(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非導電性及び透磁性の被覆が、ポリマー、前記ポリマーと導電性繊維の組み合わせ、又は前記ポリマーと導電性粒子の組み合わせのうちの少なくとも1つで形成される、請求項2に記載の第1の電子デバイス。
前記第1の磁気要素と前記誘導電力伝送の受信コイルとの間に配置された前記シールドの前記部分が、前記シールドと前記第1の磁気要素との間の隙間を画定する、請求項4に記載の第1の電子デバイス。
前記シールドが、非導電性材料、軟磁性材料、強磁性材料、セラミック材料、結晶性材料、又は鉄コバルトのうちの少なくとも1つで形成される、請求項4に記載の第1の電子デバイス。
前記第2の磁気要素又は前記誘導電力伝送の受信コイルのうちの少なくとも一方が、前記誘導電力伝送の受信コイルにより前記第2の磁気要素に生じる渦電流を減らすように構成されるか、あるいは、
前記第1の磁気要素又は前記誘導電力伝送の送信コイルのうちの少なくとも一方が、前記誘導電力伝送の送信コイルにより前記第1の磁気要素に生じる渦電流を減らすように構成されるか、のうちの少なくとも一方である、請求項10に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、本開示の各種の要素を具現化するサンプルシステム、方法、及び装置を含む。しかし、記述される開示は、本明細書に記述される形態に加えて、各種の形態で実践され得ることを理解されたい。
【0014】
本開示は、誘導電力伝送における磁気遮蔽のためのシステム及び方法を含む。幾つかの実施形態では、第1の電子デバイスが整列位置で第2の電子デバイスと結合又は接続される。第1の電子デバイスは、両方が第1の接続面に隣接して配置される、誘導電力伝送の受信コイル及び第1の磁気要素を含み得る。同様に、第2の電子デバイスは、両方が第2の接続面に隣接して配置される、誘導電力伝送の送信コイル及び第2の磁気要素を含み得る。整列位置では、第1及び第2の電子デバイスは、(永久磁石であり得る)第1及び第2の磁気要素により結合又は接続され得、誘導電力伝送の送信コイルは、誘導電力伝送の受信コイルに電力を送信するように構成され得る。第1及び/又は第2の磁気要素、及び/又は誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルは、誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルにより第1及び/又は第2の磁気要素に生じる渦電流を最小化する又は減らすように構成され得る。このようにして、磁気接続機構は、誘導電力伝送を損なわず、及び/又は過剰な熱を生じさせずに利用され得る。
【0015】
第1及び/又は第2の磁気要素、及び/又は誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルは、1つ以上の各種の異なる方法で、誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルにより第1及び/又は第2の磁気要素に生じる渦電流を最小化する又は減らすように構成され得る。幾つかの実施では、誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルは、整列位置で誘導結合され得る。各種の実施では、第1及び/又は第2の磁気要素、及び/又は誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルの位置は、第1及び/又は第2の磁気要素に生じる渦電流を最小化する又は減らすように離間され得る。1つ以上の実施では、第1及び/又は第2の接続面は、1つ以上の非導電性材料で形成され得る。
【0016】
幾つかの実施では、第1及び/又は第2の磁気要素は、1つ以上の被覆で覆われ得る。このような被覆は、ポリウレタン又は他のタイプのプラスチックを含むポリマーなど、1つ以上の非導電性及び/又は透磁性の材料で形成され得る。被覆は、ポリマーと導電性繊維若しくは粒子との組み合わせ、他の非導電性材料と導電性繊維若しくは粒子との組み合わせ、及び/又はそのような他の非導電性及び/又は透磁性の材料を含み得る。
【0017】
同様に、第1及び/又は第2の磁気要素は、1つ以上のシールド要素により少なくとも部分的に覆われ得る。このようなシールド要素は、1つ以上の非導電性材料、軟磁性材料、強磁性材料、セラミック材料、結晶性材料、鉄コバルト、及び/又はそのような他の材料で形成され得る。幾つかの場合、シールド要素は、第1及び/又は第2の磁気要素、並びに誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルの間にそれぞれ少なくとも部分的に配置され得る。誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルにそれぞれ面する、第1及び/又は第2の磁気要素の表面と、それらの間に配置されたシールド要素の部分との間には、1つ以上の隙間が配置され得る。このようなシールド要素は、第1及び/又は第2の磁気要素の磁界をそれぞれの接続面に方向付け得る。幾つかの場合、シールド要素は、非導電性被覆により少なくとも部分的に覆われ得る。
【0018】
誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルは、1つ以上のシールド要素により少なくとも部分的に覆われ得る。このようなシールド要素は、1つ以上の結晶性材料、セラミック材料、軟磁性材料、強磁性材料、鉄シリコン、及び/又はそのような他の材料で形成され得、並びに/あるいは、誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルのためのファラデーケージとして機能し得る。このようなシールド要素は、誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルと、第1及び/又は第2の磁気要素との間にそれぞれ少なくとも部分的に配置され得る。
【0019】
各種の場合、第1及び/又は第2の磁気要素は、誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルの中央にそれぞれ配置され得、並びに/あるいは誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルの中央を通って走る軸線に沿って配置され得る。
【0020】
