特許第6432395号(P6432395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6432395
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/58 20110101AFI20181126BHJP
【FI】
   H01R12/58
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-43937(P2015-43937)
(22)【出願日】2015年3月5日
(65)【公開番号】特開2016-162738(P2016-162738A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】松本 栄一
(72)【発明者】
【氏名】塩見 巧
(72)【発明者】
【氏名】植田 直樹
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/028671(WO,A1)
【文献】 特開2001−024393(JP,A)
【文献】 特開2015−041609(JP,A)
【文献】 特開2005−322556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/58
H01R 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面(10a)から該表面と反対の裏面(10b)にわたって形成されたスルーホール(12)と、前記スルーホールの壁面に形成されたランド(14)と、を有する基板(10)と、
前記表面側から前記スルーホールに圧入され、弾性変形による反力により前記ランドに接続されたプレスフィット端子(40)と、
前記基板における前記裏面側に配置され、前記プレスフィット端子が前記スルーホールに圧入される際に前記基板を支持する支持部材(70)と、
底部(52)を有するとともに該底部と反対の一面が開口する箱状をなし、前記支持部材を覆うように開口が前記基板により閉塞されたハウジング(50)と、を備え、
前記裏面を前記ハウジング側にして前記基板が前記ハウジングに固定された電子装置であって、
前記支持部材は、前記基板の厚さ方向において、前記裏面と、前記底部における前記基板側の内面(54a)と、により挟持されており、
前記厚さ方向において、前記支持部材の長さは、前記内面から、前記基板の前記裏面における前記ハウジングに固定された部分までの長さよりも長く、
前記基板において、前記支持部材により支持された部分は、前記支持部材からの応力により、前記ハウジングに固定された部分に対して、前記内面から離反する方向に変形していることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記支持部材は、少なくとも前記基板側の端部が、電気絶縁材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記ランドは、前記スルーホールの壁面に形成された壁面部(14a)と、前記壁面部に連結されるとともに前記裏面側に形成された裏面部(14b)と、を有し、
前記支持部材は、前記裏面部を支持することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
複数の前記プレスフィット端子を備えるとともに、各プレスフィット端子に対応する前記支持部材を複数備え、
前記基板は、各プレスフィット端子が圧入される前記スルーホールを複数有し、
各支持部材は、前記厚さ方向の投影視において、各スルーホールの周辺に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記厚さ方向の投影視において、前記支持部材における前記基板を支持する面は、前記スルーホールを囲む環状とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記支持部材は、有底筒形状をなしていることを特徴とする請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
表面から該表面と反対の裏面にわたって形成されたスルーホール(12)と、前記スルーホールの壁面に形成されたランド(14)と、を有する基板(10)と、
前記表面側から前記スルーホールに圧入され、弾性変形による反力により前記ランドと接続されたプレスフィット端子(40)と、
底部(52)を有するとともに該底部と反対の一面が開口する箱状をなし、開口が前記基板により閉塞されたハウジング(50)と、を備え、
前記裏面を前記ハウジング側にして前記基板が前記ハウジングに固定された電子装置であって、
前記ハウジングは、前記底部における前記基板側の内面(54a)から前記裏面に向かって突出するとともに、前記裏面に接触し、前記プレスフィット端子が前記スルーホールに圧入される際に前記基板を支持する突出部(60)を有し、
前記基板の厚さ方向において、前記突出部の突出高さは、前記内面から、前記基板の前記裏面における前記ハウジングに固定された部分までの長さよりも長く、
前記基板において、前記突出部により支持された部分は、前記突出部からの応力により、前記ハウジングに固定された部分に対して、前記内面から離反する方向に変形していることを特徴とする電子装置。
【請求項8】
