(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成部は、前記指定点の位置と、被検体内の特定の部位を示す基準点の位置と、前記選択部により選択された特徴点の位置とに基づいて定められる面の断面画像を前記3次元画像データから生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
前記選択部は、被検体内の特定の部位を示す基準点と前記指定点と特徴点との位置関係が所定の条件を満たすような特徴点を、前記複数の特徴点の中から選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
前記生成部は、前記算出部により算出された切断面、または、前記変更パラメータに基づいて前記算出部により変更された切断面の断面画像を前記3次元画像データから生成することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
<第1実施形態>
本実施形態の画像処理装置は、3次元画像データと3次元画像データにおける複数の特徴点の位置とを取得する取得部と、3次元画像データにおいて注目部位を示す指定点を指定する指定部とを備える。また、画像処理装置は、指定点の位置と複数の特徴点の位置とにより定められる情報を用いて複数の特徴点の中から一つ以上の特徴点を選択する選択部と、指定点と選択された特徴点とに基づいて定められる面の断面画像を3次元画像データから生成する生成部とを備える。また、画像処理装置は、生成された断面画像を表示部に表示させる表示制御部を備える。
【0013】
特徴点は、3次元画像データにおいて、その周辺に特徴的な画像特徴を有する点のことを示す。画像処理装置の選択部は、指定点の位置と複数の特徴点の位置とにより定められる情報を用いて、複数の特徴点の中から一つ以上の特徴点を選択することが可能である。例えば、選択部は、指定点の近傍の特徴点を選択することが可能である。あるいは、選択部は、指定点の位置を用いず、複数の特徴点の中から二つの特徴点を選択することも可能である。この場合、選択部は、二つの特徴点をランダムに選択してもよいし、複数の特徴点の夫々の位置関係に基づいて、基準となる特徴点の位置に対して近い特徴点を複数の特徴点の中から選択してもよい。あるいは、選択部は、基準となる特徴点の位置に対して遠い順に特徴点を複数の特徴点の中から選択することも可能である。
【0014】
本実施形態に係る画像処理装置は、同一の被検体を撮像して得られた二つの異なる3次元画像データ(第1の3次元画像データと第2の3次元画像データ)が与えられた際に、一方の3次元画像上の注目部位に対する他方の3次元画像上の対応部位を探索する作業を支援する画像ビューアとしての機能を備えている。また、二つの異なる3次元画像データ上において対応するであろう一対の点が指定点として入力されると、画像処理装置は、3次元画像データから断面画像を生成する処理を行う。すなわち、画像処理装置は、第1の3次元画像上における指定点と、選択部が選択する二つの特徴点とを含む面(切断面)により第1の3次元画像データから切り出した断面画像を、第1の3次元画像データから生成して表示する。また、第2の3次元画像上における指定点と、二つの特徴点の第2の3次元画像上における対応点とを含む面(切断面)により第2の3次元画像データから切り出した断面画像を、第2の3次元画像データから生成して表示する。
【0015】
画像処理装置が表示する二つの断面画像は、指定点と対応点(解剖学的に同一な特徴点)とを含む断面の画像であるので、指定点の対比を行う参考となるような画像特徴を含んだ断面画像となる。特に、指定点の近傍の特徴点を選択する場合には、変形の影響による断面間のずれを小さくすることができる。これによりユーザは、二つの断面画像を見て、二つの異なる3次元画像上の指定点が解剖学的に同一の点であるか、すなわち、対応点であるかを確認することができる。また、画像を見ながら指定点の位置の指定を更新することが可能である。指定点の位置の指定を更新することにより、画像処理装置は、更新された指定点と特徴点とに基づいて定められる切断面の断面画像を夫々の3次元画像データから生成して表示することができる。
【0016】
なお、本実施形態では、乳房を被検体とするが、本発明の趣旨はこの部位に限定するものではなく、他の部位を被検体とすることも可能である。以下、
図1乃至4を用いて本実施形態の構成および処理を説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る医用画像診断システム(画像処理システム)の構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態における画像処理装置100は、データサーバ170および表示部180と接続されている。また画像処理装置100は、3次元画像データを撮像する撮像部として機能する第1医用画像撮像装置150(第1撮像部)および第2医用画像撮像装置160(第2撮像部)と、データサーバ170を介して接続されている。
【0018】
第1医用画像撮像装置150はMRI装置であり、腹臥位の乳房を撮像して第1の3次元画像データ(MRI画像)を得る。また、第2医用画像撮像装置160はCT装置であり、仰臥位の乳房を撮像して第2の3次元画像データ(CT画像)を得る。これらの3次元画像データは、データサーバ170に格納される。なお、3次元画像データを撮像するモダリティは、MRI装置とCT装置に限らず、3次元超音波撮影装置、光音響トモグラフィ装置、PET/SPECT、OCT装置などであってもよい。また、第1および第2の3次元画像データは、同一のモダリティによって撮像されたものであってもよいし、同一の体位で撮像されたものであってもよい。例えば、経過観察のために同一患者を同一モダリティで異なる日時に撮像した画像であってもよい。
【0019】
データサーバ170(保持部)が保持する第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データの夫々は、MRI装置およびCT装置によって被検体を予め撮像して得られた断層画像群である。なお、第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データを構成する各断層画像の位置および姿勢は、基準座標系(被検体を基準とした空間中の座標系)に変換した上でデータサーバ170に保持されているものとする。基準座標系で表現された第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データは、取得部102を介して画像処理装置100に入力される。なお、ここで、位置とは、基準座標系の3次元空間におけるX,Y,Zの3つの位置成分(3次元位置情報)によって表される。姿勢とは3次元空間におけるロール(Roll),ピッチ(Pitch),ヨー(Yaw)の3つの角度成分(3次元角度情報)によって表される回転または傾き具合のことである。
【0020】
更に、データサーバ170は、各3次元画像データ中において対応する特徴点群(対応点群)の3次元座標値を保持しており、これらのデータも、取得部102を介して画像処理装置100に入力される。本実施形態では、データサーバ170は、3次元画像データ毎に、基準座標系における複数の特徴点の3次元位置情報を保持している。なお、以下では、第1の3次元画像上における特徴点を第1の特徴点と呼ぶ。また、第2の3次元画像上における特徴点を第2の特徴点と呼ぶ。第1の特徴点の夫々には、対となる(解剖学的に同一な点を示す)第2の特徴点が存在している。そして、第1の特徴点と第2の特徴点とを対応付ける対応付け情報として、対応する特徴点には共通するID番号(識別情報)が付与されているものとする。すなわち、夫々の特徴点は、点のID番号(識別情報)と、基準座標系の3次元空間におけるX,Y,Zの3つの位置成分(3次元位置情報)によって表されているものとする。
【0021】
表示部180は、画像処理装置100が生成する表示画像を表示する。表示部180には、切断面を変更するか否かの判定を行うためのボタン、指定点を再指定するか否かの判定を行うためのボタン、および指定点の指定処理を終了するか否かの判定を行うボタン等も配置されている。
【0022】
(画像処理装置100の構成)
