特許第6433274号(P6433274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6433274ローラ支持装置、およびこれを用いたカートリッジ、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6433274
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】ローラ支持装置、およびこれを用いたカートリッジ、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20181126BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   G03G15/02 101
   G03G15/00 551
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-247851(P2014-247851)
(22)【出願日】2014年12月8日
(65)【公開番号】特開2016-109898(P2016-109898A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086818
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】福井 悠一
【審査官】 中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−207185(JP,A)
【文献】 特開2003−84543(JP,A)
【文献】 特開2003−131543(JP,A)
【文献】 特開平9−43939(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0177407(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に用いられるローラ支持装置であって、
円筒状の軸部を備えるローラと、
前記軸部の周面に対向する第1の面と、前記ローラの回転軸線方向において前記軸部の端面と対向する第2の面と、を有し、前記ローラを回転可能に支持する軸受部材と、
を備え、
前記第1の面は、前記周面に向かって突出し前記周面と接触して前記軸部を支持する第1支持部と第2支持部を有し、前記第1支持部と前記第2支持部は、前記回転軸線方向から見たときに前記第1支持部と前記第2支持部のそれぞれと前記軸部の中心とを結ぶ2つの線分の成す角が180度以内になるように、互いに間隔をあけて配置され、
前記第1の面は、さらに前記回転軸線方向において前記第1支持部と隣り合う領域であって前記第1支持部と前記第2の面の間の領域に設けられた第1開口部と、前記回転軸線方向において前記第2支持部と隣り合う領域であって前記第2支持部と前記第2の面の間の領域に設けられ且つ前記第1開口部と独立した第2開口部と、を有し、
前記第2の面は、前記回転軸線方向に見たときに前記第1開口部とオーバーラップする領域に前記第1開口部と連通するように設けられた第3開口部と、前記回転軸線方向に見たときに前記第2開口部とオーバーラップする領域に前記第2開口部と連通するように設けられた第4開口部と、を有することを特徴とするローラ支持装置
【請求項2】
前記軸受部材を前記回転軸線方向に交差する方向に加圧する加圧部材を有することを特徴とする請求項1に記載のローラ支持装置
【請求項3】
前記加圧部材は圧縮バネであることを特徴とする請求項2に記載のローラ支持装置
【請求項4】
前記第1支持部及び前記第2支持部いずれも前記回転軸線方向に沿って延び前記第1支持部及び前記第2支持部は前記回転軸線方向において互いにオーバーラップしていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のローラ支持装置
【請求項5】
前記第1支持部と前記第2支持部は、前記回転軸線方向において前記加圧部材によって加圧されている前記軸受部材の領域とオーバーラップする領域に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載のローラ支持装置
【請求項6】
前記第2の面は、前記ローラの前記回転軸線方向の移動前記端面と接触することによって規制する規制面であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか項に記載のローラ支持装置
【請求項7】
前記軸受部材は導電樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか項に記載のローラ支持装置
【請求項8】
