特許第6432012号(P6432012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 馬越 千晶の特許一覧

<>
  • 特許6432012-エプロン 図000002
  • 特許6432012-エプロン 図000003
  • 特許6432012-エプロン 図000004
  • 特許6432012-エプロン 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6432012
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】エプロン
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/04 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
   A41D13/04
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-63091(P2018-63091)
(22)【出願日】2018年3月12日
【審査請求日】2018年3月12日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】318002998
【氏名又は名称】馬越 千晶
(72)【発明者】
【氏名】馬越 千晶
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3165860(JP,U)
【文献】 特開2009−299204(JP,A)
【文献】 特開2012−072532(JP,A)
【文献】 特開2010−047852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のシート状物であって、着用者の身体に巻き付けられるエプロン本体と、腰に巻いて係止することで前記着用者の身体に巻き付けられたエプロン本体を体に固定する腰紐とを有するエプロンにおいて、
前記腰紐は、
胴回りに一周させて係止する際の起点となり、起点であることが着用者に視認可能に設けられる起点部と、
胴回りに一周させた後、前記起点部との重畳箇所に、前記起点からの長さに基づく情報が着用者に視認可能に設けられた表示部と、
を備え
前記腰紐は、
前記起点部及び一端の間の範囲にある第1係止部と、前記表示部、又は、前記表示部及び他端の間の範囲にある第2係止部とが結ばれて係止され、
前記起点部から他端方向に向かって前記腰紐の短手方向の長さよりも長い範囲にある固定部において、前記エプロン本体に着脱自在に固定されることを特徴とするエプロン。
【請求項2】
請求項1に記載のエプロンであって、
前記腰紐は、前記表示部で表示される情報が、前記起点からの長さ自体を含むことを特徴とするエプロン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のエプロンであって、
前記腰紐は、前記表示部で表示される情報が、前記起点からの長さと理想のウエストの長さとに基づいて類別されたダイエットの進捗に関する評価を含むことを特徴とするエプロン。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一に記載のエプロンであって、
前記エプロン本体は、前記腰紐が挿通され、前記腰紐を腰に巻く際のガイドとなる紐通しを備えることを特徴とするエプロン。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一記載のエプロンであって、
前記腰紐は、前記固定部において、面ファスナー又はボタンによって、前記エプロン本体に着脱自在に固定されることを特徴とするエプロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
使用者のダイエット意識を向上させることができるエプロンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの人がダイエットに興味を持っており、ダイエット効果を有し、手軽に使用できるダイエットアイテムの需要が高まりつつある。その1つに、例えば、特許文献1に開示された背中・二の腕スッキリエプロンがあり、このエプロンは、エプロンの肩掛け部分をストレッチゴムにすることで、背筋を伸ばし、背中の肉、二の腕を引き締めるといったダイエット効果を有する。また、特許文献2に開示されたダイエットスリッパは、スリッパの底部分を、バランスをとりにくい形状とすることで筋肉を鍛えることができ、底部分の表面をイボ状にすることで血行改善を促すことができるというダイエット効果を有する。
【0003】
一方、体重やウエストを日々測定することで、ダイエットの意識を高めるという方法もある。ウエスト部を簡単に測定できる用具としては、例えば、特許文献3、特許文献4に開示されたメジャーベルトがあり、ベルトの中央部分に測定部を設けることで、簡単に胴体部分を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−089897号公報
