(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、この実施形態で用いる装置の各構成要素の相対配置、装置形状等は、あくまで例示であり、これに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置の外観を示す概略図である。本実施形態では、読取機能(スキャナ)を有するMulti Function Printer(MFP)を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0013】
図1において、印刷装置100は、原稿台101と、原稿蓋102、複数の給紙カセット(給紙カセット1、給紙カセット2)、排紙トレイ105と、を有する。
【0014】
原稿台101はガラス状の透明な台であり、原稿を載せてスキャナで読み取る時に使用する。原稿蓋102は、スキャナで読取を行う際に読取光が外部に漏れないようにするための蓋であり、原稿台101を覆うことができるように構成されている。各給紙カセット(給紙カセット103、給紙カセット104)は、様々なサイズの用紙をセットすることができる。給紙カセット103〜104にセットされた用紙は、一枚ずつ印刷部に搬送され、印刷を行って排紙トレイ105から排出される。なお、
図1では給紙カセットを2つ搭載した装置を例に示しているが、給紙カセット1つ以上であればよく、1つであっても3つ以上であってもよい。また、印刷方式は、後述する画像印刷用液体インクを用いたインクジェット方式による画像の印刷には限らない。記録剤として固形インクを用いてもよいし、トナーを用いた電子写真方式や昇華方式など種々のものを採用可能である。また、複数色の記録剤を用いたカラー記録を行うものには限らず、黒色(グレーを含む)のみによるモノクロ記録を行うものとしてもよい。また、印刷は、可視画像の印刷には限らず、不可視もしくは視認が困難な画像の印刷としてもよいし、一般的な画像以外の、例えば配線パターン、部品の製造における物理的パターン、DNAの塩基配列等のプリントなど種々のものの印刷としてもよい。つまり、記録剤を記録材に付与可能なものであれば種々のタイプの印刷装置に適用可能である。
【0015】
また、本実施形態では、被記録媒体として用紙を例に挙げて説明するが、被記録媒体の材質は紙には限らず、印刷処理可能なものであれば種々のものを用いることができる。
【0016】
図2は、本実施形態に係る印刷装置100における印刷機構部分の内部構成を示す概略図である。印刷装置100は、給紙カセット201、給紙カセット202、排紙トレイ203を有し、それぞれ、
図1の給紙カセット103、給紙カセット104、排紙トレイ105に対応する。また、印刷装置100は、印刷ユニットとして、印刷ヘッド212、キャリッジ213、及びガイドレール214を有する。
【0017】
給紙カセット201に積載された記録用紙S1は、不図示の搬送モータにより駆動される給紙ローラ204によりピックアップされ、搬送ローラ205、搬送ローラ206の間に送られ、搬送ローラ205及び206により搬送される。搬送ローラ205、搬送ローラ206により搬送された記録用紙S2は、用紙搬送ガイド207、用紙搬送ガイド208を含む搬送路によりUターン搬送され、搬送ローラ209及び搬送ローラ210へ送られる。図示しないが、給紙カセット202に積層された記録用紙をピックアップできるように給紙ローラが設けられ、ピックアップされた記録用紙を搬送できるように搬送ローラが設けられている。これにより、給紙カセット202に積層された記録用紙は、ピックアップされ、搬送路に搬送される。
【0018】
さらに記録用紙S2は、プラテン211上を搬送される。記録用紙S2を挟んでプラテン211と対向する位置には印刷ヘッド212を搭載したキャリッジ213が設けられている。キャリッジ213は、ガイドレール214に沿って不図示のキャリッジモータにより往復駆動される。印刷ヘッド212に駆動パルスを印加することにより記録用紙S2上に記録画像が形成される。画像形成された記録用紙S2は、さらに、搬送ローラ209、搬送ローラ210よりもプラテン211を挟んで搬送方向の下流側に設けられている排紙ローラ215、排紙ローラ216により搬送され、排紙トレイ203に排出される。排紙トレイ203には、画像が形成された記録用紙S2、すなわち、印刷済みの記録用紙S2が積層される。
