特許第6432904号(P6432904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6432904列車位置出力装置、列車位置出力方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6432904
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】列車位置出力装置、列車位置出力方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B61L 25/02 20060101AFI20181126BHJP
【FI】
   B61L25/02 M
   B61L25/02 G
【請求項の数】8
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-227984(P2014-227984)
(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公開番号】特開2016-88414(P2016-88414A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】514286354
【氏名又は名称】川島 和澄
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100115369
【弁理士】
【氏名又は名称】仙波 司
(72)【発明者】
【氏名】川島 和澄
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−289248(JP,A)
【文献】 特開2001−337967(JP,A)
【文献】 特開2003−035555(JP,A)
【文献】 特開平10−024849(JP,A)
【文献】 特開2013−174846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線路および駅のホームを含む地図情報を格納し得る地図情報格納部と、
1以上の列車の運行に関する情報である運行情報を格納し得る運行情報格納部と、
列車に関する情報であり、列車が走る線路を識別する線路識別子と列車の長さに関する長さ情報とを有する列車情報を格納し得る列車情報格納部と、
場所に関する場所情報を有する出力指示を受け付ける受付部と、
前記出力指示が有する時刻情報または現在時刻に対応する一の時刻に、前記出力指示が有する場所情報に対応する一の場所を走行している1以上の列車を、前記運行情報を用いて決定する列車決定部と、
前記列車決定部が決定した1以上の各列車が走る線路を、前記列車情報を用いて決定する走行線路決定部と、
前記地図情報を用いて、前記列車決定部が決定した1以上の列車の列車情報が有する長さ情報に対応する長さの列車が、前記走行線路決定部が決定した線路上走行するような態様で、地図を出力する出力部と具備する列車位置出力装置。
【請求項2】
前記列車情報は、
駅のホームでの列車の停止位置を示す1以上の停止位置情報を有し、
前記出力部は、
前記列車が駅のホームで停止する場合、前記列車に対応する停止位置情報を用いて、ホームにおける停止位置が視覚的に認識できる態様で、前記列車を地図上に出力する請求項1記載の列車位置出力装置。
【請求項3】
前記出力部は、
列車の走行を視覚的に出力する場合、一の駅を出発してから、段階的に前記列車の移動速度を大きくし、かつ、前記一の駅と次の駅までの間のいずれかの地点から、段階的に前記列車の移動速度を小さくし、前記次の駅に到着するような態様で、前記列車を地図上に出力する請求項1または請求項2記載の列車位置出力装置。
【請求項4】
前記運行情報は、
1以上の列車毎に、列車を識別する列車識別子、および列車の位置に関する位置情報と時刻情報との組である2以上の運行位置時刻情報を有する請求項1から請求項いずれか一項に記載の列車位置出力装置。
【請求項5】
前記地図情報は、
2以上のメッシュに分割されており、
前記運行位置時刻情報は、
走行するメッシュを識別するメッシュ識別子と時刻情報との組である請求項記載の列車位置出力装置。
【請求項6】
前記運行情報格納部は、
予め運行情報を保持している請求項または請求項記載の列車位置出力装置。
【請求項7】
線路および駅のホームを含む地図情報を格納し得る地図情報格納部、1以上の列車の運行に関する情報である運行情報を格納し得る運行情報格納部、列車に関する情報であり、列車が走る線路を識別する線路識別子と列車の長さに関する長さ情報とを有する列車情報を格納し得る列車情報格納部、受付部、列車決定部、走行線路決定部、および出力部により実現される列車位置出力方法であって、
前記受付部が、場所に関する場所情報を有する出力指示を受け付ける受付ステップと、
前記列車決定部が、前記出力指示が有する時刻情報または現在時刻に対応する一の時刻に、前記出力指示が有する一の場所を走行している1以上の列車を、前記運行情報を用いて決定する列車決定ステップと、
前記走行線路決定部が、前記列車決定部が決定した1以上の各列車が走る線路を、前記列車情報を用いて決定する走行線路決定ステップと、
前記出力部が、前記地図情報を用いて、前記列車決定部が決定した1以上の列車の列車情報が有する長さ情報に対応する長さの列車が、前記走行線路決定部が決定した線路上走行するような態様で、地図上に出力する出力ステップと具備する列車位置出力方法。
【請求項8】
線路および駅のホームを含む地図情報を格納し得る地図情報格納部と、
1以上の列車の運行に関する情報である運行情報を格納し得る運行情報格納部と、
列車に関する情報であり、列車が走る線路を識別する線路識別子と列車の長さに関する長さ情報とを有する列車情報を格納し得る列車情報格納部とにアクセス可能なコンピュータを、
場所に関する場所情報を有する出力指示を受け付ける受付部と、
前記出力指示が有する時刻情報または現在時刻に対応する一の時刻に、前記出力指示が有する場所情報に対応する一の場所を走行している1以上の列車を、前記運行情報を用いて決定する列車決定部と、
前記列車決定部が決定した1以上の各列車が走る線路を、前記列車情報を用いて決定する走行線路決定部と、
前記地図情報を用いて、前記列車決定部が決定した1以上の列車の列車情報が有する長さ情報に対応する長さの列車が、前記走行線路決定部が決定した線路上走行するような態様で、地図上に出力する出力部して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上に列車の位置を表示する列車位置出力装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道の運行予定情報を基に、列車の走行位置を地図上にマッピングして表示するウェブサイトが知られている。
【0003】
例えば、非特許文献1に示すウェブサイトには、日本国内の鉄道を対象にして、対象時刻(現在時刻やユーザが選択した時刻などの時刻)における列車の運行位置を地図に描かれた線路上にマッピングして表示するサービスが提供されている。
【0004】
また、非特許文献2に示すウェブサイトには、ロンドン市内の地下鉄を対象にして、地下鉄の現在時刻の運行位置を線路上にマッピングして表示するサービスが示されている。
【0005】
非特許文献1,2に示すウェブサイトでは、全ての列車の運行位置が所定の周期で更新されるので、ユーザは地図上にマッピングされた各列車の移動している状況を見ることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“鉄道NOW”、[online]、[2014年10月29日検索]インターネット〈URL:http://www.demap.info/tetsudonow/〉
【非特許文献2】“Live Train map for London Underground”、Matthew Somerville、[2014年10月29日検索]インターネット〈URL:http://traintimes.org.uk/map/tube/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、鉄道ネットワークは複雑化を増し、例えば、東京や大阪などの都市部の駅は大型化しているため、駅での列車や施設の利用が難しくなっている。駅を通過若しくは停車する全ての列車について、ホームに入線する列車の走行状況や列車の各車輌の停止位置などが駅の地図上に表示されるサービスがあれば、ユーザは利用したい列車や構内の施設の情報を視覚的に取得することできるので、駅の利便性が向上する。
【0008】
例えば、列車の種別(例えば、特急、各駅停車などの種別)によってホームの停止位置が異なる場合、各列車のホームに入線する状況や停止する状況が地図上で視覚的に分かれば、列車の各車輌の乗車口と駅構内のエレベータ、エスカレータ、改札口などの各施設との位置関係なども視覚的に確認することができ、ユーザにとって、駅構内の移動方向や乗車する列車のホームが分かり易くなるなどの利便性が向上する。
【0009】
しかしながら、現在、提供されている地図上に列車の運行位置をマッピングして表示する従来技術(上記の非特許文献1、非特許文献2の技術)は、駅に複数のホームがある場合、地図上に列車が止まるホームが分かるように列車の位置を提示できない。
【0010】
また、従来技術は、長さのある列車の位置を車輌編成内の一点に代表させ、その位置の地図上における移動の状況を列車のシンボルマークや地下鉄のマークなどで表示するだけであるから、駅のホームにおける列車の入線状況や停車する様子を車輌編成が分かる列車の図形で表示させることはできない。つまり、従来技術では、ホーム内での列車の停止位置が分からない。
【0011】
