(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乗場状況検出部は、前記カゴ乗り場の状況として、カゴの呼びボタンが設置されている前記カゴ乗り場のボタン設置領域に、ユーザが進入している状況を検出する進入検出部を備えており、
前記案内内容決定部は、前記進入検出部により進入している状況が検出されてからの経過時間を計測し、前記経過時間が閾値を超えるまでの間に、前記呼びボタンの操作が行われなければ、前記第2の案内内容として、前記呼びボタンの操作方法を知らせる案内内容を決定することを特徴とする請求項2記載の案内提示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面にしたがって説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による案内提示装置を示す構成図であり、
図2はこの発明の実施の形態1による案内提示装置のハードウェア構成図である。
図1及び
図2において、カゴ内状況検出部1はカゴ内混雑状況検出部2及び手押し車検出部3を備えており、エレベータにおけるカゴ内の状況として、例えば、カゴ内の混雑状況や、車椅子が存在している状況などを検出する処理を実施する。
【0011】
カゴ内混雑状況検出部2は例えば
図2のカゴ内混雑状況検出回路31で実現されるものであり、カゴ内の状況として、カゴ内の混雑状況を検出する処理を実施する。
カゴ内の混雑状況は、例えば、カゴ内の天井や壁などに設置されているカメラの映像、カゴ内の重量を計測する重量センサのセンシング結果、カゴ内のユーザを検知する赤外線センサのセンシング結果などから検出することができる。
手押し車検出部3は例えば
図2の手押し車検出回路32で実現されるものであり、エレベータにおけるカゴ内の状況として、カゴ内に手押し車である車椅子が存在している状況を検出する処理を実施する。
この実施の形態1では、手押し車として、車椅子が存在している状況を検出する例を説明するが、手押し車が車椅子に限るものではなく、例えば、ベビーカー、台車、キャリーバッグなどが考えられる。
車椅子の存在は、例えば、カゴ内の天井や壁などに設置されているカメラの映像などから検出することができる。
【0012】
乗場状況検出部4は乗場混雑状況検出部5及び手押し車検出部6を備えており、エレベータにおけるカゴ乗り場の状況として、例えば、カゴ乗り場の混雑状況や、車椅子が存在している状況などを検出する処理を実施する。
乗場混雑状況検出部5は例えば
図2の乗場混雑状況検出回路33で実現されるものであり、カゴ乗り場の混雑状況を検出する処理を実施する。
カゴ乗り場の混雑状況は、例えば、カゴ乗り場の天井や壁などに設置されているカメラの映像、カゴ乗り場の床などに設置されている重量センサのセンシング結果、カゴ乗り場のユーザを検知する赤外線センサのセンシング結果などから検出することができる。
手押し車検出部6は例えば
図2の手押し車検出回路34で実現されるものであり、カゴ乗り場の混雑状況として、カゴ乗り場に車椅子が存在している状況を検出する処理を実施する。
この実施の形態1では、手押し車として、車椅子が存在している状況を検出する例を説明するが、手押し車が車椅子に限るものではなく、例えば、ベビーカー、台車、キャリーバッグなどが考えられる。
車椅子の存在は、例えば、カゴ乗り場の天井や壁などに設置されているカメラの映像などから検出することができる。
【0013】
通信部7a,7bは例えば
図2の通信回路35で実現されるものであり、ユーザの情報端末から送信された行先情報を受信する。
行先情報はユーザの行先階を示す情報であり、ユーザの情報端末は例えばユーザの服装や車椅子などに装着されているタグなどの小型発信器のほか、ユーザが携帯しているスマートフォンなどが該当する。
この実施の形態1では、事前に行先情報がユーザの情報端末に設定されるものとし、エレベータのカゴ内やカゴ乗り場では、ユーザが情報端末を特に操作することなく、情報端末から自動的に行先情報が送信されるものとする。
この実施の形態1では、情報端末から送信される行先情報が示す行先階は、後述する案内内容決定部8によってカゴ内の混雑状況を推定する際に利用されるものであり、ユーザが乗り込むカゴの行先を設定するために利用されるものではない。ただし、ユーザが乗り込むカゴの行先を設定するために利用することは可能である。
この実施の形態1では、通信部7aがカゴ内に設置され、通信部7bがカゴ乗り場に設置されているものとする。
【0014】
案内内容決定部8は例えば
図2の案内内容決定回路36で実現されるものであり、乗場状況検出部4により検出されたカゴ乗り場の状況から、カゴ内のユーザに案内する内容である第1の案内内容を決定し、カゴ内状況検出部1により検出されたカゴ内の状況から、カゴ乗り場のユーザに案内する内容である第2の案内内容を決定する処理を実施する。
具体的には、案内内容決定部8は第1の案内内容として、乗場混雑状況検出部5により検出されたカゴ乗り場の混雑状況を知らせる案内内容を決定し、第2の案内内容として、カゴ内混雑状況検出部2により検出されたカゴ内の混雑状況を知らせる案内内容を決定する処理を実施する。
