特許第6432915号(P6432915)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6432915
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】温度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/02 20060101AFI20181126BHJP
   G01J 5/00 20060101ALI20181126BHJP
   G01K 1/14 20060101ALI20181126BHJP
   G01K 1/02 20060101ALI20181126BHJP
   G01L 9/00 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   G01J5/02 J
   G01J5/00 101A
   G01K1/14 L
   G01K1/14 A
   G01K1/02 Z
   G01L9/00 303T
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-49670(P2017-49670)
(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公開番号】特開2018-151356(P2018-151356A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2017年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】河合 正浩
(72)【発明者】
【氏名】辻井 成樹
(72)【発明者】
【氏名】坂之上 浩
(72)【発明者】
【氏名】小林 暁
【審査官】 塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−028488(JP,A)
【文献】 特開2009−109266(JP,A)
【文献】 特開平11−351712(JP,A)
【文献】 特開2014−190867(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0200307(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 5/00−5/62
G01L 9/00
G01K 1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端を閉塞部とし、他端を開口部とする有底筒状を有し、熱源に直接的に接触して受熱される感温部が前記閉塞部側に配設されたケースと、
赤外線を受光する受光面を有し、受光した赤外線を検出して電気信号として出力する赤外線温度検出部が、前記ケース内において前記感温部と対向するとともに離間して配設された赤外線温度センサ部と、
前記赤外線温度センサ部からの出力である前記電気信号を前記赤外線温度センサ部に接続された接続配線を介して取得し、前記電気信号を信号処理して温度特性を補正することで温度情報を生成する回路部を内部に有し、前記温度情報を外部装置に出力する接続端子部と
を有し、
前記接続配線は、前記赤外線温度センサ部を絶縁的に保持するためのシール部材によって、前記ケースの前記開口部に被覆されて固定され、
前記回路部を内部に有する前記接続端子部は、前記接続配線を介して前記ケース内に絶縁配置された前記赤外線温度センサ部と接続される温度測定装置。
【請求項2】
圧力配管を介して前記熱源と接続され、前記熱源の圧力を測定し、測定した前記圧力から圧力情報を生成する圧力測定装置をさらに備え、
前記接続端子部は、前記回路部と前記圧力測定装置を内部に有した一体構造として構成され、前記温度情報と前記圧力情報を前記外部装置に出力する
請求項1に記載の温度測定装置。
【請求項3】
圧力配管を介して前記熱源と接続され、前記熱源の圧力を測定する圧力検出部をさらに備え、
前記接続端子部は、
前記回路部と前記圧力検出部を内部に有した一体構造として構成され、
前記回路部は、前記圧力検出部で測定された前記圧力から圧力情報を生成する回路と、前記温度情報を生成する回路を有し、
前記回路部で生成された前記温度情報と前記圧力情報を前記外部装置に出力する
請求項1に記載の温度測定装置。
【請求項4】
圧力配管を介して前記熱源と接続され、前記熱源の圧力を測定し、圧力信号を出力する圧力検出部をさらに備え、
前記赤外線温度センサ部と前記圧力検出部は、一体構造として構成され、
前記接続端子部は、
前記電気信号とともに前記圧力信号を前記赤外線温度センサ部に接続された前記接続配線を介して取得し、
前記回路部において、前記圧力信号を信号処理することで圧力情報を生成し、
前記回路部で生成された前記温度情報と前記圧力情報を前記外部装置に出力する
請求項1に記載の温度測定装置。
【請求項5】
前記回路部は、前記温度情報と前記圧力情報をシリアル伝送にて出力するインターフェース回路を有する
請求項3または4に記載の温度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度を計測する赤外線温度センサを用いた温度測定装置に係り、例えば、内燃機関の排気空気温度を測定するのに用いられる温度測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気ガスの浄化装置の触媒コンバータ内部、排気管内等といった排気ガス流路を流れる排気ガスの温度を、感温素子であるサーミスタ素子によって検出する、いわゆる排気温センサが知られている。
