特許第6433764号(P6433764)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6433764
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】放射線測定装置および放射線測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 7/00 20060101AFI20181126BHJP
   G21C 17/00 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   G01T7/00 A
   G21C17/00 D
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-233701(P2014-233701)
(22)【出願日】2014年11月18日
(65)【公開番号】特開2016-99130(P2016-99130A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉原 圭
(72)【発明者】
【氏名】岡安 啓好
【審査官】 藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−035870(JP,A)
【文献】 特開2006−339467(JP,A)
【文献】 実開昭53−018494(JP,U)
【文献】 特公平03−078960(JP,B2)
【文献】 特開平08−292287(JP,A)
【文献】 特開2011−180061(JP,A)
【文献】 特開昭52−052091(JP,A)
【文献】 特開平09−115498(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0134320(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00−1/16
G01T 1/167−7/12
G21C 17/00−17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な検出器容器と、
前記検出器容器内に収容された放射線検出器と、
前記検出器容器を貫通して延びて前記放射線検出器に接続されて前記放射線検出器に電源を供給し信号を伝達するケーブルと、
前記検出器容器内に収容されていて、前記検出器容器内を加圧して前記検出器容器内の圧力を前記検出器容器外の圧力よりも高い状態を所定の期間維持できる加圧装置と、
前記検出器容器内の環境が前記放射線検出器の動作に影響を与える異常状態になったことを検出する環境異常検出器と、
を有し、
前記加圧装置は、前記環境異常検出器が前記検出器容器内の環境異常を検出したときに前記検出器容器内を加圧するように構成されていること、
を特徴とする放射線測定装置。
【請求項2】
前記加圧装置は、
大気圧よりも高圧の高圧ガスを封入可能な高圧タンクと、
前記高圧タンク内に封入された高圧ガスを前記高圧タンク外の前記検出器容器内に解放可能な開閉機構と、
を備えること、を特徴とする請求項1に記載の放射線測定装置。
【請求項3】
前記開閉機構は、電動弁と、前記電動弁を駆動する弁駆動機構とを含むこと、を特徴とする請求項2に記載の放射線測定装置。
【請求項4】
前記環境異常検出器は温度検出器であって、
前記加圧装置は前記温度検出器が前記検出器容器内の温度異常上昇を検出したときに前記検出器容器内を加圧するように構成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の放射線測定装置。
【請求項5】
前記環境異常検出器は圧力検出器であって、
前記加圧装置は前記圧力検出器が前記検出器容器内の圧力異常上昇を検出したときに前記検出器容器内をさらに加圧するように構成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の放射線測定装置。
【請求項6】
前記環境異常検出器は前記検出器容器内の放射線量異常上昇を検出する放射線量異常上昇検出器であって、
前記加圧装置は前記放射線量異常上昇検出器が前記検出器容器内の放射線量異常上昇を検出したときに前記検出器容器内を加圧するように構成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の放射線測定装置。
【請求項7】
前記放射線量異常上昇検出器は前記放射線検出器と兼用するものであること、を特徴とする請求項6に記載の放射線測定装置。
【請求項8】
前記開閉機構は、前記検出器容器内の温度異常上昇によって開く熱可塑性の弁を含むこと、を特徴とする請求項2に記載の放射線測定装置。
【請求項9】
開閉可能な検出器容器と、
前記検出器容器内に収容された放射線検出器と、
前記検出器容器を貫通して延びて前記放射線検出器に接続されて前記放射線検出器に電源を供給し信号を伝達するケーブルと、
前記検出器容器内の環境が前記放射線検出器の動作に影響を与える異常状態になったことを検出する環境異常検出器と、
を有する放射線測定装置を用いて、事故時に湿度が上昇する箇所での放射線量を測定する方法であって、