ただし、案内内容決定部8は第2の案内内容を決定する際、通信部7aにより受信された行先情報が示す行先階とカゴ内混雑状況検出部2により検出されたカゴ内の混雑状況とから、カゴ乗り場にカゴ内のユーザの一部が降りた後のカゴ内の混雑状況を推定し、その推定したカゴ内の混雑状況を知らせる案内内容を決定する。
【0015】
また、案内内容決定部8は乗場状況検出部4の手押し車検出部6により車椅子が存在している状況が検出された場合、第1の案内内容として、カゴ内に車椅子が進入してくる可能性があることを知らせるとともに、車椅子が入るスペースをカゴ内に明示する案内内容を決定する処理を実施する。
案内内容決定部8はカゴ内状況検出部1の手押し車検出部3により車椅子が存在している状況が検出された場合、第2の案内内容として、カゴ内から車椅子が降りてくる可能性があることを知らせるとともに、カゴ内から降りてくる車椅子の経路をカゴ乗り場に明示する案内内容を決定する処理を実施する。
ただし、案内内容決定部8は第2の案内内容を決定する際、カゴ内混雑状況検出部2により検出されたカゴ内の混雑状況から、カゴ内に車椅子が入るスペースの有無を判定し、カゴ内に車椅子が入るスペースが無ければ、当該カゴへの乗り込みを見送って、当該カゴの次に到着するカゴへの乗り込みを促す案内内容を決定する。
【0016】
第1の案内提示部である案内提示部9は案内提示処理部10、ディスプレイ11及びスピーカ12を備えている。
案内提示処理部10は例えば
図2の案内提示処理回路37で実現されるものであり、案内内容決定部8により決定された第1の案内内容をカゴ内のユーザに提示する処理を実施する。
ディスプレイ11はカゴ内の壁、天井や床などに設置され、案内内容決定部8により決定された第1の案内内容を表示する。
スピーカ12はカゴ内の壁や天井などに設置され、案内内容決定部8により決定された第1の案内内容を音声出力する。
【0017】
第2の案内提示部である案内提示部13は案内提示処理部14、ディスプレイ15及びスピーカ16を備えている。
案内提示処理部14は例えば
図2の案内提示処理回路38で実現されるものであり、案内内容決定部8により決定された第2の案内内容を乗り場のユーザに提示する処理を実施する。
ディスプレイ15はカゴ乗り場の壁、天井や床などに設置され、案内内容決定部8により決定された第2の案内内容を表示する。
スピーカ16はカゴ乗り場の壁や天井などに設置され、案内内容決定部8により決定された第2の案内内容を音声出力する。
【0018】
図1の案内提示装置には、乗場状況検出部4、通信部7b及び案内提示部13が1つずつ実装されているが、実際には、エレベータの各階に、乗場状況検出部4、通信部7b及び案内提示部13が設置されるため、エレベータの階数分だけ、乗場状況検出部4、通信部7b及び案内提示部13が
図1の案内提示装置に実装される。
したがって、例えば、エレベータの階数が8であれば、乗場状況検出部4、通信部7b及び案内提示部13が8つずつ実装される。
ただし、エレベータの全階に、乗場状況検出部4、通信部7b及び案内提示部13が設置されることは必須ではなく、例えば、1階や2階などの主要な階にだけ、乗場状況検出部4、通信部7b及び案内提示部13が設置されているものであってもよい。
【0019】
図1では、案内提示装置の構成要素であるカゴ内混雑状況検出部2、手押し車検出部3、乗場混雑状況検出部5、手押し車検出部6、通信部7a,7b、案内内容決定部8、案内提示処理部10、ディスプレイ11、スピーカ12、案内提示処理部14、ディスプレイ15及びスピーカ16のそれぞれが、
図2に示すような専用のハードウェア、即ち、カゴ内混雑状況検出回路31、手押し車検出回路32、乗場混雑状況検出回路33、手押し車検出回路34、通信回路35、案内内容決定回路36、案内提示処理回路37、ディスプレイ11、スピーカ12、案内提示処理回路38、ディスプレイ15及びスピーカ16で実現されるものを想定している。
ここで、カゴ内混雑状況検出回路31、手押し車検出回路32、乗場混雑状況検出回路33、手押し車検出回路34、通信回路35、案内内容決定回路36、案内提示処理回路37及び案内提示処理回路38は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。
【0020】
ただし、案内提示装置の構成要素が専用のハードウェアで実現されるものに限るものではなく、案内提示装置がソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現されるものであってもよい。
ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)などが該当する。
ここで、コンピュータのメモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0021】
図3は案内提示装置がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