また、従来技術は、列車の運行位置の更新間隔が比較的長く、地図上に表示した列車位置のマークを線路に沿って移動させることができない。従って、従来技術では、複数の車輌を連結した列車の図形(長さのある列車の図形)を地図上の線路に沿って滑らかに移動させ、駅のホームの所定の位置に停止させる状況を表示させることはできない。つまり、従来技術では、加速度を考慮した列車の移動を表示できない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本第一の発明の列車位置出力装置は、線路および駅のホームを含む地図情報を格納し得る地図情報格納部と、1以上の列車の運行に関する情報である運行情報を格納し得る運行情報格納部と、列車に関する情報であり、列車が走る線路を識別する線路識別子を有する列車情報を格納し得る列車情報格納部と、一の時刻に一の場所を走行している1以上の列車を、運行情報を用いて決定する列車決定部と、列車決定部が決定した1以上の各列車が走る線路を、列車情報を用いて決定する走行線路決定部と、地図情報を用いて、列車決定部が決定した1以上の列車が、走行線路決定部が決定した線路上を当該列車が走行するような態様で、地図を出力する出力部と、を具備し、出力部は、列車情報を用いて、駅で列車が停止するホームが視覚的に認識できる態様で、列車決定部が決定した1以上の列車を地図上に出力する、列車位置出力装置である。
【0013】
かかる構成により、ユーザは、1以上の列車が停止するホームを視覚的に地図上で認識できる。
【0014】
また、本第二の発明の列車位置出力装置は、第一の発明に対して、列車情報は、駅のホームでの列車の停止位置を示す1以上の停止位置情報を有し、出力部は、列車が駅のホームで停止する場合、列車に対応する停止位置情報を用いて、ホームにおける停止位置が視覚的に認識できる態様で、列車を地図上に出力する列車位置出力装置である。
【0015】
かかる構成により、ユーザは、駅のホームにおける列車の停止位置を視覚的に確認することができる。
【0016】
また、本第三の発明の列車位置出力装置は、第一または第二の発明に対して、列車情報は、列車の長さに関する長さ情報を有し、出力部は、列車に対応する長さ情報に対応する長さの列車を地図上に出力する列車位置出力装置である。
【0017】
かかる構成により、長さを有する列車を表現できる。
【0018】
また、本第四の発明の列車位置出力装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、出力部は、列車の走行を視覚的に出力する場合、一の駅を出発してから、段階的に列車の移動速度を大きくし、かつ、一の駅と次の駅までの間のいずれかの地点から、段階的に列車の移動速度を小さくし、次の駅に到着するような態様で、列車を地図上に出力する列車位置出力装置である。
【0019】
かかる構成により、ユーザは、加減速を加味した列車の運行状況が視覚的に地図上で認識できる。
【0020】
また、本第五の発明の列車位置出力装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、運行情報は、1以上の列車毎に、列車を識別する列車識別子、および列車の位置に関する位置情報と時刻情報との組である2以上の運行位置時刻情報を有する列車位置出力装置である。
【0021】
かかる構成により、ユーザは、1以上の列車が停止するホーム等を視覚的に地図上で認識できる。
【0022】
また、本第六の発明の列車位置出力装置は、第五の発明に対して、地図情報は、2以上のメッシュに分割されており、運行位置時刻情報は、走行するメッシュを識別するメッシュ識別子と時刻情報との組である列車位置出力装置である。
【0023】
かかる構成により、高速な処理が可能となる結果、列車の運行状況を自然な動きで表示できる。
【0024】
また、本第七の発明の列車位置出力装置は、第五または第六の発明に対して、運行情報格納部は、予め運行情報を保持している列車位置出力装置である。
【0025】
かかる構成により、高速な処理が可能となる結果、列車の運行状況を自然な動きで表示できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による列車位置出力装置によれば、駅のホームにおける列車の運行状況や列車の停止位置に対する施設の配置関係などを地図上で視覚的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施の形態における列車位置出力装置のブロック図
図2】同列車位置出力装置の動作を説明するためのフローチャート
図3】同地図情報格納部に格納されている地図情報の一例を示す図
図4】同図3に示す地図情報の表示倍率を高くした地図情報の例を示す図
図5】同運行情報格納部に格納されている運行情報の一例を示す図
図6】同三次元インデックスタイルの概念を示す図
図7】同列車情報格納部に格納されている列車情報の一例を示す図
図8】同図3の地図情報を用いた列車位置を示す画像の一例を示す図
図9】同地図情報に表示される列車の画像の一例を示す図
図10】同地図情報に描かれた曲線の線路上に配置される列車の画像の一例を示す図
図11】同図4の地図情報を用いた列車位置を示す画像の一例を示す図
図12】同3次ベジェ曲線の一例を示す図
図13】同地図情報に設定される3次ベジェ曲線の4つの制御点を説明するための図
図14】同地図情報の線路上に配置される列車の車輌の位置を説明するための図
図15】同地図情報の線路上の列車の画像の位置を求める列車位置関数を説明するための図
図16】同地図タイルに対応する場所に存在する列車の時間帯を説明するための図
図17】同列車位置出力装置を実現するコンピュータシステムの概観図
図18】同コンピュータシステムの内部構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、列車位置出力装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、実施の形態において、同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0029】
(実施の形態1)
本実施の形態1では、運行情報に基づいて列車を線路に沿って走行させた場合の列車の走行状況を視覚的に把握できるように、地図上に出力する列車位置出力装置1について、説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態1における列車位置出力装置1のブロック図である。
【0031】
列車位置出力装置1は、地図情報格納部101、運行情報格納部102、列車情報格納部103、受付部104、列車決定部105、走行線路決定部106、出力部107を備える。
【0032】
地図情報格納部101には、線路および駅のホームを含む地図情報が格納されている。地図情報は、例えば、KIWIフォーマットなどのフォーマットで作成されている。地図情報のデータ構造は問われない。
【0033】
地図情報は、例えば、地図の画像、駅名や地名等の1以上の文字列等の情報を含む。また、地図情報は、経度、緯度の位置の情報を含む。また、地図情報は、地図に描かれた線路の形状を表す関数と、当該線路を走行する列車の走行時間帯における列車の線路上の位置を求めるための関数とを含む。これらの関数については、後述する。
【0034】
地図情報は、例えば、1枚の画像でも良く、1枚の地図を2以上のメッシュに分割し、分割した部分を元のサイズに拡大した地図の集合であっても良い。地図の画像には、例えば、地図タイル型式で作成された地図の画像を用いることができる。地図タイル型式で作成された地図の画像としては、例えば、Google(登録商標) Mapsのオンライン地図の画像を用いることができる。地図の画像は、ビットマップデータでも良いし、ベクターデータなどであっても良い。
【0035】
運行情報格納部102は、1以上の列車の運行に関する情報である運行情報が格納されている。運行情報は、例えば、列車毎に、列車を識別する列車識別子、および列車の位置に関する位置情報と時刻情報との組である2以上の運行位置時刻情報を有する。列車識別子は、列車を識別するID等である。列車の位置に関する位置情報は、絶対位置(緯度,経度)でも良いし、地図上の相対位置でも良い。地図上の相対位置は、例えば、メッシュ識別子,メッシュ上の相対位置である。メッシュ上の相対位置は、例えば、メッシュの基準点(原点)からの相対位置であり、(x,y)である。
【0036】
地図情報が複数枚のメッシュに分割された地図の画像を含む場合、運行位置時刻情報は、メッシュを識別するメッシュ識別子と時刻情報との組の情報を含む。すなわち、運行位置時刻情報は、分割された地図毎に、各地図の領域を列車が走行している時刻の情報を含む。
【0037】
なお、運行情報は、例えば、(列車識別子,メッシュ識別子,時刻情報)の集合である。メッシュ識別子は、地図タイルを識別する情報であるとも言える。時刻情報は、時刻を示す情報であり、絶対時間でも、基準時刻からの相対的な時刻でも良い。また、運行情報は、例えば、(列車識別子,緯度,経度,時刻情報)の集合でも良いし、(列車識別子,メッシュ識別子,メッシュ上の相対位置,時刻情報)の集合等でも良い。
【0038】
運行情報は、列車識別子、駅を識別する駅識別子、および駅の出発時刻を示す出発時刻情報を有しても良い。さらに、運行情報は、列車識別子、駅識別子、出発時刻情報、および駅の到着時刻を示す到着時刻情報を有しても良い。
【0039】
運行情報は、例えば、列車毎に予め作成されている列車運行計画や列車運行図表などから生成される情報である。列車運行計画や列車運行図表には、例えば、所属鉄道会社、列車番号、車輌編成、列車種別(各停、特急、急行、快速などの種別)、始発駅、行先駅、線路、線路上の各駅の到着時刻と出発時刻、各駅のホームの発車番線などの情報が含まれる。
【0040】
列車運行計画の列車番号は、列車識別子に対応する情報である。列車運行計画の始発駅、行先駅、各駅の到着時刻と出発時刻の情報は、運行位置時刻情報に対応する情報である。運行位置時刻情報には、例えば、駅以外の線路上に設けられた所定の位置に対して設定された列車の通過時刻や移動速度の情報も含まれる。
【0041】
列車運行計画や列車運行図表の情報は、鉄道会社のオープンデータによって取得することができる。運行情報格納部102は、全ての列車運行計画や列車運行図表などの情報を全ての鉄道会社から予め取得して保持していてもよく、必要に応じて鉄道会社から処理に必要な運行情報を取得して保持するようにしてもよい。
【0042】
なお、図示しない運行情報生成部は、例えば、列車運行計画情報から、以下のように運行情報を生成する。
【0043】
