【実施例1】
【0019】
図1に本発明を適用できる現像剤収納ユニットを有するプロセスカートリッジの主断面図、
図2に本発明を適用できる画像形成装置の主断面図を図示する。
【0020】
<プロセスカートリッジの構成概要>
プロセスカートリッジは、像担持体と、像担持体に作用するプロセス手段を備えたものである。ここでプロセス手段としては、例えば像担持体の表面を帯電させる帯電手段、像担持体に像を形成する現像装置、像担持体表面に残留した現像剤(トナー、キャリア等を含む)を除去するためのクリーニング手段がある。
【0021】
本実施形態のプロセスカートリッジAは、
図1に示すように像担持体である感光体ドラム11の周囲に帯電手段である帯電ローラ12、そしてクリーニング手段として弾性を有するクリーニングブレード14を有するクリーナーユニット24を備えている。また、プロセスカートリッジAは、第一の枠体17と、第二の枠体18を有する現像装置38を備えている。プロセスカートリッジAは、クリーナーユニット24と現像装置38とを一体とし、
図2に示すように画像形成装置本体Bに対して、着脱自在に構成されている。現像装置38は、現像手段である現像ローラ13と現像ブレード15、現像剤供給ローラ23、現像剤を収納する現像剤を収納した現像剤収納容器26を備える。現像ローラ13と、現像ブレード15は、第一の枠体17に支持されている。
【0022】
<画像形成装置の構成概要>
このプロセスカートリッジAは
図2に示すような画像形成装置本体Bに装着されて画像形成に用いられる。画像形成は装置下部に装着されたシートカセット6から搬送ローラ7によってシートSを搬送し、このシート搬送と同期して、感光体ドラム11に露光装置8から選択的な露光をして潜像を形成する。現像剤は、スポンジ状の現像剤供給ローラ23によって現像ローラ13(現像剤担持体)に供給され、現像ブレード15により現像ローラ13表面に薄層担持される。現像ローラ13に現像バイアスを印加する事によって、潜像に応じて現像剤を供給し現像剤像に現像する。この像を転写ローラ9へのバイアス電圧印加によって搬送されるシートSに転写する。シートSは定着装置10へ搬送され画像定着し、排紙ローラ1によって装置上部の排紙部3に排出される。
【0023】
<現像剤収納ユニットの構成概要>
次に現像剤収納ユニット25の構成について
図3、
図4、
図7(a)、
図20を用いて述べる。ここで
図3は現像剤収納容器30の断面からの斜視図、
図4は現像装置38の断面図、
図7は可撓性容器である現像剤袋16の現像剤を排出する排出部35近傍の詳細断面図、
図20は現像剤収納容器26の断面からの斜視図である。なお、断面図は、開封部材20と、開口部35aと、固定部16d、16eと、を通る平面である。また、断面図は、開封部材20の回転軸に垂直な平面である。
【0024】
(現像剤収納ユニット)
現像剤収納ユニット25は
図4に示すように現像剤収納容器30、現像ローラ13、現像ブレード15と、これらを支持する第一の枠体17と第二の枠体18から構成される。第一の枠体と第二の枠体を合わせたものが現像剤収納容器30を収納する枠体である。
【0025】
なお本実施例では現像剤収納ユニット25は現像装置38と同じである。これは現像剤収納ユニット25が現像ローラ13、現像ブレード15を有しているからである。しかし現像剤収納ユニット25と別枠体で現像ローラ13と現像ブレード15を支持し、現像剤収納ユニット25と分離してもよい。この場合現像装置38は現像剤収納ユニット25と現像ローラ13、現像ブレード15で構成されたものとなる。(不図示)
(開封部材を有した現像剤収納容器)
開封部材を有した現像剤収納容器30は、
図3、
図4に示すように、開封部材20と現像剤収納容器26から構成される。
【0026】
開封部材20は封止部材19と係合する係合部20bを有しており、現像剤収納容器26の被係合部19bと係合部20bを係合することにより開封部材を有した現像剤収納容器30となる。
【0027】
(現像剤を収納した現像剤収納容器)
図30(c)に示すように現像剤収納容器26は、現像剤と、現像剤袋16と、封止部材19から構成される。ここで現像剤は粉体である。
【0028】
現像剤収納容器26の現像剤袋16は、現像剤を排出する複数の開口部35aを封止部材19で封止し、現像剤を入れる為の注入口39を封止した接合部39aを有している。このように現像剤を収納した現像剤収納容器26のそれぞれの開口部35a、注入口39は封止されているため収納した現像剤を外に漏れず一つのユニットとして扱うことが可能である。また封止部材19には開封部材20に係合する被係合部19bである穴が設けられており、開封部材20に係合可能となっている。
【0029】
(現像剤を収納するための現像剤収納容器)
図30(a)に示すように現像剤を収納するための現像剤収納容器37は、現像剤袋16と、現像剤を排出する為の複数の開口部35aを封止するとともに移動されることによって開口部35aを露出する封止部材19から構成される。ここで現像剤を収納するための現像剤収納容器37の現像剤袋16は、現像剤を入れる為の注入口39と現像剤を排出するための開口部35aを有している。
【0030】
ここで現像剤を収納するための現像剤収納容器37はまだ現像剤を充填しておらず、現像剤を入れる為の注入口39が開口した状態である。
【0031】
(充填と現像剤収納容器)
ここで現像剤を収納するための現像剤収納容器37と現像剤を収納した現像剤収納容器26の関係について述べる。
【0032】
まず
図30(a)に示すように現像剤を収納するための現像剤収納容器37には現像剤が充填されておらず現像剤を入れる為の注入口39がある。
【0033】
次に
図30(b)で示すように現像剤を収納するための現像剤収納容器37の現像剤を入れる為の注入口39から現像剤を充填する。また現像剤袋16の可撓性により入れる為の注入口39は充填装置に合わせて変形可能であり現像剤の飛散なく充填が容易になる。充填に際しては、公知のオーガー式充填装置を使用して行うが、同様の機能を有する他の方法を用いてもかまわない。
【0034】
次に
図30(c)で示すように現像剤を入れる為の注入口39を接合し封止する。現像剤を入れる為の開口部の接合部39aの接合は、本実施例では超音波で接合しているが他に熱やレーザーなどで接合してもよい。
【0035】
そして充填する為の開口部の接合部39aの接合が完了すると現像剤は封入され現像剤を収納した現像剤収納容器26となるのである。
【0036】
なお充填する為の注入口39の位置や大きさは現像剤の充填装置やプロセスカートリッジAの形状等に合わせて適宜配置すればよい。
【0037】
(現像装置内に現像剤袋を有する効果)
現像剤を収納した現像剤収納容器26が袋形態をとることにより現像剤をユニットとして扱える。そのため現像剤充填工程をプロセスカートリッジAのメインの組立工程(製造ライン)から分離できる。これによりプロセスカートリッジAのメインの組み立て工程(製造ライン)に現像剤が飛散することがなくなり製造ラインの清掃などのメンテナンスを削減することができる。組立工程時に現像剤の飛散がなくなることにより現像剤を充填した後のプロセスカートリッジAの清掃工程を省くことができる。
【0038】
また現像剤袋16の充填工程においても現像剤袋16は可撓性を有しており充填のための注入口39も柔らかいため飛散少なく容易に封止できる。
【0039】
また現像剤を収納した現像剤収納容器26は可撓性を有しているため枠体の形状に倣わせて組むことができる。
【0040】
また充填工程において現像剤収納容器37は可撓性を有するため断面を変形させて容積を増やして充填することができるので充填時には充填量を増やすことができる。
【0041】