画像処理装置100は、以下に説明する構成要素により構成されている。取得部102は、3次元画像データとして、第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データを取得する。また、取得部102は、複数の特徴点の位置として、第1の3次元画像データにおける第1の複数の特徴点の位置および第2の3次元画像データにおける第2の複数の特徴点の位置とを取得する。また、取得部102は、第1の複数の特徴点の位置および第2の複数の特徴点の位置を対応付ける対応付け情報を取得する。さらに、取得部102は、第1および第2の3次元画像データについて、夫々の3次元画像データ上における特徴点群の3次元座標値を取得する。対応付け情報は、第1および第2の3次元画像データにおける特徴点群の3次元座標値を対応付ける情報である。取得部102は、取得した情報を選択部108及び生成部112へと出力する。
【0023】
変更操作部104は、ユーザによるマウスやキーボードの操作の入力を受け付ける。そして、変更操作部104は、受け付けた入力に従い、第1および第2の3次元画像データのいずれか一方の切断面、または、第1および第2の3次元画像データの双方の切断面を変更するための変更パラメータを取得し、算出部110へと出力する。
【0024】
指定部106は、ユーザの指示に従って、第1および第2の3次元画像データ中における第1の指定点および第2の指定点を指定し、基準座標系における夫々の指定点の位置を取得する。指定部106は、取得した第1の指定点の位置および第2の指定点の位置を選択部108および算出部110へと出力する。
【0025】
選択部108は、指定点の位置と複数の特徴点の位置とにより定められる情報を用いて、複数の特徴点の中から一つ以上の特徴点を選択する。または、選択部108は、指定点の位置を用いず、複数の特徴点の中から二つの特徴点を選択する。選択部108は、第1の3次元画像データにおいて、第1の指定点の位置と第1の特徴点の夫々の位置との比較に基づいて、第1の特徴点群の中から二つの特徴点を選択する。例えば、指定点の位置に近い二つの特徴点を選択する。また、選択部108は、第2の3次元画像データにおいて、選択された第1の特徴点の対応点を、対応付け情報を用いて第2の特徴点群の中から選択する。尚、選択部108により選択される特徴点には、被検体内の特定の部位を示す基準点が含まれていてもよい。
【0026】
選択部108は、第1の3次元画像データにおいて、第1の複数の特徴点の中から第1の特徴点を選択した場合、対応付け情報に基づいて、第2の複数の特徴点の中から、選択された第1の特徴点に対応する第2の特徴点を選択する。あるいは、選択部108は、第2の3次元画像データにおいて、第2の複数の特徴点の中から第2の特徴点を選択した場合、対応付け情報に基づいて、第1の複数の特徴点の中から、選択された第2の特徴点に対応する第1の特徴点を選択する。
【0027】
算出部110は、第1および第2の3次元画像データにおいて、指定部106により指定された指定点および選択部108により選択された二つの特徴点に基づいて定められる面を3次元画像データの切断面として算出する。また、算出部110は、変更操作部104が取得した切断面を変更するための変更パラメータに基づいて、第1および第2の3次元画像データのいずれか一方の切断面、または、第1および第2の3次元画像データの双方の切断面を変更する。そして、算出部110は、算出または変更された切断面を生成部112へと出力する。
【0028】
生成部112は、算出部110にて算出または変更された切断面によって、第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データから2次元の断面画像を夫々切り出して、表示制御部114へと出力する。例えば、生成部112は、第1の指定点の位置と第1の特徴点の位置とに基づいて定められる第1の切断面の第1の断面画像を生成し、第2の指定点の位置と第2の特徴点の位置とに基づいて定められる第2の切断面の第2の断面画像を生成する。
【0029】
表示制御部114は、生成された二つの断面画像を並べた表示用のデータを作成し、これを表示部180に表示させる表示制御を行う。すなわち、表示制御部114は、第1の断面画像および第2の断面画像を表示部180に表示させる。ユーザは、表示制御部114により表示された断面画像を確認し、各3次元画像データにおいて指定した指定点の位置が夫々合っている(対応している)と判断した場合には、不図示のUIを介して指示を画像処理装置へ入力する。この指示が入力された場合には、その指定点の各位置は二つの3次元画像データにおいて対応する点として画像処理装置100内の不図示の記憶部に格納され、指定点の指定処理を完了する。
【0030】
上述の画像処理装置100により実行される断面画像の生成処理の概要を、
図2に従って説明する。
図2(a)には、第1医用画像撮像装置150から取得した第1の3次元画像データ(腹臥位の乳房のMRI画像)と、第2医用画像撮像装置160から取得した第2の3次元画像データ(仰臥位の乳房のCT画像)が示されている。これらが、指定点の指定処理の対象となる3次元画像データである。また、各3次元画像データを通る平面(第1の切断面および第2の切断面)と、各切断面によって、各3次元画像データから表示の対象となる領域を切り出した、第1の断面画像および第2の断面画像が示されている(
図2(b))。
【0031】
更に、各断面画像において、第1の3次元画像データ上における注目病変部と、第2の3次元画像データ上におけるその注目病変部に対応する対応病変部が表示されている。各3次元画像データにおいて、これらの病変部と思われる部位の位置が、指定部106により第1および第2の指定点として指定されているものとする。
図2(a)では、指定点が×印で示されている。第1の3次元画像データ上における注目病変部は指定点の内部を網掛け表示しており、第2の3次元画像データ上における対応病変部の内部は網掛け表示をしていない。両者の表示を変えているのは、MRI装置とCT装置で同一の被検体を撮影しても見え方が異なることを例示的に示したものである。また、各3次元画像データで対応付け可能な、血管分岐部や乳腺脂肪境界部などの特徴的な位置が、予め特徴点として二つ以上指定されているものとする。
図2(a)では、特徴点群が丸印で示されている。
【0032】
選択部108は、第1の指定点(注目病変部)の位置と、第1の3次元画像データ上における第1の特徴点の夫々の位置との比較による位置関係に基づいて、第1の指定点に最も近い特徴点Aと、第1の指定点から2番目に近い特徴点Bを選択する。一方、第2の3次元画像データ上において、選択部108は、対応付け情報に基づき、第2の3次元画像データ上における第2の特徴点の中から、特徴点Aと特徴点Bの対応点として、特徴点A’および特徴点B’を選択する。このとき、第1の切断面は、第1の指定点と、特徴点Aと、特徴点Bの3点を通る平面として定めることができる。また、第2の切断面は、第2の指定点と、特徴点A’と、特徴点B’の3点を通る平面として定めることができる。
図2(b)に、第1および第2の切断面によって、第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データから切り出した、第1および第2の断面画像の表示例を示す。ユーザは、指定点が示す病変部と特徴点が示す周辺部の見え方等を多面的に評価して、指定点が正確に指定されているか否かを確認することができる。
【0033】
図3は、画像処理装置100が行う全体の処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
(データの取得)
ステップS300において、画像処理装置100の取得部102は、データサーバ170から、各3次元画像データ(腹臥位の乳房のMRI画像および仰臥位の乳房のCT画像)および夫々の対応する特徴点群(対応点群)の3次元座標値を取得する。
【0035】
(指定点の指定)
ステップS301において、画像処理装置100の指定部106は、第1の3次元画像上においてユーザが指定した第1の指定点の位置と、第2の3次元画像上においてユーザが指定した第2の指定点の位置とを取得する。
【0036】