前記ローラは帯電部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のローラ支持装置。
【請求項9】
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
回転可能な像担持体と、
請求項1乃至のいずれか項に記載のローラ支持装置と、
を有し、
前記ローラが前記像担持体に作用することができるように構成されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項10】
像担持体と、
請求項1乃至のいずれか項に記載のローラ支持装置と、
を有し
前記ローラが前記像担持体に作用することができるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記第2の面は、前記回転軸線方向に見たときに前記軸部の中心にオーバーラップする領域にスリットを設けることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電部材を有し、該帯電部材を感光体等の被帯電体に接触させてこれを帯電させる帯電装置、およびこれを用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。ここで、画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスなどを用いて記録媒体に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置およびワードプロセッサ等が含まれる。
【0002】
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体ドラムなどの像担持体を少なくとも備える、更には像担持体と、像担持体に作用するプロセス手段とを一体的に備えるカートリッジである。このようなプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。
【背景技術】
【0003】
従来、画像形成装置において、像担持体としての感光体ドラムの表面を帯電するための装置として、コロナ放電器が使用されている。これは、感光体ドラムに対向するワイヤ電極とワイヤ電極を囲むシールド電極とを備え、これらに適宜な電圧を印加することにより感光体ドラムを帯電する。しかしながら、このようなコロナ放電器を用いた場合、以下のような問題を生じる。
【0004】
(1)ワイヤ電極に印加する電圧が4kV〜8kVといった高電圧になる、(2)ワイヤ電極からシールド電極へほとんどの電流が流れるため帯電効率が低い、(3)コロナ放電により、オゾンが発生する。また、(4)放電ワイヤ電極の汚れにより、放電ムラが発生する。
【0005】
このような問題を解決する帯電装置として、帯電部材を感光体ドラムに直接接触させて帯電するいわゆる接触帯電装置が知られている。そして、接触帯電装置の一般的な構成として、枠体に回転可能に支持される感光体ドラムに、帯電部材として芯金と導通性弾性部材からなる帯電ローラを加圧接触する構成が知られている。帯電ローラの芯金は両端部でそれぞれ帯電ローラ軸受に支持され、帯電ローラ軸受はバネによって感光体ドラムに付勢されることで、帯電ローラは感光体ドラムに加圧接触する。
【0006】
具体的には、装置本体に設置される電源から、帯電ローラ軸受を介してバイアス電圧が印加された帯電ローラが感光体ドラムに対し従動回転することで、感光体ドラムの表面が帯電される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−303263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の接触帯電装置では、以下のような問題が発生する場合があった。すなわち、帯電ローラの芯金が帯電ローラ軸受に支持され、感光体ドラムに対し従動回転するとき、帯電ローラの芯金と帯電ローラ軸受との摺動部で摺動性が不安定になり、スティックスリップが発生し、摺動部から異音が発生する懸念があった。特に帯電ローラの回転スピードが速い場合や、寿命が長い場合においてである。
【0010】