案内提示装置がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合、カゴ内混雑状況検出部2、手押し車検出部3、乗場混雑状況検出部5、手押し車検出部6、通信部7a,7b、案内内容決定部8、案内提示処理部10及び案内提示処理部14の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムをメモリ51に格納し、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行することで、案内内容をディスプレイ53及びスピーカ54に出力するようにすればよい。
【0022】
図4は案内提示装置がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合の処理手順である案内提示方法を示すフローチャートである。
また、
図2では案内提示装置の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアで実現される例を示し、
図3では、案内提示装置がソフトウェアやファームウェアなどで実現される例を示しているが、案内提示装置における一部の構成要素が専用のハードウェアで実現され、残りの構成要素がソフトウェアやファームウェアなどで実現されるものであってもよい。
【0023】
次に動作について説明する。
カゴ内状況検出部1のカゴ内混雑状況検出部2は、エレベータにおけるカゴ内の混雑状況を検出する(
図4のステップST1)。
カゴ内の混雑状況は、例えば、カゴ内の天井や壁などに設置されているカメラの映像から検出することができる。
具体的には、以下のようにして、カゴ内の混雑状況を検出する。
【0024】
カゴ内の天井に設置されているカメラは、事前に、カゴ内にユーザが存在していない状況下で撮影し、カゴ内混雑状況検出部2は、そのカメラの映像(以下、「空室映像」と称する)を記憶する。
このとき、空室映像には、カゴ内の床が映されるが、この実施の形態1では、カゴ内の床には、
図5Aに示すように、複数のドット模様がプリントされている例を想定する。
カゴ内の天井に設置されているカメラは、カゴ内にユーザが存在している状況下で撮影し、カゴ内混雑状況検出部2は、そのカメラの映像を取得する。
カゴ内にユーザが存在している場合、
図5Bに示すように、ユーザが存在している位置では、カゴ内の床が映らなくなる。このため、カメラの映像に映っているドット模様の個数N
1が、空室映像に映っているドット模様の個数N
0より減少する。
図5Aはカゴ内にユーザが存在していない状況下で撮影された映像を示す説明図であり、
図5Bはカゴ内にユーザが存在している状況下で撮影された映像を示す説明図である。
【0025】
そこで、カゴ内混雑状況検出部2は、カメラの映像に映っているドット模様の個数N
1をカウントし、カゴ内の混雑状況C
aとして、下記の式(1)に示すように、空室映像に映っているドット模様の個数N
0に対するカメラの映像に映っているドット模様の個数N
1の割合を算出する。
ここでは、カゴ内の床に、複数のドット模様がプリントされている例を示しているが、カゴ内のユーザが存在している状況下でカメラに映る床の面積と、カゴ内のユーザが存在していない状況下でカメラに映る床の面積とを計測することができればよく、複数のドット模様がプリントされているものに限るものではない。したがって、例えば、カゴ内の床が、蛍光色などの特別色で着色されているものであってもよい。
また、事前に、人間の形状を記憶しておき、カメラの映像と、記憶している人間の形状とのパターンマッチングを実施することで、カゴ内に存在している人間を検出し、検出した人間の数から混雑状況を検出するようにしてもよい。
【0026】
また、ここでは、カメラの映像からカゴ内の混雑状況を検出する例を示しているが、これに限るものではなく、例えば、カゴ内の重量を計測する重量センサのセンシング結果から、カゴ内の混雑状況を検出するようにしてもよい。即ち、カゴ内にユーザが存在していない状況下での重量センサのセンシング結果と、カゴ内にユーザが存在している状況下での重量センサのセンシング結果とを比較することで、カゴ内の混雑状況を検出するようにしてもよい。
また、カゴ内のユーザを検知する赤外線センサのセンシング結果から、カゴ内の混雑状況を検出するようにしてもよい。即ち、カゴ内にユーザが存在していない状況下での赤外線センサのセンシング結果と、カゴ内にユーザが存在している状況下での赤外線センサのセンシング結果とを比較することで、カゴ内の混雑状況を検出するようにしてもよい。
【0027】
カゴ内状況検出部1の手押し車検出部3は、カゴ内に車椅子が存在している状況を検出する(
図4のステップST2)。
車椅子の存在は、例えば、カゴ内の天井や壁などに設置されているカメラの映像などから検出することができる。
具体的には、車椅子は、2つの車輪が所定の間隔で平行に存在しているという特有な形状を有しているので、カメラの映像を解析することで、例えば、所定の間隔で平行に並んでいる2つの円形状の物体が存在していれば、車椅子が存在していると判断することができる。