また現像剤充填前の現像剤収納容器37は可撓性を有しているため小さく(薄く)することができて、樹脂の構造体である枠体に比べ充填前の保管時の保管スペースを小さくすることができる。
【0042】
<現像剤袋の構成>
図3、
図4に示すように現像剤袋16は内部に現像剤を収納しており形状が変形可能な袋状のものであり、収納した現像剤を排出するために排出部35に複数の開口部35aを備えている。
【0043】
また現像剤袋16は第一の枠体17、第二の枠体18枠体に固定されている現像剤袋固定部(被固定部)16d、16eを有している。
【0044】
(現像剤袋の素材、通気性)
図29は現像剤収納容器26の断面説明図である。
図29(a)で示すように現像剤袋16は排出部35を有し通気性を有さないシート16uと、通気部となる通気性を有するシート16sを貼り合わせて現像剤袋16は構成されている。
【0045】
ここで通気部16sの通気度は収納する現像剤の大きさ(粉体の粒径)との兼ね合いで現像剤が現像剤袋16の外に漏れないものを適宜選定すれば良い。
【0046】
通気部16sの素材としてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等で、厚さは0.03〜0.15mmの不織布などが好ましい。また通気部16sの素材が不織布ではなくても現像剤袋16に収納する現像剤等の粉体よりも微細な穴が開いているものでも良い。
【0047】
また通気部16sの配置は本実施例では
図3、
図29に示すように第二の枠体18側に現像剤袋16の長手方向全域にわたり通気部16sを配している。なお
図29(b)に示すように通気部16sは現像剤袋16全体を16sで構成してもよい。
【0048】
なお通気部16s以外の現像剤袋16の素材としては後述する現像剤排出時の効率を良くするように可撓性を有するものが好ましい。また通気部16sの素材に可撓性をもたせても良い。
【0049】
(現像剤袋が通気性を有する効果)
このように現像剤袋16に通気性をもたせる理由としては、製造時、ユーザーがカートリッジAを使用するまでの物流時、および保管時に対応する為である。
【0050】
まず製造時の理由としては、現像剤袋16を枠体17、18に組み込み易いように現像剤袋16を変形、縮小可能とする為である。現像剤袋16に通気部16sが無い場合は現像剤袋16に現像剤を充填した状態(袋を閉じた状態)の大きさから変えられず、そのため変形もさせにくい。そのため組立に時間を要したり、工程が複雑化する。そこで現像剤袋16の少なくとも一部に通気性を持たせると現像剤袋16に現像剤を充填して袋を閉じた状態の大きさから変える事が可能となり組み立てしやすくなる。
【0051】
次に物流時および保管時の理由としては、プロセスカートリッジAの輸送時および保管時に異なる気圧の変化に対応するためである。物流などで製造時より低い気圧環境下となる場合や、製造時より高い温度となる保管される場合などにより現像剤袋16内外の気圧差が発生する。そのため現像剤袋16が膨張することで現像剤袋16と接する各部品が変型や破損の恐れがある。そのための物流時や保管時に気圧や温度の管理が必要となり設備、コストがかかる。しかし一部に通気性を持たせることにより気圧による現像剤袋16内外の気圧差による問題を解消できるのである。
【0052】
また通気性を有する不織布に排出部35、排出部35周囲の接合部22を設けた場合は、開封時に封止部材19の剥離に伴い不織布の繊維がとれて現像剤の中に入り画像に悪影響を与える恐れがある。そのため通気性を有するシート16sとは異なるシート16uに排出部35を設けることにより前述のような不織布の繊維が抜け落ちる事がなくなる。
【0053】
また通気部16sから脱気しながら現像剤を充填することにより充填密度を上げることができる。
【0054】
(現像剤袋の排出部構成)
図3、
図10に示す様に現像剤袋16は内部の現像剤を排出するための複数の開口部35a、および複数の開口部35aを定義する連結部35bからなる現像剤排出部35を有している。そして封止部材19により、排出部35の周囲を接合部22で連続して取り囲み開封可能に接合し現像剤袋16に収納する現像剤を封止している。
【0055】
(現像剤袋の接合部構成)
接合部22は長い方向(方向F)に2本、短い方向(方向E)に2本とで囲んだ「ロの字」形状で連続しているため排出部35の封止を可能としている。
【0056】
ここで長い方向(方向F)に溶着された2本の接合部のうち先に開封されるものを第一の接合部22a、後に開封されるものを第二の接合部22bとする。本実施形態では、封止部材19の表面に沿ってみた場合に、後述する返し部19d(又は被係合部19b)に近い側の接合部を第一の接合部22aである。また、開口部を挟んで第一の接合部22aに対向する接合部が第二の接合部22bである。また短い方向の接合部を短手接合部22cとする。
【0057】
本実施例において開封方向は方向Eである。開封方向は次のように定義する。封止部材19を移動させて開封を行う場合に、開口部35aを挟んだ第一の接合部22aと第二の接合部22bとでは、第一の接合部22aが先に開封(剥離)される。このように、先に開封される第一の接合部22aから第二の接合部22bに向かう方向を開封方向Eとする。
【0058】
なお現像剤袋16から封止部材19をE方向に開封する時(剥離する時)に、微視的に見ると第一の接合部22aや第二の接合部22bの中においても開封力による現像剤袋16の変形により矢印F方向にも剥離が進む場合がある。しかしながら、本実施例における開封方向は、このような微視的な開封の方向を指すものではない。
【0059】
(現像剤袋の開口部の配置)
次に
図10、
図11、
図30を用いて開口部35aの配置について説明する。開口部35aを封止するとともに移動されることによって開口部35aを露出する封止部材19の移動方向(開封部材20に引っ張られる方向)はDである。封止部材19の移動により開口部35aは開封方向Eの方向に露出が進む。以下封止部材19の移動方向をDとする。開封方向Eに対して垂直な方向Fにずれて複数の開口部35aおよび連結部35bを配置している。また封止部材19は、開封部材20を回転させて巻きとる構成としているが、前記の方向Fは開封部材20の回転軸の軸線と同じ方向である。
【0060】
ここで現像ローラ13の回転軸方向と複数の開口部35aの並ぶ方向Fを揃えるのは、現像剤を排出時に現像ローラ13の長手方向全体に現像剤が偏りなく供給され易くするためである。
【0061】
ここで複数の開口部35aはFの方向にずれて配置されているため排出部35は方向Fに長く、方向Eに短いものとなる。つまり方向Fにおける複数の開口部35aの端から端までの距離は、方向Eにおける開口部35aの端から端までの長さより長い。
【0062】
このように開封方向Eに対して垂直な方向Fにずれて複数の開口部35aを配置している排出部35は方向Fに長く方向Eに短いものとなるため開封に要する距離が、長い方向Fに開封するより短くてすむため開封に要る時間も短くできる。
【0063】
また排出部35を覆う封止部材19を開封部材20で巻きとる構成としている。開封部材20の回転軸方向と開封方向Eに対して略垂直な方向Fは同じ方向とすることで、封止部材19の巻きとり距離、時間を短くできる。
【0064】
(現像剤袋の開口部の形状、方向)
実施例1の複数の開口部35aはそれぞれ丸形状である。排出性を考慮すると開口部35aの面積は大きい方が良い。また開口部を定義する連結部35bは、現像剤袋16の強度を高めるため大きい(太い)方が良い。よって開口部35aの面積と連結部35bの面積は、排出部35の材質、厚み、また後述する開封時のピーリング強度との力関係等によりバランスをとる必要があり適宜選定すれば良い。また開口部35aの形状も丸以外に四角等の多角形や後述する第二の実施例の
図18に示すような長丸等でもよい。
【0065】