本発明の目的は、帯電ローラと軸受部材の摺動性を向上させ、摺動による異音の発生を抑え、帯電ローラの回転と導通を安定させることができるローラ支持装置、およびこれを用いたカートリッジ、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るローラ支持装置は、画像形成装置に用いられるローラ支持装置であって、円筒状の軸部を備えるローラと、前記軸部の周面に対向する第1の面と、前記ローラの回転軸線方向において前記軸部の端面と対向する第2の面と、を有し、前記ローラを回転可能に支持する軸受部材と、を備え、前記第1の面は、前記周面に向かって突出し前記周面と接触して前記軸部を支持する第1支持部と第2支持部を有し、前記第1支持部と前記第2支持部は、前記回転軸線方向から見たときに前記第1支持部と前記第2支持部のそれぞれと前記軸部の中心とを結ぶ2つの線分の成す角が180度以内になるように、互いに間隔をあけて配置され、前記第1の面は、さらに前記回転軸線方向において前記第1支持部と隣り合う領域であって前記第1支持部と前記第2の面の間の領域に設けられた第1開口部と、前記回転軸線方向において前記第2支持部と隣り合う領域であって前記第2支持部と前記第2の面の間の領域に設けられ且つ前記第1開口部と独立した第2開口部と、を有し、前記第2の面は、前記回転軸線方向に見たときに前記第1開口部とオーバーラップする領域に前記第1開口部と連通するように設けられた第3開口部と、前記回転軸線方向に見たときに前記第2開口部とオーバーラップする領域に前記第2開口部と連通するように設けられた第4開口部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るカートリッジ、画像形成装置は、上記ローラ支持装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、帯電ローラと軸受部材の摺動性を向上させ、摺動による異音の発生を抑え、帯電ローラの回転と導通を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る帯電装置における帯電ローラ軸受の断面図である。
図2】第1の実施形態に係る帯電装置を搭載した画像形成装置の断面図である。
図3】第1の実施形態に係る帯電装置を搭載したプロセスカートリッジの主断面図である。
図4】第1の実施形態に係る帯電装置を搭載したプロセスカートリッジの斜視図である。
図5】第1の実施形態に係る帯電装置の部分斜視図である。
図6】第1の実施形態に係る帯電装置の帯電ローラ軸受の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
《第1の実施形態》
以下、本発明の実施形態に係る帯電装置、これを用いるプロセスカートリッジ及びこのプロセスカートリッジを用いる画像形成装置について図面を用いて説明する。
【0015】
(画像形成装置)
本発明の実施形態に係る帯電装置、これを用いるプロセスカートリッジ及びこのプロセスカートリッジを用いる画像形成装置は、本実施形態に係る帯電装置を内装したプロセスカートリッジを着脱自在に装着したレーザビームプリンタである。なお、以下に説明する実施形態では、画像形成装置の一態様としてレーザビームプリンタを例示するが、本発明がこれに限定されるものではない。本発明は、例えば、複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置にも適用することができる。
【0016】
画像形成装置1について、図2の断面概略図を用いて説明する。この画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、外部ホスト装置300から制御回路部(制御手段:制御部)100に入力する画像情報(電気的画像信号)に基づいて記録媒体Sにカラー画像形成を行う。外部ホスト装置300はパソコン、イメージリーダ、ファクシミリ、ネットワーク等である。
【0017】
画像形成装置1は、画像形成プロセスに寄与するプロセスカートリッジが取り外し可能に装着された状態で記録媒体に画像を形成するカートリッジ方式である。本実施形態の画像形成装置1は、4つのプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)を装置本体2に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。
【0018】
ここで、画像形成装置1に関して、装置開閉ドア3を設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置1を正面から見て一端側(右側)を駆動側、他端側(左側)を非駆動側と称す。
【0019】
装置本体2の内部には、第1のプロセスカートリッジPY、第2のプロセスカートリッジPM、第3のカートリッジプロセスPC、第4のプロセスカートリッジPKの4つのプロセスカートリッジPが水平方向に配置されている。各プロセスカートリッジPは、それぞれ同様の電子写真プロセス機構を有しており、収容している現像剤(以下、トナーと称す)の色が各々異なるものである。
【0020】
各プロセスカートリッジPには、装置本体2の駆動出力部(不図示)から回転駆動力が伝達される。また、各プロセスカートリッジPには装置本体2のバイアス出力部(不図示)からバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される。