前記突出部は、少なくとも突出先端部が、電気絶縁材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記ランドは、前記スルーホールの壁面に形成された壁面部(14a)と、前記壁面部と連結されるとともに前記裏面側に形成された裏面部(14b)と、を有し、
前記突出部は、前記裏面部を支持していることを特徴とする請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記基板の厚さ方向の投影視において、前記突出部の突出先端面(60a)は、前記スルーホールを囲む環状とされていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項11】
前記突出部は、有底筒形状をなしていることを特徴とする請求項10に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルーホールを有する基板と、スルーホールに圧入されるプレスフィット端子と、一面が開口する箱状をなすとともに開口が基板により閉塞されるハウジングと、を備える電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載のように、プリント基板(基板)と、端子(プレスフィット端子)と、基板治具(支持部材)と、を備える電子装置が知られている。プリント基板は、プレスフィット端子が圧入される貫通穴(スルーホール)を有している。端子は、プリント基板の表面側から貫通穴に圧入される。
【0003】
端子が貫通穴に圧入される際、プリント基板は歪み易い。基板治具は、端子が貫通穴に圧入される際、表面と反対の裏面側からプリント基板を支持するものである。基板治具により、プリント基板の歪みを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−342363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プリント基板の保護等を目的として、電子装置が、ハウジングを備える構成が考えられる。ハウジングは、底部と反対の一面が開口する箱状をなすとともに、プリント基板により開口が閉塞される。プリント基板は、ハウジングに固定される。
【0006】
このような電子装置の組み付け方法としては、先ず、プリント基板の裏面に対して基板治具を配置する。そして、外力を印加して、プリント基板に対して基板治具を押さえつけた状態で、表面側から端子を貫通穴に圧入する。次に、プリント基板から基板治具を取り外す。基板治具を取り外した後、プリント基板をハウジングに対して固定する。しかしながら、この組み付け方法では、端子を圧入する際、外力を印加して基板治具をプリント基板に対して固定する必要がある。さらに、プリント基板を基板治具から取り外す工程が必要であり、組み付け工数が増加する。
【0007】
また、別の組み付け方法として、基板治具を取り外し不要な電子装置の組み付け方法が考えられる。この方法では、基板治具がハウジング内で動かないように、プリント基板又はハウジングに対して基板治具を、接着、ねじ締結等により固定する。次に、プリント基板をハウジングに固定し、端子を貫通穴に圧入する。しかしながら、この組み付け方法では、プリント基板又はハウジングに対して基板治具を、接着、ねじ締結等により固定する工程が必要であり、組み付け工数が増加する。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、基板の歪みを抑制しつつ、組み付け工数の増加を抑制することができる電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として下記の実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
開示された発明のひとつは、表面(10a)から該表面と反対の裏面(10b)にわたって形成されたスルーホール(12)と、スルーホールの壁面に形成されたランド(14)と、を有する基板(10)と、表面側からスルーホールに圧入され、弾性変形による反力によりランドに接続されたプレスフィット端子(40)と、基板における裏面側に配置され、プレスフィット端子がスルーホールに圧入される際に基板を支持する支持部材(70)と、底部(52)を有するとともに該底部と反対の一面が開口する箱状をなし、支持部材を覆うように開口が基板により閉塞されたハウジング(50)と、を備え、裏面をハウジング側にして基板がハウジングに固定された電子装置であって、支持部材は、基板の厚さ方向において、裏面と、底部における基板側の内面(54a)と、により挟持されており、厚さ方向において、支持部材の長さは、内面から、基板の裏面におけるハウジングに固定された部分までの長さよりも長く、基板において、支持部材により支持された部分は、支持部材からの応力により、ハウジングに固定された部分に対して、内面から離反する方向に変形していることを特徴とする。
【0011】
上記構成では、プレスフィット端子がスルーホールに圧入される際、支持部材により基板の歪みを抑制することができる。また、上記構成では、支持部材が基板の裏面及びハウジングの内面により挟持されている。そのため、プレスフィット端子をスルーホールに圧入する際、外力を印加して支持部材を基板に対して固定する必要がない。また、支持部材を基板から取り外す工程を不要とすることができる。したがって、電子装置の組み付け工数が増加するのを抑制することができる。
【0012】
さらに、上記構成では、基板又はハウジングに対して支持部材を、接着、ねじ締結等により固定する必要がない。よって、支持部材を固定する工程を簡略化することができ、電子装置の組み付け工数が増加するのを抑制することができる。
