(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突起は、前記第2の支持板の一部として形成され、前記第1の支持板に最も近い前記突起の一部は、前記第1の支持板の前記表面に接触していない、請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
前記突起面に隣接する所から前記第1の支持板の前記表面に隣接する所に前記第1の流体を移送するために、前記突起の前記一部と前記第1の支持板の前記表面との間の距離が、前記突起面の前記第1の流体に対する濡れ性;前記第1の支持板の前記表面の前記第1の流体に対する濡れ性;前記第1の流体の量;前記第1の電極、前記第2の電極または前記第3の電極の少なくとも1つを用いて印加可能な印加電圧の大きさ;前記第1の流体の粘度;前記第1の流体の表面張力;前記第2の流体の粘度;または前記第2の流体の表面張力の少なくとも1つに応じて設定される、請求項2に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
前記突起は、前記第2の支持板の一部として形成され、前記突起は、前記第2の支持板から延在し、前記第1の支持板の前記表面に接触する、請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
前記突起は、前記第1の支持板の一部として形成され、前記突起は、前記第2の支持板に接触していない、前記第2の支持板に最も近い部分を有する、請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
前記突起面は、電圧を印加しなくても、前記第1の流体に対する濡れ性が前記第1の支持板の前記表面より低い材料によって形成される、請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0006】
各例において、突起を備えたエレクトロウェッティング表示装置を説明する。図面を参照して具体例を説明しているが、更なる例が想定され、その場合、それらの例は、図面の例と共通のいくつかの特徴を有し得るが、図面を用いて説明したもの以外の更なる特徴を有し得ることを認識すべきである。従って、図面を用いて説明した具体例は、当業者が理解するように、図面に関して説明した例の一定の特徴を制限するものとみなされるべきではなく、図面の例の具体的な態様を制限するものではないが、添付された請求項の範囲内で、異なる例に使用され、かつ/または適用されてもよい。例えば、後述する電極の形状、第1の流体もしくは第2の流体に対する表面の濡れ性、及び/または、例えば、疎水性表面を有する絶縁体もしくは材料層の厚さを調整して、表示素子内の流体の動きを制御するようにしてもよい。
【0007】
以下、エレクトロウェッティング表示装置の例について説明する。かかる装置は、表面を有する第1の支持板、及び表面(さもなければ、突起面と呼ばれる)を有する突起を備える。印加電圧を用いることにより、第1の流体は、突起の表面に少なくとも部分的に隣接する所から、第1の支持板の表面に少なくとも部分的に隣接する所まで移動可能であり、逆も同様である。従って、第1の流体は、異なる構成の間で、例えば、第1の量の第1の流体が突起の表面に隣接し、かつ第2の量の第1の流体が第1の支持板の表面に隣接した構成と、(第1の量より少ない)第3の量が突起の表面に隣接し、かつ(第2の量より多い)第4の量が第1の支持板の表面に隣接した構成との間で切り替え可能である。これらの種々の構成は、以下で更に説明するように、例えば、種々のグレースケールレベルを有する種々の表示効果に対応する。
【0008】
図1Aは、エレクトロウェッティング装置の例の一部の模式的な断面を示す。本例において、この装置は、複数のエレクトロウェッティング素子を備えたエレクトロウェッティング表示装置1である。各エレクトロウェッティング素子は画素2(さもなければ、表示素子と呼ばれる)であり、その1つを
図1Aに示す。各例において、複数のエレクトロウェッティング素子は、表示効果を提供するためのピクセルを定め得るが、これら複数の各エレクトロウェッティング素子は、サブピクセルの表示効果を提供するためのサブピクセルである。他の例においては、各エレクトロウェッティング素子がピクセルを定めてもよい。本例の画素の横寸法を、
図1Aにおいて2本の破線3、4で示す。画素は、第1の支持板5及び第2の支持板6を備える。これらの支持板は、各画素とは別の部品であってもよいが、複数の画素によって共通に共有されてもよい。支持板は、ガラスまたはポリマー基板8、10を備えてもよく、剛性または可撓性を有してもよい。各例における支持板は、図示したものと比べて、更なる層及び/または構造物(例えば、表示素子を制御するための回路)を備える。例えば、分かりやすくするために、
図1Aにはこのような特徴を示していない。
【0009】
表示装置は、画像または表示効果を見ることができる表示面12、及び背面14を有する。
図1Aにおいて、第2の支持板6(この表面は、本例において基板10の表面である)の表面は背面14を定め、第1の支持板5(この表面は、本例において基板8の表面である)の表面は表示面12を定める。
図1Aの表示装置は、更に後述するように、例えば、第2の流体が反射性を有することにより、反射機能を有してもよい。しかしながら、本明細書に記載した例に従って突起を備える更なる例が想定され、そのような例では、その代わりに透過型または半透過型であってもよい。透過型の表示素子は、例えば、表示素子を介して光源から表示面まで光を伝達することによって発光するとみなすことができる。複数の表示素子は単色でもよい。カラー表示装置の場合、表示素子は、各グループが異なる色を有する複数のグループに分割されてもよく、あるいは、個々の表示素子が、種々の色を表示することを可能としてもよい。カラー表示装置の場合、表示素子の少なくとも1つは、所定の色相を有するカラーフィルタを介して伝達される光を与えて必要な表示効果が得られるように、カラーフィルタ(例えば、第1の支持板内の適切な層)を備える。
【0010】
支持板間の各表示素子の空間16(さもなければ、チャンバとみなされ得る)には、2種の流体が充填される。これらの流体は、本例において液体である。
図1Aの例において、空間16には、第1の流体18及び第2の流体20が充填される。従って、第1の流体及び第2の流体は、第1の支持板と第2の支持板の間に位置する。
【0011】
第2の流体は、例えば、導電性または有極性の少なくとも一方であり、水でも、塩化カリウムの水溶液などの塩溶液でもよい。「electrically conductive(導電性)」とは、例えば、第2の流体が電気を伝導することができることを意味する。例えば、電流は、例えば、第2の流体を介したイオンの流れにより、第2の流体を介して流れ得る。「polar(有極性)」とは、各例において、第2の流体が、正味の双極子を持つ分子を有する少なくとも1種の化合物(例えば、液状ビヒクル)を含むことを意味する。すなわち、分子構造にわたり、当該分子には、電子分布に起因して、双極子モーメントが全体的に形成される。このとき、分子の少なくとも1つの部分は負電荷を有し、分子の少なくとも1つの異なる部分は正電荷を有する。このような双極子モーメントには永久双極子が含まれる。極性は、例えば、1つ以上の原子間結合が分子に存在することによって生じる。このとき、例えば、原子の1つは、酸素または窒素などのヘテロ原子である。例えば、このような極性原子間結合は、酸素(O)原子と水素(H)原子の間の結合、すなわち−O−H結合である。この結合は、いくつかの例においては、少なくとも1つの水酸(−OH)基が存在していることに起因する場合がある。かかる結合の存在により、第2の流体内の種々の分子間に水素結合が生じ得る。
【0012】
図1Aの例の第2の流体は、実質的に反射性を有する。例えば、第2の流体は、第2の流体に対する可視光の入射の少なくとも50%(例えば、可視光の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、ほぼ100%、または100%)を反射するように構成される。第2の流体の反射率は、各例において、(上述した水または塩溶液などの)搬送液中に分散または懸濁させた白色顔料粒子によって提供されてもよい。白色顔料粒子は、例えば、エレクトロウェッティング表示素子の使用に適した搬送液と相溶性を有する二酸化チタンまたは別の白色顔料であってもよい。他の例において、第2の流体は、透明でもよいし、着色され、かつ/または吸収性を有してもよい。
【0013】
第1の流体は、無極性または非導電性の少なくとも一方であり、例えば、デカンまたはヘキサデカンのようなアルカンでもよく、またはシリコーン油などの油でもよい。
【0014】
第2の流体は、第1の流体と不混和性である。従って、第1の流体と第2の流体は、実質的に互いに混合せず、いくつかの例においては、いかなる程度にも互いに混合しない。第1の流体と第2の流体の実質的な不混和性は、第1の流体及び第2の流体の性質(例えば、それらの化学的組成)に起因する。第1の流体及び第2の流体は、互いに隔離された状態を保つ傾向があり、従って、共に混合して第1の流体と第2の流体の均質な混合物を形成する傾向を示さない。この不混和性のため、第1の流体と第2の流体は、界面22で互いに接触している。この界面は、当該量の第1の流体と当該量の第2の流体との間の境界を定める。この界面または境界は、メニスカスと呼ばれる場合がある。第1の流体と第2の流体が実質的に互いに混合していない状態で、いくつかの例においては、ある混合度の第1の流体と第2の流体が存在し得るが、このことは、第1の流体の量の大部分が第2の流体の量の大部分と混合しないという点で無視できるほどであるとみなされることが想定される。
【0015】
第1の流体は、少なくとも一部の光学スペクトルを吸収する。第1の流体は、一部の光学スペクトルに対して透過性を有することによってカラーフィルタを形成してもよい。この目的のために、第1の流体は、顔料粒子または染料の添加によって着色されてもよい。あるいは、第1の流体は、黒色(例えば、光学スペクトルの実質的に全ての部分に対して吸収性を有する)であってもよく、または反射性を有してもよい。本明細書に記載される各例において、第1の流体は黒色であり、従って、例えば、可視光スペクトル内の光学スペクトルの実質的に全ての部分を吸収する。用語「substantially absorbs(実質的に吸収する)」には、ある程度のばらつきが含まれる。従って、第1の流体は、全ての波長を吸収しなくてもよいが、可視スペクトルなどの所与のスペクトルの範囲内の大部分の波長を吸収することにより、素子において第1の流体の機能を実現するようにしてもよい。従って、第1の流体は、第1の流体に対する実質的に全ての光の入射を吸収するように構成される。例えば、第1の流体は、可視スペクトル及び第1の流体に対する入射において90%以上の光を吸収してもよい。
【0016】
図1Aの例などの各例において、第1の支持板5は、絶縁層24を備える。この絶縁層は透明である。絶縁層24は、画素の壁の間に延在してもよい。第2の流体20と絶縁層の下に配置された電極との間の短絡を回避するため、絶縁層の各層は、
図1Aに示すように、複数の画素2にわたって連続的に延在してもよい。絶縁層は、画素2の空間16に対向する表面26を有する。従って、表面26は、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方が少なくとも部分的に隣接した第1の支持板の表面である。この表面は、表示効果を制御するための表示領域を提供する。絶縁層の厚さは、2マイクロメートル未満であってもよく、1マイクロメートル未満であってもよい。
【0017】
各例において、絶縁層は、例えば、疎水性材料によって形成された単層であってもよく、あるいは、
図1Aに示すように、例えば、所定の誘電特性を有する疎水性層28及び障壁層30を備えてもよい。疎水性層28は、
図1Aに示すように、空間16に対向する(例えば、最も近い)。疎水性層は、
図1Aにおいて模式的に示されており、テフロン(登録商標)AF1600によって形成されてもよい。障壁層30は、基板の面に直交する方向で見て、50ナノメートルから500ナノメートルの間の厚さを有してもよく、酸化ケイ素またはケイ素のような無機材料によって作製されてもよい。
【0018】
各表示素子2は、第1の支持板5の一部として電極32(さもなければ、本明細書において第1の電極と呼ばれる)を備える。この電極は、表示領域を提供する支持板の表面と関係している(例えば、重なっている)。図示した例において、第1の支持板のこうした1つの電極32が表示素子毎に存在する。電極32は、絶縁層24によって流体から隔離されており、隣接画素の各電極は、非導電性層によってそれぞれ互いに隔離されている。
【0019】
いくつかの例において、絶縁層24と電極32の間に更なる層を配置してもよい。電極32は、任意の所望の形状または形態を有することができる。
図1Aにおいて模式的に示されているが、画素の電極32には信号線34によって電位信号が供給される。第2の信号線が、第2の流体20と電気的に接触している電極36(本明細書において第2の電極と呼ばれる)に接続されている。これにより、電極から第2の流体に電荷を流すことができる。この電極は、全ての素子に共通であってもよい。このとき、これらの素子は、第2の流体によって流動的に相互接続され、かつ第2の流体を共有しており、壁によって遮断されていない。
【0020】
各例(例えば、
図1Aの例)において、第1の流体18は、少なくとも1つの壁(本例においては、画素の断面に続く壁38)により、表示素子の表示領域に隣接するように閉じ込められる。画素の断面は、任意の形状を有してもよい。画素をマトリックス状に配置するとき、この断面は、通常、正方形または矩形であるが、他の例においては、種々の断面形状が想定される。なお、記載した例においては、複数の壁が、画素の断面に続いており、表示領域に隣接するように第1の流体を閉じ込めているが、他の例においては、表示領域を囲む1つの連続的な壁であってもよい。
【0021】
絶縁層24から突出する構造として壁が図示されているものの、これらの壁は、その代わりに、親水性層、またはより親水性の低い層などの、第1の流体をはじく支持板の表面層であってもよい。壁は、第1の支持板から第2の支持板まで延在してもよいが、その代わりに、
図1Aに示すように、第1の支持板から第2の支持板まで部分的に延在してもよい。破線3及び4で示した画素の寸法は、壁38の中心によって定められる。破線40、42で示した、画素の壁の間の表面26の領域は、表示領域44と呼ばれる。この領域を介して表示効果が生じ、この領域には第1の流体が隣接する。ここで、この表面には、後述する突起も隣接していない。表示効果は、然るべき時に説明するように、印加電圧Vの大きさに応じて、表示領域によって定められる表面に第1の流体及び第2の流体が隣接する領域のサイズに依存する。従って、第1の電極32と第2の電極36の間、及び第3の電極32’と第2の電極36の間に印加される電圧Vの大きさにより、素子内の第1の流体及び第2の流体の構成が決定され、この電圧の大きさを使用して流体構成を制御する。
【0022】
図1Aの例などの各例において、第2の支持板6は、第1の支持板の構造と同様の構造を有する。第1の支持板の特徴と同様である第2の支持板の特徴は、