【0021】
各プロセスカートリッジPは一体型であり、帯電装置50と感光体ドラム4を備えるクリーニングユニット8と現像手段としての現像剤担持体6(以下、現像ローラと称す)とトナーを収容する現像装置9とを有する(詳細は後述する)。
【0022】
第1のプロセスカートリッジPYは、イエロー(Y)色、第2のプロセスカートリッジPMは、マゼンタ(M)色第3のプロセスカートリッジPCは、シアン(C)色のトナー第4のプロセスカートリッジPKは、ブラック(K)色のトナーを収容している。そして、現像剤像(トナー像)を担持する像担持体としての感光体ドラム4の表面にそれぞれの色のトナー像を形成する。
【0023】
上記4つのプロセスカートリッジPの上方には、露光装置(露光手段)としてのレーザスキャナユニットLBが設けられている。このレーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザ光Zを出力する。そして、レーザ光Zは、感光体ドラム4の表面を走査露光する。また、上記4つのプロセスカートリッジPの下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット11が設けられている。この中間転写ベルトユニット11は、駆動ローラ13、ターンローラ14、テンションローラ15を有し、可撓性を有する無端状(エンドレス)の転写ベルト12が掛け渡されている。
【0024】
各プロセスカートリッジPの感光体ドラム4は、その下面が転写ベルト12の上面に接している。その接触部が一次転写部である。転写ベルト12の内側には、感光体ドラム4に対向させて1次転写ローラ16が設けられている。ターンローラ14には、転写ベルト12を介して2次転写ローラ17が当接している。転写ベルト12と2次転写ローラ17の接触部が2次転写部である。
【0025】
中間転写ベルトユニット11の下方には、給送ユニット18が設けられている。この給送ユニット18は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ19と給紙ローラ20を有する。図2における装置本体2の内部の左上方(背面側上方)には、定着ユニット21と排出ユニット22が設けられている。装置本体2の上面は排出トレイ23とされる。記録媒体Sは、前記定着ユニット21に設けられた定着手段により未定着のトナー像が固着像として定着されて画像形成物として前記排出トレイ23へ排出される。給送ユニット18から排出ユニット22までの記録媒体搬送経路が、記録媒体を搬送する搬送手段である。
【0026】
(画像形成動作)
フルカラー画像を形成するための動作は、次の通りである。各カートリッジPの感光体ドラム4が、所定の速度で回転駆動される(図2において矢印D方向)。転写ベルト12も、感光体ドラム4の回転に順方向(図2における矢印C方向)に感光体ドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザスキャナユニットLBも駆動される。
【0027】
レーザスキャナユニットLBの駆動に同期して、各プロセスカートリッジPにおいて帯電装置50が感光体ドラム4の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。レーザスキャナユニットLBは、各感光体ドラム4の表面を対応する色の画像信号に応じてレーザ光Zで走査露光する。これにより、各感光体ドラム4の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。静電潜像は、所定の速度で回転駆動(図3において矢印E方向)される現像ローラ6によりトナー像として現像される。
【0028】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、感光体ドラム4にはトナー像が形成される。そのトナー像が転写ベルト12上に一次転写される。このようにして、転写ベルト12上に、Y色、M色、C色、K色の4色フルカラーの未定着の重畳転写トナー像が形成される。
【0029】
一方、給送ユニット18から、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体Sは、所定の制御タイミングで2次転写ローラ17と転写ベルト12との当接部である2次転写部に導入される。これにより、記録媒体Sが2次転写部で挟持搬送されていく過程で、転写ベルト12上の4色重畳のトナー像が記録媒体Sの面に順次に一括して2次転写される。そして、トナー像の2次転写を受けた記録媒体Sは定着ユニット21に導入されて定着処理を受け、フルカラー画像形成物として排出トレイ23へ排出される。
【0030】
(プロセスカートリッジ)