【0019】
キャリッジ213には、用紙センサ218が設けられており、プラテン211上に記録用紙S2が存在するか否かを検出することができる。用紙センサ218は、例えば、反射型の光学センサからなり、用紙センサ218の出力レベルを取得することにより、上述した検出を行うことができる。本実施形態では、用紙センサ218がキャリッジ213に設けられているため、キャリッジ213を移動しながら用紙センサ218の出力レベルを取得することにより、プラテン211上に搬送されている記録用紙S2の用紙の端部位置を検出することができる。
【0020】
また、各給紙カセット201及び給紙カセット202には、それぞれカセットセンサ219および220が設けられており、給紙カセットが挿入もしくは抜去されたことを検知することができる。
【0021】
図3は、本実施形態に係る印刷装置100の制御系の構成を示すブロック図である。印刷装置100は、CPU301、プログラムメモリ303、データメモリ304、を有する。また、印刷装置100は、インタフェース制御回路307、モータ制御回路309、ヘッド制御回路313、センサ制御回路314、パネル制御回路317、メモリカード制御回路321、スキャナ制御回路324を有する。これらは内部バス302を介して接続される。
【0022】
CPU301は、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)形態の中央演算処理部であり、プログラムの実行やハードウェアの起動により印刷装置100全体の動作を制御する。プログラムメモリ303は、ROMであり、CPU301が実行するためのプログラムや印刷装置100の各種動作に必要な固定データを格納する。データメモリ304は、RAMからなり、CPU301のワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。データメモリ304は、CPU301が制御プログラム実行に際して利用するワークメモリ305、記録用紙204上に形成される画像データを格納する画像メモリ306などの用途に利用される。
【0023】
CPU301は、インタフェース制御回路307を制御し、外部インタフェースを経由して接続されているホストコンピュータ308から印刷するジョブデータを受け取ったり、印刷装置のステータスをホストコンピュータ308へ通知したりすることができる。
【0024】
CPU301は、モータ制御回路309を介して、印刷装置100の機構を駆動する各種モータを制御することができる。搬送モータ310は、給紙ローラ203、搬送ローラ205、206、209、210、排紙ローラ215、216を駆動し、記録用紙を給紙トレイ201から排紙トレイ203に至るまでの搬送を行う。キャリッジモータ311(
図3ではCRモータと記載)は、キャリッジ213の往復駆動を行う。回復モータ312は、ヘッド回復機構の駆動を行い、キャリッジ213の駆動と同期して制御することで印刷ヘッド212の状態を適切に保つための回復動作を実行する。CPU301は、ヘッド制御回路313を介して印刷ヘッド212を制御することができる。キャリッジ213の往復動作と同期して印刷ヘッド212を制御することで記録用紙上に画像形成を行う。
【0025】
CPU301は、センサ制御回路314を介して用紙センサ218のセンサ光源315を制御したり、用紙センサ218の光学センサ316の出力電圧を取得したりすることができる。また、CPU301は、センサ制御回路314を介して各種カセットセンサを制御することができる。給紙カセット1用のカセットセンサ219及び給紙カセット2用のカセットセンサ220は、例えば、フォトインタラプタとメカスイッチで構成されている。各カセットセンサは、印刷装置100に対してユーザーが給紙カセットを挿入、もしくは抜去したことを検知し、センサ制御回路314を介してCPU301がその検知を取得することができる。
【0026】
CPU301は、パネル制御回路317を介して印刷装置100の外面に設けられた操作パネル318を制御する。操作パネル318は、例えば、ハードキー群319と、表示装置320とを有する。パネル制御回路317は、操作パネル318上に配置された表示装置320に所望の情報を表示したり、同じく操作パネル318上のハードキー群319へのユーザーからの操作を監視したりすることができる。