運行情報生成部は、まず、一の列車識別子を取得する。そして、運行情報生成部は、一の列車識別子と対になる駅識別子と出発時刻を列車運行計画情報から取得する。次に、運行情報生成部は、駅識別子と対になる位置情報(例えば、絶対位置)を図示しない格納部から取得する。なお、図示しない格納部には、駅識別子と対応付けて位置情報が格納されている、とする。そして、運行情報生成部は、(列車識別子,位置情報,出発時刻)を有する運行情報を構成するレコード(運行情報レコード)を運行情報格納部102に蓄積する。
【0044】
次に、運行情報生成部は、一の列車識別子と対になる次の駅の駅識別子と到着時刻を列車運行計画情報から取得する。
【0045】
次に、運行情報生成部は、前の駅の駅識別子と次の駅の駅識別子との線路上の距離を図示しない格納部から取得する。前の駅の駅識別子と次の駅の駅識別子との線路上の距離は、図示しない格納部に格納されている、とする。
【0046】
次に、運行情報生成部は、列車識別子で識別される列車がt秒後(例えば、1秒後)に進む距離を、列車運行関数を用いて算出する。なお、運行情報生成部は、列車運行関数を格納している。また、列車運行関数は、一の駅を出発してから、段階的に移動速度を大きくし、かつ、一の駅と次の駅までの間のいずれかの地点から、段階的に移動速度を小さくし、次の駅に到着するように列車が移動することを示す関数である。また、列車運行関数は、例えば、出発してから、加速度Mで、X秒で最大速度Sとなり、以後、最大速度Sで走行し、次の駅を出発する前Y秒の時点で、加速度−Nで、減速していき、次の駅の停止位置情報が示す停止地点に停止することを示す関数である。
【0047】
次に、運行情報生成部は、一の列車識別子で識別される列車が走行している線路の情報(線路のラインの情報)とt秒後に進む距離とを用いて、前の地点(ここでは、前の駅のホームの地点)からt秒後の線路上の位置を算出する。そして、運行情報生成部は、(列車識別子,算出した位置の位置情報,出発時刻+t)を有する運行情報レコードを構成する。そして、運行情報生成部は、当該運行情報レコードを運行情報格納部102に蓄積する。
【0048】
運行情報生成部は、以上の処理を、一の列車が、次の駅に到着するまで、t秒間隔で繰り返し、運行情報レコードを構成し、当該運行情報レコードを運行情報格納部102に蓄積していく。
【0049】
また、運行情報生成部は、以上の処理を、次の駅とさらに次の駅の間にも適用し、運行情報レコードを運行情報格納部102に蓄積していく。さらに、運行情報生成部は、上記の処理をすべての列車に対して行い、多数の運行情報レコードを運行情報格納部102に蓄積していく。
【0050】
運行情報が列車識別子と2以上の運行位置時刻情報を有する場合、例えば、当該運行情報は、列車運行計画の情報から生成される。
【0051】
列車情報格納部103は、1または2以上の列車情報を格納している。列車情報は、列車の長さに関する情報、列車が走行する線路を識別する線路識別子、列車が停止する駅のホームを識別するホーム識別子、当該ホームでの列車の停止位置を示す1以上の停止位置情報などの情報を有する。列車情報は、例えば、列車識別子、線路識別子、1組以上の駅識別子とホーム識別子と停止位置情報の組を有する。
【0052】
列車の長さに関する情報は、例えば、列車の車輌数、車輌の長さ、列車の種類などの情報のうち、1または2以上の組み合わせの情報である。線路識別子は、通常、線路IDであるが、線路名であってもよい。ホーム識別子は、通常、駅のホームに設定された番線番号である。ホームでの列車の停止位置は、線路上の列車の停止位置で定義しても良く、列車が停止するホーム上の位置で定義しても良い。線路上で列車の停止位置を定義する場合、例えば、先頭車輌の前側の台車が停止する位置を列車の停止位置に設定すると良い。
【0053】
地図情報格納部101、運行情報格納部102、列車情報格納部103は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。地図情報格納部101、運行情報格納部102、列車情報格納部103に地図情報、運行情報、列車情報がそれぞれ記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して地図情報、運行情報、列車情報が地図情報格納部101、運行情報格納部102、列車情報格納部103にそれぞれ記憶されてもよく、通信回線等を介して送信された地図情報、運行情報、列車情報が地図情報格納部101、運行情報格納部102、列車情報格納部103にそれぞれ記憶されてもよい。また、入力デバイスを介して入力された地図情報、運行情報、列車情報が地図情報格納部101、運行情報格納部102、列車情報格納部103にそれぞれ記憶されてもよい。
【0054】
受付部104は、指示や情報を受け付ける。受付部104は、動作開始指示を受け付けても良い。動作開始指示とは、列車位置出力装置1の動作を開始する指示である。受付部104は、例えば、場所に関する場所情報および時刻に関する時刻情報を有する出力指示を受け付ける。場所情報は、通常、地図上の特定の位置もしくは特定の位置を含む一定の区域に関する情報である。例えば、東京駅、日本橋などの場所を示す情報である。
【0055】
時刻情報は、標準時で表した時刻(例えば、Y年M月D日h時m分s秒の時刻)でもよく、時間帯(例えば、Y年M月D日h時m分〜h時m分の時間帯)で表した情報であっても良い。なお、出力指示が有する場所情報と時刻情報は、同時に受け付けなくても良い。また、出力指示は、場所情報のみを有しても良い。例えば、地図情報が複数枚のメッシュに分割された地図の画像を含む場合、メッシュ識別子(分割された地図の識別子)によって場所情報を受け付けることができる。かかる場合、通常、時刻情報として、現在時刻が採用され、列車位置出力装置1は動作する。
【0056】
出力指示は、例えば、時刻情報に含まれる時刻若しくは時間帯に場所情報に含まれる場所を運行する列車の走行状況を出力させる指示である。なお、場所情報は、領域を示す情報でも良いし、地図を識別する情報でも良いし、地図を選択する情報でも良いし、駅を識別する情報等でも良い。
【0057】
例えば、場所情報としてメッシュ識別子を受け付けた場合、出力指示は、時刻情報に含まれる時刻若しくは時間帯にメッシュ識別子を有する地図に示される領域を運行する列車の走行状況を出力させる指示となる。
【0058】
ここで、受け付けとは、キーボードなどの入力デバイスから入力される情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信される情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出される情報の受け付けなどを含む概念である。
【0059】
指示や情報の入力デバイスは、キーボード、マウス、タッチパネル等、何でも良い。受付部104は、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0060】
列車決定部105は、一の時刻に一の場所を走行している1以上の列車を、運行情報格納部102の運行情報を用いて決定する。列車決定部105は、例えば、出力指示に含まれる時刻情報に対応する時刻に出力指示に含まれる場所情報に対応する場所を走行している1以上の列車を、運行情報を用いて決定する。
【0061】
運行情報には、列車毎に、列車の位置と時刻の組の情報が含まれているので、列車決定部105は、通常、運行情報を検索し、場所情報に対応する場所と時刻情報に対応する時刻とに対応付けられた1以上の列車識別子を取得する。
【0062】
例えば、地図情報が複数枚のメッシュに分割された地図の画像を含む場合、列車決定部105は、運行情報の運行位置時刻情報に含まれるメッシュ識別子と時刻情報との組から、出力指示に含まれる時刻に出力指示に含まれる場所情報に対応するメッシュ識別子(分割され地図)に対応する場所を走行する1以上の列車の列車識別子を取得する。
【0063】
走行線路決定部106は、列車決定部105が決定した1以上の列車が走る線路を、列車情報格納部103の1以上の列車情報を用いて決定する。列車情報には、通常、列車毎に、列車が走行する線路の線路識別子が対応付けられているので、走行線路決定部106は、列車情報を用いて、列車決定部105が決定した1以上の列車識別子について、各列車識別子に対応付けられている線路識別子、すなわち、各列車が走行する線路を決定する。
【0064】
走行線路決定部106は、例えば、列車決定部105が取得した1以上の列車識別子と対になる1以上の線路識別子を、列車情報格納部103から取得する。
【0065】
列車決定部105と走行線路決定部106は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。列車決定部105と走行線路決定部106の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0066】
出力部107は、地図情報を用いて、列車決定部105が決定した1以上の列車が、走行線路決定部106が決定した線路上を当該列車が走行するような態様で、地図を出力する。出力部107は、列車情報を用いて、駅で列車が停止するホームを視覚的に認識できる態様で、当該列車の画像を地図上に出力する。
【0067】
具体的には、出力部107は、例えば、受付部104が受け付けた出力指示が有する場所を含む地図の画像を地図情報格納部101から読み出す。また、出力部107は、運行情報を用いて、列車決定部105が決定した列車の、受付部104が受け付けた出力指示が有する時刻における位置を取得する。
【0068】
そして、列車決定部105は、その取得した位置を用いて、読み出した地図に描かれた走行線路決定部106が決定した線路上に、列車決定部105が決定した列車の画像を表示する。出力部107は、運行情報の運行位置時刻情報を用いて、例えば、連続して当該列車の位置を更新し、その更新結果を用いて地図の線路上に表示する列車の画像の位置を変化させる。
【0069】
出力部107は、列車情報の車輌編成情報を用いて、当該列車の車輌編成が分かる画像(複数の車輌が連結された、長さを有する列車の画像)を作成し、その列車の画像を地図の線路上に表示する。従って、地図上には、複数の車輌が連結された列車が線路上を走行する態様で表示される。