なお開口部35aの配置は開封方向Eに対して垂直な方向Fに対してずれていれば良く、
図28(c)に示すように開口部35aが開封方向Eに垂直な方向Fに重なっていても、
図28(d)に示すように重なっていなくても後述する連結部35bの効果がある。
【0066】
また開口部35aの方向は画像形成時の姿勢で収納する現像剤を排出しやすいようになっているのが好ましい。そのため、画像形成時の姿勢において、開口部35aは、重力方向の下方向に開くように配置される。ここで、開口部35aが重力方向の下方向に開くとは、開口部35aの開口の向きが重力方向下方向の成分を持つことを指す。
【0067】
(現像剤袋と枠体の固定)
図3、
図4に示す様に現像剤袋16は二つの固定部16d、16eにより第一の枠体17、第二の枠体18の内部に固定される。
【0068】
(第一の固定部)
まず一つ目の固定部として、後述する封止部材19を現像剤袋16から開封する時に力を受ける現像剤袋16の第一の固定部16dを設けている。複数の開口部35aが配置されている方向Fと平行に、固定部16dは複数個設けられている。なお固定部16dはこのように複数個設けられる以外に方向Fと平行に長いひとつのものでも良い。(不図示)
また第一の固定部16dの位置は現像剤袋16の開口部35aの近傍に設けられている。
【0069】
また現像剤袋の第一の固定部16dは枠体の第一の固定部18aに固定されている。
【0070】
第一の固定部16dは現像剤袋16の開封時の為に必要な固定部所であり、その作用や配置に関しては開封の説明で後述する。
【0071】
(第二の固定部)
また二つ目の固定部として、現像剤袋16が下方、もしくは現像ローラ13、現像剤供給ローラ23の方へ移動するのを防ぐため第二の固定部16eを設けている。
【0072】
第二の固定部16eを設けているのは、2つの理由がある。第一の理由としては現像剤袋の第二の固定部16eが現像剤袋16を画像形成時の姿勢で下方に移動しないようにするためである。そのため第二の固定部16eは画像形成時の姿勢で上方に配置するのが好ましい。
【0073】
また第二の理由としては、現像剤袋16が画像形成時に現像ローラ13や現像剤供給ローラ23に接触して画像を乱すことを防ぐためである。そのため現像ローラ13や現像剤供現像ローラ23から離れたところに現像剤袋16の第二の固定部16eを設ける事が好ましい。本実施例では現像剤袋の第二の固定部16eを
図1に示すように現像ローラ13から離れた上方に配置している。
また現像剤袋の第二の固定部16eは枠体の第二の固定部18bに固定される。
【0074】
(現像剤袋と枠体の固定方法)
(第一の固定部の固定方法)
現像剤袋の第一の固定部16dの固定方法として、現像剤袋16の穴に、第二の枠体18のボスを通し、ボスをつぶす超音波カシメによる固定を用いている。
図27(a)で示すように固定前には第二の枠体18の第一の固定部18aは円柱のボス形状をしており、現像剤袋16の第一の固定部16dは穴が開いている。そして組み立て工程を次に示す。
【0075】
まず第二の枠体18の第一の固定部18aの凸形状部に、現像剤袋16の第一の固定部16dの穴に通す(
図27(b))。
【0076】
そして第二の枠体18の第一の固定部18aの先端を超音波カシメの工具34で溶かす((
図27(c))。
【0077】
そして現像剤袋16の第一の固定部16dの穴より大きくなるように、第二の枠体18の第一の固定部18aの先端を変形させることで現像剤袋16を第二の枠体18に固定している(
図27d)。
【0078】
(第二の固定部の固定方法)
図4に示すように現像剤袋の第二の固定部16eの固定方法は二つの枠体17、18による挟み込みを用いている。現像剤袋16に穴を開け現像剤袋の第二の固定部16eとし、第二の枠体18に凸部を設けて枠体の第二の固定部18bとする。
【0079】
そして組み立て工程を次に示す。現像剤袋16の第一の固定部16dに第二の枠体18の固定部18bの凸部を通し、第一の枠体17で凸部から現像剤袋の第二の固定部16e(穴)が脱落しないような挟み込みによる固定をしている。
【0080】
(その他の固定手段)
固定の手段としては前述の超音波カシメの他に超音波以外のものも使用可能である。例えば、熱を用いた熱カシメや、現像剤袋と第一の枠体17や第二の枠体18に直接溶着する熱溶着や超音波溶着、また溶剤や接着剤を用いた接着、枠体間への挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、ねじ、穴と凸部(ボス等)による引っ掛け等でも良い。また第一、第二の枠体17、18と現像剤袋16のスペースや配置等の関係から適宜設計に応じて第一、第二の枠体17、18と現像剤袋の間に別部材を介して固定しても良い(不図示)。
【0081】
<封止部材の構成>
図3、
図4に示す様に、封止部材19は、プロセスカートリッジAの使用前に現像剤袋16の排出部35を覆い現像剤袋16内の現像剤を封止している。封止部材19は、移動されることによって前記開口部35aを露出させるものである。封止部材19の構成は、現像剤袋16の排出部35を覆う封止部19aと、後述する開封部材20と固定される被係合部19bと、封止部19aと被係合部19bを連結している封止部材連結部19cを有しているシート状のものである。当該シートは後述する易開封性を発揮するシーラント層を持つラミネート材で、基材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等で、厚さは0.03〜0.15mmのものを適宜選定すれば良い。
【0082】
(封止部材の封止部)
封止部19aは、封止部材19が、現像剤袋16の複数の開口部35aと、連結部35bを封止する領域を指している。封止部19aにより、プロセスカートリッジAの使用時前までは現像剤が現像剤袋16内部から漏れないようにしている。
【0083】
(封止部材の係合部)
封止部材19は、開封方向Eの一端側に自由端部を有しており、当該自由端部に封止部材を移動させるための開封部材に係合される被係合部19bが設けられる。被係合部19bには、封止部材を移動させて開口を露出させるための開封部材が係合される。開封部材は、画像形成装置本体Bからの駆動を受けて開封を自動的に行うようなものでもよい。または、ユーザーが開封部材を把持して移動させることで開封を行うようなものでもよい。本実施例では開封部材20は枠体に設けられた回転軸であり、開封部材20に係合された封止部材19が引っ張られる事で現像剤を収納した現像剤収納容器26は開封される。
【0084】
(封止部材の封止部材連結部)
接合部22と封止部材係合部19bとの間を連結している部分が封止部材連結部19cである。封止部材連結部19cは開封部材20からの力を受けて接合部22を引き剥がすように力を伝達する部分である。
【0085】
(封止部材連結部の折り返し)
ここで
図12を用いて開封される瞬間において第一の接合部22aと第二の接合部22bとで形成された面N1とする。そして面N1に対して垂直で且つ第一の接合部22aを通る面N2とする。ここで開封部材20は、第一の接合部22aを通る面N2よりも第二の接合部22b側に配置されている。言い換えると封止部材19は、シート状である封止部材19の表面に沿って見たときに、接合部22と開封部材20との被係合部19bとの間の部分(連結部19c)で折り返されている返し部19dを有しているのである。返し部19dは折り目がついていても、折り目が付いていなくても良い。ここで封止部材19の返しの角度Qは90度以下が好ましい。折り返し角度Qは、現像剤袋16の接合部22の面と封止部材19の引っ張られる方向Dに沿った面の挟角Qである。
【0086】
(封止部材の固定)
