【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1の有機ELパネルOELDであるミラー装置の構成を示す。
【0014】
有機ELパネルOELDは、ガラスや樹脂などの光透過性平板の基板1上にバンクBKによって区画された複数の有機EL素子OELを含んでいる。バンクBKは例えば光学ガラスや光学樹脂などの誘電体材料から形成される。有機EL素子OELは、それぞれが基板1のxy主面のy方向に伸長するストリップ形状の発光部を有する。有機EL素子OELは透光性基板1の前面1aから、赤色発光R、緑色発光G及び青色発光Bの互いに異なる発光色の光を放射する有機EL素子R、G、Bの群である。有機EL素子R、G、Bは基板1上平行に並置されている。赤、緑、青の発光色をそれぞれ発するRGB発光色の有機EL素子OELを一組としてx方向に組毎に並べられている。
【0015】
有機ELパネルOELDは、上記のバンク及び有機EL素子、並びに、基板1の前面1a上に分散配置された複数の金属鏡面部MIRを有する。複数の金属鏡面部MIRは、
図1に示すように、y方向に伸長するストリップ形状の光反射部である金属鏡面部MIRと間隙SPとが交互にx方向に配置されてストライプ状に構成される。
図1で白ヌキ矢印にて示すマトリクス状に並置された金属鏡面部MIRの拡大された部分では金属鏡面部がハッチングで示されている。
【0016】
図1に示すように、本実施例において、金属鏡面部MIRの各々は上から見た場合、バンクBKをカバーする幅を有し、発光部上は同じ幅の金属鏡面部MIRが均等に配置されている。複数の金属鏡面部MIRの各々は有機EL素子OELの発光部の各々の面積より小となる面積を有する。よって、素子の駆動時には
図1に示す金属鏡面部MIRの間の間隙SPとから有機EL素子OELの光が取り出せることとなる。
【0017】
このように、各金属鏡面部MIRは同一形状且つ同一面積を有し、複数の金属鏡面部MIRが均一な分布で配置されている。また、各金属鏡面部MIRの形状及び面積は、発光部の面積より小となる面積を有していれば、同一に限定されず、異なっていてもよい。ここでは金属鏡面部MIRと間隙SPとの各々が均等な間隔になるように構成されている。よって、金属鏡面部MIRの一辺幅をそれぞれ肉眼で識別できない例えば0.05mm以下で金属鏡面部MIRと有機EL素子OELの間隔を例えば0.05mm以下の短い間隔とすれば、駆動時には、間隙SPから光が漏れ、あたかも全面発光する鏡として利用することができる。また、素子の非駆動時には一枚の鏡として機能できる。さらに、有機EL素子の輝度をそれぞれ又は色の群ごとに調節することにより、光取り出し面となる基板1の前面からは、赤、緑、青の光が任意の割合で混色されて単一の発光色として認識される光が放出される。なお、図示していないが、有機EL素子OELの全ては素子駆動部へ接続されている。
【0018】
図2に示すように、有機EL素子OELの各々は、バンクBK間の基板1の背面1b上に、透光性電極2、発光層を含む有機層3、反射電極4が積層されて構成される。ストリップ形状の透光性電極2は有機EL素子OELごとに基板1上バンクBK間においてy方向に平行に伸長して並置されている。なお、図示していないが、有機EL素子OELの透光性電極2は素子駆動部へ接続されている。例えば、前面と背面で所定位置に金属鏡面部MIRと透光性電極2がそれぞれパターン形成されている基板1を用意し、フォトリソグラフィ法などで隣接の透光性電極2の側面間にy方向に沿って透光性誘電体材料からなる順テーパー構造バンクBKを設ける。それから、バンクBK間の透光性電極2上に所定の有機層3をインクジェット法などで成膜する。それから、反射電極材料をバンクBK間の有機層3とバンクBKの頂面上に蒸着法などにより成膜する。
【0019】
バンクBKがバンク側面を透光性電極1側に広くした所謂、順テーパー構造を有する故に、反射電極4は複数の有機EL素子OELに亘る同電位の共通電極となる。本実施例のミラー装置は、透光性電極2と反射電極4との間に電圧を印加することにより、有機層3において生成される光を基板1の前面1aから取り出す所謂ボトムエミッション型の有機ELパネルとして機能する。
【0020】
図3に示すように、有機EL素子OELの各々の有機層3は、典型的には、透光性電極2が陽極で、反射電極4が陰極とした場合、陽極から陰極まで、順に、正孔注入層3a、正孔輸送層3b、発光層3c、電子輸送層3d、及び電子注入層3eが積層されて構成される。なお、有機層3の積層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。有機層3は、これら積層構成に限定されることなく、例えば発光層3cと電子輸送層3dの間に正孔阻止層(図示せず)を追加するなど、少なくとも発光層を含み、或いは兼用できる電荷輸送層を含む積層構成としてもよい。有機層3は、上記積層構造から正孔輸送層3bを省いて構成しても、正孔注入層3aを省いて構成しても、正孔注入層3aと電子輸送層3dを省いて構成してもよい。
【0021】
[透光性電極]
陽極の透光性電極2は、ITO(Indium-tin-oxide)やZnO、ZnO−Al
2O