他の実施形態では、電子デバイスが、誘導電力送信システムに関与するように作用可能である誘導コイルと、ハウジング又は他のエンクロージャと、1つ以上の磁界方向付け材料と、を含み得る。磁界方向付け材料は、誘導電力送信システムの磁束をハウジングの一部分から遮断し得、磁束の流れを形作る。このようにして、誘導電力送信システムの損失効率が改善され得、及び/又はハウジングの温度上昇が防がれ及び/又は和らげられ得る。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「横方向磁力」は、デバイスの一方若しくは両方を横方向で又はX方向若しくはY方向で互いに対して移動させる磁力を意味するために使用され得る。幾つかの場合、横方向磁力は、デバイス間のせん断力又は横方向力に対する抵抗を意味し得る。幾つかの場合、幾らかのZ方向(高さ)の動きが、特に隣接面が湾曲している場合に、隣接面同士の互いに対する整列の副次効果として起き得る。横方向磁力については、
図1〜
図3に関して以下でより十分に議論される。本明細書で使用されるとき、「横断方向磁力」は、横断方向又はZ方向でデバイスを互い引き付け合う磁力を意味し、2つのデバイスをセンタリングし整列するとともに、2つのデバイスの分離又は隙間の拡大に抵抗するように作用し得る。横断方向磁力については、
図1〜
図3に関して以下でより十分に議論される。本明細書で議論されるとき、横方向磁力及び横断方向磁力は、同じ単一磁界の成分であり得る。両方は、磁気要素の位置に基づいて変化し得る。
【0022】
図1は、誘導電力伝送における磁気遮蔽のためのシステムを例示する正面等角図である。システム100は、第1の電子デバイス101及び第2の電子デバイス102を含み得る。
図1は、第1の電子デバイス101を特定の形状のコードレス電子デバイスとして例示し、第2の電子デバイス102をコードレス電子デバイス用のドックとして例示するが、それが単なる例であることが理解される。各種の実施では、第1の電子デバイス101又は第2の電子デバイス102のいずれかは、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、携帯電話、デジタルメディアプレーヤ、充電及び/又は1つ以上の外部部品への電子デバイスの接続を目的として別の電子デバイスに接続するドック、及び/又はそのような任意の他の電子デバイスなどの、任意の種類の電子デバイスであり得る。
【0023】
図1に例示されるように、第1の電子デバイス101は、第2の電子デバイス102の第2の接続面104に接触するように作用可能である第1の接続面103を含む。よって、第1及び第2の電子デバイス101、102は、少なくとも横方向199及び横断方向198の相対方向で互いに対して位置付け可能であり得る。
【0024】
図2は、
図1のシステム100の、
図1の断面A−Aに沿う断面図であり、整列位置にある接続可能な第1及び第2の電子デバイス101及び102を例示する。
図3は、
図2のシステムを例示し、可能な1つの接触位置にある接続可能な第1及び第2の電子デバイス101及び102を示す。第1及び第2の接続面103及び104は、任意の数の異なる箇所で接触し得る。よって、任意の数の異なる接触位置が可能であり得、
図3はその例である。しかし、接続可能な第1及び第2の電子デバイス101及び102は、
図2に例示される単一の整列位置を有してもよく、そこでは、第1の磁気要素105が第2の磁気要素111と接続し、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113b(単一コイルの複数の断面部分)が誘導電力伝送の受信コイル107a及び107b(単一コイルの複数の断面部分)と整列する。整列位置では、第1及び第2の電子デバイス101及び102は、誘導電力伝送システムに関与し得、そこでは、第2の電子デバイス102は、第1の電子デバイス101に電力を誘導送信することにより第1の電子デバイス101のための充電ドックとして機能し、その電力を第1の電子デバイス101が電源110に貯蔵する。
図4は、
図2のシステムの、
図2の断面B−Bに沿う側断面図である。
【0025】
図2に例示されるように、第1の電子デバイス101は、1つ以上の第1の磁気要素105(永久磁石であり得、シールド要素106を含み得る)、誘導電力伝送の受信コイル107a及び107b(シールド要素140a及び140bをそれぞれ含む、単一コイルの複数の断面部分)、処理ユニット108、1つ以上の非一時的な記憶媒体109(非限定的に、磁気記憶媒体、光記憶媒体、光磁気記憶媒体、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能プログラマブルメモリ、フラッシュメモリその他の形態をとり得る)、及び/又は1つ以上の電源110(1つ以上のバッテリなど)を含み得る。処理ユニット108は、受信部品を利用する1つ以上の受信動作、通信動作、計算動作、記憶動作、入力/出力動作、時間動作、充電動作その他などの、第1の電子デバイスの1つ以上の動作を実施するために、非一時的な記憶媒体109に記憶された1つ以上の命令を実行し得る。
【0026】
同様に、第2の電子デバイス102は、1つ以上の第2の磁気要素111(永久磁石であり得、シールド要素112を含み得る)、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113b(シールド要素141a及び141bをそれぞれ含む、単一コイルの複数の断面部分)、処理ユニット114、1つ以上の非一時的な記憶媒体115、及び/又は1つ以上の電源116(1つ以上の交流電源若しくは直流電源など)を含み得る。処理ユニット114は、送信部品を利用する1つ以上の送信動作、計算動作、記憶動作その他などの、第2の電子デバイスの1つ以上の動作を実施するために、非一時的な記憶媒体115に記憶された1つ以上の命令を実行し得る。
【0027】
第1及び第2の電子デバイス101及び102が(
図3に示されるような)可能な接触位置の1つに置かれると、第1及び第2の磁気要素105及び111の間の横方向199の磁力が、電子デバイスを整列位置(
図2に示される)の状態にし得、そこでは、第1及び第2の磁気要素の間の横断方向198の磁力が2つのデバイスを接続させ得る。整列位置では、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113bは、誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bに電力を誘導送信するように構成され得る。
【0028】