また封止部材19と開封部材20の固定は、本実施例において、第一の固定部16dと同様の超音波カシメで固定している。超音波カシメ以外に第一の固定部16dおよび第二の固定部16eの固定の手段と同様に熱溶着、超音波溶着、接着、枠体間への挟み込み、穴と凸による引っ掛け等でも良い。
【0087】
(封止部材の易開封性を有する部分)
次に、接合部22の剥離力を所望の値にする方法について説明をする。本実施の形態では前記剥離力を所望の値(ここでは、トナー封止性を保てる範囲内でできるだけ小さい力)にするために、主に2つの方法をとっている。
【0088】
1つ目は、封止部材19に易開封を可能とするシーラント層を持つラミネート材を適用している。そして現像剤袋16の素材には前記シーラント層と溶着可能で可撓性のあるシート材質(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)を適用することで該接合部において易開封を可能とする方法である。シーラント層の処方及び貼り合わせる材質の組み合わせを変えることにより剥離力を所望の条件に合わせて調整させることが可能である。本実施例においてはJIS−Z0238の密封軟包装袋の試験において剥離強さが3N/15mm程度のものを用いている。
【0089】
2つ目は、
図4、7に示すように現像剤袋16の排出部35を開封が進む方向(図中矢印E)に対して折り返された状態にする方法である。例えば
図4の状態で開封部材20を回転(図中矢印C)させ封止部材19を開封部材20で引っ張られる方向(図中矢印D)に引っ張る。このようにすることで、現像剤袋16と封止部材19は
図12に示すような現像剤袋16の接合部22の面と封止部材19の引っ張られる方向Dに沿った面の挟角Qが90度以下の傾斜剥離位置関係になる。従来傾斜剥離にすることにより両者の引き剥がしに必要な剥離力を低減できることが知られている。従って、前述したように封止部材19を開封が進む方向(図中矢印E)に対して折り返された状態にすることで接合部22部分の封止部材19と現像剤袋16が傾斜剥離の位置関係となり前記剥離力を低減するように調整することができる。
【0090】
<開封部材の構成>
開封部材20は封止部材19に力を与えて封止部材19を移動させ現像剤袋16から引き剥がす目的のものである。開封部材20は軸形状で両端を第二の枠体18に回転可能に支持されている支持部(不図示)と、封止部材19の被係合部19bを固定する係合部20bを有している。本実施例では開封部材20は四角い軸形状で、その四角い軸の一面に封止部材19の被係合部19bを係合部20bで係合している。
【0091】
(開封部材、押圧部材、攪拌部材の兼用)
また現像剤袋16の外部から作用し現像剤袋16内部の現像剤を排出させる押圧部材21と、開封部材20はそれぞれ別の部材で行っても良いが、本実施例では開封部材20と押圧部材21を同じ部品で機能させている。
【0092】
また現像剤袋16から排出された現像剤を攪拌する機能と、開封部材20の機能をそれぞれ別の部品で行っても良いが本実地例では開封部材20に攪拌の機能を同じ部品で機能させている。
【0093】
(開封部材、押圧部材、攪拌部材兼用の効果)
このように開封部材20、押圧部材21、攪拌部材を兼用することで部品点数の削減によるコストダウン、省スペース化が可能となる。
【0094】
<現像剤収納袋の開封概要>
次に現像剤収納袋16の開封について
図7、
図8を用いて述べる。
開封のため開封部材20が封止部材19を引っ張る力を与える力点部20aと、引っ張られる現像剤袋16を固定する枠体の固定部18aを現像装置38は有している。
【0095】
力点部20aとは開封の瞬間に封止部材19と開封部材20の接している部分の最も接合部22に近い部分である。
図7(b)では開封部材20の角部20cが力点部20aである。また第二の枠体18の固定部18aは開封時の力による現像剤袋16の移動を抑制する固定部18cを有している。また接合部22から本実施例では枠体の第一の固定部18aと現像剤袋の第一の固定部16dは超音波カシメにより接合されており、
図7(b)(c)、
図8(a)で示す様に第一の固定部18aの超音波カシメ部分のうち接合部22に近い部分が固定部18cとなる。
【0096】
次に
図53を用いて開封部材20の駆動伝達について述べる。
図53は開封部材20への駆動伝達を示す概略説明図である。なお
図53では封止部材19や現像剤袋16等は省略している。まず開封部材20は両端を第一の枠体17に回転自在に支持されている。そして開封部材20の片側端部にはギア54が結合されている。またカートリッジAにはギア(52、53)が配置されている。そしてギア52は画像形成装置Bから駆動を受けるカップリング部52aを有している。
【0097】
画像形成装置Bには駆動手段51が設けられており、駆動手段51の先端にカートリッジAに駆動を伝達するカップリング51aを有している。
【0098】
図53(a)で示す矢印方向にカートリッジAが画像形成装置B本体内へ装着される。次に
図53(b)で示す矢印方向に駆動手段51が移動し、駆動手段51のカップリング部51aとギア52のカップリング52aが係合する。そして
図53(c)で示すように画像形成装置Bの駆動手段51よりカートリッジAのギア52、ギア53、ギア54と駆動が伝わり開封部材20が回転する。なお画像形成装置BからカートリッジAへの駆動伝達は凹凸によるカップリングに限らずギアによる係合等、駆動伝達ができる手段を用いればよい。
【0099】
そして
図4で示すように開封部材20は駆動力が伝達され矢印Cの方向に回転する。
【0100】
そして開封部材20の回転が進むことで封止部材19が引っ張られて第一の接合部22aの開封が始まる直前の状態を
図5、
図7(b)示す。回転に伴い開封部材20に被係合部19bで固定された封止部材19は四角い開封部材20の角部20c(力点部20a)により矢印Dの方向に引っ張られる。
【0101】
封止部材19が引っ張られると接合部22を介して現像剤袋16が引っ張られる。すると現像剤袋16は第一の固定部16dに力が加わり固定部18cによって固定部18cから力点部20aに向けて現像剤袋16は引っ張られる。すると開封部材20の回転軸に垂直な断面において、第一の接合部22aは力部20aと固定部18cを結んだ線上に近づくように動く。このとき、矢印Dの方向において、開封部材20の回転軸に近い方から、開口部35a、第一の接合部22a、返し部19d、固定部18cの順に配置されている(
図7(b))。そして封止部材19が第一の接合部22aと被係合部19bの間で折り返されているため第一の接合部22aの部分に矢印Dの方向に傾斜剥離するように力がかかる。そして第一の接合部22aの剥離が行われて排出部35の開封が始まる。
【0102】
また角部20cと共に力点部20aも矢印Cの方向に移動し、角部20dと封止部材19が接すると角部20cから角部20dへ力点部は移動する。ここで
図7(b)が力点部20aが角部(c)の状態を示し、
図7(c)が更に開封部材20の回転が進み角部20dへ力点部が移った状態を示す。
【0103】
図6、
図7(c)に示すように開封部材20の回転が進むに連れて開封が進むと共に返し部19dも矢印E方向に進む。そして更に開封が進み開口部35aが露出する。開口部35aが露出した後に第二の接合部22bの剥離に入る状態を
図8(a)に示す。この時も第一の接合部22aの剥離と同様に封止部材19は力点部20aの方へ引っ張り、現像剤袋16は固定部18cの方向(矢印H)に踏ん張ろうとする。すると開封部材20の回転軸に垂直な断面において、第二の接合部22bは力部20aと固定部18cを結んだ線上に近づくように動く。そして第二の接合部22bの部分に矢印Dの方向の力がかかり第二の接合部が剥離する。そして第二の接合部22bが剥がされて開封が完了する(
図8(b)、