次に、プロセスカートリッジPの構成について説明する。各プロセスカートリッジPは、それぞれ同様の電子写真プロセス機構を有しており、収容しているトナーの色が各々異なるものである。図3はプロセスカートリッジPの断面概略図、図4は非駆動側から見たプロセスカートリッジPの斜視図である。プロセスカートリッジPは、感光体ドラム4の回転軸方向を長手方向とする横長の形状であり、クリーニングユニット8と、現像装置9とを有する。
【0031】
1)クリーニングユニット
図3図4を用いて、クリーニングユニット8について説明する。クリーニングユニット8は、被帯電体としての像担持体である感光体ドラム4と、帯電装置50、クリーニングブレード7、廃トナーを収容するクリーニング枠体29と駆動側サイドカバー28、非駆動側サイドカバー27により構成される。
【0032】
感光体ドラム4は、駆動側サイドカバー28と非駆動側サイドカバー27によって回転可能に支持されている。そして、感光体ドラム4は駆動側で装置本体2の駆動出力部(不図示)から駆動力を得て回転駆動される(図3における矢印D方向)。感光体ドラム4の表面は帯電装置50から帯電バイアスの供給を受けて帯電し、装置本体2からのレーザ光Zで露光されることで静電潜像が形成される。帯電装置の詳細は後述する。
【0033】
クリーニングブレード7はクリーニング枠体29に固定されており、先端の弾性ゴム部を感光体ドラム4の回転方向(図3における矢印D方向)に対してカウンター方向に当接させて設けている。画像形成時には、感光体ドラム4上に残留した転写残トナーを掻きとって感光体ドラム4の表面をクリーニングする。このとき、転写残トナーを十分に掻き取るために、クリーニングブレード7の先端は感光体ドラム4の表面に対して所定の圧をもって当接している。
【0034】
また、クリーニングブレード7によって感光体ドラム4の表面から掻き取られた転写残トナーは、廃トナーとしてクリーニング枠体29の廃トナー収容部29cに収容される。そのため、クリーニング枠体29には、感光体ドラム4やクリーニングブレード7との隙間からの廃トナーの漏れ出しを防止するための廃トナー回収シート部材44を感光ドラム4の長手方向に固定している。また、クリーニングブレー7ドの長手方向両端部にクリーニングブレード端部シール部材(不図示)が設けられている。
【0035】
2)現像装置
図3図4を用いて、現像装置9の構成を説明する。現像手段としての現像ローラ6の他に、現像枠体26、現像ブレード31、現像剤供給ローラ33、可撓性シート部材35、などによって構成される。現像ローラ6および現像剤供給ローラ33は現像枠体26の開口部に配置され、現像ローラ6および現像剤供給ローラ33の両端部はそれぞれ現像枠体26の両側面に取り付けられ回転自在に支持されている。
【0036】
また、現像ローラ6と現像剤供給ローラ33はそれぞれ装置本体2から駆動力が伝達され、現像ローラ6と現像剤供給ローラ33が所定の速度で回転駆動される(図3における矢印E方向と矢印G方向)。
【0037】
現像ブレード31は、厚み0.1mm程度の弾性を有する金属薄板であり、現像ブレード31は支持板金32に支持され、支持板金32が現像枠体26に対して取り付けられている。現像ブレード31と支持板金32とで、現像ブレードユニット30を成している。現像ブレード31の短手方向の自由端は、現像ローラ6の回転方向(図3における矢印E方向)に対してカウンター方向に当接している。現像ブレード31と、現像枠体26との隙間に現像ブレード下シール36が配置され、トナー漏れを防止している。
【0038】
また、可撓性シート部材35は、現像枠体26の開口部における現像ブレード31と対向する側の長手方向側面に現像ローラ6と当接するように配置され、現像枠体26と現像ローラ6との隙間からのトナー漏れを防止している。
【0039】
現像装置9は、駆動側カバー部材24と非駆動側カバー部材25の間に、軸W1により揺動可能に支持されている。即ち、クリーニングユニット8と現像装置9は、軸W1により互いに結合されている。そして、現像装置9は、自由状態において、現像ローラ6がクリーニングユニット8側の感光体ドラム4に対して所定の押圧力で当接するように、付勢部材(不図示)により軸W1を中心に回動付勢されている。
【0040】
画像形成時には、駆動により現像剤供給ローラ33と現像ローラ6とが回転して摺擦することで、現像剤収容室26c内のトナーが現像ローラ6上に担持される。現像ブレード31は、現像ローラ6の周面に形成されるトナー層の厚みを規制すると共に、当接圧により現像ローラ6との間で摩擦帯電による電荷をトナーに付与する。そして、現像ローラ6と感光体ドラム4の接触部で現像ローラ6上の電荷を帯びたトナーが感光体ドラム4上の静電潜像に付着し、潜像が現像される。
【0041】
3)帯電装置