【0003】
この種の温度センサは、信号を外部に取り出すための配線部材の先端にサーミスタ素子が設けられ、この先端部分が有底筒状の金属ケースで被覆される。そして、金属ケースおよび配線部材の先端部分にて形成された空間内に、サーミスタ素子が収納される。
【0004】
さらに、金属製の外筒内にて、外筒と芯線との間に絶縁性粉末を充填することにより、芯線が外筒に絶縁保持される。また、一対のリード線における、芯線との接続部分との反対側端部には、外部と電気的に接続するためのカプラーが設けられている。
【0005】
このような温度センサにおいては、排気ガスの熱が金属ケースによって受熱され、その後、金属ケースからサーミスタ素子へと熱が伝達されることによって、温度検出が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、別の温度検出手法として、感温素子である赤外線温度検出部によって、熱源から離間された状態で温度を検出する、いわゆる赤外線温度測定装置が知られている。この種の温度測定装置は、筒状部材の先端部を感温部とし、感温部から離間して配設された感温素子である赤外線センサ素子によって、感温部からの赤外光を検出することによって、温度検出が行われる。
【0007】
このような赤外線温度測定装置において、感温部は、赤外線温度検出手段と離間して配設されており、高温の排気ガス中に直接的に設置されるのは、筒状部材となる。このため、赤外線温度検出部が高温の排気ガス中に曝されることを回避でき、赤外線温度検出部の熱劣化を抑制することができる。さらに、感温部は、薄肉で形成することができる。このため、熱応答の高速化が実現できる(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
また、さらに別の温度検出手法として、内燃機関の内部EGR制御装置において、排気管内に配設された排気温センサにより検出された排気ガスの温度ならびに排気圧センサにより検出された排気ガスの圧力に応じて、目標内部EGR量を補正するシステムが知られている。
【0009】
この内部EGR制御装置は、吸排気バルブタイミング可変機構およびリフト機構を制御し、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ量を変更することによって、内部EGR量を制御する。
【0010】
さらに、この内部EGR制御装置は、目標とする内部EGR量を、排気ガスの温度と圧力に応じて補正する。内部EGR制御装置は、このようにして温度と圧力の変化による制御上の誤差を補償することで、内部EGR量を、より適切に制御することができる(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−171308号公報
【特許文献2】特許第5828033号公報
【特許文献3】特許第4583354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
排気管に取り付けられて排気ガスの温度を計測する温度測定装置において、熱源から離間して配設された感温素子である赤外線温度検出部は、一般的に、200℃以上の耐熱性を有する材料で構成されている。このため、排気管が取り付けられる温度環境において、使用することができる。
【0013】
その一方で、赤外線温度検出部からの信号を増幅する回路部は、一般的に、半導体のジャンクション温度等の制約により、150℃以下で使用する必要がある。従って、熱源からの熱影響を低減するために、回路部周辺の構成部品による対策が必要である。
【0014】
具体的な対策としては、回路部の保持体や周辺の部材を、熱伝導が良好な、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼や黄銅等の金属材料を用いる対策が講じられている。また、別の具体的な対策としては、回路部周辺の構成部品を、できるだけ放熱面積を確保する形状とすることで、回路部の温度を下げる対策が講じられている。
【0015】
このような対策を講じるためには、高価な材料を選択する必要があり、さらに、形状が複雑で小型化も困難となる。これらのことから、部品コストが高くなることが課題である。
【0016】
また、排気温センサと排気圧センサが排気管に配設された内部EGR制御装置においては、十分なスペースを確保できない環境で、配管、ハーネスとコネクタを配設する必要がある。すなわち、排気温センサと排気圧センサを取り付けるためのスペースを確保することが困難となる。
【0017】
さらに、排気管にセンサを配置すると、排気管からの高熱が、センサの回路部に伝わることとなる。そこで、排気管からの熱影響を低減するために、センサを排気管から離して配置する等の対策が講じられている。
【0018】
具体的には、ハーネス延長が必要になり、さらには、排気ガスの圧力を排気圧センサへ導入するための導圧管設置、センサやハーネスを固定するための部品が必要になる場合がある。従って、部品コストが高くなることが課題である。