【0027】
CPU301は、スキャナ制御回路324を介して
図1では不図示のスキャナ325を制御することができ、スキャナ325の原稿台に乗せられた原稿画像を読み取ることができる。
【0028】
CPU301は、メモリカード制御回路321を介して印刷装置100の外面に設けられたメモリカードスロット322に装着されたメモリカード323内の各種ファイルを読み書きすることができる。スキャナ325で読み取った画像は、データメモリ304中の画像メモリ306に格納された後、ホストコンピュータ308に送信したり、メモリカード323に画像ファイルとして保存したりすることができる。また、スキャナ325で読み取った画像をそのまま印刷機構を制御して印刷することで、コピー機能として利用することも可能である。
【0029】
ここで、印刷装置100に給紙カセットが挿入されたことを検知し、対応する用紙情報の設定画面を表示する際の制御について説明する。なお、設定画面により設定された用紙情報に基づいて、印刷装置の各種動作、例えば、印刷制御、搬送制御等が実行される。
【0030】
印刷装置100のCPU301は、プログラムメモリ303内のリアルタイムOSの周期ハンドラーを用いて、所定の周期で給紙カセット検知処理を実行する。給紙カセット検知処理を実行する周期は、あらかじめ決められており、給紙カセット挿抜による制御を行うのに十分な時間が設定される。本実施形態では、300ms周期としたが、周期はこれに限定されるものではない。カセットセンサ219又は220によって給紙カセットの挿入が検出された場合、操作パネル318を制御するCPUのパネルタスクにその検出を通知する。給紙カセットが複数ある装置の場合、この処理は給紙カセット毎に行われ、異なる給紙カセットの挿入は、区別して検知される。
【0031】
図4を用いて、給紙カセット検知処理について説明する。
図4は、CPU301がプログラムメモリ303に格納されたプログラムをデータメモリ304にロードして実行する処理の流れである。なお、
図4に示す給紙カセット検知処理は1周期毎に行われる。給紙カセット検知処理を開始すると、S401では、カセット1の挿入動作を検知したか判定する。カセット1の挿入を検知したと判定したら、カセット挿入をCPU301に通知し(S402)、S403へ進む。カセット1の挿入動作を検知しない場合、そのままS403へ進む。S403では、カセット2の挿入を検知したか判定する。カセット2の挿入動作を検知したと判定したら、カセット挿入をパネルタスクに通知し(S404)、処理を終了する。カセット1の挿入動作を検知しない場合、処理を終了する。このように、カセット1又はカセット2の挿入が検知されると、パネルタスクに通知され、通知されない場合はそのまま処理を終了する。
【0032】
カセットセンサにより給紙カセット挿入の検知がパネルタスクに通知されると、印刷装置100の表示装置320には、
図5に示すような用紙情報の設定画面が表示され、ユーザーの入力を受け付ける。ユーザーはこの設定画面を操作することで、挿入した給紙カセットに積載されている用紙の情報を入力する。
【0033】
図5は、カセットセンサ1が、給紙カセットの挿入を検知した場合に、表示装置320に表示される設定画面である。設定画面501には、カセット1に設定する用紙情報の設定を促すメッセージが表示される。本実施形態では、
図5(a)に示すように、「カセット1の用紙情報を登録してください。」と表示される。
【0034】
ここで、表示装置320の表示制御は、CPU301がパネル制御回路317を介して行う。本実施形態では、操作パネル318は、タッチパネルからなるものとするが、これに限定されず、タッチパネルセンサを備えていない通常のLCD等のディスプレイであってもよい。タッチパネルは、タッチパネルセンサを有し、指や導電性の媒体などの接触や近づくことにより生ずる静電容量の変化を静電容量の変化を検出することにより、タッチ操作の有無及びタッチされた位置を検出する。タッチパネルセンサは、CPU301の制御により、ユーザーが液晶ディスプレイの表面を触る「タッチ操作」、タッチした指を動かさずに離す「タップ操作」、タッチした指を移動させる「ドラッグ操作」を検出する。
【0035】
サイズの横の領域をタッチすると、
