具体的には、本実施形態では、真空断熱パネル12は、前側断熱壁2Aにおいて、内箱7と外箱6との間に装着されている。本実施形態に係る超低温フリーザ1が、前側断熱壁2Aにおいて真空断熱パネル12を有している様子を
図4に示す。
【0029】
このような態様によって、後側断熱壁2Bや右側断熱壁2C、左側断熱壁2Dに比べて、前側断熱壁2Aの厚さを薄く形成した場合であっても、後側断熱壁2Bや右側断熱壁2C、左側断熱壁2Dと同等の断熱性能を確保することができる。このため、貯蔵室4内を所定温度以下(例えば−80℃以下)に冷却するために必要な消費電力を抑制することも可能となる。
【0030】
また、前側断熱壁2Aの厚さのみを薄くし、前側断熱壁2Aに比べて後側断熱壁2Bや右側断熱壁2C、左側断熱壁2Dの厚さが厚くなるように構成しているため、断熱箱2の強度低下も最小限に抑えることができる。このため、超低温フリーザ1の耐故障性や耐久性等の信頼性を維持することもできる。
【0031】
また本実施形態に係る超低温フリーザ1では、
図4に示すように、真空断熱パネル12は、前側断熱壁2Aにおいて、断熱材9と外箱6との間に装着されるようにしている。
【0032】
このように、真空断熱パネル12と内箱7との間に断熱材9を介在させるように真空断熱パネル12を装着することによって、貯蔵室4の内部と同等程度にまで冷却される内箱6による真空断熱パネル12の温度低下を抑制し、真空断熱パネル12にひびや割れ、破れ等の破壊が生じて、断熱性能が低下することを防止することが可能となる。そして、超低温フリーザ1の耐故障性や耐久性等の信頼性を維持することができる。
【0033】
貯蔵室4内の冷却は、第1冷媒回路100及び第2冷媒回路200によって行われる。
【0034】
詳細は後述するが、第1冷媒回路100は、第1圧縮機101、凝縮器102、104、減圧器108、及び第1蒸発器111を有し、この順に冷媒を循環させることによって、断熱箱2の内部(貯蔵室4)を所定温度以下に冷却する。
【0035】
同様に、第2冷媒回路200は、第2圧縮機201、凝縮器202、204、減圧器208、及び第2蒸発器211を有し、この順に冷媒を循環させることによって、断熱箱2の内部(貯蔵室4)を所定温度以下に冷却する。
【0036】
そして第1冷媒回路100を構成する第1蒸発器111、及び第2冷媒回路200を構成する第2蒸発器211が、内箱7の断熱材9側の周面(内箱7の外周面)において貯蔵室4を囲むように交熱的に取り付けられている。
【0037】
また第1冷媒回路100を構成する熱交換器109、及び第2冷媒回路200を構成する熱交換機209は、
図4に示すように、断熱材9に覆われつつ、断熱箱2の後側断熱壁2B内に設けられている。そして後壁6Bの熱交換器109、209が設けられる部分は、平板状の後面カバー6Dで覆われる。
【0038】
また第1冷媒回路100を構成する第1圧縮機101、凝縮器102、104、及び減圧器108は、後述する第1冷凍ユニット500Aとして、超低温フリーザ1の制御回路300等の各種装置とともに、機械室3に収納されている。
【0039】
同様に、第2冷媒回路200を構成する第2圧縮機201、凝縮器202、204、及び減圧器208は、後述する第2冷凍ユニット500Bとして、超低温フリーザ1の制御回路300等の各種装置とともに、機械室3に収納されている。
【0040】
制御回路300は、マイクロコンピュータ300aやメモリを備え、超低温フリーザ1を制御するための制御プログラムを実行する。制御回路300は、後述する制御ユニット400として、機械室3に収納されている。
【0041】
機械室3は、
図1に示すように、前面パネル3A、後面パネル3D、断熱箱2が設けられる側とは反対側の側面を構成する側面パネル3Bを有している。前面パネル3A及び側面パネル3Bには、通気用スリット3Cが形成されている。
【0042】
また機械室3の前面パネル3Aには、超低温フリーザ1を操作するための操作パネル21が設けられている。
【0043】