ここでは、所定の間隔で平行に並んでいる2つの円形状の物体の有無によって、車椅子の存在の有無を判定している例を示しているが、事前に、車椅子の形状を記憶しておき、カメラの映像と、記憶している車椅子の形状とのパターンマッチングを実施することで、車椅子の存在を検出するようにしてもよい。
【0028】
乗場状況検出部4の乗場混雑状況検出部5は、カゴ乗り場の混雑状況C
bを検出する(
図4のステップST3)。
乗場混雑状況検出部5による混雑状況の検出処理は、検出処理を実施する場所が異なるだけで、検出処理の内容自体は、カゴ内混雑状況検出部2による混雑状況の検出処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
乗場状況検出部4の手押し車検出部6は、カゴ乗り場に車椅子が存在している状況を検出する(
図4のステップST4)。
手押し車検出部6による車椅子の検出処理は、検出処理を実施する場所が異なるだけで、検出処理の内容自体は、手押し車検出部3による車椅子の検出処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0029】
通信部7a,7bは、ユーザの情報端末から送信された行先情報を受信する(
図4のステップST5,ST6)。
通信部7aは、カゴ内に設置されているため、カゴに乗り込んでいるユーザの情報端末から送信された行先情報を受信し、通信部7bは、カゴ乗り場に設置されているため、カゴ乗り場に存在しているユーザの情報端末から送信された行先情報を受信する。
また、この実施の形態1では、カゴ内の全てのユーザ及びカゴ乗り場の全てのユーザが、行先情報を送信する情報端末を携帯していることを想定しているが、実際には、行先情報を送信する情報端末を携帯していないユーザも存在している。
そのため、後述する案内内容決定部8が、例えば、カゴ内混雑状況検出部2による混雑状況C
aの検出結果から、カゴ内のユーザの人数を大まかに把握し、通信部7aにより受信されたユーザの行先情報の数が、カゴ内のユーザの人数に近い数である場合に限り、通信部7aにより受信された行先情報を後述する混雑状況の推定などに利用するようにしてもよい。ここで、カゴ内のユーザの人数に近い数は、適宜設定されればよいが、カゴ内のユーザの人数に対して、通信部7aにより受信された行先情報の数の割合が例えば80%や90%などであれば、近い数であると判断される態様が考えられる。
【0030】
案内内容決定部8は、乗場状況検出部4により検出されたカゴ乗り場の状況から、カゴ内のユーザに案内する内容である第1の案内内容を決定し、カゴ内状況検出部1により検出されたカゴ内の状況から、カゴ乗り場のユーザに案内する内容である第2の案内内容を決定する(
図4のステップST7)。
以下、案内内容決定部8による案内内容の決定処理を具体的に説明する。
【0031】
案内内容決定部8は、カゴ内混雑状況検出部2の検出結果からカゴ内の混雑状況C
aを把握し、また、カゴが次に到着する階の乗場混雑状況検出部5の検出結果から、カゴが次に到着する階のカゴ乗り場の混雑状況C
bを把握する。
この実施の形態1では、カゴが次に到着する階の情報は、図示せぬエレベータの制御装置から得られるものとする。
【0032】
次に、案内内容決定部8は、下記の式(2)から示すように、カゴ内混雑状況検出部2による混雑状況C
aの検出結果から、カゴ内のユーザの人数P
aを把握する。
式(2)において、P
capはカゴの定員である。
ここでは、案内内容決定部8が、カゴ内混雑状況検出部2による混雑状況C
aの検出結果から、カゴ内のユーザの人数P
aを把握する例を示しているが、全てのユーザが情報端末を携帯している場合には、通信部7aにより受信された行先情報の数から、カゴ内のユーザの人数P
aを把握するようにしてもよい。
【0033】
案内内容決定部8は、カゴ内のユーザの人数P
aを把握すると、カゴ内に設置されている通信部7aにより受信された行先情報が示す行先階から、カゴが次に到着するカゴ乗り場で降りるカゴ内のユーザの人数P
offを把握する。
そして、案内内容決定部8は、下記の式(3)から示すように、カゴ内のユーザの人数P
aから、次のカゴ乗り場で降りるユーザの人数P
offを減算し、その減算結果をカゴの定員P
capで除算することで、次のカゴ乗り場にユーザの一部が降りた後のカゴ内の混雑状況Q
aを推定する。
【0034】
案内内容決定部8は、カゴが次に到着する階の乗場混雑状況検出部5による混雑状況C
bの検出結果から、カゴが次に到着する階のカゴ乗り場に存在しているユーザの人数P
bを大まかに把握する。全てのユーザが情報端末を携帯している場合には、カゴが次に到着する階のカゴ乗り場に設置されている通信部7bにより受信された行先情報の数から、カゴ乗り場に存在しているユーザの人数P
bを把握するようにしてもよい。
【0035】
案内内容決定部8は、第1の案内内容として、乗場混雑状況検出部5により検出されたカゴ乗り場の混雑状況C