図5(b)に示すように、サブウィンドウ502が設定画面501を覆うように表示される。サブウィンドウ502で、所定のサイズをユーザーがタッチすることにより、サイズが選択される。また、種類の横の領域をタッチすると、
図5(c)に示すように、サブウィンドウ503が表示画面501を覆うように表示される。サブウィンドウ503で、所定の種類をユーザーがタッチすることにより、用紙の種類が選択される。なお、表示されるサブウィンドウ502やサブウィンドウ503は、表示数に制限があるため、リストに含まれるサイズ又は種類が多い場合は、プルダウンでユーザーが選択できるように表示する。また、設定画面において、ユーザー操作前のデフォルトの状態では、サイズ及び種類には、前回設定したサイズ及び種類がそれぞれ表示される。
【0036】
そして、
図5(a)の設定画面において、登録ボタンがタッチされると、ユーザー入力が受け付けられて、給紙カセット1の用紙情報の設定は終了する。なお、本実施形態では、設定画面501には、登録ボタンを表示するものとしたが、登録ボタンとキャンセルボタンを備えるものとしてもよい。この場合は、キャンセルボタンがタッチされた場合も、給紙カセット1の用紙情報の設定は終了するが、この場合は、後述する判定処理は実行されない。
【0037】
給紙カセット2の用紙情報の設定の場合は、「カセット1の用紙情報を登録してください。」の代わりに、「カセット2の用紙情報を登録してください。」と表示される以外は、
図5と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
なお、設定画面の表示方法は、
図5に示すものに限定されるものではない。例えば、
図5では、登録ボタンを表示するものとしたが、これを表示せずに、操作パネル318の表示装置320の外部に設けられたボタンの押下に応じて、設定を終了するようにしてもよい。また、進むボタンを表示し、進むボタンのタッチの検知に基づいて、設定を終了するようにしてもよい。
【0039】
ここで、用紙情報の設定画面において設定された情報を別のモードに反映させるかどうかの制御を説明する。ここでは、例としてコピーモードに反映させるケースについて説明する。
【0040】
図6は、本実施形態に係る反映処理の概要を表したフローチャートである。
図6は、CPU301がプログラムメモリ303に格納されたプログラムをデータメモリ304にロードして実行する。S601で給紙カセットの挿入を検知すると、S602でその給紙カセットに対する設定画面が表示される。S603で、ユーザー操作により設定画面を介した用紙情報の設定が終了する。この設定は、印刷の際にホスト側であるホストコンピュータ308にMFPのカセット情報として送信される他、印刷ジョブの用紙情報とカセット情報が異なる場合に、ミスマッチの警告を表示する際に使用される。例えば、ホストからの印刷ジョブでA4サイズが指定されているにもかかわらず、カセットの用紙設定ではB5サイズが指定されている場合、印刷ジョブの用紙設定またはカセットの用紙を変更するようにユーザーに促す警告を表示する。これにより、用紙の外に印刷してしまうのを抑制する。
【0041】
次に、S604において、入力された設定情報(用紙情報)が特定のモードに反映可能かどうかを判定する。本実施形態では、コピーモードに反映可能かどうかを判定する。なお、判定フローについては後述する。反映可能ではないと判断した場合(S604でNo)、そのまま処理を終了する。反映可能と判断した場合(S604でYes)、入力した設定情報をコピーモードの印刷設定に反映するかをユーザーに選択させる画面を表示する。そして、この画面を介したユーザー操作に基づいて、情報を特定のモードに反映させるか否かの判定を行う(S605)。
【0042】
図7は、情報反映の選択画面の一例を示す図である。この選択画面では、ユーザーに登録情報を特定のモードの印刷設定に反映させるかを選択させる。
図7では、「カセット1の登録情報をコピーモードの印刷設定に反映しますか?」とメッセージを表示し、Yesボタン及びNoボタンの選択を促す。Yesボタンが選択された場合、入力した設定情報を特定のモードに反映させると判定する。Noボタンが選択された場合、入力した設定情報を特定のモードに反映させないと判定する。
【0043】