図1Aにおいて、同一の参照番号に’を付すことによってラベル付けされている。例えば、第2の支持板は、第1の支持板の電極32と同様である電極32’(本明細書の他の箇所では第3の電極と呼ばれる)を備えているが、他の例においては、電極の形状、電気的特性及び/または材料が、各電極について異なっていてもよい。各例において、第3の電極は、第2の支持板の一部を構成しており、突起に重なっている。例えば、第3の電極の水平方向範囲は、突起の水平方向範囲に重なっている。第1の支持板の特徴に対する説明は、第2の支持板の対応する特徴に当てはまるとみなされるべきである。従って、次に、第1の支持板と第2の支持板の間の差異について説明する。
【0023】
各例(例えば、
図1Aの例)において、表示素子は突起を備える。
図1Aの例において、突起46は、第2の支持板6の一部として形成される(従って、
図1Aのブラケットは、突起46を含むように延在するが、第1の支持板の壁38を含まない)。
【0024】
本明細書に記載した突起は、第1の支持板または第2の支持板の少なくとも一方から突出し、第1の支持板または第2の支持板の少なくとも一方の一部として形成されるように構成される。
図1Aの例において、突起は、第2の支持板から突出し、第1の支持板の表面26に接触するように延在する。しかしながら、他の例において、突起は、その代わりに、第1の支持板の一部として、または第1の支持板と第2の支持板の両方の一部として形成される。
【0025】
多くの異なる形状の突起が、種々の例に対して想定される。例えば、
図1Aに示すように(ただし、他の例に対しても想定される)、突起は、長尺形状を有する(例えば、長尺素子である)。この素子は、第1の支持板または第2の支持板のそれぞれの一方から第1の支持板または第2の支持板のそれぞれの他方まで延在する。例えば、突起は、表面26’の面と実質的に直交する(例えば、製造公差内で直交する)方向に第2の支持板から延在する。突起は、例えば、構造体、支柱、円柱または柱であるとみなされてもよい。各例において、突起は、幅より高い高さでもよいが、他の例においては、突起の高さより広くてもよい。例えば、突起は、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方が隣接する第1の支持板の表面の50%未満(例えば、40%未満、30%未満、20%未満または10%未満)を占有する。従って、突起は、例えば、第1の流体及び/または第2の流体が隣接するための表面の比較的小さい領域を占有する(例えば、フットプリントカバーを有する)。突起の断面は、第2の支持板の表面26’の面に平行な平面で見ると、例えば、円形または正方形であるが、他の形状も想定される。更に、かかる断面の形状及び大きさは、突起の長さに沿って実質的に一定(例えば、許容可能な製造公差内で一定)であってもよいが、他の例においては、形状または大きさは、
図4及び5を用いた例で後述するように、突起の長さに沿って変化してもよい。突起の寸法は、更に詳しく後述するように、例えば、突起がその機能を十分に実現できるように、例えば、第1の流体の流れを導くための導管として設計される。更に、表示素子の水平方向範囲内の突起の位置は、種々の例について異なっていてもよい。この位置は、例えば、第1の流体の導管の特性を改善するように選択されてもよく、例えば、突起は、表面26’に対して実質的に中央に配置されても(例えば、許容可能な製造公差内で中央にあっても)よい。これにより、第1の支持板5の表示領域に出入りする第1の流体の流れは、突起の周囲で均一になる。これは、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方によって少なくとも1つの壁から隔離されている突起の例である。例えば、突起から水平方向には、突起と少なくとも1つの壁との間に第1の流体または第2の流体の少なくとも一方が存在する。従って、突起は、表示領域内に位置し得る。
【0026】
図1Aの例において、突起46は、障壁層30’の上に形成された長尺素子であり、表示素子の水平方向範囲に対して実質的に中央に位置する。突起は、第2の支持板の一部として形成される。本例において、突起46は円形断面を有する。
図1Aの例などの各例において、突起は、第2の支持板から延在し、第1の支持板の表面26に接触する。表面に接触することにより、突起は、加えて、第1の支持板または第2の支持板の少なくとも一方の変形を抑制するためのスペーサとして更に作用し得る。
【0027】
各例において、突起は、単一の材料(例えば、疎水性材料)によって形成されてもよい。他の例(例えば、
図1Aの例)において、突起は、長尺構造体48、及び長尺構造体48を覆っている疎水性層50によって形成される。長尺構造体は、例えば、第1の支持板または第2の支持板の一方の少なくとも1つの層のうちの層の表面に形成される。例えば、疎水性層50は、第1の支持板または第2の支持板の少なくとも一方の層の表面も覆っている。例えば、
図1Aにおいて、疎水性層は、第2の支持板の絶縁層30’も覆っており、従って、第2の支持板の連続的な疎水性層である。この層は、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方が隣接するための第2の支持板の表面26’及び突起52の表面を提供する。このように、
図1Aにおいて、突起は、第2の支持板の一部として形成される。各例の疎水性層は、実質的に均一な(例えば、許容可能な製造公差内で均一な)厚さを有する。
【0028】
各例において、突起の表面は、電圧を印加しなくても第1の流体に対する濡れ性が第1の支持板の表面より低い材料によって形成される。従って、
図1Aにおいて、突起52の表面は、電圧を印加しなくても第1の支持板の表面26より第1の流体に濡れにくい。更に後述するように、このことは、第1の流体が、突起の表面及び/または第1の支持板の表面に隣接するように切り替え可能であることを意味する。各例における突起の表面は、第2の支持板の表面26’の面から離れている。従って、例えば、突起の表面は、第2の支持板の表面の面と直交する面にあるとみなすことができる。
【0029】
材料の表面に対するエレクトロウェッティング効果のため、材料の表面の濡れ性は、当該表面に電圧を印加したときに変化し得ることに留意すべきである。従って、材料の固有の濡れ性特性は電圧印加の有無に関わらず変化しないものの、材料の表面の濡れ性は、当該表面に電圧を印加したときに、固有の濡れ性から、例えば、第1の流体により濡れにくい、従って、例えば、第2の流体により濡れやすい異なる濡れ性に一時的に変化し得る。従って、説明における以下の様々な箇所では、電圧が存在しないか、または電圧を印加していない文脈で表面の濡れ性について言及する。このことは、表面上の静電電荷の影響を伴わずに、表面を有する材料の固有の濡れ性特性を説明することを意図している。
【0030】
濡れ性は、固体の表面に対する流体の相対的な親和性に関する。濡れ性は、流体と固体の表面との間の接触角によって測定され得る。接触角は、流体−固体境界における流体と固体の間の表面張力の差異によって決まる。例えば、表面張力が大きく異なると、疎水性を示す可能性がある。本明細書に記載した例において、第1の流体によって濡れやすい表面は、1度から119度の範囲内で流体−固体境界にて接触角を形成する。この接触角は、第1の流体内の円弧によって表される(図示せず)。
【0031】
突起の表面(例えば、
図1Aの表面52)が、第1の支持板の表面(例えば、
図1Aの表面26)より第1の流体に濡れにくいにも関わらず、第1の支持板の表面と突起の表面は共に、例えば、電圧を印加しなくても、それぞれ第1の流体による濡れ性を有し、例えば、それぞれ疎水性を有する(水をはじく傾向を有する)。突起の表面の濡れ性、第1の支持板の表面の濡れ性、及び従ってそれらの間の濡れ性の差異は、突起の表面に隣接する所と第1の支持板の表面に隣接する所との間での第1の流体の移送の制御が可能となるように、かつ第1の流体及び第2の流体の構成が電圧印加後に実質的に維持された状態を保つことが可能となるように選択される。これについては、以下で更に詳しく説明する。
【0032】
第2の支持板が突起(例えば、
図1Aの突起)を備えている例において、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方が隣接するための第2の支持板の表面は、突起52の表面及び更なる表面54を備える。例えば、更なる表面は、例えば、電圧を印加しなくても、第1の流体に対する濡れ性が突起の表面より低く、いくつかの例においては親水性を有し得る材料によって形成される。更なる表面は、例えば、第2の支持板の表面26’の一部であるが、電圧を印加しなくても第1の流体に対する濡れ性が低く、それにより、更なる表面は第1の流体に濡れにくくなっている。
図1Aの更なる表面は、例えば、突起52の表面に隣接する第2の支持板の表面26’の別の一部を囲み、そこに隣接する。従って、更なる表面54が第2の支持板の表面26’の他の一部に隣接する場合に形成された線Lは、第1の流体によって濡れやすい第2の支持板の表面に隣接する範囲を区切っている(例えば、印を付けている)。換言すれば、線Lは、第2の支持板の更なる表面54と表面26’との間の濡れ性の変化を示している。この変化は、第1の流体が第2の支持板のより広い表面にわたって必要以上に広がるのを制限する(例えば、防止または阻止する)。従って、この線は、例えば、第1の流体によって濡れやすい第2の支持板の表面の範囲の外周部として作用する。例えば、線Lは、第1の流体に濡れることができる第2の支持板の表面の最大範囲を定める。各例(例えば、
図1Aの例)において、更なる表面54は親水性を有するのに対し、第2の支持板の表面の他の一部は疎水性を有する。第2の支持板の表面の他の一部に隣接する突起の表面は、例えば、第1の流体に対する濡れ性が他の表面と同一である。従って、突起の表面と第2の支持板の表面の他の一部とは、例えば、第1の流体に対する濡れ性が同一である単一の表面を形成する。
【0033】
この線は、突起の水平方向範囲を囲むように直線状としても非直線状(例えば、円形)としてもよい。線Lの位置は、例えば、第1の流体の量、空間の寸法、例えば、または流体の所望の切り替え特性のうちの少なくとも1つに応じてエレクトロウェッティング表示装置を設計するときに選択することができる。従って、種々の例において、線Lの場所は、
図1Aに示したものとは異なっていてもよい。例えば、更なる表面は、第2の支持板の表面の別の一部が介在せずとも突起の表面に隣接する場合があり、かかる例の一例については、
図6及び7を用いて後述する。更なる表面が突起の表面に隣接した状態で、第2の支持板の表面、及び従って更なる表面は、例えば、いくつかの例において突起の表面と同一の濡れ性を有し得る。他の例において、更なる表面は、第1の流体に対する濡れ性が突起の表面の濡れ性より大きくてもよく、例えば疎水性を有してもよい。かかる例において、突起の表面は、疎水性を有してもよく、またはいくつかの例においては親水性を有してもよい。
【0034】
他の例においては、こうした更なる表面がなくてもよい。その代わりに、第2の支持板の表面は、突起の表面を備え、突起から、突起を囲む少なくとも1つの壁38’まで延在する。例えば、突起に最も近い第2の支持板の少なくとも1つの壁38’の表面は、電圧を印加しなくても、第1の流体に対する濡れ性が第2の板の表面より低い。例えば、少なくとも1つの壁の表面は親水性を有してもよく、少なくとも1つの壁の表面を除いた第2の支持板の表面は疎水性を有する。少なくとも1つの壁の表面が第2の支持板の表面に接触する(例えば、隣接する)場合の線は、従って、第1の流体が第2の支持板の表面に広がる範囲を制限することにより、上述した線Lとして同様に作用する。
【0035】
図1Bは、第1の支持板の平面図における矩形画素のマトリックスを示す。
図1Bの中心画素の寸法は、
図1Aの破線3及び4に対応しており、破線56によって示される。線58は、壁の内側境界を示す。この線は、表示領域26の端部(例えば、外周部)でもある。破線60は、突起46の水平方向範囲を示す。
【0036】
図1A及び1Bを参照すると、第1の流体18が第1の支持板の表面26に隣接する領域は、斜めのハッチングによって示される。従って、第1の支持板の表面26に隣接する第1の流体の外周部は、線62によって示される。認識されるように、第1の流体が表示領域の全てよりも少なく隣接した状態では、第1の流体が、例えば、上述したように黒色の場合、光は、表示面12を通って表示素子に入射し、第2の流体によって反射され、その後、第1の流体が隣接していない第1の支持板の表示領域の一部を通って出射し得る。第1の流体が隣接する表示領域の領域の大きさに依存して、表示素子を通って表示素子を出射可能な光の量に応じて、異なる表示効果が表示素子によって提供され得る。このように、第1の流体の制御可能な構成を使用して表示素子を光弁として作動させることにより、表示領域上に表示効果が提供される。
【0037】
以下、表示素子によって提供される表示効果を制御するために、第1の流体及び第2の流体の構成を制御する例について更に説明する。
図12もまた、本明細書に記載した例に従ったエレクトロウェッティング表示装置の制御方法を示す。
【0038】
各例において、第1の流体及び第2の流体の構成は、第1の電極、第2の電極または第3の電極の少なくとも1つの間に印加された電圧を用いて切り替え可能である。従って、突起面に隣接する第1の流体の量及び第1の支持板の表面に隣接する第1の流体の量は、第1の電極と第2の電極の間に印加された第1の電圧の大きさを制御することによって、かつ第3の電極と第2の電極の間に印加された第2の電圧の大きさを制御することによって制御可能である。
図1A及び1Bを用いて示した第1の流体及び第2の流体の構成は一例である。第1の流体及び第2の流体の更なる構成は、第1の電極と第2の電極の間の第1の電圧V1または第3の電極と第2の電極の間の第2の電圧V2の少なくとも一方の印加に応じて得られる。以下、
図2A、2B、3A及び3Bを参照してこれを実証する。
【0039】
図2A及び3Aは、
図1Aと同じ表示素子を示す。ただし、第1の流体及び第2の流体の構成が異なっている。
図1Bと同じ表示素子を示す
図2B及び3Bに対しては同じことが当てはまる。従って、これらの図においては同一の参照番号が使用される。
【0040】
図2A及び2Bは、第1の流体及び第2の流体の第1構成の一例を示す。この構成は、本例において、表示素子によって提供可能な最も明るい表示効果に対応する。換言すれば、第1の流体は、(例えば、後述する表示装置制御サブシステムによって制御される切り替えパラメータの範囲内で)表示領域の最小領域に隣接するように構成される。このことは、斜めのハッチングにより、
図2Bによって示される。
【0041】
図3A及び3Bは、第1の流体及び第2の流体の第2構成の一例を示す。この構成は、本例において、表示素子によって提供可能な最も暗い表示効果に対応する。換言すれば、第1の流体は、表示領域の最大領域に隣接するように構成される。このことは、斜めのハッチングにより、
図3Bによって示される。
【0042】
各例(例えば、