【0013】
開示された他の発明のひとつは、表面から該表面と反対の裏面にわたって形成されたスルーホール(12)と、スルーホールの壁面に形成されたランド(14)と、を有する基板(10)と、表面側からスルーホールに圧入され、弾性変形による反力によりランドと接続されたプレスフィット端子(40)と、底部(52)を有するとともに該底部と反対の一面が開口する箱状をなし、開口が基板により閉塞されたハウジング(50)と、を備え、裏面をハウジング側にして基板がハウジングに固定された電子装置であって、ハウジングは、底部における基板側の内面(54a)から裏面に向かって突出するとともに、裏面に接触し、プレスフィット端子がスルーホールに圧入される際に基板を支持する突出部(60)を有し、基板の厚さ方向において、突出部の突出高さは、内面から、基板の裏面におけるハウジングに固定された部分までの長さよりも長く、基板において、突出部により支持された部分は、突出部からの応力により、ハウジングに固定された部分に対して、内面から離反する方向に変形していることを特徴とする。
【0014】
上記構成では、プレスフィット端子がスルーホールに圧入される際、突出部により基板の歪みを抑制することができる。また、上記構成では、突出部がハウジングの一部とされている。そのため、プレスフィット端子をスルーホールに圧入する際、外力を印加して支持部材を基板に対して固定する必要がなく、支持部材を基板から取り外す工程を不要とすることができる。また、基板又はハウジングに対して支持部材を固定する工程を不要とすることができる。したがって、電子装置の組み付け工数が増加するのを抑制することができる。
【0015】
さらに、上記構成では、支持部材をハウジングに配置する工程を不要とすることができる。よって、電子装置の組み付け工数の増加をより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。
図2】支持部材の詳細構造を示す拡大断面図である。
図3】ハウジングの概略構成を示す平面図である。
図4】支持部材の詳細構造を示す平面図である。
図5】配置工程について説明するための平面図である。
図6】固定工程について説明するための平面図である。
図7】圧入工程について説明するための断面図である。
図8】検査工程について説明するための断面図である。
図9】検査工程について説明するための断面図である。
図10】第1変形例に係る電子装置の支持部材の詳細構造を示す拡大断面図である。
図11】第2変形例に係る電子装置の支持部材の詳細構造を示す拡大断面図である。
図12】第2実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。
図13】第3実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。
図14】突出部の詳細構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。基板の厚さ方向をZ方向、Z方向に直交する特定の方向をX方向、Z方向及びX方向に直交する方向をY方向と示す。XY平面に沿う形状を平面形状と示す。
【0018】
(第1実施形態)
先ず、図1図4に基づき、電子装置100の概略構成、及び、支持部材70の詳細構造について説明する。
【0019】
図1に示すように、電子装置100は、基板10と、電子部品20と、ケース30と、プレスフィット端子40と、ハウジング50と、支持部材70と、を備えている。本実施形態において、電子装置100は、車両用のECUとされている。電子装置100は、バッテリ、及び、車両に搭載された電子装置100と異なるECUに接続される。
【0020】
基板10は、プリント基板とされている。基板10は、スルーホール12と第1ランド14とを有している。スルーホール12は、基板10において、表面10aから、表面10aと反対の裏面10bにわたって形成されている。本実施形態では、表面10a及び裏面10bが、XY平面に沿う平面とされている。
【0021】
第1ランド14は、スルーホール12に対応して形成された基板10の電極である。第1ランド14は、金属材料を用いて形成されている。図2に示すように、第1ランド14は、スルーホール12の壁面に形成された壁面部14aと、裏面10bに形成された裏面部14bと、表面10aに形成された表面部14cと、を有している。壁面部14a、裏面部14b、及び表面部14cは、互いに連結されている。第1ランド14は、特許請求の範囲に記載のランドに相当する。
【0022】
基板10は、複数のスルーホール12を有している。また、基板10は、各スルーホール12に対応する第1ランド14を複数有している。本実施形態では、基板10が、8つのスルーホール12と、8つの第1ランド14と、を有している。
【0023】
基板10は、表面10aから裏面10bにわたって形成された貫通孔16を有している。貫通孔16は、基板10がハウジング50にねじ締結するために形成されている。Z方向の投影視において、貫通孔16は、スルーホール12及び第1ランド14と異なる箇所に形成されている。基板10は、複数の貫通孔16を有している。また、基板10は、表面10a及び裏面10bに、図示しない配線を有している。配線は、図示しないレジストにより被覆されている。
【0024】
基板10は、図示しない第2ランドをさらに有している。第2ランドは、電子部品20を実装するための基板10の電極である。第2ランドは、表面10aにのみ形成されている。
【0025】