情報を特定のモードに反映させると判定した場合(S605でYes)、S606でコピーモードの印刷設定の情報を対象のモードに反映させて情報の更新を行い、処理を終了する。一方、情報を特定のモードに反映させないと判定した場合(S605でNo)、処理を終了する。
【0044】
図8には、情報の反映による設定情報の変化を示す。カセット脱着前のコピーの印刷設定は、標準の設定又は前回のコピーで用いた設定となっている。
図8(a)では、カセット脱着前、すなわち、設定登録前のコピーモードの印刷設定は、用紙種類が普通紙、用紙サイズがA4に設定されている。その後、用紙種類が写真紙、用紙サイズがB5の用紙をカセットにセットし、カセットを挿入する。挿入検知によって用紙情報の設定画面501が表示され(S602)、用紙情報を入力し、その設定が終了し(S603),情報を反映することが選択される(S605)。これにより、コピーモードの用紙種類および用紙サイズに反映する。そして、次にコピーモードに入った時には、
図8(b)にように設定が変更されており、ユーザーが同じ設定を再度入力する必要がない。なお、S606において対象モードに情報を反映させた後に、
図8(b)に示す反映後の印刷設定を画面に表示して、ユーザーに確認を促すようにしてもよい。更新された印刷設定は、その後のコピー実行時にジョブの設定となり、原稿台101上の原稿のスキャン範囲や、給紙する用紙の条件として使用される。
【0045】
ここで、S604の入力された設定内容がコピーモードに反映可能かどうかを判定するフローについて説明する。
図9は、その判定処理の概要を表したフローチャートである。
図9は、CPU301がプログラムメモリ303に格納されたプログラムをデータメモリ304にロードして実行する。
【0046】
S801(S603に相当)でユーザーによる用紙情報の設定が終了すると、本実施形態では、4つの判定基準に基づいて、その設定情報がコピーモードに反映可能な内容かどうかを判定する。
【0047】
S802で、設定された用紙種類がコピーモードで対応可能か、すなわち、コピーモードでサポートしているかを判定する。そして、コピーモードで対応可能であれば(S802でYes)S803へ進み、コピーモードで対応可能でなければ(S802でNo)処理を終了する。例えば、光沢紙が設定されたが、その装置のコピーモードで光沢紙をサポートしていなければ、反映不可能と判定する。
【0048】
S803で、設定された用紙サイズがコピーモードで対応可能か、すなわち、コピーモードでサポートしているかを判定する。そして、コピーモードで対応可能であれば(S803でYes)S804へ進み、コピーモードで対応可能でなければ(S803でNo)反映不可能と判定する。例えばA2サイズが設定されたが、その装置のコピーモードでA2サイズの用紙をサポートしていなければ、反映不可能と判定する。
【0049】
S804で、設定された用紙種類と用紙サイズの組み合わせがコピーモードで対応可能か、すなわち、コピーモードでサポートしているかを判定する。そして、コピーモードで対応可能であれば(S804でYes)S805へ進み、コピーモードで対応可能でなければ(S804でNo)反映不可能と判定する。例えば、A4光沢紙が設定された場合、その装置のコピーモードでA4も光沢紙もそれぞれサポートしているが、A4の光沢紙はサポートしていない場合がある。その場合は、反映しても設定矛盾になってしまうので、反映不可能と判定する。
【0050】
S805では、設定された用紙設定が既にコピーモードで設定されているかを判定する。そして、コピーモードで対応可能であれば(S805でYes)、反映可能と判定する。コピーモードで対応可能でなければ(S805でNo)反映不可能と判定する。コピーモードで有効な設定でも、既に設定済みであれば、用紙情報の反映選択の画面701を表示するのは冗長であるので、反映選択の画面を表示させないために、反映不可能と判定する。
【0051】
上述した判定処理により、コピーモードで有効な設定であり、かつ現在のコピーモードの設定と異なる場合のみ、ステップS605906(ステップS605に相当)において用紙情報の反映の選択画面701を表示することができる。
【0052】
上述したように、本実施形態では、用紙情報の設定画面で設定をした場合、特定のモードでも反映可能な場合のみユーザーに当該設定を反映させるか否かの判断を促す。そして、ユーザーの判断によって、給紙カセット情報を反映するかどうかを任意に行うことができる。一方、用紙情報の設定画面で設定をしても特定のモードで有効な設定ではない場合、ユーザーに当該設定を反映させるかの判断をさせないため、ユーザー操作が冗長になることがない。