図1Aから3Bの例)において、第1の流体及び第2の流体が第1構成をとっている状態では、第1の量の第1の流体が突起の表面52に隣接し、かつ第2の量の第1の流体が第1の支持板の表面26に隣接し;第1の流体及び第2の流体が第2構成をとっている状態では、第3の量の第1の流体が突起の表面52に隣接し、かつ第4の量の第1の流体が第1の支持板の表面26に隣接する。第3の量は第1の量より少なく、第4の量は第2の量より多い。各例における第1の流体は、突起面に比べて第2の支持板の表面に更に隣接してもよい。
【0043】
第1の電圧及び第2の電圧の印加(例えば、第1の電圧及び/または第2の電圧の大きさまたは印加期間の少なくとも一方)を制御することにより、第1の流体は、突起の表面の一部に隣接する所と支持板の表面の一部に隣接する所との間で移動可能となる。このように、第1の流体及び第2の流体は、第1構成と第2構成の間で切り替え可能である。
【0044】
なお、第1の流体が表面または表面の一部に隣接すると記載されている場合、この第1の流体は、関連する表面上にある第1の流体の一部を指す。「on(上に)」は、例えば、表面に隣接することに限定されるものではなく、それ自体は表面に隣接しないが、関連する表面上に支持される更なる量の第1の流体に限定されるものでもない。
【0045】
上述したように、突起の表面と第1の支持板の表面の間の濡れ性の差異は、第1の流体の移送を制御することが可能となるように選択される。例えば、突起の表面が第1の支持板の表面より第1の流体に対する濡れ性が低い状態では、第1の流体は、突起の表面を濡らすことよりも第1の支持板の表面を濡らすことを優先し得る。しかしながら、突起の表面と第1の支持板の表面の両方が第1の流体に対する濡れ性を有する状態では、第1の流体に電圧を印加しなくても、第1の流体の一部が第1の支持板の表面に隣接し、かつ第1の流体の一部が突起の表面に隣接する構成は、第1の電圧及び/または第2の電圧を印加した後(例えば、第1の電圧または第2の電圧の少なくとも一方を除去した後)、例えば、第1の電極、第2の電極または第3の電極のどの電極の間に電圧を印加していなくても実質的に不変のままである。実質的に不変というのは、例えば、第1の流体及び第2の流体の構成による表示効果が不変であると観察者によって認識された場合である。この不変の表示効果は、第1の流体及び第2の流体の異なる構成が別の表示効果のために必要とされるまで継続し得る。従って、この構成は、逆流のために油が移動する既知の装置においてかかる時間よりも長い間不変のままとなり得る。構成が不変のままとなり得る期間は、各例において、数日、数週間、数ヶ月またはそれよりも長いオーダーとなり得る。このようにして、表示素子は、複数の安定した表示状態を提供するとみなされ得る。この表示状態では、例えば、逆流という問題が起きることなく、第1の流体及び第2の流体の構成が実質的に不変のままとなる。これにより、従って、当技術分野から知られる逆流の抑制または補償技術のいくつかは、電力を使用して、例えば、リセット信号を周期的に印加することを実行し得るが、そのような技術を使用しなくても済むようになる。
【0046】
第1の流体及び第2の流体の構成を変更するために(例えば、第1の支持板の表面に隣接するように第1の流体を突起の表面に隣接する所から移動させるために)、第1の電極と第2の電極の間に印加される第1の電圧V1を、第2の電極と第3の電極の間に印加される第2の電圧V2(ゼロ以外の大きさを有する)より小さい大きさ、例えば、大きさゼロ(すなわち、V1=0V)に設定する。これにより、第2の電圧V2が第1の電圧V1より大きい大きさに設定され得る可能性がなくなる。このように、例えば、(例えば、
図2Aに示したような)第1構成から(例えば、
図3Aに示したような)第2構成に、第1の流体及び第2の流体を切り替えることができる。第1の電圧及び第2の電圧のそれぞれの具体的な大きさ及び印加期間は、表示素子のパラメータ(例えば、表示素子における突起の表面及び第1の支持板の表面の濡れ性、ならびに第1の流体の量及び第2の流体の量)に応じて、流体構成間の切り替えが可能となるように選択される。
【0047】
第1の流体及び第2の流体の構成を変更するために(例えば、突起の表面に隣接するように第1の流体を第1の支持板の表面に隣接する所から移動させるために)、第1の電圧V1を、例えば、大きさゼロの第2の電圧V2(すなわち、V2=0V)より大きい大きさ(ゼロ以外の大きさ)に設定する。これにより、第2の電圧V2が第1の電圧V1より小さい大きさに設定され得る可能性がなくなる。第1の電圧及び第2の電圧の具体的な大きさ及び印加期間は、先に説明した表示素子のパラメータに同様に依存する。ゼロ電圧は、電圧を印加しないこと(例えば、2つの電極間に電圧を印加しないこと)と等価である。
【0048】
このように、第1の電圧及び第2の電圧を設定する制御を適切に行うことにより、第1の流体及び第2の流体を、第1構成と第2構成の一方に選択的に切り替えることができる。更に、第1の電圧または第2の電圧の少なくとも一方の大きさ及び印加期間を適切に選択した状態で、突起の表面と第1の支持板の表面のそれぞれの一方からそれぞれの他方に第1の流体を移送することに関わる、第1の流体及び第2の流体の構成の切り替え率を、例えば、第1の流体及び第2の流体の構成の所定または既定の切り替え率で制御してもよい。
【0049】
第1の電圧または第2の電圧の少なくとも一方を適切に印加した状態で、第1の流体は、突起の表面または第1の支持板の表面から離れるように押しのけられるとみなすことができる。従って、突起の表面は、第1の流体の貯蔵部として作用するとみなすことができる。第1の電圧及び第2の電圧の大きさに応じて、(例えば、突起から第1の支持板への、またはその逆の)第1の流体の移動方向を優先して電圧勾配を調整してもよい。勾配の大きさ、及び従って第1の流体の流速は、例えば、第1の電圧と第2の電圧のそれぞれの具体的な大きさに依存する。
【0050】
各例において、第1の流体を所望の表面に「押しやること」を促進するためには、より大きい大きさの電圧を、各例において第1の流体に印加すべきである。従って、突起から第1の支持板の表面に第1の流体を移送するために、第1構成の第1の流体を、(第2の電極によって電位が印加される)第2の流体と第3の電極の間に配置してもよい。このように、第1の流体が第2の支持板の表面に広がる範囲を区切っている線Lを、第2の流体と第3の電極の間に配置することにより、第1の流体の一部に第2の電圧を印加することができるようにしてもよい。第2の電圧を線Lに印加可能とした状態で、例えば、第1の流体を移動させるための力が、第1の流体及び第2の流体と第2の支持板の表面との界面に加わる。従って、この力は、当該量の第1の流体の端部に加わって、第1の支持板の表面に向かって第1の流体を押しやることを促進する。
【0051】
上述したように、本明細書に記載した例は、第1の流体及び第2の流体の複数の安定した構成を呈する。このことは、例えば、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1の流体及び第2の流体の第1構成または第2構成の一方を、異なる表示効果を提供するのに第1の流体及び第2の流体の異なる構成が必要とされるまで実質的に維持するように構成されている少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラム命令によって可能となる。このことは、例えば、ある流体構成を設定し、次いで更なる第1の電圧及び更なる第2の電圧を印加して第1の流体及び第2の流体を異なる構成に切り替えるべく第1の電圧を印加してから第2の電圧を印加するまでの期間中、第1の電極と第2の電極の間に更なる第1の電圧などの電圧を与えず(例えば、印加せず)、かつ第3の電極と第2の電極の間に電圧(例えば、更なる第2の電圧)を印加することを停止することによってなされる。
【0052】
次に、第1の流体及び第2の流体の構成の切り替えを制御するための回路の更なる詳細について説明する。
【0053】
図4は、携帯機器70などのシステムの各部の一例を模式的に示す。かかる例の更なる詳細について、以下で更に説明する。この機器は、上記の例で説明したものなどのエレクトロウェッティング表示装置を備える。エレクトロウェッティング表示装置は、本明細書に記載した例の突起付きの複数の表示素子を備える。従って、これら複数の表示素子の各表示素子(例えば、少なくとも第1の表示素子及び第2の表示素子)は、第1の支持板の表面、第2の支持板の表面、突起、第1の流体、第2の流体、第1の電極及び第3の電極のそれぞれ1つを備える。
【0054】
本例において、複数の表示素子は、当業者が認識するように、マトリックスレイアウトで配置され、いわゆるアクティブマトリックス駆動技術を用いて制御される。他の例においては、当業者にとって同様に知られたパッシブマトリックス技術を、例えば、表示素子毎の専用ドライバと共に使用して、表示素子に電圧を印加するようにしてもよいことを認識すべきである。かかる例において、表示領域は、装置によって表示可能な画像の一部分に対応し得る。
【0055】
駆動中のアクティブマトリックスを用いた例に戻ると、例えば、
図4に示すように、第1の支持板及び第2の支持板のそれぞれは、第1の電圧V1及び第2の電圧V2の印加を制御するためのアクティブマトリックス回路をそれぞれ備える。ディスプレイ駆動システム及び上述したエレクトロウェッティング表示装置などの表示装置が存在する。ディスプレイ駆動システムは、例えば、後述する表示装置制御サブシステムの一部であり、本例においては、ディスプレイコントローラまたはコントローラ72、第1の支持板用のディスプレイ行ドライバ76、及び第1の支持板用のディスプレイ列ドライバ74を備える。表示素子の表示状態を示すデータ、例えば、静止画像またはビデオ画像を表す表示状態、例えば、表示効果は、ディスプレイ駆動システムへの入力線78を経由して受信される。ディスプレイコントローラは、入力線78を経由して受信されたデータを処理するための少なくとも1つのプロセッサ80を備える。プロセッサは、少なくとも1つのメモリ82に接続されている。ディスプレイコントローラは、表示装置に使用するためのデータを用意する。少なくとも1つのメモリは、コンピュータプログラム命令を記憶してもよい。この命令は、プロセッサによって実行されているときに、説明した表示装置の制御方法の1つ以上を表示機器に実行させるように構成される。コンピュータプログラム命令は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品に記憶されてもよい。プロセッサ80の出力は、線84によってディスプレイ行ドライバ76に接続されている。このドライバは、表示装置のための適切な電圧に信号を変換する行ドライバ段86を備える。行信号線88は、表示装置の各行に行ドライバ段を接続して、ディスプレイ行ドライバにおいて生成された電圧パルスを表示装置の各行の表示素子に送信できるようにし、それにより、表示装置の各行に行アドレス指定信号を与える。換言すれば、1つ以上の行をアドレス指定するための1つ以上の電圧パルスは、各行に対応する行信号線88を介して1つ以上の行の表示素子にそれぞれ対応するスイッチング素子に送信される。ディスプレイ行ドライバ76は、電圧パルスのパルス継続期間の値を設定するための、プロセッサ80からの情報を用いて、表示装置の各行をアドレス指定するために使用される電圧パルスを生成する。プロセッサ80の別の出力は、線90によってディスプレイ列ドライバ74に接続されている。このドライバは、表示装置のための適切な電圧に信号を変換する列ドライバ段94を備える。列信号線92は、列ドライバ段を表示装置の各列に接続して、表示装置の各列に列信号を提供する。ディスプレイコントローラ72は、どの行をアドレス指定のためにどの順番で選択するかを決定する。選択された行は、これらの行のそれぞれにアドレス指定信号を与えることによって連続的にアドレス指定される。
【0056】
アドレス指定することは、表示素子の行に印加される少なくとも1つの電圧パルスに対応する第1のパルス継続期間の値を決定するステップ、第1のパルス継続期間を有する少なくとも1つの電圧パルスを生成するステップ、及びこの少なくとも1つの電圧パルスをアドレス指定すべき行に送信するステップを含んでもよい。行の表示素子が同一の行信号線に接続されている例において、行をアドレス指定することは、その行の各表示素子をアドレス指定することを意味する。表示素子をアドレス指定しているとき、表示素子は、当該表示素子が接続されている列信号線に与えられた列信号を通す。表示素子の列信号は、表示素子のアドレス指定に使用される電圧パルスと実質的に同時に与えられる。実質的に同時にとは、例えば、少なくとも電圧パルスのパルス継続期間中に列信号が列信号線に存在することを意味する。ディスプレイドライバは、ディスプレイドライバに入力されるデータをドライバ段に接続された複数の出力を介して分配するために、図示しない分配器を備えてもよい。分配器は、シフトレジスタであってもよい。
図4には、図に示した表示装置の列及び行に対してのみ信号線が示されている。行ドライバを単一の集積回路に集積してもよい。同様に、列ドライバを単一の集積回路に集積してもよい。集積回路は、完全なドライバアセンブリを備えてもよい。集積回路は、表示装置の基板8または基板10に集積されてもよい。集積回路は、表示装置制御サブシステムの一部または全部を備えてもよい。表示装置は、n行のマトリックスに配置された複数の表示素子を備える。ここで、nは2以上(すなわち、1より大きい)であってもよい。マトリックスは、アクティブマトリックス構成を有してもよい。マトリックスは、m列を備えてもよい。ここで、mは2以上の場合があり、表示素子の合計数は、本例においてn×mである。
図4は、k〜k+4とラベル付けされた5つの行及びl〜l+3とラベル付けされた4つの列に対する表示素子を示す。一般的な表示装置の行及び列の合計数は、数百から数千の範囲をとり得る。
図4において列lのピクセルとも呼ばれる(しかし、他の例においてはサブピクセルであってもよい)表示素子は、p〜p+4とラベル付けされている。各表示素子は、
図1Aの表示素子2と同じ構造を有してもよい。
図4は、表示素子のいくつかの電気的部分を示す。表示装置の各表示素子は、1つ以上のスイッチング素子の形態で能動素子を備える。スイッチング素子は、トランジスタ(例えば、薄膜トランジスタ(TFT)またはダイオード)であってもよい。表示素子の第1の電極及び第2の電極は、ピクセルキャパシタCpとして示されている。キャパシタの第2の電極をグラウンドに接続している線は、共通信号線(
図1の36)であり、キャパシタの第1の電極をトランジスタに接続している線は、
図1に示した信号線34である。表示素子は、記憶目的のための、または保持状態もしくは素子に印加された電圧の継続期間を表示装置全体にわたって均一にするためのキャパシタCsを備えてもよい。このキャパシタは、Cpと並列に配置されているが、
図3には別々に示されていない。列ドライバは、入力データに対応する信号レベルを表示素子に提供する。行ドライバは、特定の表示状態に設定すべき素子の行をアドレス指定するための信号を提供する。各例において、行をアドレス指定することは、行の各表示素子のトランジスタを伝導状態のトランジスタに切り替える行の信号線に信号を印加することを意味する。n行の表示装置の各行は、電圧パルスなどの信号によってアドレス指定可能である。電圧パルスは、スイッチング素子をスイッチングすべく、アドレス指定された行の各表示素子のスイッチング素子に印加される。
【0057】