また図示はしていないが、機械室3と断熱箱2との間には測定孔が貫通している。この測定孔は、貯蔵室4と機械室3とを連通するように、断熱箱2を構成する外箱6、断熱材9及び内箱7を貫通して形成される。機械室3から貯蔵室4内には、測定孔を通じて温度センサ309、310を挿入することが可能である。
【0044】
貯蔵室4内に挿入された温度センサ309、310からは測定孔を通じてケーブルが機械室3に引き出され、このケーブルは、機械室3内の制御回路300に接続される。そして、この測定孔は、ケーブルとの隙間をスポンジ状の変形可能、且つ、断熱性を有する材料にて構成される栓によって閉塞される。尚、温度センサ309、310が取り付けられていない状態では、測定孔は、当該栓によって、断熱的に閉塞される。
【0045】
==超低温フリーザの冷媒回路==
次に、
図6を参照しつつ、本実施の形態に係る超低温フリーザ1の冷媒回路150について説明する。
図6は、本実施の形態の冷媒回路150の一例の回路図である。
【0046】
図6に例示されるように、冷媒回路150は、略同一の2基の冷媒回路、即ち、第1冷媒回路100と、第2冷媒回路200とを有している。
【0047】
<<<第1冷媒回路>>>
第1冷媒回路100は、第1圧縮機101と、前段凝縮器102及び後段凝縮器104と、気液を分ける分流器107と、減圧器108及び熱交換器109と、減圧器110及び第1蒸発器111とを備えて、第1圧縮機101から吐出された冷媒が再び第1圧縮機101に戻るように環状に構成されている。第1冷媒回路100には例えば後述する4種類の冷媒を有する非共沸混合冷媒(以後、単に「冷媒」と称する)が封入されている。
【0048】
また、この第1冷媒回路100は、オイルクーラ101aを第1圧縮機101内のオイル溜りに備え、配管103を前段凝縮器102及びオイルクーラ101aの間に備え、デハイドレータ106を後段凝縮器104及び分流器107の間に備え、緩衝器112を第1圧縮機101の吸込側及び熱交換器109の間に備える。
【0049】
また第1冷媒回路100には、前段凝縮器102及び後段凝縮器104を冷却するために、第1ファン105が設けられている。第1ファン105は、ファンモータ105aを有するプロペラ式の送風装置である。
【0050】
第1圧縮機101は、吸込んだ冷媒を圧縮して前段凝縮器102に吐出する。
【0051】
前段凝縮器102は、第1圧縮機101から吐出される冷媒を放熱させるための例えば銅又はアルミニウム製の管を蛇行させたものである。
【0052】
後段凝縮器104は、前段凝縮器102から出力される冷媒を更に放熱させるための例えば銅又はアルミニウム製の管を蛇行させたものである。
【0053】
これら前段凝縮器102及び後段凝縮器104は、同じ管板に一体に構成されているものである。
【0054】
分流器107は、後段凝縮器104から出力される冷媒を、液相の冷媒と、気相の冷媒とに分流し、液相の冷媒を減圧器(キャピラリチューブ)108を介して減圧した後、熱交換器109の外側管109aで蒸発させる。
【0055】
熱交換器109は、外側管109a及び内側管109bを有する例えば銅又はアルミニウム製の2重管であり、内側管109bには分流器107からの気相冷媒が流れ、外側管109aでは液相冷媒が蒸発して内側管109bを流れる気相冷媒を冷却するものである。
【0056】
減圧器110は、熱交換器109の内側管109bで冷却され液相となった冷媒を減圧して、第1蒸発器111に出力する例えばキャピラリチューブである。
【0057】
第1蒸発器111は、減圧器110によって減圧された冷媒を蒸発させるための例えば銅又はアルミニウム製の管であり、上述したように、内箱7の上面開口を除く外面に対し熱的に接触するように例えば貼りつけられている。尚、この第1蒸発器111の取付けはこれに限るものではなく、熱的に接触する構成であればよい。
【0058】
冷媒が第1蒸発器111で蒸発(気化)する際の冷却作用によって内箱7内を冷すものである。この蒸発して気相となった冷媒は熱交換器109にて先の蒸発した冷媒と共に圧縮機101に吸い込まれるものである。
【0059】