図9)。そして現像剤袋16内部の現像剤が排出部35の開口部35aを通り矢印Iの方向に排出される。
【0104】
このように開封部材20の回転により封止部材19が開封部材20に巻きとられて接合部22を開封するのである。封止部材19は回転で巻き取られるため開封部材20の移動に要するスペースは開封部材20の回転スペースがあれば良く、回転以外の移動により封止部材19を移動させる場合に比べ省スペース化する事が出来る。
また開封部材20をユーザーが回転させて封止部材19を巻き取って開口部35aを露出させても良い。しかし画像形成装置Bからの駆動により開封部材20の回転させて封止部材19を巻き取る方がユーザーの手を煩わせず、より好ましい。
【0105】
また封止部材19が返し部19dを設けられていることで接合部22をせん断剥離せずに傾斜剥離とすることができ確実に開封できる。
【0106】
また複数の開口部35aが並んでいる方向Fと略垂直方向の封止部材19の一端側に封止部材19を開封するための開封部材20に係合される被係合部(19b)が設けられることで確実に封止部材19を係合して開封することができる。
【0107】
また枠体に固定部18cを設けて、現像剤袋16を開封時に支持する事により柔らかく変形可能な現像袋16でも確実に開封可能となる。
【0108】
また開封時の現像剤の排出に関して、前述のように開封時に力点部20aと固定部18cで結んだ線上に接合部22が動く(
図7(a)→
図7(b)→
図7(c)→
図8(a))。この動きにより開口部35a周辺の現像剤が動かされ現像剤の凝集を崩す事が出来る。
【0109】
また
図34で示すように、開封部材20の回転方向は矢印C2の回転方向に回転させても開封可能である。このように開封部材20の回転方向は
図4〜9で示すCの方向でも
図34のC2の方向でも選択可能であり、設計に応じて適宜回転方向を選択すればよい。
【0110】
(開封に関係する固定部の配置関係)
図4に示すように第一の接合部22bを確実に剥がすためには第一の接合部22bと固定部18cの間には次のような配置の関係が求められる。開封時には固定部18cに対して封止部材19を矢印Dの方向に開封部材20が引っ張る。この時、開封部材20による封止部材19の移動方向Dにおいて、固定部18cは開口部35aの上流側に設けられている。そのため矢印Hの方向に固定部18cの力が加わる。よって開封の力を加えた時に固定部18cと開封部材20の間で矢印Hと矢印Dの方向に引っ張られて第一の接合部22aに力を加え矢印Eの方向に開封が進む。このように封止部材19の移動方向Dにおいて上流に固定部18cを設けていなければ開封部材20が引っ張られた方向に現像剤袋16全体が引っ張られてしまい第一の接合部22aに力を加えることができず開封できない。
【0111】
このように封止部材19の移動方向Dにおいて上流に固定部18cを設けていることにより確実な開封が可能となるのである。
【0112】
(開封に関係する固定部の距離関係)
図22、
図23に示すように第一の接合部22bを確実に剥がすためには第一の接合部22bと固定部18cの間には次のような長さの関係が求められる。まず開封部材20と、開口部35aと、固定部18cと、を通り、開封部材20の回転軸に垂直な平面を見た時に、第一の接合部22aの中で最後にはがされる点を第一の点22dとする。第一の点22dは、第一の接合部22aのなかで開口部に近い側の端部の点である。そして固定部18cから現像剤袋16に沿って第一の点22dとの距離をM1とする。そして開口部35aを含む方向に、固定部18dから第一の点22dまで現像剤収納袋16の沿って測った距離をM2とする。なお開口部35aは現像剤袋16の素材が存在しない空間であるが、この開口部16の幅も距離に含める。
【0113】
この時M1<M2を満たすようにして第一の接合部を剥がせるようにしている。
ここで上記M1<M2の関係について詳細に述べる。
【0114】
(M1<M2の場合)
まずM1<M2を満たす場合は
図22に示す様に第一の接合部22aに開封部材20の封止部材19を引っ張る力(矢印D)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H)が第一の接合部22aにかかり第一の接合部22aに対して傾斜剥離とすることができる。傾斜剥離とすることで剥離力を低く設定することができる。ここで
図22(a)は開封前、
図22(b)は第一の接合部22aが開封する直前である。
【0115】
(M1>M2の場合)
一方M1>M2の場合は
図23に示す様に第一の接合部22aに開封部材20の引っ張る力がかからず第二の接合部22bに力がかかる。この場合第一の接合部22aには力がかからない為剥離しない。この場合第二の接合部22bに開封部材20からの力(矢印D)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H)がかかる。この状態では第二の接合部22bには開封部材20の封止部材19を引っ張る力(矢印D)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H)がかかり第二の接合部22bの部分には剥離関係がせん断剥離の関係となるため第二の接合部22bを開封することが困難である。これはせん断剥離が傾斜剥離に比べ大きな力が必要であるからである。
【0116】
ここで
図23(a)は開封前、
図23(b)は開封部材20が回転し接合部(この場合は第二の接合部)に開封部材20により封止部材19が引っ張られる力(矢印D)かがかかる時の図である。また第二の接合部22bには力が加わるがせん断剥離の関係で力がかかるため傾斜剥離の場合に比べて非常に大きな力が必要となり剥離力を低減させる事が難しくなる。
【0117】
(ヒダのある場合の距離)
なおここで前述のM1、M2の距離の測りかたの定義について述べる。M1、M2の距離は開封時に引っ張られた時の距離が重要なのでありM1、M2経路の途中にヒダ16tが無い場合は
図22、
図23のように展開した距離を測れば良い。また
図24で示すようにM1、M2の経路の途中に製造上貼り合わせでできるヒダ16tがある場合は、開封時に引っ張った場合でもヒダ16tは伸びない(剥がれない)為ヒダ16tの部分はM1、M2の距離には含まれない。つまりヒダ16tのように力の伝達に影響しない部分は為M1やM2距離に含めない。
【0118】
以上のようにM1<M2の関係として第一の接合部22aが第二の接合部22bより先に開封される。第一の接合部22aが第二の接合部22bより先に開封されることで第一の接合部22aが封止部材19の返し部19dができる。この返し部19dによりせん断剥離にならず傾斜剥離となる。これにより確実に現像剤袋16から封止部材19を確実に剥離できて開封可能な現像装置38を提供できる。
【0119】
(固定部が複数の場合)
ここで複数の固定部と開封の関係について
図31を用いて述べる。
図31(a)の状態から開封部材20が回転して第一の接合部22aが開封する直前が
図31(b)である。本実施例では第一の固定部18aと第二の固定部18bを有している。ここで開口部35aを挟んで最初に開封される第一の接合部22aに近い場所に配置されている第一の固定部18aの方に開封時の力が加わる。そのため前述のM1、M2の距離の測りかたに第二の固定部18bは考慮しなくてよい。このように複数の固定部がある場合には開封時の力が加わる開口部35aを挟んで最初に開封される第一の接合部22aに近い場所に配置されている固定部を基準とすればよい。
【0120】
(第二の接合部の位置関係)
次に第一の接合部22aの開封直前の状態を示す