図2に例示されるように、第1の磁気要素105は、誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bの中央に、又は中央を通って走る軸線(この例示的な実施では横断方向198に相当する)に沿って配置され得る。同様に、第2の磁気要素111は、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113bの中央に、又は中央を通って走る軸線(この例示的な実施では横断方向198に相当する)に沿って配置され得る。
【0029】
磁気要素などの導電性材料が誘導電力伝送システムの送信コイル及び受信コイルの誘導場内に配置されると、導電性材料に渦電流が形成され得る。このような渦電流は、受信コイルにより受信される電流を小さくし、よって誘導電力伝送システムの効率を低くし得る。このような渦電流は、導電性材料の不要な加熱も生じさせ得る。よって、第1及び/又は第2の磁気要素、及び/又は誘導電力伝送の送信及び/又は受信コイルは、誘導電力伝送の送信及び/又は受信コイルにより第1及び/又は第2の磁気要素に生じる渦電流を最小化する又は減らすように構成され得る。
【0030】
第1及び/又は第2の磁気要素(105、111)、及び/又は誘導電力伝送の送信及び/又は受信コイル(113a〜b、107a〜b)は、各種の異なる方法で渦電流を最小化する又は減らすように構成され得る。例示されるように、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113b、並びに誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bは、整列位置で誘導結合され得る。誘導電力伝送システムの送信及び受信コイルは、互いに対してセンタリングされ、送信コイルにより発生した誘導電流場(inductive current field)の主要部内に受信コイルがあるように十分に隣接すると、誘導結合され得る。これによって、より多くの誘導電流場は、他の導電性材料に影響を及ぼすために利用可能となることによって送信効率を低くし、より多くの熱を発生させるのとは反対に、受信コイルに影響を及ぼし、送信効率を高くし、より少ない熱を発生させる。よって、コイル同士の密な結合によって、そうでなければ磁気要素の1つ以上で生じたであろう渦電流を減らし得る。
【0031】
図2にも例示されるように、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113b、誘導電力伝送の受信コイル107a及び107b、並びに第1及び第2の磁気要素105及び111は、第1及び/又は第2の磁気要素での渦電流の形成を最小化するために互いに対して離間され得る。いずれかの磁気要素をいずれかのコイルの直に隣接して配置するなど近付けすぎることによって、渦電流が形成され得る。しかし、例示されるように離間させることによって、そうでなければ磁気要素とコイルとの接近により形成され得る渦電流を減らし得る。
【0032】
各種の実施では、第1及び/又は第2の接続面103及び104は、1つ以上の非導電性材料で形成され得る。これによって、接続面での渦電流の形成を防ぎ得、更に送信効率を高くし、熱の発生を減らし得る。
【0033】
幾つかの実施では、第1及び第2の磁気要素105及び111は、それぞれシールド要素106及び112を含み得る。各磁気要素は、少なくとも2つの側面により接合される前面及び後面を有し得、前面は、それぞれの接続面に面する。それぞれのシールド要素は、後面及び2つの側面を少なくとも部分的に覆い得る。それぞれのシールド要素と少なくとも2つの側面との間には、隙間117又は118が存在し得る。
【0034】
このようなシールド要素は、1つ以上の非導電性材料、軟磁性材料、強磁性材料、セラミック材料、結晶性材料、鉄コバルト、及び/又はそのような他の材料で形成され得る。幾つかの場合、軟磁性材料は、内部に浮遊する鉄系金属繊維又は粒子を含む非導電性セラミック材料など、導電性であり得る。繊維又は粒子が非導電性材料により分離されるため、鉄系金属繊維又は粒子の存在がこの組み合わせを軟磁性材料にし得る場合でさえ、組み合わせ自体は非導電性であり得る。各種の場合、導電性材料、非導電性材料、又はそれらの組み合わせで形成されるかどうかに拘らず、このようなシールド要素は、以下で更に詳細に議論される被覆などの非導電性被覆で少なくとも部分的に覆われ得る。
【0035】
シールド要素106又は112は、第1又は第2の磁石105及び111と、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113bあるいは誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bとの間にそれぞれ少なくとも部分的に配置され得る。隙間117又は118は、それぞれの磁気要素の表面と、それぞれのコイルとの間に配置され得る。
【0036】
シールド要素106又は112は、強磁性材料、軟磁性材料、又は、容易に磁性となる可能性を示す鉄コバルトなどの他の材料で形成され得、磁気要素の磁界を接続面の方向に方向付け得る。このような磁界の方向は、他の方法で可能であるよりも小さな磁気要素の使用を可能にし得、第1及び/又は第2の磁気要素105及び111の磁界が、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113bと誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bとの間の誘導電流場と干渉する(よって磁気要素内に渦電流を生じさせる)ことを防ぎ得る。
【0037】
遮蔽要素106及び112が単一の連続構造を有するものとして例示されるが、それが例であることが理解される。幾つかの場合、遮蔽要素の1つ以上は、シールドの材料中に1つ以上の「切欠き」又は断続的な切れ目を有するように形成され得る。このような切欠きは、このようなシールドの部分による導電性を中断し得、高い透過量を可能にしながら更に渦電流の形成を最小化し得る。
【0038】
図5Aは、第1の電子デバイス101及びシールド要素106から取り外された、
図2の第1の磁気要素105の磁界120Aを例示する。対比として、
図5Bは、第1の電子デバイスから取り外された、
図2のシールド要素を含む第1の磁気要素の磁界120Aを例示する。
図5Aと
図5Bの比較により分かるように、シールド要素を含むことによって、磁界120Aを第1の接続面(
図2〜
図4の部品103)に向けて方向付け得る。
【0039】
図5A及び