具体的には、まず、表示制御部114は、各3次元画像データを構成する断層画像の夫々を画面上に表示させる。表示対象とする断層画像は、断層画像群から任意に選択することが可能であり、ユーザによるマウスやキーボードの操作を変更操作部104が受け付けて、その入力に応じて選択的に表示させることができる。ユーザはマウスやキーボードを操作して、MRI画像とCT画像の夫々の断層画像群から、病変部を含むと思われる断層画像を選択して表示させる。そして、表示した断層画像上において、病変部と思われる部位の位置を指定点として指定する入力を行う。その入力に応じて指定部106は、断層画像の位置および姿勢を利用して、基準座標系における第1の指定点の位置および第2の指定点の位置を取得する。
【0037】
ここで、指定点の位置の指定は、例えば以下の手順で行う。まず、ユーザの指示に従って、表示制御部114が表示部180に断層画像を切り替え表示する。そして、断層画像上に注目病変部と思われる部位が写ったところで、表示画面上における病変部と思われる部位の位置をユーザがマウス等でクリックすることで、基準座標系における指定点の位置を指定する。なお、指定点の位置は、3次元画像データを構成する断層画像上で指定する場合に限らず、3次元画像データを任意の姿勢の切断面で切り出した断面画像上で指定してもよい。
【0038】
指定点の指定は、初期位置を指定するものであるので正確である必要はない。指定点の指定処理を短時間で終えるために、互いに対応する病変部の中心付近の位置を指定することも可能である。なお、本実施形態では被検体の病変部を観察することを目的としているために病変部の中心位置を指定点としているが、中心位置以外や、病変部以外の特徴的な点を指定点として指定することも可能である。
【0039】
なお、第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データは、何れも同一の基準座標系で表現されているため、夫々の病変部の基準座標系における位置は大きくは異ならない。そこで、第2の指定点の位置(初期位置)については、ユーザが指定するのではなく、第1の指定点の基準座標系における位置をそのまま利用する構成であってもよい。
【0040】
更に、指定部106は、第1の指定点および第2の指定点を、取得部102が取得した特徴点群の中から選択することも可能である。この場合、特徴点には共通するID番号(識別情報)が付与されているので、第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データの何れか一方で特徴点を指定点として選択すれば、他方での指定点を定めることができる。ここで、指定点として選択された特徴点は、選択部108で選択しない点として、不図示の記憶部に格納する。なお、指定点の指定の順番は逆であってもよい。すなわち、第2の3次元画像データにおける第2の指定点(例えば、病変部の中心位置)を最初に指定してもよい。
【0041】
(特徴点の選択)
ステップS302において、画像処理装置100の選択部108は、第1の3次元画像データ上における第1の特徴点群の中から二つの特徴点を選択する(第1の選択)。本実施形態では、第1の指定点の位置と第1の特徴点群の夫々の位置とにより定められる情報を用いて、二つの特徴点を選択する。例えば、指定点と特徴点との間の距離に基づいて選択する。一例として、指定点の近傍に位置する特徴点を選択することができる。具体的には、第1の指定点に最も近い特徴点(特徴点A)と2番目に近い特徴点(特徴点B)を選択する。また、選択部108は、第2の3次元画像データ上における第2の特徴点群の中から、特徴点の対応付け情報に基づいて、特徴点Aと特徴点Bの対応点(
図2(a)の特徴点A’、特徴点B’)を選択する(第2の選択)。なお、選択部108は、第1の選択を第2の3次元画像データに対して行い、第2の選択を第1の3次元画像データに対して行うことも可能である。第1の選択を行う3次元画像データはユーザがUI等で選んでもよいし、先に指定点が指定された3次元画像データにおいて第1の選択を行うようにしてもよい。
【0042】
ここで、第1の選択における二つの特徴点の選択方法としては、指定点に最も近い特徴点と2番目に近い特徴点に限らない。選択部108は、被検体内の特定の部位を示す基準点が存在する場合には、特徴点と指定点と基準点との位置関係が所定の条件を満たすような特徴点を選択してもよい。例えば、基準点と指定点とを結ぶ直線と、複数の特徴点の位置との比較に基づいて、直線との距離が近い特徴点を複数の特徴点の中から順次選択することが可能である。例えば、乳頭等を基準点として、基準点と指定点とを結ぶ直線との距離が最も近い特徴点と2番目に近い特徴点を選択してもよい。また、その際に特徴点から直線に下ろした垂線の足から指定点までの距離を併せて考慮してもよい。この場合には、乳頭から病変部に向かう乳腺の走行に沿った特徴点がより選択されやすくなる。生成部112は、指定点の位置と、被検体内の特定の部位を示す基準点の位置と、選択部108により選択された特徴点の位置とに基づいて定められる面の断面画像を前記3次元画像データから生成する。
【0043】
または、指定点との距離が所定の距離以上となる特徴点に限定する(指定点に近すぎる特徴点を選択しない)という条件を追加することが可能である。これによると、選択される特徴点が指定点に近すぎる場合に切断面が不安定になるという課題を回避することができる。また、2番目の特徴点を選択する際に、指定点と1番目の特徴点を結ぶ直線と指定点と2番目の特徴点を結ぶ直線のなす角が所定の範囲内となる特徴点に限定するという条件を追加することが可能である。これによると、切断面が不安定になるという課題を回避できる。
【0044】
また、選択部108は、指定点の位置と複数の特徴点の位置とを用いて定められる情報と閾値との比較に基づき、複数の特徴点の中から特徴点を選択することができる。例えば、選択部108は、指定点と二つの特徴点とにより構成される面の面積を用いて特徴点を選択することが可能である。例えば、選択部108は、指定点と二つの特徴点とにより構成される面の面積が所定の値以上(面積の閾値以上)となるような特徴点を複数の特徴点の中から選択することが可能である。例えば、指定点と二つの特徴点とにより構成される三角形の面積が所定の値以上となるように特徴点を選択することが可能である。
【0045】
また、選択部108は、指定点と第1の特徴点を結ぶ直線と、指定点と第2の特徴点を結ぶ直線とのなす角度を用いて特徴点を選択することが可能である。例えば、指定点と第1の特徴点を結ぶ直線と、指定点と第2の特徴点を結ぶ直線とのなす角度が所定の角度(閾値:直線角度の閾値)の範囲内になるような特徴点を複数の特徴点の中から選択することが可能である。例えば、指定点と1番目の特徴点を結ぶ直線と、指定点と2番目の特徴点を結ぶ直線とのなす角度が90度に近くなる(該角度と90度との差の絶対値が所定の角度より小さくなる)ような二つの特徴点を選択するようにしてもよい。この場合には、指定点の位置を少し変更(再指定)した際に、切断面の角度が再指定前から大きく変化して分かりにくくなることを防ぐことができる。
【0046】
または、選択部108は、体表面や大胸筋面等の所定の曲面から指定点までの距離と、曲面から特徴点までの距離とが、最も近くなるような特徴点と2番目に近くなるような特徴点を選択することが可能である。この場合には、指定点とほぼ同じ深さにある特徴点が選択されやすくなる。
【0047】
また、選択部108は、指定点と二つの特徴点により定められる面と、基準平面とのなす角度を用いて特徴点を選択することが可能である。例えば、選択部108は、指定点と二つの特徴点により定められる面と、所定の基準平面とのなす角度が所定の角度(閾値:平面角度の閾値)より小さくなるような特徴点を選択することが可能である。あるいは、選択部108は、指定点と二つの特徴点により定められる面と、基準平面とのなす角度が最も小さくなるような特徴点を選択することも可能である。ここで、基準平面としては、アキシャル断面、サジタル断面、コロナル断面等を用いることができる。この場合には、通常診療に使われる見慣れた断面に近い断面の断面画像を観察することができる。
【0048】
また、選択部108は、指定点と二つの特徴点を含む平面の断面画像中のテクスチャの複雑性が最も高くなるような特徴点を選択することが可能である。この場合には、病変部を診断する際に参考となる画像特徴が断面画像中に含まれることが期待される。
【0049】
また、二つの特徴点のうちの一つは、指定点からの距離に係らず、