電子部品20は、基板10とともに電子回路を構成している。本実施形態では、電子部品20が表面10aにのみ実装されている。電子部品20は、表面実装型の電子部品とされている。電子部品20としては、例えばマイコンを採用することができる。
【0026】
ケース30は、底部32を有するとともに、底部32と反対の一面が開口する箱状をなしている。ケース30の開口は、ハウジング50の表面50aにより閉塞されている。ケース30は、基板10及び電子部品20を覆うように配置されている。ケース30の底部32における基板10側の内面32aは、表面10aと対向している。ケース30は、樹脂材料を用いて形成されている。
【0027】
ケース30は、ハウジング50とともに収容空間34を形成している。収容空間34には、基板10、電子部品20、プレスフィット端子40の一部、支持部材70が、収容されている。
【0028】
ケース30は、底部32からZ方向において基板10と反対側に延設された延設部36を有している。延設部36は、筒形状をなしている。延設部36及び底部32により、外部機器のコネクタが嵌合されるコネクタハウジングが形成されている。すなわち、ケース30は、収容空間34を形成する収容部材として機能するとともに、コネクタハウジングとしても機能する。本実施形態において、外部機器は、バッテリ及びECUである。ケース30は、バッテリ及びECUに対応して、2つの延設部36を有している。
【0029】
プレスフィット端子40は、インサート成形等により、底部32と一体に成形されている。すなわち、プレスフィット端子40が、底部32に保持されている。コネクタハウジング及びプレスフィット端子40により、基板10と外部機器とを電気的に中継するコネクタが形成されている。
【0030】
プレスフィット端子40は、Z方向に延設されている。プレスフィット端子40の一端は、延設部36の中空に位置し、他端は、スルーホール12に圧入される弾性部42とされている。外部機器のコネクタがコネクタハウジングと嵌合することにより、プレスフィット端子40が外部機器と電気的に接続される。
【0031】
弾性部42は、基板10に対して表面10a側からスルーホール12に圧入される。圧入された弾性部42は、弾性変形による反力を壁面部14aに作用させる。すなわち、弾性部42は、壁面部14aに圧接されている。これにより、プレスフィット端子40は、基板10と電気的に接続される。
【0032】
本実施形態において、電子装置100は、各スルーホール12に対応するプレスフィット端子40を複数有している。言い換えると、基板10は、複数のプレスフィット端子40に対応して、スルーホール12及び第1ランド14を複数有している。電子装置100は、8つのプレスフィット端子40を有している。8つのうち、2つのプレスフィット端子40は、バッテリのコネクタに対応し、6つのプレスフィット端子40は、ECUのコネクタに対応する。
【0033】
ハウジング50は、底部52を有するとともに、底部52と反対の一面が開口する箱状をなしている。ハウジング50の開口は、基板10により閉塞されている。裏面10bをハウジング50側にして、基板10がハウジング50に固定されている。ハウジング50の表面50aは、裏面10bと接触するとともに、ケース30の開口を閉塞している。ハウジング50には、表面50aから所定深さを有して凹む凹部54が形成されている。凹部54の開口は、裏面10bにより閉塞されている。
【0034】
ハウジング50は、支持部材70を覆うように配置されている。すなわち、凹部54に支持部材70が配置されている。言い換えると、凹部54における裏面10bと対向する内面54aと、裏面10bと、の間に、支持部材70が配置されている。内面54aは、底部52における裏面10b側の面である。表面50a及び内面54aは、XY平面に沿う平面とされている。ハウジング50は、金属材料を用いて形成されている。なお、底部52は、特許請求の範囲に記載の底部に相当する。
【0035】
ハウジング50に対して、基板10が、ねじ締結されている。ハウジング50は、Z方向の投影視において、貫通孔16とほぼ同じ位置に、ねじ孔56を有している。図3に示すように、ハウジング50は、複数の貫通孔16に対応して、ねじ孔56を複数有している。ねじ孔56は、表面50aから所定深さ凹んだ孔である。Z方向の投影視において、ねじ孔56は、凹部54と異なる箇所に形成されている。
【0036】
ねじ58は、貫通孔16を貫通し、ねじ孔56と締結されている。これにより、基板10がハウジング50に固定されている。また、ハウジング50及びケース30は、図示しない箇所で互いに固定されている。なお、ケース30及びハウジング50の平面形状は、矩形状をなしている。
【0037】
表面50aの面積は、裏面10bの面積よりも大きくされている。Z方向の投影視において、基板10の全体が、ハウジング50の一部分と重なるように、ハウジング50に対して基板10が配置されている。ハウジング50は、2つの凹部54を有している。各凹部54の平面形状は、矩形状とされている。
【0038】
支持部材70は、プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入される際に、基板10を支持する部材である。支持部材70は、Z方向において、裏面10bと内面54aとにより挟持されている。すなわち、支持部材70は、基板10とハウジング50とにより、挟まれて固定されている。
【0039】
