特許第6433541号(P6433541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6433541
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】管内検査装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/24 20060101AFI20181126BHJP
【FI】
   G02B23/24 Z
   G02B23/24 A
   G02B23/24 B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-107827(P2017-107827)
(22)【出願日】2017年5月31日
(65)【公開番号】特開2018-22134(P2018-22134A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2017年8月8日
(31)【優先権主張番号】特願2016-145105(P2016-145105)
(32)【優先日】2016年7月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】八重垣 淳平
(72)【発明者】
【氏名】菖蒲 光徳
【審査官】 岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−088142(JP,A)
【文献】 特開2011−007819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 23/24−23/26
G01M 13/00−13/04
G01M 99/00
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本管(1)から分岐して接続された枝管(2)内に差し込まれるシャフト(11)と、
前記シャフト(11)の下端部に設けられ、前記本管(1)の内部を撮影する撮像装置(12)と、
前記撮像装置(12)の撮影方向を照明する光軸を有する第一照明装置(13)と、
前記撮像装置(12)の撮影方向を照明する、前記第一照明装置(13)の光軸とは異なる光軸を有するとともに、前記第一照明装置(13)の照明光の拡がり角と異なる拡がり角を有する第二照明装置(14)と、
を備え
前記撮像装置(12)、前記第一照明装置(13)、及び、前記第二照明装置(14)が、前記シャフト(11)の下向きの延長線上に配置されており、
前記撮像装置(12)、前記第一照明装置(13)、及び、前記第二照明装置(14)が、前記シャフト(11)の水平断面最大幅の範囲外に突出していない管内検査装置。
【請求項2】
前記第一照明装置(13)の光量と前記第二照明装置(14)の光量の相対比率を変更可能とした請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項3】
前記第一照明装置(13)及び前記第二照明装置(14)の光軸とは異なる光軸を有する第三照明装置(16)をさらに備えた請求項1または2に記載の管内検査装置。
【請求項4】
前記第一照明装置(13)に対して、前記第二照明装置(14)と前記第三照明装置(16)が互いに反対側に配置されている請求項3に記載の管内検査装置。
【請求項5】
前記第三照明装置(16)が、前記第一照明装置(13)を対称中心として前記第二照明装置(14)に対して対称位置に配置されている請求項4に記載の管内検査装置。
【請求項6】
前記第一照明装置(13)が、前記撮像装置(12)の周りを囲むように配置された複数の素光源(13a)から構成され、前記撮像装置(12)の撮影方向と、複数の前記素光源(13a)の光軸から構成される前記第一照明装置(13)の光軸とが同軸である請求項1から5のいずれか1項に記載の管内検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地下に埋設した上水道等の配管の内部を検査するための管内検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上水道等の配管の本管の検査は、先端にカメラ等の撮像装置が設けられた管内検査装置を用いて、この本管内の状態を撮影することによって行なわれるのが一般的である。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の管内検査装置は、先端に反射鏡が設けられたガイド筒体の中に、先端に撮像装置が設けられたケーブルが通されている。ガイド筒体の先端(反射鏡を設けた部分)が堆積した異物に接触しないようにしつつ、このガイド筒体を本管から上向きに分岐して接続された枝管に挿し込んだ上で、反射鏡に映った本管内の状態を撮像装置で撮影する(本文献の段落0014〜0015、図1等参照)。このガイド筒体の先端には、照明装置が設けられており、この照明装置で本管内を照明することで検査を行うことができる(本文献の段落0029、図7、8参照)。