次に、帯電装置50の詳細について、図5を用いて説明する。図5(a)は非駆動側を拡大した帯電装置50の部分斜視図である。図5(b)は駆動側を拡大した帯電装置50の部分斜視図である。帯電装置50は、帯電ローラ5、軸受部材である帯電ローラ軸受として非駆動側帯電ローラ軸受51、駆動側帯電ローラ軸受52、加圧部材として非駆動側加圧部材53、駆動側加圧部材54、電極55から成る。
【0042】
帯電ローラ5は軸部としての芯金5aと、芯金5a上に形成される導電性の弾性層5bから成る。これにより、帯電ローラ5と芯金5aとは偏心のほぼ無い関係(略同芯)となっている。そして、帯電ローラ5は、芯金5aの両端部がそれぞれ非駆動側帯電ローラ軸受51、駆動側帯電ローラ軸受52によって回転可能に支持される。
【0043】
非駆動側帯電ローラ軸受51、駆動側帯電ローラ軸受52にはそれぞれ非駆動側加圧部材53、駆動側加圧部材54が取付けられている。非駆動側加圧部材53、駆動側加圧部材54は圧縮バネで構成され、非駆動側加圧部材53はクリーニング枠体29に固定される電極55の座面55aに着座し、駆動側加圧部材54はクリーニング枠体29の座面29cに着座する。
【0044】
非駆動側帯電ローラ軸受51、駆動側帯電ローラ軸受52は、クリーニング枠体29に設けられたガイド面29bと係合することで、図中矢印F方向に付勢される。このように、帯電ローラ5が感光ドラム4に付勢されることで、弾性層5bは感光ドラム4に対して加圧接触する。なお、帯電ローラ5は、感光ドラム4の回転によって従動回転する。
【0045】
帯電ローラ5の芯金5aは金属で構成され、弾性層5bはカーボン等を分散させたウレタンゴム等で構成され導電性を有している。また、非駆動側帯電ローラ軸受51は導電性の材料(例えば導電樹脂)で構成され、非駆動側加圧部材53は金属で構成され導電性を有している。さらに、電極55は導電樹脂もしくは金属で構成され、導電性を有している。電極55が導電樹脂で構成される場合、電極55は樹脂材料のクリーニング枠体29に一体成型することでクリーニング枠体29に固定される。
【0046】
電極55が金属で構成される場合、電極55はクリーニング枠体29に熱かしめ等で固定される。電極55は、非駆動側加圧部材53が着座する座面55aと装置本体2の本体電極(不図示)と接触する接触面55bを有する。接触面55bは、クリーニング枠体29の長手方向外側(図5(a)中矢印H方向)に配置され、図4に示すように、プロセスカートリッジPの組立て完了状態で、非駆動側サイドカバー27の開口27aから露出する。
【0047】
プロセスカートリッジPが装置本体2に装着されると、装置本体2に設けられた本体電極(不図示)と電極55の接触面55bが接触し、電圧が印加される。そして、帯電ローラ5の弾性層5bの表面は、電極55、非駆動側加圧部材53、非駆動側帯電ローラ軸受51を介して電圧が印加される。帯電ローラ5は弾性層5bを感光体ドラム4の表面に加圧接触し従動回転することで、感光体ドラム4表面を一様に帯電する。
【0048】
(非駆動側帯電ローラ軸受51の詳細構成)
次に、非駆動側帯電ローラ軸受51について、図6図1を用いて説明する。図6は非駆動側帯電ローラ軸受51の斜視図である。図1(a)は非駆動側帯電ローラ軸受51の帯電ローラ5の軸中心で切った断面図である。図1(b)は非駆動側帯電ローラ軸受51の非駆動側加圧部材53軸中心で切った断面図である。また、仮想線により帯電ローラ5、感光体ドラム4を表している。
【0049】
図1(b)に示すように、非駆動側帯電ローラ軸受51は、内側に帯電ローラ5の芯金5aと接触する2箇所の凸形状の支持部51a、支持部51bを有する。支持部51a、支持部51bは、軸部である芯金5aの軸方向から見て、感光体ドラム4の中心と帯電ローラ5の中心を結ぶ中心線D2に対して、略対称に配置される。
【0050】
より具体的には、軸方向に交差する断面において円周方向で180度より小さい角度範囲内に、複数の円弧状凸部51a、51bが形成されている。そして、支持部51a、支持部51bは共に、帯電ローラ5の中心を通り、中心線D2に対して垂直な水平線D1に対して、感光体ドラム4とは反対側に配置されている。
【0051】
支持部51a、支持部51bは、芯金5aの軸方向から見て円弧状の凸形状(円弧状凸部)として形成され、支持部51aは円弧上の点Lで芯金5aと接触し、支持部51bは円弧上の点Jで芯金5aと接触する。
【0052】
上述したように、非駆動側帯電ローラ軸受51は非駆動側加圧部材53から矢印F方向に力を受けるので、非駆動側帯電ローラ軸受51に支持される帯電ローラ5の弾性層5bは感光体ドラム4に点Kで加圧接触する。つまり、帯電ローラ5は、支持部51aと芯金5aとが接触する点L、支持部51bと芯金5aとが接触する点Jと、弾性層5bと感光体ドラム4とが接触する点Kの三か所で支持され位置が決まる。
【0053】