図12を用いて第二の接合部22bが開封部材20に巻き込まれずにより良好に開封できる配置について述べる。まず第一の接合部22aの開口部35aから遠い側の端部を第二の点22eとする。第二の接合部22bの開口部35aから遠い側の端部を第三の点22fとする。ここで第二の点22eから第三の点22fの距離をL1とする。また第二の点22eから力点部20aの距離をL2とする。この時に前記距離L1と前記距離L2の関係はL1<L2の関係が必要である。
【0121】
その理由はL1がL2より大きい場合は第二の接合部22bの剥離が終わる前に第二の接合部22bが力点部20aに到達してしまい、第二の接合部22bが開封部材20に巻きついてしまう。第二の接合部22bに対して剥離するように力をかける事ができない。そのため現像剤袋16から封止部材19を開封困難となるのである。
【0122】
以上のように前記距離L1と前記距離L2の関係はL1<L2とすることで封止部材19を開封部材20に巻き込まれず良好に開封可能となるのである。
【0123】
(開口部を定義する連結部の役割)
ここで現像剤袋16の開封動作において、大きな役割を果たしている開口部を定義する連結部35bの概要を述べる。
【0124】
図11は、最初に開封する第一の接合部22aの部分の剥離を終えて、開口部35aが露出した時の図であり、第二の接合部22bの剥離を終えていない状態である。前述したとおり排出部35は開口部35aの露出が進行する開封方向Eに対して垂直方向Fにずれて複数の開口部35aを有している。そのため複数の開口部を定義する連結部35bもFの方向に複数配されることになる。これにより複数の連結部35bは、排出部35の開封が進行する方向Eの方向において、第一の接合部22aと第二の接合部22bとを橋渡ししていることになる。そのため、第一の接合部22aの開封を終えた
図8の状態の時に、第二の接合部22aが開封する時の力は前記連結部35bを介して第一の固定部16dで受けることが可能となり封止部材19を現像剤袋16から剥す力を伝えることができる。つまり第二の接合部22bに矢印Dと矢印Eの方向に力がかかり第二の接合部22bも剥離可能となるのである。
【0125】
以上のように
図28(b)のように開封方向Eに対して垂直な方向Fに開口部が並んだ場合以外にも同様の効果を得られる。
図28(c)のように開封方向Eに対して垂直な方向に完全に並んでいなくても連結部35bは封止部材19を現像剤袋16から剥す力を第二の接合部22bに矢印Pのように伝えることができる。また
図28(d)のように開封方向Eに対して開口部35aが重なっていても連結部35bは斜めに封止部材19を現像剤袋16から剥す力を第二の接合部22bに矢印Pのように伝えることができる。即ち、複数の開口部35aが開封方向Eに垂直な方向Fにずれて配置されていればよい。
【0126】
また
図28(b)のように連結部35bを含む開口部35aの周囲の部分を接合部22としても良い。この場合でも連結部35bがあることで接合部22がはがれる最後まで力をつたえることができるので開封が確実に行われる。
【0127】
また、開封部材20の回転軸と開口部35aとの関係で言えば、開口部35aは開封部材20の回転軸の方向Rにずれて配置されていると言える。このようにすることで、開封部材20の回転軸と垂直方向(矢印E)に橋渡しする連結部35bを有する。開口部35aの配置は、開封部材の回転軸方向Rにずれていれば良い。
図28(b)に示すように開口部35aが回転軸方向Rに重なっていても、
図28(d)に示すように回転軸方向Rに完全に重なっていなくても矢印Pのように力を伝える事が出来て連結部35bの効果がある。
【0128】
このように現像剤を収納した現像剤収納容器26と開封部材を有した現像剤収納容器30は排出部35に橋渡しする連結部35bがあることにより開封部材20の開封力を第二の接合部22bを開封するまで伝えることができて確実に開封することができる。
【0129】
また、開口部35aと、封止部材の被係合部19bとの関係を説明する(
図3)。被係合部19bは、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。
【0130】
また、開口部35aと、開封部材20との関係を説明する(
図3)。開封部材20は、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。
【0131】
このような構成でも、連結部35bにより開封部材20の開封力を第二の接合部22bを開封するまで伝えることができる効果をえることができる。
【0132】
(連結部が別部材の例)
また
図21に示すように排出部35開口部35aを定義する連結部35bを別の部材(連結部材16f)としても良い。この場合開封方向Eに垂直な方向Fに長い一つの開口部16aを設け前記長い一つの開口部16aに開封方向Eに沿って橋渡しする別部材である連結部材16fを設ける構成である。この時長い一つの開口部16aの第一の接合部22a側と第二の接合部22b側にそれぞれ連結部材16fを接着、溶着等で接合されている。
【0133】
なお現像剤袋16に連結部材16fを設けた場合においても封止部材19は前述のように接合部22と被係合部19bの間で折り返されていることで開封部材20に封止部材19を巻きつける事で開封可能としている。このような構成をとる事により複数の開口部35aを設けた場合の開口部を定義する連結部35bと連結部材16fは同じ役割を果たす。つまり長い一つの開口部16aは連結部材16fにより複数の開口部35aがある場合と同じなのである。
【0134】
よって第一の接合部22aの開封を終えて第二の接合部22bを剥離する時に、開封部材20が第二の接合部22aが開封する時の力(矢印D)は前記連結部材16fを介して第一の固定部16dで矢印Hに受けることが可能となる。よって、封止部材19を現像剤袋16から剥す力を伝えることができる。つまり第二の接合部22bに矢印Dと矢印Hの方向に力がかかり第二の接合部22bも可能となるのである。
【0135】
このように長い一つの開口部16aは連結部材16fにより複数の開口部35aをつくることで連結部材16fのみを強くしたりすることも可能となる。
【0136】
(連結部が無い場合の開封性の課題)
ここで本発明を適用せず現像剤袋16が開封困難な例について述べる。これは
図13、14で示すように連結部35bが存在せず開封が困難になる場合である。
図13は連結部35bが存在せず開口部16aが一つの例であり、
図13(a)は第二の接合部22bの剥離前の状態で、
図13(b)と
図15は第二の接合部を剥離する時の状態を示した図である。また
図8は本実施例における第二の接合部22aを引き剥がす状態の開口部35a周辺の拡大断面図であり、
図14は連結部35bが存在せず開封が困難になる場合の開口部35a周囲の断面図である。
【0137】
この場合第二の接合部22bまで開封が進んだ状態が
図14(a)であり、この状態から更に開封部材20の回転により封止部材19が矢印Dの方向に引っ張られ移動する。すると連結部35bを有さない為に、第一の固定部16dからの力を、開口部16aの中央の第二の接合部22b側に伝達することができない。そのため
図14(b)、
図13(b)のように第二の接合部22bは枠体の固定部18aからの拘束力がなくなり開口部16aが矢印Dの方向に大きく開いていく。更に第二の接合部22bが封止部材19に引っ張られて
図14(c)に示す様に開口部16aが変形する。この場合第二の接合部22bに働く力は
図8に示すような傾斜剥離の位置関係にならず、
図14(b)に示すように開口部35aが変形する事でせん断剥離(略0°剥離)となるため剥離するために大きな力が必要となる。しかも第一の固定部16dが支持する力を第二の接合部22bに伝達できないため第二の接合部22bは剥離できないまま開封部材20に引っ張られていく。そのため第二の接合部22bの長手中央付近の開口部16aが更に大きく開いてしまい、開封部材20に巻きついてしまう。
【0138】