【0004】
また、特許文献2に記載の管内検査装置は、カメラ部から駆動部にかけての前後方向の軸線に対し、この軸線を対称軸として揺動可能なカメラ部を有した構造となっている。このカメラ部の周りには照射灯が設けられており、この照射灯で管内を照明することで検査を行うことができる(本文献の段落0019、図3、4等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−166841号公報
【特許文献2】特許第5616475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成においては、反射鏡を介して管内の撮影が行なわれるため、撮影された像が不明瞭となりやすい問題がある。また、特許文献2の構成においては、管内を直接撮影することができるため像の明瞭性は向上するものの、カメラ部の周りに設けた照射灯だけでは、管内奥側と手前側の内壁の両方を同時に明るく照らすことは難しく、検査視野内に明暗が生じやすいという問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、管内全体を同時に明るく照らして、管内検査をスムーズに行い得るようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明は、本管から分岐して接続された枝管内に差し込まれるシャフトと、前記シャフトの下端部に設けられ、前記本管の内部を撮影する撮像装置と、前記撮像装置の撮影方向を照明する光軸を有する第一照明装置と、前記撮像装置の撮影方向を照明する、前記第一照明装置の光軸とは異なる光軸を有するとともに、前記第一照明装置の照明光の拡がり角と異なる拡がり角を有する第二照明装置と、を備えた管内検査装置を構成した。
【0009】
このように、互いに異なる光軸を有するとともに、照明光の拡がり角が異なる第一照明装置と第二照明装置で管内を照明することにより、例えば、拡がり角が大きい一方の照明装置で、手前側の内壁を照明するとともに、拡がり角が小さい他方の照明装置で、管内奥側を照明することができ、管内全体を同時に明るく照らすことができる。このため、本管内の広い領域をより明瞭に撮影することができる。
【0010】
前記構成においては、前記第一照明装置の光量と前記第二照明装置の光量の相対比率を変更可能とした構成とするのが好ましい。このように、両照明装置の光量の相対比率を変更可能とすることにより、両照明装置によって照明された管内の明るさを検査視野全体で均一に近付けることができ、管内を一層明瞭に撮影することができる。
【0011】
前記各構成においては、前記第一照明装置及び前記第二照明装置の光軸とは異なる光軸を有する第三照明装置をさらに備えた構成とすることができる。このように、第三照明装置を設けることにより、本管内を一層明るく照明することができ、管内検査を一層スムーズに行うことができる。
【0012】
前記第三照明装置を備えた構成においては、前記第一照明装置に対して、前記第二照明装置と前記第三照明装置が互いに反対側に配置されている構成とするのが好ましい。さらに、この構成においては、この第三照明装置が、前記第一照明装置を対称中心として前記第二照明装置に対して対称位置に配置されている構成とするのが好ましい。このようにすると、第一照明装置が設けられた撮像装置の両側から、本管内を満遍なく照明することができ、管内検査を一層スムーズに行うことができる。
【0013】