【0019】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、従来装置と比較して、安価で高精度な温度測定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る温度測定装置は、一端を閉塞部とし、他端を開口部とする有底筒状を有し、熱源に直接的に接触して受熱される感温部が閉塞部側に配設されたケースと、赤外線を受光する受光面を有し、受光した赤外線を検出して電気信号として出力する赤外線温度検出部が、ケース内において感温部と対向するとともに離間して配設された赤外線温度センサ部と、赤外線温度センサ部からの出力である電気信号を赤外線温度センサ部に接続された接続配線を介して取得し、電気信号を信号処理して温度特性を補正することで温度情報を生成する回路部を内部に有し、温度情報を外部装置に出力する接続端子部とを有し、前記接続配線は、前記赤外線温度センサ部を絶縁的に保持するためのシール部材によって、前記ケースの前記開口部に被覆されて固定され、回路部を内部に有する接続端子部は、前記接続配線を介して前記ケース内に絶縁配置された前記赤外線温度センサ部と接続されるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回路部を熱源から離して配置する構成による熱影響低減の効果により、回路部周辺の構成を安価な材料ならびに部品にでき、さらに、回路部を構成する電子部品の温度特性変化が低減される。この結果、従来装置と比較して、安価で高精度な温度測定装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態1における、排気管に取り付けられた状態の温度測定装置を示す断面図である。
図2】本発明の実施の形態1における温度測定装置の赤外線温度センサ部を示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態1における温度測定装置の接続端子部を示す断面図である。
図4】本発明の実施の形態1における温度測定装置の回路図である。
図5】本発明の実施の形態2における、排気管に取り付けられた状態の温度測定装置を示す断面図である。
図6】本発明の実施の形態2における温度測定装置の回路図である。
図7】本発明の実施の形態3における、排気管に取り付けられた状態の温度測定装置を示す断面図である。
図8】本発明の実施の形態3における温度測定装置の回路図である。
図9】本発明の実施の形態3に係る温度測定装置のSENT出力波形を示した図である。
図10】本発明の実施の形態4における、排気管に取り付けられた状態の温度測定装置を示す断面図である。
図11】本発明の実施の形態4に係る温度測定装置を排気管に取り付けた状態を示す、径方向の断面図である。
図12】本発明の実施の形態4における温度測定装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の温度測定装置の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0024】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における、排気管に取り付けられた状態の温度測定装置を示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態1における温度測定装置1aは、赤外線エネルギーを熱として吸収して、吸収した熱による温度上昇を利用して温度情報を出力するものである。温度測定装置1aは、筒状部2aと赤外線温度センサ部4aとを備えて構成されている。
【0025】
筒状部2aは、耐熱性を有する金属製であり、例えば、ステンレス鋼から作られている。そして、筒状部2aは、一端を閉塞部とし、他端を開口部とする有底円筒状に形成されている。このような形状を有する筒状部2aは、板材をプレス加工する、線材を冷間鍛造加工すること等によって形成される。
【0026】
筒状部2aの一部、すなわち、閉塞部側には、感温部3が形成されている。この感温部3は、熱源に直接的に接触して受熱される。
【0027】
なお、筒状部2aにおける感温部3としての薄肉部は、円筒部と一体に形成されているが、円筒部と別体で形成してもよい。別体で形成する場合には、薄肉に形成されて分離された部材を、円筒部の一端に溶接、ロウ付け、接着剤等によって接合する。さらに、分離された部材の材料として、円筒部よりも熱伝導のよい材料を選択することで、感温部の熱応答性をよくすることも可能である。
【0028】
また、筒状部2aの形成材料の一例であるステンレス鋼としては、耐熱性に優れるSUS310S、SUS304、SUS316等のオーステナイト系のステンレス鋼を用いることができる。あるいは、オーステナイト系のステンレス鋼の代わりに、熱伝導率の低いジルコニア系セラミック材料等の耐熱性の高い材料を用いてもい。また、強度的に問題なければ、熱応答性をよくするために、筒状部2aをできるだけ薄肉に形成するほうがよい。
【0029】
次に、ニップル5aは、熱伝導が良好な金属材料、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼、黄銅等の材料が用いられており、略円筒状部に形成されている。さらに、ニップル5aは、外周面に雄ネジ部6を有し、端部に六角ナット部7を有しており、筒状部2aの外周に回転自在に嵌挿されている。
【0030】
排気管50aには、温度測定装置1aを取り付けるための穴部が形成されている。そして、この穴部の一部に形成された雌ネジ部に雄ネジ部6を組み付けることで、温度測定装置1aは、排気管50aに固定されている。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態1における温度測定装置の赤外線温度センサ部を示す断面図である。図2に示すように、赤外線温度センサ部4aは、赤外線を検知するセンシング素子としてのサーモパイル素子13と、温度補償用のセンシング素子としての感熱抵抗素子14と、これらセンシング素子13、14を固定し、外部との接続を行うための基材40と、サーモパイル素子13の導光路にレンズを組み付けたキャップ41により構成されている。