図5Bは、1つのサンプル方向で循環するものとして磁界120Aを例示するが、それが例であることが理解される。他の実施形態では、磁界120Aは、本開示の範囲から逸脱せずに反転され得る。
【0040】
各種の実施では、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113b、あるいは誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bは、それぞれシールド要素140a及び140bあるいは141a及び141bを含み得る。各コイルは、少なくとも2つの集合的な側面により接合される集合的な前面及び集合的な後面を有し得、集合的な前面は、それぞれの接続面に面する。それぞれのシールド要素は、集合的な後面及び集合的な2つの側面を少なくとも部分的に覆い得る。
【0041】
例示されるように、シールド要素140a及び140bあるいは141a及び141bは、それぞれ誘導電力伝送の送信コイル113a及び113b、あるいは誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bと、第1又は第2の磁気要素105及び111との間に少なくとも部分的に配置され得る。これらのシールド要素は、電磁放射を遮断するファラデーケージとして機能し得る。よって、これらのシールド要素は、磁気要素の1つ以上を誘導電力伝送の送信コイルと誘導電力伝送の受信コイルとの間の誘導電流場から遮断し得、よって、そうでなければ磁気要素に生じ得る渦電流を減らす。このようなシールド要素は、1つ以上の結晶性材料、セラミック材料、軟磁性材料、強磁性材料、鉄シリコン、及び/又はそのような他の材料で形成され得る。
【0042】
遮蔽要素140a及び140bあるいは141a及び141bが単一の連続構造を有するものとして例示されるが、それが例であることが理解される。幾つかの場合、遮蔽要素の1つ以上は、シールドの材料中に1つ以上の「切欠き」又は断続的な切れ目を有するように形成され得る。このような切欠きは、このようなシールドの部分による導電性を中断し得、高い透過量を可能にしながら更に渦電流の形成を最小化し得る。
【0043】
幾つかの実施では、第1及び/又は第2の磁気要素105及び111のうちの1つ以上は、1つ以上の非導電性被覆で少なくとも部分的に覆われ得る。
図7は、このような非導電性被覆131及び132を含む例示的な実施を例示する。このような非導電性被覆は、そうでなければ誘導電力伝送の送信コイル113a及び113b、あるいは誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bにより第1及び/又は第2の磁気要素に生じ得る渦電流を減らし得る。
【0044】
このような被覆は、ポリウレタン、プラスチック、ポリウレタン及び/又はプラスチックと導電性繊維若しくは粒子との組み合わせ、他の非導電性材料と導電性繊維若しくは粒子との組み合わせ、及び/又はそのような他の非導電性及び/又は透磁性材料などの、1つ以上の非導電性及び/又は透磁性材料で形成され得る。例えば、鉄系金属繊維又は粒子が非導電性材料と組み合わされる場合、非導電性材料による鉄系繊維又は粒子の分離によって、鉄系金属繊維又は粒子の存在が組み合わせを透磁性にする場合でさえ、組み合わせを非導電性にし得る。
【0045】
図2に戻ると、誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bが第1の電子デバイス101の上面に概ね平行であるものとして示され、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113bが、第1及び第2の接続面103及び104と面一に整列されないように第2の電子デバイス102の下面に概ね平行であるものとして示されるが、それが例であることが理解される。他の実施では、本開示の範囲から逸脱せずに、誘導電力伝送の受信コイル107a及び107bが第1の接続面と面一であり得、誘導電力伝送の送信コイル113a及び113bが第2の接続面と面一であり得る。このような実施では、誘導電力伝送の受信コイル107a及び107b、並びに誘導電力伝送の送信コイル113a及び113bは、第1の電子デバイスの上面及び/又は第2の電子デバイスの下面に対して傾斜し得る。
【0046】
図6は、誘導電力伝送における磁気遮蔽のための方法600を例示する方法図である。この方法は、例えば
図1のシステムにより実施され得る。フローは、ブロック601にて始まり得、そこでは、第1の電子デバイスの誘導電力伝送の受信コイル及び第1の磁気要素が、第1の電子デバイスの接続面に隣接して配置され得る。フローは、次いでブロック602に進み得、そこでは、誘導電力伝送の受信コイル及び第1の磁気要素は、誘導電力伝送の受信コイルにより第1の磁気要素に生じる渦電流を最小化する又は減らすように構成され得る。
【0047】
ブロック603にて、第1の電子デバイスは、第1の磁気要素及び第2の電子デバイスの第2の磁気要素を利用して、第2の電子デバイスに結合又は接続され得る。フローは、次いでブロック604に進み得、そこでは、誘導電力伝送の受信コイルを利用して、電力が第2の電子デバイスの誘導電力伝送の送信コイルから誘導受信され得る。
【0048】
方法600が、特定の順序で実施される特定の動作を含むとして例示及び上述されるが、それが例であることが理解される。各種の実施では、同じ、同様及び/又は異なる動作の各種の構成が、本開示の範囲から逸脱せずに実施され得る。
【0049】
例えば、ブロック602は、誘導電力伝送の受信コイルにより第1の磁気要素に生じる渦電流を最小化する又は減らすように、誘導電力伝送の受信コイル及び第1の磁気要素を構成するとして示され上述される。しかし、幾つかの実施では、誘導電力伝送の受信コイル又は第1の磁気要素のいずれかが、そのように構成され得る。更に、各種の実施では、誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイル、及び/又は第1及び/又は第2の磁気要素は、本開示の範囲から逸脱せずに、コイルのいずれかにより生じる、いずれかの磁気要素内に生じる渦電流を最小化する又は減らすように構成され得る。
【0050】
次に
図8を参照すると、誘導電力伝送の送信コイル(例えば、
図2〜
図4の113a及び113b)及び誘導電力伝送の受信コイル(例えば、
図2〜
図4の107a及び107b)とともに利用され得る、周波数制御される例示的な誘導充電システム800の簡略化されたブロック図が示される。誘導充電システム800は、コントローラ804及び直流コンバータ806に動作的に接続されたクロック回路802を含む。クロック回路802は、誘導充電システム800のためのタイミング信号を発生させることができる。