図4(a)に示すように、予め指定された固定的な基準点(例えば乳頭位置のような解剖学的な意味を有する点)を用いることが可能である。その際に、複数の基準点から指定点に最も近い基準点を選択して使用してもよい。この場合には、基準点との関係性も確認しながら病変部を診断することができる。この時、もう一つの特徴点としては、基準点と指定点と特徴点との位置関係が所定の条件を満たすような特徴点を選択することが望ましい。例えば、基準点と指定点を結ぶ線分からの距離が所定の範囲内に収まる特徴点を選択することができる。さらに、二つの特徴点は、指定点から所定の距離内の複数の候補の中からユーザがUI等で選択する構成であってもよい。また、選択部108は、第1の選択における特徴点の選択方法として、指定点の位置を用いず、複数の特徴点の中から二つの特徴点を選択することも可能である。この場合、選択部108は、二つの特徴点をランダムに選択してもよいし、複数の特徴点の夫々の位置関係に基づいて、基準となる特徴点の位置に対して近い特徴点を複数の特徴点の中から選択することが可能である。あるいは、選択部108は、基準となる特徴点の位置に対して遠い順に特徴点を複数の特徴点の中から選択することも可能である。
【0050】
(切断面の算出)
ステップS303において、画像処理装置100の算出部110は、切断面を決定または変更する。S302またはS309から本ステップに遷移した場合に、算出部110は第1および第2の3次元画像データにおいて、指定部106により指定された指定点および選択部108により選択された二つの特徴点に基づいて定められる切断面を決定する。3点(指定点および二つの特徴点)を通る平面は、公知の方法により求めることができるので、詳しい説明は省略する。
【0051】
一方、ステップS307からこの処理ステップに遷移した場合に、算出部110は、先に実行されたステップS303の処理によって算出された切断面に対して、ステップS307で取得した変更パラメータを適用して、新たな切断面を決定する。本実施形態では、算出部110は二つの特徴点を結ぶ直線を軸とした回転変換を夫々の切断面に施す。
【0052】
(断面画像の生成)
ステップS304において、画像処理装置100の生成部112は、ステップS303で求めた夫々の切断面により、第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データの断面画像を生成する。具体的には、切断面内において、画像を切り出す範囲と面内回転の回転軸を定めて、その範囲内における断面画像を生成する。ここで、切り出す範囲を限定せずに、生成部112は、3次元画像データと切断面とが交差する範囲内における断面画像を生成することが可能である。
図2(a)では、点線の範囲内がこれに相当する。また、生成部112は、指定点の位置に基づいて切り出す範囲を設定することが可能である。例えば、指定点の位置を中心とするような、切断面内の所定の範囲を求め、その範囲内における断面画像を生成することが可能である。同様に、選択された特徴点や基準点の位置に基づいて切り出す範囲を設定することが可能である。なお、この切り出す範囲は、より広い範囲を含むように、例えば、表示部180上に配置された拡大ボタンをユーザがマウスでクリックするなどして拡大することも可能である。
【0053】
一方、面内回転の回転軸は、例えば、断面画像の座標系のX軸方向が基準座標系のY軸方向(重力方向)と直交するように決定すればよい。また、指定点と基準点とを結ぶ直線が断面画像の座標系の基準方向(例えばY軸方向)と一致するように面内回転の回転軸を決定してもよい。
図4(b)は、指定点と基準点(乳頭)を結ぶ直線が断面画像座標系のY軸方向と一致するように面内回転の回転軸を決定した場合の表示例を示す。
【0054】
なお、指定点から二つの特徴点までの距離と向きが第1の断面画像および第2の断面画像で一致するように、一方の断面画像にアフィン変換を施してもよい。アフィン変換の行列は、変換前後の3点の組(指定点と二つの特徴点)から公知の方法により求めることができるので、詳しい説明は省略する。
【0055】
(断面画像の表示)
ステップS305において、画像処理装置100の表示制御部114は、二つの断面画像を表示部180に表示させる。診断者であるユーザは二つの断面画像を見て、夫々の指定点の位置が病変部(注目病変部と対応病変部)の位置に合っているか否かを確認することができる。
【0056】
表示制御部114は、表示の例として、例えば、一つの画面を縦または横に分割して第1の断面画像および第2の断面画像を夫々表示することが可能であり、二つの画面に夫々の断面画像を表示することも可能である。あるいは、表示制御部114は、第1の断面画像および第2の断面画像を異なる色で描画して重ね合わせて表示することが可能であり、第1の断面画像および第2の断面画像のいずれか一方のみを選択して表示することも可能である。
図2(b)は、一つの画面を横方向に分割して、第1の断面画像と第2の断面画像とを横に並べて表示した例を示す。
【0057】
さらに、表示制御部114は、第1の断面画像および第2の断面画像上に、指定点や特徴点の位置を示す十字型や正方形や円などの図形を重ね合わせて表示することも可能である。また、表示制御部114は、一方のボリュームデータをボリュームレンダリングした上に他方の断面画像の位置姿勢を表す平面などの図形を重ね合わせて描画することも可能である。また、表示制御部114は、各種の図形を重ね合わせるか否かを、夫々選択できるように表示制御することも可能である。
図2(b)は、指定点の位置を示す×印と、選択された特徴点の位置を表す円を重ね合わせて表示した例を示す。
【0058】
(切断面の変更)
ステップS306において、画像処理装置100は、第1および第2の3次元画像データのいずれか一方の切断面、または、第1および第2の3次元画像データの双方の切断面を変更して更に確認を続けるか否かの判定を行う。例えば、表示部180に配置された切断面変更ボタン(切断面変更部)をユーザがマウスでクリックするなどして、変更の判定を入力する。変更の判定が入力された場合には、ステップS307へと処理を進める。一方、変更の判定が入力されなかった場合には、ステップS308へと処理を進める。
【0059】
(切断面の変更パラメータの取得)
ステップS307において、変更操作部104は、第1および第2の3次元画像データのいずれか一方の切断面、または、第1および第2の3次元画像データの双方の切断面を変更するための変更パラメータを取得し、ステップS303へと処理を戻す。変更パラメータとしては、二つの特徴点を結ぶ直線を軸とした軸周りの回転角度Lを取得する。このパラメータの取得は変更操作部104を構成するマウスの操作により行うことができる。例えば、変更操作部104の変更操作(例えば、マウスのボタンを押下している間のマウスの位置、移動量および移動方向等)に基づき、変更操作部104は回転角度Lを取得する。例えば、変更操作開始(マウスのボタンを押下開始)、移動操作(マウスのボタンを押下しながら移動)、変更操作終了(マウスのボタンを押下を解除)という一連の変更操作部104の操作により、変更操作で指定された方向ベクトルを定めることができる。変更操作開始の位置が方向ベクトルの始点となり、変更操作終了の位置が方向ベクトルの終点となり、方向ベクトルを定めることができる。また、変更操作部104は、この方向ベクトルと、二つの特徴点を結ぶ直線(回転軸)との成す角度を軸周りの回転角度Lとして取得することができる。
【0060】
ここで、変更操作部104は、第1の3次元画像データおよび第2の3次元画像データのうちいずれか一方の切断面を変更するのかを選択することができる。例えば、マウスの左ボタンを押下して操作した場合には、第1の3次元画像の切断面を変更するようにできる。同様に、マウスの右ボタンを押下して操作した場合には、第2の3次元画像の切断面を変更するようにできる。そして、マウスの両方のボタンを押下して操作した場合には、第1の3次元画像および第2の3次元画像の切断面を両方とも変更するようにできる。
【0061】
(指定点を再指定するか否かの判定)