前記各構成においては、前記第一照明装置が、前記撮像装置の周りを囲むように配置された複数の素光源から構成され、前記撮像装置の撮影方向と、複数の前記素光源の光軸から構成される前記第一照明装置の光軸とが同軸である構成とするのが好ましい。このように、複数の素光源を配置して、撮影方向と第一照明装置の光軸を同軸とすることにより、この撮影方向を効率的に照明することができ、本管内を一層明瞭に撮影することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明では、本管から分岐して接続された枝管内に差し込まれるシャフトと、前記シャフトの下端部に設けられ、前記本管の内部を撮影する撮像装置と、前記撮像装置の撮影方向を照明する光軸を有する第一照明装置と、前記撮像装置の撮影方向を照明する、前記第一照明装置の光軸とは異なる光軸を有するとともに、前記第一照明装置の照明光の拡がり角と異なる拡がり角を有する第二照明装置と、を備えた管内検査装置を構成した。
【0015】
このように、互いに異なる光軸を有するとともに、照明光の拡がり角が異なる第一照明装置と第二照明装置で本管内を照明することにより、単一の光軸及び拡がり角の照明光で照明した場合と比較して、管内全体を同時に明るく照らすことができる。このため、本管内の広い領域をより明瞭に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明に係る管内検査装置の第一実施形態を示す正面図
図2図1に示した管内検査装置を本管内に設けた状態を示す図
図3図1に示した管内検査装置で本管内を照明した状態を示す図
図4】この発明に係る管内検査装置の第二実施形態を示す正面図
図5図4に示した管内検査装置で本管内を照明した状態を示す図
図6図4に示す管内検査装置の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明に係る管内検査装置10の第一実施形態を図1に、この管内検査装置10を本管1内に設けた状態を図2に、この管内検査装置10で本管1内を照明した状態を図3にそれぞれ示す。この管内検査装置10は、水道管等の配管の本管1から上向きに分岐して接続された枝管2に挿し込まれて、本管1内の検査を行うためのものである。
【0018】
管内検査装置10を通す枝管2には、この枝管2に接続される消火栓(図示せず)等への通水を制御するためのバルブ3が設けられていて、検査の際には、このバルブ3を開弁して、管内検査装置10を本管1まで通す。この管内検査装置10の上部側と枝管2の間の隙間には、水密部材(図示せず)が設けられる。このように、水密部材を設けることにより、枝管2の上端側からの漏水が防止され、通水状態のまま本管1内の検査を行うことができる。このため、水道等の利用者の利便性が確保される。
【0019】
この管内検査装置10は、シャフト11、撮像装置12、第一照明装置13、及び、第二照明装置14を主要な構成要素としている。
【0020】
シャフト11は円筒状をしており、その下端部には、中央に貫通孔が形成された閉塞部材15が嵌め込まれている。このシャフト11として、本管1及び枝管2内の水圧や、撮像装置12をシャフト11の軸周りに回転操作する際の捩り力に耐え得るように鋼管を採用するのが好ましいが、この水圧や捩り力に耐え得る限りにおいて、繊維強化樹脂材等の他の素材を採用することもできる。シャフト11を軸周りに回転すると、このシャフト11の下端部に取り付けられた撮像装置12も一体に軸周りに回転し、この軸周りの周囲全体をスムーズに観察することができる。
【0021】
撮像装置12は、本管1の内部を撮影するためのものであって、この撮像装置12に一体に形成された接続部材12aを、閉塞部材15に形成された貫通孔に挿し込むことによって、シャフト11の下端部に固定される。この実施形態における撮像装置12は、シャフト11の軸に対して直交する方向を向くように取り付けられている。この実施形態においては、CMOSイメージセンサを備えた小型カメラを内蔵した構成としたが、CCDイメージセンサ等の素子を用いた他の種類の小型カメラを内蔵した構成とすることもできる。撮像装置12への電力供給や画像信号の送信は、シャフト11内に通されたケーブル(図示せず)によって行なわれる。
【0022】
撮像装置12の水平断面最大幅は、シャフト11の水平断面最大幅内に収まっていて、この撮像装置12が、シャフト11の下向きへの延長線の範囲内から外向きに突出しないようになっている。これにより、撮像装置12の周りの水流の乱れを極力防止することができる。
【0023】