【0032】
センシング素子13、14が収納されるように構成された赤外線温度センサ部4aは、感温部3と対向するとともに離間して、筒状部2aの開口部側に配設されて、筒状部2aに固着されている。
【0033】
サーモパイル素子13は、基材40上に実装された基板上に形成された熱電対から構成されている。そして、サーモパイル素子13は、赤外線を受光することによって生じる起電力を、出力電圧として出力する。
【0034】
また、感熱抵抗素子14は、基材40上に実装されている。この感熱抵抗素子14は、温度の変化によって抵抗値が変化するものであり、その抵抗値により、サーモパイル素子13の周囲温度を検出する。
【0035】
キャップ41は、金属製の略円筒状をなす形状であり、サーモパイル素子13の導光路に円形状に開口した開口部を有している。そして、キャップ41の開口部には、レンズ42が組み付けられている。
【0036】
基材40の下面には、サーモパイル素子13と感熱抵抗素子14が配設されている。この基材40には、4本のリード端子43が上下に貫通して取り付けられている。そして、これらのリード端子43と、サーモパイル素子13および感熱抵抗素子14の電極とが、ボンディングワイヤ44aによって接続されている。リード端子43によって、サーモパイル素子13および感熱抵抗素子14への駆動電源の供給、および検出信号の送出がなされている。
【0037】
なお、赤外線を検知するセンシング素子としては、サーモパイル素子13以外にも、ボロメータ、赤外線ダイオード等の赤外線で温度を検知して信号を出力するセンシング素子を用いることができる。
【0038】
また、温度補償用のセンシング素子としては、感熱抵抗素子14の場合には、白金、パーマロイ、サーミスタ等の温度に対して抵抗値が変化する材料が良く知られている。ただし、感熱抵抗素子14以外の熱電対、ダイオード等を温度補償用のセンシング素子として用いてもよい。
【0039】
次に、接続配線部8aは、4本のリード線45を有して構成され、金属パイプや保護チューブによって被覆されて保護されている。さらに、4本のリード線45のそれぞれの端部は、加締め端子46aの一端が加締めて固定されている。そして、加締め端子46aの他端は、溶接等の接合手段を用いて、基材の上面に配設された4本のリード端子43と接続されている。
【0040】
また、赤外線温度センサ部4aを絶縁的に保持するためのシール部材9aが、筒状部2の開口部側から取り付けられ、接続配線部8aの被覆とともに筒状部2に固定されている。
【0041】
また、接続配線部8aは、一端が、赤外線温度センサ部4aと接続されるとともに、他端が、接続端子部10aに接続されている。
【0042】
図3は、本発明の実施の形態1における温度測定装置の接続端子部10aを示す断面図である。図3に示すように、接続端子部10aは、回路部11aが配設されている。そして、回路部11aは、ボンディングワイヤ44b等により、一端がコネクタ端子12に接続され、他端が回路端子47の一端に接続されている。
【0043】
さらに、4本のリード線45のそれぞれの端部は、加締め端子46bの一端が加締めて固定されている。そして、加締め端子46bの他端は、溶接等の接合手段を用いて、回路端子47と接続されている。
【0044】
また、接続端子部10a内の回路部11aを絶縁的に保持するためのシール部材9bが、接続端子部10aの端部に取り付けられ、接続配線部8aの被覆とともに接続端子部10aに固定されている。
【0045】
また、図示しない外部回路(例えば、ECU)から延びるハーネス等に取り付けられた端子は、接続端子部10aのコネクタ端子12を介して、回路部11aと接続される。これにより、赤外線温度センサ部4aの出力は、リード線45、回路部11a、コネクタ端子12を介して、外部回路(例えばECU)に送られる。
【0046】
図4は、本発明の実施の形態1における温度測定装置の回路図である。図4に示す本実施の形態1における温度測定装置の回路図を参照し、回路部11aの動作について、詳細に説明する。
【0047】
赤外線温度センサ部4a内のサーモパイル素子13からの電圧出力の信号が、増幅回路20aにより増幅される。また、赤外線温度センサ部4a内の感熱抵抗素子14には、定電流回路21から電流が供給される。この結果、抵抗を電圧に変換した値に相当する感熱抵抗素子14の両端の電圧出力の信号が、増幅回路20bで増幅される。
【0048】
増幅されたサーモパイル素子13と感熱抵抗素子14のそれぞれの電圧出力は、多重変換回路22a(例えば、マルチプレクサ)に入力される。そして、多重変換回路22aは、あらかじめ決められた周期で、入力した信号を切り替えて、アナログ−デジタル変換回路23aに対して出力する。
【0049】
アナログ−デジタル変換回路23aは、多重変換回路22aから受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号処理回路24aに対して出力する。この結果、デジタル信号処理回路24aは、サーモパイル素子13により検出された感温部3の温度情報信号、および感熱抵抗素子14により検出された赤外線温度センサ部4aの温度情報信号を、デジタル信号として取得する。