【0051】
コントローラ804は、直流コンバータ806の状態を制御し得る。一実施形態では、クロック回路802は、直流コンバータ806内のスイッチを1サイクルベースで作動及び停止させるためにコントローラ804により使用される周期信号を発生させる。誘導充電システム800では、任意の適当な直流コンバータ806を使用することができる。例えば、一実施形態では、直流コンバータ806内でHブリッジが使用され得る。Hブリッジは、当該分野で知られているので、本明細書ではHブリッジの動作の概要のみが記述される。
【0052】
コントローラ804は、4つのスイッチS1、S2、S3、S4(例示されない)の開閉を制御する。スイッチS1及びS4が所与の期間にわたって閉じられ、スイッチS2及びS3が開かれると、正極から負荷を通って負極に電流が流れ得る。同様に、スイッチS2及びS3が所与の別の期間にわたって閉じられる一方、スイッチS1及びS4が開かれると、負極から正極に電流が流れ得る。スイッチのこの開閉によって、同じ負荷を通る電流の方向を繰り返し反転させることにより時間変動する電流が作り出される。代替的な実施形態では、Hブリッジが必要とされない場合もある。例えば、直流コンバータ806からの電流の流れを単一のスイッチが制御し得る。このようにして、直流コンバータ806は、矩形波発生器として機能し得る。
【0053】
直流コンバータ806により作り出された時変信号又は矩形波信号は、変圧器808に入力され得る。典型的に、上で参照したテザー充電システムに使用されるような変圧器は、二次コイルに結合された一次コイルを含み、各コイルが共通コアの周りに巻き付けられる。しかし、本明細書に記述されるような誘導充電システムは、空隙により分離された一次及び二次コイルと、各コイルをそれぞれ収容する複数のハウジングと、を含む。よって、例示されるように、変圧器808は、必ずしも1つの物理的な要素でなくてもよく、代わりに、一次コイル810(
図2のシステム100の送信部品113a及び113bであり得る)及び二次コイル812(
図2のシステム100の受信部品107a及び107bであり得る)などの、誘導的に近接する2つの電磁コイル間の関係及びインタフェースを意味し得る。
【0054】
送信器、及び誘導電力伝送システムの二次コイル812との送信器の相互作用の簡略化された説明を前述した。送信器は、二次コイル812内に電圧を誘導するために、時間変動する電圧を一次コイル810に提供するように構成され得る。交流及び矩形波の両方が例として指摘されたが、他の波形が企図されることが理解され得る。このような場合、コントローラ804は、直流コンバータ806の複数の状態を制御し得る。例えば、コントローラ804は、電圧、電流、デューティサイクル、波形、周波数、又はそれらの任意の組み合わせを制御し得る。
【0055】
コントローラ804は、電力送信回路の動作効率を高めるために、一次コイル810に適用される波形の各種の特性を周期的に修正し得る。例えば、幾つかの場合、コントローラ804は、二次コイル812が誘導的に一次コイル810に近接していないと判定した場合に、一次コイル810への全ての電力を停止させ得る。この判定は、任意の数の適当な方法で達成され得る。例えば、コントローラ804は、一次コイル810上の誘導負荷を検出するように構成され得る。誘導負荷が一定の選択閾値を下回る場合、コントローラ804は、二次コイル812が誘導的に一次コイル810に近接していないと結論付け得る。このような場合、コントローラ804は、一次コイル810への全ての電力を停止させ得る。
【0056】
他の場合、コントローラ804は、変圧器808の共振周波数に又はその近くにデューティサイクルを設定し得る。別の例では、デューティサイクルの作動状態を規定する波形(すなわちハイ)の周期は、変圧器808の共振周波数で又はその近くで選択され得る。このような選択によって一次コイル810と二次コイル812の間の電力伝送効率が高まり得ることが理解され得る。
【0057】
代替的な例では、コントローラ804は、誘導負荷のスパイクが検知された場合に一次コイル810への全ての電力を停止させ得る。例えば、一定の選択閾値を上回る特定のレートで誘導負荷がスパイクを示した場合、コントローラ804は、誘導的に一次コイル810に近接する中間物体が置かれていると結論付け得る。このような場合、コントローラ804は、一次コイル810への全ての電力を停止させ得る。
【0058】
また更なる例では、コントローラ804は、一次コイル810に適用される波形の他の特性を修正し得る。例えば、受信器回路が追加の電力を必要とする場合、コントローラ804は、一次コイル810に適用される波形のデューティサイクルを増加させ得る。関連する例では、受信器回路がより少ない電力を必要とする場合、コントローラ804は、一次コイル810に適用される波形のデューティサイクルを減少させ得る。これらの例のそれぞれでは、一次コイル810に適用される時間平均電力が修正され得る。
【0059】
別の例では、コントローラ804は、一次コイル810に適用される波形の大きさを修正するように構成され得る。このような例では、受信器回路が追加の電力を必要とする場合、コントローラ804は、一次コイル810に適用される波形の最大電圧を増幅させ得る。関連する場合では、波形の最大電圧は、受信器回路がより少ない電力を必要とする場合に減少され得る。
【0060】
図8に関して、上述したように、誘導電力伝送システムの送信器部分は、一次コイル810と二次コイル812の間の誘導結合を通じて受信器内の二次コイル812内に電圧を誘導するために、時変信号を一次コイル810に提供するように構成され得る。このようにして、一次コイル810の時変信号により変化する磁束の形成によって、一次コイル810から二次コイル812に電力が伝送され得る。
【0061】
二次コイル812に作り出された時変信号は、時変信号をDC信号に変換する直流コンバータ814により受信され得る。誘導充電システム800では、任意の適当な直流コンバータ814を使用することができる。例えば、一実施形態では、直流コンバータとして整流器が使用され得る。DC信号は、次いでプログラム可能な負荷816により受信され得る。
【0062】
幾つかの実施形態では、受信器の直流コンバータ814はハーフブリッジであり得る。このような例では、二次コイル812は、より多くの巻線を有し得る。例えば、幾つかの実施形態では、二次コイルは、2倍の巻線を有し得る。この方法において、理解され得るように、二次コイル812にわたる誘導電圧は、ハーフブリッジ整流器により効果的に半減され得る。幾つかの場合、この構成は、実質的により少ない電子部品を必要とし得る。例えば、ハーフブリッジ整流器は、全波ブリッジ整流器の半分のトランジスタを必要とし得る。より少ない電子部品の結果として、抵抗損失が大幅に小さくなり得る。