【0070】
更に、出力部107は、列車情報を用いて、駅で列車の停止するホームが視覚的に認識できる態様で、列車決定部105が決定した1以上の列車を地図上に出力する。具体的には、出力部107は、例えば、列車決定部105が取得した1以上の列車識別子と対になるホーム識別子を列車情報格納部103から取得する。そして、出力部107は、ホーム識別子に対応する位置情報を取得する。次に、出力部107は、地図上の当該位置情報が示す位置に、列車の画像を配置する。
【0071】
また、具体的には、出力部107は、例えば、列車決定部105が取得した1以上の列車識別子および時刻情報と対になる位置情報を、運行情報格納部102から取得し、地図上の当該位置情報に対応する位置に列車の画像を配置しても良い。つまり、位置情報が列車の停止するホームおよび列車の停止位置を示していても良い。
【0072】
また、出力部107は、列車が駅で停止する場合、当該列車に対応する停止位置情報を用いて、ホームにおける停止位置が視覚的に認識できる態様で、列車を地図上に出力する。具体的には、列車決定部105が決定した1以上の列車が駅のホームで停止する場合、出力部107は、例えば、列車決定部105が取得した列車識別子および時刻情報と対になる駅識別子を列車情報格納部103から取得する。
【0073】
次に、出力部107は、例えば、列車決定部105が取得した列車識別子と対になるホーム識別子を列車情報格納部103から取得する。そして、出力部107は、例えば、列車識別子および駅識別子と対になる停止位置情報を列車情報格納部103から取得する。次に、出力部107は、例えば、当該停止位置情報に対応するホームにおける停止位置に、列車の画像を配置する。なお、例えば、出力部107は、複数の車輌が連結された列車が減速して先頭車輌の前側の台車が線路上に設定された停止位置に停止する様子が視覚的に認識できる態様で、駅のホームにおける列車の走行状況を地図上に出力する。
【0074】
また、出力部107は、列車の走行を視覚的に出力する場合、一の駅を出発してから、段階的に移動速度を大きくし、かつ、一の駅と次の駅までの間のいずれかの地点から、段階的に移動速度を小さくし、次の駅に到着するような態様で、列車を地図上に出力することは好適である。
【0075】
かかる場合、出力部107は、例えば、列車の速度の情報を保有している。列車の速度の情報は、例えば、駅を出発後(始動後)n秒で序々(段階的)にvkm/hに上昇し、その後、vkm/hで移動し、次の駅に到着するm秒前(n=mであることは好適である)から速度を序々(段階的)に低下させ、m秒後に次の駅に停止することを示す情報である。
【0076】
ここで、出力とは、通常、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、外部の装置への送信、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0077】
出力部107は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部107は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0078】
次に、列車位置出力装置1の動作の例について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
(ステップS201)受付部104は、出力指示を受け付けたか否かを判断する。受付部104が出力指示を受け付けると(S201:Y)、ステップS202に進み、受付部104が出力指示を受け付けていなければ(S201:N)、ステップS201に戻る。
【0080】
(ステップS202)出力部107は、受付部104が受け付けた出力指示に含まれる場所情報を用いて、地図情報格納部101から当該場所情報に含まれ場所に対応する地図情報を取得する。
【0081】
(ステップS203)出力部107は、取得した地図情報を出力する。例えば、出力部107は、ステップS203で取得した地図情報を列車位置出力装置1のディスプレイに表示する。
【0082】
(ステップS204)列車決定部105は、受付部104が受け付けた出力指示に含まれる場所情報と時刻情報とを用いて、運行情報格納部102を検索し、場所情報と時刻情報とに対応する1以上の運行情報を取得する。出力指示に含まれる時刻情報と一致する時刻情報が存在しない場合、列車決定部105は、出力指示に含まれる時刻情報が示す時刻に近似する時刻の時刻情報と出力指示に含まれる場所情報とを用いて、運行情報格納部102を検索し、場所情報と時刻情報とに対応する1以上の運行情報を取得しても良い。なお、近似する時刻とは、最も近い時刻でも良いし、出力指示に含まれる時刻情報が示す時刻より後の時刻のうち最も近い時刻でも良いし、出力指示に含まれる時刻情報が示す時刻より前の時刻のうち最も近い時刻でも良い。
【0083】
(ステップS205)列車決定部105は、ステップS204で取得した1以上の各運行情報に対応する1以上の列車を決定する。つまり、列車決定部105は、例えば、ステップS204で取得した1以上の運行情報が有する1以上の列車の列車識別子を取得する。
【0084】
(ステップS206)走行線路決定部106は、列車決定部105が決定した列車の数をカウントするカウンタiに1をセットする。
【0085】
(ステップS207)走行線路決定部106は、i番目の列車が存在するか否かを判別する。i番目の列車が存在していれば(S206:Y)、ステップS208に進み、i番目の列車が存在していなければ(S206:N)、ステップS212に進む。
【0086】
(ステップS208)走行線路決定部106は、列車情報格納部103からi番目の列車の列車情報を取得する。
【0087】
(ステップS209)走行線路決定部106は、取得した列車情報からi番目の列車が走行する線路を決定する。走行線路決定部106は、例えば、ステップS208で取得した列車情報が有する線路識別子を取得する。
【0088】
(ステップS210)出力部107は、走行線路決定部106が決定した線路であり、対応する運行情報が有する位置情報が示す位置にi番目の列車の画像を出力する。なお、列車が複数の車輌を有する場合(ステップS208で取得された列車情報が有する車輌数が複数の場合)、出力部107は、当該複数の車輌を順に、走行線路決定部106が決定した線路に沿って配置していく。なお、例えば、線路の位置の情報は、地図情報に含まれており、かかる線路の位置の情報を用いて、出力部107は、複数車輌の画像を線路に配置する。
【0089】
(ステップS211)走行線路決定部106は、カウンタiの値を1つ増加して、ステップS207に戻る。
【0090】
(ステップS212)出力部107は、処理を終了したか否かを判別する。処理を終了していなければ、ステップS213に進み、処理を終了していれば、列車位置の出力制御は終了する。
【0091】
(ステップS213)列車決定部105は、時刻を進めた後、ステップS204に戻る。なお、列車決定部105は、通常、予め決められた間隔(例えば、3秒)で、時刻を進める。
【0092】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0093】
(具体例1)
次に、本実施の形態1に係る列車位置出力装置1の具体例1について説明する。
【0094】
図3は、地図情報格納部101に格納されている地図情報の一例を示す図である。
【0095】
同図に示す地図情報は、例えば、Google(登録商標) Mapsのオンライン地図などに用いられている正方形のタイル形状の地図の画像情報(以下、「地図タイル」という。)である。
【0096】
地図タイルは、メルカトル投影法で投影した地球地図全体の地図から極域の一部を除外して正方形のタイル形状にした地図を表示倍率「1」の地図とし、その地図を(横2×縦2)(n:1以上の整数)個に分割し、分割した部分に対応する地域を表示倍率「1」の地図と同一のサイズに拡大した地図(すなわち、表示倍率「1」の地図に対して表示倍率を(2×2)倍にした地図)の集合である。
【0097】
なお、表示倍率の異なる複数枚の地図タイルは、各地図タイルに設けられた識別子によって識別されるようになっている。地図タイルに設定された識別子は、本発明のメッシュ識別子に相当するものである。
【0098】
地図情報格納部101には、例えば、複数枚の地図タイルによって構成された日本の地図情報が格納されている。図3に示す地図の例は、線路R1,R2が複数枚の地図タイルに跨って描かれる地図タイルのうち、駅Sが含まれる部分の地図タイルMTの画像である。表示倍率を低くすれば、駅Sが含まれる部分は、線路R全体が描かれた地図タイルで表すこともできる。
【0099】
図4は、S駅のホームHの構造が分かるレベルに図3に示す地図タイルMTの表示倍率を高くした地図タイルMTの例である。
【0100】
地図タイルMTには、S駅の1面2線型のホームHが拡大されて描かれている。線路R1は、ホームHの一方側(図4では、ホームHより上側)に配置され、列車が左側からホームHに入線する線路である。一方、線路R2は、ホームHの他方側(図4では、ホームHより下側)に配置され、列車が右側からホームHに入線する線路である。地図タイルMTは、線路R1,R2のホームHに沿う部分の所定の位置に配置された列車の先頭車輌の停止位置を示す停止位置情報Mを有している。
【0101】
列車によって車輌編成が異なり、ホームHに対する列車の先頭車輌の停止位置が異なる場合があるので、線路R1,R2には、停止位置情報Mが複数個設けられている。位置の異なる停止位置情報Mに識別番号が付加されている。
【0102】
図5は、運行情報格納部102に格納されている運行情報の一例を示す図である。
【0103】
運行情報は、複数本の列車の運行に関する情報の集まりである。運行情報は、上述した運行情報生成部によって生成されている。運行情報には、複数の列車識別子「AAA」,「BBB」,「CCC」,…「ZZZ」に対して、各列車の運行に関する情報が対応付けられている。運行に関する情報は、列車が出発駅から行先駅までの線路上の走行位置と走行時刻との組である2以上の運行位置時刻情報を有している。