行のアドレス指定は、アクティブマトリックス表示装置の表示素子をアドレス指定することの一部である。特定の表示素子は、その特定の表示素子が位置する列に電圧を印加し、その特定の表示素子が位置する行に電圧パルスを印加することによってアドレス指定される。表示素子のトランジスタが行のアドレス指定信号の電圧パルスをゲートで受信したとき、トランジスタは導通し、表示素子の電極32に列ドライバの信号レベルを通過させる。各例において、電圧パルスは、ベースライン値からそれよりも大きいかまたは小さい値への電圧の急速な過渡変化であり、ベースライン値への急速な復帰(例えば、変化)が続く。電圧パルスの連続する2つの電圧変化の間の期間は、パルス継続期間と呼ばれる。トランジスタをオフに切り替えた後、トランジスタはもはや導通していないため、セル上の電圧は、表示素子に対する次の行のアドレス指定信号によってトランジスタを再度オンに切り替えるまで許容可能な製造公差内に維持される。このアクティブマトリックス駆動方法において、エレクトロウェッティングセルの電極は、これらのセルが一定の表示効果を示す期間の開始時において一時的に駆動段に接続される。この接続中、所望の表示効果に関わる電圧が電極に印加される。表示素子をドライバ段から切り離した後、電極上の電圧は、1つ以上のキャパシタにより、表示素子が表示効果を示す期間中、許容可能な製造公差内に維持される。この方法は、「active(アクティブ)と呼ばれる。これは、表示素子が、少なくとも1つの能動素子(例えば、トランジスタ)を含むためである。
【0058】
図5は、アクティブマトリックス構成を有する表示装置の表示素子を駆動する例示的な方法の図を示す。この方法は、一連のフレームの間、画像を表示する(例えば、画像は、1フレームの期間内で表示される)。フレームの間、表示装置の全ての表示素子はアドレス指定され得る。マトリックスにおいて、表示装置のマトリックスの全ての行は、フレームの間、アドレス指定される。
図5は、2つの連続フレームr及びr+1の間の時刻tの関数として、2つの列信号Vl及びVl+1、ならびに5つの行アドレス指定信号Vk...Vk+4を示す。フレームの期間またはフレーム周期の長さはTfである。各例において、フレーム周期Tfは、n行のマトリックスをアドレス指定するための所定の周期である。いくつかの例において、フレーム周期は、同じ行を連続的にアドレス指定している間の時間である。周期の長さは、例えば、コントローラ72において、調整され(例えば、プログラムされ)てもよい。
【0059】
行アドレス指定信号Vk上のパルスによって行kが選択され、アドレス指定されたとき、
図5のフレームrの開始時に示すように、行kの各表示素子のトランジスタが導通し、各列信号線92上の電圧が行kの各表示素子の電極32に与えられる。その後、
図4のディスプレイ列ドライバ94は、列信号線上の電圧を行k+1に必要とされる値に変更する。行アドレス指定信号k+1上のパルスによって行k+1が選択されたとき、電圧は、行k+1の表示素子の
図1Aの電極32に与えられる。表示装置の全てのn行が、フレームrにおいて同様の方法で連続的に選択される。行を選択するプロセスは、次のフレームr+1において再び開始される。
【0060】
一般的な表示機器の例において、ゲート周期Tgまたはゲート時間とも呼ばれる、行アドレス指定信号の電圧パルスのパルス継続期間は、n行の表示装置が1つのフレーム周期内で連続的にアドレス指定することができるようになっている。従って、一般的な表示機器は、通常、Tf/n以下のパルス継続期間を有しており、nは行数である。例えば、20ミリ秒のフレーム周期内で1000行をアドレス指定するには、20マイクロ秒以下のパルス継続期間が必要となる。
【0061】
直前で説明したアクティブマトリックスの例は、第1の電極と第2の電極の間への第1の電圧の印加を制御するために使用される。各例において、アクティブマトリックス型技術は、第3の電極と第2の電極の間への第2の電圧の印加を制御するためにも使用される。従って、エレクトロウェッティング表示装置は、第2のアクティブマトリックスを備える。これを
図4に示す。第2のアクティブマトリックスの多くの特徴は、第1の電圧の印加を制御するように説明したアクティブマトリックスの特徴と同様である。かかる特徴は、先に使用した同一の参照番号に’を付してラベル付けされており、対応する説明が該当するとみなされるべきである。例えば、先に説明した第1のアクティブマトリックスのディスプレイ行ドライバ74に対応するディスプレイ列ドライバは、74’とラベル付けされている。従って、第2のアクティブマトリックスの列を駆動するために別々のディスプレイ列ドライバが使用される。これらのドライバは、線98を経由して入力されたデータを受信する。しかしながら、線96が第1のアクティブマトリックスの行信号線88を第2のアクティブマトリックスの行信号線88’に接続している状態で
図4に示されているように、同じディスプレイ行ドライバ76を使用してもよい。このようにして、第1の電圧と第2の電圧を、表示素子に共に印加してもよい。例えば、それらの電圧は、互いに同期されている。その理由は、所与の表示素子に対し、第1のアクティブマトリックス及び第2のアクティブマトリックスのそれぞれのTFTが、関連する行ドライバ段86が行信号を出力するときに適切な列信号を印加するように応答するためである。
【0062】
図4を用いて説明した例は、各表示素子の第1の流体及び第2の流体の構成を制御するための回路の一例である。この回路は、例えば、TFTのマトリックス、及び表示素子をコントローラに接続するためのコネクタを備える。この例は、複数の表示素子の少なくとも1つの各表示素子に対する第1の電圧の印加を制御するように個別に切り替え可能である(TFTなどの)スイッチング素子を含む第1の回路71を備えた第1の支持板;及び複数の表示素子の少なくとも1つの各表示素子に対する第2の電圧の印加を制御するように個別に切り替え可能である(TFTなどの)スイッチング素子を含む第2の回路71’を備えた第2の支持板の一例である。表示素子は、例えば、本明細書に記載した任意の例示的な表示素子であってもよい。
【0063】
図4の例において、第1の回路は、例えば、少なくとも部分的に基板8に搭載されており、第2の回路は、例えば、少なくとも部分的に基板10に搭載されている。他の例においては、第2の回路の一部が第1の支持板の基板8に搭載されてもよく、逆も同様である。従って、各アクティブマトリックスのTFTのマトリックスは、支持板の1つの一部として形成されてもよい。従って、第1の支持板または第2の支持板の一方は、第1の回路と第2の回路の両方を備えており、このとき、第1の回路または第2の回路の一方は、複数の表示素子のそれぞれの第1の電極または複数の表示素子のそれぞれの第3の電極にそれぞれ電気的に接続されている。この電気的接続は、例えば、各表示素子の壁を通る接続線を経由してもよい。回路のこの構成は有用であり、それにより、回路の製造が、1つの支持板の一部としてなされ、従って、両方の支持板の上に回路を製造するより簡単なものとなる。更に、表示素子から回路の層を介して表示効果を生じさせない場合、表示効果の質が向上し得る。換言すれば、各例において、表示面は、アクティブマトリックス回路を備えた支持板の一部ではない。
【0064】
図6は、
図4の例と比較して、第1の電圧及び第2の電圧の印加を制御するための回路の異なる例を模式的に示す。
図4を用いて説明した特徴は、
図6の例において使用される特徴と同様であり、従って、同一の参照番号を200だけ増加させてラベル付けされている。簡潔のため、対応する説明が該当するとみなされるべきであり、そのような説明をここでは繰り返さない。従って、以下に続く説明では、
図4の例との差異について説明する。
【0065】
本例においては、個々の第1の電極を備える各表示素子の代わりに、複数の表示素子の各表示素子の第1の電極は、各表示素子の第1の支持板の表面に重なっている単一電極100の一部である。第1の電極用の専用ドライバ102は、ドライバ段104の入力データを受信するための線298に接続されていて、ドライバ段104を第1の電極に接続している線106を用いて第2の電極と第1の電極の間に第1の電圧を印加する。この線106は、
図1Aに示した線34と同様である。ディスプレイコントローラ272は、例えば、図示したアクティブマトリックスを用いた第2の電圧の印加と連携して第1の電極用の専用ドライバを制御するように構成される。
【0066】
単一の第1の電極が複数の表示素子に重なっている例の一例において、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサを用いて、複数の表示素子の各表示素子について、複数の表示素子のそれぞれの第1の電極と第2の電極の間に電圧を印加して第1の支持板の表面から突起の表面に第1の流体の実質的に全てを移送すべくエレクトロウェッティング表示装置を制御するように構成される。実質的に全てとは、例えば、
図2Aに示した第1構成に表示素子を駆動することを意味する。この構成は、コントローラが最も明るい表示効果に流体を駆動するように構成された流体構成である。この移送は、表示素子を準備し、続いて各表示素子についてそれぞれの流体構成に個別に切り替えられるように、全ての表示素子をリセットすることとみなすことができる。次いで、例えば、その後、第1の流体の実質的に全てを移送してから、表示素子毎に必要なそれぞれの大きさで第2の電圧を印加して、各表示素子の第1の流体及び第2の流体を必要な表示効果を提供するための構成に切り替えるようにする。
【0067】
なお、
図6は、第1の支持板の一部としての単一の第1の電極を
図6の下部ページに示しており、第2の支持板のアクティブマトリックス回路は、
図6の上部ページに示されている。更なる例においては、単一の第1の電極の代わりに、表示素子毎に個々の第1の電極が存在する。その代わりに、第3の電極は、第2の電圧を印加するのに使用される102とラベル付けされたドライバと同様の専用ドライバを備えた第2の支持板の単一電極の一部として形成される。更なる例において、第1の電極または第3の電極の機能を実現する単一電極の代わりに、表示素子の1つまたは多数の行の第1の電極または第3の電極を単一電極として形成してもよい。従って、例えば、第1の支持板は、例えば、ストリップ形状の、複数の長手方向電極を備えてもよい。これらの電極は、1行の表示素子を合わせて駆動できるように、複数の表示素子にわたって延在し、それぞれは、第1の電極の行に対応する1行の電極を表す。それぞれの長手方向電極は、102とラベル付けされたドライバなどの専用ドライバによって駆動される。他の例において、第2の支持板は、その代わりに、第3の電極の行に対応する1行の電極をそれぞれ表す複数の長手方向電極を備えてもよい。
【0068】
エレクトロウェッティング表示装置の更なる例が想定される。
【0069】
例えば、第2の支持板の一部として突起が形成されている例において、突起は、第2の支持板から延在してもよいが、第1の支持板に接触しなくてもよい。このことは、突起が第1の支持板に接触している
図1Aの例とは対照的である。かかる例について、
図7及び8を参照して以下で説明する。本例の特徴は、
図1A〜3Bを用いて説明したものと同様であり、同一の参照番号を300だけ増加させてラベル付けされている。簡潔のため、対応する説明がここでも該当するとみなされるべきであり、そのような説明をここでは繰り返さない。
【0070】
図7を参照すると、突起110は、例えば、
図1Aと同様に第2の支持板の層の上に、第2の支持板の一部として形成されているが、第1の支持板に最も近い突起の一部112は、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方によって第1の支持板から隔離された状態となっている。換言すれば、突起と第1の支持板の表面326との間に隙間が存在する。この隙間は、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方によって占有される。従って、突起の一部は、第1の支持板に接触していない。かかる例において、突起は、表示素子によって提供される表示効果の視聴者によってほとんどまたは全く見えない。従って、表示効果の質が向上する。加えて、通過する光に対して第1の支持板の表面のより大きな領域が利用可能であるため、より明るい表示効果を提供することができる。
図7は、第1の流体と第2の流体の第2構成を示す。この構成は、本例の第2構成が表示素子によって表示可能な最も暗い表示効果であるという点で
図3Aに示した第2構成に対応する。この流体構成において、第1の流体は、第1の支持板の表面326の全てに隣接する。
【0071】
図7の例などの各例において、第1の支持板は、第2の支持板の少なくとも1つの壁338’に接触するように延在する少なくとも1つの壁を備える。このようにして、第1の支持板305の少なくとも1つの壁は、第1の支持板及び第2の支持板の変形を抑制するために、第1の支持板と第2の支持板の間のスペーサ116として機能してもよい。
【0072】
各例(例えば、
図7の例)において、突起110の構造体348を覆っている疎水性層318の厚さTは、第1の支持板から離れる方向Dにおいて突起に沿って増加する厚さを有する。疎水性層が絶縁性を呈する場合、疎水性層の厚さを増加させることにより、絶縁性が発揮され、かつ向上する。従って、突起の絶縁性が方向Dにおいて向上する。このことは、突起から第1の支持板の表面に第1の流体を移動させるために第2の電圧を印加するとき、第1の流体の移動の仕方及びかかる移動が開始される場所に影響し得る。例えば、突起上の第1の流体の移動を第1の支持板から最も遠い部分で開始することが望ましい場合がある。その結果、第1の流体は、突起に沿って第1の支持板の方に移動しやすくなる。
【0073】
図8は、
図7の例を示しているが、第1の流体が第1構成をとっている状態である。この構成は、この表示素子の最も明るい表示効果であるという点で
図2Aの第1構成に対応する。本例において、第1の流体は、第1の支持板の表面326のいずれにも実質的に隣接していない。その代わりに、第1の流体の実質的に全てが突起の表面352に隣接する。実質的にという用語は、第1の流体の無視できるほど少ない若干の付着物が、第1の流体及び第2の流体が第1構成をとっている状態で第1の支持板の表面326に残存し得るという事実を説明するために本明細書において使用される。第1構成では、従って、本例において、第1の支持板に最も近い突起の一部112が、少なくとも第2の流体によって第1の支持板から隔離されている。第2の流体が実質的に反射性を有し、突起と第1の支持板の表面との間の第2の流体の層の厚さに依存している状態では、突起の表面及び/または第2の支持板の表面に隣接する第1の流体は、表示素子によって提供される表示効果に影響を与えない場合がある。更に、第2の流体は、第1の流体の染料化合物を漂白する可能性のある紫外線などの放射線への暴露から下地の第1の流体を保護してもよい。従って、第2の流体は、第1の流体の放射線への暴露を抑制し、従って第1の流体の寿命を延長するのに役立つことができる。
【0074】
前述したのと同様に、突起352の表面と更なる表面の間に線Lが存在してもよい。双方の表面は、第2の支持板の表面に含まれている。この線は、第1の流体によって濡れやすい第2の支持板の表面に隣接する範囲を区切っている。例えば、突起の表面は疎水性を有し、更なる表面は親水性を有する。こうした各例(例えば、
