(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るコンクリート部材の情報管理装置、及びコンクリート部材の情報管理方法の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、位置情報格納手段に格納された位置情報と、条件情報格納手段に格納された条件情報とに基づいて、管理対象箇所における鉄筋関連要素を管理するための管理情報を生成する、コンクリート部材の情報管理装置、及びコンクリート部材の情報管理方法に関するものである。
ここで、「建築物」は、例えば、コンクリート部材を用いて建築された建築物である。
また、「コンクリート部材」とは、例えば、鉄筋が内蔵されている鉄筋コンクリート部材、鉄筋と共に鉄骨が内蔵されている鉄筋鉄骨コンクリート部材等を含む概念である。また、この「コンクリート部材」は、例えば、建築部における梁、柱、壁、床等を形成する部材として用いられる。
また、「鉄筋関連要素」とは、鉄筋に関連する要素であり、例えば、コンクリート部材に設けられている鉄筋、及びコンクリート部材に設けられている貫通孔等を含む概念である。そして、「鉄筋」とは、例えば、主筋、せん断補強筋、巾止め筋、及び開口補強筋等を含む概念である。
また、「管理対象箇所」とは、情報管理装置を用いて行われる管理の対象となる箇所(位置)であり、例えば、情報管理装置の入力部を入力手段として指定される。そして、「管理対象箇所」とは、例えば、建築物における柱と梁とが互いに接合される仕口部、コンクリート部材、及びコンクリート部材における貫通孔が設けられる位置等を含む概念である。
また、「情報管理装置を用いて行われる管理」とは、例えば、建築物を設計したり解析したりする場合の、鉄筋関連要素の管理作業を含む概念である。
また、「仕口部」とは、建築物における柱と梁とが互いに接合される接合面、当該接合面を含む柱の一部、及び当該接合面を含む梁の一部を含む概念である。
【0019】
[本実施の形態の具体的内容]
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。
【0020】
(実施の形態1)
初めに、実施の形態1について説明する。
【0021】
(構成)
最初に、本実施の形態に係る情報管理装置の構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る情報管理装置を例示するブロック図である。情報管理装置1は、建築物における鉄筋関連要素を有するコンクリート部材の情報を管理するための装置である。情報管理装置1は、入力部11、通信部12、記憶部13、制御部14、及び表示部15を備えている。
【0022】
(構成―入力部)
入力部11は、情報管理装置1に対して情報を入力するための入力手段である。入力部11は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等である。
【0023】
(構成―通信部)
通信部12は、他の装置との間で通信を行うための通信手段である。通信部12は、例えば、他の装置(不図示)との間で公知の無線通信又は公知の有線通信を行う。尚、他の装置には、例えば、建築物の設計を支援するための設計支援装置が含まれていることとしてもよい。
【0024】
(構成―記憶部)
記憶部13は、情報管理装置1の動作に必要なプログラム及び各種データが記憶されている記憶手段である。この記憶部13は、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する実施の形態2の記憶部63についても同様とする)。記憶部13は、位置情報データベース(データベースを「DB」とも称する)131、及び条件情報DB132を備えている。
【0025】
位置情報DB131は、コンクリート部材の管理対象箇所における鉄筋関連要素の位置を特定する位置情報を格納する位置情報格納手段である。位置情報は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力されて、位置情報DB131に格納される。位置情報には、例えば、建築物の仕口部における鉄筋の位置を特定する情報、及び建築部の梁、柱夫々において相互に平行に配置された複数の鉄筋の各々の位置を特定する情報が含まれている。
図2は、位置情報DB131に格納されている位置情報を例示した表である。
【0026】
図2に示すように、位置情報DB131には、例えば、項目「種別」、「部材ID」、「部材位置」、「レベル」、「寸法」、「鉄筋基本」に対応する情報が相互に対応付けられて格納されている。項目「種別」に対応して格納される情報は、建築物のコンクリート部材の種別を特定する種別情報である(
図2では例えば「梁」)。項目「部材ID」に対応して格納される情報は、建築物のコンクリート部材を一意に識別する部材識別情報である(
図2では例えば「000000903」)。この部材識別情報「000000903」は、建築物における位置に応じてコンクリート部材に対して一意に定められている符号であり、例えば、建築物の3階の所定位置に梁として設けられるコンクリート部材を示している。項目「部材位置」に対応して格納される情報は、建築物のコンクリート部材の位置を特定する部材位置情報である(
図2では「(X11,Y11,Z11)(X12,Y12,Z12)」)。この部材位置情報「(X11,Y11,Z11)(X12,Y12,Z12)」は、例えば、梁の始端及び終端夫々における3次元座標を示している。項目「レベル」に対応して格納される情報は、建築物のコンクリート部材のレベルを特定するレベル情報である(
図2では例えば「−10、−560」)。このレベル情報「−10、−560」は、例えば、梁における上面及び下面の双方が基準面よりも下側に設けられてことと、基準面から梁の上面までの距離が10(mm)であることと、基準面から梁の下面までの距離が560(mm)であることとを示している。尚、レベル情報、及び当該レベル情報における基準面については、後述する。項目「寸法」に対応して格納される情報は、建築物のコンクリート部材の寸法を特定する寸法情報である(
図2では例えば「350、550、5420」)。尚、コンクリート部材の寸法とは、例えば、梁幅、梁成、梁の長さ、柱の長さ、及び柱成等を示している。寸法情報は、梁及び柱のうちの何れか一方に関する情報を示している。例えば
図2の場合、寸法情報「350、550、5420」は、梁幅、梁成、梁の長さ、柱の長さ、柱の厚み、及び柱幅のうちの、梁に関する情報として、梁幅、梁成、梁の長さを示している。具体的には、寸法情報「350、550、5420」は、例えば、梁幅が350(mm)であることと、梁成が550(mm)であることと、梁の長さが5420(mm)であることとを示している。項目「鉄筋基本」に対応して格納される情報は、建築物のコンクリート部材に設けられる鉄筋の種類及び鉄筋の本数及び径、鉄筋としての主筋のトップ筋長さ等を特定する鉄筋基本情報である(
図2では例えば「主筋:12」)。鉄筋基本情報「主筋:12」は、鉄筋の種類が主筋であることと、鉄筋の本数が12本であることとを示している。尚、
図2の場合、鉄筋基本情報における鉄筋の径、及び鉄筋としての主筋のトップ筋長さについての情報の表示例については、説明の便宜上、省略されている。
【0027】
図1の条件情報DB132は、コンクリート部材の管理対象箇所における鉄筋関連要素の管理条件を特定する条件情報を格納する条件情報格納手段である。条件情報は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力されて、条件情報DB132に格納される。尚、条件情報については、例えば、通信部12を通信手段として他の装置から情報管理装置1が当該条件情報を受信して、条件情報DB132に格納することとしてもよい。条件情報には、管理条件として、例えば、鉄筋位置決定規則情報、判定条件情報、閾値情報、定着情報、トップ筋条件情報、圧接条件情報、及び配置条件情報が含まれている。
【0028】
「鉄筋位置決定規則情報」は、梁の形状及び当該梁に設けられる鉄筋の本数に対する、当該梁に設けられる鉄筋の位置を決定するための情報である。また、「鉄筋位置決定規則情報」は、柱の形状及び当該柱に設けられる鉄筋の本数に対する、当該柱に設けられる鉄筋の位置を決定するための情報でもある。
【0029】
「判定条件情報」は、仕口部における鉄筋の納まりが確定しているか否かを判定(この判定を「鉄筋の納まり判定」とも称する)するための条件を特定する情報である。判定条件情報には、梁及び柱夫々の主筋の納まりが確定しているものと判定するべき場合を示す確定判定情報と、梁及び柱夫々の主筋の納まりが確定していないものと判定するべき場合を示す未確定判定情報とが含まれている。
【0030】
「確定判定情報」は、例えば、仕口部を介して向かい合う2つの梁夫々における上面及び下面の高さ位置(レベル)が同じであり、且つ、当該2つの梁における幅方向(例えば、
図3の第1梁33、34の場合は、X軸方向)における両側面の位置が同じである場合において、主筋の長手方向に沿って仕口部を介して向かい合っている主筋がある場合、当該向かい合っている主筋においては、納まりが確定していると判定するべきであることを示している。また、「確定判定情報」は、例えば、仕口部を介して向かい合う2つの柱夫々におけるY方向(
図4のY軸)における両側面の位置が同じであり、且つ、当該2つの柱夫々におけるX方向(
図4のX軸)における両側面の位置が同じである場合において、主筋の長手方向に沿って仕口部を介して向かい合っている主筋がある場合、当該向かい合っている主筋においては、納まりが確定していると判定するべきであることも示している。
【0031】
「未確定判定情報」は、例えば、仕口部を介して向かい合う2つの梁夫々における上面及び下面の高さ位置(レベル)が同じでない場合、2つの梁における幅方向における両側面の位置が同じでない場合、仕口部を介して向かい合っている主筋がない場合の何れかの場合においては、主筋の納まりが確定していないと判定するべきであることが示している。また、「未確定判定情報」は、例えば、仕口部を介して向かい合う2つの柱夫々におけるY方向における両側面の位置が同じでない場合、当該2つの柱夫々におけるX方向における両側面の位置が同じでない場合、主筋の長手方向に沿って仕口部を介して向かい合っている主筋がない場合の何れかの場合においては、主筋の納まりが確定していないと判定するべきであることも示している。
【0032】
「閾値情報」は、定着寸法についての規定を満たしているか否かの判定を行うための閾値を示す情報である。
【0033】
「定着情報」は、定着規定に関する情報であり、例えば、後述する設定画面情報4(
図8)を生成する場合に参照される情報である。「定着」とは、一方のコンクリート部材(例えば梁)に配設されている一方の主筋が、当該一方のコンクリート部材と接合される他方のコンクリート部材(例えば柱)から引き抜けないように、前述の一方の主筋の長さを所定長として、一方及び他方のコンクリート部材が互いに接合される仕口部において一方の主筋を他方のコンクリート部材に対して固定することを示している。尚、定着情報については、後述する。
【0034】
「トップ筋条件情報」は、
図2の項目「部材ID」に対応付けられている情報であり、例えば、トップ筋の長さ及びトップ筋の本数等を示している。尚、「トップ筋」は、梁に設けられている主筋の内の、梁の一端から当該梁の他端へ連続的に通されている(設けられている)主筋を示す通し筋以外の主筋を示している。つまり、トップ筋は、例えば、隣接する2つの柱の間に設けられている梁について、当該梁の長手方向において当該梁を第1〜第3区間に3分割した場合、3分割された各区間に対応する第1〜第3区間のうちの何れか1つの区間にのみ設けられる主筋、及び第1〜第3区間のうちの何れか2つの区間に亘って設けられる主筋を示している。尚、この場合、通し筋は、例えば、前述の第1〜第3区間に亘って設けられる主筋を示している。
【0035】
「圧接条件情報」は、主筋の圧接範囲を示す情報である。尚、「圧接」は、主筋同士を継ぐ(接続する)ことを示している。そして、「圧接範囲」は、コンクリート部材における主筋同士を継ぐことが許可されている位置範囲を示している。この圧接範囲については、例えば、圧接範囲の内側において主筋を圧接した場合、梁の強度を十分に確保することが可能であるが、圧接範囲の外側において主筋を圧接した場合、梁の強度が不十分となる虞がある。このため、主筋を圧接する場合、圧接範囲の内側において圧接する必要がある。圧接範囲は、梁の強度に応じて予め定められていることとしてもよい。また、例えば、圧接範囲は、いわゆる配筋標準図に従って定められていることとしてもよい。具体的には、圧接範囲は、例えば、梁の両端から距離が当該梁の全長の4分の1に対応する距離よりも離れている位置範囲に対応していることとしてもよい。
【0036】
「配置条件情報」は、複数の鉄筋相互間における配置条件を特定する情報である。この配置条件には、例えば、建築物のコンクリート部材としての梁に設けられる主筋を、トップ筋及び通し筋の内の何れの鉄筋として配置するかを決定するための条件が含まれている。この配置条件は、例えば、コンクリート部材の設計基準強度に応じて定まるコンクリート部材に設けるべき通し筋の本数を示していることとしてもよい。
【0037】
(構成―制御部)
制御部14は、情報管理装置1を制御する制御手段あり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る管理情報生成プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して情報管理装置1にインストールされることで、制御部14の各部を実質的に構成する(後述する実施の形態2の制御部64についても同様とする)。
【0038】
また、この制御部14は、機能概念的に、第1管理情報生成部141、第2管理情報生成部142、第3管理情報生成部143、及び第4管理情報生成部144を備えている。
【0039】
第1管理情報生成部141は、鉄筋の納まりに関する第1管理情報を生成する第1管理情報生成手段である。第2管理情報生成部142は、梁において互いに平行となるように複数設けられている(配置されている)主筋についての、トップ筋及び通し筋に関する第2管理情報を生成する第2管理情報生成手段である。第3管理情報生成部143は、主筋の定着に関する第3管理情報を生成する第3管理情報生成手段である。第4管理情報生成部144は、加工図に関する第4管理情報を生成する第4管理情報生成手段である。
【0040】
(構成―表示部)
表示部15は、制御部14の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。尚、表示部15は、制御部14の制御に基づいて生成された情報を画像として出力する出力手段でもある。表示部15は、例えば、公知の液晶ディプレイ等のディスプレイ装置である。
【0041】
(処理)
次に、このように構成された情報管理装置1によって実行される管理情報に関する処理について説明する。尚、第1〜第4管理情報夫々に関する処理毎に説明する。
【0042】
(処理―第1管理情報に関する処理)
情報管理装置1によって実行される第1管理情報に関する処理について説明する。
図3は、実施の形態に係る第1仕口部情報の表示例である。
図4は、実施の形態に係る第2仕口部情報の表示例である。
図5は、実施の形態に係る第1仕口部情報の表示項目を選択するための選択画面の表示例である。
図6は、実施の形態に係る第2仕口部情報の表示項目を選択するための選択画面の表示例である。
【0043】
尚、
図3、
図4におけるX軸、Y軸、及びZ軸は、説明の便宜上、表示されているものであり、第1仕口部情報20、及び第2仕口部情報21には含まれていないこととする。Z軸は、柱3に沿う軸であり、柱3における下側から上側に向かう方向を+Zとし、柱3における上側から下側に向かう方向を−Zとする。X軸は、柱3と直交する第2梁35、36に沿う軸であり、第2梁35側から第2梁36側に向かう方向を+Xとし、第2梁36側から第2梁35側に向かう方向を−Xとする。Y軸は、第2梁35、36と柱3との双方に対して直交する第1梁33、34に沿う軸であり、第1梁33側から第1梁34側に向かう方向を+Yとし、第1梁34側から第1梁33側に向かう方向を−Yとする。
【0044】
第1管理情報に関する処理は、第1管理情報生成部141によって行われる処理であり、例えば、第1管理情報に関する処理の実行を開始させる命令が入力部11を介して情報管理装置1に入力された場合に、起動される。
【0045】
(処理―第1管理情報に関する処理―概要)
第1管理情報生成部141は、位置情報DB131に格納されている位置情報、及び条件情報DB132に格納されている条件情報等に基づいて、第1管理情報を生成する。尚、第1管理情報には、例えば、第1仕口部情報20(
図3)、第2仕口部情報21(
図4)、第1柱断面情報22(
図4)、第2柱断面情報23(
図4)、及び未決鉄筋本数情報(不図示)が含まれている。次に、第1管理情報生成部141は、生成した第1管理情報を表示部15に表示する(出力する)。次に、第1管理情報生成部141は、繋ぎ込み情報を取得し、取得した繋ぎ込み情報に基づいて第1管理情報を更新する。そして、第1管理情報生成部141は、更新した第1管理情報を表示部15に表示する。尚、説明の便宜上、
図3及び
図4の仕口部に対応する仕口部の位置を示す管理対象箇所情報が、入力部11を入力手段として入力されたこととして、第1管理情報に関する処理について、第1管理情報、生成処理、出力処理、更新処理、及び再出力処理の順に説明する。尚、管理対象箇所情報とは、情報管理装置1の解析対象に対応する管理対象箇所を示す情報である。
【0046】
(処理―第1管理情報に関する処理―第1管理情報―第1仕口部情報)
第1仕口部情報20(
図3)は、例えば、建築物における仕口部、梁、及び柱が表示されている伏図に対応する情報である。第1仕口部情報20は、第1構造部材情報、第1鉄筋情報、第1未決情報、及び第1レベル情報を含んでいる。
【0047】
「第1構造部材情報」は、建築物における構造部材(コンクリート部材)についての情報である。第1構造部材情報は、例えば、柱3、第1梁33、34、第2梁35、36を示す情報である。
図3の第1構造部材情報においては、例えば、柱3は、垂直方向(Z軸)に沿って立設している。また、第1梁33、34は、例えば、互いに同様な形状を呈しており、Y軸方向において柱3の両側から当該柱3に対して接合されている。また、第2梁35、36は、例えば、互いに異なる形状を呈しており、X軸方向において柱3の両側から当該柱3に対して接合されている。尚、第2梁35の梁幅は、第2梁36の梁幅よりも大きくなるように設定されている。また、第2梁35の梁成は、第2梁36の梁成よりも小さくなるように設定されている。
【0048】
「第1鉄筋情報」は、建築物における構造部材に設けられる鉄筋についての情報である。第1鉄筋情報は、例えば、柱3の主筋31a及び帯筋31b、第1梁33の主筋33a1及びあばら筋33b、第1梁34の主筋34a1及びあばら筋34b、第2梁35の主筋35a及びあばら筋35b、第2梁36の主筋36a及びあばら筋36bを示す情報である。
図3の第1鉄筋情報においては、柱3の主筋31aは、柱3の各外側面から所定距離だけ離れた柱3の内部において、例えば16本表示されている。また、柱3の帯筋31bは、複数の主筋31aを柱3の外側面側から取り囲むように、例えば1本表示されている。また、第1梁33の主筋33a1及び第1梁34の主筋34a1は、互いに接続された状態で3本ずつ表示されている。また、第2梁35の主筋35a及び第2梁36の主筋36aは夫々、未決として7本、5本表示されている。
【0049】
「第1未決情報」は、未決となっている主筋を示す情報である。「未決」とは、鉄筋の納まりが確定していない状態を示す。尚、「鉄筋の納まりが確定していない状態」とは、例えば、仕口部における主筋の接続先が確定していない状態を示している。また、「鉄筋の納まりが確定していない状態」とは、例えば、仕口部における主筋の端部の定着設定が確定していない状態を示していることとしてもよい。そして、未決の主筋(
図3の場合、主筋35a、36a)は、第1管理情報生成部141によって、仕口部(
図3の柱3)の内部において表示されない(非表示)状態となる。更に、未決の主筋(
図3の場合、主筋35a、36a)には、未決となっている主筋に付される未決マーク(
図3の場合、未決マーク35m、36m)が、第1管理情報生成部141によって付される。
【0050】
未決マーク35mは、未決マーク35mが付されること、及び未決マーク35mが付される位置によって、主筋が未決であることと、未決となっている主筋と、主筋における未決となっている位置とを示している。