ステップS308において、画像処理装置100は、第1または第2の3次元画像データの指定点を異なる指定点に再指定するか否かの判定を行う。ステップS305により表示された断面画像を見たユーザが、指定点と対応していないと判断した場合には、指定点を再指定する旨の入力を行う。例えば、表示部180に配置された再指定ボタン(再指定部)をユーザがマウスでクリックするなどして、再指定の判定を入力する。再指定の判定が入力された場合には、ステップS309へと処理を進める。一方、再指定の判定が入力されなかった場合には、ステップS310へと処理を進める。
【0062】
(指定点の再指定)
ステップS309において、画像処理装置100の指定部106は、指定点の再指定が指示された場合に、ステップS301で指定された指定点とは異なる指定点を3次元画像データにおいて指定する。指定部106は、第1または第2の3次元画像データの指定点の位置を異なる指定点の位置に再指定して、ステップS303へと処理を戻し、画像処理装置100の各部は、ステップS303以降について同様の処理を行う。ユーザは、第1および第2の断面画像を観察して、指定点が示す病変部と特徴点が示す周辺部の見え方等の類似度を多面的に評価しながら、注目病変部または対応病変部の位置をより正確に指定し直すことができる。
【0063】
(指定処理の終了判定)
ステップS310において、画像処理装置100は、第1および第2の3次元画像データのいずれか一方の指定点、または、第1および第2の3次元画像データの双方の指定点の指定処理を終了するか否かの判定を行う。例えば、表示部180に配置された終了ボタンをユーザがマウスでクリックするなどして、終了の判定を入力する。指定処理を終了すると判定した場合には、ステップS311へと処理を進める。一方、終了しないと判定した場合には、ステップS305へと処理を戻し、画像処理装置100の各部は、ステップS305以降について同様の処理を行う。ここで、切断面の変更の入力または指定点の再指定の入力がない場合には、終了の入力があるまで断面画像が表示された状態で待機状態となり、入力を受け付ける。
【0064】
(指定点の出力)
ステップS311において、画像処理装置100は、指定点の位置を、二つの3次元画像データにおいて対応する点として不図示の記憶部に格納する。さらに、表示制御部114は表示部180に対してそれら対応する指定点の情報を出力し、表示部180にその旨の情報を表示させる。以上により、画像処理装置100により実行される処理が終了する。
【0065】
本実施形態に係る画像処理装置は、二つの3次元画像データにおける夫々の病変部に対して定めた指定点と、該指定点との位置関係に基づいて選択した二つの特徴点とに基づいて定められる切断面の断面画像を生成し表示することができる。これにより、指定点の対比を行う参考となるような画像特徴を含んだ断面画像が表示される。そのため、複数の3次元画像データ中において対応する点の位置を正しく指定することができ、病変部の診断を支援することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、ある一組の指定点の指定処理を実施する場合について説明したが、例えば病変部が複数存在する場合など、複数組の指定点の指定処理を実施したい場合には、ステップS301からステップS311の処理を繰り返せばよい。
【0067】
なお、本実施形態では、複数の特徴点の中から二つの特徴点を選択する場合を例として説明したが、これに限らず、三つ以上の特徴点を選択してもよい。この場合、選択した特徴点と指定点とを含む面は曲面となるので、当該曲面を切断面とした断面画像(曲断面画像)を表示すればよい。
【0068】
<第2実施形態>
本実施形態では、一つ以上の特徴点を選択するための基準(ルール)に従って選択の順序を定め、定められた選択の順序に基づいて順次選択する構成について説明する。以下、本実施形態に係る画像処理装置について、第1実施形態との相違部分について説明する。
図5は、本実施形態に係る医用画像診断システム(画像処理システム)の構成を示す図である。同図において、
図1と同じ部分については同じ番号、記号を付けており、重複部分の説明を省略する。
【0069】
本実施形態の画像処理装置は、3次元画像データと3次元画像データにおける複数の特徴点の位置とを取得する取得部と、3次元画像データにおいて注目部位を示す指定点を指定する指定部とを備える。また、画像処理装置は、複数の特徴点の中から、3次元画像データの断面画像の生成に用いる一つ以上の特徴点を、定められた選択の順序に基づいて選択する選択部を備える。また、画像処理装置は、指定点と選択された特徴点とに基づいて定められる面の断面画像を3次元画像データから生成する生成部と、生成された断面画像を表示部に表示させる表示制御部とを備える。
【0070】
本実施形態における選択部508は、特徴点を選択するための基準(ルール)に従って選択の順序を定める。そして、選択部508は、第1の3次元画像データまたは第2の3次元画像データにおいて、特徴点群の中から二つの特徴点を、定められた選択の順序に基づいて順次選択し、算出部110へと出力する。
【0071】
表示モード選択部516は、一組の断面画像を並べるペア表示モード(第1の表示モード)と、複数の組の断面画像をタイル状に並べるタイル状表示モード(第2の表示モード)との何れか一方の表示モードを選択し、表示制御部514へと出力する。表示制御部514は、選択された表示モードに従い断面画像の表示を制御する。
【0072】
一組の断面画像を選択する操作入力に従って、断面画像選択部518はタイル状に表示された複数の組の断面画像から一組の断面画像を選択する。断面画像選択部518が一組の断面画像を選択した場合、表示モード選択部516は表示モードをタイル状表示モードからペア表示モードに切り替え、表示制御部514は切り替えに従って断面画像の表示を制御する。
【0073】
表示制御部514は、表示モードに応じて、一組の断面画像を並べた表示用のデータ、または多数の断面画像の組(ペア)をタイル状に並べた表示用のデータを作成し、これを表示部180に表示させる表示制御を行う。
【0074】
図6は、画像処理装置500が行う全体の処理手順を示すフローチャートである。ステップS600、S608及びステップS611からステップS616までの処理は、第1実施形態における
図3のステップS300、S305及びステップS306からステップS311までの処理と重複するため、説明を省略する。
【0075】
(特徴点の選択)
ステップS602において、画像処理装置500の選択部508は特徴点を選択するための基準(ルール)に従って選択の順序を定める。そして、選択部508は、定められた選択の順序に基づいて、第1の3次元画像データの特徴点群、または、第2の3次元画像データの特徴点群の中から二つの特徴点を選択する。ここで、第1の3次元画像データと第2の3次元画像データとのうち、どちらの3次元画像データを特徴点選択に用いるかは、第1実施形態と同様に決めることが可能である。
【0076】
選択部508は、指定点の位置と複数の特徴点の位置との比較による位置関係に基づいて、二つの特徴点を複数の特徴点の中から選択する順序を決定する。例えば、選択部508は、定められた選択の順序に基づいて、指定点の位置に対して近い順に特徴点を複数の特徴点の中から順次選択することが可能である。または、選択部508は、定められた選択の順序に基づいて、指定点の位置に対して遠い順に特徴点を複数の特徴点の中から順次選択することが可能である。
【0077】
本ステップでは、選択の順序を定める基準として、指定点の位置と複数の特徴点の位置との位置関係を用いて、特徴点を順番に並べ替えて配置する。例えば、指定点からの距離が近い順、または、遠い順に特徴点を順番に並べ替えて配置する。次に、特徴点の選択番号Nを1に初期化して、N番目とN+1番目、すなわち1番目と2番目の特徴点を選択する。
【0078】
ここで、選択の順序を定める基準として、指定点の位置と複数の特徴点の位置との位置関係を用いる場合に限らず、選択部508は、被検体内の特定の部位を示す基準点や、所定の特徴点を用いた位置関係の比較により特徴点を選択することが可能である。例えば、乳頭等の基準点や所定の特徴点からの距離が近い順または遠い順に特徴点を並べ替えてもよい。または、被検体内の特定の部位を示す基準点として、体表面や大胸筋面等の所定の曲面からの距離が近い順または遠い順に並べ替えてもよい。
【0079】