【0104】
運行位置時刻情報は、列車が出発駅を出発して行先駅に到着するまでの運行時間における線路上の走行位置と走行時刻の組を所定の時間間隔で作成したものである。運行位置時刻情報は、各列車の運行計画に基づいて作成されている。運行位置時刻情報には、走行位置を含む地図タイルのメッシュ識別子の情報も含まれている。
【0105】
図5には、出発駅、行先駅、および出発駅と行先駅との間の駅についての運行位置時刻情報を掲載し、駅以外の線路上の走行位置の運行位置時刻情報については、作図の便宜上、省略している。
【0106】
図5に記載の運行位置時刻情報の内容について、列車識別子「AAA」の列車を例について説明する。列車識別子「BBB」,「CCC」,…「ZZZ」の列車の運行位置時刻情報の内容は、列車識別子「AAA」の列車と同様であるので、説明を省略する。
【0107】
「a0」、「a1」、…「an」は、駅を識別する駅識別子の情報である。駅識別子は、例えば、出発駅から行先駅の方向に順番に各駅に付した駅番号である。Da0」、「Da1」、…「Dan」は、各駅識別子「a0」、「a1」、…「an」に対応する出発駅からの線路の距離である。「Da0」は、駅識別子「a0」の出発駅(以下、駅「a0」という場合がある。他の駅に着いても同様。)の距離であるが、出発駅「a0」を基準とするので、Da0=0である。また、「Dan」は、行先駅「an」の距離であるので、出発駅「a0」から行先駅「an」までの線路の長さに相当している。「ta0」、「ta1」、…「tan」は、各駅「a0」、「a1」、…「an」に対応する出発時刻、停車または通過の時刻、終着時刻の情報である。
【0108】
「MTa0」、「MTa1」、「MTa2」、…「MTan」は、「ta0」、「ta1」、…「tan」の時刻に列車識別子「AAA」の列車が走行している位置を含む地図タイルの識別子(メッシュ識別子)の情報である。図5では、「ta0」、「ta1」、…「tan」の時刻の列車識別子「AAA」の列車の位置は駅であるので、各時刻「ta0」、「ta1」、…「tan」に対応付けられたメッシュ識別子は、列車識別子「AAA」の列車が走行する駅を含む地図タイルのメッシュ識別子となっている。
【0109】
列車が走行している位置は、表示倍率の異なる複数の地図タイルに含まれる場合がある。例えば、図3図4の例では、S駅が地図タイルMTと地図タイルMTに含まれている。従って、運行位置時刻情報に含まれる地図タイルのメッシュ識別子の情報には、複数のメッシュ識別子が含まれる場合がある。例えば、列車識別子「AAA」の列車が停車する駅「a1」がS駅の場合、駅「a1」の停車時刻「ta1」に対応付けられたメッシュ識別子の情報は、地図タイルMTと地図タイルMTの2つのメッシュ識別子を有する。
【0110】
各列車の運行情報に、時刻情報とメッシュ識別子との組である運行位置時刻情報を設けているのは、地図タイルに描かれた場所を走行する列車の検索処理の高速化を図るためである。時刻情報とメッシュ識別子との組である運行位置時刻情報は、当該時刻情報に対応する時刻に当該メッシュ識別子を有する地図タイルに描かれた場所(以下、「地図タイルに対応する場所」という。)を走行している列車を求めるためのインデックス情報として用いることができる。
【0111】
図6は、運行位置時刻情報をインデックス情報として用いる場合のデータ構造の概念を示す図である。
【0112】
図6に示すデータ構造は、地図タイル毎に、所定の時間幅δt(秒)単位で各時間幅δtに各地図タイルに対応する場所を走行している列車を対応付けた構造を有している。
【0113】
例えば、δtを20秒とし、00:00:00から00:00:20では地図タイルに対応する場所を2台の列車T,Tが走行しており、00:00:20から00:00:40では、同場所には列車Tだけが走行している状況となった場合、00:00:00から00:00:20の時間帯では、地図タイルに列車T,Tの列車識別子が対応付けられ、00:00:20から00:00:40の時間帯では、地図タイルに列車Tの列車識別子が対応付けられる。
【0114】
図6は、地図タイルMTに対して、タイル面に垂直な方向に時間軸tを設けたxyzの三次元座標系を設定し、時間軸tの各目盛の位置に列車識別子が対応付けられた地図タイルMTを配置したものである。例えば、00:00:00から00:00:20、00:00:20から00:00:40、…の時間幅がそれぞれ目盛「0」、「1」、…に対応付けられている場合、上記の例では、時間軸tの目盛「0」に列車T,Tの列車識別子が対応付けられた地図タイルMTが配置され、時間軸tの目盛「1」に列車Tの列車識別子が対応付けられた地図タイルMTが配置されることになる。以下、図6に示す構造の地図タイル毎のインデックス情報を「三次元インデックスタイル」と称する。
【0115】
例えば、図3に示す地図タイルMTに描かれたS駅の駅識別子を図5に示す列車識別子「AAA」の運行情報が有する「a1」とし、時刻ta0に出発した列車識別子「AAA」の列車の先頭車輌が時刻t(ta0<t<ta1)に地図タイルMTの下側の地図タイルとの境界に対応する位置P図3参照)に存在し、同列車の最後尾車輌が時刻t(ta1<t<ta2)に地図タイルMTの右側の地図タイルとの境界に対応する位置P図3参照)に存在する場合、列車識別子「AAA」の列車は、時刻tから時刻tまでの間、地図タイルMTに対応する場所に列車全体若しくは列車の一部が存在していることになる。
【0116】
従って、地図タイルMTの三次元インデックスタイルでは、時間軸tの時刻tから時刻tまで時間帯に対応する目盛の位置に列車識別子「AAA」が対応付けられた地図タイルMTが配置されることになる。
【0117】
図5では、運行情報を列車毎に運行位置時刻情報を対応付けた内容で示しているが、メッシュ識別子毎に、各メッシュ識別子と、列車の走行位置と走行時刻の組との対応関係を図6に示す三次元座標に配置すれば、運行情報を三次元インデックスタイルの内容で表すことができる。
【0118】
三次元インデックスタイルを用いると、場所情報として地図タイルが指定され、任意の時刻情報が指定されると、その時刻情報に対応する時刻若しくは時間帯に指定された地図タイルに対応する場所に存在する全ての列車を求めることができる。
【0119】
図7は、列車情報格納部103に格納されている列車情報の一例を示す図である。
【0120】
列車情報には、列車の列車識別子と列車が走行する路線の線路識別子との対応関係を示す情報と、列車の車輌編成の情報と、停車駅毎のホーム識別子や停車位置情報などの情報とが含まれている。また、図示はしていないが、列車情報には、車輌のサイズや車輌に設けられた台車の位置、台車間の処理などの情報も含まれている。
【0121】
図7では、路線識別子を「R」、「R」、…「R」で表記している。線路識別子は、「東海道本線」などの名称でもよく、路線毎に付与した線路識別子でも良い。また、列車の車輌数を「n」、「n」、…「n」で表記し、停車駅毎のホーム識別子を「Na1」、「Na2」、…「Nan」で表記している。また、ホーム識別子の下の数字「1」,「2」等は、各ホーム識別子に設けられた停止位置情報Mの番号である。
【0122】
次に、具体例1の列車位置出力装置1の列車位置の出力動作について説明する。
【0123】
受付部104が、例えば、入力デバイスにより入力された場所情報と時刻情報を有する出力指示を受け付けると、出力部107は、その出力指示に含まれる場所情報を用いて、地図情報格納部101から当該場所情報に含まれ場所に対応する地図情報を取得する。
【0124】
例えば、場所情報に含まれる場所がS駅周辺の場合、出力部107は、S駅を含む地図タイルとして、例えば、図3に示す地図タイルMTを地図情報格納部101から読み出し、列車位置出力装置1のディスプレイに表示する。なお、S駅を含む地図タイルとしては、図4に示す地図タイルMTもあるが、出力部107は、予めディフォルトとして設定された表示倍率の地図タイルMTを出力する。
【0125】
次に、列車決定部105は、出力指示に含まれる場所情報と時刻情報と、運行情報格納部102に格納された運行情報とを用いて、出力指示で指定された時刻情報に対応する時刻に、指定された場所情報に対応する場所を走行する列車の列車識別子を取得する。
【0126】
例えば、出力指示に含まれる場所情報がS駅のある場所の情報(○○町などの情報)で、出力指示に含まれる時刻情報が時間帯(t〜t)の情報の場合、列車決定部105は、図5に示す運行情報の中から時間帯(t〜t)にS駅のある場所を走行する列車識別子を取得する。
【0127】
例えば、S駅が運行情報の駅識別子「a1」の駅であり、駅識別子「a1」に対応付けられた時刻ta1が(t<ta1<t)であるとすると、列車決定部105は、出力指示に対応する列車識別子として列車識別子「AAA」を取得する。列車決定部105は、列車識別子「AAA」以外に、(t〜t)に地図タイルMTに含まれる場所に存在する列車識別子が存在すれば、それらの列車識別子を取得する。
【0128】
例えば、図3に示す地図タイルMTにおいて、列車識別子「AAA」の列車が線路R1を下側から上側に走行して時刻ta1にS駅に到着し、列車識別子「ZZZ」の列車が線路R2を上側から下側に走行して時刻tz1(t<tz1<t)にS駅に到着する場合、列車識別子「ZZZ」の列車も(t〜t)に地図タイルMTに含まれる場所に存在するので、列車決定部105は、列車識別子「ZZZ」も取得する。
【0129】
なお、列車決定部105は、列車位置時刻情報に地図タイルMTのメッシュ識別子の(t〜t)の時間帯に対応付けられた列車識別子を検索することによって、(t〜t)の時間帯に地図タイルMTに対応する場所に存在する1以上の列車識別子を取得するようにしてもよい。
【0130】
次に、走行線路決定部106は、取得した1以上の列車識別子について、列車情報格納部103から各列車識別子の列車情報を取得し、各列車識別子に対応する線路識別子を取得する。例えば、列車決定部105が列車識別子「AAA」,「ZZZ」を取得している場合、走行線路決定部106は、列車識別子「AAA」に対応する線路識別子「R」と、列車識別子「ZZZ」に対応する線路識別子「R」を取得する。
【0131】