【0051】
未決マーク35mは、未決マーク35mが付されている主筋35aにおける柱3側(+X)の端部の接続先が確定していないことを示している。未決マーク35mの形状は、例えば、
図3に示されているように複数(例えば、2本)の線分が互いに交差するような形状である。尚、未決マーク35mの形状は、例えば、円形状であってもよいし、多角形形状であってもよいし、矢印、テキスト等であってもよい。未決マーク35mは、例えば、仕口部における主筋35aの定着開始面としての柱3における−X側の外側面に対応する位置に付される。つまり、未決マーク35mは、柱3における−X側の外側面と主筋35aとが交差する位置に付される。この構成により、例えば、主筋35aにおける柱3側の端部が未決であることを、容易に認識することが可能となる。また、未決となっている主筋35aが仕口部の内部において非表示となっていることにより、第1仕口部情報20の情報がシンプルになるために、例えば、情報管理装置1における主筋35aの繋ぎ込み作業等を容易に行うことが可能となる。
【0052】
また、未決マーク36mは、未決マーク36mが付されている主筋36aにおける柱3側(−X)の端部の接続先が確定していないことを示している。未決マーク36mの形状は、未決マーク35mの形状と同様である。未決マーク36mは、例えば、仕口部における主筋36aの定着開始面としての柱3における+X側の外側面に対応する位置に付される。つまり、未決マーク36mは、柱3における+X側の外側面と主筋36aとが交差する位置に付される。この構成により、例えば、主筋36aにおける柱3側の端部が未決であることを、容易に認識することが可能となる。また、主筋36aが仕口部の内部において非表示となっていることにより、第1仕口部情報20の情報がシンプルになるために、例えば、情報管理装置1における主筋36aの繋ぎ込み作業等を容易に行うことが可能となる。
【0053】
「第1レベル情報」は、建築物の構造部材の高さ位置(レベル)を示す情報である。第1レベル情報は、例えば、第1梁33、34、第2梁35、36夫々のレベルを示す情報を含んでいる。具体的には、第1レベル情報は、例えば、基準面から第1仕口部情報20の各梁夫々の上面(+Z)までの距離、基準面から第1仕口部情報20の梁夫々の下面(−Z)までの距離を示す数情報と、垂直方向(レベル方向、Z軸)における基準面と第1仕口部情報20の梁夫々の上面及び下面との相対的位置関係を示す符号情報とを含んでいる。尚、基準面は、例えば、建築物の通り芯の位置に基づいて予め定められていることとしてもよいし、入力部11を入力手段として入力された情報に基づいて定められることとしてもよい。例えば、第2梁35の端部の近傍に第1レベル情報として付されている「−10、−560」は、第2梁35の上面及び下面の双方が基準面よりも下側(−Z)に設けられていることと、基準面から第2梁35の上面までの距離が10(mm)であることと、基準面から第2梁35の下面までの距離が560(mm)であることとを示している。
【0054】
(処理―第1管理情報に関する処理―第1管理情報―第2仕口部情報)
第2仕口部情報21(
図4)は、例えば、建築物における仕口部、梁、及び柱が表示されている軸組図に対応する情報である。そして、第2仕口部情報21は、第1仕口部情報20に示されている仕口部を第1仕口部情報20とは異なる方向から示している情報でもある。従って、第2仕口部情報21には、第1仕口部情報20に含まれる情報と同様な情報も含まれている。第1仕口部情報20は、第2構造部材情報、第2鉄筋情報、第2未決情報、及び第2レベル情報を含んでいる。
【0055】
第2構造部材情報は、第1構造部材情報と同様な情報である。第2構造部材情報は、例えば、柱3、第1梁33、34を示す情報を含んでいる。
【0056】
「第2鉄筋情報」は、第1鉄筋情報と同様な情報である。「第2鉄筋情報」は、例えば、柱31の主筋31a及び帯筋31b、柱32の主筋32a及び帯筋32b、第1梁33の主筋33a1、33a2、33a4及びあばら筋33b、第1梁34の主筋34a1〜34a4を示す情報である。尚、柱31は、柱3における仕口部よりも上側(+Z)の一部であり、柱32は、柱3における仕口部よりも下側(−Z)の一部である。
図4の第2鉄筋情報では、柱31の主筋31a及び柱32の主筋32aは、未決として表示されている。また、第1梁33、34の各主筋については、上端の1段筋としての主筋33a1、34a1、上端の2段筋としての主筋33a2、34a2、下端の1段筋としての33a4、34a4、及び下端の2段筋としての34a3が表示されている。そして、主筋33a1、33a2、33a4夫々と、主筋34a1、34a2、34a4とが互いに接続されている。また、主筋34a3は、−Y側の端部が仕口部の内部に設けられた状態となっている。
【0057】
「第2未決情報」は、第1未決情報と同様な情報である。そして、未決の主筋(
図4の第2仕口部情報21の場合、主筋31a、32a)は、第1管理情報生成部141によって、仕口部の内部において表示されない(非表示)状態となる。更に、未決の主筋(
図4の第2仕口部情報21の場合、主筋31a、32a)には、未決となっている主筋に付される未決マーク(
図4の第2仕口部情報21の場合、未決マーク31m1、32m1)が、第1管理情報生成部141によって付される。
【0058】
未決マーク31m1は、未決マーク31m1が付されている主筋31aにおける柱32側(−Z)の端部の接続先が確定していないことを示している。未決マーク31m1の形状は、未決マーク35mの形状と同様である。未決マーク31m1は、例えば、仕口部における主筋31aの定着開始面としての第1梁33、34の上面と同様な高さ位置(レベル)に付される。この構成により、例えば、主筋31aにおける仕口部側の端部が未決であることを、容易に認識することが可能となる。
また、未決マーク32m1は、主筋32aにおける仕口部側(+Z)の端部の接続先が確定していないことを示している。未決マーク32m1の形状は、未決マーク35mの形状と同様である。未決マーク32m1は、例えば、仕口部における主筋32aの定着開始面としての第1梁33、34の下面と同様な高さ位置(レベル)に付される。この構成により、例えば、主筋32aにおける仕口部側の端部が未決であることを、容易に認識することが可能となる。
【0059】
「第2レベル情報」は、第1レベル情報と同様な情報である。例えば、
図4の第2レベル情報としての第1梁33の上面の近傍に付されている「−10」は、第1梁33の上面が基準面よりも下側に設けられていることと、基準面から第1梁33の上面までの距離が10(mm)であることを示している。また、例えば、
図4の第2レベル情報としての第1梁33の下面の近傍に付されている「−560」は、第1梁33の下面が基準面よりも下側に設けられていることと、基準面から第1梁33の下面までの距離が560(mm)であることを示している。
【0060】
(処理―第1管理情報に関する処理―第1管理情報―第1柱断面図情報)
第1柱断面情報22は、第2仕口部情報21における柱31の断面図に対応する情報である。従って、第1柱断面図情報22には、第2仕口部情報21に含まれる情報と同様な情報も含まれている。具体的には、第1柱断面図情報22は、例えば、第2仕口部情報21におけるA1−A2断面から下側に向かって見た状態の柱31の断面図に対応している。また、例えば、第1柱断面図情報22の柱31における−Z側の側面は、第2仕口部情報21における柱31の+X側の側面に対応している情報である。
【0061】
第1柱断面図情報22は、第3構造部材情報、第3鉄筋情報、及び第3未決情報を含んでいる。
【0062】
「第3構造部材情報」は、第1構造部材情報と同様な情報であり、例えば、柱31を示す情報を含んでいる。「第3鉄筋情報」は、第1鉄筋情報と同様な情報であり、例えば、主筋31a及び帯筋31bを示す情報を含んでいる。
「第3未決情報」は、第1未決情報と同様な情報である。そして、未決の主筋には、未決となっている主筋に付される未決マーク(
図4の第1柱断面図情報22の場合、未決マーク31m2)が、第1管理情報生成部141によって付される。
【0063】
未決マーク31m2は、未決マーク31m2が付されること、及び未決マーク31m2の形状によって、主筋が未決であることと、未決となっている主筋と、主筋における未決となっている位置とを示している。
未決マーク31m2は、未決マーク31m2が付されている主筋31aが未決であることを示している。未決マーク31m2の形状は、未決マーク31m2が付される主筋31aにおける未決となっている端部の位置に応じて、第1管理情報生成部141によって定められる。例えば、主筋31aにおける、A1−A2断面よりも下側(−Z)の端部が未決であり、且つ、A1−A2断面よりも上側(+Z)の端部が未決でない場合、未決マーク31m2は、未決マーク31m2の頂点が主筋31aにおける未決となっている端部が存在する方向を指し示すように、頂点が下側に向けられた状態の三角形形状とされる。また、例えば、主筋31aにおける、A1−A2断面よりも下側の端部が未決でなく、且つ、A1−A2断面よりも上側の端部が未決である場合、未決マーク31m2の形状は、未決マーク31m2の頂点が主筋31aにおける未決となっている端部が存在する方向を指し示すように、当該頂点が上側に向けられた状態の三角形形状とされる。また、例えば、主筋31aにおける、A1−A2断面よりも下側及び上側の両端部が未決である場合、未決マーク31m2は、例えば、第2仕口部情報21における未決マーク31m1と同様な形状(例えば、2本の線分が互いに交差するような形状)に定められる。これらの構成により、第1柱断面図情報22では、未決マーク31m2の形状に基づいて、主筋31aにおける未決となっている端部が存在する方向を認識することが可能となる。そして、例えば、
図4の未決マーク31m2は、主筋31aにおける、A1−A2断面よりも下側の端部のみが未決であることを示している。また、この未決マーク31m2は、第2仕口部情報21において、A1−A2断面よりも下側に未決マーク31m1が付されていることも示している。
【0064】
(処理―第1管理情報に関する処理―第1管理情報―第2柱断面図情報)
第2柱断面情報23は、第1柱断面情報22と同様な情報であり、第2仕口部情報21における柱32の断面図に対応する情報である。従って、第2柱断面図情報23には、第2仕口部情報21に含まれる情報と同様な情報も含まれている。具体的には、第2柱断面図情報23は、例えば、第2仕口部情報21におけるA3−A4断面から下側に向かって見た状態の柱32の断面図に対応している。また、例えば、第2柱断面図情報23の柱32における−Z側の側面は、第2仕口部情報21における柱32の+X側の側面に対応している情報である。
【0065】
第2柱断面図情報23は、第4構造部材情報、第4鉄筋情報、及び第4未決情報を含んでいる。
【0066】
「第4構造部材情報」は、第1構造部材情報と同様な情報であり、例えば、柱32を示す情報を含んでいる。「第4鉄筋情報」は、第1鉄筋情報と同様な情報であり、例えば、主筋32a及び帯筋32bを示す情報を含んでいる。「第4未決情報」は、第1未決情報と同様な情報である。そして、未決の主筋には、未決となっている主筋に付される未決マーク(
図4の第2柱断面図情報23の場合、未決マーク32m2)が、第1管理情報生成部141によって付される。
【0067】
未決マーク32m2の構成は、未決マーク31m2の構成と同様である。そして、例えば、
図4の未決マーク32m2は、主筋32aにおける、A3−A4断面よりも上側の端部のみが未決であることを示している。また、この未決マーク32m2は、第2仕口部情報21において、A3−A4断面よりも上側に未決マーク32m1が付されていることも示している。
【0068】
(処理―第1管理情報に関する処理―第1管理情報―未決鉄筋本数情報)
「未決鉄筋本数情報」は、建築物全体において未決となっている鉄筋の本数を示す情報である。未決鉄筋本数情報は、例えば、建築物の階別部位別の未決となっている鉄筋の本数を示している。つまり、例えば、未決鉄筋本数情報は、各階の柱(部位)における未決となっている鉄筋の本数、及び各階の梁(部位)における未決となっている鉄筋の本数を示している。
【0069】
(処理―第1管理情報に関する処理―生成処理―概要)
第1管理情報生成部141は、位置情報DB131に格納されている位置情報、及び条件情報DB132に格納されている条件情報等に基づいて、管理対象箇所における柱及び梁における鉄筋の位置等を特定する。次に、第1管理情報生成部141は、特定した鉄筋の納まり判定を行い、判定結果に基づいて第1管理情報を生成する。尚、説明の便宜上、生成処理に関して、鉄筋位置の特定、鉄筋の納まり判定、第1管理情報の生成の順に説明する。
【0070】
(処理―第1管理情報に関する処理―生成処理―鉄筋の位置の特定)
第1管理情報生成部141は、入力部11を入力手段として入力される管理対象箇所情報が示す位置に対応する部材識別情報を、
図2の項目「部材位置」に対応する情報及び項目「部材ID」に対応する情報に基づいて特定する。この後、第1管理情報生成部141は、特定した部材識別情報に対応するレベル情報、寸法情報、及び鉄筋基本情報を取得する。この後、第1管理情報生成部141は、取得した各情報に基づいて、梁の上面及び下面のレベル、梁の幅方向における両側面の位置、及び梁の形状を特定する。この後、第1管理情報生成部141は、条件情報DB132に格納されている条件情報に含まれている鉄筋位置決定規則情報に沿って、梁における鉄筋の位置を特定する。
【0071】
また、第1管理情報生成部141は、梁における鉄筋の位置と同様にして、柱における鉄筋の位置を特定する。具体的には、第1管理情報生成部141は、入力部11を入力手段として入力される管理対象箇所情報が示す位置に対応する部材識別情報を、
図2の項目「部材位置」に対応する情報及び項目「部材ID」に対応する情報に基づいて特定する。この後、第1管理情報生成部141は、特定した部材識別情報に対応する寸法情報、及び鉄筋基本情報を取得する。この後、第1管理情報生成部141は、取得した各情報に基づいて、柱のY方向における両側面の位置、X方向における両側面の位置、及び柱の形状を特定する。この後、第1管理情報生成部141は、条件情報DB132に格納されている条件情報に含まれている鉄筋位置決定規則情報に沿って、柱における鉄筋の位置を特定する。
【0072】
(処理―第1管理情報に関する処理―生成処理―鉄筋の納まり判定)
第1管理情報生成部141は、梁及び柱に関する前述の特定結果、及び条件情報DB132に格納されている条件情報に基づいて、梁及び柱における鉄筋の納まり判定を行う。具体的には、第1管理情報生成部141は、条件情報DB132に格納されている確定判定情報に沿って納まりが確定していると判定したり、条件情報DB132に格納されている未確定判定情報に沿って納まりが確定していないと判定したりする。
【0073】
例えば、
図3の第1梁33、34の場合、第1梁33、34における上面及び下面の高さ位置が共に「−10、−560」と同じであり、且つ、第1梁33、34における幅方向(X軸方向の位置)における両側面の位置が同じであり、且つ、主筋33a1、34a1が向かい合っているので、第1管理情報生成部141は、鉄筋としての主筋33a1、34a1の納まりが確定していると判定する。
【0074】
また、例えば、
図3の第2梁35、36の場合、少なくとも、第2梁35、36における上面及び下面の高さ位置が夫々「−10、−560」、「−150、−900」と異なっているので、第1管理情報生成部141は、鉄筋としての主筋35a、36aの納まりが確定していないと判定する。
【0075】
また、例えば、
図4の柱31、32の場合、梁における鉄筋の納まり判定と同様にして、第1管理情報生成部141は、鉄筋としての主筋31a、32aの納まりが確定していると判定する。
【0076】
(処理―第1管理情報に関する処理―生成処理―第1管理情報の生成)
第1管理情報生成部141は、例えば、梁及び柱における鉄筋の納まり判定の判定結果等に基づいて、第1〜第4構造部材情報、第1〜第4鉄筋情報、第1及び第2レベル情報、及び第1〜第4未決情報、未決鉄筋本数情報を、第1管理情報として生成する。具体的には、第1管理情報生成部141は、前述の「鉄筋位置の特定」の場合と同様にして各構成を特定し、特定結果に基づいて第1〜第4構造部材情報、第1〜第4鉄筋情報、第1及び第2レベル情報を生成する。また、第1管理情報生成部141は、例えば、納まりが確定していないと判定した鉄筋を、未決であることとして第1〜第4未決情報を生成する。また、第1管理情報生成部141は、納まりが確定していないと判定した鉄筋の数と、当該鉄筋に対応する位置情報とに基づいて、未決鉄筋本数情報を生成する。尚、
図4の主筋31a、32aは、第1管理情報生成部141が第1〜第4未決情報を生成した後、例えば、入力部11を入力手段としてマニュアル操作によりの主筋31a、32aが未決とされたものである。
【0077】
(処理―第1管理情報に関する処理―出力処理)
第1管理情報生成部141は、生成した第1管理情報のうちの、選択画面25(
図5)中の選択された項目に対応する情報を、第1仕口部情報20として表示部15に表示する。
【0078】
ここで、選択画面25は、第1仕口部情報20として表示部15に表示する情報を選択するための画面である。選択画面25は、例えば、第1仕口部情報20と共に表示部15の同一画面上に表示されることとしてもよい。選択画面25は、梁情報選択領域251、及び柱情報領域画面252を有する。梁情報選択領域251には、例えば、項目「上端、1段目」、「下端、3段目」、「あばら筋」、「帯筋」等が含まれている。これらの各項目は、各項目名が示す鉄筋に対応している。例えば、項目「上端、1段目」は、梁の上端の1段筋に対応しており、項目「下端、3段目」は、梁の下端の3段筋に対応している。また、柱情報選択領域252には、例えば、項目「柱頭」、「柱脚」が含まれている。これらの各項目は、各項目名が示す鉄筋に対応している。
【0079】
そして、例えば、入力部11を入力手段として選択画面25の項目「上端、1段目」が選択された場合、第1管理情報生成部141は、選択された項目に対応する梁の上端の1段筋を示す情報を第1仕口部情報20として表示部15に表示する。一方、例えば、入力部11を入力手段として項目「上端、1段目」が選択されなかった場合、第1管理情報生成部141は、梁の上端の1段筋を示す情報を非表示とする。
【0080】
また、第1管理情報生成部141は、生成した第1管理情報のうちの、選択画面26(
図6)中の選択された項目に対応する情報を、第2仕口部情報21、第1柱断面情報22、及び第2柱断面情報23として、表示部15の同一画面上に表示する。この場合、第2仕口部情報21、第1柱断面情報22、及び第2柱断面情報23は、
図4のように表示部15の同一画面上に表示されているために、軸組図に対応する情報と伏図(断面図)に対応する情報とを同一画面上において視認することが可能となり、情報管理装置1における鉄筋の繋ぎ込み作業を容易に行うことが可能となる。
【0081】
尚、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力される表示切替情報が入力された場合、第1管理情報生成部141が、当該表示切替情報に基づいて、第2仕口部情報21、第1柱断面情報22、及び第2柱断面情報23のうち少なくとも一の情報を、表示部15に選択的に表示することとしてもよい。
【0082】
ここで、選択画面26は、第2仕口部情報21、第1柱断面情報22、及び第2柱断面情報23として表示部15に表示する情報を選択するための画面である。選択画面26は、柱情報選択領域261、及び梁情報選択領域262を有する。柱情報選択領域261には、項目「前面」、「背面」、「右側面」「左側面」、「帯筋」が含まれている。これらの各項目は、各項目名が示す鉄筋に対応している。例えば、項目「前面」、「背面」、「右側面」「左側面」は夫々、柱の各側面に沿って設けられている主筋に対応しており、「帯筋」は、柱の帯筋に対応している。梁情報選択領域262には、項目「梁主筋」、「あばら筋」が含まれている。これらの各項目は、各項目名が示す鉄筋に対応している。尚、入力部11を入力手段として選択画面26の各項目が選択された場合の第1管理情報生成部141の動作は、選択画面25の各項目が選択された場合の第1管理情報生成部141の動作と同様である。
【0083】