【0063】
他の幾つかの実施形態では、受信器は、送信器内に存在する磁化インダクタンスを調整除去するための回路も含み得る。当該分野で知られているように、磁化インダクタンスは、不完全に結合されたコイルにより形成された変圧器内で損失を生じさせ得る。他の漏洩インダクタンスのうち、この磁化インダクタンスによって、送信器の効率が大幅に低下し得る。磁化インダクタンスが一次及び二次コイルの間の結合の関数であり得、送信器自体の内部で必ずしも完全には補償され得ないことが更に理解され得る。これにより、本明細書で議論される幾つかの実施形態では、受信器内に調整回路が含まれ得る。例えば、幾つかの実施形態では、プログラム可能な負荷816と並列にコンデンサが配置され得る。
【0064】
また更なる例では、上で参照したサンプル修正形態の組み合わせがコントローラにより成され得る。例えば、コントローラ804は、デューティサイクルを減少させることに加えて電圧を2倍にし得る。別の例では、コントローラは、デューティサイクルを時間とともに減少させながら電圧を時間とともに増加させ得る。本明細書では任意の数の適当な組み合わせが企図されることが理解され得る。
【0065】
他の実施形態は、複数の一次コイル810を含んでもよい。例えば、2つの一次コイルが存在する場合、それぞれが単独で又は同時に作動されたり使用されたりし得る。このような実施形態では、個々のコイルは、それぞれコントローラ804に結合され得る。更なる例では、幾つかの個々の一次コイル810の1つが選択的にショートされ得る。例えば、スイッチがオフのときに電流が誘導子を通って流れ得るように、コイルと並列にスイッチが配置され得る。一方、スイッチがオンのときには、電流はコイルを通じて流れない。スイッチは、手動、ソリッドステート、又はリレーベースのスイッチのうちの任意の適当なタイプであり得る。このようにして、幾つかのコイルのそれぞれを通る電流の増加量は、選択的に制御され得る。例えば、誘導負荷が高い状況では、スイッチは、一次コイル810を伴う回路内にそのコイルを含むように切断され得る。
【0066】
図9は、別の実施形態による誘導電力送信システム900の簡略化された等角図であり、図では、多数の部品が明確性のために省略されている。例示されるように、第1の電子デバイス901が、第2の電子デバイス902から誘導送信された電力を受信するように動作可能であり得、第1の電子デバイスは、1つ以上のバッテリ(示されていない)に電力を貯蔵し得る。第1の電子デバイスはハウジング903を含み得、第2の電子デバイスはハウジング904を含み得る。
【0067】
第1の電子デバイス901はスマートフォンとして例示され、第2の電子デバイス902はスマートフォン用の充電ドックとして例示される。しかし、これが例であることが理解される。各種の実施では、第1及び/又は第2の電子デバイスは、任意の種類の電子デバイスであり得る。更に、第1の電子デバイス901が第2の電子デバイス902から誘導送信された電力を受信するものとして記述されるが、それが例であり、本開示の範囲から逸脱しない他の送信構成が利用され得ることが理解される。
【0068】
図10Aは、
図9の誘導電力送信システム900の第1の実施の、
図9の断面C−Cに沿う側断面図である。例示されるように、第1の電子デバイス901は、誘導受信コイル907及び整列磁石905を含み得る。また例示されるように、第2の電子デバイス902は、誘導送信コイル908及び整列磁石906を含み得る。整列磁石905及び906は、誘導電力送信のために誘導送信及び誘導受信コイルの整列を助け、また送信中にコイルの整列を保つように作用可能であり得る。
【0069】
例示されるように、誘導電力送信中に、磁束1001aが誘導送信及び受信コイル907及び908により発生し、それらのコイルを通って流れ得る。このような磁束1001は、ハウジング903及び/又はハウジング904と相互作用し得る。この相互作用によって、ハウジング903内及び/又はハウジング904内に渦電流が形成され得る。このような渦電流は、誘導電力送信の効率損失を生じさせ得、及び/又はハウジング903及び/又はハウジング904の1つ以上の部分の温度を上昇させ得る。
【0070】
図10Bは、
図9の誘導電力送信システム900の第2の実施の、
図9の断面C−Cに沿う側断面図である。
図10Aと対比するために、誘導受信コイル907とハウジング903の間及び/又は誘導送信コイル908とハウジング904の間には、1つ以上の磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bあるいはシールドが配置され得る。これらの磁界方向付け材料は、それぞれのハウジングの部分から磁束1001bを遮断し又は方向付け得る。
【0071】
例示されるように、磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bは、それぞれのハウジング903及び904の側部から磁束を遮断するように磁束1001bを形作り得る。これによって、磁束とハウジングの側部分との間の相互作用が減り、それにより側部分での渦電流の形成、誘導電力送信の効率損失、及び/又は側部分での温度の上昇を減らし又は防ぎ得る。
【0072】
各種の実施では、磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bは、反磁性材料で形成され得る。反磁性材料は、外部から加えられる磁界とは反対の磁界を形成し、よって反発効果を生じさせる材料である。このような反磁性材料は、グラファイト、ビスマス、グラフェン、熱分解炭素その他を含み得る。
【0073】
各種の実施では、磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bは、超電導材料で形成され得る。超電導材料は、特性臨界温度よりも低く冷却されると、電気抵抗が0となり磁界を放出する材料である。このような超電導材料は、ランタン系灰チタン石材料、イットリウムバリウム酸化銅、ランタン酸化フッ素鉄ヒ素その他を含み得る。
【0074】
磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bが、グラファイトなど熱伝導性の比較的高い材料で形成される実施などの各種の実施では、磁界方向付け材料は、ヒートスプレッダとして作用し得る。このような実施では、磁界方向付け材料は、誘導電力送信により発生した熱及び/又は他の熱発生源からの熱(電力消費部品、太陽光負荷その他により発生した熱など)を放散させ得る。