次に、出力部107は、列車位置出力装置1のディスプレイに表示された地図タイルMT上に、取得した列車識別子の列車の画像が、指定された時間帯(t〜t)に地図タイルの線路識別子の線路上を移動する状況の画像(動画)を表示する。
【0132】
例えば、列車決定部105が列車識別子「AAA」,「ZZZ」を取得しており、列車識別子「AAA」の列車の運行情報から当該列車の先頭車輌が時刻t(t<t)に地図タイルMTに進入し、時刻t(t<t)に地図タイルMTから退出する場合、出力部107は、図8に示すように、列車位置出力装置1のディスプレイに表示された地図タイルMT上に、列車識別子「AAA」の列車の画像GTが線路識別子Rの線路R1上を移動する画像(図8では、画像GTが線路R1上を上側に移動する動画)を表示する。
【0133】
また、出力部107は、列車識別子「ZZZ」の列車の運行情報から当該列車の先頭車輌が時刻t3(t<t)に地図タイルMTに進入し、時刻t4(t<t)に地図タイルMTから退出する場合、同地図タイルMT上に、列車識別子「ZZZ」の列車の画像GTが線路識別子Rの線路(地図タイルMTでは線路R2)上を移動する画像(図8では、画像GTが線路R2上を下側に移動する動画)を表示する。
【0134】
この列車位置の出力処理では、出力部107は、図9に示すように、列車情報の列車識別子「AAA」に対応する車輌数「n」から長方形状の車輌の画像をn個連結した帯状の列車の画像GTを作成する。
【0135】
列車の画像GTは、複数の短冊状の車輌の画像GCを連結した形状を有している。車輌の画像GCの連結数は、実際の列車の車輌連結数に合わせている。また、車輌の画像GCは、実際の車輌の上面視の形状を長方形状に簡略化したもので、車輌の画像GCのサイズD(特に、長手方向の長さ)は、実際の車輌のサイズを縮小したサイズにしている。
【0136】
なお、車輌の長手方向の長さは、全て同一ではない。図9では、車輌の画像の長さを全て同一にしているが、異なる種類の車輌を献血している場合は、車輌の画像の長さは異なってくる。従って、同一車輌数であっても連結している車輌の種類によって列車の画像の長さは異なってくる。
【0137】
図5に示す列車位置時刻情報の時刻情報は、列車の先頭車輌の前側の台車位置PDであるので、出力部107は、先頭車輌の後側の台車位置PDと、2両目以降の各車輌の台車位置PD,PDとを台車間隔や車両連結の間隔と線路の形状とから算出し、列車情報格納部103に格納された列車識別子「AAA」の列車情報から車輌数、台車間隔、および車両連結の間隔の情報を読み出して地図タイルMTの線路上の各車輌の台車位置PD,PDを算出する。
【0138】
そして、出力部107は、図10に示すように、各車輌の画像が対応する台車位置PD,PDに配置されるように、列車識別子「AAA」の列車の画像GTを配置する。列車識別子「AAA」の列車の画像GTは、各車輌の画像が対応する台車位置PD,PDに配置されるので、線路R1の形状が湾曲している場合でも長さを有する列車の画像GTは、線路R1の曲線に沿って配置される。
【0139】
出力部107は、列車識別子「AAA」の列車位置時刻情報から時刻t〜時刻tの範囲に含まれる時刻と走行位置の組のデータを予め設定された周期で順番に読み出し、地図タイルMT上の各走行位置に順番に列車の画像GTを配置する。これにより、列車の画像GTの地図タイルMT上の位置が移動し、地図タイルMT上に列車の画像GTが線路R1を走行している状況の動画が表示される(図3参照)。
【0140】
また、出力部107は、列車識別子「ZZZ」の列車位置時刻情報から時刻t〜時刻tの範囲に含まれる時刻と走行位置の組のデータを予め設定された周期で順番に読み出し、上述した列車の画像GTの出力方法と同様の方法で、地図タイルMT上の各走行位置に順番に列車の画像GTを配置する。これにより、列車の画像GTの地図タイルMT上の位置が移動し、地図タイルMT上に列車の画像GTが線路R2を走行している状況の動画が表示される。
【0141】
受付部104が受け付けた出力指示の場所情報がS駅の場合は、S駅の地図タイルとして、例えば、図4に示す地図タイルMTが地図情報格納部101から読み出され、列車位置出力装置1のディスプレイに表示される。この場合も、上述した地図タイルMTを用いた列車識別子「AAA」,「ZZZ」の列車の画像GT,GTが線路R1,R2上を走行する状況を示す動画の出力処理と同様の処理が行われる。
【0142】
例えば、図4に示す地図タイルMTにおいて、列車識別子「AAA」の列車の先頭車輌が時刻t(t<t<ta1)に地図タイルMTの左側の地図タイルとの境界に対応する位置P図4参照)に存在し、同列車の最後尾車輌が時刻t(ta1<t<t)に地図タイルMTの右側の地図タイルとの境界に対応する位置P図4参照)に存在するとする。
【0143】
また、列車識別子「ZZZ」の列車の先頭車輌が時刻t(t<t<t<ta1)に地図タイルMTの右側の地図タイルとの境界に対応する位置P図4参照)に存在し、同列車の最後尾車輌が時刻t(ta1<t<t<t)に地図タイルMTの左側の地図タイルとの境界に対応する位置P図4参照)に存在するとする。
【0144】
すなわち、図4に示す地図タイルMTにおいて、時間帯(t〜t)で列車識別子「AAA」の列車が時刻ta1にS駅に到着した後、列車識別子「ZZZ」の列車が時刻(ta1+δt)にS駅に到着するとする。
【0145】
出力部107は、地図情報格納部101から図4に示す地図タイルMTを読み出し、列車位置出力装置1のディスプレイに表示する。
【0146】
次に、列車決定部105が、運行情報格納部102から時間帯(t〜t)にS駅に存在する列車の列車識別子「AAA」,「ZZZ」を取得する。また、走行線路決定部106が、列車情報格納部103から列車識別子「AAA」に対応する線路識別子「R」、車輛数「n」、S駅に対応する駅識別子「a1」におけるホーム識別子「Na1」、および停止位置情報Mの番号「1」を取得し、列車識別子「ZZZ」に対応する線路識別子「R」、車輛数「n」、S駅に対応する駅識別子「z1」におけるホーム識別子「Nz1」、および停止位置情報Mの番号「2」を取得する。
【0147】
次に、出力部107は、列車位置出力装置1のディスプレイに表示された地図タイルMT上に、列車識別子「AAA」,「ZZZ」の列車の画像が、時間帯(t〜t)に地図タイルMTの線路識別子R,Rの線路上をそれぞれ移動する状況の画像(動画)を表示する。
【0148】
例えば、出力部107は、図11に示すように、列車位置出力装置1のディスプレイに表示された地図タイルMT上に、列車識別子「AAA」の列車の画像GTが線路識別子Rの線路R1上を減速しながら移動してS駅のホームに入線し、時刻ta1にホーム識別子nの「1」の停止位置情報Mの位置に停止する様子を示す画像を表示する。また、出力部107は、その後に同列車の画像GTが出発して加速しながらS駅のホームから出ていく様子を示す画像(図11では、画像GTが線路R1上を右側に移動する動画)を表示する。
【0149】
列車の画像GTの表示処理では、出力部107は、列車識別子「AAA」の列車位置時刻情報から時刻t〜時刻tの範囲(t<ta1<t)に含まれる時刻と走行位置の組のデータを予め設定された周期で順番に読み出し、地図タイルMT上の各走行位置に順番に列車の画像GTを配置する。
【0150】
これにより、列車の画像GTの地図タイルMT上の位置が移動し、地図タイルMT上に、列車の画像GTが線路R1を減速しながらS駅のホームに入り、時刻ta1にホーム識別子nの番号「1」の停止位置情報Mの位置に停止する様子と、その後に同列車の画像GTが出発して加速しながらS駅のホームから出ていく様子の画像が表示される。
【0151】
また、列車の画像GTの表示処理では、出力部107は、列車識別子「ZZZ」の列車位置時刻情報から時刻t〜時刻tの範囲(t<(ta1+δt)<t)に含まれる時刻と走行位置の組のデータを予め設定された周期で順番に読み出し、地図タイルMT上の各走行位置に順番に列車の画像GTを配置する。
【0152】
これにより、列車の画像GTの地図タイルMT上の位置が移動し、地図タイルMT上に、列車の画像GTが線路R2を減速しながらS駅のホームに入り、時刻(ta1+δt)にホーム識別子nの番号「2」の停止位置情報Mの位置に停止する様子と、その後に同列車の画像GTが出発して加速しながらS駅のホームから出ていく様子の画像が表示される。
【0153】
(具体例2)
上記具体例1では、列車の運行情報として、所定の時間間隔で作成した列車の線路上の走行位置と走行時刻の組の情報を設定し、その情報を用いて列車の画像を地図タイル上で移動させていたが、具体例2は、地図タイル毎に、各地図タイルに描かれた線路を走行する全ての列車について、当該列車の実際の運行計画に基づき、各地図タイルの線路上における列車の画像の表示位置を求める関数Δ(t)(t:運行時刻。以下、「列車位置関数Δ(t)」という。)を設定し、その列車位置関数Δ(t)を用いて、列車の画像を地図タイル上で移動させるものである。
【0154】
具体例2では、出力部107が列車位置出力装置1のディスプレイに表示する地図タイルを決定すると、列車決定部105が出力指示で指定された時刻に当該地図タイルに対応する場所を走行する全ての列列車識別子を決定するとともに、走行線路決定部106が各列車識別子に対応する線路識別子を決定し、出力部107が各列車識別子に対応する列車位置関数Δ(t)を用いて、地図タイル上の列車の画像の表示位置を算出する処理を所定の時間間隔で行う。
【0155】
地図タイル上を移動する列車の画像の動きの連続性を確保するには、地図タイルに表示すべき全ての列車識別子を瞬時に決定する必要がある。このため、具体例2では、図6に示す三次元インデックスタイルを予め求めておき、列車の運行情報として運行情報格納部102に格納している。三次元インデックスタイルの内容は既に説明しているので、ここでは、その説明を省略する。
【0156】
まず、地図情報格納部101に格納されている地図情報について説明する。
【0157】
地図情報格納部101には、例えば、Google(登録商標) Mapsのオンライン地図などに用いられている表示倍率の異なる多数の地図タイルが格納されている。
【0158】