前記事故時に前記検出器容器内の環境が前記放射線検出器の動作に影響を与える異常状態になったことを前記環境異常検出器によって検出するステップと、
前記異常状態が検出されたときに前記検出器容器内の圧力を前記検出器容器外の圧力よりも高めるステップと、
前記検出器容器内の圧力を前記検出器容器外の圧力よりも高めた状態で前記放射線測定装置を用いて放射線量を測定するステップと、
を備えたことを特徴とする放射線測定方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、放射線量を測定するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線モニタ用検出器は、たとえば原子力発電所や核燃料取扱施設に設置され、各所の放射線レベルを測定する。ここで、たとえばイオンチェンバを用いる放射線検出器は、高い湿度の下では正常に動作しない。そのため、放射線検出器とケーブルとを接続するコネクタ部を覆うように保護缶を取り付けて、放射線検出器および保護缶の全体に熱収縮チューブを被せることにより湿分の浸入を防止する構造が知られている。
【0003】
しかし、原子力発電所の想定事故として、従来考えられていた設計基準事故としての冷却材喪失事故(LOCA)よりもさらに厳しい重大事故(シビアアクシデント)を想定すると、放射線モニタ用検出器が設置された環境がさらに厳しくなり、従来の方法では検出器の健全性の確保が困難になる可能性がある。
【0004】
なお、シビアアクシデント時にケーブル貫通部のシール性を高める技術として、たとえば貫通部分を高温高圧でも炭化しない部材で固め、ケーブルと貫通部分を一体構造とするものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−45488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
検出器を保護する目的で取り付けられる従来の保護缶は、従来のLOCA条件である、たとえば温度171℃、相対湿度100%、圧力1.7kPa[gage]で機能を維持するように設計されており、シビアアクシデント時の環境条件に現状のまま対応することは難しい。
【0007】
放射線モニタ用検出器の設置環境として、シビアアクシデント時には環境温度200℃以上、相対湿度100%、圧力4kPa[gage]の状態が10日間継続することが想定される。この条件下では保護缶のケーブル貫通部分や保護缶と検出器の隙間にリークパスが発生することで湿分がインリークし、コネクタで結露を発生させ検出器信号の乱れが発生することが予想される。そのため、さらなる検出器の耐湿性の向上が必要である。
【0008】
前述のような従来の貫通部シール技術を用いてコネクタ貫通部を完全に塞ぐことにより、検出器のシール性を向上させることは可能である。しかし、その場合、ケーブルと保護缶が一体構造となってしまい、取り外しが困難になる。検出器は定期的に校正する必要があるため、保護缶やコネクタは容易に着脱できることが望ましく、ケーブル貫通部やコネクタをモールドして気密性を高めることは保守性を低下させる要因になる。
【0009】
そこで本発明の実施形態は、放射線測定装置に要求される保守性を維持しつつ耐湿性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態に係る放射線測定装置は、開閉可能な検出器容器と、前記検出器容器内に収容された放射線検出器と、前記検出器容器を貫通して延びて前記放射線検出器に接続されて前記放射線検出器に電源を供給し信号を伝達するケーブルと、前記検出器容器内に収容されていて、前記検出器容器内を加圧して前記検出器容器内の圧力を前記検出器容器外の圧力よりも高い状態を所定の期間維持できる加圧装置と、前記検出器容器内の環境が前記放射線検出器の動作に影響を与える異常状態になったことを検出する環境異常検出器と、を有し、前記加圧装置は、前記環境異常検出器が前記検出器容器内の環境異常を検出したときに前記検出器容器内を加圧するように構成されていること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明の実施形態に係る放射線測定方法は、開閉可能な検出器容器と、前記検出器容器内に収容された放射線検出器と、前記検出器容器を貫通して延びて前記放射線検出器に接続されて前記放射線検出器に電源を供給し信号を伝達するケーブルと、前記検出器容器内の環境が前記放射線検出器の動作に影響を与える異常状態になったことを検出する環境異常検出器と、を有する放射線測定装置を用いて、事故時に湿度が上昇する箇所での放射線量を測定する方法であって、前記事故時に前記検出器容器内の環境が前記放射線検出器の動作に影響を与える異常状態になったことを前記環境異常検出器によって検出するステップと、前記異常状態が検出されたときに前記検出器容器内の圧力を前記検出器容器外の圧力よりも高めるステップと、前記検出器容器内の圧力を前記検出器容器外の圧力よりも高めた状態で前記放射線測定装置を用いて放射線量を測定するステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、放射線測定装置に要求される保守性を維持しつつ耐湿性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る放射線測定装置の模式的構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る放射線測定装置の開閉機構とその周辺の模式的構成図である。