第一照明装置13は、撮像装置12の周りを囲むように円環状に配置された複数の素光源13aから構成されており、この撮像装置12の撮影方向を照明する機能を有している。この実施形態においては、素光源13aとして、12個の発光ダイオード(LED)が採用されている。撮像装置12の撮影方向と、この複数の素光源13aの光軸から構成される第一照明装置13の光軸とは同軸となっている。このため、撮像装置12の撮影方向を効率的に照明することができ、本管1内を一層明瞭に観察することができる。第一照明装置13は、この第一照明装置13への電力供給を調節する電源装置(図示せず)に接続されている。この電源装置を調節することにより、第一照明装置13の光量を調節することができる。この第一照明装置13への電力供給は、撮像装置12と同じく、シャフト11内に通されたケーブル(図示せず)によって行なわれる。
【0024】
なお、上記において説明した第一照明装置13の配置や、使用する素光源13aの数や種類は例示であって、本管1内を照明する照明機能を発揮し得る限りにおいて、撮像装置12の撮影方向と第一照明装置13の光軸を非同一としたり、素光源13aの数や種類を適宜変更したりすることもできる。
【0025】
第二照明装置14は、第一照明装置13の下側に連設されている。この実施形態においては、1個の高出力LEDが採用されている。このように、第二照明装置14を第一照明装置13の下側に連設することにより、本管1の底部に堆積した夾雑物を照明して、その堆積状況を明確に検査することができる。この第二照明装置14は、撮像装置12の撮影方向を照明する機能を有している点で第一照明装置13と共通するが、第一照明装置13とは異なる光軸を有している点で相違する。
【0026】
すなわち、この実施形態においては、第一照明装置13は、撮像装置12の撮影方向と同軸の光軸を有する一方で、第二照明装置14は、第一照明装置13の光軸とほぼ平行であって、かつ、この第一照明装置13の光軸を下向きに平行移動させた光軸を有している。このように、両照明装置13、14の光軸が異なるように構成することによって、本管1内の広い領域をより明瞭に観察することができる。第二照明装置14は、この第二照明装置14への電力供給を調節する電源装置(図示せず)に接続されている。この電源装置を調節することにより、第二照明装置14の光量を調節することができる。この第二照明装置14への電力供給は、撮像装置12及び第一照明装置13と同じく、シャフト11内に通されたケーブル(図示せず)によって行なわれる。
【0027】
第一照明装置13及び第二照明装置14に接続された電源装置はそれぞれ独立して電流値を調節することができ、第一照明装置13の光量と第二照明装置14の光量の相対比率を適宜変更することができる。このように、両光量の相対比率を変更することにより、両照明装置13、14によって照明された本管1内の明るさを均一に近付けることができ、撮像装置12のハレーションを防止して本管1内を一層明瞭に撮影することができる。
【0028】
図3に示すように、第一照明装置13及び第二照明装置14からの照明光の拡がり角θ、θはそれぞれ異なっており、第一照明装置13の拡がり角θの方が第二照明装置14の拡がり角θよりも大きい。このように両照明装置13、14の拡がり角θ、θを異ならせることにより、広角照明の第一照明装置13によって、本管1内の手前側の内壁を照明するとともに、狭角照明の第二照明装置14によって、本管1内の奥側を照明することができ、本管1内全体を同時に明るく照らすことができる。これにより、本管1内の検査を精度良く行うことができる。
【0029】
この実施形態においては、撮像装置12の周りを囲むように設けた第一照明装置13の照明光の拡がり角を広角にするとともに、その下方に設けた第二照明装置14の照明光の拡がり角を狭角としたが、これとは逆に、第一照明装置13側を狭角にするとともに、第二照明装置14側を広角とすることもできる。この場合も、上記と同様に、本管1内全体を同時に明るく照らすことができ、本管1内の検査を精度良く行うことができる。
【0030】
この実施形態においては、第一照明装置13の下側に第二照明装置14を配置する構成としたが、両照明装置13、14の相対位置関係はこれに限定されない。例えば、第二照明装置14を第一照明装置13の周縁部に沿って移動可能に構成し、管内検査装置10の本管1内への挿し込みが完了するまでは、第二照明装置14を第一照明装置13の下側に配置しておく一方で、その挿し込みが完了したら、第二照明装置14を第一照明装置13の周縁部に沿って移動可能な構成としてもよい。
【0031】
このようにすれば、管内検査装置10の本管1内への挿し込み作業をスムーズに行うことができる一方で、その挿し込み後は、第二照明装置14を第一照明装置13の周りに自在に回転させて、この第二照明装置14による照明効果が最も高くなる位置に移動させることにより、本管1内の検査を一層精度良く行うことができる。