表示倍率の異なる多数の地図タイルは、「ズームレベル」によって識別されるようになっている。ズームレベル1の地図タイルは、表示倍率1の地球地図全体の地図タイルである。「ズームレベルn」(nは1以上の整数)の地図タイルは、(2×2)個の地図タイルが正方陣を構成するように配置された地図タイル群となる。
【0159】
同一ズームレベルの複数の地図レベルは、正方陣内の配置によって識別される。具体的には、正方陣の左上隅に配置される地図タイルの位置を(0,0)とし、右横方向のタイル位置にxの正方向座標を割り当て、下方向のタイル位置にyの負方向座標を割り当てて、(x,y)座標によって同一ズームレベルの複数の地図レベルは識別される。
【0160】
従って、表示倍率の異なる多数の地図タイルは、ズームレベルnをz座標に割り当て、(z,y,x)座標によって識別される。各地図タイルには、「z/x/y」と表記される識別子が付されている。この識別子は、本発明のメッシュ識別子に相当する。
【0161】
地図タイルに描かれる地図は、WGS84測地系(EPSG4326)を用いて測定された地図である。従って、地図タイル上の任意の位置は、緯度と経度で定義されている。
【0162】
地図タイルには、地図タイルに描かれた線路の形状を示す関数が設定されている。例えば、図3に示す地図タイルMTは、線路R1,R2の形状を示す関数の情報を有している。
【0163】
線路の形状を示す関数は、線路を複数の区間に分割し、各区間の形状を、例えば、3次ベジェ曲線の関数で表したものである。3次ベジェ曲線は、図12に示されるように、4つの制御点B、B、B、Bによって形が決定される、制御点Bと制御点Bを両端とする曲線である。従って、線路の各区間の3次ベジェ曲線は、各区間の両端の位置を制御点B、Bとし、各区間の曲線の形が線路の形となるような位置に制御点B、Bを配置することによって決定されている。
【0164】
本具体例では、各3次ベジェ曲線の制御点B、Bについては、それぞれ線路上の緯度・経度の座標を設定するが、制御点B、Bについては、それぞれ制御点B、Bに対して方向と距離を設定することによって地図タイル上の位置を定義している。
【0165】
すなわち、図13に示すように、制御点Bに方向角θと制御点Bからの距離Dの情報を付加して、制御点Bの位置が算出できるようにし、制御点Bに方向角θと制御点Bからの距離Dの情報を付加して、制御点Bの位置が算出できるようにしている。これにより、線路の形状を表す3次ベジェ曲線の制御点の位置の情報量を低減している。
【0166】
次に、地図タイルに表示する列車の画像について説明する。
【0167】
具体例2でも、具体例1と同様に、地図タイルの線路上を走行する列車の画像を、複数の車輌が連結された実際の列車を模した画像で表現する。このため、列車の画像は、複数の短冊状の車輌の画像GCを連結した形状を有している(図9参照)。車輌の画像GCは、実際の車輌の上面視の形状を長方形状に簡略化したもので、車輌の画像GCの長手方向の長さは、実際の車輌のサイズを縮小したサイズにしている。
【0168】
実際の車輌は、図14に示すように、車体TBの下面に2台の台車DTを水平面内で揺動可能に取り付け、各台車DTの車輪を線路上で移動させている。車輌の画像GCの線路に沿った走行状況の表示態様を、実際の車輌の走行状況に似せるために、図14に示すように、車輌の画像GCに台車位置PD,PDを設けている。台車位置PDは、前側の台車の位置であり、台車位置PDは、後側の台車の位置である。
【0169】
次に、地図タイルの線路上における列車の画像の表示位置を求める列車位置関数Δ(t)について、説明する。
【0170】
列車位置関数Δ(t)は、鉄道会社から提供される運行計画の列車の通過位置情報を用いて作成されている。通過位置情報は、例えば、列車がA駅からB駅まで走行する場合、A駅とB駅の間に離散的に設定されている複数の通過若しくは停止する位置とその時刻の組、若しくは複数の通過若しくは停止する位置とその時刻と通過速度の組の情報である。
【0171】
列車の運行計画として、列車が走行する線路上の距離d,d,d,…dの位置P,P,P,…Pに対して通過時刻t,t,t,…tの通過位置情報が設定されている場合、本具体例2では、P−Pi+1(i=0,1,2,…(n−1))の各区間における列車位置関数Δ(t)が3次のスプライン補間によって作成されている。具体的には、Δ(t)は、Δ(t)=ai0+ai1・t+ai2・t+ai3・tで表されるので、各区間(P−Pi+1)に列車位置関数Δ(t)の係数ai0,ai1,ai2,ai3の組が設定されている。
【0172】
なお、各区間(P−Pi+1)の列車位置関数Δ(t)は、境界点の一次導関数と二次導関数が連続となる条件を満たすように作成されている。
【0173】
また、実際の運行計画の列車の通過位置情報では、通常、出発駅から通過点までの距離と通過時刻の組の情報(パターンAの情報)と、出発駅から通過点までの距離と通過時刻と通過速度(速度0を含む。)の組の情報(パターンBの情報)と、が混在している。スプライン補間によってn個の列車位置関数Δ(t)(i=0,1,…(n−1))を求める場合、パターンBの情報を有する通過点で時間軸を区切り、区切られた範囲内でスプライン補間により各区間の列車位置関数Δ(t)が作成されている。
【0174】
例えば、図15(a)に示すように、列車が走行する線路上の位置P,P,P,P,Pに対して、位置P,Pには、パターンAの情報(d,t),(d,t)が設定され、位置P,P,Pには、パターンBの情報(d,t,v),(d,t,v),(d,t,v)が設定されているとする。なお、図15(a)において、P,P,Pの各点の矢印は速度v,v,vが設定されていることを示す。
【0175】
図15(a)の場合、時間軸を時刻t,t,tで区切り、図15(b)に示すように、t〜tの範囲でスプライン補間により、(t−t),(t−t)の各区画における列車位置関数Δ(t),Δ(t)が作成され、t〜tの範囲でスプライン補間により、(t−t),(t−t)の各区画における列車位置関数Δ(t),Δ(t)が作成される。そして、Δ(t),Δ(t),Δ(t),Δ(t)を連結してt〜tの範囲の列車位置関数Δ(t)が作成される。
【0176】
運行情報格納部102に運行情報として格納される三次元インデックスタイルは、地図タイル毎に、各地図タイルに対応する場所を走行する列車に対して作成されている列車位置関数Δ(t)を用いて、予め作成されている。
【0177】
列車位置関数Δ(t)を用いて、列車識別子「AAA」の列車の画像GTの線路R上の移動位置Δ(t)を求めた結果、例えば、図16に示すように、列車の画像GTの先頭位置PDが時刻h時m分s秒に地図タイルMTに進入し、同列車の画像GTの最後尾位置PDが時刻h時m分(s+δs)秒に地図タイルMTから退出する場合、地図タイルMTの三次元インデックスタイルには、時刻h時m分s秒から時刻h時m分(s+δs)秒の時間に対応する時間軸上の目盛に、列車識別子「AAA」が対応付けられた地図タイルMTが配置される。
【0178】
また、これらの地図タイルMTに対応する場所に列車識別子「AAA」以外の列車が存在している場合は、その列車の列車識別子と列車識別子「AAA」とが対応付けられた地図タイルMTが時刻h時m分s秒から時刻h時m分(s+δs)秒の時間に対応する時間軸上の目盛に配置される。
【0179】
また、ある時間帯(τ〜τ)に地図タイルMTに対応する場所を走行する列車識別子が1つもない場合は、時間帯(τ〜τ)に対応する時間軸上の目盛には地図タイルMTは配置されないことになる。
【0180】
次に、具体例2の列車位置出力装置1の列車位置の出力動作について説明する。
【0181】
受付部104が、例えば、入力デバイスにより入力された場所情報と時刻情報を有する出力指示を受け付けると、出力部107は、その出力指示に含まれる場所情報を用いて、地図情報格納部101から当該場所情報に含まれ場所に対応する地図タイルを取得する。
【0182】
例えば、場所情報に含まれる場所がS駅周辺の場合、S駅を含む地図タイルとして、例えば、図3に示す地図タイルMTが地図情報格納部101から読み出され、列車位置出力装置1のディスプレイに表示される。
【0183】
次に、列車決定部105は、出力指示に含まれる場所情報および時刻情報と、運行情報格納部102に格納された地図タイルMTの三次元インデックスタイルとを用いて、出力指示で指定された時刻情報に対応する時刻に、地図タイルMTに対応する場所を走行する列車の列車識別子を取得する。
【0184】
例えば、出力指示に含まれる場所情報がS駅のある場所の情報(○○町などの情報)で、出力指示に含まれる時刻情報が時間帯(t〜t)の情報の場合、列車決定部105は、地図タイルMTの三次元インデックスの時間帯(t〜t)に対応する時間軸の目盛に配置された地図タイルMTから当該地図タイルMTに対応付けられた列車識別子を取得する。
【0185】
例えば、時間帯(t〜t)に対応する時間軸の目盛に配置された地図タイルMTに対応付けられた列車識別子が「AAA」と「ZZZ」であれば、列車決定部105は、列車識別子「AAA」と列車識別子「ZZZ」を取得する。
【0186】
次に、走行線路決定部106は、取得した1以上の列車識別子について、列車情報格納部103から各列車識別子の列車情報を取得し、各列車識別子に対応する線路識別子を取得する。例えば、列車決定部105が列車識別子「AAA」,「ZZZ」を取得している場合、走行線路決定部106は、列車識別子「AAA」に対応する線路識別子「R」と、列車識別子「ZZZ」に対応する線路識別子「R」を取得する。
【0187】
次に、出力部107は、列車位置出力装置1のディスプレイに表示された地図タイルMT上に、取得した列車識別子の列車の画像が、指定された時間帯(t〜t)に地図タイルの線路識別子の線路上を移動する状況の画像(動画)を表示する。
【0188】
例えば、列車決定部105が列車識別子「AAA」,「ZZZ」を取得しており、列車識別子「AAA」の列車の運行情報から当該列車の先頭車輌が時刻t(t<t)に地図タイルMTに進入し、時刻t(t<t)に地図タイルMTから退出する場合、出力部107は、具体例1と同様に、図8に示すように、列車位置出力装置1のディスプレイに表示された地図タイルMT上に、列車識別子「AAA」の列車の画像GTが線路識別子Rの線路R1上を移動する画像(図8では、画像GTが線路R1上を上側に移動する動画)を表示する。