また、第1管理情報生成部141は、未決鉄筋本数情報を、未決となっている鉄筋の本数が建築物の階別部位別に示されている表として、表示部15に表示する。この構成により、例えば、情報管理装置1における鉄筋の繋ぎ込み作業中において、未決となっている鉄筋の本数を把握することが可能となり、建築物において鉄筋の繋ぎ込みの漏れを防止することができる。また、例えば、階別部位別に鉄筋の繋ぎ込み作業が行われる場合に、建築物において鉄筋の繋ぎ込みの漏れを確実に防止することができる。尚、第1管理情報生成部141が、未決鉄筋本数情報のみを表示部15に表示することとしてもよいし、第1仕口部情報20と共に未決鉄筋本数情報を表示部15に表示することとしてもよいし、第2仕口部情報21、第1柱断面図情報22、及び第2柱断面図情報23と共に未決鉄筋本数情報を表示部15に表示することとしてもよい。
【0084】
(処理―第1管理情報に関する処理―更新処理―概要)
第1管理情報生成部141は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力される繋ぎ込み情報を取得し、取得した繋ぎ込み情報に基づいて第1管理情報を更新する。尚、説明の便宜上、更新処理に関して、繋ぎ込み情報、繋ぎ込み情報の取得、第1管理情報の更新の順に説明する。
【0085】
(処理―第1管理情報に関する処理―更新処理―繋ぎ込み情報)
繋ぎ込み情報は、未決の鉄筋の納まりを確定させるための情報である。繋ぎ込み情報は、例えば、接続元情報、接続先情報、接続方法情報、編集情報を含んでいる。
【0086】
「接続元情報」は、接続元となる未決の主筋を示す情報である。「接続先情報」は、接続元となる未決の主筋を示す情報である。接続元情報及び接続先情報は、例えば、表示部15に表示されている情報を表示部15上に表示されているカーソル(不図示)を用いて指定することにより、情報管理装置1に入力されることとしてもよい。
【0087】
「接続方法情報」は、接続元情報に対応する主筋と接続先情報に対応する主筋とを繋ぎ込む(接続する)場合の接続方法を示す情報である。接続方法情報には、主筋の接続方法としては、例えば、「位置合わせ接続」、「延長して接続」、「曲げて接続」に対応する情報が含まれている。接続方法情報については、例えば、入力部11を入力手段として、位置合わせ接続、延長して接続、曲げて接続の何れかの接続方法が指定される。
【0088】
「位置合わせ接続」とは、接続元情報に対応する接続元の主筋(この主筋を「接続元主筋」とも称する)、及び接続先情報に対応する接続先の主筋(この主筋を「接続先主筋」とも称する)を曲げることなく接続する接続方法である。具体的には、「位置合わせ接続」は、仕口部の外部において仕口部を介して接続元主筋及び接続先主筋が略同一直線上に設けられるように、接続元主筋及び接続先主筋を移動させた上で、これらの主筋同士を接続する接続方法である。例えば、「位置合わせ接続」は、接続元主筋の延長線上に接続先主筋が設けられるように接続先主筋を移動させた上で、これらの主筋同士を接続する接続方法であることとしてもよいし、接続先主筋の延長線上に接続元主筋が設けられるように接続元主筋を移動させた上で、これらの主筋同士を接続する接続方法であることとしてもよい。また、例えば、「位置合わせ接続」は、入力部11を入力手段として入力される情報に基づいて定められている直線上に、接続先主筋及び接続元主筋の双方を移動させた上で、これらの主筋同士を接続する接続方法であることとしてもよい。「曲げて接続」とは、接続元主筋及び接続先主筋を移動させることなく、これらの主筋同士を接続する接続方法である。具体的には、「曲げて接続」は、接続元主筋及び接続先主筋を仕口部の外側において固定した状態で、接続元主筋及び接続先主筋夫々における仕口部側の端部同士を、例えば真っ直ぐ接続する接続方法である。よって、この「曲げて接続」においては、例えば、接続元主筋及び接続先主筋が互いに略平行となっており、且つ、接続元主筋及び接続先主筋が略同一直線上に設けられていない場合、これらの主筋同士が仕口部において例えば2回曲げられた状態で接続される。更に、「曲げて接続」は、帯筋と交わる位置において、自動的に折り曲げて、接続元主筋及び接続先主筋を接続する接続方法であることとしてもよい。「延長して接続」は、接続元主筋及び接続先主筋を移動させることなく、主筋同士を延長して接続する接続方法である。この「延長して接続」は、例えば、接続元主筋及び接続先主筋が互いに平行になっていないときに用いられる。具体的には、「延長して接続」は、接続元主筋及び接続先主筋が仕口部の内側において互いに交差する位置まで、接続元主筋及び接続先主筋の双方を仕口部側において延長して接続する。よって、「延長して接続」においては、例えば、接続元主筋及び接続先主筋が、仕口部の内側において例えば1回だけ曲げられた状態で接続される。
【0089】
「編集情報」は、梁の主筋を移動又は伸縮させるための情報である。編集情報は、例えば、前述のカーソルを用いて表示部15に表示されている主筋を移動又は伸縮させた場合に、情報管理装置1に入力される情報であり、主筋が移動又は伸縮されることを示している。編集情報は、例えば、追従編集情報、個別編集情報を含んでいる。
【0090】
追従編集情報は、第1管理情報生成部141の多段筋追従モードをオンした状態で、前述のカーソルを用いて表示部15に表示されている主筋を操作(移動又は伸縮)した場合に、情報管理装置1に入力される情報である。個別編集情報は、第1管理情報生成部141の多段筋追従モードをオフした状態で、前述のカーソルを用いて表示部15に表示されている主筋を操作(移動又は伸縮)した場合に、情報管理装置1に入力される情報である。
【0091】
ここで、多段筋追従モードは、梁の多段筋(例えば、
図4における主筋33a1、33a2)を共に移動又は伸縮させる、第1管理情報生成部141の機能である。例えば、多段筋追従モードがオンされた場合、梁の多段筋のうちの一の主筋(例えば、
図4における主筋33a1)を移動又は伸縮させたとき、当該多段筋のうちの他の主筋(例えば、
図4における主筋33a2)も一の主筋と共に移動又は伸縮することになる。そして、この場合、これら一の主筋及び他の主筋の移動又は伸縮を示す追従編集情報が、情報管理装置1に入力される。
【0092】
一方、例えば、多段筋追従モードがオフされた場合、梁の多段筋のうちの一の主筋(例えば、
図4における主筋33a1)を移動又は伸縮させたとき、当該一の主筋のみが移動又は伸縮することになる。そして、この場合、この一の主筋のみの移動又は伸縮を示す個別編集情報が情報管理装置1に入力される。この多段筋追従モードのオンオフにより、梁の多段筋に関する情報を共に編集したり、梁の多段筋に関する情報を夫々別個に編集したりすることが可能となる。従って、情報管理装置1の使い勝手を向上させることができる。
【0093】
(処理―第1管理情報に関する処理―更新処理―第1管理情報の取得)
第1管理情報生成部141は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力される繋ぎ込み情報を取得する。
【0094】
(処理―第1管理情報に関する処理―更新処理―第1管理情報の更新)
第1管理情報生成部141は、生成した第1管理情報を、取得した繋ぎ込み情報に基づいて更新する。
例えば、取得した繋ぎ込み情報において、接続元情報が第2梁35(
図3)における複数の主筋35aのうちの+Y側の端に設けられている主筋(この主筋を「一方の主筋」とも称する)を示しており、接続先情報が第2梁36における複数の主筋36aのうちの+Y側の端に設けられている主筋(この主筋を「他方の主筋」とも称する」)を示しており、接続方法情報が曲げて接続を示している場合、第1管理情報生成部141は、一方の主筋と他方の主筋とが曲げて接続によって接続されたことが反映されるように、第1管理情報を更新する。
【0095】
(処理―第1管理情報に関する処理―再出力処理)
第1管理情報生成部141は、更新した第1管理情報が反映されるように、表示部15の表示を更新する。つまり、第1管理情報生成部141は、第1管理情報を再度表示部15に表示(出力)する。
【0096】
(処理―第2管理情報に関する処理)
情報管理装置1によって実行される第2管理情報に関する処理について説明する。
図7は、実施の形態に係る第2管理情報の表示例であり、(a)は主筋が移動される前の表示例であり、(b)は移動元として主筋が指定された場合の表示例であり、(c)は主筋が移動された後の表示例である。尚、
図7(a)〜
図7(c)は、隣接する2つの柱の間に設けられている梁における鉄筋を示している。線分T1、T2は、トップ筋における端部の位置に対応する位置を示している。
【0097】
第2管理情報に関する処理は、第2管理情報生成部142によって行われる処理であり、例えば、第2管理情報に関する処理の実行を開始させる命令が入力部11を介して情報管理装置1に入力された場合に、起動される。
【0098】
(処理―第2管理情報に関する処理―概要)
第2管理情報生成部142は、位置情報DB131に格納されている位置情報、及び条件情報DB132に格納されている条件情報等に基づいて、第2管理情報(
図7(a)の「入れ替え図情報27a」に対応)を生成する。次に、第2管理情報生成部142は、生成した第2管理情報27aを表示部15に表示する(出力する)。次に、第2管理情報生成部142は、移動情報を取得し、取得した移動情報に基づいて第2管理情報を更新する。そして、第2管理情報生成部142は、更新した第2管理情報(
図7(c)の「入れ替え図情報27c」に対応)を表示部15に表示する。尚、説明の便宜上、
図7(a)の各鉄筋が設けられている梁に対応する梁の位置を示す管理対象箇所情報、及び
図1の条件情報DB132に格納される前述のトップ筋条件情報が、入力部11を入力手段として入力されたこととして、第2管理情報に関する処理について、第2管理情報(入れ替え図情報27a)、生成処理、出力処理、更新処理、及び再出力処理の順に説明する。
【0099】
(処理―第2管理情報に関する処理―第2管理情報(入れ替え図情報))
入れ替え図情報27aは、梁のトップ筋及び通し筋に関する情報であり、例えば、トップ筋と通し筋とを入れ替えるのに用いられる。入れ替え図情報27aは、鉄筋情報、及びトップ筋位置情報を含んでいる。
【0100】
「鉄筋情報」は、建築物における梁に設けられている鉄筋についての情報である。鉄筋情報は、例えば、通し筋としての主筋371、372、375、トップ筋としての主筋372〜374、376、377を示す情報である。尚、これらの主筋は、
図7(a)に示されているように、梁(不図示)において相互に略平行となるように配置されている。尚、「主筋が相互に略平行となる」とは、主筋が全長に亘って相互に平行となっていること、主筋の一部のみが相互に平行になっていること、主筋が相互に交差しない程度に傾いていること等を含む。よって、「主筋が相互に略平行となる」とは、例えば、いわゆるハンチ梁において、主筋の一部が相互に平行となっており且つ主筋の他の一部が折り曲げられた状態となっていることを含む。また、「主筋が相互に略平行となる」とは、例えば、主筋の一部が相互に平行となっており且つ主筋の他の一部が定着のために折り曲げられた状態となっていることを含む。つまり、定着のために折り曲げられた状態となっている主筋の他の一部が相互に平行となっているか否かに関わらず、主筋の一部が相互に平行となっていることを、「主筋が相互に略平行となる」こととしてもよい。
【0101】
「トップ筋位置情報」は、梁におけるトップ筋の端部が設けられるべき位置を示す情報である。トップ筋位置情報は、トップ筋の端部が設けられるべき位置を示す線分T1、T2に対応する情報を含んでいる。
【0102】
(処理―第2管理情報に関する処理―生成処理)
第2管理情報生成部142は、梁における主筋の位置を特定し、当該特定結果等に基づいて第2管理情報を生成する。具体的には、第2管理情報生成部142は、入力部11を入力手段として入力される管理対象箇所情報が示す位置に対応する部材識別情報を、
図2の項目「部材位置」に対応する情報及び項目「部材ID」に対応する情報に基づいて特定する。また、第2管理情報生成部142は、特定した部材識別情報に対応するトップ筋の長さ及びトップ筋の本数を、トップ筋条件情報に基づいて特定する。
【0103】
そして、第2管理情報生成部142は、例えば、前述の特定した部材識別情報に対応する鉄筋基本情報(
図2)が示す主筋の本数を通し筋の本数と定め、前述の特定したトップ筋の本数をトップ筋の本数と定める。これらにより、第2管理情報生成部142は、入れ替え図情報27aを第2管理情報として生成する。
【0104】
(処理―第2管理情報に関する処理―出力処理)
第2管理情報生成部142は、生成した入れ替え図情報27aを、表示部15に表示(出力)する。尚、このとき、例えば選択画面25(
図5)と同様な選択画面中の選択項目に対応する情報(例えば、上端の1段筋に対応する情報等)を、入れ替え図情報27aとして、第2管理情報生成部142が表示部15に表示(出力)することとしてもよい。
【0105】
(処理―第2管理情報に関する処理―更新処理―概要)
第2管理情報生成部142は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力される移動情報を取得し、取得した移動情報に基づいて第2管理情報を更新する。尚、説明の便宜上、更新処理に関して、移動情報、移動情報の取得、第2管理情報の更新の順に説明する。
【0106】
(処理―第2管理情報に関する処理―更新処理―移動情報)
「移動情報」は、入れ替え図情報27aに含まれている鉄筋情報に対応する主筋を移動させるための情報である。移動情報は、例えば、移動対象情報、移動先情報を含んでいる。
【0107】
「移動対象情報」は、移動させる対象となる主筋を示す情報である。「移動先情報」は、移動対象情報に対応する主筋の移動先の位置を示す情報である。移動対象情報及び移動先情報は、例えば、表示部15に表示されている入れ替え図情報27aのうちの所定の情報を、表示部15上に表示されているカーソル300(
図7(b))を用いて指定することにより、指定した情報に対応する移動対象情報及び移動先情報が情報管理装置1に入力されることとしてもよい。
【0108】
尚、例えば、移動情報の情報管理装置1への入力が、このカーソル300を用いて行われる場合、入れ替え図情報27aにおける移動元として主筋の一部(
図7(b)の主筋372における線分T1、T2の間の一部)が移動対象情報として指定された場合、第1情報管理装置1は、当該一部の表示状態を、指定されていない他の主筋の表示状態とは異なる表示状態(
図7(b)の場合、破線)とする。この構成により、移動対象情報としてカーソル300を用いて指定された主筋を容易に把握することが可能となり、移動対象情報を適正に入力することが可能となる。
【0109】
また、移動対象情報としては、例えば、主筋を1本だけ指定したり、主筋を複数本まとめて指定したり、1本の主筋における線分T1、T2によって区切られる部分、つまり、主筋の一部だけを指定したりすることができることとする。そして、例えば、移動対象情報として主筋を1本だけ指定した場合、移動先情報が示す位置に主筋を1本だけ移動させることが可能となり、移動対象情報として主筋を複数本まとめて指定した場合、移動先情報が示す位置に主筋を複数本まとめて移動させることが可能となり、移動対象情報として主筋の一部だけを指定した場合、移動先情報が示す位置に主筋の一部だけを移動させることが可能となる。
【0110】
(処理―第2管理情報に関する処理―更新処理―移動情報の取得)
第2管理情報生成部142は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力される移動情報を取得する。
【0111】
(処理―第2管理情報に関する処理―更新処理―第2管理情報の更新)
第2管理情報生成部142は、生成した第2管理情報を、取得した移動情報に基づいて更新する。例えば、移動情報における移動対象情報に対応する鉄筋が前述の指定された一部(
図7(b)の主筋372における線分T1、T2の間の一部)であり、移動先情報に対応する位置が主筋374、377の間である場合、第2管理情報生成部142は、入れ替え図情報27a(
図7(a))が入れ替え図情報27c(
図7(c))となるように、第2管理情報を更新する。
【0112】
以上により、第2管理情報生成部142が、通し筋としての主筋372(
図7(a))をトップ筋としての主筋372a、372b(
図7(c))に変更し、トップ筋としての主筋374、377(
図7(a))を、通し筋としての主筋379(
図7(c))に変更したことになる。つまり、第2管理情報生成部142が、通し筋とトップ筋を入れ替えたことになる。
【0113】
(処理―第2管理情報に関する処理―再出力処理)
第2管理情報生成部142は、更新した第2管理情報(入れ替え図情報27c)が反映されるように、表示部15の表示を更新する。つまり、第2管理情報生成部142は、第2管理情報を再度表示部15に表示(出力)する。
【0114】
(処理―第3管理情報に関する処理)
情報管理装置1によって実行される第3管理情報に関する処理について説明する。
図8は、実施の形態に係る定着寸法を設定するための設定画面情報の表示例である。
【0115】
第3管理情報に関する処理は、第3管理情報生成部143によって行われる処理であり、例えば、第3管理情報に関する処理の実行を開始させる命令が入力部11を介して情報管理装置1に入力された場合に、起動される。
【0116】
(処理―第3管理情報に関する処理―概要)
第3管理情報生成部143は、位置情報DB131に格納されている位置情報、及び条件情報DB132に格納されている条件情報等に基づいて、設定画面情報4(
図8)を生成する。次に、第3管理情報生成部143は、定着寸法についての判定(後述)を行い、判定結果に基づいて、設定画面情報4を表示部15に表示する(出力する)。次に、第3管理情報生成部143は、変更情報を取得し、取得した変更情報に基づいて設定画面情報4を更新する。そして、第3管理情報生成部143は、更新した設定画面情報4を表示部15に表示する。尚、説明の便宜上、初期設定情報と、
図3及び
図4の仕口部に対応する仕口部に対して間接的に接続される梁の位置を示す管理対象箇所情報とが、入力部11を入力手段として入力されたこととして、設定画面情報4、生成処理、判定処理、出力処理、更新処理、及び再出力処理の順に説明する。尚、初期設定情報は、設定画面情報4における所定項目に対応する情報の初期設定を示す情報である。初期設定情報は、例えば、基本情報41の項目「設計基準強度」、「基礎部材」、「跳ね出し」、「かぶり」に対応する情報の初期設定の情報、結果情報44の項目「端部条件」、「躯体離(a)」、「垂直長(c)」に対応する情報の初期設定の情報を含んでいることとする。
【0117】
尚、第3管理情報生成部143が行う梁の鉄筋についての第3管理情報に関する処理と、第3管理情報生成部143が行う柱の鉄筋についての第3管理情報に関する処理とは同様であるので、梁の鉄筋についての第3管理情報に関する処理についてのみ説明し、柱の鉄筋についての第3管理情報に関する処理については、その説明を省略する。
【0118】
(処理―第3管理情報に関する処理―設定画面情報)
設定画面情報4は、例えば梁における鉄筋の定着寸法を設定(決定)するための情報である。設定画面情報4は、基本識別情報40、基本情報41、寸法図情報42、規定凡例情報43、及び結果情報44を含んでいる。尚、結果情報44が第3管理情報に対応する。
【0119】
基本識別情報40は、定着寸法の設定対象としての構造部材(例えば、梁)を一意に識別する情報である。基本識別情報40には、例えば、項目「部材記号」に対応する情報が含まれている。この項目「部材記号」に対応する情報は、定着寸法の設定対象としての構造部材を示す情報であり、例えば、
図2の位置情報における項目「部材ID」に対応している。尚、この項目「部材記号」に対応する情報が示す部材を、「設定対象部材」とも称する。
【0120】
基本情報41は、定着寸法の設定対象としての構造部材(例えば、梁)についての情報である。基本情報41には、例えば、項目「部材符号」、「設計基準強度」、「基礎部材」、「跳ね出し」及び「かぶり」に対応する情報が含まれている。項目「部材符号」に対応する情報は、構造部材の断面を一意に識別する断面識別情報である。項目「設計基準強度」に対応する情報は、基本識別情報40の項目「部材記号」に対応する構造部材を打設するときに用いるコンクリートの強度を示す情報である。項目「基礎部材」に対応する情報は、設定対象部材を基礎部材として用いるか否かを選択する情報である。項目「跳ね出し」に対応する情報は、設定対象部材が片持ち梁として用いられるか否かを選択する情報である。項目「かぶり」に対応する情報は、設定対象部材のかぶり厚さを示す情報である。
【0121】