【特許文献2】特開2005−334597号公報
【特許文献3】特開2011−219908号公報
【特許文献4】特開2009−133042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に開示される発明は、体に負荷が掛かるため長期間に渡って継続的に使用することが難しいという問題点があった。また、特許文献3、4に開示される発明は、ベルトの態様であるため、使用者を選び、また、毎日同じベルトを使用するわけではないため、ダイエット意識の向上の観点からは好適であるとはいえなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、手軽に、長期間に渡って継続的に使用することができ、ダイエット意識を向上させることができるエプロンを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の第1の側面に係るエプロンは、エプロン本体と、腰に巻いて係止することで前記エプロン本体を体に固定する腰紐とを有するエプロンにおいて、前記腰紐は、胴回りに一周させて係止する際の起点となり、起点であることが着用者に視認可能に設けられる起点部と、胴回りに一周させた後、前記起点部との重畳箇所に、前記起点からの長さに基づく情報が着用者に視認可能に設けられた表示部と、を備えることを特徴としている。前記構成により、腰紐を胴回りに一周させることで簡単にかつ手軽にウエストの長さに基づく情報を得ることができる。すなわち、日常生活における料理や掃除等でエプロンを着用する際にウエストサイズを気にかける習慣がつくので、ダイエット意識を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の第2の側面に係るエプロンは、前記腰紐は、前記起点部が、前記エプロン本体に着脱自在に固定され、前記起点部及び一端の間の範囲にある第1係止部と、前記表示部、又は、前記表示部及び他端の間の範囲にある第2係止部とが結ばれて係止されることを特徴としている。前記構成により、第1係止部と第2係止部を結ぶことでエプロンを固定させることができ、さらに、第1係止部と第2係止部を結ぶ際、同時に、容易にウエストの長さに基づく情報を得ることができる。
【0009】
さらにまた、本発明の第3の側面に係るエプロンは、前記腰紐は、前記表示部で表示される情報が、前記起点からの長さ自体を含むことを特徴としている。前記構成により、腰紐を胴回りに一周させる際に、起点部から重畳箇所の長さ、つまり、ウエストの長さを測定することができる。
【0010】
さらにまた、本発明の第4の側面に係るエプロンは、前記腰紐は、前記表示部で表示される情報が、前記起点からの長さと理想のウエストの長さとに基づいて類別されたダイエットの進捗に関する評価を含むことを特徴としている。前記構成により、腰紐を結ぶ際に、第1係止部と交わる第2係止部に示される評価から、一目でダイエットの進捗状況を確認することができる。
【0011】
さらにまた、本発明の第5の側面に係るエプロンは、前記エプロン本体は、前記腰紐が挿通され、前記腰紐を腰に巻く際のガイドとなる紐通しを備えることを特徴としている。前記構成により、エプロンに固定されていない側の腰紐を紐通しに挿通させることで、腰紐をエプロン本体に固定することができる。
【0012】
さらにまた、本発明の第6の側面に係るエプロンは、前記腰紐は、前記起点部から他端方向に向かって所定の範囲にある固定部において、面ファスナー又はボタンによって、前記エプロン本体に着脱自在に固定されることを特徴としている。
【0013】
さらにまた、本発明の第7の側面に係るエプロンは、前記腰紐は、前記固定部において、面ファスナー又はボタンによって、前記エプロン本体に着脱自在に固定されることを特徴としている。前記構成により、腰紐をエプロンから容易に取り外すことができるので、使用者は自身のウエストの長さに応じて腰紐の長さを簡単に調節することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態に係るエプロンの模式図である。
図2】本実施の形態に係るエプロンの模式図である。
図3】本実施の形態に係るエプロンの着用した状態を示す図であって、図3Aは正面図、図3Bは背面図である。
図4】理想のウエストの長さに基づいて類別されたダイエットの進捗に関する評価を含む腰紐の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照にしながら詳細に説明する。
【0016】
本発明を適用した一実施例に係るエプロン1は、図1に示すように、エプロン本体11、肩紐12、腰紐13、及び、紐通し14で構成されるビブタイプのエプロンである。以下、各部材について詳細に説明する。
(エプロン本体11)
【0017】