【0050】
そして、デジタル信号処理回路24aは、赤外線温度センサ部4aの温度情報信号に基づいて、感温部3の温度情報信号の温度特性を補正する処理、信号の非線形性を線形に補正する処理、および出力を所望の特性に調整する処理、のそれぞれを実行する。
【0051】
デジタル信号処理回路24aによって補正された補正値と出力調整された調整値は、記憶回路25内に一旦記憶される。一旦記憶された補正値および調整値は、外部から調整用端子33を介して記憶回路25と通信することで、所望の値に設定変更された後、記憶回路25に記憶される。記憶回路25としては、EEPROM、フラッシュメモリ等が一般的に使用されているが、PROMやEPROMを使用してもよい。
【0052】
また、記憶回路25との通信方式としては、I2C(Inter−Integrated Circuit)が一般的に使用されているが、SPI(Serial Peripheral Interface)、Microwire等を用いてもよい。
【0053】
デジタル−アナログ変換回路26aは、デジタル信号処理回路24aで信号処理されたデジタル信号を、アナログ信号に変換する。アナログ信号に変換された信号は、出力インターフェース回路27a(例えば、ボルテージフォロワ回路)に送られ、最終的な温度情報として電圧出力される。ここでは、出力形態について、アナログ電圧出力を採用する場合を説明したが、周波数出力やデジタル出力を採用することもできる。
【0054】
なお、詳細な説明は省略するが、図4の回路部11a内には、定電圧を供給するための定電圧回路29と、基準電圧を供給するための基準電圧回路30とが示されている。
【0055】
以上のように、実施の形態1によれば、温度測定装置に含まれる回路部を、排気ガスにより高温となる排気管から離れた接続端子部内に構成することができる。このため、回路部は、高温に曝されることがなくなる。この結果、熱影響の低減により、回路部周辺に、安価な材料からなる構成部品を採用することができる。さらに、回路部の温度特性の影響を低減することができることから、安価で高精度な温度測定装置を提供することができる。
【0056】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2における、排気管に取り付けられた状態の温度測定装置を示す断面図である。本実施の形態2における温度測定装置は、圧力測定装置と一体に構成されている点が先の実施の形態1と異なっている。そこで、この相違点を中心に、以下に説明する。
【0057】
図5に示すように、本実施の形態2における温度測定装置1bは、接続端子部10b以外の構成は、先の実施の形態1と同じである。接続端子部10bは、圧力測定装置15と一体となり、圧力測定装置15から受信した信号をコネクタ端子12から出力するように構成されている。
【0058】
本実施の形態2における排気管50bは、圧力取出口51が形成されている。一方、圧力測定装置15が収納された接続端子部10bは、圧力導入口16aが設けられている。そして、圧力測定装置15は、圧力取出口51と圧力導入口16aとを接続するチューブ17を介して、排気管50bの圧力を取得する。
【0059】
図6は、本発明の実施の形態2における温度測定装置の回路図である。図6に示す本実施の形態2における温度測定装置の回路図を参照し、回路部11aおよび圧力測定装置15の動作について、詳細に説明する。
【0060】
圧力測定装置15内の圧力検出部18aは、例えば、シリコン基板に形成されたダイヤフラム上の歪ゲージとして構成される。そして、この歪ゲージは、圧力変動によるダイヤフラムの歪を圧力情報として検出し、圧力情報を電圧値として出力する。なお、本実施の形態2では、歪ゲージにより圧力検出を行う方法について説明しているが、圧力検出方法は、歪ゲージに限定されるものではない。
【0061】
圧力検出部18aの電圧出力は、増幅回路20cで増幅される。増幅された電圧出力は、アナログ−デジタル変換回路23bに送られる。さらに、アナログ−デジタル変換回路23bによりアナログ信号からデジタル信号に変換された圧力情報信号は、デジタル信号処理回路24aに送られる。デジタル信号処理回路24bは、温度特性を補正する処理、信号の非線形性を線形に補正する処理、および出力を所望の特性に調整する処理、を行う。
【0062】
デジタル−アナログ変換回路26bは、デジタル信号処理回路24bで信号処理されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。アナログ信号に変換された信号は、出力インターフェース回路27b(例えば、ボルテージフォロワ回路)に送られ、最終的な温度情報として電圧出力される。ここでは、出力形態について、アナログ電圧出力を採用する場合を説明したが、周波数出力やデジタル出力を採用することもできる。
【0063】
このように、本実施の形態2における温度測定装置1bは、圧力測定装置15が接続端子部10bと一体に構成されている。このような構成を備えることで、圧力測定に関連するコネクタとハーネスを削減することができ、圧力測定装置15と一体化された安価な温度測定装置1bを実現することができる。
【0064】
以上のように、実施の形態2によれば、圧力測定装置を温度測定装置の接続端子部内に配置し、圧力測定装置の回路部を温度測定装置の回路部に統合する構成を備えている。この結果、回路部品点数、コネクタ、ハーネスが削減され、圧力測定装置と一体化された安価な温度測定装置を提供することができる。
【0065】
実施の形態3.