寸法図情報42は、設定対象部材における主筋についての情報である。寸法図情報42には、例えば、第1線分421、第2線分422、第3線分423、及び寸法を示す情報が含まれている。第1線分421は、設定対象部材の上端筋を示している。第2線分422は、設定対象部材の下端筋を示している。第3線分423は、設定対象部材における定着開始面の位置を示している。尚、第3線分423の位置は、入力部11を入力手段として入力された情報に基づいて移動可能となっていることとする。つまり、設定対象部材における定着開始面の位置を移動させることが可能となっている。「寸法を示す情報」は、設定対象部材における主筋の寸法を示している。例えば、寸法を示す情報としての「5420」は、設定対象部材に設けられる主筋の長さ寸法が5420(mm)であることを示している。また、寸法を示す情報としての「500」、「800」は夫々、設定対象部材の両端夫々における主筋の定着部分についての情報であり、躯体離(結果情報44の項目「躯体離(a)」)と水平長(結果情報44の項目「水平長(b)」)との和が500(mm)、800(mm)であることを示している。尚、これら寸法を示す情報としての「500」、「800」は、柱幅にも対応している。
【0122】
規定凡例情報43は、設定対象部材における定着規定等に関する情報である。規定凡例情報43には、例えば、項目「部材情報・算出根拠」、「定着規定」、「凡例」に対応する情報が含まれている。項目「部材情報・算出根拠」に対応する情報には、結果情報44に含まれる情報についての算出根拠を示す情報と、梁及び柱の取り合いの型を示して取り合い情報(
図8の「ト字型」に対応)が含まれている。項目「定着規定」に対応する情報は、設定対象部材に対する定着規定を示している。項目「凡例」に対応する情報は、結果情報44における各項目の凡例を示している。
【0123】
結果情報44は、設定対象部材における鉄筋の定着寸法に関する情報である。結果情報44には、項目に対応する情報が相互に関連付けられて含まれている。
【0124】
項目「位置」、「段」に対応する情報は、設定対象部材における主筋を特定するための情報である。項目「位置」に対応する情報は、主筋が上端筋(
図8の「上」に対応)であるか下端筋(
図8の「下」に対応)であるかを示す情報である。項目「段」に対応する情報は、主筋が1段筋(
図8の「1段」に対応)、2段筋(
図8の「2段」に対応)、3段筋(
図8の「1段」に対応)のうちの何れの主筋であるかを示す情報である。項目「端部条件」に対応する情報は、例えば、主筋の端部条件が曲げ下げ(
図8の「曲げ下げ」に対応)、曲げ上げ(
図8の「曲げ上げ」に対応)、プレートナット、Tヘッド、直線定着のうちの何れであるかを示す情報である。尚、
図8においては、説明の便宜上、項目「端部条件」として、「曲げ上げ」、「曲げ下げ」が設定されているが、項目「端部条件」として、「プレートナット」、「Tヘッド」、「直線定着」が設定されることとしてもよい。項目「躯体離(a)」、「水平長(b)」、「垂直長(c)」、「アンカー長(d)」、「(e)」、及び「(f)」(これらの項目を「結果項目」とも称する)に対応する情報は、規定凡例情報43の項目「凡例」に対応している各符号(「a」、「b」等)が示す定着に関する寸法を示す情報である。
【0125】
また、結果情報44には、項目「水平長(b)」、「アンカー長(d)」、及び「(e)」の閾値情報(
図8における項目「水平長(b)」の「≧375」、項目「アンカー長(d)」の「≧880」、項目「(e)」の「≧176」に対応)が含まれている。
【0126】
(処理―第3管理情報に関する処理―生成処理)
第3管理情報生成部143は、入力部11を入力手段として入力される情報、位置情報DB131に格納されている位置情報、条件情報DB132に格納されている条件情報等に基づいて、設定画面情報4を生成(設定)する。
【0127】
具体的には、基本情報41については、第3管理情報生成部143は、位置情報(
図2)に基づいて、入力部11を入力手段として入力される管理対象箇所情報が示す位置(例えば
図2の「(X11,Y11,Z11)(X12,Y12,Z12)」)に対応する部材識別情報(例えば
図2の「000000903」)を特定し、この特定した情報を基本識別情報40の項目「部材記号」に対応する情報として設定する。次に、第3管理情報生成部143は、入力部11を入力手段として入力される初期設定情報の項目「設計基準強度」、「基礎部材情報」、「跳ね出し」、「かぶり」を、項目「設計基準強度」、「基礎部材情報」、「跳ね出し」、「かぶり」に対応する情報として設定する。尚、第3管理情報生成部143は、項目「部材記号」に対応する情報を、項目「部材符号」に対応する情報として設定する。
【0128】
また、寸法図情報42については、第3管理情報生成部143は、基本識別情報40の項目「部材記号」に対応する情報として特定した部材識別情報(
図2)に対応する寸法情報及び鉄筋基本情報等に基づいて、寸法図情報42を設定する。より具体的には、第3管理情報生成部143は、基本識別情報40の項目「部材記号」に対応する情報として設定した「000000903」に対応する部材の寸法情報及び鉄筋基本情報(
図2)と、「000000903」に対応する部材が接続される部材に対応する寸法情報及び鉄筋基本情報(
図2)等から、「000000903」に対応する部材及び当該部材が接続される部材の形状及び寸法を特定し、この特定結果に基づいて、寸法図情報42における各情報を設定する。
【0129】
また、規定凡例情報43については、第3管理情報生成部143は、位置情報(
図2)及び前述の特定した形状及び寸法を参照して、基本識別情報40の項目「部材記号」に対応する情報として設定した「000000903」に対応する部材と、当該部材が接続される部材との取り合いの型を特定し、特定した取り合いの型に対応する情報を規定凡例情報43の取り合い情報として設定する。第3管理情報生成部143は、条件情報DB132に格納されている条件情報に含まれている定着情報に基づいて、規定凡例情報43の取り合い情報、結果情報44の項目「端部条件」、項目「位置」、項目「段」に対応する定着規定及び凡例を特定し、特定した定着規定及び凡例を規定凡例情報43の項目「定着規定」、「凡例」に対応する情報として設定する。尚、定着情報では、例えば、設定画面情報4における規定凡例情報43の取り合い情報、結果情報44の項目「端部条件」、項目「位置」、項目「段」に対応する情報と、項目「定着規定」に対応する情報と、項目「凡例」に対応する情報と、項目「算出根拠」に対応する情報とが互いに関連付けられていることとする。また、第3管理情報生成部143は、前述の定着情報に基づいて、規定凡例情報43の項目「定着規定」、「凡例」に対応する情報として設定した情報に対応する算出根拠を特定し、特定した算出根拠を規定凡例情報43の項目「算出根拠」に対応する情報として設定する。
【0130】
また、結果情報44については、第3管理情報生成部143は、基本識別情報40の項目「部材記号」に対応する情報とし設定した「000000903」に対応する鉄筋の位置を特定し、特定した鉄筋の位置に基づいて結果情報44の項目「位置」、「段」に対応する情報を設定する。尚、第3管理情報生成部143は、前述した第1管理情報生成部141による「鉄筋位置の特定」と同様にして、「000000903」に対応する鉄筋の位置を特定することとしてもよい。第3管理情報生成部143は、入力部11を入力手段として入力される初期設定情報の項目「端部条件」、「躯体離(a)」、「垂直長(c)」に対応する情報の初期設定の情報を、結果情報44の項目「端部条件」、「躯体離(a)」、「垂直長(c)」に対応する情報として設定する。第3管理情報生成部143は、結果情報44の項目「端部条件」、「躯体離(a)」、「垂直長(c)」に対応する情報として設定した情報等に基づいて、所定の演算を行って、項目「水平長(b)」、「アンカー長(d)」、「(e)」、及び「f」に対応する情報を算出し、算出結果を項目「水平長(b)」、「アンカー長(d)」、「(e)」、及び「f」に対応する情報として設定する。尚、所定の演算とは、規定凡例情報43における項目「算出根拠」に対応する情報として設定する演算式を示している。第3管理情報生成部143は、条件情報DB132に格納されている閾値情報を、結果情報44の閾値情報として設定する。
【0131】
(処理―第3管理情報に関する処理―判定処理)
次に、第3管理情報生成部143は、生成した設定画面情報4における結果情報44が定着寸法についての規定を満たしているか否かの判定(この判定を「定着寸法についての判定」とも称する)を行う。
【0132】
具体的には、第3管理情報生成部143は、項目「水平長(b)」、「アンカー長(d)」、及び「(e)」に対応する情報について、当該情報が定着寸法についての規定を満たしているか否かの判定(この判定を、「定着寸法の判定」とも称する)を行う。項目「アンカー長(d)」についての定着寸法の判定と、項目「水平長(b)」、及び「(e)」についての定着寸法の判定とは同様であるので、項目「アンカー長(d)」についての定着寸法の判定についてのみ説明し、項目「水平長(b)」、及び「(e)」についての定着寸法の判定については、その説明を省略する。例えば、項目「アンカー長(d)」に対応する情報が閾値情報における「880」(mm)以上である場合、第3管理情報生成部143は、項目「アンカー長(d)」に対応する情報が定着寸法についての規定を満たしているものと判定する。一方、例えば、項目「アンカー長(d)」に対応する情報が閾値情報における「880」(mm)未満である場合、第3管理情報生成部143は、項目「アンカー長(d)」に対応する情報が定着寸法についての規定を満たしていないものと判定する。
【0133】
例えば、項目「アンカー長(d)」の情報として
図8に示されている「901」、「886」については、第3管理情報生成部143は、項目「アンカー長(d)」の算出結果が定着寸法についての規定を満たしているものと判定する。また、例えば、項目「アンカー長(d)」に対応する情報として
図8に示されている「876」、「851」については、第3管理情報生成部143は、項目「アンカー長(d)」に対応する情報が定着寸法についての規定を満たしていないものと判定する。
【0134】
(処理―第3管理情報に関する処理―出力処理)
第3管理情報生成部143は、生成した設定画面情報4を表示部15に表示(出力)する。このとき、第3管理情報生成部143は定着寸法の判定の判定結果に基づいて、定着寸法についての規定を満たしていないものと判定された項目に対応する情報を報知するべく、当該対応する情報を強調表示する。具体的には、例えば、第3管理情報生成部143は、定着寸法についての規定を満たしていないものと判定された情報が表示される部分の背景の色を赤色として、他の部分の背景の色と異ならせることとする。つまり、第3管理情報生成部143は、例えば、項目「アンカー長(d)」に対応する情報として
図8に示されている「876」、「851」が表示されている背景の色を赤色として、強調表示する。尚、第3管理情報生成部143は、背景の色を赤色以外の異なる色にすること、強調されていることを示す記号等の情報を付すこと、算出結果を示す文字のサイズを拡大すること等により、強調表示することとしてもよい。
【0135】
(処理―第3管理情報に関する処理―更新処理―概要)
第3管理情報生成部143は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力される変更情報を取得し、取得した変更情報に基づいて設定画面情報4を更新する。尚、説明の便宜上、更新処理に関して、変更情報、設定画面情報4の更新の順に説明する。
【0136】
(処理―第3管理情報に関する処理―更新処理―変更情報)
「変更情報」は、設定画面情報4の各項目に対応している情報であり、設定画面情報4における情報を変更するための情報である。変更情報は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置1に入力される。説明の便宜上、例えば、第3線分422の位置を移動させる情報が変更情報として入力された場合(この場合を「第1の場合」とも称する)と、変結果情報44の項目「躯体離(a)」に対応する情報が変更情報として入力された場合(この場合を「第2の場合」とも称する)と、について説明する。
【0137】
(処理―第3管理情報に関する処理―更新処理―設定画面情報の更新(第1の場合))
第3管理情報生成部143は、第1の場合における変更情報を取得する。第3管理情報生成部143は、第3線分423の移動量に応じて、寸法図情報42における寸法を算出する。例えば、第3線分423が寸法を示す情報における「10」だけ
図8の紙面左側に移動された場合、第3管理情報生成部143は、定着開始面が10(mm)だけずれたものとして、寸法を示す情報における「500」を「490」に変更する。第3管理情報生成部143は、この寸法の変更を反映させて、結果情報44を生成(算出)する。そして、第3管理情報生成部143は、この算出結果等が反映されるように、設定画面情報4を更新する。
【0138】
(処理―第3管理情報に関する処理―更新処理―設定画面情報の更新(第2の場合))
第3管理情報生成部143は、第2の場合における変更情報を取得する。第3管理情報生成部143は、変更情報に基づいて所定の演算を行って、結果情報44を算出する。そして、第3管理情報生成部143は、この算出結果等が反映されるように、設定画面情報4を更新する。
【0139】
(処理―第3管理情報に関する処理―再出力処理)
第3管理情報生成部143は、更新した設定画面情報4における結果情報44が定着寸法についての規定を満たしているか否かの判定を行う。尚、この判定は、前述した定着寸法についての判定と同様である。次に、第3管理情報生成部143は、更新した設定画面情報4を表示部15に表示(出力)する。このとき、第3管理情報生成部143は定着寸法の判定の判定結果に基づいて、定着寸法についての規定を満たしていないものと判定された算出結果を報知するべく、当該算出結果を強調表示する。
【0140】
(処理―第4管理情報に関する処理)
情報管理装置1によって実行される第4管理情報に関する処理について説明する。
図9は、実施の形態に係る加工図情報の表示例である。尚、
図9においては、例えば、設定画面情報4(
図8)において設定対象部材となっている梁(
図9では「梁523a」に対応)についての第1情報51aと、第2仕口部情報21(
図4)における第1梁33(
図9では「梁523b」に対応)についての第2情報51bと、が表示されている。主筋情報53(
図9)には、梁の下端の1段筋及び2段筋を示す情報が含まれているが、説明の便宜上、
図9においては、これらの情報の表示は省略されている。
【0141】
第4管理情報に関する処理は、第1〜第3管理情報に基づいて第4管理情報生成部144によって行われる処理であり、例えば、第1〜第3管理情報に関する処理が終了した後に、第4管理情報に関する処理の実行を開始させる命令が入力部11を介して情報管理装置1に入力された場合に、起動される。
【0142】
(処理―第4管理情報に関する処理―概要)
第4管理情報生成部144は、位置情報DB131に格納されている位置情報、及び条件情報DB132に格納されている条件情報、及び第1〜第3管理情報に関する処理での情報等に基づいて、加工図情報5(
図9)を生成し、生成した加工図情報5を表示部15に表示する。尚、説明の便宜上、設定画面情報4(
図8)において設定対象部材となっている梁及び第2仕口部情報21(
図4)における第1梁33の位置を示す管理対象箇所情報が、入力部11を入力手段として入力されたこととして、加工図情報5、生成処理、出力処理の順に説明する。また、管理対象箇所情報が示している位置に設けられている部材の双方については、第1〜第3管理処理情報に関する処理が行われていることとする。
【0143】
(処理―第4管理情報に関する処理―加工図情報)
加工図情報5は、例えば梁における鉄筋に関する情報である。加工図情報5は、部材情報51、寸法図情報52、及び主筋情報53を含んでいる。
【0144】
部材情報51は、梁及び当該梁における鉄筋についての情報である。部材情報51には、例えば、項目「断面」、「かぶり厚さ」、「トップ筋長さ」、「あばら筋」、及び「巾止め筋」に対応する情報が含まれている。項目「断面」に対応する情報は、主筋が通された状態の梁の断面図等を示す情報である。項目「かぶり厚さ」に対応する情報は、梁のかぶり厚さを示す情報である。項目「トップ筋長さ」に対応する情報は、梁のトップ筋の長さを示す情報である。尚、項目「トップ筋長さ」における項目「上筋」は、梁における上端筋に対応しており、項目「下筋」は、梁における下端筋に対応している。項目「あばら筋」に対応する情報は、梁におけるあばら筋を示す情報である。尚、項目「あばら筋」における項目「タイプ」には、あばら筋の種類及びピッチを示す情報である。項目「あばら筋」における項目「形状」には、あばら筋の形状、寸法及び枚数(個数)を示す情報である。項目「巾止め筋」に対応する情報は、梁における巾止め筋の形状、寸法及び枚数(個数)を示す情報である。
【0145】
寸法図情報52は、梁の寸法についての情報である。寸法図情報52には、加工図情報5が情報を示している梁及び当該梁が接続されている柱の伏図に対応する情報(
図9の第1情報51aでは「梁523a、柱521a、522a」に対応)が含まれている。また、寸法図情報52には、梁のレベルを示すレベル情報(
図9の第1情報51aでは「−10、−560」に対応)が含まれている。また、寸法図情報52には、隣接する通り芯の間の距離を示す情報(
図9の第1情報51aでは「6000」に対応)、梁の長さを示す情報(
図9の第1情報51aでは「5420」に対応)、及び当該梁の長さの例えば四分の1の長さに応じた寸法を示す情報(
図9の第1情報51aでは「1355」、「2710」)が含まれている。この寸法図情報52における梁523aは、設定画面4(
図8)において設定対象部材となっている梁に対応し、梁523bは、第2仕口部情報21(
図4)における第1梁33に対応している。
【0146】
主筋情報53は、梁における主筋についての情報である。主筋情報53は、例えば、立面図情報(
図9の第1情報51aでは「主筋531a」に対応)、径情報(
図9の主筋531aでは「D22」に対応)、長さ情報(
図9の主筋531aでは「3500」に対応)、取りまとめ本数情報(
図9の主筋531aでは「×2」に対応)、定着設定情報(
図9の主筋531aでは「25」、「475」、「450」に対応)、圧接可能範囲情報(
図9の第1情報51aでは「領域543」に対応)、圧接位置情報(
図9の第1情報51aでは「圧接点544」に対応)、トップ筋止め位置情報(
図9の第1情報51aでは「線分541、542」に対応)、及び圧接時切寸法情報(
図9の第2情報51bでは「切寸法情報545」に対応)を含んでいる。
【0147】
「立面図情報」は、鉄筋の立面図を示す情報である。この立面図情報では、主筋の長さ及び径の大きさ双方が同じ主筋は、取りまとめられた状態で示される。「径情報」は、鉄筋の径を示す情報である。「長さ情報」は、圧接前の主筋1本の長さを示す情報である。「取りまとめ本数情報」は、取りまとめ本数を示す情報である。「取りまとめ本数」は、立面図情報において取りまとめられている主筋の本数を示している。
【0148】
「定着設定情報」は、定着設定を示す情報である。尚、定着設定を示す情報としての「25」、「475」、「450」は夫々、設定画面4(
図8)の結果情報44における項目「躯体離(a)」、「水平長(b)」、「垂直長(c)」に対応する情報に対応している。
【0149】
「圧接可能範囲情報」は、主筋同士を圧接することが許可されている位置としての圧接可能範囲を示す情報である。
図9では、例えば、圧接可能範囲情報としての領域543の内側は、主筋同士を圧接することが許可されている位置に対応しており、領域543の外側は、主筋同士を圧接することが許可されていない位置に対応している。
【0150】
「圧接位置情報」は、主筋同士が圧接される圧接位置を示す情報である。そして、圧接位置情報としての圧接点544が領域543の内側に設けられているか否かによって、許可されている位置に圧接位置が設けられているか否かを判断することが可能となる。
図9では、例えば、圧接点544が領域543の内側に設けられているので、許可されている位置に圧接位置が設けられていると判断される。一方、例えば、圧接点544が領域543の外側に設けられている場合、許可されている位置に圧接位置が設けられていないと判断される。
【0151】
「トップ筋止め位置情報」は、トップ筋の端部が設けられるべき基準位置を示す情報である。トップ筋止め位置情報としての線分542は、柱522a側のトップ筋としての主筋542aの端部が設けられるべき基準位置を示している。この主筋542aの端部は、例えば、梁523aの強度を確保するという観点から、線分542よりも柱521a側(