エプロン本体11は、図1及び図2に示すように、使用者の胸部から下半身にかけて覆うことが可能な形状に形成された布体であって、腰紐13を着脱自在に固定するための面ファスナー111を中心から35cmの範囲で備える。また、エンプロン本体11は、肩紐12及び紐通し14が縫い付けられ、面ファスナー111と腰紐13の面ファスナー131とによって腰紐13が取り付けられることで、エプロン1を形成する。
【0018】
なお、エプロン本体11は、前記構成に限定されない。例えば、使用者の腰回りを覆うことが可能な形状、すなわち、ウエストタイプのエプロンの本体形状であってもよく、この場合、肩紐12は不要である。
(肩紐12)
【0019】
肩紐12は、図3Bに示すように、着用時に、使用者の肩から背中にかけて交差するよう設けられる2本の平紐であって、エプロン本体12に縫い付けられて固定される。
【0020】
なお、肩紐12は、前記態様に限定されない。例えば、肩紐12は、使用者の肩から背中にかけて交差する態様でなく、使用者の首に掛けるような態様であってもよい。また、肩紐12は、必ずしも、エプロン本体12に縫い付けられる必要はなく、例えば、一端を面ファスナーで着脱自在に固着できるようにし、使用者の体格に合わせて肩紐12の長さを調整できるようにしてもよい。
(腰紐13)
【0021】
腰紐13は、図3A図3Bに示すように、着用時に、使用者の胴回りを一周され長手方向の両端部から40cm(特許請求の範囲における「第1係止部」及び「第2係止部」の一例に対応する。)の範囲内で結ばれることで、エプロン本体11を使用者に固定するために用いられる、使用者の理想のウエストサイズ(男性であれば、身長に0.44を、女性であれば身長に0.38を乗じた値)に80cmを加算した長さの平紐であって、1cm刻みの目盛り132(特許請求の範囲における「表示部」の一例に対応する。)と、目盛り132の0cm(特許請求の範囲における「起点部」の一例に対応する。)から35cmの間に配される面ファスナー131とを備える。腰紐13は、面ファスナー131とエプロン本体11の面ファスナー111とによってエプロン本体11に取り付けられる。
【0022】
前記構成により、使用者は、エプロンを着用するために腰紐13を結ぶと共に、ウエストサイズを計測することができる。すなわち、日常生活における料理や掃除等でエプロンを着用する度に、ウエストサイズを気にかける習慣がつくので、ダイエット意識を向上させることができる。
【0023】
また、エプロン本体11と腰紐13は容易に取り外し可能になっているため、使用者は自身のウエストの長さに応じて、腰紐13を交換することで、使用者の体格に係わらず使用することができる。
【0024】
また、腰紐13は、目盛り132を用いて、正確なウエストサイズを測定する態様に限られず、色により一目でダイエットの進捗の評価が分かるような態様としてもよい。具体的には、図4に示すように、理想のウエストサイズの±4cmの範囲(合格圏E1)を緑色、4〜12cm(注意圏E2)を黄色、12cm以上(要注意圏E3)を赤色で着色する。この態様であれば、一目で理想のウエストの長さに基づいて類別されたダイエットの進捗に関する評価を確認することができるので、より手軽にダイエット意識を向上させることができる。
【0025】
なお、腰紐13、面ファスナー131の長さは前述のものに限定されない。また、腰紐13のエプロン本体11への取り付け方法は、面ファスナー111、131によらず、例えば、ボタンを用いてもよい。さらにまた、腰紐13は、一方の面に目盛り132、他方の面に色による評価(合格圏E1、注意圏E2、要注意圏E3)を設け、使い分け可能な態様としてもよい。
(紐通し14)
【0026】
紐通し14は、図3に示すように、面ファスナー111、131によってエプロン本体11に固定されていない範囲の腰紐13を固定するための部材である。なお、紐通し14は必ずしも設けなくてもよい。
【0027】
以上説明したように、本発明を適用した一実施例に係るエプロン1は、日常生活において手軽に使用することができるので、ダイエット意識を向上させることができる。また、使用者の体に負荷が係らないので長期間に渡って継続的に使用することができる。
【0028】
なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1…エプロン
11…エプロン本体
111…面ファスナー
12…肩紐
13…腰紐
131…面ファスナー
132…目盛り
14…紐通し
E1…安全圏;E2…注意圏;E3…要注意圏
【要約】
【課題】手軽に、長期間に渡って継続的に使用することができ、ダイエット意識を向上させることができるエプロンを提供する。
【解決手段】エプロン本体11と、腰に巻いて係止することでエプロン本体11を体に固定する腰紐13とを有するエプロンにおいて、腰紐13は、胴回りに一周させて係止する際の起点となり、起点であることが着用者に視認可能に設けられる起点部と、胴回りに一周させた後、起点部との重畳箇所に、前記起点からの長さに基づく情報が着用者に視認可能に設けられた目盛り132とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4