図7及び8の例)において、第3の電極は、第2の支持板に含まれており、上記線は、第2の流体と第3の電極の間に位置する。このことは、上述したように、上記線を適切に配置するように表示素子を適切に設計した状態で、第1の流体を移動させるための力が、第1の流体及び第2の流体と第2の支持板の表面との界面に印加されることを意味する。
【0075】
図7の例を参照すると、例えば、第1の流体及び第2の流体が第2構成をとるように構成されている場合、例えば、第1の流体の実質的に全てが支持板の表面に隣接した状態で、第1の流体の一部が突起の表面に隣接する。このようにして、第2構成から第1構成に切り替えるとき、例えば、第1の流体が既に突起の表面に接触しており、最初に突起の表面に隙間を広げる必要がないため、第1の支持板の表面から突起の表面への第1の流体の滑らかな移動が得られる。第1の流体の量の適切な選択、突起と第1の支持板の表面との間の隙間の大きさ、及び表示素子の他のパラメータにより、この機能が可能となる。他の例では、第2の構成において、第1の流体は突起の表面に全く隣接していなくてもよい。しかしながら、適切な第1の電圧及び第2の電圧を印加する際、例えば、毛細管効果によって第1の流体を突起の表面に隣接させ、そこに移送させるようにしてもよい。従って、
図7及び8の例などの各例において、突起の一部112と第1の支持板326の表面との間の距離は、第1構成と第2構成の間で切り替えるとき、第1の流体が、突起の表面に隣接する所と第1の支持板の表面に隣接する所との間で移動できるようになっている。各例における突起の一部と第1の支持板の表面との間の正確な距離は、表示素子の他の構造パラメータに依存する。それにより、当該距離にわたって第1の流体を移送することが可能となる。例えば、この距離は、各例において、突起の表面の第1の流体に対する濡れ性;第1の支持板の表面の第1の流体に対する濡れ性;第1の流体の量;第1の電極、第2の電極もしくは第3の電極の少なくとも1つを用いて印加可能な印加電圧の大きさ;第1の流体の粘度;第1の流体の表面張力;第2の流体の粘度;または第2の流体の表面張力の少なくとも1つに応じて設定される。当業者は、かかるパラメータが当該距離にわたる第1の流体の移動可能性にどのように影響するか、従って、それに応じて当該距離をどのように設定し得るかを容易に理解するであろう。
【0076】
上述した例の代替例において、突起は、第1の支持板の一部として形成される。一例について、
図9及び10を用いて以下で説明する。本例の特徴は、他の例において先に説明した特徴と同様である。かかる特徴は、同一の参照番号を400だけ増加させてラベル付けされている。簡潔のため、対応する説明がここで該当するとみなされるべきであり、そのような説明を繰り返さない。
【0077】
各例において、第1の支持板が突起を備えている状態で、突起120は、第2の支持板に最も近い部分122を有し、この部分は、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方(例えば、少なくとも第2の流体)によって第2の支持板から隔離されている。突起は、第1の流体が第2の支持板に移動することができないように、ある距離だけ第2の支持板から隔離されている。各例において、表示素子は、例えば、第1の流体が隔離部を横断することを依然として妨ぎつつ隔離部の大きさを最小限にするため、第2の支持板に最も近い突起の一部の第1の流体に対する濡れ性の減少を調整することによって設計される。従って、第2の支持板は、単純な構造(例えば、単一基板410)とすることができる。第2の支持板は、少なくとも1つの壁を備えてもよい。この壁は、第1の支持板及び第2の支持板の変形を抑制するために、第1の支持板に接触するように延在するスペーサ124として形成されてもよい。第2の支持板を示すために126とラベル付けされたブラケットは、第2の支持板の一部としてスペーサを含んでいることを示す。このような各例において、第2の支持板は、回路を全く備えておらず、従って製造が容易である。
【0078】
図9及び10の各例において、第1の支持板128は、基板408、障壁層430及び疎水性層428を備える。この疎水性層は、第1の流体または第2の流体の少なくとも一方が隣接するための第1の支持板の表面426を提供する。第1の支持板は、本例において、前述した壁と同様の少なくとも1つの壁438を備える。
【0079】
第1の支持板が突起を備えている例において、突起は、例えば、第1の支持板の層(例えば、障壁層)の表面に形成された構造で形成される。疎水性層132は、例えば、この構造を覆っている。従って、第1の支持板の表面は、第1の流体に対する濡れ性を有し、突起の表面134は、第1の流体に対する濡れ性を有するが、いずれの場合でも電圧は印加されない。他の例において先に説明したように、第1の支持板426の表面は、例えば、第1の流体に対する濡れ性が突起の表面より大きい。このとき、これらの表面は共に、例えば、疎水性材料によって形成されている。
【0080】
(
図9及び10の例などの)各例において、突起の表面は第1の部分を備える。第2の部分は、突起の更なる表面を提供するが、第1の部分と第1の支持板の表面との間に位置する。電圧を印加しなくても、第1の部分は、第1の流体に対する濡れ性が第2の部分より大きい。各例における突起の表面は、第1の支持板の表面426の面から離れている。第1の部分は、例えば、疎水性層132である。第2の部分133は、例えば、親水性材料によって形成される。従って、第1の部分と第2の部分が互いに隣接する所で、線Lは、第1の流体に対する濡れ性の変化を表すように形成される。この線は、流体が
図9に示した第1構成をとっている状態で、第1の流体が突起面に濡れる範囲を制限している。いくつかの例において、第2の部分、及び従って突起の更なる表面は、第1の流体の実質的に全てが第1の支持板の表面に隣接した状態で、第1の流体の厚さに対応する範囲を有する。この範囲及び厚さは、第1の支持板の表面の面に直交する方向で見たものであり、このことは、
図9を用いて示されている。この図は、表示素子の最も明るい表示効果に対応する第1の流体及び第2の流体の第1構成を示している。というのも、第1の流体の全てが(または無視できるほど少ない量しか)第1の支持板の表面426に隣接していないためである。
【0081】
図9及び10の例などの各例において、第1の電極432は、第1の支持板の一部でもある第3の電極を囲むように形成されていることを除き、先の例で説明した第1の電極と同様である。従って、本例においては、突起が円形断面を有する場合、第1の電極は、その中心において、第3の電極を収容するための円形の切り欠き(例えば、穴または、開口)を備える。第1の電極と第3の電極の間には、第1の電極と第3の電極を互いに電気的に絶縁する非導電性材料の層(ラベル付けされていない)がある。従って、
図9及び10の例などの各例において、第1の支持板は、突起及び第3の電極を備える。
図9及び10の例などのいくつかの例における第3の電極は、突起120の一部を形成する第3の電極136である。例えば、本例に示すように、第3の電極は、突起の長さに沿って実質的に延在する。例えば、第3の電極は、突起に沿って疎水性層132まで延在する。
図9及び10の例の突起120は、例えば、
図1Aに前述したように、実質的に中央に位置する。
【0082】
第3の電極は、例えば、適切な材料(例えば、本例及び他の例における第1の電極及び/または第3の電極を形成するのに使用され得るインジウムスズ酸化物(ITO))によって形成される。第3の電極は、例えば、信号線434’によってコントローラに接続されている。本明細書に記載した各種の例により、従って、第3の電極は、突起、第1の支持板または第2の支持板の少なくとも1つの一部を形成し得る。これにより、表示素子を設計する際の柔軟性が提供される。
【0083】
突起が第3の電極を備えている各例(例えば
図9及び10の例)において、第1の流体は、第1の電圧及び第2の電圧の印加に関して前述した技術と同様に、第1の電極と第2の電極の間の第1の電圧及び第3の電極と第2の電極の間に印加された第2の電圧の適切な印加を利用して、第1の支持板の表面に隣接するように突起面に隣接する所から移送されてもよい。例えば、適切な電圧の大きさ及び電圧印加期間を利用してもよい。
図9及び10の例の場合、
図9に示すように第1の流体及び第2の流体が第1構成をとっている状態で、第1の流体は、例えば、印加した第2の電圧の大きさより小さい大きさの第1の電圧を印加することにより、第1の支持板の表面に隣接するように移送されてもよい。一旦電圧が除去されると(例えば、もはや印加されない)、第1の流体は、
図10に示したようにここで第2構成をとり、第2構成の状態を保つ。これは、例えば、第1の流体に濡れにくく、従って、第2の部分を越えて(これは、第1の流体が第2の部分を飛び越えるとみなされてもよい)突起の表面の第1の部分へと第1の流体を移動させるのに十分である適切な大きさの第1の電圧及び第2の電圧が印加されるまで、第1の流体が突起の表面の第1の部分に移動する際の障壁として作用する第2の部分133が存在するためである。従って、第2の部分が障壁として機能している状態で、突起は、第1の流体の貯蔵部として作用可能であり、このとき、第1の支持板の表面に隣接する第1の流体の量及び突起の表面に隣接する第1の流体の量を、突起の表面へと、または突起の表面から、第2の部分を越えて第1の流体の量を選択的に移動させることによって制御可能である。
【0084】
図11は、上述した例のいずれかなどのエレクトロウェッティング表示装置(例えば、エレクトロウェッティング表示素子2を備えた上記のエレクトロウェッティング表示装置)を備えた例示的なシステム(例えば、機器150)のシステム図を模式的に示す。この機器は、例えば、携帯型(例えば、可動)装置である。このような装置としては、いわゆる「e−reader(電子書籍リーダ)」などの電子書籍リーダ装置、タブレットコンピューティング装置、ラップトップコンピューティング装置、移動体通信装置、腕時計、または衛星航法装置などがある。あるいは、この機器は、表示スクリーンを必要としている任意の機械または装置(例えば、民生用機器)に取り付けるための表示スクリーンであってもよい。
【0085】
このシステム図は、機器150の基本的なハードウェアアーキテクチャの一例を示す。この機器は、少なくとも1つのプロセッサ152を備える。このプロセッサは、例えば、表示装置制御サブシステム154、通信サブシステム156、ユーザ入力サブシステム158、電源サブシステム160及びシステム記憶装置162に接続されており、従ってこれらとデータ通信を行っている。表示装置制御サブシステムは、表示装置に接続されており、従ってこれとデータ通信を行っている。少なくとも1つのプロセッサ152は、例えば、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、または本明細書に記載した機能を実行するように設計されたこれらの任意の適切な組み合わせである。プロセッサは、コンピューティング装置の組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、または他の任意のこうした構成)として実装してもよい。プロセッサは、1つ以上のメモリ(例えば、システム記憶装置162のメモリ)から情報を読み出し、またはそれらに情報を書き込むために、1つ以上のバスを介して接続されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、加えて、または代替的に、プロセッサのレジスタなどのメモリを搭載してもよい。
【0086】
表示装置制御サブシステム154は、例えば、エレクトロウェッティング表示素子のいずれかに対する電圧の印加に使用するためのエレクトロウェッティング表示素子ドライバコンポーネントを備えていて、こうした個別の表示素子をアドレス指定する。各例において、エレクトロウェッティング表示素子は、アクティブマトリックス構成に従って構成され、表示装置制御サブシステムは、エレクトロウェッティング表示素子を制御するための回路を経由して表示装置1の薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子を制御するように構成される。この回路には、上述した信号線や制御線などの信号線及び制御線が含まれてもよい。
【0087】
通信サブシステム156は、例えば、機器がデータネットワークを経由してコンピューティング装置と通信するように構成される。このようなデータネットワークとしては、例えば、インターネットなどのコンピュータネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、遠距離通信ネットワーク、有線ネットワーク、無線ネットワーク、または何らかの他の種類のネットワークがある。通信サブシステム156は、例えば、入出力(I/O)インタフェースを更に備えてもよい。このような入出力インタフェースとしては、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、ブルートゥース接続もしくは赤外線接続、または上述したもののいずれかなどのデータネットワークに機器を接続するためのデータネットワークインタフェースなどがある。後述するようなコンテンツデータを、通信サブシステムを経由して装置に転送してもよい。
【0088】
ユーザ入力サブシステム158は、例えば、機器のユーザからの入力を受信するための入力装置を備えてもよい。例示的な入力装置しては、キーボード、ローラーボール、ボタン、キー、スイッチ、ポインティングデバイス、マウス、ジョイスティック、リモコン、赤外線検出器、音声認識システム、バーコードリーダ、スキャナ、(例えば、手のジェスチャもしくは顔のジェスチャを検出するための映像処理ソフトウェアに接続される可能性のある)ビデオカメラ、モーション検出器、(例えば、音声コマンドを検出するための音声処理ソフトウェアに接続される可能性のある)マイクロホン、またはユーザからの情報を装置に送信することができる他の装置が挙げられるが、これらに限定されることはない。
入力装置は、表示装置と連動するタッチスクリーンの形態をとってもよい。その場合、ユーザは、タッチすることによって表示装置のプロンプトに応答する。ユーザは、キーボードまたはタッチスクリーンなどの入力装置を通じて言語情報を入力してもよい。
【0089】
機器は、例えば、機器のユーザに出力を与えるための出力装置を含むユーザ出力サブシステム(図示せず)を備えてもよい。例としては、印刷装置、例えば、1つ以上のスピーカ、ヘッドホン、イヤホン、アラームを備える音声出力装置、または触覚型出力装置が挙げられるが、これらに限定されることはない。出力装置は、イヤホンなどの、記載した他の出力装置のうちの1つに接続するためのコネクタポートであってもよい。
【0090】
電源サブシステム160は、例えば、機器によって消費される電力を伝達し、制御するのに使用するための電源回路166を備える。電力は、電源回路を経由して、主電源によって、または電池164から供給されてもよい。電源回路は、主電源から電池を充電するために更に使用されてもよい。
【0091】