【0075】
更に、磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bがヒートスプレッダとして作用する実施では、磁界方向付け材料は、それらの熱放散特性を最適化するように構成され得る。一般に、磁界方向付け材料が特定の期間中に放散できる熱の量は、磁界方向付け材料の表面積、磁界方向付け材料の厚さ、及び/又はそのような他の要因に関連付けられ得る。
【0076】
例えば、幾つかの例では、磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bは、厚さ(
図10Bでは水平に示される)に対して長さ(
図10Bでは垂直に示される)及び/又は幅(断面図である
図10Bには示されない)を大きくするように構成され得、もって、磁界方向付け材料は、ハウジング903及び/又は904から磁束1001bを可能な限り遮断しながら、熱放散を増加させ、熱放散に必要とされる時間を減らすために、材料の量に対して大きな表面積を有するようになっている。
【0077】
別の例として、磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bは、材料の長さ及び幅により占める表面積を超えて磁界方向付け材料の表面積を大きくするために、フィン又は延長部などの1つ以上の突起を形成し得る。このような突起は、磁束1001bからシールドされるハウジング903及び/又は904を変更せずに、そのような構造を伴わない実施形態よりも、磁界方向付け材料がより多くの熱をより短い時間で放散することを可能にし得る。
【0078】
例示されるように、磁界方向付け材料909a、909bは、誘導受信コイル907の1つ以上の表面と、ハウジング903の1つ以上の内部部分との間に配置され得る。同様に例示されるように、磁界方向付け材料910a及び910bは、誘導送信コイル908の1つ以上の表面と、ハウジング904の1つ以上の内部部分との間に配置され得る。しかし、これが例であることが理解される。各種の実施では、磁界方向付け材料は、誘導コイルとハウジング内部部分の間に配置され得、ハウジング内に位置し得、及び/又は1つ以上のハウジング外面に位置し得る。
【0079】
幾つかの実施では、ハウジング903及び/又は904自体が、磁界方向付け材料(反磁性材料及び/又は超電導材料など)で形成され得る。代わりに、各種の実施では、ハウジングは、常磁性材料、磁界方向付け材料と常磁性材料(外部から加えられる磁界により引き付けられる材料)、導電性材料、及び/又は任意の他の材料との組み合わせで形成され得る。
【0080】
例示されるように、磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bは、両方のハウジング903及び904の両方の内側面に配置され得る。しかし、これが例であることが理解される。各種の実施では、本開示の範囲から逸脱せずに、任意の数又は量の磁界方向付け材料が様々に配置され得る。
【0081】
例えば、幾つかの実施では、第1の電子デバイス901は磁界方向付け材料909a及び909bを含み得、磁界方向付け材料910a及び910bは第2の電子デバイス902から省略され得る。別の例として、各種の実施では、第1の電子デバイスは、磁界方向付け材料909bを含むが、磁界方向付け材料909aを省略し得、第2の電子デバイスは、磁界方向付け材料910bを含むが、磁界方向付け材料910aを省略し得る。別の例として、磁界方向付け材料は、第1及び/又は第2の電子デバイス901及び902の一方の側面/領域のみに、ハウジング903及び/又は904の上部内面に、などに、含まれ得る。各種の構成が可能であり企図される。
【0082】
また別の例として、幾つかの実施では、第1の電子デバイス901及び/又は第2の電子デバイス902は、磁界方向付け材料909a、909b、910a、及び910bに加えて磁界方向付け材料を含んでもよい。この例の幾つかの場合、追加の磁界方向付け材料は、ハウジング903及び/又は904の内部及び/又は1つ以上の外面上に配置され得る。
【0083】
また別の例では、各種の実施では、磁界方向付け材料は、本開示の範囲から逸脱せずに、誘導受信コイル907及び/又は誘導送信コイル908の全面を囲むように配置され得る。例えば、
図10Cは、
図9の誘導電力送信システム900の第3の実施の、
図9の断面C−Cに沿う側断面図である。
【0084】
この実施では、磁界方向付け材料909cは、誘導送信コイル908に向かう磁路に面する面を除いて誘導受信コイル907の全面を囲み得る。同様に、磁界方向付け材料910cは、誘導受信コイルに向かう磁路に面する面を除いて誘導送信コイルの全面を囲み得る。よって、磁界方向付け材料909c及び910cは、誘導電力送信の磁路内にないハウジング903及び904の全面から磁束1001cを遮断するように磁束1001cを形作り得る。
【0085】
図10A〜
図10Cが1つのサンプル方向で循環するものとして磁界100a〜1000cを例示するが、それが例であることが理解される。他の実施形態では、磁界100a〜1000cの1つ以上は、本開示の範囲から逸脱せずに反転され得る。
【0086】
図11は、誘導電力送信システムを製造するための例示的な方法1100を例示する方法図である。この例示的な方法は、
図9、
図10B、及び/又は
図10Cのシステムにより実施され得る。
【0087】
フローは、ブロック1101にて始まり得、そこでは、電子デバイスの誘導コイルが誘導電力送信システムでの使用のために構成され得る。誘導コイルは、送信コイル及び/又は受信コイルであり得る。幾つかの実施では、誘導電力送信システムでの使用のために誘導コイルを構成することは、電力を誘導送信及び/又は誘導受信するように誘導コイルを構成することを含んでもよい。他の実施では、誘導電力送信システムでの使用のために誘導コイルを構成することは、別の誘導コイルから電力を誘導送信及び/又は誘導受信するように誘導コイルを構成することを含んでもよい。
【0088】
フローは、次いでブロック1102に進み得、そこでは、誘導電力送信システムの磁束を電子デバイスのハウジングから遮断するように磁界方向付け機構が配置される。このような磁界方向付け機構は、磁束を遮断するように作用可能である、反磁性材料、超電導材料その他を含み得る。
【0089】