図9の紙面左側)に設けられるべきであるとされる。また、トップ筋止め位置情報としての線分541は、柱521a側のトップ筋としての主筋543aの端部が設けられるべき基準位置を示している。この主筋543aの端部は、例えば、梁523aの強度を確保するという観点から、線分541よりも柱522a側(
図9の紙面右側)に設けられるべきであるとされる。
【0152】
「圧接時切寸法情報」は、定尺長の主筋における主筋の長さを調節するための当該主筋の切断するべき長さを示している。圧接時切寸法情報としての切寸法情報545は、主筋の切断するべき長さを示す情報(
図9の主筋531bでは「187」に対応)と、定尺長の主筋が切断されるべきであることを示す印(
図9の主筋531bでは「/」に対応)とを含んでいる。
【0153】
(処理―第4管理情報に関する処理―生成処理)
第4管理情報生成部144は、入力部11を入力手段として入力される管理対象箇所に関連する構造部材(例えば梁)について、加工図情報5を第4管理情報として生成する。例えば、位置情報DB131に格納されている位置情報、条件情報DB132に格納されている条件情報、及び第1〜第3管理情報夫々の処理における情報等に基づいて、第4管理情報としての加工図情報5を生成する。
【0154】
(処理―第4管理情報に関する処理―生成処理―部材情報)
第4管理情報生成部144は、第1管理情報生成部141による「鉄筋位置の特定」の場合と同様にして、管理対象箇所情報が示す位置に対応する梁の寸法及び鉄筋の位置を特定し、特定結果に基づいて項目「断面」に対応する情報を生成する。第4管理情報生成部144は、設定画面情報4(
図8)の基本情報41における項目「かぶり」に対応する情報を、項目「かぶり厚さ」に対応する情報とする。第4管理情報生成部144は、第1及び第2管理情報に関する処理において梁に設けられたトップ筋の寸法を、項目「トップ筋長さ」に対応する情報とする。尚、第1及び第2管理情報に関する処理において梁に設けられたトップ筋の寸法については、第4管理情報生成部144が測定するものとしてもよい。第4管理情報生成部144は、梁の長さ及びあばら筋のピッチを特定し、特定結果に基づいて、項目「あばら筋」に対応する情報を生成する。具体的には、第4管理情報生成部144は、管理対象箇所情報が示す位置に対応する梁の寸法が示す梁の長さを、梁の長さと特定する。また、第4管理情報生成部144は、入力部11を入力手段として入力された情報が示すあばら筋のピッチを、あばら筋のピッチと特定する。尚、第4管理情報生成部144は、通信部12を通信手段として前述の他の装置から受信した情報が示すあばら筋のピッチを、あばら筋のピッチと特定することとしてもよい。この後、第4管理情報生成部144は、特定した「梁の長さ」に対する「あばら筋のピッチ」の除算を行い、除算結果等に基づいて、項目「あばら筋」に対応する情報を生成する。第4管理情報生成部144は、部材情報51の項目「あばら筋」に対応する情報を生成する場合と同様にして、部材情報51の項目「巾止め筋」に対応する情報を生成する。
【0155】
(処理―第4管理情報に関する処理―生成処理―寸法図情報)
第4管理情報生成部144は、入力部11を入力手段として入力される管理対象箇所情報が示す位置に対応する部材識別情報に基づいて、位置情報DB131に格納されている位置情報等を適宜参照して、寸法図情報52における各情報を生成する。
【0156】
(処理―第4管理情報に関する処理―生成処理―主筋情報)
第4管理情報生成部144は、第1及び第2管理情報に関する処理において梁に設けられた主筋を特定し、特定した主筋に基づいて立面図情報、径情報、及び長さ情報を生成する。この場合、第4管理情報生成部144は、主筋の長さ及び径の大きさ双方が同じ主筋は、取りまとめられた状態で、立面図情報を生成する。そして、生成した立面図における取りまとめられた主筋の本数に基づいて、本数情報を生成する。第4管理情報生成部144は、設定画面情報4(
図8)の結果情報44における項目「躯体離(a)」、「水平長(b)」、「垂直長(c)」に対応する情報を、定着設定を示す情報とする。第4管理情報生成部144は、
図1の条件情報DB132に格納されている条件情報に含まれている圧接条件情報と、特定した「梁の長さ」(前述)とに基づいて、圧接範囲を特定し、特定結果に基づいて圧接可能範囲情報を生成する。第4管理情報生成部144は、第1及び第2管理情報に関する処理に基づいて、圧接位置情報を生成する。第4管理情報生成部144は、
図1の条件情報DB132に格納されている条件情報に含まれているトップ筋条件情報を参照して、管理対象箇所情報が示す位置に対応する梁におけるトップ筋の長さを特定し、特定結果に基づいてトップ筋止め位置情報を生成する。第4管理情報生成部144は、第1及び第2管理情報に関する処理に応じて定まる主筋の長さと、位置情報DB131に格納されている位置情報に基づいて特定されるトップ筋長さとに基づいて、圧接時切寸法情報を生成する。
【0157】
(処理―第4管理情報に関する処理―出力処理)
第4管理情報生成部144は、生成した加工図情報5を表示部15に表示(出力)する。
【0158】
(実施の形態の効果)
このように本実施形態によれば、位置情報DB131に格納されている鉄筋関連要素の位置を特定する位置情報と、条件情報DB132に格納されている鉄筋関連要素の管理条件を特定する条件情報とに基づいて、管理対象箇所における鉄筋関連要素を管理するための第1〜第4管理情報が生成されるので、第1〜第4管理情報に基づいて鉄筋関連要素の位置及び管理条件を特定することが可能となるため、鉄筋関連要素についての管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0159】
また、例えば、
図3の第1梁33、34、第2梁35、36について鉄筋の納まり判定を行い、この判定結果に基づいて、第1仕口部情報20(
図3)、第2仕口部情報21(
図4)、第1柱断面情報22、第2柱断面情報23、及び未決鉄筋本数情報が第1管理情報として生成されるので、この第1管理情報に基づいて例えば第1梁33、34、第2梁35、36における鉄筋の納まりが確定しているか否かを特定することが可能となるため、仕口部における鉄筋についての管理作業の作業効率を向上させることできる。
【0160】
また、互に略平行に配置された複数の鉄筋の各々の位置を特定する位置情報と、複数の鉄筋の相互間における配置条件を特定する条件情報とに基づいて、複数の鉄筋を含む図面情報が管理情報として生成されるので、当該図面に基づいて複数の鉄筋の各々の位置及び配置条件を特定することが可能となるため、複数の鉄筋についての管理作業の作業効率を向上させることできる。
【0161】
入れ替え図情報27a(
図7(a))中の主筋についての位置情報と、条件情報に含まれているトップ筋位置情報と、入れ替え図情報27aが第2管理情報として生成されるので、入れ替え図情報27aに基づいて例えば入れ替え図情報27a(
図7(a))中の主筋(鉄筋)についての管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0162】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0163】
(構成)
最初に本実施の形態に係る情報管理装置の構成を説明する。
図10は、本発明の実施の形態に係る情報管理装置を例示するブロック図である。情報管理装置6は、記憶部63、及び制御部64を備えている。
【0164】
(構成―記憶部)
記憶部63は、位置情報DB631、及び条件情報DB632を備えている。
位置情報DB631は、コンクリート部材の管理対象箇所における鉄筋関連要素の位置を特定する位置情報を格納する位置情報格納手段である。位置情報は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置6に入力されて、位置情報DB631に格納される。位置情報には、例えば、コンクリート部材に設ける貫通孔の位置を特定する情報が含まれている。「貫通孔」は、例えば、建築物で用いられる給排水の配管等が挿通されるようにコンクリート部材を貫通する孔である。位置情報DB631には、実施の形態1における位置情報DB131(
図1)に格納されている情報も格納されていることとする。また、位置情報DB631には、
図2に示される位置情報の項目「部材ID」に対して、項目「部材ID」に対応する部材のコンクリート強度を示す情報と、項目「部材ID」に対応する部材の鉄筋種類を示す情報とが対応付けられて格納されていることとする。尚、「鉄筋種類を示す情報」には、例えば、鉄筋の強度を示す情報、鉄筋の径を示す情報等が含まれていることとする。
【0165】
条件情報DB632は、コンクリート部材の管理対象箇所における鉄筋関連要素の管理条件を特定する条件情報を格納する条件情報格納手段である。「条件情報」は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置6に入力されて、条件情報DB632に格納される。「条件情報」には、例えば、コンクリート部材に設ける貫通孔の配置条件(管理条件)を特定する情報が含まれている。この条件情報では、例えば、コンクリート部材(例えば、梁、壁、床等)毎に貫通孔の配置条件が定められている。また、「条件情報」には、例えば、補強筋による補強方法について、計算プログラムにより計算された計算結果として、補強筋の径や本数などの情報が含まれる。
【0166】
「配置条件」は、例えば、貫通孔をコンクリート部材に設ける場合に従うべき規則に対応してもいる。配置条件においては、梁における貫通孔を設けることが可能とされている位置(許可されている位置)と、梁における貫通孔を設けることが不可能とされている位置(禁止されている位置)とが、貫通孔の径の大きさ、貫通孔を設ける場合に補強が必要であるか否か、貫通孔を設ける場合において補強が必要な場合の補強方法の種類等に対応付けられている。また、配置条件においては、例えば、同一の部材に存在する貫通孔同士の間の距離が所定距離以上離れるように貫通孔を設けるべきであり、同一の部材に存在する貫通孔同士の間の距離が所定距離よりも短くなるように貫通孔を設けるべきでないことが定められている。また、配置条件においては、例えば、梁における柱面からの距離が所定距離以内となる位置においては、貫通孔を設けるべきでないことが定められている。また、配置条件においては、貫通孔の径の大きさを判定する場合(
図12のSB3)の判定基準として用いられる第1及び第2基準径が定められている。尚、第1基準径は、
図13の第1可能範囲731と対応付けられており、例えば梁成の3分の1程度の大きさ(長さ)に設定されている。また、第2基準径は、第2可能範囲732と対応付けられており、例えば梁成の4分の1程度の大きさ(長さ)に設定されている。つまり、第1基準径が第2基準径よりも大きく(長く)なるように、第1及び第2基準径が設定されている。
【0167】
(構成―制御部)
制御部64は、機能概念的に、設置範囲情報生成部641、設置可否判定部642、モデル化情報生成部643、及び加工図情報生成部644を備えている。
【0168】
設置範囲情報生成部641は、コンクリート部材における貫通孔を設けることが可能な(許可されている)範囲を示す設置可能範囲情報791(
図13)等を生成する設置範囲情報生成手段である。設置可否判定部642は、コンクリート部材における指定された位置に貫通孔を設けることが可能であるか否か等を判定する設置可否判定手段である。モデル化情報生成部643は、貫通孔と補強筋が設けられるコンクリート部材に対応するモデル化情報794(
図16)を生成するモデル化情報生成手段である。加工図情報生成部644は、貫通孔と補強筋が設けられるコンクリート部材に対応する加工図情報9(
図17)を生成する加工図情報生成手段である。尚、設置範囲情報生成部641、設置可否判定部642、モデル化情報生成部643、及び加工図情報生成部644が管理情報生成手段に相当する。
【0169】
(処理)
次に、このように構成された情報管理装置6によって実行される管理情報に関する処理について説明する。
図11は、実施の形態に係る管理情報に関する処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
図12は、実施の形態に係る設置可否判定処理のフローチャートである。
図13は、実施の形態に係る設置可能範囲情報の表示例である。
図14は、実施の形態に係る判定結果情報の表示例である。
図15は、実施の形態に係る再判定情報の表示例である。
図16は、実施の形態に係るモデル化情報の表示例である。尚、
図16では、説明の便宜上、モデル化情報794に含まれるあばら筋を示す情報のうちの一部のみが表示されている。
図17は、実施の形態に係る加工図情報の表示例である。尚、主筋情報93には、梁の上端の1段筋以外の主筋を示す情報も含まれているが、説明の便宜上、
図17においては、これらの情報の表示は省略されている。
【0170】
尚、
図13〜
図16におけるX軸、Y軸、及びZ軸は、説明の便宜上、表示されているものであり、各図において示されている情報には含まれていないこととする。Z軸は、柱71、72に沿う軸(垂直方向)であり、柱71、72における下側から上側に向かう方向を+Zとし、柱71、72における上側から下側に向かう方向を−Zとする。Y軸は、柱71、72と直交する梁73に沿う軸(水平方向)であり、梁73に沿って柱71から柱72に向かう方向を+Yとし、梁73に沿って柱72から柱71に向かう方向を−Yとする。X軸は、柱71、72と梁73との双方に対して直交する軸であり、各図の紙面裏側から紙面表側へ向かう方向を+Xとし、各図の紙面表側から紙面裏側へ向かう方向を−Xとする。
【0171】
また、貫通孔がコンクリート部材としての梁に設けられる場合の情報管理装置6の処理と、貫通孔がコンクリート部材としての壁、床に設けられる場合の情報管理装置6の処理とは同様であるので、貫通孔が梁に設けられる場合の情報管理装置6の処理についてのみ説明し、貫通孔が壁、床に設けられる場合の情報管理装置6の処理の説明については、省略する。
【0172】
管理情報に関する処理は、情報管理装置6によって行われる処理であり、例えば、管理情報に関する処理の実行を開始させる命令が入力部11を介して情報管理装置6に入力された場合に、起動される。尚、
図14に示されているように、梁73に対応する梁を示す管理対象箇所情報と、貫通孔オブジェクトh1〜h6を示す貫通孔情報と、判定対象候補情報とが、入力部11を入力手段として入力されたこととして説明する。
【0173】
尚、判定対象候補情報は、第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733のうちの、貫通孔を設けることが可能であるか否か等を設置可否判定部642(
図10)が判定する判定対象の候補を示す情報である。尚、判定対象は、判定対象候補情報に含まれている例えば第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733のうちの何れかの可能範囲を示しており、後述する設置可否判定部642が決定する判定対象パターンに対応している。また、判定対象候補情報は、設置範囲情報生成部641が生成する可能範囲情報に含まれる可能範囲を示す情報でもある。尚、判定対象候補情報において、第1可能範囲731、第2可能範囲732を判定対象の候補とするか否かについては、例えば、表示部15に表示される所定の設定画面に表示される第1可能範囲731、第2可能範囲732夫々に対応するラジオボタンの操作により定められることとしてもよい。
【0174】
また、判定対象候補情報において、第3可能範囲733は、予め判定対象の候補であると定められていることとする。第3基準径情報は、第1及び第2基準径と同様な構成の第3基準径を示す情報である。第3基準径は、貫通孔の径の大きさを判定する場合(
図12のSB3)の判定基準として用いられるものであり、第3可能範囲733と対応付けられている。第3基準径情報には、径の大きさを示す情報(「基準大きさ情報」とも称する)と梁成に対する比率(「基準比率情報」とも称する)とが含まれている。尚、前述の入力された判定対象候補情報においては、説明の便宜上、第1可能範囲731及び第2可能範囲732を判定対象の候補とすることが定められており、且つ、150(mm)を示す基準大きさ情報と梁成の10分の1を示す基準比率情報が含まれる第3基準径情報が入力されたこととする。つまり、前述の入力された判定対象候補情報においては、第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733の全てが判定対象の候補とされていることとする。
【0175】
また、管理対象箇所情報は、情報管理装置6を用いて解析される解析対象に対応する管理対象箇所を示す情報である。つまり、管理対象箇所情報は、情報管理装置6を用いて行われる解析としての例えば強度計算が行われる計算対象を示す情報である。
【0176】
また、貫通孔情報は、管理対象箇所に設けられる貫通孔の候補として、貫通孔の最外径と当該貫通孔の位置とを示す情報である。尚、前述の入力された貫通孔情報においては、貫通孔オブジェクトh1〜h3の径は、梁成の10分の1の大きさよりも小さく、且つ、150(mm)よりも小さく設定されていることとする。また、貫通孔オブジェクトh4〜h6の径は、梁成の4分の1の大きさよりも小さく、且つ、梁成の10分の1の大きさよりも大きく、且つ、150(mm)のよりも大きく設定されていることとする。更に、貫通孔情報においては、貫通孔オブジェクトh1〜h3は、第3可能範囲733の内側に設けられており、貫通孔オブジェクトh4、h6は夫々、第1可能範囲731、第2可能範囲732夫々の内側に設けられており、貫通孔オブジェクトh5は、少なくとも一部が第1可能範囲731及び第2可能範囲732の双方の外側に設けられていることとする。更に、貫通孔オブジェクトh1〜h6のうちの、貫通孔オブジェクトh2、h3同士のみが所定距離以上離れていない(貫通孔オブジェクトh2、h3間の距離が所定距離よりも短くなっている)こととする。
【0177】
(処理―設置可能範囲情報の表示等)
設置範囲情報生成部641は、位置情報DB631に格納されている位置情報、及び条件情報DB632に格納されている条件情報等に基づいて、管理対象箇所における設置可能範囲情報791(
図13)を生成し、生成した設置可能範囲情報791を表示部15に表示する(SA1)。
【0178】
具体的には、設置範囲情報生成部641は、位置情報DB631を適宜参照して、管理対象箇所情報に対応する部材(
図13の「梁73」に対応)及び当該部材に接続される部材(
図13の「柱71、柱72」に対応)を、特定する。この後、設置範囲情報生成部641は、特定した部材の寸法等を特定した後、特定結果に基づいて構造部材情報(
図13の「柱71、72、梁73」に対応」)を生成する。尚、この構造部材情報について、通信部12を通信手段として、情報管理装置6とは異なる他の装置から、設置範囲情報生成部641が構造部材情報を取得することとしてもよい。尚、他の装置は、前述(実施の形態1)したように、建築物の設計を支援するための設計支援装置を含んでいることとしてもよい。
【0179】
また、設置範囲情報生成部641は、管理対象箇所情報に対応する部材についての配置条件を条件情報DB632から取得して、取得した配置条件に沿って可能範囲情報(
図13の「第1可能範囲731、第2可能範囲732、及び第3可能範囲733」に対応)及び不可能範囲情報を管理情報として生成する。尚、設置範囲情報生成部641は、入力部11を入力手段として入力された判定対象候補情報が示している可能範囲に対応する可能範囲情報を生成することとする。尚、可能範囲情報は、管理対象箇所としての梁に対して貫通孔を設けることが可能とされている位置(この位置を「可能位置」とも称する)を示す情報である。不可能範囲情報は、管理対象箇所としての梁に対して貫通孔を設けることが不可能とされている位置(この位置を「不可能位置」とも称する)を示す情報である。
【0180】
例えば、