図3】本発明の第4の実施形態に係る放射線測定装置の模式的構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る放射線測定装置の模式的構成図である。図2は本発明の第1の実施形態に係る放射線測定装置の開閉機構とその周辺の模式的構成図である。
【0016】
放射線測定装置11は、放射線検出器12と、コネクタ13と、ケーブル14と、加圧装置15と、環境異常検出器16と、検出器容器17と、を有する。
【0017】
放射線検出器12は、たとえばイオンチャンバを用いた放射線検出器である。コネクタ13は放射線検出器12とケーブル14とを着脱可能に接続するものである。
【0018】
検出器容器17は、放射線検出器12と、コネクタ13と、加圧装置15と、環境異常検出器16とを収容し、開閉可能である。
【0019】
ケーブル14は貫通部18で検出器容器17を貫通する。ケーブル14は、放射線検出器12に外部からの電源を供給し、また、外部との間で信号を伝達する。
【0020】
検出器容器17を閉じた状態で、貫通部18は、たとえば接着剤によりシールされ、貫通部18をシールした状態で、検出器容器17をほぼ密閉状態に保つことができる。検出器容器17の開閉のために、たとえば、図示しない複数のフランジを設けて、これらのフランジ同士をネジで締め付けることによりシールを行う。
【0021】
加圧装置15は、高圧タンク(ボンベ)20と、開閉機構21とを備えている。高圧タンク20には、少なくともシビアアクシデント時に予想される検出器容器17外側の最大圧力よりも高い圧力の不活性ガス(たとえば窒素ガス)があらかじめ封入されている。
【0022】
開閉機構21は、高圧タンク20に接続された電動弁22と、電動弁22を駆動する弁駆動機構23とを備えている。弁駆動機構23は、電動弁22を直接駆動する電動機24と、電動機24に電力を供給する電池25と、電動機24に供給する電力をオン・オフするスイッチ26とを備えている。スイッチ26は、通常時は開いていて、環境異常検出器16が検出器容器17内の環境の異常を検出したときに、閉じるように構成されている。
【0023】
電動弁22は、通常時は閉じている。環境異常検出器16が検出器容器17内の環境の異常を検出してスイッチ26が閉じると、電動機24が起動して電動弁22が開くように構成されている。
【0024】
環境異常検出器16は、シビアアクシデントなどにより検出器容器17内の環境が変化して、放射線検出器12が正常に動作しなくなる状況を検知するためのものであり、この第1の実施形態では、温度検出器である。温度検出器(環境異常検出器)16は、たとえばバイメタルであってもよい。
【0025】
以上説明した構成において、通常時には、前述のように、スイッチ26はオフになっていて、電動弁22は閉じている。シビアアクシデント時には、検出器容器17の周囲の温度が異常に上昇し、それに伴って検出器容器17内の温度も上昇する。この温度上昇を温度検出器(環境異常検出器)16が検出し、それによって、スイッチ26が自動的にオンになり、電動機24の動作により電動弁22が開く。これにより、高圧タンク20内の不活性ガスが電動弁22を通って検出器容器17内に流出し、検出器容器17内の圧力が高くなる。これにより、検出器容器17外の湿分が検出器容器17内に流入するのを防ぐことができ、湿分による放射線検出器12の誤動作や故障を防ぐことができる。
【0026】
また、放射線検出器12を校正する際は、検出器容器17を開き、放射線検出器12とコネクタ13とを切り離して、放射線検出器12を検出器容器17から取り出す。放射線検出器12の校正が終了した後に、放射線検出器12を検出器容器17内に収納し、放射線検出器12とコネクタ13とを接続する。その後に、検出器容器17を閉じてシールする。
【0027】
従来のコネクタ貫通部では気密性の低下があったが、この実施形態によれば、気密性の低下を抑制することができる。また、検出器容器17のシールはフランジを締め付けるネジの締め付けトルクのみに依存するようになり、熱収縮チューブでシールしていた従来の方法に比べ、設置に専門技術が不要になる。
【0028】
前述のように、シビアアクシデントなどの原子力発電所事故時には、検出器容器17内の圧力が検出器容器17外の圧力よりも高く維持され、検出器容器17外からのインリークが防止される。この状態を10日間持続するだけの不活性ガスを検出器容器17にあらかじめ封入しておくことで、アウトリークを継続させながら、環境条件が落ち着くまで放射線検出器12を保護することができる。
【0029】
検出器容器17の容積をV1、高圧タンク20の容積をV2、高圧タンク20内の気体の圧力をP1、検出器容器17内で高圧タンク20の外側の圧力をP2、検出器容器17周囲の外圧をP3、検出器容器17の電動弁22でのリークレートをK、気密に必要な期間をTとすると、次の式の条件を満たすならば、内圧P1を外圧P2よりも高く維持することができる。