被検体内の特定の部位を示す基準点を用いる場合、選択部508は、被検体内の特定の部位を示す基準点と、複数の特徴点の位置との位置関係に基づいて、二つの特徴点を複数の特徴点の中から選択する順序を決定する。選択部508は、決定された順序に基づいて、基準点の位置に対して近い順に特徴点を複数の特徴点の中から順次選択することが可能である。または、選択部508は、決定された順序に基づいて、基準点の位置に対して遠い順に二つの特徴点を複数の特徴点の中から順次選択することが可能である。
【0080】
所定の特徴点を用いる場合、選択部508は、複数の特徴点の夫々の位置関係に基づいて、一つ以上の特徴点を複数の特徴点の中から選択する順序を決定する。選択部508は、決定された順序に基づいて、基準となる特徴点の位置に対して近い順に二つの特徴点を複数の特徴点の中から順次選択することが可能である。または、選択部508は、決定された順序に基づいて、基準となる特徴点の位置に対して遠い順に二つの特徴点を複数の特徴点の中から順次選択することが可能である。
【0081】
また、選択の順序を定める基準として、ランダムな順番を用いてもよく、その場合には、まず特徴点をランダムに並び替えればよい。なお、選択の順序を定める基準として、特徴点のID番号(識別情報)の順番(昇順または降順)を用いてもよく、その場合には並べ替えが不要となる。
【0082】
ここで、選択部508が第1の複数の特徴点の中から二つの第1の特徴点を選択した場合、選択部508は、対応付け情報に基づいて、第1の特徴点に対応する二つの第2の特徴点を第2の複数の特徴点の中から選択する。一方、選択部508が第2の複数の特徴点の中から二つの第2の特徴点を選択した場合、選択部508は、対応付け情報に基づいて、第2の特徴点に対応する二つの第1の特徴点を第1の複数の特徴点の中から選択する。
【0083】
(切断面の算出)
ステップS603において、画像処理装置500の算出部110は、切断面を決定または変更する。S602、S610またはS614から本ステップに遷移した場合、算出部110は第1及び第2の3次元画像データにおいて、指定部106により指定された指定点及び選択部508により選択された二つの特徴点に基づいて定められる切断面を決定する。
【0084】
一方、ステップS612からこの処理ステップに遷移した場合に、算出部110は、先に実行されたステップS603の処理によって算出された切断面に対して、ステップS612で取得した変更パラメータを適用して、新たな切断面を決定する。
【0085】
(断面画像の生成)
ステップS604において、画像処理装置500の生成部112は、指定点と順次選択された特徴点とに基づいて定められる面の断面画像を3次元画像データから順次生成する。表示制御部514は、順次生成された複数の断面画像を並べて表示部180に表示させる。
【0086】
(表示モードの判定)
ステップS605において、画像処理装置500の表示モード選択部516は、表示モードを変更するか否かの判定を行った上で、表示モードがタイル状表示モードであるか否かの判定を行う。まず、ユーザが表示モードを変更したい場合には、表示モードを変更する旨の入力を行う。例えば、表示部180に配置された表示モード変更ボタン(表示モード変更部)をユーザがマウスでクリックするなどして、表示モード変更の判定を入力する。表示モード変更の判定が入力された場合に、表示モード選択部516は、表示モードがタイル状表示モードであればペア表示モードに変更し、逆に表示モードがペア表示モードであればタイル状表示モードに変更する。一方、表示モード変更の判定が入力されなかった場合に、表示モード選択部516は表示モードを変更しない。
【0087】
そして、表示モードがタイル状表示モードである場合には、ステップS606へと処理を進める。一方、表示モードがタイル状表示モードではない(ペア表示モードである)場合には、ステップS608へと処理を進める。
【0088】
(タイル状表示)
ステップS606において、画像処理装置500の表示制御部514は、特徴点の組み合わせ数の断面画像の組(ペア)をタイル状に並べた表示用のデータを作成して(タイリングして)、表示部180に表示させる。表示モード選択部516により、タイル状表示モードが選択されている場合に、表示制御部514は、順次生成された断面画像をまとめて表示部180に表示させる。診断者であるユーザはタイル状に並べられた断面画像を見て、夫々の指定点の位置が病変部(注目病変部と対応病変部)の位置に合っているか否かを確認することができる。タイリング処理の詳細は、
図7に示すフローチャートを用いて後述する。
【0089】
(断面画像の選択)
ステップS607において、画像処理装置500の断面画像選択部518は、タイル状に表示された複数の組の断面画像から注目する一組の断面画像を選択するか否かの判定を行う。断面画像選択部518が一組の断面画像を選択した場合、表示モード選択部516は、表示モードをタイル状表示モードからペア表示モードに切り替え、表示制御部514は、切り替えに従って選択された断面画像の表示を制御する。すなわち、タイル状に表示された複数の組の断面画像を見たユーザが、注目する一組の断面画像を詳細に観察したいと判断した場合には、一組の断面画像を選択する旨の入力を行う。例えば、表示部180にタイル状に表示された断面画像の中の注目する断面画像をマウスでクリックするなどして、選択の判定を入力する。選択の判定が入力された場合には、表示モードはペア表示モードに切り替えられ、選択された一組の断面画像は表示制御部514へと出力され、ステップS608へと処理を進める。一方、選択の判定が入力されなかった場合には、ステップS616へと処理を進める。
【0090】
(特徴点を再選択するか否かの判定)
ステップS609において、画像処理装置500は、特徴点を再選択するか否かの判定を行う。すなわち、ステップS608により表示された断面画像を見たユーザが、別の特徴点を含む断面画像を見たいと判断した場合には、特徴点を再選択する旨の入力を行う。例えば、表示部180に配置された再選択ボタン(再選択部)をユーザがマウスでクリックするなどして、再選択の判定を入力する。再選択の判定が入力された場合には、ステップS610へと処理を進める。一方、特徴点の再選択の判定が入力されなかった場合には、ステップS611へと処理を進める。
【0091】
(特徴点の再選択)
ステップS610において、画像処理装置500の選択部508は、特徴点選択番号Nが特徴点数Mよりも2以上小さい場合にはNに1を足して、それ以外の場合にはNを1に初期化する。そして、N番目とN+1番目の特徴点を選択する。以上によって、画像処理装置500の処理が実施される。
【0092】
(タイリング処理の手順)
図7は、画像処理装置500が行うタイリング処理の手順を示すフローチャートである。以下、画像処理装置500の各部の処理を説明する。
【0093】
(選択番号の初期化)
ステップS700において、画像処理装置500の選択部508は、特徴点選択番号Nを1に初期化する。
【0094】
(特徴点の選択)
ステップS701において、画像処理装置500の選択部508は、特徴点を選択するための基準(ルール)に基づいて(例えば、指定点からの距離が近い順に)並べ替えられている特徴点群の中から、N番目とN+1番目の特徴点を選択する。
【0095】
(切断面の算出)
ステップS702において、画像処理装置500の算出部110は、指定部106により指定された指定点および選択部508により選択された二つの特徴点に基づいて定められる切断面を決定する。
【0096】
(断面画像の生成)
ステップS703において、画像処理装置500の生成部112は、算出部110により決定された切断面により、第1および第2の3次元画像データの断面画像を生成し、表示制御部114へと出力する。
【0097】
(特徴点選択の終了判定)
ステップS704において、画像処理装置500の選択部508は、特徴点の選択を終了するか否かの判定を行う。もし特徴点選択番号Nが特徴点数Mよりも2以上小さい場合には、Nに1を足した上で、ステップS701へと処理を戻す。それ以外の場合に、選択部508は、特徴点選択を終了すると判定し、ステップS705へと処理を進める。
【0098】
(タイル状表示)