尚、配管103は、外箱6の上面開口の周囲部分の内側に設けられる。この上面開口の周囲部分は、前述した断熱扉13を閉じた状態で、断熱扉13に装着されたパッキン(不図示)が密着する部分であり、配管103内は圧縮機101から吐出された高温の冷媒が流れているので、この冷媒で加温されることによって、低温の内箱7側からの冷却による結露を防いでいる。これによって、外箱6内の気密性が向上する。また、デハイドレータ106は、冷媒中に含まれる水分を除去する。また、緩衝器112は、キャピラリチューブ112a及び膨張タンク112bを有し、第1圧縮機101の吸込側における気相の冷媒を、キャピラリチューブ112aを介して膨張タンク112bに収容することによって、第1冷媒回路100を循環する冷媒の量を適正に保っている。
【0060】
<<<第2冷媒回路>>>
第2冷媒回路200は、前述と同様に、第2圧縮機201と、前段凝縮器202及び後段凝縮器204と、気液を分ける分流器207と、減圧器208及び熱交換器209と、減圧器210及び第2蒸発器211とを備えて、第2圧縮機201から吐出された冷媒が再び第2圧縮機201に戻るように環状に構成されている。第2冷媒回路200には、前述と同様の冷媒が封入されている。また、この第2冷媒回路200は、前述と同様に、オイルクーラ201aと、配管203と、デハイドレータ206と、緩衝器212とを備える。ここで、熱交換器209は、外側管209a及び内側管209bを有する。また、緩衝器212は、キャピラリチューブ212a及び膨張タンク212bを有する。
【0061】
また第2冷媒回路200には、前段凝縮器202及び後段凝縮器204とを冷却するために第2ファン205が設けられている。第2ファン205は、ファンモータ205aを有するプロペラ式の送風装置である。
【0062】
尚、前述した配管103及び配管203は、例えば互いに重ねて、外箱6の上面開口の周囲部分の内側に設けられている。また、前述した第1蒸発器111及び第2蒸発器211は、例えば互いに重ならないようにして、内箱7の上面開口を除く外面に対し熱的に接触するように例えば貼りつけられている。
【0063】
<<<冷媒>>>
本実施の形態の冷媒は、例えば、R245fa、R600、R23、及びR14を有する非共沸混合冷媒である。ここで、R245faは、ペンタフルオロプロパン(CHF
2CH
2CF
3)を意味し、沸点は+15.3℃である。R600は、ノルマルブタン(n-C
4H
10)を意味し、沸点は−0.5℃である。R23は、トリフルオロメタン(CHF
3)を意味し、沸点は−82.1℃である。R14は、テトラフルオロメタン(CF
4)を意味し、沸点は−127.9℃である。
【0064】
尚、R600は、沸点(蒸発温度)が高く、オイルや水等を含有し易いものである。また、R245faは、可燃性のR600と所定比率(例えばR245faとR600とが7:3)で混合することにより、これを不燃化するための冷媒である。
【0065】
第1冷媒回路100においては、第1圧縮機101で圧縮された冷媒は、前段凝縮器102及び後段凝縮器104で放熱し凝縮して液相となった後、デハイドレータ106で水分除去の処理が施された後、分流器107で液体の状態の冷媒(主に沸点の高いR245fa、R600)と、気体の状態の冷媒(R23、R14)とに分流される。尚、本実施の形態では、前段凝縮器102で放熱した冷媒は、オイルクーラ101aで第1圧縮機101内のオイルを冷却した後、再度、後段凝縮器104で放熱する。
【0066】
分流された液体の状態の冷媒(主にR245fa、R600)は、減圧器108で減圧された後に、熱交換器109の外側管109aにおいて蒸発する。
【0067】
分流された気体の状態の冷媒(R23、R14)は、熱交換器109の内側管109bを通過する間、前述した外側管109aで蒸発した冷媒(R245fa、R600)の気化熱と、第1蒸発器111からの戻りである気相の冷媒(R23、R14)とによって冷却されて凝縮し、液体の状態になる。この時、第1蒸発器111で蒸発しなかった冷媒が蒸発する。
【0068】
尚、以上は、第2冷媒回路200についても同様である。