なお現像剤を収納するものが構造体のように硬いものであればこのような変形は無く従来例のように開封可能である。しかし、現像剤を変形可能な柔らかい袋状のものに収納し、開口部が開封時変形するようなものを開封する構成の場合は前述のように連結部35bがないと開封が難しくなる。
【0139】
以上述べてきたように画像形成装置Bの開封部材20に駆動力を伝える事で封止部材19(=トナーシール)を開封可能とし、ユーザーがトナーシールを引き取り去る必要がなくなり、より簡便に現像装置38、プロセスカートリッジAを交換して使用できる。また開封後の封止部材19が開封部材20に固定されていることで、プロセスカートリッジAから廃材を出すことなく開封ができる。
【0140】
<押圧部材と現像剤排出概要について>
(押圧部材)
図16に示すように押圧部材21は軸部21aと、軸部21aに固定された押圧シート21bを備えており、第一の枠体17と第二の枠体18の内部に回転可能に設けられている。
【0141】
まず軸部21aは開封部材20と同一部品で機能させている(21a=20)。よって前述のように不図示の画像形成装置B本体からの駆動手段により駆動力が伝達され矢印Cの方向に押圧部材21(=20)が回転する。
【0142】
次に押圧シート21bは断面が四角い軸部21aの一面に固定されて、軸部材21aと共に回転する。なお前記押圧シート21bの材質としてはPET、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、ポリカーボネイト、等の可撓性シートで、厚みは0.05〜0.1mm程度を用い、その先端は軸部21aの外接円より外側に突出している。ここで本実施例では軸部21aの異なる面に封止部材19と押圧シート21bを固定しているが、軸部21aの同じ面に封止部材19と押圧シート21bを固定しても良い。
【0143】
また
図16、
図17に示すように前記押圧シート21bは現像剤を攪拌し、現像ローラ13や現像剤供給23の方へ搬送する機能も兼ねている。
【0144】
<現像剤収納袋からの現像剤排出概要>
(開封前から開封時の排出概要)
まず開封前から開封開始時の現像剤の排出に関して前述の
図7、
図8に示すように封止部材19は力点部20aの方へ引っ張り(矢印D)、現像剤袋16は枠体の固定部18cで支えられる。そのため、開封時は力点部20aと、枠体の固定部18cと、接合部22の剥離する場所との3か所は、開封部材20の回転軸に垂直な断面において直線状に並ぶ方向に移動する。このように開封部材20が封止部材19に力を与え開封動作を行う前の時と、開封動作を開始し前記第一の接合部22aでの接合が開封される時とで、開口部35aの位置が変化することにより開口部35a近傍の現像剤滞留を防ぐことができて排出性が良い。
【0145】
(開封後の排出概要 押圧時)
また開封後は
図8(b)に示すように前述の現像剤袋16から封止部材19を開封すると、まず開口部35aは現像剤袋16の下方に開くように配置してあるため、重力の作用と開封時の現像剤袋16の振動等により開口部35a付近の現像剤が排出される。
【0146】
開封後更に開封部材20の回転が進むと、開封部材20に固定された現像剤袋16を押す押圧シート21bも回転し、
図9で示すように現像剤袋16により開封部材20に巻き着く。ここで
図16に示すように押圧シート21bは弾性を有しているため、もとの形状に回復しようとするために現像剤袋16を矢印J方向に押す。この時現像剤袋16は押圧シート21bにより押され収納するトナーを介して第二の枠体18に押さえつけられ現像剤袋16全体が変形する。また現像剤袋16は押圧シート21bにより押され内容積が少なくなる。このように現像剤袋16の容積減と全体形状の変化により、現像剤袋16の内部の現像剤は撹拌され、それにより開口部35aから現像剤が排出されやすくなる。またこの時現像剤袋16は開口部35a以外は閉じており開口部35a以外に現像剤の逃げ道が無いため開口部35aからの排出性が高い。以上のような排出作用により矢印Iの方向に現像剤を排出しやすい。
【0147】
なおこの時現像剤袋16は少なくとも一部が第二の枠体18に当接して押さえつけられれば現像剤袋16は変形できる。
【0148】
また現像ローラ13の回転軸方向と複数の開口部35aの並ぶ方向Fを揃えることで、現像剤を排出時に現像ローラ13の長手方向全体に現像剤が偏りなく供給され易くすることができる。
【0149】
また現像装置38が画像形成装置Bに装着された際に、開口部35aが重力方向に開くように設けられることで現像剤の排出性を向上させる事ができる。
【0150】
また枠体(17、18)内部に設けられて押圧部材21が現像剤袋16を第二の枠体18に押し付けるように押圧することで現像剤の排出性を向上させる事が出来る。
また、封止部材19も、基材がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等で、厚み0.03〜0.15mmの可撓性シートを用いている為、上記押圧シート21bと同様のメカニズムによって排出作用に関わっている。
【0151】
(排出概要 現像剤袋形状回復)
そして
図17で示すように更に開封部材20の回転が進み押圧シート21bが現像剤袋16から離れる。この時現像剤袋16は可撓性を有しているため収納する現像剤の重さで押圧される前の状態に回復しようとする(矢印K)。そしてまた押圧シート21bも回転し、
図16で示すように現像剤袋16を第二の枠体18に押し現像剤袋16が変形することで開口部35a付近以外の現像剤も動かされ開口部35aより排出される。
【0152】
(排出概要 押圧/回復の繰り返し)
開封直後の現像剤が現像剤袋16内部に多くある場合は押圧シート21bおよび開封部材20の現像剤袋16への侵入量が繰り返し変化し、第二の枠体18に押しつけるように現像剤袋16を変形させる。この押圧部材21の押圧による現像剤袋16の収縮と、現像剤袋16内部の現像剤の重さと現像剤袋16可撓性による回復を繰り返す。また前記作用により現像剤袋16自体が動くため現像剤袋16が振動し、この振動によっても現像剤袋16内部の現像剤が開口部35aから排出される。また押圧部材21は回転するため繰り返し現像剤袋16を押圧させることができる。
【0153】
(現像剤袋を枠体に貼りつけた例)
なお現像剤袋16が第二の枠体18へ押圧される部分27は
図25に示す様に接着剤、両面テープ等の接合部28を設けて接合されている場合でも押圧シート21bが現像剤袋16を押圧し現像剤を排出することができる。
【0154】
(現像剤が少なくなった場合)
画像形成を行い現像剤袋16内の現像剤が少なくなった場合について
図32を用いて説明する。尚、簡略化の為に押圧部材21を中心に説明するが、封止部材19に関しても同様の現象となる。開封直後は
図32(a)に示すように収納する現像剤の重みにより現像剤袋16は押圧部材21に常に接触するように形状が追従して大きさ(内容積)を周期的に変化させる。しかし収納する現像剤が少なくなると
図32(b)に示すように現像剤の重さが軽くなり押圧部材21に追従しなくなり周期定期に離接を繰り返すようになる。現像剤袋16と押圧部材21が周期的に接触するので、現像剤袋16が振動する事による現像剤の排出が可能である。
【0155】
現像剤袋16と押圧部材21の位置関係によっては、現像剤が少なくなった時点で、現像剤袋16と押圧部材21が常に接触しなくなってしまう場合が有る。即ち、周期的な接触による現像剤の排出も行われなくなってしまう為、現像剤袋16内に排出されない現像剤が残ってしまう可能性が有る。この時、
図32(c)に示すように押圧部材21に押圧シート21bが固定され、押圧シート21bが常に現像剤袋16に接触するのに充分な長さを有する構成とするのがよい。このようにすることで、現像剤袋16に対して押圧シート21bが撓んだ状態で接触している為に、現像剤が少なくなり現像剤袋16が変形した場合であっても、現像剤袋16と押圧部材21が接触しないという状態にならず、排出効果を維持する事が可能である。