ステップS705において、画像処理装置500の表示制御部514は、(M−1)組の断面画像をタイル状に並べた表示用のデータを作成し、これを表示部180に表示させる制御を行う。表示制御部514は、表示の例として、例えば一つの画面の表示領域をタイル状の(M−1)個の部分表示領域に分割して、各部分表示領域に第1および第2の断面画像の組(ペア)を夫々表示することができる。あるいは、表示制御部514は、第1および第2の断面画像を異なる色で描画して重ね合わせた画像をタイル状に表示することが可能であり、第1および第2の断面画像のいずれか一方のみを選択してタイル状の部分表示領域に表示することも可能である。さらに、表示制御部514は、各断面画像上に各種の図形を重ね合わせて表示することができる。以上により、画像処理装置500により実行されるタイリング処理が終了する。
【0099】
本実施形態に係る画像処理装置は、二つの3次元画像データにおける夫々の病変部に対して定めた指定点と順次選択する二つの特徴点とに基づいて定められる切断面の断面画像を生成し表示することができる。これにより、病変部の診断を支援することができる。
【0100】
<第3実施形態>
第1実施形態および第2実施形態では、特徴点を二つ選択する構成を例に説明したが、選択する特徴点の数は二つに限らない。本実施形態では、指定点との位置関係に基づいて一つの特徴点を選択する構成について説明する。以下、本実施形態に係る画像処理装置について、第1実施形態との相違部分について説明する。本実施形態に係る医用画像診断システム(画像処理システム)の構成は、
図1と同様であるが、選択部108および算出部110の処理内容が異なる。
【0101】
選択部108は、指定部106により指定された指定点との位置関係に基づいて一つの特徴点を選択し、算出部110へと出力する。例えば、選択部108は、第1の3次元画像データにおいて、第1の指定点の位置と第1の特徴点の夫々の位置との比較(位置関係)に基づいて、第1の特徴点群の中から一つの特徴点を選択する。例えば、第1の指定点に最も近い特徴点を選択する。また、選択部108は、第2の3次元画像データにおいて、選択された第1の特徴点の対応点を、対応付け情報を用いて第2の特徴点群の中から選択する。そして、算出部110へと出力する。
【0102】
算出部110は、第1および第2の3次元画像データにおいて、指定部106により指定された指定点および選択部108により選択された一つの特徴点に基づいて定められる切断面を算出する。また、算出部110は、変更操作部104が取得した切断面を変更するための変更パラメータに基づいて、第1および第2の3次元画像データのいずれか一方の切断面、または、第1および第2の3次元画像データの双方の切断面を変更する。そして、算出部110は、算出または変更された切断面を生成部112へと出力する。
【0103】
画像処理装置100が行う全体の処理手順は、
図3に示すフローチャートと同様である。ただし、ステップS302、ステップS303、およびステップS307の処理内容が異なる。
【0104】
(特徴点の選択)
ステップS302において、選択部108は、第1の3次元画像データ上における第1の特徴点群の中から一つの特徴点を選択する(第1の選択)。本実施形態では、第1の指定点に最も近い一つの特徴点(例えば、特徴点A)を選択する。また、選択部108は、第2の3次元画像データ上における第2の特徴点群の中から、特徴点の対応付け情報に基づいて、特徴点Aの対応点(例えば、
図2(a)の特徴点A’)を選択する(第2の選択)。なお、第1の選択における特徴点の選択方法は、指定点に最も近い特徴点を選択する方法に限定されるものではなく、第1実施形態のステップS302に記載した様々な方法を用いることができる。
【0105】
(切断面の算出)
ステップS303において、算出部110は、切断面を決定または変更する。S302またはS309から本ステップに遷移した場合に、算出部110は第1および第2の3次元画像データにおいて、指定部106により指定された指定点および選択部108により選択された一つの特徴点に基づいて定められる切断面を決定する。2点(指定点および一つの特徴点)を通る平面は、例えば、以下のようにして算出すればよい。算出部110は、基準座標系(被検体を基準とした空間中の座標系)の基準方向(例えば、重力方向を表すY軸方向)を予め設定しておき、指定点と選択した一つの特徴点とを含み基準方向と直交する法線を有する面を切断面として算出すればよい。
【0106】
一方、ステップS307からこの処理ステップに遷移した場合に、算出部110は、指定部106により指定された指定点および選択部108により選択された一つの特徴点を結ぶ直線を軸とした回転変換を夫々の切断面に施す。
【0107】
(切断面の変更パラメータの取得)
ステップS307において、変更操作部104は、切断面を変更するための変更パラメータを取得する。算出部110は、変更パラメータに基づいて回転角度を変更することにより3次元画像データの切断面を変更することが可能である。変更操作部104は、回転軸の方向ベクトルDと軸周りの回転角度Lを変更パラメータとして取得する。例えば、変更操作部104の変更操作(例えば、マウスのボタンを押下している間のマウスの位置、移動量および移動方向等)に基づき、変更操作部104は、回転軸の方向ベクトルDと回転角度Lを取得する。例えば、変更操作開始(マウスのボタンを押下開始)、移動操作(マウスのボタンを押下しながら移動)、変更操作終了(マウスのボタンを押下を解除)という一連の変更操作部104の操作により、方向ベクトルDを定めることができる。変更操作開始の位置が方向ベクトルDの始点となり、変更操作終了の位置が方向ベクトルDの終点となり、方向ベクトルDを定めることができる。また、変更操作部104は、方向ベクトルDと、指定部106により指定された指定点および選択部108により選択された一つの特徴点を結ぶ直線(回転軸)との成す角度を軸周りの回転角度Lとして取得することができる。
【0108】
なお、ステップS304の断面画像の生成処理において、生成部112は、指定点から一つの特徴点までの距離と向きが第1の断面画像および第2の断面画像で一致するように、一方の断面画像に拡大・縮小・回転変換を施すことが可能である。
【0109】
本実施形態によれば、二つの3次元画像データの夫々の病変部に対して定めた指定点と、該指定点との位置関係に基づいて選択した一つの特徴点を含み、基準方向が揃った切断面による断面画像を生成し表示することができる。
【0110】
<変形例>
第1乃至第3実施形態では、同一の被検体を撮像して得られた二つの異なる3次元画像データを処理の対象とする場合について説明したが、3次元画像データは三つ以上であってもよい。また、それらの3次元画像データは、夫々異なるモダリティによって撮像されたものであってもよいし、一部または全てが同一のモダリティによって撮像されたものであってもよい。本変形例によれば、三つ以上の3次元画像データの病変部を見比べることができるため、病変部のより確実な診断を支援することができる。
【0111】
<第4実施形態>
第1乃至第3実施形態では、同一の被検体を撮像して得られた二つの異なる3次元画像データを処理の対象とする場合を例に述べたが、3次元画像データの数は二つに限らない。本実施形態では、3次元画像データが一つの場合、すなわち第1の3次元画像データのみを取得して用いる場合について説明する。以下、本実施形態に係る画像処理装置について、第1実施形態との相違部分について説明する。
【0112】
本実施形態に係る医用画像診断システム(画像処理システム)の構成は、
図1と同様である。ただし、医用画像撮像装置のうちの一方は使用しない。本実施形態では、第1医用画像撮像装置150(第1撮像部)を使用して、第2医用画像撮像装置160(第2撮像部)を使用しない構成例を説明する。使用する医用画像撮像装置は、この例に限らず、第2医用画像撮像装置160を使用し、第1医用画像撮像装置150を使用しない構成とすることも可能である。
【0113】
また、画像処理装置を構成する各部の処理内容も異なるものとなる。以下、具体的に各部の処理内容を説明する。
【0114】
データサーバ170(保持部)は、MRI装置によって被検体を予め撮像して得られた断層画像群を、第1の3次元画像データとして保持する。また、3次元画像データ中における特徴点群の3次元座標値も保持する。ただし、特徴点のID番号(識別情報)は不要となる。すなわち、夫々の特徴点は、基準座標系の3次元空間におけるX,Y,Zの3つの位置成分(3次元位置情報)によって表されているものとする。
【0115】