また、前述したように、R245faの沸点はおよそ15℃であり、R600の沸点はおよそ0℃であり、R23の沸点はおよそ−82℃であり、R14の沸点はおよそ−128℃であるため、第1冷媒回路100及び第2冷媒回路200では非共沸混合冷媒のうちのR23及びR14をR600の蒸発作用で冷却し、液相となったR23、R14を第1蒸発器111及び第2蒸発器211に導いて蒸発させることにより、冷却対象を例えばR23及びR14の沸点に相当する温度(例えばおよそ−82℃乃至−128℃)まで冷却することができる。尚、第1蒸発器111及び第2蒸発器211での未蒸発冷媒は熱交換器109、209で蒸発するものである。
【0069】
<<<制御回路>>>
次に、
図14を参照しながら本実施形態に係る制御回路300について説明する。
【0070】
本実施の形態に係る制御回路300は、第1冷媒回路100の第1圧縮機101及びファンモータ105aと、第2冷媒回路200の第2圧縮機201及びファンモータ205aとを制御するべく、制御基板301、スイッチング電源302、電源スイッチ304、圧縮機リレー305、及びリレー306を備えている。
【0071】
なお後述するように、制御回路300の上記各構成要素は、制御ユニット載置板410の上に装着されて、制御ユニット400として機械室3に収納されている。
【0072】
そして制御回路300は、第1圧縮機101の温度を検出する第1圧縮機温度センサ307、第2圧縮機201の温度を検出する第2圧縮機温度センサ308、第1圧縮機101を制御するべく庫内の温度を検出するための第1温度センサ309、第2圧縮機201を制御するべく庫内の温度を検出するための第2温度センサ310、第1ファン105の温度を検出するための第1センサ311、及び第2ファン205の温度を検出するための第2センサ312に接続されている。
【0073】
尚、制御基板301は、マイクロコンピュータ301aを有しており、第1圧縮機温度センサ307及び第2圧縮機温度センサ308からの検出信号に基づいて2つのリレー306をそれぞれ開閉するための制御信号を出力したり、ファンモータ105a、205aの運転を開始又は停止するための制御信号を出力したりする。
【0074】
マイクロコンピュータ301aは、第1圧縮機101の動作中に、第1圧縮機温度センサ307により検出された第1圧縮機101の温度が所定温度を超えたことを検出すると、第1圧縮機101に対応するリレー306を通じて第1圧縮機101に対応する圧縮機リレー305を動作させることにより、第1圧縮機101に対する3相電圧の入力を遮断するようになっている。これは、第1圧縮機101の温度上昇に係る保護回路として機能するものであり、第2圧縮機201についても同様である。
【0075】
尚、第1圧縮機101及び第2圧縮機201は、電源スイッチ304をオンにした時点で、3相の電源ケーブル303から電力が供給されて、冷媒の圧縮動作を開始するようになっている。また、不図示ではあるが、マイクロコンピュータ301aは、例えば、第1温度センサ309により検出された庫内の温度と予め定められた温度とを比較し、その比較結果に応じて、第1圧縮機101のモータ(不図示)の回転速度を制御するようになっている。これは、庫内の温度に応じて第1圧縮機101の圧縮能力を制御するものであり、第2圧縮機201についても同様である。尚、第1温度センサ309及び第2温度センサ310は、同一のセンサであってもよい。
【0076】
一方、
図14に例示されるように、マイクロコンピュータ301aは、以上述べた第1圧縮機101及び第2圧縮機201の制御とは別に、ファンモータ105a、205aを制御するようになっている。また、不図示ではあるが、マイクロコンピュータ301aは、例えば第1センサ311により検出された第1ファン105の温度が予め定められた温度を越えたことを検出すると、ファンモータ105aの運転を停止するようになっている。これは、第1ファン105の温度上昇に係る保護回路として機能するものであり、第2ファン205についても同様である。尚、第1センサ311及び第2センサ312は、例えば双方のファンモータ105a、205aの近傍に設けられる単一のセンサで共用していてもよい。
【0077】
===機械室(機械箱)===
次に、
図7〜