【0156】
つまり、押圧部材21に可撓性シートを用いると、現像剤袋の状態に応じて、押圧部材の回転軸中心から現像剤袋16を押圧する作用点までの距離を変化させる事が可能である。具体的には、現像剤袋16にトナーが充分入っている時は押圧シート21bが撓んだ状態で現像剤袋16を押圧しているが、現像剤袋16のトナーが少なくなるにつれて、押圧シート21bの撓みがより解消された状態で現像剤袋16と接触するようになっている。
【0157】
また、押圧部材21の回転軸方向において、現像剤袋16内の現像剤に偏りが生じ、現像剤袋16と押圧部材21の接触ムラが発生した場合であっても、上記押圧部材21に押圧シート21bが固定された構成であれば、上述と同様に排出効果を維持する事が可能である。
【0158】
(押圧シートと封止部材の兼用)
なお押圧シート21と封止部材19を兼用させて1部品で両方の機能をもたせてもよい。これは開封封後に接合部22が現像剤袋16と離れるため、封止部材19の接合部22側の端部は自由端となる。このため封止部材19は押圧シート21bの機能を有することができる。このように押圧部材21の軸部21aの機能を開封部材20が有し、押圧シート21bの機能を封止部材19が有することが可能となる。
このようにすると、部品点数の削減ができてコストダウンが図れる。
【0159】
以上のように現像剤排出口である開口部35aに現像剤排出ローラ等の他の排出部品を設けることなく現像剤袋16内部の現像剤を良好に排出可能とし、開口部35a付近の現像剤の凝集、ブリッジを防止できる。これにより物流、保管時等で現像剤袋16内の現像剤がタッピングにより固まった場合でもこのような現像剤袋16全体や開口部35a周囲の移動により現像剤の塊を崩すことで現像剤の排出が困難になる状態を防止できる。
【0160】
(押圧部材が一部品の例)
また押圧部材21が軸部21aと押圧シート21bの別部品ではなく、
図26(a)で示すように同一部品で押圧シート21bの作用をする凸部21cを押圧部材21に設けても同様に現像剤の排出を行うことができる。押圧部材21の軸部21aのみで構成される場合において、回転中心に垂直な断面で見たときに前記軸部21aの断面が多角形(
図26(b))の形状やカム形状(
図26(c))を有する場合でも現像剤袋16を枠体29に押圧して変形させる事が可能である。これは押圧部材21を少なくとも現像剤袋16に接するように配置すると、押圧部材21の回転中心から外形への距離が変化する為に押圧部材21の現像剤袋16への侵入量も変化するためである。つまり中心に回転軸をもつ円形断面の軸で無い限り、押圧部材21の回転により現像剤袋16を変形させる事が可能である。
図26で示すように押圧部材21の中心から遠い外形までの距離21cと外形まで近い距離21dが異なっているため押圧部材21の現像剤袋16への侵入量も変化する。また
図33(b)は断面が十字形の押圧部材21の断面図、
図33(a)は十字形の押圧部材21を有する現像剤収納ユニット25の断面説明図である。
図33に示すように押圧部材の中心から外形までの距離が等しい4本の凸部21eを有する場合、4本の凸部21eの外形(21c)は共に等しい。しかし、凸部21e以外に中心から近い外形の部分(距離21d)を有するため現像剤袋16への侵入量を変化させることができる。即ち、押圧部材21は、押圧部材21の回転中心に垂直な断面において、押圧部材21の回転中心から押圧部材の外形までの距離が異なる部分を有する回転部材とすることができる。
【0161】
このように押圧部材21により現像剤袋16は押される事(矢印J)で枠体29に押しつけられて変形して内容積が減少し内部の現像剤が押し出されて開口部35aより排出される(矢印I)。
【0162】
また画像形成時の姿勢において押圧部材21の軸部21a(=20)は現像剤袋16の重力方向下方にあり現像剤袋16と接している。そして押圧部材21の軸部21a(=20)は断面形状が四角であり、断面形状が丸ではないため軸部21a(=20)の回転により現像剤袋16への軸部21a(=20)の侵入量は前述のように周期的に変化する。前記現像剤袋16への軸部21a(=20)の侵入量が変化することによっても現像剤袋16の容積を変化させ、また振動させることができて排出性が向上できる。
【0163】
さらには、押圧部材21に押圧シート21bが固定された構成ならば、現像剤袋16に対して押圧シート21bが撓んだ状態で接触している為に、現像剤袋16が変形した場合であっても、現像剤袋16と押圧部材21が接触しないという状態にならない。そのため、排出効果を維持する事が可能である。また、可撓性を有する押し圧シート21bを有する構成でなくても、凸部21cを可撓性を有するような薄いシート状にし、現像剤袋16に接触するのに充分な長さを有するようにしても上述と同様に排出効果を維持する事が可能である。
【0164】
<押圧部材と現像剤袋内の現像剤循環概要>
以上、前記押圧部材21の作用効果として、トナー排出について説明したが次に前記押圧部材21の別の作用効果である現像剤袋内の現像剤循環作用について
図17を用いて説明する。
【0165】
図17に示す様に開封部材20の回転が進み押圧シート21bが現像剤袋16から離れる。この時現像剤袋16は可撓性を有しているため収納する現像剤の重さで押圧される前の状態に回復しようとする(矢印K)。そしてまた押圧シート21bも回転し、
図16で示すように現像剤袋16を第二の枠体18に押し現像剤袋16が変形することで開口部35a付近以外の現像剤も動かされる、この現像剤の動きにより現像剤袋16内での現像剤の循環作用が起きるのである。すなわち、現像剤袋16の変形作用が、現像剤袋16内の現像剤を動かすことで、現像剤袋16内の現像剤循環作用を起こすのである。また、現像剤袋の変形振幅と現像剤循環作用は比例関係にある。
【0166】
(開口部が大きな一つの開口部である場合、長手方向への引きはがしの例)
図50は大きな一つの開口部16aを有する現像剤袋16を示した図である。トナーを排出するための開口部は、
図3で示すような複数の開口部35aの構成のみならず、
図50で示すような大きな一つの開口部16aを有する構成でも押圧シート21bに押圧される事で現像剤袋16内部からトナーを排出できる。
【0167】
なおこの場合は封止部材19を開口部の長い方向(矢印方向)へユーザーもしくは不図示の巻き取り機構で引きはがすことで開封しても良い(
図51)。
【0168】
(長手方向への押圧)
また押圧方向が現像ローラの回転軸方向へ押圧する場合について述べる。
図52は現像ローラ13の回転軸方向に対して垂直方向に見た概略説明図である。
図52では開封部材20は矢印Jと矢印J1方向に往復移動可能に枠体29に支持されており、画像形成装置B本体からの駆動により往復移動する。
【0169】
次に押圧部材21の動きと現像剤袋16内部のトナーの排出動作について
図52を用いて述べる。押圧部材21は矢印Jの方向へ動いて現像剤袋16を押圧する(
図52(b))。この押圧により現像剤袋16は枠体29の側面29aに押しつけられる様に変形される。また押圧部材21は矢印Jと反対方向(矢印J1方向)にも動き、現像剤袋16は自らの可撓性により
図52(a)の状態へと戻る。このように押圧部材21の押圧による現像剤袋16の収縮と、現像剤袋16可撓性による回復を繰り返しトナーを排出する。また前記作用により現像剤袋16自体が動くため現像剤袋16が振動し、この振動によっても現像剤袋16内部の現像剤が開口部35aから排出される(矢印I)。また押圧部材21は回転するため繰り返し現像剤袋16を押圧させることができる。