図13の第1可能範囲731、第2可能範囲732、及び第3可能範囲733は、梁73における可能位置を示している。第1可能範囲731及び第2可能範囲732は、補強を行うことを前提条件とした貫通孔の可能位置を示している。具体的には、第1可能範囲731の内側は、第1種類の補強方法で補強が行われ且つ径が第1基準径未満である場合であれば、貫通孔を設けることが可能な位置に対応している。第2可能範囲732の内側は、第2種類の補強方法で補強が行われ且つ径が第2基準径未満である場合であれば、貫通孔を設けることが可能な位置に対応している。尚、第2種類の補強方法は、第1種類の補強方法とは異なる補強方法である。第1及び第2種類の補強方法は夫々、例えば同種の補強筋を互いに異なる数だけ用いて補強する補強方法に対応しており、補強が行われる補強箇所に対応付けられていることとしてもよい。そして、第2種類の補強方法は、第1種類の補強方法よりも強度を上昇させることが可能な補強方法を示している。つまり、第2種類の補強方法により補強する箇所(例えば、第2可能範囲732の内側)に求められる強度は、第1種類の補強方法によるもの(例えば、第1可能範囲731の内側)に比べ、強いものが必要となる。尚、これは、例えば、地震による地震力が付与された場合に、第2可能範囲732の内側に対応する箇所が、第1可能範囲731の内側に対応する箇所よりも、損傷を受け易いことに基づくものである。また、第3可能範囲733の内側は、補強が行われるか否かに関わらず、径が第3基準径(例えば前述の入力された判定対象候補情報の場合、梁成の10分の1及び150(mm))未満の貫通孔を設けることが可能な位置に対応している。また、梁73における第1可能範囲731、第2可能範囲732、及び第3可能範囲733の外側は、梁73における不可能位置に対応している。
【0181】
設置範囲情報生成部641は、前述したように可能範囲情報及び不可能範囲情報を生成した後、当該生成した可能範囲情報及び不可能範囲情報と、前述の構造部材情報とを、例えば、軸組図に対応する
図13の表示例のように、設置可能範囲情報791として表示部15の1画面上に重ねて表示する。この場合、設置範囲情報生成部641は、第1可能範囲731、第2可能範囲732、及び第3可能範囲733を夫々識別できるように、例えば、第1可能範囲731、第2可能範囲732、及び第3可能範囲733を夫々異なる表示状態とする。具体的には、設置範囲情報生成部641は、例えば、第1可能範囲731、第2可能範囲732、及び第3可能範囲733夫々における内側と外側とを区分けする境界線が夫々、青色、黄色、赤色となるように表示する。尚、設置範囲情報生成部641は、各範囲を識別できるように、各範囲における境界線の線種を相互に異ならせこととしてもよいし、各範囲自体の表示色を相互に異ならせることとしてもよい。この構成により、梁73における可能位置及び不可能位置の識別と、補強の要否と、補強が必要な場合の補強方法の種類とをシンプルな表示により把握することが可能となるために、貫通孔に関する管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0182】
また、設置範囲情報生成部641は、通信部12を通信手段として他の装置に対して、不可能範囲情報を送信することとしてもよい。尚、設置範囲情報生成部641は、可能範囲情報と不可能範囲情報とが含まれている設置可能範囲情報791も、他の装置に対して送信することとしてもよい。
【0183】
(処理―判定結果情報の表示等)
設置可否判定部642は、設置範囲情報生成部641が生成した設置可能範囲情報791と、貫通孔情報等とに基づいて、貫通孔を設けることが可能であるか否か等の判定を行う(SA2)。
【0184】
具体的には、設置可否判定部642は、設置範囲情報生成部641によって生成された可能範囲情報(
図13の「第1可能範囲731、第2可能範囲732、及び第3可能範囲733」に対応)から判定対象パターンを決定した(
図12のSB1)後、決定された判定対象パターンについて貫通孔情報が示す貫通孔(
図14の「貫通孔オブジェクトh1〜h6」に対応)(この貫通孔を「候補貫通孔」とも称する)について、貫通孔を設けることが可能であるか否か等の判定(
図12のSB2〜SB5)を行う。尚、判定対象パターンは、生成された可能範囲情報における可能範囲(例えば第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733)のうちの、
図12のSB1において設置可否判定部642によってSB2〜SB5の判定を行う対象として決定された可能範囲(例えば第1可能範囲731)を示している。
【0185】
(処理―判定結果情報の表示等―判定対象パターンの決定)
可能範囲情報において第3可能範囲733が含まれている場合、当該第3可能範囲733に対する処理が、他の可能範囲(例えば第1可能範囲731及び第2可能範囲732)に対する処理よりも優先的に行われるように、設置可否判定部642は、判定対象パターンを決定する(SB1)。具体的には、可能範囲情報に第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733が含まれている場合、設置可否判定部642は、第1可能範囲731及び第2可能範囲732に対して、第3可能範囲733を優先して判定対象パターンとして決定する。
【0186】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定)
設置可否判定部642は、SB1において決定された判定対象パターンにおいて、SB2〜SB5の判定を、貫通孔情報が示す貫通孔が示す貫通孔(
図14の「貫通孔オブジェクトh1〜h6」に対応)に対して行う。
【0187】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定―貫通孔間の距離の判定)
具体的には、設置可否判定部642は、同一部材に設けられており隣接する候補貫通孔同士が所定距離以上離れているか否かを判定する(SB2)。尚、所定距離は、例えば、梁73(
図13)の強度を確保する観点に基づいて定められる距離である。所定距離を示す所定距離情報は、例えば、入力部11を入力手段として情報管理装置6に入力された上で、条件情報として条件情報DB632に格納されることとしてもよい。例えば、
図14の場合、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh1、h4〜h6については、同一部材としての梁73に設けられており隣接する候補貫通孔同士が所定距離以上離れているものと判定し(SB2のOK)、貫通孔オブジェクトh2、h3については、同一部材としての梁73に設けられており隣接する候補貫通孔(判定に用いた双方の貫通孔)同士が所定距離以上離れていない(貫通孔オブジェクトh2、h3間の距離が所定距離よりも短くなっている)ものと判定する(SB2のNG)。
【0188】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定―貫通孔の径の判定)
SB2において、隣接する候補貫通孔同士が所定距離以上離れていると判定された(SB2のOK)候補貫通孔について、設置可否判定部642は、候補貫通孔の径の大きさの判定を行う(SB3)。設置可否判定部642は、SB1において決定された判定対象パターンに対応する基準径を特定し、特定した基準径とSB2においてOKとされた候補貫通孔の径との大小を比較し、比較結果に基づいて、候補貫通孔の径が基準径以下であるか(SB3のOK)、候補貫通孔の径が基準径より大きいか(SB3のNG)について、判定を行う。尚、例えば、SB1において決定された判定対象パターンが第3可能範囲733に対応している場合、設置可否判定部642は、第3基準径を特定し、第3基準径とSB2においてOKとされた候補貫通孔の径との大小を比較し、比較結果に基づいて、上述の判定を行う。また、例えば、SB1において決定された判定対象パターンが第1可能範囲731、第2可能範囲732夫々に対応している場合、設置可否判定部642は、第1基準径、第2基準径を夫々特定し、上述の比較及び判定と同様な比較及び判定を行う。
【0189】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定―貫通孔の位置の判定)
SB3において、候補貫通孔の径が基準径以下であると判定された(SB3のOK)候補貫通孔について、設置可否判定部642は、候補貫通孔の位置の判定を行う(SB4)。設置可否判定部642は、SB1において決定された判定対象パターンに対応する可能範囲を特定し、特定した可能範囲の位置とSB3においてOKとされた候補貫通孔の位置とを比較し、比較結果に基づいて、候補貫通孔が可能範囲の内側に設けられているか(SB4のOK)、候補貫通孔が可能範囲の外側に設けられているか(SB4のNG)について、判定を行う。尚、例えば、SB1において決定された判定対象パターンが第3可能範囲733に対応している場合、設置可否判定部642は、第3可能範囲733を特定し、第3可能範囲733の位置とSB3においてOKとされた候補貫通孔の位置とを比較し、比較結果に基づいて、上述の判定を行う。また、例えば、SB1において決定された判定対象パターンが第1可能範囲731、第2可能範囲732夫々に対応している場合、設置可否判定部642は、第1可能範囲731、第2可能範囲732を夫々特定し、上述の比較及び判定と同様な比較及び判定を行う。
【0190】
ここで、SB4における判定について具体的には、水平方向(
図14のY軸)及び垂直方向(
図14のZ軸)においては、設置可否判定部642は、夫々異なる判定基準に基づいて判定を行う。水平方向においては、設置可否判定部642は、候補貫通孔の中心に基づいて判定を行う。例えば、水平方向において、候補貫通孔の中心が可能範囲の内側に設けられている場合、設置可否判定部642は、候補貫通孔の外周部の位置に関わらず、候補貫通孔が可能範囲の内側に設けられているものと判定する(SB4のOK)。一方、例えば、水平方向において、候補貫通孔の中心が可能範囲の外側に設けられている場合、候補貫通孔の外周部の位置に関わらず、設置可否判定部642は、候補貫通孔が可能範囲の外側に設けられているものと判定する(SB4のNG)。また、垂直方向においては、設置可否判定部642は、候補貫通孔の中心の位置に関わらず、候補貫通孔の外周部に基づいて判定を行う。例えば、垂直方向において、候補貫通孔の外周部の全部が可能範囲の内側に設けられている場合、設置可否判定部642は、候補貫通孔の中心の位置に関わらず、候補貫通孔が可能範囲の内側に設けられているものと判定する(SB4のOK)。一方、例えば、垂直方向において、候補貫通孔の外周部の少なくとも一部が可能範囲の外側に設けられている場合、設置可否判定部642は、候補貫通孔が可能範囲の外側に設けられているものと判定する(SB4のNG)。これらの判定基準により、垂直方向においては、例えば、補強筋を設けるためのいわゆるかぶり厚さを確保することが可能となり、水平方向においては、例えば、補強方法における認定工法の認定に対応する基準に従って判定することが可能となる。尚、認定とは、例えば建築に関する技術・性能の第三者機関等による証明を示している。認定工法とは、例えば建築に関する技術・性能の第三者機関等による証明が既に行われた(済んでいる)工法を示している。そして、前述の第1可能範囲731、第2可能範囲732は夫々、互いに異なる認定工法に対応していることとしてもよい。
【0191】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定―部材の判定)
SB1において決定された判定対象パターンが第3可能範囲733以外の第1可能範囲731、第2可能範囲732である場合、SB4の判定の後、設置可否判定部642は、SB4において可能範囲の内側に設けられているものと判定された候補貫通孔がある場合(SB4のOK)、貫通する部材の判定を行う(SB5)。一方、SB1において決定された判定対象パターンが第3可能範囲733である場合、設置可否判定部642は、SB4の判定の後、SB5の判定を行わない。そして、SB5の判定を行わない場合において、設置可否判定部642は、梁73の補強を行わずに、SB4においてOKとされた候補貫通孔に対応する貫通孔を設けることが可能であるものと判定する。
【0192】
SB5において、貫通する部材の判定に用いられる部材基準情報は、条件情報DB632(
図10)に格納されている配置条件に含まれている。部材基準情報には、構造材料基準情報と、基準内法スパン比情報とが含まれている。構造材料基準情報は、SB5の判定に用いられる基準としての、第1可能範囲731、第2可能範囲732夫々に対応するコンクリート基準強度範囲と、鉄筋基準強度範囲と、鉄筋基準径範囲とを示している。この設定は、例えば、各可能範囲に対応する補強方法における前述の認定に従って行われることとしてもよい。基準内法スパン比情報は、SB5の判定に用いられる基準としての、基準内法スパン比を示している。尚、「内法スパン比」は、「梁成に対する梁のスパン長の割合」に対応している。また、例えば、第2可能範囲732に対応する基準内法スパン比は、例えば「4」と設定されている。この設定も、例えば、各可能範囲に対応する補強方法における前述の認定に従って行われることとしてもよい。
【0193】
SB5の判定について具体的には、設置可否判定部642は、入力された管理対象箇所情報が示す梁73のコンクリート強度及び鉄筋強度を、位置情報DB631(
図10)に格納されている情報に基づいて特定する。また、設置可否判定部642は、入力された管理対象箇所情報が示す梁73の内法スパン比を、位置情報DB631(
図10)に格納されている情報に基づいて算出する。また、設置可否判定部642は、後述の第1〜第3の部材判定を行うために、条件情報DB632(
図10)に格納されている配置条件に含まれている部材基準情報から、SB1において決定された判定対象パターンに対応するコンクリート基準強度範囲、鉄筋基準強度範囲、及び鉄筋基準径範囲を特定する。この後、設置可否判定部642は、特定したコンクリート強度がSB1において決定された判定対象パターンに対応するコンクリート基準強度範囲内であるか(YES)否か(NO)についての判定(「第1の部材判定」とも称する)と、特定した鉄筋強度がSB1において決定された判定対象パターンに対応する鉄筋強度範囲内であるか(YES)否か(NO)についての判定(「第2の部材判定」とも称する)と、算出した内法スパン比がSB1において決定された判定対象パターンに対応する基準内法スパン比以上であるか(YES)否か(NO)についての判定(「第3の部材判定」とも称する)と、を行う。
【0194】
SB5の判定において第1〜第3の部材判定が全て「YES」であるものと設置可否判定部642が判定した場合、設置可否判定部642は、SB4においてOKとされた候補貫通孔に対応する貫通孔を設けることが可能であるものと判定する(SB5のOK)。この場合(SB5がOKの場合)において、SB1において決定された判定対象パターンに対応する可能範囲が第1可能範囲731である場合、設置可否判定部642は、第1種類の補強方法で補強を行うことを前提条件として、SB4においてOKとされた候補貫通孔に対応する貫通孔を設けることが可能であるものと判定する。また、この場合(SB5がOKの場合)において、SB1において決定された判定対象パターンに対応する可能範囲が第2可能範囲732である場合、設置可否判定部642は、第2種類の補強方法で補強を行うことを前提条件として、SB4においてOKとされた候補貫通孔に対応する貫通孔を設けることが可能であるものと判定する。一方、SB5の判定において第1〜第3の部材判定のうちの少なくとも1つの判定において「NO」であるものと設置可否判定部642が判定した場合、設置可否判定部642は、SB4においてOKとされた候補貫通孔に対応する貫通孔を設けることが不可能であるものと判定する(SB5のNG)。
【0195】
SB5の判定において「OK」であると設置可否判定部642が判定した場合において、候補貫通孔(
図14の場合、貫通孔オブジェクトh1〜h6)に対応する貫通孔を設けることが全て可能であると設置可否判定部642が判定した場合、設置可否判定部642は、SA2(
図11)の処理を終了する。一方、SB2〜SB5(
図12)の判定のうちの少なくとも1つが「NG」であると設置可否判定部642が判定した場合、設置可否判定部642は、設置範囲情報生成部641によって生成された可能範囲情報に含まれる可能範囲(パターン)全てについて処理が完了したか否かの判定を行う(SB6)。可能範囲情報に含まれる可能範囲の全てについて設置可否判定部642がSB2〜SB5の処理を完了したものと判定した場合(SB6のYES)、設置可否判定部642は、SA2(
図11)の処理を終了する。一方、可能範囲情報に含まれる可能範囲の全てについて設置可否判定部642がSB2〜SB5の処理を完了していないものと判定した場合(SB6のNO)、設置可否判定部642は、SB1の処理を再度行った後、SB2〜SB6の再処理を適宜行う。尚、SB1〜SB6の再処理は、入力された判定対象候補情報に含まれている判定対象パターンの候補としての可能範囲(第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733)の全てについての処理が完了するまで、設置可否判定部642が行う。つまり、判定対象候補情報において第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733が判定対象パターン(つまり、「判定対象」)の候補として含まれている場合、設置可否判定部642は、第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733の全てについて、判定対象パターンとしてSB1〜SB6の処理が行われるまで、前述の再処理を行う。また、再度行われるSB1においては、既に判定対象パターンとして決定された可能範囲とは異なる可能範囲を、設置可否判定部642が判定対象パターンとして決定する。また、再度行われるSB2〜SB5においては、設置可否判定部642は、SB5において設けることが可能であるものと既に判定された候補貫通孔については、SB2〜SB5の処理を行わないものとする。そして、入力された判定対象候補情報が示している可能範囲の全てについての処理が完了するまでに設けることが可能であると判定されなかった候補貫通孔については、当該候補貫通孔に対応する貫通孔を設けることが不可能であるものと、設置可否判定部642が判定する。
【0196】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定―
図14の場合の例―全体の処理)
図14の場合においては、設置可否判定部642は、SB1〜SB6の処理を3回行った後、当該処理を終了する。設置可否判定部642は、前述したように第3可能範囲733についての処理が最優先となるように、判定対象パターンとしての第3可能範囲733についてのSB1〜SB6の処理(「第1判定処理」とも称する)を行った後、例えば判定対象パターンとしての第1可能範囲731についてのSB1〜SB6の処理(「第2判定処理」とも称する)、判定対象パターンとしての第2可能範囲732についてのSB1〜SB6の処理(「第3判定処理」とも称する)を順次行った後、処理を終了する。
【0197】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定―
図14の場合の例―第1判定処理)
まず、設置可否判定部642は、第1判定処理のSB1(
図12)において第3可能範囲733を判定対象パターンと決定する。第1判定処理のSB2において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh1、h4〜h6を「OK」と判定し、貫通孔オブジェクトh2、h3を「NG」と判定する。第1判定処理のSB3において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh1を「OK」と判定し、貫通孔オブジェクトh4〜h6を「NG」と判定する。尚、貫通孔オブジェクトh2、h3は、SB2において「NG」と判定されたために、第1判定処理のSB2の後の判定は行われないことになっている。第1判定処理のSB4において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh1を「OK」と判定する。尚、貫通孔オブジェクトh4〜h6は、SB3において「NG」と判定されたために、第1判定処理のSB3の後の判定は行われないことになっている。第1判定処理のSB5において、設置可否判定部642は、例えば「OK」と判定する。この場合、設置可否判定部642は、梁73の補強を行わずに、貫通孔オブジェクトh1に対応する貫通孔を梁73に設けることが可能であるものと判定する。そして、第1〜第3判定処理のうちの第2及び第3判定処理が未だ行われていないので、第1判定処理のSB6において、設置可否判定部642は、可能範囲全てについて処理が完了していないものと判定する(SB6のNO)。
【0198】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定―
図14の場合の例―第2判定処理)
次に、設置可否判定部642は、第2判定処理のSB1(