図13を参照しながら、本実施形態に係る超低温フリーザ1の機械室3について説明する。
【0078】
図7に示すように、機械室3には、制御ユニット400、冷凍ユニット500(第1冷凍ユニット500A、及び第2冷凍ユニット500B)が、それぞれ、水平方向(本実施形態ではY軸方向)に取り出し可能に収納されている。
【0079】
そして
図11に示すように、機械室3は、制御ユニット400を水平方向に取り出し可能に収納するための制御ユニット用収納棚72及び、冷凍ユニット500を水平方向に取り出し可能に収納するための冷凍ユニット用収納棚62(第1冷凍ユニット収納棚62A、第2冷凍ユニット収納棚62B)を備えて構成されている。
【0080】
<<<制御ユニット>>>
制御ユニット400は、
図13に示す略矩形形状の金属板により構成される制御ユニット載置板410上に、制御回路300を構成する上述した制御基板301やスイッチング電源302等の各構成要素を装着することで構成される。
【0081】
図13には、制御ユニット載置板410を、制御回路300が装着される上面とは反対側の下面側から見た図を示す。
図13に示すように制御ユニット載置板410は、制御回路300が装着される略矩形形状の本体部411と、補強板412とを有して構成されている。
【0082】
補強板412は、本体部411の下面側に、制御ユニット400の取り出し方向(Y軸方向、本体部411の長手方向)と交差する方向(X軸方向、本体部411の短手方向)に沿って装着されている。補強板412は、例えば本体部411に溶接されることで装着される。
【0083】
制御ユニット載置板410のうち、補強板412が装着されている位置には、制御回路300の構成要素を取り付けるための装着穴を開けることができないが、補強板412を本体部411の短手方向に沿って装着することで、長手方向に沿って装着した場合に比べて、本体部411の表面積のうちの補強板412が占める面積を減らすことができるので、本体部411に装着穴を開ける際の補強板412との干渉を減らすことができる。
【0084】
制御ユニット載置板410が補強板412を備えるようにすることにより、制御ユニット載置板410が制御ユニット400の重さにより変形しにくいようにすることができる。
【0085】
また
図13に示すように、本体部411は、制御回路300を装着する面(X−Y平面)と交差する方向(例えば+Z方向)に向けて縁部が折り曲げられることで折り曲げ部413を有するように構成されている。
【0086】
このような態様によって、さらに、制御ユニット載置板410が制御ユニット400の重さにより変形しにくいようにすることができる。
【0087】
<<<制御ユニット用収納棚>>>
図11に示すように、制御ユニット用収納棚72は、制御ユニット400の取り出し方向(Y軸方向)に延伸する一対のレール部材70と、取り出し方向を横切る方向(X軸方向)に延伸する横断部材71と、を有して構成される。
【0088】
一対のレール部材70は、制御ユニット載置板410の一対の折り曲げ部413に当接するように、制御ユニット400の取り出し方向に延伸する。そして制御ユニット載置板410が一対のレール部材70に支持されることによって、制御ユニット400が制御ユニット用収納棚72に収納される。
【0089】
このような態様によって、制御ユニット400の機械室3への収納や取り出しをより少ない力で行うことが可能となる。
【0090】
また本実施形態のように、制御回路300を制御ユニット載置板410上に装着して制御ユニット400として一体的に構成することで、超低温フリーザ1のメンテナンス性の向上や製造作業性の向上を図ることが可能となる。
【0091】
例えば制御回路300の構成部品が故障した場合には、故障した部品が装着されている制御ユニット400全体を容易に機械室3から取り外すことができ、そして、新たな制御ユニット400に交換することにより、短時間に故障の修理を完了することが可能となる。
【0092】
あるいは、故障した部品が装着されている制御ユニット400全体を機械室3から取り外した状態で、部品の修理あるいは交換作業を行うこともでき、狭い機械室3の中で作業を行わなくて済むようにもできる。