システム記憶装置162は、少なくとも1つのメモリ(例えば、揮発性メモリ168と不揮発性メモリ170の少なくとも一方)を備えており、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えてもよい。揮発性メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよい。不揮発性(NV)メモリは、例えば、フラッシュメモリなどのソリッドステートドライブ(SSD)またはリードオンリーメモリ(ROM)であってもよい。更なる記憶技術として、例えば、磁気媒体、光学媒体もしくはテープ媒体、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ、または他のデータ記憶媒体を使用してもよい。揮発性メモリ及び/または不揮発性メモリは、着脱式でも非着脱式でもよい。
【0092】
これらのメモリはいずれも、機器(例えば、機器の構成要素またはサブシステム)を制御するためのデータを記憶してもよい。かかるデータは、例えば、コンピュータ可読命令及び/またはコンピュータ実行可能命令(例えば、コンピュータプログラム命令)の形態をとってもよい。従って、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサを用いて、エレクトロウェッティング表示装置によって提供された表示効果を制御するように構成されてもよい。
【0093】
図11の例において、揮発性メモリ168は、例えば、表示装置によって提供される表示効果を表す表示装置データ172を記憶する。プロセッサ152は、表示装置データに基づき、表示素子に電圧を印加するために表示装置に信号を順次出力する表示装置制御サブシステム154にデータを送信して、表示装置からの表示効果を提供するようにしてもよい。不揮発性メモリ170は、例えば、プログラムデータ174及び/またはコンテンツデータ176を記憶する。例えば、プログラムデータは、例えば、コンピュータソフトウェアの形態をとった、機器または機器の構成要素もしくはサブシステムのためのアプリケーションまたはプログラムモジュールを機器が実行して一定の機能またはタスクを実行するための、かつ/または機器の構成要素もしくはサブシステムを制御するためのコンピュータ実行可能命令を表すデータである。例えば、アプリケーションまたはプログラムモジュールデータは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造または類似のもののいずれかを含む。例えば、コンテンツデータは、例えば、ユーザのためのコンテンツを表すデータである。かかるコンテンツは、任意の形態の媒体を表してもよい。このような媒体としては、例えば、テキスト、少なくとも1つの画像またはその一部、少なくとも1つの映像またはその一部、少なくとも1つの音声もしくは音楽またはその一部がある。画像またはその一部を表すデータは、例えば、エレクトロウェッティング表示装置の少なくとも1つのエレクトロウェッティング素子によって提供すべき表示効果を表す。コンテンツデータは、コンテンツのライブラリを表すデータを含んでもよい。このようなライブラリは、例えば、書籍、定期刊行物、新聞、映画、映像、音楽またはポッドキャストのいずれかのライブラリであり、これらのそれぞれは、例えば、1冊の書籍または1本の映画を表すデータの集合によって表されてもよい。かかるデータの集合は、1種類のコンテンツデータを含んでもよいが、その代わりに、異なる種類のコンテンツデータの組み合わせを含んでもよい。例えば、映画は、少なくとも画像データ及び音声データを含むデータによって表されてもよい。
【0094】
当業者は、本明細書に記載した例に従ってエレクトロウェッティング表示装置を製造するのに使用可能な技術の例を容易に理解するであろう。ここで例を挙げるが、多数の更なる例が想定されることを認識すべきである。
【0095】
製造方法の例を挙げる。この例は、
図13にも関連する。以下、エレクトロウェッティング表示装置の例示的な製造方法について説明する。記載した例は、1つの表示素子(例えば、
図1Aの表示素子)の特徴に焦点を当てているが、この製造方法の例は、複数の表示素子を備えた装置に適用されることを認識すべきである。
【0096】
突起を備えた支持板(例えば、第2の支持板)を形成する。基板を供給した後、少なくとも1つの層を、例えば、化学的または物理的気相成長(CVDまたはPVD)(例えば、スパッタ堆積または電子ビーム蒸着)を用いて基板上に蒸着させる。この場合、当業者によって理解されるように、温度、圧力及び電力を適切に制御する。
【0097】
少なくとも1つの層は、例えば、
図1Aを用いて前述したように、少なくとも1つの電極及び障壁層を備える。更なる層を堆積し、パターン形成して、表示素子を制御するための回路を形成してもよい。少なくとも1つの層のうちの層(例えば、電極前駆層)は、当業者が理解するように、例えば、適切なパターン形成技術を用いて、例えば、ITOの電極を形成するようにパターン形成される。かかるパターン形成技術の一例は、フォトレジスト材料を用いたパターン形成後に残存するように電極前駆層の領域をマスクすること、フォトリソグラフィ技術を使用して少なくとも1つの電極を形成すべき領域のフォトレジストを硬化させること、未硬化フォトレジストを除去すること、及び次いでフォトレジストによって覆われていない堆積金属をエッチングすること(例えば、酸性のエッチング溶解)を含む。
【0098】
更なる層(例えば、突起前駆層)を、少なくとも1つの層(例えば、障壁層)の上に堆積させ、突起の少なくとも一部を少なくとも1つの層の上に形成するようにパターン形成する。この突起は、少なくとも1つの層から延在する長尺形状を有する。突起は、当業者が容易に理解するように、例えば、SU8フォトレジストによって形成されてもよいし、フォトリソグラフィプロセスを用いてパターン形成されてもよい。かかるフォトリソグラフィプロセスの一例は、例えば、SU8フォトレジスト材料を少なくとも1つの層の上に広げた後、マスクを使用して、選択的に適用される紫外線を用いてフォトレジスト材料にパターン形成することを含む。その後、フォトレジスト材料に対してハードベーキングを実行し、次いで、その材料を、当業者が容易に習熟しているはずの適切な現像液を用いて現像する。いくつかの例においては、突起をここで形成してもよいが、他の例において更なる段階が必要となる。例えば、更なる層のパターン形成は、長尺構造体の突起を形成するためのパターン形成である。次に、少なくとも1つの層の一部(例えば、長尺構造体が形成されない障壁層の一部)、及び突起の長尺構造体にコーティングを塗布する。このコーティングは、エレクトロウェッティング表示装置の第1の流体または第2の流体の少なくとも一方に隣接するための外面を有する。コーティングは、例えば、疎水性材料(例えば、テフロン(登録商標)AF1600)であってもよい。この材料は、例えば、当技術分野に周知のスリットコーティングまたはスピンコーティング技術を用いて塗布される。いくつかの例において、コーティングは、突起の長さに沿って減少する厚さで塗布されてもよい。塗布されるという用語は、様々な種類の塗布技術と堆積技術を各例において区別するために、少なくとも1つの層を堆積することに関して使用される堆積するという用語と比較して、本明細書ではコーティングの塗布に対して使用される。例えば、少なくとも1つの層を堆積する際には、ウェットプロセスを使用してコーティング(例えば、スピンコーティング)を塗布するのとは対照的に蒸着型の技術を使用してもよい。
【0099】
いくつかの例において、コーティングの外面は、例えば、コーティングの外面の特性を変化させて、例えば、第1の流体に対する濡れ性を減少させるように処理されてもよい。この処理は、例えば、無線周波数で開始されるプラズマを用いた、当業者が容易に習熟しているはずであり、かつ第1の流体に対する濡れ性を他の部分より低くすべき第2の支持板の表面の部分を形成するために選択的に適用可能である反応性イオンエッチング(RIE)であってもよい(しかし、他の例においては、種々の濡れ性特性を有する種々の材料を、加えて、またはその代わりに塗布して、種々の濡れ性特性を有する表面を形成するようにしてもよい)。コーティングを塗布した後、少なくとも1つの層の上に壁材料を堆積させる。壁材料は、少なくとも1つの層の表面に直接塗布されてもよく、または、少なくとも1つの層に載置されても(例えば、この層によって支持されるが、それと直接接触しなくても)よい。壁材料は、例えば、コーティングの外面の領域に塗布されてもよい。このコーティングは、表面と壁の材料との間の接着力を高めるために施されていた場合がある。次いで、壁材料をパターン形成して、第2の支持板の表示領域に第1の流体を閉じ込めるための少なくとも1つの壁を形成してもよい。壁材料は、SU8であってもよく、従って、パターン形成は、当業者が容易に理解するように、適切なフォトレジスト技術を用いて実行されてもよい。
【0100】
いくつかの例において、突起は、上述した第3の電極などの電極を備える。従って、かかる例において、上記方法の更なる層(例えば、突起前駆層)を堆積する段階は、突起の一部を電極として形成するようにパターン形成される更なる材料層を堆積することを含む。
【0101】
ここで製造されている第2の支持板などの1つの支持板と共に、更なる支持板(例えば、第1の支持板)を形成する。このことは、例えば、更なる基板の上に少なくとも1つの層を堆積し、この更なる基板に少なくとも1つの層の層をパターン形成して、更なる電極を形成することを含む。従って、製造中であるとして直前で説明した支持板と同様の支持板を、壁構造を有するが突起を持たないように形成してもよい。次いで、第1の流体を、例えば、当業者にとって既知の注入技術を用いて、第1の支持板の表面に供給する(しかし、第1の支持板が突起を備えている他の例においては、その代わりに、第1の流体を第2の支持板の表面に供給してもよい)。第2の流体も、例えば、第1の支持板と第2の支持板を共に結合させているときに浸漬させる容器に供給する。次いで、第1の支持板及び第2の支持板(本例においては、更なる支持板及び突起を備えた支持板)を、支持板の間に位置している第1の流体及び第2の流体に隣接させる。このように隣接させることは、例えば、表示素子の配列の最外周辺部に設けられた接着シールを用いてなされてもよい。この製造技術は、既知の技術を使用できるため、簡単である。加えて、最終的に製造した装置において第1の流体が突起の表面と支持板の表面の両方に隣接し得るにもかかわらず、第1の流体を、製造中に第1の支持板などの支持板の1つの表面に単に供給し、次いで製造後に突起面に隣接するように移送することができる。
【0102】
上記の例は、説明のための例として理解すべきである。更なる例が想定される。
【0103】
例えば、いくつかの例において、突起は、第1の流体及び/または第2の流体によって壁から水平方向に突起を隔離するのではなく、第1の支持板の表面の表示領域に隣接するように第1の流体を実質的に閉じ込めるための壁の一部として形成されてもよい。かかる例において、壁は、第1の支持板から第2の支持板まで延在してもよく、壁の一部として形成された突起は、第1の支持板の表面に第1の流体を流すための導管または経路として作用するように、一方の支持板から他方の支持板まで延在してもよい。壁の一部としての突起は、第1の流体または第2の流体の一方が隣接する壁の全表面にわたって延在してはいない。むしろ、突起は、例えば、第1の流体に対する濡れ性が残りの壁面とは異なる壁面に幅狭の(例えば、長尺の)領域を形成する。従って、壁は、主として親水性を有してもよいが、突起は、例えば、印加電圧がなくても第1の流体により濡れやすい表面を有する。かかる例において、第2の流体は、反射性を有していなくてもよいが、その代わりに、例えば、第2の流体に対する可視光入射の50%以上を透過させることにより、可視光に対して実質的に透過性を有してもよい。
【0104】
更に、番号を付した以下の条項に従って各例が想定される。
【0105】
任意の一例に関して記載した任意の特徴は、単独で、または記載した他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、その他の各例、またはその他の各例の任意の組み合わせの1つ以上の特徴と組み合わせて使用されてもよいことを理解すべきである。更に、上記で説明していない均等物及び修正を、添付した請求項の範囲から逸脱せずに使用してもよい。
条項
【0106】
1.エレクトロウェッティング表示装置であって、
表面及び第1の電極を備える第1の支持板と、
第2の支持板と、
突起面を有する突起であって、前記第1の支持板または前記第2の支持板の少なくとも一方の一部として形成され、前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの一方から前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの他方に向かって延在する長尺形状を有する前記突起と、
前記突起面または前記第1の支持板の前記表面の少なくとも一方に隣接する第1の流体と、
前記第1の流体と不混和性である第2の流体であって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記第1の支持板と前記第2の支持板の間に位置する、前記第2の流体と、
前記第2の流体と電気的に接触している第2の電極と、
第3の電極と
を備え、
前記第1の流体及び前記第2の流体の構成は、前記第1の電極、前記第2の電極または前記第3の電極の少なくとも1つを用いて印加された電圧を用いて切り替え可能である、前記エレクトロウェッティング表示装置。
【0107】
2.前記突起は、前記第2の支持板の一部として形成され、前記第1の支持板に最も近い前記突起の一部は、前記第1の支持板の前記表面に接触していない、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0108】
3.前記突起面に隣接する所から前記第1の支持板の前記表面に隣接する所に第1の流体を移送するために、前記突起の前記一部と前記第1の支持板の前記表面との間の距離が、前記突起面の前記第1の流体に対する濡れ性;前記第1の支持板の前記表面の前記第1の流体に対する濡れ性;前記第1の流体の量;前記第1の電極、前記第2の電極または前記第3の電極の少なくとも1つを用いて印加可能な印加電圧の大きさ;前記第1の流体の粘度;前記第1の流体の表面張力;前記第2の流体の粘度;または前記第2の流体の表面張力の少なくとも1つに応じて設定される、条項2に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0109】
4.前記突起の前記一部は、前記第1の流体または前記第2の流体の少なくとも一方によって前記第1の支持板から隔離されている、条項2に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0110】
5.前記第2の流体は、可視光に対して実質的に反射性を有する、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0111】
6.前記第2の支持板の一部として前記突起が形成され、前記突起は、前記第2の支持板から延在し、前記第1の支持板の前記表面に接触する、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0112】