先の実施の形態2では、圧力測定装置と接続端子部10bとを一体化する構成について説明した。これに対して、本実施の形態3では、圧力測定装置に含まれていた圧力検出部を取り出し、圧力信号の処理回路に関しては、回路部に組み込む構成について説明する。
【0066】
図7は、本発明の実施の形態3における、排気管に取り付けられた状態の温度測定装置を示す断面図である。本実施の形態3における温度測定装置は、圧力測定装置と一体に構成される代わりに、圧力検出部と一体に構成されている点が、先の実施の形態2と異なっている。そこで、この相違点を中心に、以下に説明する。
【0067】
図7に示すように、本実施の形態3における温度測定装置1cは、接続端子部10c以外の構成は、先の実施の形態1、2と同じである。接続端子部10cは、圧力検出部18bと一体となって構成されている。また、圧力検出部18bからの信号は、回路部11bを介してコネクタ端子12から出力されるように構成されている。
【0068】
本実施の形態3における排気管50bは、先の実施の形態2と同様であり、圧力取出口51が形成されている。一方、圧力検出部18bが収納された接続端子部10cは、先の実施の形態2と同様に、圧力導入口16aが設けられている。そして、圧力検出部18bは、圧力取出口51と圧力導入口16aとを接続するチューブ17を介して、排気管50bの圧力を取得する。
【0069】
図8は、本発明の実施の形態3における温度測定装置の回路図である。図8に示す本実施の形態3における温度測定装置の回路図を参照し、回路部11bおよび圧力検出部18bの動作について、詳細に説明する。
【0070】
圧力検出部18bは、例えば、シリコン基板に形成されたダイヤフラム上の歪ゲージとして構成される。そして、この歪ゲージは、圧力変動によるダイヤフラムの歪を圧力情報として検出し、圧力情報を電圧値として出力する。なお、本実施の形態3では、歪ゲージにより圧力検出を行う方法を説明しているが、圧力検出方法は、歪ゲージに限定されるものではない。
【0071】
本実施の形態3における回路部11bは、先の実施の形態1、2で説明した回路部11aに対して、増幅回路20dをさらに備えているとともに、デジタル−アナログ変換回路26a、出力インターフェース回路27aの代わりに、SENTインターフェース回路34を備えている。
【0072】
赤外線温度センサ部4a内のサーモパイル素子13からの電圧出力の信号が、増幅回路20aにより増幅される。また、赤外線温度センサ部4a内の感熱抵抗素子14には、定電流回路21から電流が供給される。この結果、抵抗を電圧に変換した値に相当する感熱抵抗素子14の両端の電圧出力の信号が、増幅回路20bで増幅される。さらに、圧力検出部18bからの電圧出力の信号は、増幅回路20dで増幅される。
【0073】
増幅されたサーモパイル素子13、感熱抵抗素子14、および圧力検出部18bのそれぞれの電圧出力は、多重変換回路22b(例えば、マルチプレクサ)に入力される。そして、多重変換回路22bは、あらかじめ決められた周期で、入力した信号を切り替えて、アナログ−デジタル変換回路23cに対して出力する。
【0074】
アナログ−デジタル変換回路23cは、多重変換回路22bから受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号処理回路24cに対して出力する。この結果、デジタル信号処理回路24cは、サーモパイル素子13により検出された感温部3の温度情報信号、感熱抵抗素子14により検出された赤外線温度センサ部4aの温度情報信号、および圧力検出部18bにより検出された圧力情報信号を、デジタル信号として取得する。
【0075】
そして、デジタル信号処理回路24cは、赤外線温度センサ部4aの温度情報信号に基づいて、感温部3の温度情報信号の温度特性を補正する処理、信号の非線形性を線形に補正する処理、出力を所望の特性に調整する処理、圧力検出部18bの圧力情報信号の温度特性を補正する処理、信号の非線形性を線形に補正する処理、および出力を所望の特性に調整する処理、のそれぞれを実行する。