【0093】
<<<冷凍ユニット>>>
次に冷凍ユニット500について説明する。本実施形態に係る超低温フリーザ1は、上述したように、第1冷凍ユニット500Aと第2冷凍ユニット500Bとを有して構成される。
【0094】
第1冷凍ユニット500Aは、
図8に示す略矩形形状の金属板により構成される載置板510上に、冷媒回路100を構成する圧縮機101や凝縮器102、104、減圧器108等の構成要素を装着することにより構成される。
【0095】
また第2冷凍ユニット500Bも、
図8に示す略矩形形状の金属板により構成される載置板510上に、冷媒回路200を構成する圧縮機201や凝縮器202、204、減圧器208等の構成要素を装着することにより構成される。
【0096】
なお、本実施形態に係る第1冷凍ユニット500A及び第2冷凍ユニット500Bは、相互に同一形状であり、互換性を有するように作られている。例えば、第1冷凍ユニット500Aにおける圧縮機101や凝縮器102、104、減圧器108等の構成要素の配置と、第2冷凍ユニット500Bにおける圧縮機201や凝縮器202、204、減圧器208等の構成要素の配置と、が同じである。
【0097】
そのため、以下の説明においては、説明の重複を避けるために第1冷凍ユニット500Aを中心に説明するが、第2冷凍ユニット500Bについても同様である。
【0098】
図8は、載置板510を、圧縮機101、凝縮器102、104、減圧器108等の構成要素が装着される上面とは反対側の下面側から見た図を示す。
図8に示すように載置板510は、圧縮機101、凝縮器102、104、減圧器108等の構成要素が装着される略矩形形状の本体部511と、補強部(第1補強部、第2補強部)512とを有して構成されている。
【0099】
補強部512は、本体部511の下面側に、第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向(Y軸方向、本体部511の長手方向)に沿って延伸するように形成されている。補強部512は、
図10に示すように、直線状に折り曲げ加工された金属製の板部材512を、第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向に沿う向きに、載置板510の下面に取り付ける(例えば溶接)ことにより構成される。載置板510が補強部512を備えるように構成することにより、載置板510が第1冷凍ユニット500Aの重さにより変形しにくいようにすることができる。
【0100】
また補強部512は、例えば本体部511を、下面側が凸となるように折り曲げ加工することによって形成するようにしても良い。
【0101】
このような態様によっても、載置板510が第1冷凍ユニット500Aの重さにより変形しにくいようにすることができる。
【0102】
また補強部512を本体部511の長手方向に沿って設けるようにすることで、第1冷凍ユニット500Aを機械室3から取り出す際や収納する際に生じる自重による変形をより一層防ぐことが可能となる。
【0103】
また
図8及び
図9に示すように、本体部511は、第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向(Y軸方向)に沿う一対の側辺部を、下面側に折り返してなる一対の延伸部(第1延伸部、第2延伸部)513を有して構成される。本実施形態に係る延伸部513は、
図9に示すように、本体部511のY軸方向に沿う一対の側辺部を、圧縮機101や凝縮器102、104、減圧器108等の構成要素を装着する面(X−Y平面)と交差する方向(−Z方向)に折り曲げたうえで、さらに先端部を内側に折り曲げることで形成される。
【0104】
このような態様によって、載置板510が第1冷凍ユニット500Aの重さにより変形しにくいようにすることができる。
【0105】
さらに本実施形態では、
図8及び
図9に示すように、本体部511は、第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向(Y軸方向)に交差する方向(X軸方向)に沿う一対の側辺部を、下面側に折り曲げてなる一対の折り曲げ部514を有して構成される。