取得部102は、画像処理装置100へと入力される第1の3次元画像データおよび特徴点群の3次元座標値を取得し、取得した情報を選択部108および生成部112へと出力する。
【0116】
変更操作部104は、ユーザによるマウスやキーボードの操作の入力を受け付け、受け付けた入力に従って第1の3次元画像データの切断面を変更するための変更パラメータを取得し、取得した変更パラメータを算出部110へと出力する。
【0117】
指定部106は、例えば、ユーザの指示に従って、第1の3次元画像データ中における病変部(注目病変部)と思われる部位の中心位置を、第1の指定点として指定し、基準座標系における第1の指定点の位置として取得することが可能である。指定部106は、取得した第1の指定点の位置を選択部108および算出部110へと出力する。
【0118】
選択部108は、第1の3次元画像データにおいて、第1の指定点の位置と第1の特徴点の夫々の位置との比較による位置関係に基づいて、第1の特徴点群の中から二つの特徴点を選択し、算出部110へと出力する。
【0119】
算出部110では、第1の3次元画像データにおいて、指定部106により指定された指定点および選択部108により選択された二つの特徴点に基づいて定められる切断面を算出する。また、算出部110は、変更操作部104が取得した切断面を変更するための変更パラメータに基づいて、第1の3次元画像データの切断面を変更する。そして、算出部110は算出または変更された切断面を生成部112へと出力する。
【0120】
生成部112は、算出部110にて算出または変更された切断面によって、第1の3次元画像データから2次元の断面画像を切り出して、表示制御部114へと出力する。
【0121】
表示制御部114は、生成された断面画像を表示部180に表示させる表示制御を行う。ユーザは、表示制御部114により表示された断面画像を確認し、3次元画像データにおいて指定した指定点の位置が合っていると判断した場合には、不図示のUIを介して指示を画像処理装置へ入力する。この指示が入力された場合には、その指定点の位置は画像処理装置100内の不図示の記憶部に格納され、指定点の指定処理を完了する。
【0122】
画像処理装置100が行う全体の処理手順は、
図3に示すフローチャートと同様である。ただし、各ステップの処理内容が異なるものとなる。以下、具体的な処理内容を説明する。
【0123】
(データの取得)
ステップS300において、取得部102は、第1の3次元画像データ(腹臥位の乳房のMRI画像)および特徴点群の3次元座標値を取得する。
【0124】
(指定点の指定)
ステップS301において、指定部106の処理として、第1の3次元画像データ中における第1の指定点の位置を定める。
【0125】
(特徴点の選択)
ステップS302において、選択部108は、第1の3次元画像データの特徴点群の中から、指定点に最も近い特徴点(特徴点A)と2番目に近い特徴点(特徴点B)を選択する。なお、特徴点の選択方法はこれに限定されるものではなく、第1実施形態のステップS302に記載した第1の選択と同様に様々な方法を用いることができる。
【0126】
(切断面の算出)
ステップS303において、算出部110は、切断面を決定または変更する。S302またはS309からこの処理ステップに遷移した場合には、算出部110は、第1の3次元画像データにおいて、指定部106により指定された指定点および選択部108により選択された二つの特徴点に基づいて定められる切断面を決定する。
【0127】
一方、ステップS307からこの処理ステップに遷移した場合に、算出部110は、先に実行されたステップS303の処理によって算出された切断面に対して、ステップS307で取得した変更パラメータを適用して、新たな切断面を決定する。
【0128】
(断面画像の生成)
ステップS304において、生成部112は、算出部110により決定または変更された切断面により、第1の3次元画像データの断面画像を生成する。
【0129】
(断面画像の表示)
ステップS305において、表示制御部114は、断面画像を表示部180に表示させる。診断者であるユーザは断面画像を見て、指定点の位置が病変部の位置に合っているか否かを確認することができる。なお、表示制御部114は、断面画像上に各種の図形を重ね合わせて表示することも可能である。
【0130】
(切断面の変更)
ステップS306において、画像処理装置100は、第1の3次元画像データの切断面を変更して更に確認を続けるか否かの判定を行う。例えば、表示部180に配置された切断面変更ボタン(切断面変更部)をユーザがマウスでクリックするなどして、変更の判定を入力する。変更の判定が入力された場合には、ステップS307へと処理を進める。一方、変更の判定が入力されなかった場合には、ステップS308へと処理を進める。
【0131】
(切断面の変更パラメータの取得)
ステップS307において、変更操作部104は、第1の3次元画像データの切断面を変更するための変更パラメータを取得し、ステップS303へと処理を戻す。変更パラメータとしては、二つの特徴点を結ぶ直線を軸とした軸周りの回転角度Lを取得する。このパラメータの取得は変更操作部104を構成するマウスの操作により行うことができる。例えば、変更操作部104の変更操作(例えば、マウスのボタンを押下している間のマウスの位置、移動量および移動方向等)に基づき、変更操作部104は回転角度Lを取得する。回転角度Lの取得の詳細は第1実施形態で説明したとおりである。
【0132】
(指定点を再指定するか否かの判定)
ステップS308において、画像処理装置100は、第1の3次元画像データの指定点を再指定するか否かの判定を行う。ステップS305により表示された断面画像を見たユーザが、指定点が対応していないと判断した場合には、指定点を再指定する旨の入力を行う。再指定の判定が入力された場合には、ステップS309へと処理を進める。一方、再指定の判定が入力されなかった場合には、ステップS310へと処理を進める。
【0133】
(指定点の再指定)
ステップS309において、画像処理装置100の指定部106は、指定点の再指定が指示された場合に、ステップS301で指定された指定点とは異なる指定点を3次元画像データにおいて指定する。指定部106は、第1または第2の3次元画像データの指定点の位置を異なる指定点の位置に再指定して、ステップS303へと処理を戻し、画像処理装置100の各部は、ステップS303以降について同様の処理を行う。ユーザは、第1の断面画像を観察して、指定点が示す病変部と特徴点が示す周辺部の見え方等の類似度を多面的に評価しながら、注目病変部または対応病変部の位置をより正確に指定し直すことができる。
【0134】
(指定処理の終了判定)
ステップS310において、画像処理装置100は、第1の3次元画像データの指定点の指定処理を終了するか否かの判定を行う。例えば、表示部180に配置された終了ボタンをユーザがマウスでクリックするなどして、終了の判定を入力する。指定処理を終了すると判定した場合には、ステップS311へと処理を進める。一方、終了しないと判定した場合には、ステップS305へと処理を戻し、画像処理装置100の各部は、ステップS305以降について同様の処理を行う。ここで、切断面の変更の入力または指定点の再指定の入力がない場合には、終了の入力があるまで断面画像が表示された状態で待機状態となり、入力を受け付ける。
【0135】
(指定点の出力)
ステップS311において、画像処理装置100は、指定点の位置を、不図示の記憶部に格納する。さらに、表示制御部114は表示部180に対して指定点の情報を出力し、表示部180にその情報を表示させる。
【0136】
本実施形態によれば、一つの3次元画像データの病変部に対して定めた指定点と、該指定点との位置関係に基づいて選択した二つの特徴点を含む断面画像を生成し表示することができる。これにより、病変部の診断を支援することができる。
【0137】
以上、各実施形態を詳述したが、本発明は、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、画像処理装置の機能を分散させることで複数の機器から構成されるシステムに本発明を適用してもよいし、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0138】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。