図12)において第1可能範囲731を判定対象パターンと決定する。第2判定処理のSB2において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh4〜h6を「OK」と判定し、貫通孔オブジェクトh2、h3を「NG」と判定する。尚、貫通孔オブジェクトh1は、第1判定処理において貫通孔を設けることが可能であるものと判定されたので、第2及び第3判定処理の判定は行われないことになっている。第2判定処理のSB3において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh4〜h6を「OK」と判定する。尚、貫通孔オブジェクトh2、h3は、SB2において「NG」と判定されたために、第2判定処理のSB2の後の判定は行われないことになっている。第2判定処理のSB4において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh4を「OK」と判定し、貫通孔オブジェクトh5、h6を「NG」と判定する。第2判定処理のSB5において、設置可否判定部642は、例えば、貫通孔オブジェクトh4を「OK」と判定する。この場合、設置可否判定部642は、第1種類の補強方法で補強を行うことを前提条件として、貫通孔オブジェクトh4に対応する貫通孔を梁73に設けることが可能であるものと判定する。そして、第1〜第3判定処理のうちの第3判定処理が未だ行われていないので、第2判定処理のSB6において、設置可否判定部642は、可能範囲全てについて処理が完了していないものと判定する(SB6のNO)。
【0199】
(処理―判定結果情報の表示等―各種判定―
図14の場合の例―第3判定処理)
そして、設置可否判定部642は、第3判定処理のSB1(
図12)において第2可能範囲732を判定対象パターンと決定する。第3判定処理のSB2において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh5、h6を「OK」と判定し、貫通孔オブジェクトh2、h3を「NG」と判定する。尚、貫通孔オブジェクトh4は、第2判定処理において貫通孔を設けることが可能であるものと判定されているので、第3判定処理の判定は行われないことになっている。第3判定処理のSB3において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh5、h6を「OK」と判定する。尚、貫通孔オブジェクトh2、h3は、SB2において「NG」と判定されたために、第3判定処理のSB2の後の判定は行われないことになっている。第3判定処理のSB4において、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh6を「OK」と判定し、貫通孔オブジェクトh5を「NG」と判定する。第3判定処理のSB5において、設置可否判定部642は、例えば、貫通孔オブジェクトh6を「OK」と判定する。この場合、設置可否判定部642は、第2種類の補強方法で補強を行うことを前提条件として、貫通孔オブジェクトh6に対応する貫通孔を設けることが可能であるものと判定する。そして、第1〜第3判定処理の全てが行われたので、第3判定処理のSB6において、設置可否判定部642は、可能範囲全てについて処理が完了したものと判定し(SB6のYES)、SB1〜SB6の処理を終了する。尚、可能範囲全てについて処理が完了したものと設置可否判定部642が判定した場合(SB6のYES)、設置可否判定部642は、第1〜第3判定処理において貫通孔を設けることが可能であると判定されなかった貫通孔オブジェクトh2、h3、h5については、これらのオブジェクトに対応する貫通孔を設けることが不可能であるものと判定した後、SB1〜SB6の処理を終了することとする。
【0200】
貫通孔を設けることが可能であるか否か等の判定動作(
図11のSA2、
図12のSB1〜SB6)を終了した後、設置可否判定部642は、SA2の判定結果に基づいて、所定の規則に従って、貫通孔オブジェクト(例えば
図14の「貫通孔オブジェクトh1〜h6」)を生成する。そして、設置可否判定部642は、生成した貫通孔オブジェクトが含まれる判定結果情報792(
図14)を管理情報として生成し、表示部15に表示する(SA3)。
【0201】
ここで、貫通孔オブジェクトは、梁73に設けられる貫通孔の形状及び位置を示す情報、設けることが可能であると判定されたか否かを示す情報、貫通孔と共に設けられるべき補強の要否及び補強方法の種類を示す情報を有している。具体的には、貫通孔オブジェクト自体の形状及び位置(これらを「貫通孔オブジェクトの第1構成」とも称する)が、梁73に設けられる貫通孔の形状及び位置(例えば貫通孔における部材端部から距離や、貫通孔における基準高さからの距離など)を示している。また、貫通孔オブジェクトの表示色(これを「貫通孔オブジェクトの第2構成」とも称する)が、設けることが可能であると判定されたか否かと、貫通孔と共に設けられるべき補強の要否及び補強方法の種類を示している。尚、例えば、貫通孔オブジェクトの第1及び第2構成と夫々の構成が示す情報とは、前述の所定の規則により定められていることとする。そして、この所定の規則は、入力部11を入力手段として情報管理装置6に入力されて、条件情報DB632に格納されていることとしてもよい。
【0202】
貫通孔オブジェクト自体の形状及び位置について、具体的には、梁73に設けられる貫通孔が貫通孔オブジェクト自体の形状に対応する形状を呈していることと、梁73に設けられる貫通孔が貫通孔オブジェクト自体の位置に対応する位置に設けられることとを示している。貫通孔オブジェクトの表示色について、具体的には、貫通孔オブジェクトの表示色が赤色となっていることは、設けることが可能であると判定されなかった(設けることが不可能であると判定された)こと示しており、貫通孔オブジェクトの表示色が赤色以外の例えば青色、黄色、白色となっていることは、設けることが可能であると判定されことを示している。更に、貫通孔オブジェクトの表示色が青色となっていることは、補強が必要であることと、必要であるとされている補強についての補強方法の種類が第1種類であることとを示している。貫通孔オブジェクトの表示色が黄色となっていることは、補強が必要であることと、必要であるとされている補強についての補強方法の種類が第2種類であることとを示している。貫通孔オブジェクトの表示色が白色となっていることは、補強が不要であることを示している。
【0203】
例えば
図14の場合、設置可否判定部642は、貫通孔オブジェクトh1、h2、h3、h4、h5、h6を夫々、白色、赤色、赤色、青色、赤色、黄色にて表示部15に表示する。この構成により、梁73に設けられる貫通孔の形状及び位置、設けることが可能であると判定されたか否か、貫通孔と共に設けられるべき補強の要否及び補強方法の種類をシンプルな表示により把握することが可能となるために、貫通孔に関する管理作業の作業効率を向上させることができる。具体的には
図14の場合、貫通孔オブジェクトh1に対応する貫通孔を補強なしで設けることが可能であること、貫通孔オブジェクトh2、h3、h5に対応する貫通孔を設けることが不可能であること、第1種類の補強方法で補強が行われることを前提として、貫通孔オブジェクトh3に対応する貫通孔を設けることが可能であること、第2種類の補強方法で補強が行われることを前提として、貫通孔オブジェクトh6に対応する貫通孔を設けることが可能であることを把握することができる。
【0204】
また、設置可否判定部642は、貫通孔を設けることが不可能であると判定した根拠を示すテキスト情報(例えば
図14の「180<225」に対応)も判定結果情報792(
図14)に含まれる情報として、表示部15に表示する。尚、この「180<225」は、貫通孔オブジェクトh2、h3同士が所定距離としての225(mm)以上離れるように設けられるべきであるにも関わらず、180(mm)しか離れていないことを示している。この構成により、設けることが不可能であると判定された根拠に基づいて、後述する移動情報を入力することができるために、貫通孔に関する管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0205】
SA3の処理の後、設置可否判定部642は、候補貫通孔の追加・変更の有無を判定する(SA4)。入力部11を入力手段として移動情報が入力された場合、設置可否判定部642は、候補貫通孔の追加・変更があるものと判定(SA4の有)し、入力される移動情報を反映させた上で、SA2、SA3の処理を再度行う。尚、移動情報は、貫通孔オブジェクトを移動させるための情報であり、例えば、表示部15に表示されるカーソルを用いて指定される、貫通孔オブジェクトの移動先の位置を示す情報、現時点の貫通孔オブジェクトの位置からの貫通孔オブジェクトの移動方向及び移動距離を示す情報、予め定められている基準位置からの貫通孔オブジェクトの移動方向及び移動距離を示す情報等を含んでいる。
【0206】
SA4の処理が「有」の場合、具体的には、設置可否判定部642は、SA2の判定を再度行った上で、移動前の貫通孔オブジェクト(
図15の「貫通孔オブジェクトh2、h3、h5」に対応)と、移動情報に応じた情報(
図15の「100」、「150」、「125」に対応)と、移動情報に基づいて移動した移動後の貫通孔オブジェクト(
図15の「貫通孔オブジェクトh21、h51」に対応)と、が含まれる再判定情報793を生成する。尚、
図15では、貫通孔オブジェクトh21、h51は夫々、貫通孔オブジェクトh2、h5の移動後のものに対応している。また、
図15では、「100」、「150」はY軸方向における貫通孔オブジェクトの移動距離に対応しており、「125」はZ軸方向における貫通孔オブジェクトの移動距離に対応している。再判定情報793において、移動前後の貫通孔オブジェクト及び移動情報に応じた情報が含まれているために、貫通孔オブジェクトの移動履歴を管理することできるために、例えば、重複した移動情報が入力されるのを防止することができるので、貫通孔に関する管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0207】
再判定情報793を生成した後、設置可否判定部642は、再判定情報793を表示部15に表示する(SA3)。尚、設置可否判定部642は、移動情報が入力されなくなるまで、入力された移動情報を適宜反映させて、SA2、SA3の処理を繰り返し行う。尚、設置可否判定部642は、SA3の処理が行われる場合に、移動情報が入力される毎に再判定情報793を当該移動情報に基づいて更新して、更新した再判定情報793を表示部15に表示する。この場合、設置可否判定部642は、例えば、表示部15に表示される再判定情報793において判定結果情報792のテキスト情報(
図14の「180<225」に対応)が含まれないように処理することとする。つまり、SA2、SA3の再処理が行われる場合、テキスト情報(
図14の「180<225」に対応)は非表示となる。尚、再判定情報793(
図15)には、貫通孔オブジェクトh1、h4、h6を示す情報も含まれているものとするが、説明の便宜上、
図15において貫通孔オブジェクトh1、h4、h6の表示が省略されている。
【0208】
(処理―モデル化情報の表示等)
SA3の後、入力部11を入力手段として移動情報が入力されなくなった場合、設置可否判定部642は、SA4において候補貫通孔の追加・変更がないものと(SA4の無)判定する。SA4の処理が「無」の場合、モデル化情報生成部643は、設置可否判定部642が生成した判定結果情報792、及び再判定情報793等に基づいて、モデル化情報794(
図16)を管理情報として生成し、表示部15に表示する(
図11のSA5)。
【0209】
具体的には、モデル化情報生成部643は、判定結果情報792、又は再判定情報793に含まれている貫通孔オブジェクトの形状及び位置、表示色に基づいて、梁73に設けられる貫通孔、補強の要否、及び補強方法の種類を特定する。モデル化情報生成部643は、この特定結果に基づいて、貫通孔情報(
図16の「貫通孔h11〜h16」に対応)、補強筋情報(
図16の「補強筋84〜86」に対応)、及びあばら筋情報(
図16の「あばら筋801等」に対応)をモデル化情報794に含まれる情報として生成する。尚、
図16の貫通孔h11、h12、h13、h14、h15、h16は夫々、貫通孔オブジェクトh1、h21、h3、h4、h51、h6に対応している。また、補強筋84、85は、第1種類の補強方法に対応しており、補強筋86は、第2種類の補強方法に対応している。
【0210】
あばら筋については、モデル化情報生成部643は、特定した貫通孔の形状及び位置と、位置情報DB631に格納されている位置情報とに基づいて、貫通孔が設けられない場合のあばら筋の位置(
図16の「あばら筋801〜806」の位置)と、設けられる貫通孔の位置(
図16の例えば「貫通孔h14」の位置)とを特定する。次に、モデル化情報生成部643は、貫通孔の位置に重なっているあばら筋(
図16の「あばら筋804、805」に対応)を特定する。次に、モデル化情報生成部643は、貫通孔の形状及び位置に基づいて条件情報DB632に格納されている条件情報を参照して、梁73の強度を確保する観点から、前述の貫通孔を設けることにより追加することが必要となるあばら筋(このあばら筋を「追加あばら筋」とも称する)の枚数(
図16の場合2枚)を決定する。次に、モデル化情報生成部643は、貫通孔の位置に重なっているあばら筋及び追加あばら筋が貫通孔を避けた位置に配置された状態を示すあばら筋情報を、生成する。尚、
図16の場合、例えば、あばら筋811、814が追加あばら筋に対応しており、あばら筋812、813があばら筋804、805に対応している。
【0211】
(処理―加工図情報の処理等)
加工図情報生成部644は、モデル化情報生成部643が生成したモデル化情報794等に基づいて、加工図情報9(
図17)を管理情報として生成し、表示部15に表示する(SA6)。
【0212】
加工図情報9は、梁における鉄筋に関する情報である。加工図情報9は、例えば、部材情報91、寸法図情報92、及び主筋情報93を含んでいる。加工図情報9における部材情報91の項目「あばら筋」における項目「形状」に対応する情報、寸法図情報92の貫通孔情報921、貫通孔位置情報922、及び貫通孔マーク923(これらの情報を「貫通孔に関する情報」とも称する」)以外の情報は、加工図情報5(
図9)と同様である。
【0213】
加工図情報9における部材情報91の項目「あばら筋」における項目「形状」に対応している情報には、あばら筋の形状、寸法、及び枚数(個数)を示す情報が含まれている。具体的には、この情報には、梁に対して貫通孔が設ける場合のあばら筋の必要な枚数(
図17の「LD13−2550×46(3)」のうちの「46」に対応)と、梁に対して貫通孔を設けることにより追加が必要となるあばら筋の枚数(
図17の「LD13−2550×46(3)」のうちの「(3)」に対応)を示す情報が含まれている。例えば、
図17の「LD13−2550×46(3)」の場合、梁73に対して貫通孔を設けない場合に必要なあばら筋の枚数が43枚であることと、梁73に対して貫通孔を設けることにより、貫通孔を設けない場合に対して追加が必要となるあばら筋の枚数が3枚であることと、梁73に対して貫通孔を設ける場合のあばら筋の必要な枚数が46枚であることとが示されている。
【0214】
寸法図情報92の貫通孔情報921は、貫通孔に対応する工法(
図17の貫通孔情報921の「Z−M工法」に対応)、梁に設けられる貫通孔の径(
図17の貫通孔情報921の「φ150」に対応)、貫通孔の高さ位置(
図17の貫通孔情報921の「B1FL―450」に対応)、貫通孔と共に設けることが必要となる補強筋の種類及び枚数(
図17の貫通孔情報921の「I―2R―2 ST:1組×2、コ型補強6−LD12×2」に対応)等を示す情報が含まれている。尚、この貫通孔情報921は、貫通孔マーク923に対応する貫通孔に関する情報である。また、加工図情報9には、梁に設けられる全ての貫通孔に対応する貫通孔情報が含まれているが、貫通孔情報921以外の貫通孔情報については、説明の便宜上、
図17において表示が省略されている。又、寸法図情報92の貫通孔位置情報922は、梁に設けられ貫通孔の水平方向の位置寸法を示す情報である。尚、貫通孔位置情報922には、各貫通孔に対応する水平方向の位置寸法(例えば貫通孔間の距離、貫通孔と部材端部との距離等)が含まれているが貫通孔マーク923に対応する貫通孔と柱面との間の距離以外の貫通孔位置情報については、説明の便宜上、
図17において表示が省略されている。また、貫通孔マーク923は、梁に設けられる貫通孔の水平方向の位置を示す情報であり、寸法図情報92における梁の伏図に付される。尚、貫通孔マーク923は、モデル化情報794における貫通孔h16に対応する貫通孔を示している。
【0215】
例えば、これらの情報は、
図17の場合、梁73(
図15)に対応する梁における、柱72(
図15)に対応する柱面からの水平方向の距離が550(mm)であり且つ高さ位置がB1階を基準として、450(mm)下がった位置に、150(mm)径の貫通孔が設けられることを示している。更に、これらの情報は、
図17の場合、この貫通孔を設ける場合の工法が「Z−M工法」であることと、「I―2R―2」に対応する補強筋と、「ST」に対応する補強筋と「コ型補強6−LD13」に対応する補強筋とが夫々2本ずつ設けられることが示されている。
【0216】
加工図情報生成部644は、モデル化情報生成部643が生成したモデル化情報794等に基づいて、貫通孔に関する情報を特定し、特定した情報に基づいて加工図情報9を生成する。尚、貫通孔に関する情報以外の情報については、モデル化情報生成部643は、第4管理情報生成部144(実施の形態1)と同様にして生成することとしてもよい。
【0217】
(実施の形態の効果)
このように本実施形態によれば、位置情報DB631に格納されている位置情報であって、コンクリート部材に設ける貫通孔の位置を特定する位置情報と、貫通孔の配置条件を特定する条件情報とに基づいて、設置可能範囲情報791、設置不可能範囲情報、判定結果情報792、再判定情報793、モデル化情報794、及び加工図情報9が管理情報として生成されるので、これらの情報に基づいて貫通孔の位置及び配置条件を特定することが可能となるため、貫通孔についての管理作業の作業効率を向上させることできる。
【0218】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0219】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。例えば、従来の装置よりも管理作業の作業効率を向上できない場合であっても、本願発明の手段が従来の装置の手段と異なっている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0220】
(第1管理情報生成部における未決情報の生成について)
実施の形態1においては、鉄筋の納まり判定の結果に基づいて、第1管理情報生成部141が各未決情報を生成することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入力部11を入力手段として入力される未決設定情報に基づいて、第1管理情報生成部141が、各未決情報を生成することとしてもよい。尚、未決設定情報は、予め定められている未決情報であることとする。この場合、第1管理情報生成部141は、鉄筋の納まり判定の結果に関わらず、入力された未決設定情報に基づいて第1管理情報(
図3、
図4)を生成する。このように構成した場合、入力される未決設定情報をリセット信号として利用することができる。具体的には、任意のタイミングで未決設定情報を入力することにより、第1管理情報における各未決情報を未決設定情報に基づく各未決情報に戻すことができる。従って、任意のタイミングで各未決情報をリセットすることができるため、鉄筋の繋ぎ込み作業のやり直しを簡単に行うことができるので、管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0221】
また、例えば、入力部11を入力手段として入力される未決指定情報に基づいて、第1管理情報生成部141が、各未決情報を生成することとしてもよい。尚、未決指定情報は、未決であることとする鉄筋を指定する情報である。この未決指定情報については、第1管理情報と共に表示部15に表示されるカーソル(不図示)を用いていて鉄筋を指定することにより、指定された鉄筋を示す未決指定情報が入力されることとしてもよい。この場合、第1管理情報生成部141は、鉄筋の納まり判定の結果に関わらず、入力された未決指定情報に基づいて第1管理情報(
図3、