【0030】
【数1】
【0031】
V1=9L,V2=1L,P1=1000kPa,P2=101.3kPa,P3=105.3kPaとしたとき、10日間で内圧が外圧と等しくなるようなリークレートは約1Pa・L/secとなる。一般的なOリングのリークレートは1×10−1〜1×10−4Pa・L/sec程度なので、上式を満たすようにパラメータを設定することで事故後10日間の間インリークを防ぐことが可能である。
【0032】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は第1の実施形態の変形であって、環境異常検出器16として、圧力検出器を用いる。圧力検出器としては、たとえばダイアフラム式圧力計を用いることができる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0033】
原子力発電所のシビアアクシデント時には、放射線測定装置11の設置位置で、温度のみならず圧力も異常に上昇することが考えられる。その場合に、検出器容器17の外側の圧力上昇によって検出器容器17の外側のガスが検出器容器17内に流入し、検出器容器17内の圧力が異常上昇する。圧力検出器(環境異常検出器)16により、この検出器容器17内の圧力の異常上昇が検出される。それにより、第1の実施形態と同様に、弁駆動機構23のスイッチ26がオンになり、電動弁22が開になり、高圧タンク20内の不活性ガスが検出器容器17内に流出する。これにより、その後、検出器容器17の外側から検出器容器17内への湿分の流入を阻止することができる。
【0034】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は第1の実施形態の変形であって、環境異常検出器16として、検出器容器17内の放射線量の異常上昇を検出する放射線量異常上昇検出器を用いる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0035】
原子力発電所のシビアアクシデント時には、放射線測定装置11の設置位置で、温度のみならず放射線量も異常に上昇することが考えられる。したがって、放射線量異常上昇検出器(環境異常検出器)16により、放射線量異常上昇が検出される。それにより、第1の実施形態と同様に、弁駆動機構23のスイッチ26がオンになり、電動弁22が開になり、高圧タンク20内の不活性ガスが検出器容器17内に流出する。これにより、その後、検出器容器17の外側から検出器容器17内への湿分の流入を阻止することができる。
【0036】
なお、この場合の変形例として、放射線検出器12を放射線量異常上昇検出器(環境異常検出器)16と兼用させることもできる。
【0037】
[第4の実施形態]
図3は、本発明の第4の実施形態に係る放射線測定装置の模式的構成図である。
【0038】
この実施形態では、上記第1ないし第3の実施形態の電動弁22(図1図2)に代えて熱可塑性弁30が用いられる。そして、この実施形態では、弁駆動機構23、環境異常検出器16(図1図2)は不要である。その他の構成は、第1ないし第3の実施形態と同様である。
【0039】
通常時には、熱可塑性弁30は閉じている。シビアアクシデント時には、検出器容器17の周囲の温度が異常に上昇し、それに伴って熱可塑性弁30は変形し、弁開となる。これにより、第1ないし第3の実施形態と同様に、高圧タンク20内の不活性ガスが熱可塑性弁30を通って検出器容器17内に流出し、検出器容器17内の圧力が高くなる。これにより、検出器容器17外の湿分が検出器容器17内に流入するのを防ぐことができ、湿分による放射線検出器12の誤動作や故障を防ぐことができる。
【0040】
[他の実施形態]
以上説明した各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、第1ないし第3の実施形態の環境異常検出器16として、検出器容器17内に温度検出器と圧力検出器と放射線量異常上昇検出器のうちの2個または3個を配置し、これらの環境異常検出器16がシビアアクシデント発生を示す異常出力を出したときに、それらの出力のアンド条件またはオア条件によって弁駆動機構23のスイッチ26をオンとするようにロジック回路を構成することが考えられる。これにより、種々の環境異常検出器16の信頼性を考慮し、誤動作を避けながら放射線測定装置11の機能を維持することができる。
【0041】
上記説明では、原子力発電所に用いる放射線測定装置について説明したが、この放射線測定装置は原子力発電所に限らず、その他の核物質取り扱い施設にも適用可能である。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
11 放射線測定装置
12 放射線検出器
13 コネクタ
14 ケーブル
15 加圧装置
16 環境異常検出器(温度検出器、圧力検出器、放射線量異常上昇検出器)
17 検出器容器
18 貫通部
20 高圧タンク(ボンベ)
21 開閉機構
22 電動弁
23 弁駆動機構
24 電動機
25 電池
26 スイッチ
30 熱可塑性弁
図1
図2
図3