bを知らせる案内内容を決定する。
ここでは、案内内容決定部8が、カゴ乗り場の混雑状況C
bを知らせる案内内容を決定しているが、カゴ乗り場の混雑状況C
bを知らせる案内内容として、カゴ乗り場に存在しているユーザの人数P
bを知らせる案内内容としてもよい。
また、案内内容決定部8は、カゴの定員P
capから、次のカゴ乗り場にユーザの一部が降りた後のカゴ内の人数P
a’=(P
a−P
off)を減算することで、次のカゴ乗り場で乗り込むことが可能な人数ΔP=P
cap−P
a’を算出する。そして、案内内容決定部8は、カゴ乗り場に存在しているユーザの人数P
bが、次のカゴ乗り場で乗り込むことが可能な人数ΔP以上である場合、あるいは、カゴ乗り場に存在しているユーザの人数P
bが、次のカゴ乗り場で乗り込むことが可能な人数ΔPより少ないが、例えば、カゴの定員P
capの90%以上となる場合、混雑する状況が想定されるため、カゴ乗り場の混雑状況C
bを知らせる案内内容として、混雑する状況が想定される旨を知らせるとともに、カゴ内の奥に移動して頂きたい旨を知らせる案内内容を決定するようにしてもよい。
【0036】
案内内容決定部8は、第2の案内内容として、カゴ内混雑状況検出部2により検出されたカゴ内の混雑状況C
aを知らせる案内内容を決定する。
案内内容決定部8は、カゴ内の混雑状況C
aを知らせる案内内容として、混雑状況C
aそのものではなく、カゴ内のユーザの人数P
aを知らせる案内内容としてもよいし、カゴ乗り場にユーザの一部が降りた後のカゴ内の人数P
a’=(P
a−P
off)を知らせる案内内容としてもよい。
また、案内内容決定部8は、カゴ乗り場に存在しているユーザの人数P
bが、次のカゴ乗り場で乗り込むことが可能な人数ΔP以上である場合、カゴ乗り場に存在しているユーザの全員が乗り込むことはできないため、カゴ内の混雑状況C
aを知らせる案内内容として、混在のために乗り込めないことがある旨を知らせる案内内容を決定するようにしてもよい。
【0037】
ただし、案内内容決定部8は、第1の案内内容として、乗場混雑状況検出部5により検出されたカゴ乗り場の混雑状況C
bを知らせる案内内容を決定する際、カゴが次に到着する階のカゴ乗り場に設置されている手押し車検出部6によって車椅子が存在している状況が検出された場合、カゴ内に車椅子が進入してくる可能性があることを知らせるとともに、車椅子が入るスペースをカゴ内に明示する案内内容を決定する。
【0038】
また、案内内容決定部8は、第2の案内内容として、カゴ内混雑状況検出部2により検出されたカゴ内の混雑状況C
aを知らせる案内内容を決定する際、カゴ内状況検出部1の手押し車検出部3によって車椅子が存在している状況が検出された場合、カゴ内から車椅子が降りてくる可能性があることを知らせるとともに、カゴ内から降りてくる車椅子の経路をカゴ乗り場に明示する案内内容を決定する。
案内内容決定部8は、次のカゴ乗り場にユーザの一部が降りた後のカゴ内の混雑状況Q
aから、カゴ内に車椅子が入るスペースの有無を判定し、カゴ内に車椅子が入るスペースが無ければ、当該カゴへの乗り込みを見送って、当該カゴの次に到着するカゴへの乗り込みを促す案内内容を決定する。
案内内容決定部8は、例えば、カゴ内の混雑状況Q
aからカゴ内の空きスペースの面積を推定し、その推定した面積が、車椅子の一般的な専有面積より狭ければ、カゴ内に車椅子が入るスペースが無いと判定することができる。
【0039】
案内提示部9の案内提示処理部10は、案内内容決定部8が第1の案内内容を決定すると、第1の案内内容をカゴ内のユーザに提示する(
図4のステップST8)。
即ち、案内提示処理部10は、カゴ乗り場の混雑状況C
bを知らせる案内内容をカゴ内に設置されているディスプレイ11に表示、あるいは、スピーカ12からカゴ乗り場の混雑状況C
bを知らせる案内内容を音声出力させる。
案内提示処理部10は、カゴ乗り場の混雑状況C
bを知らせる案内内容として、例えば、案内内容決定部8によって、混雑する状況が想定される旨を知らせるとともに、カゴ内の奥に移動して頂きたい旨を知らせる案内内容が決定された場合、スピーカ12から混雑する状況が想定される旨の音声を出力させるとともに、スピーカ12からカゴ内の奥に移動して頂きたい旨の音声を出力させる。
また、案内提示処理部10は、
図6に示すように、例えば、カゴ内の床に設置されているディスプレイ11に、カゴ内の奥への移動を促す矢印などの記号を表示する。
図6はカゴ内の床に設置されているディスプレイ11が、カゴ内の奥への移動を促す矢印を表示している様子を示す説明図である。
【0040】
また、案内提示処理部10は、案内内容決定部8によって、例えば、カゴ内に車椅子が進入してくる可能性があることを知らせるとともに、車椅子が入るスペースをカゴ内に明示する案内内容が決定された場合、スピーカ12からカゴ内に車椅子が進入してくる可能性がある旨の音声を出力させる。また、
図7に示すように、例えば、カゴ内の床に設置されているディスプレイ11に、車椅子が入るスペースを表示する。