【0106】
このような態様によって、より一層、載置板510が第1冷凍ユニット500Aの重さによって変形しにくいようにすることができる。
【0107】
なお、一対の延伸部513は、本体部511の第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向(Y軸方向)に沿う一対の側辺部を下面側に折り返すようにして構成する他にも、例えば、本体部511の第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向(Y軸方向)に沿う一対の側辺部に、一対の板状ないしは棒状の部材を装着(例えば溶接)するようにして構成しても良い。このような態様によっても、載置板510が第1冷凍ユニット500Aの重さにより変形しにくいようにすることができる。
【0108】
<<<冷凍ユニット用収納棚>>>
図11に示すように、第1冷凍ユニット用収納棚62Aは、第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向(Y軸方向)に延伸する一対のレール部材(第1レール部材)60Aと、取り出し方向を横切る方向(X軸方向)に延伸する横断部材(第1支持部材)61Aと、を有して構成される。
【0109】
また同様に、第2冷凍ユニット用収納棚62Bは、第2冷凍ユニット500Bの取り出し方向(Y軸方向)に延伸する一対のレール部材(第2レール部材)60Bと、取り出し方向を横切る方向(X軸方向)に延伸する横断部材(第2支持部材)61Bと、を有して構成される。
【0110】
なお、本実施形態に係る第1冷凍ユニット用収納棚62A及び第2冷凍ユニット用収納棚62Bは、相互に同一形状である。
【0111】
そのため、以下の説明においては、説明の重複を避けるために第1冷凍ユニット用収納棚62Aを中心に説明するが、第2冷凍ユニット用収納棚62Bについても同様である。
【0112】
横断部材61Aは、一対のレール部材60Aの第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向の手前側のそれぞれの端部に下方から結合(例えば溶接)され、この取り出し方向を横切るように延伸する。
【0113】
また、一対のレール部材60Aは、載置板510の一対の延伸部513に当接するように、第1冷凍ユニット500Aの取り出し方向に延伸する。
【0114】
そして載置板510の一対の延伸部513が一対のレール部材60Aによって支持されることによって、第1冷凍ユニット500Aが第1冷凍ユニット用収納棚62Aに収納される。
【0115】
このような態様によって、第1冷凍ユニット500Aを機械室3へ収納する際や取り出す際に、より少ない力で行うことが可能となる。
【0116】
また、上記のように、載置板510は補強部512を有して構成されているが、
図12に示すように、補強部512の高さH2は、一対の延伸部513が一対のレール部材60Aの上を摺動しつつ第1冷凍ユニット500Aが取り出し方向に引き出される際に、補強部512と横断部材61Aとが接する高さに定められる。つまり、補強部512の高さH2と、延伸部513の高さH1と、の差(H2−H1)が、レール部材60Aの板厚t1に等しいか、わずかに小さくなるように定められる。
【0117】
このような態様により、第1冷凍ユニット500Aを第1冷凍ユニット用収納棚62Aから取り出す際に横断部材61Aが下方から補強部512に当接して、第1冷凍ユニット500Aの重量の一部が横断部材61Aによって支持されるため、第1冷凍ユニット500Aの重さによって載置板510が変形するのを防止することができる。
【0118】
なお、本実施形態のように、第1冷媒回路100を構成する圧縮機101や凝縮器102、104、減圧器108等の構成要素を載置板510上に装着して第1冷凍ユニット500Aを構成することで、超低温フリーザ1のメンテナンス性の向上や製造作業性の向上を図ることが可能となる。
【0119】
例えば第1冷媒回路100を構成する圧縮機101等の構成部品が故障した場合には、