支持部材70において、少なくとも基板10側の端部は、電気絶縁材料を用いて形成されている。本実施形態では、支持部材70の全体が、電気絶縁材料を用いて形成されている。詳しくは、支持部材70が、樹脂材料を用いて形成されている。
【0040】
支持部材70は、裏面10b及び内面54aと接触している。支持部材70は、裏面10bと接触する第1面70aと、内面54aと接触する第2面70bと、を有している。第2面70bは、Z方向において、第1面70aと反対の面である。第1面70a及び第2面70bは、XY平面に沿う平面とされている。
【0041】
本実施形態では、電子装置100が、各プレスフィット端子40に対応する支持部材70を複数備えている。各支持部材70は、1つのプレスフィット端子40、及び、1つのスルーホール12と対応している。各支持部材70は、Z方向の投影視において、各スルーホール12の周辺に配置されている。
【0042】
図4に示すように、第1面70aは、スルーホール12を囲む環状をなしている。本実施形態では、第1面70aが、円環形状をなしている。図4では、スルーホール12の壁面を破線で示している。Z方向の投影視において、第1面70aの中心は、スルーホール12の中心とほぼ一致している。支持部材70は、有底筒状をなしている。本実施形態では、支持部材70が、有底円筒形状をなしている。
【0043】
支持部材70は、基板10の裏面部14bを支持している。詳しくは、第1面70a全体が、裏面部14bの一部と接触している。すなわち、支持部材70は、裏面10bにおける裏面部14b以外の部分と接触していない。
【0044】
Z方向において、支持部材70の長さは、第2面70bから第1面70aまでの長さに相当する。以下、Z方向における支持部材70の長さを、長さL1と示す。また、Z方向において、内面54aから、基板10の裏面10bにおけるハウジング50に固定された部分までの長さを、長さL2と示す。長さL2は、凹部54の凹んだ深さとほぼ同じ長さとされている。本実施形態において、長さL1は、長さL2とほぼ同じ長さとされている。
【0045】
次に、図5図7に基づき、電子装置100の組み付け方法について説明する。
【0046】
先ず、図5に示すように、ハウジング50に対して支持部材70を配置する配置工程を実施する。詳しくは、第2面70bが内面54aと接触するように、凹部54に支持部材70を配置する。
【0047】
配置工程実施後、図6に示すように、基板10をハウジング50に固定する固定工程を実施する。固定工程では、先ず、裏面10bが表面50aと接触するように、基板10をハウジング50に配置する。詳しくは、Z方向の投影視において、各貫通孔16の位置が対応するねじ孔56の位置とほぼ一致するように、基板10をハウジング50に配置する。基板10を配置した後、基板10をハウジング50に対してねじ締結する。
【0048】
固定工程実施後、図7に示すように、スルーホール12にプレスフィット端子40を圧入する圧入工程を実施する。本実施形態では、基板10に対してケース30及びプレスフィット端子40をZ方向に移動させて、各スルーホール12に対してプレスフィット端子40を圧入する。図7の白矢印は、ケース30及びプレスフィット端子40を移動させる方向を示している。
【0049】
プレスフィット端子40を圧入した後、ケース30及びハウジング50を、互いに固定する。以上により、図1図4に示す電子装置100を組み付けることができる。電子装置100を組み付けた後は、プレスフィット端子40が正常に圧入された否かを検査する検査工程を実施する。
【0050】
次に、図8及び図9に基づき、検査工程について説明する。
【0051】
圧入工程では、図8に示すように、特定のプレスフィット端子40がスルーホール12に圧入されない虞がある。図8では、位置ずれにより、プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入されない例を示している。以下、スルーホール12に圧入されないプレスフィット端子を、異常端子と示す。図8に示す例では、異常端子の弾性部42が、スルーホール12に圧入されることなく、表面10aと接触している。また、この例では、異常端子が座屈している。
【0052】
プレスフィット端子40をスルーホール12に圧入する際、基板10におけるスルーホール12の周辺には、プレスフィット端子40から応力が作用する。これにより、基板10から、支持部材70に対して、Z方向のうち裏面10bから内面54aに向かう方向に応力が作用する。以上により、支持部材70は、裏面10b及び内面54aにより挟持される。しかしながら、基板10において、異常端子に対応するスルーホール12の周辺には、圧入による応力が作用しない。そのため、異常端子に対応する支持部材70は、裏面10b及び内面54aにより挟持されない。
【0053】
本実施形態では、ケース30がコネクタハウジングをなす構成であって、圧入工程実施後、目視によりプレスフィット端子40が正常に圧入された否かを検査し難い。よって、本実施形態では、圧入工程実施後、電子装置100を振動させることにより検査工程を実施する。
【0054】
検査工程では、Z方向と直交する方向に電子装置100を振動させる。図9の白矢印は、電子装置100を振動させる方向を示している。裏面10b及び内面54aにより挟持された支持部材70は、電子装置100を振動させた場合であっても、基板10及びハウジング50に対して動かない。
【0055】