図7はカゴ内の床に設置されているディスプレイ11が、車椅子が入るスペースを表示している様子を示す説明図である。
【0041】
案内提示部13の案内提示処理部14は、案内内容決定部8が第2の案内内容を決定すると、第2の案内内容を乗り場のユーザに提示する(
図4のステップST9)。
即ち、案内提示処理部14は、カゴ内の混雑状況C
aを知らせる案内内容を、カゴが次に到着する階のカゴ乗り場に設置されているディスプレイ15に表示、あるいは、スピーカ16からカゴ内の混雑状況C
aを知らせる案内内容を音声出力させる。
案内提示処理部14は、カゴ内の混雑状況C
aを知らせる案内内容として、例えば、案内内容決定部8によって、混在のために乗り込めないことがある旨を知らせる案内内容が決定された場合、スピーカ16から混在のために乗り込めないことがある旨の音声を出力させる。
【0042】
また、案内提示処理部14は、カゴ内の混雑状況C
aを知らせる案内内容として、例えば、案内内容決定部8によって、カゴ内から車椅子が降りてくる可能性があることを知らせるとともに、カゴ内から降りてくる車椅子の経路をカゴ乗り場に明示する案内内容が決定された場合、スピーカ16から、カゴ内から車椅子が降りてくる可能性がある旨の音声を出力させる。また、
図8に示すように、例えば、カゴ乗り場の床に設置されているディスプレイ15に、カゴ内から降りてくる車椅子の経路を表示する。
図8はカゴ乗り場の床に設置されているディスプレイ15が、カゴ内から降りてくる車椅子の経路を表示している様子を示す説明図である。
【0043】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、乗場状況検出部4により検出されたカゴ乗り場の状況から、カゴ内のユーザに案内する内容である第1の案内内容を決定し、カゴ内状況検出部1により検出されたカゴ内の状況から、カゴ乗り場のユーザに案内する内容である第2の案内内容を決定する案内内容決定部8を設け、案内提示部9が、案内内容決定部8により決定された第1の案内内容をカゴ内のユーザに提示し、案内提示部13が、案内内容決定部8により決定された第2の案内内容をカゴ乗り場のユーザに提示するように構成したので、カゴ内の状況やカゴ乗り場の状況に応じた案内をユーザに提示することができる効果を奏する。その結果、乗り降りのスムーズ化や快適性などを高めることができる。
【0044】
また、この実施の形態1によれば、案内内容決定部8が、第1の案内内容として、カゴ乗り場の混雑状況を知らせる案内内容を決定し、第2の案内内容として、カゴ内の混雑状況を知らせる案内内容を決定するように構成したので、カゴ内のユーザや、カゴ乗り場のユーザが、事前に混雑状況を知ることができる効果を奏する。
【0045】
この実施の形態1によれば、ユーザの情報端末からユーザの行先階を示す行先情報を受信する通信部7aを備え、案内内容決定部8が、通信部7aにより受信された行先情報が示す行先階とカゴ内混雑状況検出部2により検出されたカゴ内の混雑状況とから、カゴ乗り場にカゴ内のユーザの一部が降りた後のカゴ内の混雑状況を推定し、第2の案内内容として、その推定したカゴ内の混雑状況を知らせる案内内容を決定するように構成したので、カゴ乗り場のユーザが、カゴに乗り込む時点でのカゴ内の混雑状況を知ることができる効果を奏する。
【0046】
この実施の形態1によれば、手押し車検出部6により車椅子が存在している状況が検出された場合、案内内容決定部8が、第1の案内内容として、カゴ内に車椅子が進入してくる可能性があることを知らせる案内内容を決定するように構成したので、カゴ内のユーザが、事前にカゴ内に車椅子が進入してくることを知ることができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、案内内容決定部8が、第1の案内内容として、車椅子が入るスペースをカゴ内に明示する案内内容を追加し、案内提示部9が、カゴ内に車椅子が進入している可能性がある旨を提示するとともに、車椅子が入るスペースをカゴ内に表示するように構成したので、車椅子の入るスペースがスムーズに確保されるようになり、車椅子がスムーズにカゴ内に乗り込むことができる効果を奏する。
【0047】
この実施の形態1によれば、手押し車検出部6により車椅子が存在している状況が検出された場合、案内内容決定部8が、カゴ内の混雑状況から、カゴ内に車椅子が入るスペースの有無を判定し、カゴ内に車椅子が入るスペースが無ければ、当該カゴへの乗車を見送って、当該カゴの次に到着するカゴへの乗車を促す案内内容を決定するように構成したので、無理な乗り込みによる運航効率の低下を防ぐことができる効果を奏する。
【0048】
この実施の形態1によれば、手押し車検出部3により車椅子が存在している状況が検出された場合、案内内容決定部8が、第2の案内内容として、カゴ内から車椅子が降りてくる可能性があることを知らせる案内内容を決定するように構成したので、カゴ乗り場のユーザが、事前にカゴ内から車椅子が降りてくることを知ることができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、案内内容決定部8が、第2の案内内容として、カゴ内から降りてくる車椅子の経路をカゴ乗り場に明示する案内内容を追加し、案内提示部13が、カゴ内から車椅子が降りてくる可能性がある旨を提示するとともに、カゴ内から降りてくる車椅子の経路をカゴ乗り場に表示するように構成したので、カゴ内から車椅子が降りる経路がスムーズに確保されるようになり、車椅子がスムーズにカゴ内から降りることができる効果を奏する。