7.前記第1の支持板は、前記第1の支持板の前記表面の表示領域に隣接するように前記第1の流体を閉じ込めるための少なくとも1つの壁を備え、前記突起は、前記表示領域内に位置しており、前記第1の流体または前記第2の流体の少なくとも一方によって前記少なくとも1つの壁から隔離されている、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0113】
8.前記突起は、
前記第1の支持板または前記第2の支持板の一方の少なくとも1つの層のうちの層の表面に設けられた長尺構造体と、
疎水性層であって、
前記第1の支持板または前記第2の支持板の前記一方の前記少なくとも1つの層のうちの前記層の表面の一部、及び
前記突起の前記長尺構造体
を覆い、それによって前記突起面を形成する前記疎水性層と
を備える、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0114】
9.前記疎水性層の厚さは、前記第1の支持板から離れる方向において前記突起に沿って増加する、条項8に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0115】
10.前記第1の支持板の前記表面の表示領域に隣接するように前記第1の流体を実質的に閉じ込めるための少なくとも1つの壁を備え、前記突起は、前記少なくとも1つの壁の一部として形成され、前記少なくとも1つの壁は、前記第1の支持板から前記第2の支持板まで少なくとも部分的に延在する、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0116】
11.前記突起は、前記第1の支持板の一部として形成され、前記突起は、前記第2の支持板に接触していない、前記第2の支持板に最も近い部分を有する、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0117】
12.前記第3の電極は、前記突起、前記第1の支持板または前記第2の支持板の少なくとも1つの一部を形成する、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0118】
13.前記第3の電極は、前記第2の支持板の一部を形成し、前記突起に重なっている、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0119】
14.前記突起面は、電圧を印加しなくても、前記第1の流体に対する濡れ性が前記第1の支持板の前記表面より低い材料によって形成される、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0120】
15.前記第1の支持板の前記表面及び前記突起面は、電圧を印加しなくても第1の流体によって濡れやすいか、または疎水性を有するかの少なくとも一方である材料によってそれぞれ形成される、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0121】
16.前記第2の支持板は前記突起を備え、前記第2の支持板は、前記第1の流体または前記第2の流体の少なくとも一方が隣接するための前記第2の支持板の表面を形成する材料の少なくとも1つの層を備え、前記第2の支持板の前記表面は、
前記突起面と、
電圧を印加しなくても、前記第1の流体に対する濡れ性が前記突起面より低い更なる表面と
を備える、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0122】
17.前記第1の流体及び前記第2の流体の前記構成は、
第1の量の第1の流体が前記突起面に隣接し、かつ第2の量の前記第1の流体が前記第1の支持板の前記表面に隣接した第1構成と、
前記第1の量より少ない第3の量の前記第1の流体が前記突起面に隣接し、かつ前記第2の量より多い第4の量の前記第1の流体が前記第1の支持板の前記表面に隣接した第2構成と
の間で切り替え可能である、条項1に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0123】
18.エレクトロウェッティング表示装置の製造方法であって、
突起を備える支持板を形成することであって、
少なくとも1つの層を基板の上に堆積することと、
前記少なくとも1つの層の電極前駆層をパターン形成して電極を形成することと、
突起前駆層を前記少なくとも1つの層の上に堆積することと、
前記突起前駆層をパターン形成して前記少なくとも1つの層の上に、突起であって、前記少なくとも1つの層から延在する長尺形状を有する前記突起の少なくとも一部を形成することと
を含む、前記形成すること
を含む、前記方法。
【0124】
19.前記突起前駆層を前記パターン形成することは、
前記突起前駆層をパターン形成して前記突起の長尺構造体を形成することを含み、
前記方法は、
前記少なくとも1つの層の表面の一部及び前記長尺構造体にコーティングを塗布することであって、前記コーティングの外面は、前記エレクトロウェッティング表示装置の第1の流体または第2の流体の少なくとも一方が隣接するためのものである、前記塗布することを更に含む、条項18に記載の方法。
【0125】
20.コーティングを前記塗布することは、前記少なくとも1つの層の前記一部及び前記長尺構造体に疎水性材料のコーティングを塗布することを含む、条項19に記載の方法。
【0126】
21.コーティングを前記塗布することは、前記突起の長さに沿って減少する厚さを有するコーティングを塗布することを含む、条項19に記載の方法。
【0127】
22.前記コーティングの前記外面を処理して前記エレクトロウェッティング表示装置の第1の流体に対する前記外面の少なくとも一部の濡れ性を減少させることを含む、条項19に記載の方法。
【0128】
23.突起前駆層を前記堆積することは、前記突起の一部を電極として形成するようにパターン形成される材料の突起前駆体層を堆積することを含む、条項18に記載の方法。
【0129】
24.更なる支持板を形成することであって、
少なくとも1つの層を更なる基板の上に堆積することと、
前記少なくとも1つの層のうちの層を前記更なる基板にパターン形成して更なる電極を形成することと
を含む、前記形成することと、
前記突起を備える前記支持板、または
前記更なる支持板
の一方の表面に第1の流体を供給することと、
第2の流体を供給することと、
前記第1の流体及び前記第2の流体が前記支持板と前記更なる支持板の間に位置している状態で、前記突起を備える前記支持板を前記更なる支持板に隣接させること
を含む、条項18に記載の方法。
【0130】
25.機器であって、
エレクトロウェッティング表示装置であって、
表面及び第1の電極を備える第1の支持板と、
第2の支持板と、
突起面を有する突起であって、前記第1の支持板または前記第2の支持板の少なくとも一方の一部として形成され、前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの一方から前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの他方に向かって延在する長尺形状を有する前記突起と、
前記突起面または前記第1の支持板の前記表面の少なくとも一方に隣接する第1の流体と、
前記第1の流体と不混和性である第2の流体であって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記第1の支持板と前記第2の支持板の間に位置する、前記第2の流体と、
前記第2の流体と電気的に接触している第2の電極と、
第3の電極と
を備え、
前記第1の流体及び前記第2の流体の構成は、前記第1の電極、前記第2の電極または前記第3の電極の少なくとも1つを用いて印加された電圧を用いて切り替え可能である、前記エレクトロウェッティング表示装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラム命令を含む少なくとも1つのメモリであって、前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の流体及び前記第2の流体の前記構成の切り替えを制御するように構成される、前記少なくとも1つのメモリと
を備える、前記機器。
【0131】
26.エレクトロウェッティング表示装置であって、
第1の流体と、
前記第1の流体と不混和性である第2の流体と、
第1の支持板であって、
前記第1の流体または前記第2の流体の少なくとも一方が隣接する表面、及び
第1の電極
を備える前記第1の支持板と、
第2の支持板であって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記第1の支持板と前記第2の支持板の間に位置する、前記第2の支持板と、
前記第2の流体と電気的に接触している第2の電極と、
第3の電極と、
前記第1の支持板または前記第2の支持板の少なくとも一方の一部として形成される突起であって、前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの一方から前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの他方まで延在する長尺形状を有し、電圧を印加しなくても、前記第1の支持板の前記表面より前記第1の流体に濡れにくい材料によって形成される突起面を備える前記突起と
を備える、前記エレクトロウェッティング表示装置。
【0132】
27.前記第1の支持板の前記表面及び前記突起面は、電圧を印加しなくても第1の流体によって濡れやすいか、または疎水性を有するかの少なくとも一方である材料によってそれぞれ形成される、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0133】
28.前記第1の流体の一部が前記突起面に隣接し、かつ前記第1の流体の一部が前記第1の支持板の前記表面に隣接した状態で、前記第1の流体及び前記第2の流体の構成は、前記第1の電極、前記第2の電極または前記第3の電極のどの電極の間に電圧を印加していなくても実質的に不変のままである、条項27に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0134】
29.前記突起面は、
第1の部分と、
前記第1の部分と前記第2の支持板の前記表面との間に配置された第2の部分とを備え、
前記第1の部分は、電圧を印加しなくても、前記第1の流体に対する濡れ性が前記第2の部分より大きい材料によって形成される、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0135】
30.前記第2の支持板は前記突起を備え、前記第2の支持板は、前記第1の流体または前記第2の流体の少なくとも一方が隣接するための前記第2の支持板の表面であって、
前記突起面と、
電圧を印加しなくても、前記第1の流体に対する濡れ性が前記突起面より低い材料によって形成された更なる表面と
を含む前記第2の支持板の前記表面を形成する材料の少なくとも1つの層を備える、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0136】
31.前記突起面は、前記第1の流体によって濡れやすい前記第2の支持板の前記表面の範囲の外周部を形成する線に沿って前記更なる表面に隣接する、条項30に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0137】
32.前記突起面は疎水性を有し、前記更なる表面は親水性を有する、条項31に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0138】
33.前記第3の電極は前記第2の支持板に含まれ、前記線は、前記第2の流体と前記第3の電極の間に位置する、条項31に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0139】
34.前記第2の支持板は前記突起を備え、前記エレクトロウェッティング表示装置は、
前記突起を囲む少なくとも1つの壁と、
前記突起面を備え、前記突起から前記少なくとも1つの壁まで延在する前記第2の支持板の表面と
を更に備え、
前記突起に最も近い前記少なくとも1つの壁のうちの少なくとも1つの表面は、電圧を印加しなくても、前記第1の流体に対する濡れ性が前記第2の支持板の前記表面より低い材料によって形成される、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0140】
35.前記少なくとも1つの壁のうちの前記少なくとも1つの前記表面は親水性を有し、前記第2の支持板の前記表面は疎水性を有する、条項34に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0141】
36.前記突起は、前記突起面を形成する疎水性層を備え、前記疎水性層の厚さは、前記第1の支持板から離れる方向において前記突起に沿って増加する、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0142】
37.前記第1の支持板は前記突起を備え、前記突起の更なる表面は、前記突起面と前記第1の支持板の前記表面との間に位置し、
前記突起の前記更なる表面は、電圧を印加しなくても、前記第1の支持板の前記表面及び前記突起面より前記第1の流体に濡れにくい材料によって形成される、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0143】
38.前記突起の前記更なる表面は、前記第1の流体の実質的に全てが前記第1の支持板の前記表面に隣接した状態で、前記第1の流体の厚さに対応する範囲を有する、条項37に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0144】
39.前記第2の支持板は突起を備え、前記突起は、前記第1の支持板の前記表面に接触していない、前記第1の支持板に最も近い部分を有するか、または
前記第1の支持板が、前記第2の支持板に向かって延在する前記突起を備えるかの少なくとも一方であり、
前記第1の流体の実質的に全てが前記第1の支持板の前記表面に隣接するように前記第1の流体及び前記第2の流体が構成されている状態で、前記第1の流体の一部は前記突起面に隣接する、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0145】
40.前記突起は、前記第2の支持板の一部として形成され、前記第1の支持板に最も近い前記突起の一部は、前記第1の支持板の表面に接触していない、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0146】
41.前記突起は、前記第2の支持板の一部として形成され、前記突起は、前記第2の支持板から延在し、前記第1の支持板の前記表面に接触している、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0147】
42.前記突起は、
前記第1の支持板または前記第2の支持板の一方の少なくとも1つの層のうちの層の表面に設けられた長尺構造体と、
疎水性層であって、
前記第1の支持板または前記第2の支持板の前記一方の前記少なくとも1つの層のうちの前記層の表面の一部、及び
前記突起の前記長尺構造体