【0053】
本実施形態では、登録した内容ですぐ印刷を行いたいユーザーは、特定のモード起動時の印刷条件の入力(例えば、コピーモードの印刷条件の入力)を省くことができ、そうでないユーザーは給紙カセット情報登録のみを行うことができる。したがって、ユーザーの入力動作の回数を最小限にすることができる。
【0054】
本実施形態では、用紙設定をモード毎に別々に記憶していても、給紙カセットの情報を各モードに容易に反映させることができる。これにより、被記録媒体の情報を設定する際のユーザビリティを向上させることができる。
【0055】
(実施形態2)
実施形態1では、用紙設定の設定情報を反映する対象モードとしてコピーモードを例に説明したが、本実施形態では、用紙設定の設定情報を複数のモードに反映させる場合について説明する。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
本実施形態では、モード毎に対応テーブルを作成しておく。対応している用紙種類、用紙サイズ、および非対応の用紙種類と用紙サイズの組み合わせを登録しておく。
図10は、各モードの対応テーブルの一例である。ここでは、コピーモードの他に、フォトモードとFAXモードを例に挙げている。フォトモードは、外部メディアに保存された画像データ等を印刷するモードで、用紙情報は、給紙する用紙の条件として使用される。FAXモードはスキャンした原稿データをFAX送信する、または外部からのFAX原稿を受信するモードであり、用紙情報は、給紙する用紙の条件として使用される。
【0057】
ここで、本実施形態において、S604の入力された設定内容がコピーモードに反映可能かどうかを判定するフローについて説明する。
図11は、その判定処理の概要を表したフローチャートである。これは入力された設定内容が対象モードに反映可能かどうかを判定するフローで、
図9のフローチャートを複数のモードに対応させたものである。基本的な処理の流れは
図9と同じであるため、以下では
図9との差分のみ説明する。
図11は、CPU301がプログラムメモリ303に格納されたプログラムをデータメモリ304にロードして実行する。
【0058】
S1001(S603に相当)でユーザーによる用紙情報の設定が終了すると、S1102で未判定の対象モードがあるかを判定する。本実施形態では、コピーモード、フォトモード、FAXモードの3つを対象モードとしているので、3つのモードをそれぞれ判定するまでループすることになる。したがって終了後に表示される情報反映の選択画面は、最大3つとなる。全ての対象モードの判定が終わったら、処理は終了となる。 1つでも判定していない対象モードがある場合、S1103へ進む。
【0059】
S1003で、設定された用紙種類が対象モードで対応可能か、すなわち、対象モードでサポートしているかを判定する。ここで、先ほどの対応表を参照し、設定された用紙種類が対象のモードでサポートされているかの情報を取得する。そして、対象モードで対応可能であれば(S1003でYes)S1004へ進み、対象モードで対応可能でなければ(S1003でNo)反映不可能と判定する。そして、S1002へ戻る。
【0060】
S1004で、設定された用紙サイズが対象モードで対応可能か、すなわち、対象モードでサポートしているかを判定する。ここで、先ほどの対応表を参照し、設定された用紙サイズが対象のモードでサポートされているかの情報を取得する。そして、対象モードで対応可能であれば(S1004でYes)S1005へ進み、対象モードで対応可能でなければ(S1004でNo)反映不可能と判定する。そして、S1002へ戻る。
【0061】
S1005で、設定された用紙種類と用紙サイズの組み合わせが対象モードで対応可能か、すなわち、対象モードでサポートしているかを判定する。ここで、先ほどの対応表を参照し、用紙種類と用紙サイズの組み合わせが非対応組み合わせに登録されていないかを確認する。そして、対象モードで対応可能であれば(S1005でYes)S805へ進み、対象モードで対応可能でなければ(S1005でNo)反映不可能と判定する。そして、S1002へ戻る。
【0062】