【0032】
また、特に図示しないが、各照明装置13、14に設けた集光レンズ(図示せず)を軸方向に変位可能な構成とし、この集光レンズを変位させることにより、各照明装置13、14からの照明光の拡がり角を適宜変化させてもよい。このようにすれば、本管1内の照明光の照明効率を高め、一層精度良く検査を行うことができる。
【0033】
この発明に係る管内検査装置10の第二実施形態を図4に、この管内検査装置10で本管1内を照明した状態を図5にそれぞれ示す。この管内検査装置10は、シャフト11、撮像装置12、第一照明装置13、第二照明装置14を備える点において第一実施形態に係る管内検査装置10と共通しているが、さらに、第三照明装置16を備えている点で相違する。なお、シャフト11、撮像装置12、第一照明装置13、及び、第二照明装置14は、第一実施形態に係るものと共通するので、重複する説明は省略する。
【0034】
この第三照明装置16は、第一照明装置13及び第二照明装置14の光軸とは異なる光軸を有しており、第一照明装置13を対称中心として第二照明装置14に対して対称位置となるように配置されている。この実施形態においては、シャフト11の下端から下に向かって、第三照明装置16、第一照明装置13(撮像装置12)、第二照明装置14が同軸にこの順序で配置されている。
【0035】
この第三照明装置16として、この実施形態においては、第二照明装置14と同様に、1個の高出力LEDが採用されている。第一照明装置13、第二照明装置14、及び、第三照明装置16に接続された電源装置はそれぞれ独立して電流値を調節することができ、各照明装置13、14、16の光量の相対比率を適宜変更することができる。このように、各光量の相対比率を変更することにより、各照明装置13、14、16によって照明された本管1内の明るさを均一に近付けることができ、本管1内を一層明瞭に撮影することができる。
【0036】
図5に示すように、第一照明装置13からの照明光の拡がり角θと、第二照明装置14及び第三照明装置16からの照明光の拡がり角θ、θとはそれぞれ異なっており、第一照明装置13からの照明光の拡がり角θの方が第二照明装置14及び第三照明装置16からの照明光の拡がり角θ、θよりも大きい。このように、各照明装置13、14、16の拡がり角θ、θ、θを異ならせることにより、広角照明の第一照明装置13によって、本管1内の手前側の内壁を照明するとともに、狭角照明の第二照明装置14及び第三照明装置16によって、本管1内の奥側を照明することができ、本管1内全体を同時に明るく照らすことができる。
【0037】
各照明装置13、14、16の照明光の拡がり角θ、θ、θは、本管1の呼び径などに対応して適宜決めることができるが、例えば、第一照明装置13の照明光の拡がり角θを90度、第二照明装置14、第三照明装置16の照明光の拡がり角θ、θを30度とすることができる。
【0038】
また、第三照明装置16が、第一照明装置13を対称中心として第二照明装置14に対して対称位置に配置されている構成としたので、第一照明装置13が設けられた撮像装置12の両側から、本管1内を満遍なく照明することができ、管内検査を一層スムーズに行うことができる。
【0039】
図4に示した管内検査装置10の変形例を図6に示す。この管内検査装置10は、基本的な構成は図4に示した管内検査装置10と共通するが、第二照明装置14と第三照明装置16が、第一照明装置13に対して非対称位置に配置されている、すなわち、第一照明装置13と第二照明装置14との間の間隔が、第一照明装置13と第三照明装置16との間の間隔よりも広い点において相違する。なお、図6で示した構成とは逆に、第一照明装置13と第三照明装置16との間の間隔が、第一照明装置13と第二照明装置14との間の間隔よりも広くなるように配置してもよい。
【0040】
上記において説明した管内検査装置10はあくまでも一例に過ぎず、管内全体を同時に明るく照らして、管内検査をスムーズに行い得るようにする、という本願発明の課題を解決し得る限りにおいて、各構成部材の形状、配置、素材等を適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 本管
2 枝管
3 バルブ
10 管内検査装置
11 シャフト
12 撮像装置
13 第一照明装置
13a 素光源
14 第二照明装置
15 閉塞部材
16 第三照明装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6