を覆い、それによって前記突起面を形成する前記疎水性層と
を備える、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0148】
43.前記突起は、前記第1の支持板の一部として形成されており、前記突起は、前記第2の支持板の表面に接触していない、前記第2の支持板に最も近い部分を有する、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0149】
44.前記第1の流体の少なくとも一部は、前記第1の電極、前記第2の電極または前記第3の電極の少なくとも1つを用いて印加された電圧を用いて、前記突起面の一部に隣接する所と前記第1の支持板の前記表面の一部に隣接する所との間で移動可能である、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0150】
45.前記第3の電極は、前記突起、前記第1の支持板前記または第2の支持板の少なくとも1つの一部を形成する、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0151】
46.前記第3の電極は、前記第2の支持板の一部を形成し、前記突起に重なっている、条項26に記載のエレクトロウェッティング表示装置。
【0152】
47.機器であって、
エレクトロウェッティング表示装置であって、
第1の流体と、
前記第1の流体と不混和性である第2の流体と、
前記第1の流体または前記第2の流体の少なくとも一方が隣接する表面、及び第1の電極を備える第1の支持板と、
第2の支持板であって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記第1の支持板と前記第2の支持板の間に位置する、前記第2の支持板と、
前記第2の流体と電気的に接触している第2の電極と、
第3の電極と、
前記第1の支持板または前記第2の支持板の少なくとも一方の一部として形成された突起であって、前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの一方から前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの他方に向かって延在する長尺形状を有し、電圧を印加しなくても、前記突起の突起面は、前記第1の支持板の前記表面より前記第1の流体に濡れにくい前記突起と
を備える、前記エレクトロウェッティング表示装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラム命令を含む少なくとも1つのメモリであって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記突起面の一部に隣接する所と前記第1の支持板の前記表面の一部に隣接する所との間での前記第1の流体の少なくとも一部の移送を制御するように構成される、前記少なくとも1つのメモリと
を備える、前記機器。
【0153】
48.前記第1の支持板の前記表面及び前記突起面は、電圧を印加しなくても前記第1の流体によって濡れやすいか、または疎水性を有するかの少なくとも一方である材料によってそれぞれ形成される、条項47に記載の機器。
【0154】
49.前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の流体の一部が前記突起面に隣接し、かつ前記第1の流体の一部が前記第1の支持板の前記表面に隣接した状態で、前記第1の電極、前記第2の電極または前記第3の電極のどの電極の間にも電圧を印加することを停止して前記第1の流体及び前記第2の流体の構成を実質的に維持するように前記エレクトロウェッティング表示装置を制御するように構成される、条項47に記載の機器。
【0155】
50.機器であって、
エレクトロウェッティング表示装置であって、
表面及び第1の電極を備える第1の支持板と、
第2の支持板と、
突起面を有する突起であって、前記第1の支持板または前記第2の支持板の少なくとも一方の一部として形成され、前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの一方から前記第1の支持板または前記第2の支持板のそれぞれの他方に向かって延在する長尺形状を有する前記突起と、
前記突起面または前記第2の支持板の前記表面の少なくとも一方に隣接する第1の流体と、
前記第1の流体と不混和性である第2の流体であって、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記第1の支持板と前記第2の支持板の間に位置する前記第2の流体と、
前記第2の流体と電気的に接触している第2の電極と、
第3の電極と
を備え、
前記第1の流体及び前記第2の流体の構成は、前記第1の電極、前記第1の電極、前記第2の電極または前記第3の電極の少なくとも1つの間に印加された電圧を用いて切り替え可能である、前記エレクトロウェッティング表示装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラム命令を含む少なくとも1つのメモリであって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記突起面に隣接する前記第1の流体の量及び前記第1の支持板の前記表面に隣接する前記第1の流体の量を、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に印加された第1の電圧の大きさを制御すること、及び
前記第3の電極と前記第2の電極の間に印加された第2の電圧の大きさを制御すること
によって制御するように構成される、前記少なくとも1つのメモリと
を備える、前記機器。
【0156】
51.前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の流体及び前記第2の流体の前記構成を、
前記第1の電圧の前記大きさを前記第2の電圧の前記大きさより小さく設定すること;及び第1構成から第2構成に前記第1の流体及び前記第2の流体を切り替えること;ならびに
前記第1の電圧の前記大きさを前記第2の電圧の前記大きさより大きく設定すること
によって選択的に変更するように前記エレクトロウェッティング表示装置を制御するように構成される、条項50に記載の機器。
【0157】
52.前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の流体及び前記第2の流体の前記構成を、
前記第1の電圧の前記大きさを大きさゼロに設定し、前記第2の電圧の前記大きさをゼロ以外の大きさに設定すること;及び
前記第1の電圧の前記大きさを大きさゼロ以外の大きさに設定し、前記第2の電圧の前記大きさを大きさゼロに設定すること
によって選択的に変更するように前記エレクトロウェッティング表示装置を制御するように構成される、条項50に記載の機器。
【0158】
53.前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記第1の流体及び前記第2の流体の前記構成の所定の切り替え率に従って、
前記第1の電圧または前記第2の電圧の少なくとも一方の大きさを設定することと;
前記第1の電圧または前記第2の電圧の少なくとも一方を印加する期間を設定すること
の少なくとも一方によって前記第1の流体及び前記第2の流体の構成の切り替え率を制御するように前記エレクトロウェッティング表示装置を制御するように構成される、条項50に記載の機器。
【0159】
54.前記第2の支持板は前記突起を備え、前記第2の支持板は前記第3の電極を備える、条項50に記載の機器。
【0160】
55.前記第1の支持板は前記突起及び前記第3の電極を備える、条項50に記載の機器。
【0161】
56.前記第3の電極は前記突起の一部を形成し、前記突起は、少なくとも前記第2の流体によって前記第2の支持板から隔離されている、条項55に記載の機器。
【0162】
57.前記第3の電極は、前記突起の長さに沿って実質的に延在する、条項56に記載の機器。
【0163】
58.前記第3の電極は、前記第2の支持板の一部を形成し、前記突起に重なっている、条項50に記載の機器。
【0164】
59.前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の流体及び前記第2の流体の構成を、
前記第1の電圧及び前記第2の電圧を印加してから、前記更なる第1の電圧または前記更なる第2の電圧の少なくとも一方を印加して前記第1の流体及び前記第2の流体を異なる構成に切り替えるまでの間、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に更なる第1の電圧を印加することを停止すること;及び
前記第3の電極と前記第2の電極の間に更なる第2の電圧を印加することを停止すること
によって実質的に維持するように前記エレクトロウェッティング表示装置を制御するように構成される、条項50に記載の機器。
【0165】
60.第1の表示素子及び第2の表示素子は、それぞれ
前記第1の支持板の前記表面、
前記突起、
前記第1の流体、
前記第2の流体、
前記第1の電極及び
前記第3の電極
のうちの1つを備える、条項50に記載の機器。
【0166】
61.前記第1の支持板は、前記第1の表示素子または前記第2の表示素子の少なくとも一方に対する前記第1の電圧の印加を制御するために個別に切り替え可能なスイッチング素子を含む第1の回路を更に備え、
前記第2の支持板は、前記第1の表示素子及び前記第2の表示素子のそれぞれの前記第3の電極を備え、前記第2の支持板は、前記第1の表示素子または前記第2の表示素子の少なくとも一方に対する前記第2の電圧の印加を制御するために個別に切り替え可能なスイッチング素子を含む第2の回路を備える、条項60に記載の機器。
【0167】
62.前記第1の支持板は、前記第1の表示素子及び前記第2の表示素子のそれぞれの前記第3の電極を備え、
前記第1の支持板は、
前記第1の表示素子または前記第2の表示素子の少なくとも一方に対する前記第1の電圧の印加を制御するために個別に切り替え可能なスイッチング素子を含む第1の回路と、
前記第1の表示素子または前記第2の表示素子の少なくとも一方に対する前記第2の電圧の印加を制御するために個別に切り替え可能なスイッチング素子を含む第2の回路と
を更に備える、条項60に記載の機器。
【0168】
63.前記第1の表示素子及び前記第2の表示素子のそれぞれについて、前記第3の電極は前記突起の一部を形成する、条項62に記載の機器。
【0169】
64.前記第2の支持板は、前記第1の表示素子及び前記第2の表示素子のそれぞれの前記第3の電極を備え、前記第1の支持板または第2の支持板の一方は、
前記第1の表示素子または前記第2の表示素子の少なくとも一方に対する前記第1の電圧の印加を制御するために切り替え可能なスイッチング素子を含む第1の回路と、
前記第1の表示素子または前記第2の表示素子の少なくとも一方に対する前記第2の電圧の印加を制御するために切り替え可能なスイッチング素子を含む第2の回路とを備え、
前記第1の回路または前記第2の回路の一方は、それぞれ、前記第1の支持板と前記第2の支持板の間に延在する少なくとも1つの電気的接続を経由して、
前記第1の表示素子もしくは前記第2の表示素子のそれぞれの前記第1の電極、または
前記第1の表示素子もしくは前記第2の表示素子のそれぞれの前記第3の電極
に電気的に接続されている、条項60に記載の機器。
【0170】
65.前記エレクトロウェッティング表示装置は、それぞれが、
前記第1の支持板の前記表面、
前記突起、
前記第1の流体、
前記第2の流体及び
前記第3の電極のそれぞれ1つを含む複数の表示素子を備え、
前記第1の電極は、前記複数の表示素子のそれぞれの前記第1の支持板の前記表面に重なっている単一電極である、条項50に記載の機器。
【0171】
66.前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記複数の表示素子の各表示素子について、前記第1の支持板の前記表面から前記突起面に前記第1の流体の実質的に全てを移送するために前記複数の表示素子のそれぞれの前記第1の電極と前記第2の電極の間に電圧を印加し、次いで、
前記各表示素子のそれぞれの前記第1の流体及び前記第2の流体を必要な表示効果を提供するための構成に切り替えるために、前記複数の表示素子の各表示素子に対してそれぞれの大きさを有する前記第2の電圧を印加するように前記エレクトロウェッティング表示装置を制御するように構成される、条項65に記載の機器。
【0172】
67.前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1の流体及び前記第2の流体の構成を、
前記第1の電圧の前記大きさ及び前記第2の電圧の前記大きさを前記制御することにより、
第1の量の前記第1の流体が前記突起面に隣接し、かつ第2の量の前記第1の流体が前記第1の支持板の前記表面に隣接した第1構成と、
前記第1の量よりも少ない第3の量の前記第1の流体が前記突起面に隣接し、かつ前記第2の量より多い第4の量の前記第1の流体が前記第1の支持板の前記表面に隣接した第2構成と
の間で切り替えるように構成される、条項50に記載の機器。
【0173】
68.エレクトロウェッティング表示装置の制御方法であって、
第1の支持板の第1の電極と第2の流体と電気的に接触している第2の電極との間に印加された第1の電圧の大きさと;第3の電極と前記第2の電極の間に印加された第2の電圧の大きさとの少なくとも一方を制御することを含み、それにより、
前記第1の電圧及び前記第2の電圧の前記大きさに応じて第1の流体及び前記第2の流体の構成を切り替え、前記第1の支持板または第2の支持板の少なくとも一方の突起の突起面に隣接する前記第1の流体の量及び前記第1の支持板の表面に隣接する前記第1の流体の量を制御する、前記方法。
【0174】
69.前記制御することは、前記第1の電圧の前記大きさを前記第2の電圧の前記大きさより小さく設定することを含む、条項68に記載の方法。
【0175】
70.前記制御することは、前記第1の電圧の前記大きさを前記第2の電圧の前記大きさより大きく設定することを含む、条項68に記載の方法。
【0176】
71.前記制御することは、前記第1の電圧の前記大きさを大きさゼロに設定し、前記第2の電圧の前記大きさを前記第1の電圧の前記大きさより大きく設定することを含む、条項68に記載の方法。
【0177】
72.前記制御することは、前記第2の電圧の前記大きさを大きさゼロに設定し、前記第1の電圧の前記大きさを前記第2の電圧の前記大きさより大きく設定することを含む、条項68に記載の方法。
【0178】
73.前記切り替えの後、
前記第1の電圧及び前記第2の電圧を印加してから、前記更なる第1の電圧または前記更なる第2の電圧の少なくとも一方を印加して前記第1の流体及び前記第2の流体を異なる構成に切り替えるまでの間、
前記第1の流体及び前記第2の流体の構成を、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に更なる第1の電圧を印加することを停止すること;及び
前記第3の電極と前記第3の電極の間に更なる第2の電圧を印加することを停止すること
によって実質的に維持することを含む、条項68に記載の方法。