図4)を生成する。このように構成した場合、未決指定情報を利用したマニュアル操作で、鉄筋を未決とすることができる。従って、鉄筋が密集しており鉄筋の繋ぎ込み作業を行い難い位置の鉄筋を未決とすることにより、鉄筋が密集している位置の表示をシンプルにすることができるので、管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0222】
(レベルについて)
また、
図2の位置情報における項目「レベル」に対応して格納される情報は、例えば、建築物のコンクリート部材としての梁の始端(一方の端部)及び終端(他方の端部)夫々のレベルを特定する情報であることとしてもよい。この場合、斜めに配置されており、始端及び終端のレベルが異なる梁を特定することが可能となる。更に、この場合、第1管理情報生成部141は、第1仕口部情報20(
図3)における各梁の始端及び終端夫々のレベルを示す第1レベル情報、第2仕口部情報21における各梁の始端及びび終端夫々のレベルを示す第2レベル情報を生成することが可能となる。従って、各梁が斜めに設けられていること、各梁の傾き度合い等を把握する可能となる。
【0223】
(第2管理情報生成部における処理について)
実施の形態1においては、梁における主筋についての第2管理情報を、第2管理情報生成部142が生成することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2管理情報生成部142が柱における主筋についての第2管理情報を生成することとしてもよい。この場合、例えば、第2管理情報生成部142は、柱の主筋に関する移動情報に基づいて柱の主筋を移動させたりして、第2管理情報を生成する。このように構成した場合、柱の主筋についての繋ぎ込み作業が容易となるために、管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0224】
(第4管理情報生成部における加工図情報の生成について)
実施の形態1においては、長さ及び径の大きさの双方が同じ主筋が取りまとめられた状態となるように、第4管理情報生成部144が、加工図情報5(
図9)の主筋情報53を生成することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1管理情報生成部144が、入力部11を入力手段として入力される状態指定情報に基づいて、
主筋の表示状態を定めることとしてもよい。尚、状態指定情報は、長さ及び径の大きさの双方が同じ場合に主筋を取りまとめられた状態とするか、長さ及び径の大きさに関わらず、主筋を1本ずつばらされた(展開された)状態とするかを選択するための情報である。取りまとめられた状態とすることを示す状態指定情報が入力された場合、第4管理情報生成部144は、長さ及び径の大きさの双方が同じ主筋が取りまとめられた状態となるように、加工図情報5を生成する。一方、展開された状態とすることを示す状態指定情報が入力された場合、第4管理情報成生成部144は、長さ及び径の大きさに関わらず、主筋が展開された状態となるように、加工図情報5を生成する。このように構成した場合、主筋情報53における主筋を取りまとめられた状態、及び展開された状態において確認することが可能となる。従って、例えば、主筋を展開された状態とすることにより、隣接する主筋における圧接位置の位置関係を容易に確認することが可能となるため、管理作業の作業効率を向上させることができる。また、例えば、主筋を取りまとめられた状態とすることにより、表示部15の表示をシンプルにして、加工図情報5の情報を容易に確認することが可能となるために、管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0225】
また、第4管理情報生成部144が、鉄筋の立面図を示す立面図情報を主筋情報53に含まれる情報として生成することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第4管理情報生成部144が、鉄筋の平面図を示す平面図情報を主筋情報53に含まれる情報として生成することとしてもよい。また、入力部11を入力手段として入力される選択情報に基づいて、第4管理情報生成部144が、立面図情報及び平面図情報のうちの一方を選択的に生成することとしてもよいし、立面図情報及び平面図情報の双方を生成することとしてもよい。このように構成した場合、例えば、使いなれている情報を利用して管理作業を行うことができるため、管理作業の作業効率を向上させることができる。尚、実施の形態2の加工図情報生成部644の構成も、第4管理情報生成部144の変形例の構成と同様な構成としてもよい。
【0226】
(各管理情報の表示について)
実施の形態1や実施の形態2においては、情報管理装置1、6が、生成した管理情報を表示部15に表示することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報管理装置1、6が、通信部12を通信手段として、情報管理装置1、6から離れた場所に設けられている他の装置に対して、生成した管理情報を送信(出力)したり、プリンタに対して生成した管理情報を送信したりすることとしてもよい。このように構成された場合、管理情報を他の装置で利用したり、管理情報を紙面に印字して利用したりすることができるため、鉄筋関連要素についての管理作業の作業効率を向上させることができる。
【0227】
(設置可否判定部による判定について)
実施の形態2においては、例えば、
図12のSB2〜SB5の判定に加えて、設置可否判定部642が、候補貫通孔と梁の主筋との距離に関する判定(「主筋に関する判定」とも称する)を行うこととしてもよい。具体的には、設置可否判定部642は、例えば、SB4の判定とSB5の判定との間において、候補貫通孔と梁の主筋との距離が所定距離以上離れているか否かの判定を主筋に関する判定として行う。そして、例えば、候補貫通孔と梁の主筋との距離が所定距離以上離れていると判定した場合(主筋に関する判定ステップのOK)、設置可否判定部642は、SB5の処理を行う。一方、例えば、候補貫通孔と梁の主筋との距離が所定距離以上離れていないと判定した場合(主筋に関する判定ステップのNG)、設置可否判定部642は、
図12のフローに従って前述したように適宜処理を行う。このように構成された場合、候補貫通孔と梁の主筋との位置関係に基づいて、貫通孔に関する管理作業を行うことが可能となる。尚、「主筋に関する判定ステップのOK」に関する処理、「主筋に関する判定ステップのNG」に関する処理は夫々、例えば
図12の「SB4のOK」に関する処理、「SB4のNG」に関する処理と同様であることとする。また、
図12のSB2〜SB5の判定、上述の「主筋に関する判定」のうちの任意の判定を設置可否判定部642が選択し、選択した判定について設置可否判定部642が任意の順序で処理を行うこととしてもよい。
【0228】
また、実施の形態2においては、モデル化情報生成部643によって作成されたたモデル化情報794(
図16)について、設置可否判定部642が、補強筋に関する判定を行うこととしてもよい。補強筋に関する判定とは、モデル化情報794における補強筋(例えば
図16の補強筋84〜86)が適切な位置に配置されているか否かについての判定である。補強筋に関する判定について具体的には、設置可否判定部642は、補強筋の躯体(例えば
図16の梁73)に対するかぶりが取れているかの判定(「補強筋の第1判定」とも称する)、補強筋が梁73に取り合う部材、例えば直交する小梁の主筋と干渉しているか否かの判定(「補強筋の第2判定」とも称する)、補強筋が基礎と干渉しているか否かの判定(「補強筋の第3判定」とも称する)を行って、補強筋の第1〜第3判定の判定結果に基づいて、補強筋が適切な位置に配置されているか否かを判定する。
更に具体的には、補強筋の第1判定においては、例えば、梁73の表面から補強筋までの距離が所定距離よりも長い場合、設置可否判定部642は、補強筋の躯体に対するかぶりが取れていると判定する。一方、例えば、梁73の表面から補強筋までの距離が所定距離よりも短い場合、設置可否判定部642は、補強筋の躯体に対するかぶりが取れていないと判定する。補強筋の第2判定においては、例えば、補強筋の位置と梁73に取り合う部材、例えば直交する小梁の主筋の位置との少なくとも一部が重複している場合、設置可否判定部642は、補強筋が梁73の主筋と干渉していると判定する。一方、例えば、補強筋の位置と梁73に取り合う部材、例えば直交する小梁の主筋の位置とが離れている場合、設置可否判定部642は、補強筋が梁73に取り合う部材、例えば直交する小梁の主筋と干渉していないと判定する。補強筋の第3判定においては、例えば、補強筋の位置と基礎の位置との少なくとも一部が重複している場合、設置可否判定部642は、補強筋が基礎と干渉していると判定する。一方、例えば、補強筋の位置と基礎の位置とが離れている場合、設置可否判定部642は、補強筋が基礎と干渉していないと判定する。
【0229】
補強筋の第1判定に関して補強筋の躯体に対するかぶりが取れていると判定され、且つ、補強筋の第2判定に関して補強筋が梁73の主筋と干渉していないと判定され、且つ、補強筋の第3判定に関して補強筋が基礎と干渉していないと判定された場合、設置可否判定部642は、補強筋が適切な位置に配置されているものと判定する。一方、これ以外の場合、設置可否判定部642は、補強筋が適切な位置に配置されていないものと判定する。そして、適切な位置に配置されていないものと判定された補強筋を報知するべく、モデル化情報生成部643は、適切な位置に配置されていないものと判定された補強筋を強調表示したり、当該補強筋を示す情報を出力したりすることとしてもよい。
【0230】
また、実施の形態2においては、設置可否判定部642が、第1〜第3判定処理のうちの第1判定処理を行った後、第2判定処理、第3判定処理を順次行うことについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、設置可否判定部642が、第1〜第3判定処理のうちの第1判定処理を行った後、第3判定処理、第2判定処理を順次行うこととしてもよい。つまり、第3判定処理、第2判定処理の処理順序を入れ替えてもよい。この処理順序の入れ替えは、第1可能範囲731及び第2可能範囲732(
図14)が互いに排他的な位置に設けられていることに基づいて可能となるものである。また、設置可否判定部642が、第1〜第3判定処理のうちの「所定の判定処理」のみの処理を行うこととしてもよい。この場合、例えば、「所定の判定処理」は、入力部11を介して入力される情報に基づいて、設置可否判定部642によって選択されることとしてもよい。つまり、設置可否判定部642が、入力部11を介して入力される情報に基づいて、第1〜第3判定処理のうちの何れかを「所定の判定処理」として選択し、当該選択した「所定の判定処理」についての処理を行うこととしてもよい。そして、この場合において、設置可否判定部642が第1判定処理以外の例えば第2及び第3判定処理を「所定の判定処理」として選択した場合、設置可否判定部642は、第1判定処理を行わずに、第2及び第3判定処理を行うことになる。
【0231】
また、実施の形態2においては、設置可否判定部642が、
図12のSB5において第1〜第3の部材判定の判定結果に基づいて判定を行うことについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、SB5における前述の処理を以下に示す処理に置き換えてもよい。例えば、第1〜第3の部材判定のうちの1つの部材判定を設置可否判定部642が選択し、選択した部材判定を設置可否判定部642が行うこととしてもよい。この場合、選択した部材判定が「YES」であると設置可否判定部642が判定した場合、設置可否判定部642は、SB5において「OK」であると判定する(
図12のSB5のOK)。一方、選択した部材判定が「NO」であると設置可否判定部642が判定した場合、設置可否判定部642は、SB4においてOKとされた候補貫通孔に対応する貫通孔を設けることが不可能であるもと判定する(
図12のSB5のNG)。また、例えば、第1〜第3の部材判定のうちの2つの部材判定を設置可否判定部642が選択し、選択した部材判定を設置可否判定部642が行うこととしてもよい。この場合、選択した2つの部材判定が「YES」であると設置可否判定部642が判定した場合、設置可否判定部642は、SB5において「OK」であると判定する(
図12のSB5のOK)。一方、選択した2つの部材判定において少なくとも一方の部材判定が「NO」であると設置可否判定部642が判定した場合、設置可否判定部642は、SB4においてOKとされた候補貫通孔に対応する貫通孔を設けることが不可能であるものと判定する(
図12のSB5のNG)。また、例えば、設置可否判定部642が、特定した鉄筋の径がSB1において決定された判定対象パターンに対応する鉄筋基準径範囲内であるか(YES)否か(NO)についての判定を、SB5における前述の第1〜第3の部材判定の少なくとも1つの判定と共に、又は、第1〜第3の部材判定に置き換えて行うこととしてもよい。
【0232】
(基準径について)
実施の形態2においては、第1基準径が第2基準径よりも大きくなるように、第1及び第2基準径が設定されていることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1基準径が第2基準径よりも小さくなるように、第1及び第2基準径が設定されていることとしてもよいし、第1及び第2基準径が互いに略同様な大きさとなるように、第1及び第2基準径が設定されていることとしてもよい。
【0233】
(第1及び第2種類の補強方法について)
実施の形態2においては、第1及び第2種類の補強方法は夫々、同種の補強筋を夫々異なる数だけ用いて補強する補強方法に対応していることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1及び第2種類の補強方法は夫々、異種の補強筋を異なる数だけ用いて補強する補強方法に対応していることとしてもよいし、異種の補強筋を同数だけ用いて補強する補強方法に対応していることとしてもよい。
【0234】
(可能範囲について)
実施の形態2においては、第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733に関して情報管理装置6が処理を行うことについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、判定対象候補情報に、第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733のうちの一部の可能範囲に対応する情報が含まれており、情報管理装置6が当該一部の可能範囲に関してのみ処理を行うこととしてもよい。また、例えば、判定対象候補情報に、第1可能範囲731、第2可能範囲732、第3可能範囲733夫々と同様な構成の他の可能範囲に対応する情報が含まれており、情報管理装置6が当該他の可能範囲に関しても処理を行うこととしてもよい。
【0235】
(分散や統合について)
また、上述した各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、情報管理装置1が、前述の他の装置としての設計支援装置の機能も有していることとしてもよい。
【0236】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0237】
(付記)
付記1のコンクリート部材の情報管理装置は、建築物における鉄筋関連要素を有するコンクリート部材の情報を管理するための装置であって、前記コンクリート部材の管理対象箇所における鉄筋関連要素の位置を特定する位置情報を格納する位置情報格納手段と、前記管理対象箇所における鉄筋関連要素の管理条件を特定する条件情報を格納する条件情報格納手段と、前記位置情報格納手段に格納された位置情報と、前記条件情報格納手段に格納された条件情報とに基づいて、前記管理対象箇所における鉄筋関連要素を管理するための管理情報を生成する管理情報生成手段と、前記管理情報生成手段にて生成された管理情報を出力する出力手段と、を備えている。
【0238】
また、付記2のコンクリート部材の情報管理装置は、付記1に記載のコンクリート部材の情報管理装置において、前記位置情報格納手段は、前記位置情報として、前記建築物の仕口部における鉄筋の位置を特定する位置情報を格納し、前記条件情報格納手段は、前記条件情報として、前記仕口部における鉄筋の納まりが確定しているか否かを判定するための条件を特定する条件情報を格納し、前記管理情報生成手段は、前記位置情報と前記条件情報とに基づいて、前記仕口部における鉄筋の納まりが確定しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、前記管理情報として、前記仕口部を含む図面情報を生成する。
【0239】
また、付記3のコンクリート部材の情報管理装置は、付記1又は2に記載のコンクリート部材の情報管理装置において、前記位置情報格納手段は、前記位置情報として、互に略平行に配置された複数の鉄筋の各々の位置を特定する位置情報を格納し、前記条件情報格納手段は、前記条件情報として、前記複数の鉄筋の相互間における配置条件を特定する条件情報を格納し、前記管理情報生成手段は、前記位置情報と前記条件情報とに基づいて、前記管理情報として、前記複数の鉄筋を含む図面情報を生成する。
【0240】
また、付記4のコンクリート部材の情報管理装置は、付記1から3のいずれか一項に記載のコンクリート部材の情報管理装置において、前記位置情報格納手段は、前記位置情報として、前記コンクリート部材に設ける貫通孔の位置を特定する位置情報を格納し、前記条件情報格納手段は、前記条件情報として、前記貫通孔の配置条件を特定する条件情報を格納し、前記管理情報生成手段は、前記位置情報と前記条件情報とに基づいて、前記管理情報として、前記貫通孔を含む図面情報を生成する。
【0241】
また、付記5の情報管理方法は、建築物のコンクリート部材の情報を管理するための方法であって、前記コンクリート部材の管理対象箇所における鉄筋関連要素の位置を特定する位置情報を格納する位置情報格納手段に格納された当該位置情報と、前記管理対象箇所における鉄筋関連要素の管理条件を特定する条件情報を格納する条件情報格納手段に格納された当該条件情報とに基づいて、前記管理対象箇所における鉄筋関連要素を管理するための管理情報を生成する管理情報生成ステップと、前記管理情報生成ステップにおいて生成された管理情報を出力する出力ステップと、を備えている。
【0242】
(付記の効果)
付記1に記載のコンクリート部材の情報管理装置によれば、鉄筋関連要素の位置を特定する位置情報と、鉄筋関連要素の管理条件を特定する条件情報とに基づいて、管理対象箇所における鉄筋関連要素を管理するための管理情報が生成されるので、例えば、人手を介在せずに管理情報を生成して、当該生成した管理情報を出力できるため、鉄筋関連要素についての管理作業の正確性及び作業効率を向上させることできる。
【0243】
また、付記2に記載のコンクリート部材の情報管理装置によれば、仕口部における鉄筋の納まりが確定しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、仕口部を含む図面情報が管理情報として生成されるので、例えば、人手を介在せずに仕口部に関する管理情報を生成して、当該生成した管理情報を出力できるため、仕口部における鉄筋についての管理作業の正確性及び作業効率を向上させることできる。
【0244】
また、付記3に記載のコンクリート部材の情報管理装置によれば、互に略平行に配置された複数の鉄筋の各々の位置を特定する位置情報と、複数の鉄筋の相互間における配置条件を特定する条件情報とに基づいて、複数の鉄筋を含む図面情報が管理情報として生成されるので、例えば、人手を介在せずに複数の鉄筋に関する管理情報を生成して、当該生成した管理情報を出力できるため、複数の鉄筋についての管理作業の正確性及び作業効率を向上させることできる。
【0245】
また、付記4に記載のコンクリート部材の情報管理装置によれば、コンクリート部材に設ける貫通孔の位置を特定する位置情報と、貫通孔の配置条件を特定する条件情報とに基づいて、貫通孔を含む図面情報が管理情報として生成されるので、例えば、人手を介在せずに貫通孔に関する管理情報を生成して、当該生成した管理情報を生成できるため、貫通孔についての管理作業の作業効率を向上させることできる。
【0246】
また、付記5に記載のコンクリート部材の情報管理方法によれば、鉄筋関連要素の位置を特定する位置情報と、鉄筋関連要素の管理条件を特定する条件情報とに基づいて、管理対象箇所における鉄筋関連要素を管理するための管理情報が生成されるので、例えば、鉄筋関連要素の位置及び管理条件の特定を確実且つ容易に行うことができるので、鉄筋関連要素についての管理作業の正確性及び作業効率を向上させることできる。