図7に示したように、故障した構成部品が装着されている第1冷凍ユニット500Aの配管接合部501Aを、熱交換器109につながる相手側の配管から取り外して(たとえば切断して)、第1冷凍ユニット500Aを取り出し方向(+Y軸方向)に第1冷却ユニット用収納棚62Aから引き出すことにより、第1冷凍ユニット500A全体を機械室3から容易に取り外すことができる。そして新たな第1冷凍ユニット500Aを第1冷却ユニット用収納棚62Aに収納し、配管接合部501Aを相手側の配管と結合(例えば溶接)することにより、短時間で故障の修理を完了することが可能となる。
【0120】
あるいは、故障した部品が装着されている第1冷凍ユニット500A全体を機械室3から取り外した状態で、故障した部品の修理あるいは交換作業を行うこともでき、狭い機械室3の中で作業を行わなくて済むようにもできる。
【0121】
また、上述したように、本実施形態に係る第1冷凍ユニット500A及び第2冷凍ユニット500Bは、相互に同一形状であり、互換性を有するように作られている。そして本実施形態に係る第1冷凍ユニット用収納棚62A及び第2冷凍ユニット用収納棚62Bも、相互に同一形状である。そのため、第1冷凍ユニット500A及び第2冷凍ユニット500Bは、第1冷凍ユニット用収納棚62A及び第2冷凍ユニット用収納棚62Bのどちらにも収納可能に構成される。
【0122】
このため、第1冷凍ユニット500Aとして使用する場合も第2冷凍ユニット500Bとして使用する場合も、共通に冷凍ユニット500として製造することができるため、製造作業性が向上し、部品の共通化や製造工程の共通化による製造コストの低減や、補用部品としての在庫低減を図ることも可能となる。
【0123】
なお、第1冷凍ユニット500A及び第2冷凍ユニット500Bは、相互に同一形状でなくても良い。
【0124】
例えば、第1冷凍ユニット500Aに用いられる載置板(第1載置板)510、及び、第2冷凍ユニット500Bに用いられる載置板(第2載置板)510は、同一形状でなくても良い。
【0125】
具体的には、上述した補強部512や、延伸部513、折り曲げ部514の少なくともいずれかが、どちらか一方の載置板510にのみに形成されていても良い。あるいは、補強部512、延伸部513、及び折り曲げ部514の少なくともいずれかの形状が、第1冷凍ユニット500Aに用いられる載置板(第1載置板)510と、第2冷凍ユニット500Bに用いられる載置板(第2載置板)510と、で異なっていても良い。
【0126】
また、第1冷凍ユニット500Aにおける圧縮機101や凝縮器102、104、減圧器108等の構成要素の配置と、第2冷凍ユニット500Bにおける圧縮機201や凝縮器202、204、減圧器208等の構成要素の配置と、は必ずしも同じでなくても良い。
【0127】
また、第1冷凍ユニット用収納棚62A及び第2冷凍ユニット用収納棚62Bについても、相互に同一形状でなくても良い。
【0128】
例えば、第1冷凍ユニット用収納棚62Aに用いられる一対の第1レール部材60Aと、第2冷凍ユニット用収納棚62Bに用いられる一対の第2レール部材60Bと、は幅や厚さなどの形状が異なっても良い。また、第1冷凍ユニット用収納棚62Aに用いられる横断部材(第1支持部材)61Aと、第2冷凍ユニット用収納棚62Bに用いられる横断部材(第2支持部材)61Bと、は形状が異なっても良い。あるいは、横断部材61は、第1冷凍ユニット用収納棚62A、または第2冷凍ユニット用収納棚62Bのどちらか一方にのみ設けられる形態であってもよい。
【0129】
このような態様であっても、本実施形態に係る超低温フリーザ1は、機械室3に、第1冷凍ユニット500A及び第2冷凍ユニット500Bを水平方向に取り出し可能に収納するような構成とすることにより、メンテナンス性の向上と製造容易性を実現することが可能となる。
【0130】
以上、本実施形態に係る超低温フリーザ1について説明したが、上記実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更や改良等が可能であり、また本発明はその等価物も含む。