これに対し、異常端子に対応する支持部材70は、電子装置100の振動により、基板10及びハウジング50に対して動き、ハウジング50にぶつかる。支持部材70がハウジング50にぶつかることで、異音が生じる。検査工程では、電子装置100が少なくとも1つの異常端子を有する場合、電子装置100の振動により異音が生じる。したがって、異音が生じたか否かにより、異常端子の有無を検査することができる。
【0056】
次に、上記した電子装置100の効果について説明する。
【0057】
本実施形態では、電子装置100が支持部材70を備えている。よって、プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入される際、支持部材70により基板10の歪みを抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態では、支持部材70が裏面10b及び内面54aにより挟持されている。そのため、プレスフィット端子40をスルーホール12に圧入する際、外力を印加して支持部材70を基板10に対して固定する工程が必要ない。また、支持部材70を基板10から取り外す工程を不要とすることができる。したがって、電子装置100の組み付け工数が増加するのを抑制することができる。
【0059】
さらに、本実施形態では、基板10又はハウジング50に対して支持部材70を、接着、ねじ締結等により固定する必要がない。よって、支持部材70を固定する工程を簡略化することができ、電子装置100の組み付け工数が増加するのを抑制することができる。
【0060】
一般的に、支持部材70は、金属材料を用いて形成されている。これに対し、本実施形態において、支持部材70は、少なくとも基板10側の端部が、電気絶縁材料を用いて形成されている。これによれば、支持部材70全体が金属材料を用いて形成された構成に較べ、支持部材70が基板10の裏面10b側の部分を削り難い。
【0061】
また、支持部材70全体が金属材料を用いて形成された構成において、裏面10bにおける配線が形成された部分により支持部材70を挟持することが考えられる。しかしながら、この構成では、レジストが削れた場合、支持部材70が配線と短絡する虞がある。そのため、裏面10bにおいて、配線が形成されていない部分により、支持部材70を挟持する構成が考えられる。しかしながら、この構成では、裏面10bにおいて、配線を形成可能な面積が小さくなる虞がある。
【0062】
これに対して、本実施形態では、支持部材70が、電気絶縁材料を用いて形成されており、配線と短絡しない。そのため、裏面10bにおける配線が形成された部分により、支持部材70を支持することができる。よって、裏面10bにおいて、配線を形成可能な面積が小さくなるのを抑制することができる。
【0063】
ところで、支持部材70が金属材料を用いて形成された場合、裏面部14bにより支持部材70を挟持する構成では、支持部材70が裏面部14bと短絡する虞がある。そのため、裏面10bにおいて裏面部14bから外れた部分により、支持部材70を挟持する必要がある。
【0064】
プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入される際、Z方向の投影視において、基板10におけるスルーホール12に近い部分が歪み易い。しかしながら、裏面部14bから外れた部分により支持部材70を挟持する構成では、Z方向の投影視において、支持部材70の基板10を支持する部分が、スルーホール12から遠くなる虞がある。
【0065】
これに対し、本実施形態では、支持部材70が、樹脂材料を用いて形成されるとともに、裏面部14bを支持している。したがって、支持部材70は、裏面部14bと短絡することなく、基板10におけるスルーホール12から近い部分を支持することができる。すなわち、支持部材70は、裏面部14bと短絡することなく、基板10の歪みを効果的に抑制することができる。
【0066】
ところで、1つ支持部材70が、複数のプレスフィット端子40に対応して形成される構成が考えられる。この構成では、圧入工程の実施により、支持部材70に対応するプレスフィット端子40のうち少なくとも1つが、スルーホール12に圧入されることにより、支持部材70に応力が作用する。これにより、支持部材70が、基板10及びハウジング50により挟持される。
【0067】
そのため、支持部材70は、対応するプレスフィット端子40が圧入されない場合であっても、基板10及びハウジング50により挟持され易い。よって、電子装置100が異常端子を備える場合であっても、電子装置100の振動により異音が生じ難く、検査工程を実施し難い虞がある。
【0068】
これに対し、本実施形態では、各支持部材70が、1つのスルーホール12、及び、1つのプレスフィット端子40に対応している。さらに、各支持部材70は、Z方向の投影視において、対応するスルーホール12の周辺に配置されている。これらによれば、いずれのプレスフィット端子40が異常端子とされた場合であっても、電子装置100の振動により、対応する支持部材70が動いて、異音が生じる。したがって、検査工程を実施し易い。
【0069】
プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入される際、Z方向の投影視において、基板10におけるスルーホール12の周囲が歪み易い。本実施形態では、第1面70aが、スルーホール12を囲む環状をなしている。これによれば、支持部材70は、基板10の歪み易い部分を支持することができる。したがって、基板10の歪みをより効果的に抑制することができる。
【0070】
プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入される際、第1ランド14及びプレスフィット端子40の少なくとも一方が削れて、金属屑が生じる虞がある。本実施形態において、支持部材70は、有底筒形状をなしている。これによれば、金属屑は、支持部材70が囲む空間に配置され易い。したがって、電子装置100が振動する場合であっても、金属屑が基板10に付着し難い。そのため、基板10に金属屑が付着して、基板10の配線等が短絡するのを効果的に抑制することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、支持部材70全体が樹脂材料を用いて形成された例を示したが、これに限定するものではない。図10に示す第1変形例のように、支持部材70全体が金属材料を用いて形成された例を採用することもできる。この例では、支持部材70が、第1ランド14と短絡しないように、裏面10bにおいて裏面部14bと異なる箇所を支持している。
【0072】
また、支持部材70における基板10側の端部のみが、電気絶縁材料を用いて形成された例を採用することもできる。例えば、支持部材70における基板10側の端部を樹脂コーティングしてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、電子装置100が複数の支持部材70を備える例を示したが、これに限定するものではない。図11に示す第2変形例のように、電子装置100が1つの支持部材70を備える例を採用することもできる。
【0074】
(第2実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した電子装置100と共通する部分についての説明は割愛する。
【0075】
図12に示すように、長さL1は、長さL2よりも長くされている。基板10において、支持部材70に支持された部分は、支持部材70からの応力により、ハウジング50に固定された部分に対して、内面54aから離反する方向に変形している。すなわち、基板10の一部分は、Z方向における底部32側へ突出するように変形している。
【0076】
内面54aから、裏面10bにおいてZ方向の投影視における電子部品20と重なる部分までの長さは、長さL1とほぼ同じ長さとされている。以下、内面54aから、裏面10bにおいてZ方向の投影視における電子部品20と重なる部分までの長さを長さL3と示す。裏面10bにおいて、Z方向の投影視における電子部品20と重なる部分は、XY平面に沿う平面とされている。よって、表面10aにおける電子部品20が実装される部分も、XY平面に沿う平面とされている。
【0077】
電子装置100の組み付け方法としては、先ず、表面10a及び裏面10bの全体が平面とされた基板10を準備する。そして、配置工程を実施した後、固定工程において、基板10をハウジング50に固定する。このとき、基板10を、変形させつつ、ハウジング50に固定する。固定工程実施後、基板10及びハウジング50は、Z方向において、互いに応力を作用させている。固定工程を実施した後、圧入工程を実施する。
【0078】
電子装置100の周囲温度が低下すると、支持部材70、ハウジング50、及び基板10が収縮する。本実施形態では、電子装置100の周囲温度が想定される最低温度とされた場合であっても、第1面70aと裏面10bとの間に隙間が形成されないような構成とする。詳しくは、周囲温度が最低温度の場合における長さL1から長さL2を減じた長さが、Z方向における基板10が収縮する長さよりも長くされている。この条件を満たすように、支持部材70、ハウジング50、及び基板10の構成材料を選択するとともに、長さL1、長さL2を設計する。
【0079】
本実施形態では、長さL1は、長さL2よりも長くされ、基板10が支持部材70からの応力により変形している。そのため、裏面10bと第1面70aとを確実に密着させることができる。言い換えると、裏面10bと第1面70aとの間に隙間が形成されるのを効果的に抑制することができる。よって、プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入される際、基板10の歪みをより効果的に抑制することができる。また、支持部材70は、基板10からの応力により、挟持され易い。これによれば、基板10及びハウジング50に対する支持部材70の位置ずれを抑制することができる。
【0080】
(第3実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した電子装置100と共通する部分についての説明は割愛する。
【0081】
図13及び図14に示すように、ハウジング50は、内面54aから裏面10bに向かって突出する突出部60を有している。突出部60は、プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入される際、基板10を支持するものである。突出部60の突出先端面60aは、裏面10bと接触している。突出先端面60aは、XY平面に沿う平面とされている。なお、本実施形態において、電子装置100は、支持部材70を備えていない。
【0082】
本実施形態において、ハウジング50は、各プレスフィット端子40に対応する突出部60を複数有している。各突出部60は、Z方向の投影視において、各スルーホール12の周辺に配置されている。各突出部60の突出先端面60aは、スルーホール12を囲む環状をなしている。各突出部60は、有底筒形状をなしている。
【0083】