このように、帯電ローラ5を円弧状の凸形状の支持部51a、支持部51bと芯金5aとを接触させ支持することにより、接触部の面積が減り、摺動抵抗を小さくでき摺動性を安定させることができる。また、非駆動側帯電ローラ軸受51と芯金5aとが2箇所で接触しているため、接触部に成型時の不良による異物や、組み立て時に混入する異物があっても、どちらか1箇所が接触していれば導通が行われ、導通不良を起こす可能性を大幅に低減することができる。
【0054】
さらに、図1(a)に示すように、支持部51aは芯金5aの軸方向において、芯金5aの端面5cよりも内側(図1(a)中矢印M方向)に、芯金5aの軸線W1と略平行に直線状に伸びて配置されている。支持部51aの内端51fは、芯金5aの軸方向において、非駆動側加圧部材53の中心線である軸線N1よりも内側(図1(a)中矢印M方向)にある。また、支持部51aの外端51gは、軸線N1よりも外側(図1(a)中矢印Q方向)で、軸線N1と芯金5aの端面5cとの間にある。また、支持部51bも同様に配置される。
【0055】
このように、支持部51aと支持部51bを帯電ローラ5の長手方向(軸方向)において、端面5cよりも内側に配置することで、支持部51aと支持部51bは端面5cと円筒部5dの境のエッジ部5eを避けて円筒部5dのみと接触し、芯金5aを支持する。
【0056】
エッジ部5eは、芯金5aの加工時に発生するバリが残ったり、加工後の表面状態が円筒部5dと異なるため、もし支持部51a、支持部51bと接触すると摺動抵抗が上がり、スティックスリップが発生し易くなる。本実施形態では、このエッジ部5eを避けて円筒部5dのみで芯金5a支持することができ、摺動抵抗が安定し、スティックスリップの発生を防止することができる。
【0057】
また、支持部51a、支持部51bの内端と外端を非駆動側加圧部材53の軸線N1に対して、両側に直線状に伸びるように配置することで、非駆動側加圧部材53の加圧力Fを均等に受けることができる。よって、非駆動側帯電ローラ軸受51の姿勢が傾くことなく、安定して芯金5aを加圧することができる。
【0058】
さらに、非駆動側帯電ローラ軸受51は、芯金5aの端面5cと空隙を介して対向する規制面51cを有する。即ち、規制面51cと端面5cとの間には隙間Sが空いて、帯電ローラ5bが回転するとき、端面5cと規制面51cは接触しないので、帯電ローラ5bの回転に影響しない。規制面51cは、プロセスカートリッジPの物流時の衝撃で、帯電ローラ5が長手方向(軸方向)である図1(a)の矢印Q方向に移動(変位)した場合に、端面5cと当接し、帯電ローラ5の位置を規制する。
【0059】
また、規制面51cには、支持部51a、支持部51bの円弧状凸部(円弧状凸形状)と略同芯で半径の大きい円弧を有する穴51d、穴51eが設けられる。つまり、穴51d、穴51eは、長手方向(深さ方向)に見て、支持部51aと芯金5aの接触部L、支持部51bと芯金5aとの接触部Jとそれぞれオーバーラップする(穴領域が接触部L、Jを含む)。
【0060】
このように、規制面51cに穴51d、穴51eを設けることで、支持部51a、支持部51bが芯金5aと摺動することにより発生する摩擦熱を放熱することができ、支持部51a、支持部51bの削れを抑制し、摺動性を良好に保つことができる。
【0061】
なお、図1(b)で、芯金5aの軸方向から見て円弧状の凸形状(円弧状凸部)として形成される支持部51、51は、芯金5aのF方向への過剰な移動(変位)を規制する規制部として機能している。
【0062】
(本実施形態の効果)
以上のように、本構成は、感光体ドラム4と従動回転する帯電ローラ5を非駆動側帯電ローラ軸受52で摺動性を安定した状態で支持することができる。これにより、導電グリス等を用いてコストをかけることなく、摺動部でスティックスリップの発生を防止することができ、摺動音の発生を防止することができる。また、安定して導通を取ることができ、画像不良のない安定した画像を提供することができる。
【0063】
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。因みに、本実施形態に記載されている構成部品の機能、材質、形状その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0064】
例えば、上述した実施形態では、帯電装置が、画像形成装置の装置本体に挿入可能なプロセスカートリッジ内に設けられたが、プロセスカートリッジを用いない画像形成装置の装置本体内に設けられるものでも良い。
【符号の説明】
【0065】
5・・帯電ローラ、5a・・芯金、51・・非駆動側帯電ローラ軸受、51a、51b・・支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6