【0076】
デジタル信号処理回路24cによって補正された補正値と出力調整された調整値は、記憶回路25内に一旦記憶される。一旦記憶された補正値および調整値は、外部から調整用端子33を介して記憶回路25と通信することで、所望の値に設定変更された後、記憶回路25に記憶される。記憶回路25としては、EEPROM、フラッシュメモリ等が一般的に使用されているが、PROMやEPROMを使用してもよい。
【0077】
また、記憶回路25との通信方式としては、I2C(Inter−Integrated Circuit)が一般的に使用されているが、SPI(Serial Peripheral Interface)、Microwire等を用いてもよい。
【0078】
SENTインターフェース回路34は、デジタル信号処理回路24cで信号処理されたデジタル信号に対して、温度測定装置の温度信号と圧力測定装置の圧力信号を重畳する。さらに、SENTインターフェース回路34は、重畳後の信号を、米国自動車技術会規格SAE−J2716に準拠したSENT方式によるパルス信号を形成するようにして、伝送する。なお、「SENT」とは、Single Edge Nibble Transmission(シングルエッジニッブル伝送)のことである。
【0079】
図9は、本発明の実施の形態3に係る温度測定装置のSENT出力波形を示した図である。SENTインターフェース回路34から出力される信号は、図9に示すような0Vと5Vとを繰り返すパルス信号である。また、この信号は、先頭から順に、同期データを表す同期パルス、ステータスデータを表すステータスパルス、圧力情報データを表す3つの通信データパルス、温度情報データを表す3つの通信データパルス、誤り検出データを表す誤り検出パルス、および1周期を所定時間とするためのポーズパルスから構成されている。
【0080】
図9において、時間軸の単位は、[tick]である。本実施の形態1では、例えば、
1[tick]=3[μs]
に設定されている。
【0081】
図9に示すように、パルス信号は、電圧が立ち下がるときに所定の閾値を通過する時点から、電圧が立ち上がった後に再び立ち下がるときに閾値を通過する時点までが一区切りである。さらに、図9に示すパルス信号は、対応するデータのビット列が示す数値が1大きくなる毎に、パルス周期が所定時間長くなるように設定されている。
【0082】
なお、上述した本実施の形態3では、センサ装置とECUの間の通信方式として、車載LANの通信方式で一般に普及しているSENTについて説明した。しかしながら、本発明は、この通信方式に限定されるものではない。LIN(Local Interconnect Network)、I2C(Inter−Integrated Circuit)、CAN(Controller Area Network)、PSI5(Peripheral Sensor Interface 5)等の通信方式を用いてシリアル伝送してもよい。
【0083】
このように、本実施の形態3における温度測定装置1cは、圧力検出部18bが接続端子部10cと一体に構成されており、圧力測定に関する回路部を回路部11b内に統合することができる。このような構成を備えることで、圧力測定に関連する回路部品点数、コネクタとハーネスを削減することができ、圧力検出部と一体化された安価な温度測定装置1cを実現することができる。
【0084】
さらに、出力形態をシリアル出力とすることでも、コネクタ端子とハーネスをさらに削減することができる。この結果、安価で通信の信頼性が高く、高精度な、温度測定装置1cを提供することができる。
【0085】
以上のように、実施の形態3によれば、圧力検出部を温度測定装置の接続端子部内に配設し、回路部によって直接、排気圧を測定する構成を備えている。この結果、圧力変動に対する応答性が改善され、高精度な圧力測定と一体化された温度測定装置を提供することができる。
【0086】
実施の形態4.