【0189】
この列車位置の出力処理では、列車情報の列車識別子「AAA」に対応する車輌数「n」から長方形状の車輌の画像をn個連結した列車の画像GTを作成する。出力部107は、列車識別子「AAA」に対応する列車位置関数Δ(t)を用いて、時刻tの地図タイルMTにおける列車位置Δ(t)を算出し、地図タイルMT上の列車位置Δ(t)に列車の画像GTを配置する。
【0190】
この場合、列車位置Δ(t)は、列車の先頭車輌の前側の台車位置PDであるので、出力部107は、先頭車輌の後側の台車位置PDと、2両目以降の各車輌の台車位置PD,PDとを台車間隔や車両連結の間隔と線路の形状とから算出し、各車輌の画像が対応する台車位置PD,PDに配置されるように(図10図14参照)、列車識別子「AAA」の列車の画像GTを配置する。
【0191】
なお、出力部107は、列車情報格納部103に格納された列車識別子「AAA」の列車情報から台車間隔や車両連結の間隔の情報を読み出して地図タイルMTの線路上の各車輌の台車位置PD,PDを算出する。
【0192】
各車輌の画像が対応する台車位置PD,PDに配置されるように、列車識別子「AAA」の列車の画像GTを配置するので、線路の形状が湾曲している場合でも長さを有する列車の画像GTは、線路の曲線に沿って配置される。
【0193】
出力部107は、時刻をtから所定の時間間隔Δtで時刻を進め、各時刻(t+k・δt)(k=1,2,…)における列車位置Δ(t+k・δt)を算出し、地図タイルMT上の列車位置Δ(t+k・δt)に列車の画像GTを配置する。これにより、地図タイルMT上に線路R1に沿って列車識別子「AAA」の列車の画像GTが移動する画像(動画)が表示される。
【0194】
また、出力部107は、列車識別子「ZZZ」の列車の運行情報から当該列車の先頭車輌が時刻t3(t<t)に地図タイルMTに進入し、時刻t4(t<t)に地図タイルMTから退出する場合、列車識別子「AAA」の列車の画像GTと同様の処理をして、同地図タイルMT上に、列車識別子「ZZZ」の列車の画像GTが線路識別子Rの線路R2上を移動する画像(図8では、画像GTが線路R2上を下側に移動する動画)を表示する。
【0195】
また、受付部104が受け付けた出力指示の場所情報がS駅の場合は、S駅の地図タイルとして、例えば、図4に示す地図タイルMTが地図情報格納部101から読み出され、列車位置出力装置1のディスプレイに表示される。この場合も、上述した地図タイルMTを用いた列車識別子「AAA」,「ZZZ」の列車の画像GT,GTが線路R1,R2上を走行する状況を示す動画の出力処理と同様の処理が行われる。
【0196】
この出力処理では、列車識別子「AAA」の列車の画像GTが減速しながらS駅のホーム識別子「Na1」の停止位置情報Mの「1」番に停止する様子が出力されるが、列車位置関数Δ(t)は、列車識別子「AAA」の列車の実際の運行計画に基づいて作成されているので、列車位置関数Δ(t)によって算出される列車の画像GTの地図タイルMT上の位置の変化量は、ホームに近づくにつれて小さくなり、これにより列車の画像GTが減速しながらホーム識別子「Nz1」の停止位置情報Mの「1」番に停止する様子が表示されることになる。
【0197】
列車識別子「ZZZ」の列車の画像GTが減速しながらS駅のホーム識別子「Nz1」の停止位置情報Mの「2」番に停止する様子が出力される場合も同様である。
【0198】
また、列車識別子「AAA」,「ZZZ」の列車の画像GT,GTがホームから出発して加速しながら地図タイルMTを退出していく場合の速度変化の様子についても同様である。
【0199】
以上、本実施の形態1によれば、ユーザは、出力指示した時刻に出力指示した駅に到着する1以上の列車を、地図上で当該駅の停止するホームが視覚的に認識できる態様で確認することができる。ユーザは、駅のホームにおける列車の運行状態や列車の停止位置に対する施設の配置関係などが地図上で視覚的に把握することができるので、乗り間違えや駅構内の混雑を緩和することができる。
【0200】
なお、上記具体例1,2では、地図情報として、地図タイル形式の地図情報を用いているが、地図タイル形式以外の地図情報でも良い。
【0201】
また、上記具体例1,2では、運行情報格納部102に予め運行情報を保持しているが、処理時に必要な運行情報を鉄道会社などから取得して運行情報格納部102に格納するようにしてもよい。
【0202】
また、上記具体例2では、地図タイル上の線路の形状を表す関数として、3次ベジェ曲線を用いているが、これに限定されるものではなく、線路の形状を表すことができる関数であれば、他の関数であってもよい。
【0203】
また、上記具体例2では、スプライン補間によって列車位置関数Δ(t)を作成しているが、これに限定させるものではなく、列車の実際の運行計画を模した移動位置を算出することができる列車位置関数であれば、他の関数であってもよい。
【0204】
また、上記実施の形態1において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0205】
また、上記実施の形態1において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよいし、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0206】
また、上記実施の形態1において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよいし、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0207】
また、上記実施の形態1における列車位置出力装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。すなわち、コンピュータがアクセス可能な記録媒体に、線路および駅のホームを含む地図情報と、1以上の列車の運行に関する情報である運行情報と、列車に関する情報であり、列車が走る線路を識別する線路識別子を有する列車情報とが格納されており、コンピュータを、一の時刻に一の場所を走行している1以上の列車を、前記運行情報を用いて決定する列車決定部と、前記列車決定部が決定した1以上の各列車が走る線路を、前記列車情報を用いて決定する走行線路決定部と、前記地図情報を用いて、前記列車決定部が決定した1以上の列車が、前記走行線路決定部が決定した線路上を当該列車が走行するような態様で、地図上に出力する出力部と、して機能させるプログラムであって、前記出力部は、前記列車情報を用いて、駅で列車が停止するホームが視覚的に認識できる態様で、前記列車決定部が決定した1以上の列車を地図上に出力する、ことを特徴とするプログラムである。
【0208】
なお、上記プログラムにおいて、ハードウェアでしか行われない処理は少なくとも含まれない。
【0209】
また、上記プログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよいし、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、上記プログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0210】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよいし、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよいし、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0211】
また、図17は、上記のプログラムを実行して、上記実施の形態1の列車位置出力装置1等を実現するコンピュータシステム900の概観図である。上記実施の形態1は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
【0212】
図17において、コンピュータシステム900は、CD−ROMドライブ(Compact Disk Read Only Memory)905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0213】
図18は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図18において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを備えていてもよい。
【0214】
コンピュータシステム900に、実施の形態1による列車位置出力装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921に記憶されて、CD−ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、CD−ROM921に代えて他の記録媒体(例えば、DVD等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
【0215】
プログラムは、コンピュータ901に、実施の形態1による列車位置出力装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0216】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0217】
以上のように、本発明にかかる列車位置出力装置は、駅のホームにおける列車の運行状態や列車の停止位置に対する施設の配置関係などを地図上で視覚的に把握することができるという効果を有し、列車位置出力装置等として有用である。
【符号の説明】
【0218】
1 列車位置出力装置
101 地図情報格納部
102 運行情報格納部
103 列車情報格納部
104 受付部
105 列車決定部
106 走行線路決定部
107 出力部
900 コンピュータシステム
901 コンピュータ
902 キーボード
903 マウス
904 モニタ
914 ハードディスク
915 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18