第1実施形態と同様に、ハウジング50は金属材料を用いて形成されている。突出部60全体も、金属材料を用いて形成されている。突出部60は、基板10において、裏面部14bから外れた部分を支持している。これにより、ハウジング50が、第1ランド14と短絡するのを抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態では、裏面10bにおける配線が形成されていない部分を、突出部60が支持している。これにより、配線を被覆するレジストが剥がれた場合であっても、ハウジング50が第1ランド14と短絡するのを抑制することができる。
【0085】
Z方向において、突出部60の突出高さは、内面54aから突出先端面60aまでの長さに相当する。以下、突出部60の突出高さを、突出高さL4と示す。突出高さL4は、長さL2とほぼ同じ高さとされている。第1実施形態と同様に、表面10a及び裏面10bは、XY平面に沿う平面とされている。
【0086】
本実施形態では、プレスフィット端子40がスルーホール12に圧入される際、突出部60により基板10の歪みを抑制することができる。また、本実施形態では、突出部60がハウジング50の一部とされている。そのため、プレスフィット端子40をスルーホール12に圧入する際、外力を印加して支持部材70を基板10に対して固定する必要がなく、支持部材70を基板10から取り外す工程を不要とすることができる。また、基板10又はハウジング50に対して支持部材70を固定する工程を不要とすることができる。したがって、電子装置100の組み付け工数が増加するのを抑制することができる。
【0087】
さらに、本実施形態では、配置工程を不要とすることができる。よって、電子装置100の組み付け工数の増加をより効果的に抑制することができる。
【0088】
なお、本実施形態では、突出部60全体が金属材料を用いて形成された例を示したが、これに限定するものではない。突出部60における突出先端部が、電気絶縁材料を用いて形成された例を採用することもできる。例えば、突出先端部を樹脂コーティングしてもよい。この例では、突出部60が裏面部14bを支持することもできる。また、突出部60全体が、樹脂材料を用いて形成された例を採用することもできる。
【0089】
また、本実施形態では、ハウジング50が複数の突出部60を有する例を示したが、これに限定するものではない。ハウジング50が少なくとも1つの突出部60を有する構成であれば採用することができる。
【0090】
また、本実施形態では、突出高さL4が長さL2と同じ高さとされた例を示したが、これに限定するものではない。突出高さL4が長さL2よりも高くされた例を採用することもできる。さらに、この例では、基板10において、突出部60により支持された部分を、突出部60からの応力により、ハウジング50に固定された部分に対して、内面32aから離反する方向に変形させる。これによれば、第2実施形態の電子装置100と同様の効果を奏することができる。
【0091】
また、この例では、電子装置100の周囲温度が想定される最低温度とされた場合であっても、突出先端面60aと裏面10bとの間に隙間が形成されないような構成とする。詳しくは、周囲温度が最低温度の場合における突出高さL4から長さL2を減じた長さが、Z方向において基板10が収縮する長さよりも長くされている。
【0092】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0093】
上記実施形態では、ハウジング50の平面形状を矩形状とする例を示したが、これに限定されるものではない。ハウジング50の平面形状が円形状とされた例を採用することもできる。
【0094】
また、上記実施形態では、ねじ締結により基板10をハウジング50に固定する例を示したが、これに限定するものではない。接着材により裏面10bを表面50aに接着し、基板10をハウジング50に固定する例を採用することもできる。
【0095】
また、上記実施形態では、電子装置100が、8つのプレスフィット端子40、及び、8つのスルーホール12を備える例を示したが、これに限定するものではない。電子装置100が、少なくとも1つのプレスフィット端子40、及び、少なくとも1つのスルーホール12を備える構成であれば採用することができる。
【0096】
また、上記実施形態では、ハウジング50が金属材料を用いて形成された例を示したが、これに限定するものではない。ハウジング50が樹脂材料を用いて形成された例を採用することもできる。
【0097】
また、上記実施形態では、支持部材70及び突出部60が有底筒形状をなす例を示したが、これに限定するものではない。支持部材70又は突出部60が柱状の例を採用することもできる。
【0098】
また、上記実施形態では、表面10aにのみ電子部品20が実装された例を示したが、これに限定するものではない。電子部品20が裏面10bに実装される例を採用することもできる。また、挿入実装型の電子部品20を採用することもできる。
【符号の説明】
【0099】
10…基板、10a…表面、10b…裏面、12…スルーホール、14…第1ランド、14a…壁面部、14b…裏面部、14c…表面部、16…貫通孔、20…電子部品、30…ケース、32…底部、32a…内面、34…収容空間、36…延設部、40…プレスフィット端子、42…弾性部、50…ハウジング、50a…表面、52…底部、54…凹部、54a…内面、56…ねじ孔、58…ねじ、60…突出部、60a…突出先端面、70…支持部材、70a…第1面、70b…第2面、100…電子装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14