先の実施の形態1では、圧力検出部を回路部と一体構成する場合について説明した。これに対して、本実施の形態4では、圧力検出部を赤外線温度センサ部の近傍に設ける場合について説明する。
【0087】
図10は、本発明の実施の形態4における、排気管に取り付けられた状態の温度測定装置を示す断面図である。本実施の形態4における温度測定装置は、赤外線温度センサ部4bに隣接して圧力検出部を配設することで、圧力検出部と一体に構成されている点が、先の実施の形態3と異なっている。そこで、この相違点を中心に、以下に説明する。
【0088】
図10に示すように、本実施の形態4における温度測定装置1dは、圧力検出部18bを赤外線温度センサ部4bに配設するとともに、筒状部2bに圧力導入口16bおよび空洞部19を設けている構成以外は、先の実施の形態1と同じである。なお、圧力検出部18bからの信号は、接続配線部8b、回路部11bを介して、コネクタ端子12から出力されるように構成されている。
【0089】
図11は、本発明の実施の形態4に係る温度測定装置を排気管に取り付けた状態を示す、径方向の断面図である。図11に示すように、圧力導入口16bは、筒状部2bに直径1mm程度の通路を形成することで設けられている。圧力導入口16bは、図10に示したように、排気管50cの穴部内で排気管50cに開口している。そして、圧力検出部18bは、圧力導入口16bを通過する排気圧を検出している。
【0090】
また、筒状部2bは、図11に示すように、赤外線温度センサ部4bの外周側に空洞部19が設けられている。このような空洞部19を設けることにより、筒状部2bを介して、排気管50cから赤外線温度センサ部4bならびに圧力検出部18bへ伝わる熱影響を低減することができる。
【0091】
図12は、本発明の実施の形態4における温度測定装置の回路図である。図12に示す本実施の形態4における温度測定装置の回路図を参照し、赤外線温度センサ部4bに配設された圧力検出部18に関連する動作を中心に、詳細に説明する。なお、図12における回路部11bは、先の実施の形態3で説明した図8の回路部11bと同一である。
【0092】
赤外線温度センサ部4b内のサーモパイル素子13からの電圧出力の信号は、増幅回路20aにより増幅される。また、赤外線温度センサ部4a内の感熱抵抗素子14には、定電流回路21から電流が供給される。この結果、抵抗を電圧に変換した値に相当する感熱抵抗素子14の両端の電圧出力の信号が、増幅回路20bで増幅される。さらに、赤外線温度センサ部4a内に設けられた圧力検出部18bからの電圧出力の信号は、増幅回路20dで増幅される。
【0093】
増幅されたサーモパイル素子13、感熱抵抗素子14、および圧力検出部18bのそれぞれの電圧出力は、多重変換回路22b(例えばマルチプレクサ)に入力される。そして、多重変換回路22bは、あらかじめ決められた周期で、入力した信号を切り替えて、アナログ−デジタル変換回路23cに対して出力する。
【0094】
アナログ−デジタル変換回路23cは、多重変換回路22bから受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号処理回路24cに対して出力する。この結果、デジタル信号処理回路24cは、サーモパイル素子13により検出された感温部3の温度情報信号、感熱抵抗素子14により検出された赤外線温度センサ部4bの温度情報信号、および圧力検出部18bにより検出された圧力情報信号を、デジタル信号として取得する。
【0095】
そして、デジタル信号処理回路24cは、赤外線温度センサ部4bの温度情報信号に基づいて、感温部3の温度情報信号の温度特性を補正する処理、信号の非線形性を線形に補正する処理、出力を所望の特性に調整する処理、赤外線温度センサ部4bの温度情報信号に基づいて圧力検出部18bの圧力情報信号の温度特性を補正する処理、信号の非線形性を線形に補正する処理、および出力を所望の特性に調整する処理、のそれぞれを実行する。
【0096】
デジタル信号処理回路24cによって補正された補正値と出力調整された調整値は、記憶回路25内に一旦記憶される。一旦記憶された補正値および調整値は、外部から調整用端子33を介して記憶回路25と通信することで、所望の値に設定変更された後、記憶回路25に記憶される。
【0097】
SENTインターフェース回路34は、デジタル信号処理回路24cで信号処理されたデジタル信号に対して、温度測定装置の温度信号と圧力測定装置の圧力信号を重畳する。さらに、SENTインターフェース回路34は、重畳後の信号を、SENT方式によるパルス信号を形成するようにして、伝送する。
【0098】
このように、本実施の形態4における温度測定装置1dは、圧力検出部18bを赤外線温度センサ部4bに組み込まれるように構成されている。具体的には、筒状部2bに設けられた圧力導入口16bを介して、圧力検出部18bに圧力が導入される構成となっている。
【0099】
このような構成を備えることで、チューブを介することなく、直接、排気管50bからの排気圧を測定することができる。この結果、圧力変動に対する応答性を改善することができ、高精度な圧力測定と一体化された温度測定装置1dを提供することができる。
【0100】
以上のように、実施の形態4によれば、圧力検出部を赤外線温度センサ部内に配設し、直接、排気管からの排気圧を測定する構成を備えている。この結果、圧力変動に対する応答性が改善され、高精度な圧力測定と一体化された温度測定装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0101】
1a、1b、1c、1d 温度測定装置、2a、2b 筒状部(ケース)、3 感温部、4a、4b 赤外線温度センサ部、8a、8b 接続配線部、10a、10b、10c、10d 接続端子部、11a、11b 回路部、15 圧力測定装置、チューブ(圧力配管)、18a、18b 圧力検出部、50a、50b、50c 排気管(熱源)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12