方法1100が、特定の順序で実施される特定の動作を含むとして例示及び上述されるが、それが例であることが理解される。各種の実施では、同じ、同様及び/又は異なる動作の各種の順序が、本開示の範囲から逸脱せずに実施され得る。
【0090】
例えば、ブロック1102は、誘導電力送信システムの磁束を電子デバイスのハウジングから遮断するように磁界方向付け機構を配置するように例示され記述される。しかし、幾つかの実施では、磁束とハウジング部分の間の相互作用は、本開示の範囲から逸脱せずに、完全に遮断されるのではなく減らされ得る。磁束とハウジング部分の間のこのような相互作用の減少は、反磁性材料、超電導材料その他などの材料を利用して実施され得る。
【0091】
別の例として、各種の実施では、本開示の範囲から逸脱せずに、ヒートスプレッダとして熱を放散するように磁界方向付け機構を構成する追加の動作が実施され得る。このような熱は、誘導電力送信によって、及び/又は電力消費部品、太陽光負荷その他により発生した熱などの他の要因によって発生し得る。
【0092】
各種の実施形態の文脈で
図1〜
図11が議論されるが、それらが例であることが理解される。各種の実施では、本開示の範囲から逸脱せずに、議論された各種の異なる実施形態の各種の特徴が一緒に利用され得る。
【0093】
図12〜
図14は、サンプル電子デバイス1201〜1401の等角図を例示し、そこでは、本明細書で開示される磁気接続及び整列技術の各種の実施形態が利用され得る。例示されるように、
図12はスマートフォン1201を例示し、
図13はタブレットコンピュータ1301を例示し、
図14はウェアラブルデバイス1401を例示する。しかし、これらが例であり、本明細書で開示される磁気接続及び整列技術の実施形態が、本開示の範囲から逸脱せずに、広範な異なる電子デバイスで利用され得ることが理解される。
【0094】
図1〜
図11は、部品の各種の構成(誘導電力受信コイル107a及び107b、誘導電力送信コイル113a及び113b、並びに磁気要素105及び111など)を例示するが、それらが例であることが理解される。各種の実施では、本開示の範囲から逸脱せずに各種の他の構成が可能である。
【0095】
例えば、
図15は、
図14のウェアラブルデバイス1401の、
図14の断面D−Dに沿う概略側断面図であり、誘導電力受信コイル1407a及び1407b、第1の磁気要素1405、第1の接続面1403、シールド要素1440a及び1440b、並びにシールド要素1406の、別のサンプル構成を例示する。しかし、この構成も例であり、本開示の範囲から逸脱せずに、また他の構成が可能であることが理解される。
【0096】
例えば、各種の実施では、
図10A〜
図10Cの磁界方向付け材料909a、909b、及び/又は909cなどの1つ以上の磁界方向付け材料は、本開示の範囲から逸脱せずに、ウェアラブルデバイス1401のハウジングの各種の部分の上及び/又はハウジングの内側に配置され得る。
【0097】
上述し、添付図面に示すように、本開示は、誘導電力伝送における磁気遮蔽のためのシステム及び方法を開示する。第1の接続面と、誘導電力伝送の受信コイルと、第1の接続面に隣接して配置された第1の磁気要素とを伴う第1の電子デバイスは、第2の接続面と、誘導電力伝送の送信コイルと、第2の接続面に隣接して配置された第2の磁気要素とを伴う第2の電子デバイスに整列位置で接続する。整列位置では、第1及び第2の電子デバイスの相対位置は、第1及び第2の磁気要素の間の磁気結合により維持され得る。整列位置では、誘導電力伝送の送信コイルは、誘導電力伝送の受信コイルに電力を送信するように構成され得る。第1及び/又は第2の磁気要素、及び/又は誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルは、誘導電力伝送の受信及び/又は送信コイルにより第1及び/又は第2の磁気要素に生じる渦電流を最小化する又は減らすように構成され得る。このようにして、磁気接続機構は、誘導電力伝送を損なわず及び/又は過剰な熱を生じずに利用され得る。
【0098】
本開示では、開示された方法は、デバイスにより読み取り可能な命令セット又はソフトウェアを利用して実施され得る。更に、開示された方法におけるステップの具体的な順序又は階層は、サンプルアプローチの例であることが理解される。他の実施形態では、方法におけるステップの具体的な順序又は階層を、開示された主題の範囲内にて再編成することができる。付随する方法の請求項は、各種のステップの要素をサンプル順序で提示し、提示される具体的な順序又は階層に必ずしも限定されることを意図しない。
【0099】
記述された開示は、本開示の技術を利用するプロセスを実行するように、コンピュータシステム(コンピュータ制御される製造システム及び/又は他の電子装置など)をプログラムするために使用され得る命令を記憶させた、非一時的な機械可読媒体を含み得る、コンピュータプログラム製品若しくはソフトウェアを利用し得る。非一時的な機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ)により読み取り可能な形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するための任意の機構を含む。非一時的な機械可読媒体は、非限定的に、磁気記憶媒体(例えば、フロッピーディスケット、ビデオカセットその他)、光記憶媒体(例えばCD−ROM)、光磁気記憶媒体、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリその他の形態をとり得る。
【0100】
本開示及びその付随する利点の多くは、前述の説明により理解されるであろうことが信じられ、部品の形態、構造、及び配列における各種の変更が、開示された主題から逸脱することなく、又はその有形の利点の全てを損なうことなく、行われ得ることが明らかとなるであろう。記述された形態は単に説明的なものであり、そのような変更を包含し、含むことは、以下の請求項の意図するところである。
【0101】
各種の実施形態を参照して、本開示を記述してきたが、これらの実施形態は例示的なものであり、本開示の範囲は、それらに限定されるものではないことが理解されるであろう。多くの変形、修正、追加、及び改善が可能である。より一般的に、本開示による実施形態は、コンテキスト又は特定の実施形態にて記述されてきた。本開示の各種の実施形態では、機能性は、ブロック内で異なるように分離若しくは組み合わせられ得、又は異なる専門用語で記述され得る。これらの変形、修正、追加、及び改善、並びに他の変形、修正、追加、及び改善は、以下の請求項で定義されるような、本開示の範囲内に包含され得る。