S1006では、設定された用紙設定が既に対象モードで設定されているかを判定する。そして、対象モードで対応可能であれば(S1006でYes)反映可能と判定する。そして、S1002へ戻る。対象モードで対応可能でなければ(S1006でNo)反映不可能と判定する。対象モードで有効な設定でも、既に設定済みであれば、用紙情報の反映選択の画面701を表示するのは冗長であるので、反映選択の画面を表示させないために、反映不可能と判定する。そして、S1002へ戻る。
【0063】
なお、本実施形態では、S605の入力した設定情報を特定のモードの印刷設定に反映するかをユーザーに選択させる画面を表示する際に、S604において反映可能とされたモードの全てに、設定情報を反映させるかを選択させるようにする。なお、これに限定されず、S604において反映可能とされたモード毎に、順に選択画面を表示してもよいし、選択画面にS604において反映可能とされたモードを全て表示し、ユーザーが選択したモードにのみ反映させるようにしてもよい。
【0064】
上述したように、本実施形態では、用紙情報の設定画面で設定をした場合、複数のモードの各モードにおいて反映可能な場合にユーザーに当該設定を反映させるか否かの判断を促す。そして、ユーザーの判断によって、給紙カセット情報を反映するかどうかを任意に行うことができる。一方、用紙情報の設定画面で設定をしても対象のモードで有効な設定ではない場合、ユーザーに当該設定を反映させるかの判断をさせないため、ユーザー操作が冗長になることがない。
【0065】
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、給紙ユニットとして給紙カセットを例に挙げて説明したが、給紙カセット以外の給紙ユニットであってもよい。給紙ユニットとしては、例えば、ASF(AutoSheetFeeder)や手差しユニット等が挙げられる。
【0066】
また、上述した実施形態では、判定処理において、4つの判定基準に基づいて判定を行ったがこれに限定されるものではない。例えば、用紙種類が特定のモードに対応するか、及び用紙サイズが特定のモードに対応するかの2つの判定基準に基づいて判定を行ってもよい。これらが、Yesの場合は、反映可能と判定し、これらのうち少なくとも一方がNoの場合は、反映不可能と判定すればよい。
【0067】
また、上述した実施形態の判定処理において、用紙種類が特定のモードに対応するかと用紙サイズが特定のモードに対応するかの判定順は逆であってもよい。
【0068】
上述した実施形態では、用紙情報の設定が反映可能と判定された場合、設定された被記録媒体の情報を特定のモードの設定条件に反映させるかユーザーに選択させるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザに判断を促さずに、自動的に特定のモードの設定条件に反映(更新)させてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、印刷装置が制御装置を備えるものとしたが、これに限定されるものではない。
図1の印刷装置と接続されたプリンタドライバを有する外部装置の表示部に設定画面を表示する場合や、外部装置からの指示で当該印刷装置の表示部に設定画面を表示する場合は、この外部装置が制御装置となる。
【0070】
上述した実施形態では、設定画面の表示は、任意の給紙カセットの挿入が検知されたことに基づき実行されたものとしたが、これに限定されるものではなく、用紙情報の設定登録がユーザー操作により指示されたことに基づき表示されたものであってもよい。すなわち、用紙情報の設定が終了した場合に、特定のモードに反映可能な情報か判定し、反映の選択画面を表示するようにすればよい。
【0071】
本実施形態では、給紙カセットの被記録媒体の情報を設定情報としたが、設定情報はこれに限定されず、印刷設定の設定情報等であってもよい。
【0072】
上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータを連動させて実行させるようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウエアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。