【0049】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、案内内容決定部8が、乗場状況検出部4により検出されたカゴ乗り場の状況から、カゴ内のユーザに案内する内容である第1の案内内容を決定し、カゴ内状況検出部1により検出されたカゴ内の状況から、カゴ乗り場のユーザに案内する内容である第2の案内内容を決定するものを示したが、この実施の形態2では、さらに、カゴの呼びボタンの操作方法を知らせる案内内容を決定するものについて説明する。
【0050】
図9はこの発明の実施の形態2による案内提示装置を示す構成図であり、
図10はこの発明の実施の形態2による案内提示装置のハードウェア構成図である。
図9及び
図10において、
図1及び
図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図11はカゴの呼びボタンが設置されているカゴ乗り場を示す説明図である。
乗場状況検出部4は乗場混雑状況検出部5、手押し車検出部6及び進入検出部21を備えている。
進入検出部21は例えば
図10の進入検出回路41で実現されるものであり、カゴ乗り場の状況として、カゴの呼びボタン61が設置されているカゴ乗り場のボタン設置領域62に、ユーザが進入している状況を検出する処理を実施する。
【0051】
カゴの呼びボタン61は△形状の押しボタンと、▽形状の押しボタンとを備えている。
ユーザが上の階へ行く際に、△形状の押しボタンを押すと、上の階へ行くカゴの呼び出し要求が図示せぬエレベータの制御装置に出力され、▽形状の押しボタンを押すと、下の階へ行くカゴの呼び出し要求がエレベータの制御装置に出力される。
ボタン設置領域62はユーザが手を伸ばすことで、カゴの呼びボタン61を操作することが可能な領域である。
【0052】
案内内容決定部22は例えば
図10の案内内容決定回路42で実現されるものであり、進入検出部21により進入している状況が検出されてからの経過時間Tを計測し、その経過時間Tが閾値Thを超えるまでの間に、呼びボタン61の操作が行われなければ、第2の案内内容として、通信部7bにより受信された個人情報にしたがって呼びボタン61の操作方法を知らせる案内内容を決定する処理を実施する。
この実施の形態2では、通信部7bはユーザの情報端末から送信された行先情報だけでなく、ユーザの情報端末から送信された個人情報を受信する。
この実施の形態2では、個人情報として、例えば、眼が不自由である旨の情報、ユーザの国籍を示す情報、ユーザの身長や年齢を示す情報などが考えられる。
この実施の形態2では、事前に個人情報がユーザの情報端末に設定されるものとし、エレベータのカゴ乗り場では、ユーザが情報端末を特に操作することなく、情報端末から自動的に個人情報が送信されるものとする。
【0053】
図9では、案内提示装置の構成要素であるカゴ内混雑状況検出部2、手押し車検出部3、乗場混雑状況検出部5、手押し車検出部6、進入検出部21、通信部7a,7b、案内内容決定部22、案内提示処理部10、ディスプレイ11、スピーカ12、案内提示処理部14、ディスプレイ15及びスピーカ16のそれぞれが、
図10に示すような専用のハードウェア、即ち、カゴ内混雑状況検出回路31、手押し車検出回路32、乗場混雑状況検出回路33、手押し車検出回路34、進入検出回路41、通信回路35、案内内容決定回路42、案内提示処理回路37、ディスプレイ11、スピーカ12、案内提示処理回路38、ディスプレイ15及びスピーカ16で実現されるものを想定している。
ここで、カゴ内混雑状況検出回路31、手押し車検出回路32、乗場混雑状況検出回路33、手押し車検出回路34、進入検出回路41、通信回路35、案内内容決定回路42、案内提示処理回路37及び案内提示処理回路38は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、または、これらを組み合わせたものが該当する。
【0054】
ただし、案内提示装置の構成要素が専用のハードウェアで実現されるものに限るものではなく、案内提示装置がソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現されるものであってもよい。
案内提示装置がソフトウェアやファームウェアなどで実現される場合、カゴ内混雑状況検出部2、手押し車検出部3、乗場混雑状況検出部5、手押し車検出部6、進入検出部21、通信部7a,7b、案内内容決定部22、案内提示処理部10及び案内提示処理部14の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを
図3に示すメモリ51に格納し、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行することで、案内内容をディスプレイ53及びスピーカ54に出力するようにすればよい。
【0055】
次に動作について説明する。
この実施の形態2では、例えば、カゴ乗り場におけるボタン設置領域62の近傍に近接センサが設置されており、ユーザがボタン設置領域62内に進入すると、この近接センサが、進入検知信号を出力するものとする。
進入検出部21は、近接センサから進入検知信号を受けると、ユーザがボタン設置領域62に進入していると判断して、その進入検知信号を案内内容決定部22に出力する。
進入検出部21は、近接センサが進入検知信号を出力している間、その進入検知信号を継続的に案内内容決定部22に出力する。
ユーザがボタン設置領域62の外に出ることで、近接センサが進入検知信号を出力しなくなると、進入検出部21は、案内内容決定部22に対する進入検知信号の出力を停止する。
【0056】
案内内容決定部22は、
図1の案内内容決定部8と同様に、第1及び第2の案内内容を決定するが、進入検出部21から進入検知信号を受けると、内蔵のタイマーを起動して、ユーザがボタン設置領域62に進入してからの経過時間Tを計測する。
案内内容決定部22は、図示せぬエレベータの制御装置から、カゴの呼びボタン61が操作されたことを示す操作情報を受けた場合、あるいは、進入検出部21から進入検知信号が出力されなくなると、内蔵のタイマーを停止して、その経過時間Tを0リセットするが、エレベータの制御装置から操作情報を受けず、かつ、進入検出部21から進入検知信号が継続的に出力されていれば、その経過時間Tが増加する。
【0057】
案内内容決定部22は、その経過時間Tと事前に設定されている閾値Thを比較し、その経過時間Tが閾値Th以上になると、ユーザが呼びボタン61を操作することが困難な状況にある可能性があるため、第2の案内内容として、呼びボタン61の操作方法を知らせる案内内容を決定する。閾値Thは任意の時間に決定されるが、例えば、30秒や1分などが考えられる。
例えば、ユーザが眼の不自由な人、身長が低い子供、老人、外国人などである場合に、呼びボタン61を操作することが困難な状況になることが考えられる。
案内内容決定部22は、通信部7bにより受信された個人情報が、ユーザが眼の不自由な人である旨を示している場合、例えば、ボタン設置領域62の床や壁に設けられている図示せぬ視覚障害者誘導用ブロックを辿った先に呼びボタン61が設置されていることを知らせる案内内容を決定する。
案内内容決定部22は、通信部7bにより受信された個人情報が、ユーザが外国人である旨を示している場合、例えば、外国人の母国語で呼びボタン61の操作方法を知らせる案内内容を決定する。
案内内容決定部22は、通信部7bにより受信された個人情報が、ユーザが子供や老人である旨を示している場合、例えば、ボタン設置領域62の近傍に設置されているカメラが子供や老人を撮影して、そのカメラの映像がエレベータの管理室に伝送されるように制御するとともに、管理室の管理人がカメラの映像を見ながら、音声で呼びボタン61の操作を子供や老人に伝えられるようにする。
【0058】
案内提示部13の案内提示処理部14は、案内内容決定部22が第2の案内内容を決定すると、上記実施の形態1と同様に、第2の案内内容を乗り場のユーザに提示する。
この実施の形態2では、呼びボタン61の操作方法を知らせる案内内容も、乗り場のユーザに提示される。
【0059】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、乗場状況検出部4が、カゴ乗り場の状況として、カゴの呼びボタン61が設置されているカゴ乗り場のボタン設置領域62に、ユーザが進入している状況を検出する進入検出部21を備えており、案内内容決定部22が、進入検出部21により進入が検出されてからの経過時間Tを計測し、経過時間Tが閾値Thを超えるまでの間に、呼びボタン61の操作が行われなければ、第2の案内内容として、呼びボタン61の操作方法を知らせる案内内容を決定するように構成したので、呼びボタン61の操作方法が分からないユーザも、カゴにスムーズに乗り込むことができるようになる。
【0060】
また、この実施の形態2によれば、ユーザの情報端末からユーザの個人情報を受信する通信部7bを備え、案内内容決定部22が、通信部7bにより受信された個人情報にしたがって呼びボタン61の操作方法を知らせる案内内容を決定するように構成したので、ユーザに適する案内内容を決定することができる効果を奏する。
【0061】
上記実施の形態1,2では、案内提示処理部10,14が、案内内容をディスプレイ11,15に表示するとともに、スピーカ12,16から案内内容を音声出力させるものを示したが、これは一例に過ぎず、例えば、案内内容をカゴ内の空間やカゴ乗り場の空間に表示するようにしてもよい。
【0062】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。