3(所謂、AZO)、In
2O
3−ZnO(所謂、IZO)、SnO
2−Sb
2O
3(所謂、ATO)、RuO
2などにより構成され得る。さらに、透光性電極2は、発光層から得られる発光波長において少なくとも10%以上の透過率を持つ材料を選択することが好ましい。透光性電極2は通常は単層構造であるが、金属薄膜との積層構造とすることも可能である。金属薄膜の材料としては、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀などの適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金などが挙げられる。金属薄膜の膜厚20nmの銀薄膜は透過率50%を有する。金属薄膜としての膜厚10nmのAl膜は透過率50%を有する。同金属薄膜としての膜厚20nmのMgAg合金膜は透過率50%を有する。なお、金属薄膜を構成する場合、材料や製膜方法、条件にも依存するが、その膜厚の下限値は5nmあれば導電性を確保することができる。
【0022】
[正孔注入層]
正孔注入層3aは、電子受容性化合物(所謂、正孔輸送性化合物)を含有する層とすることが好ましい。
【0023】
正孔輸送性化合物としては、陽極から正孔注入層への電荷注入障壁の観点から4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン銅(所謂、CuPc)に代表されるフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボンなどが挙げられる。ここで誘導体とは、例えば、芳香族アミン誘導体を例にするならば、芳香族アミンそのもの及び芳香族アミンを主骨格とする化合物を含むものであり、重合体であっても、単量体であってもよい。
【0024】
また、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4−エチレンジオキシチオフェンを高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(所謂、PEDOT/PSS)もまた好ましい。さらに、PEDOT/PSSのポリマーの末端をメタクリレートなどでキャップしたものであってもよい。
【0025】
[正孔輸送層]
正孔輸送層3bの材料としては、従来、正孔輸送層の構成材料として用いられている材料であればよく、例えば、前述の正孔注入層に使用される正孔輸送性化合物として例示したものが挙げられる。また、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、スピロ誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、シロール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。また、例えば、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリアリールアミン誘導体、ポリビニルトリフェニルアミン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリアリーレン誘導体、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン誘導体、ポリアリーレンビニレン誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体などが挙げられる。これらは、交互共重合体、ランダム重合体、ブロック重合体又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある高分子や、所謂デンドリマーであってもよい。
【0026】
[発光層]
発光層3cは赤、緑及び青発光の独立した発光層であってもそれらの混合発光層であってもよい、また、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、或いは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有させることもできる。有機EL材料をドーパント材料として使用し、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物などをホスト材料として適宜使用してもよい。有機EL材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。
【0027】
有機EL材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光材料であってもよく、燐光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から燐光材料を用いることが好ましい。発光層は単層構造としても、或いは所望により複数の材料からなる多層構造とすることもできる。例えば、青色発光層は蛍光材料を用い、緑色や赤色の発光層は燐光材料を用いるなど、様々な組み合わせで用いてもよい。また、発光層の間に拡散防止層を設けることもできる。
【0028】
青色発光を与える蛍光材料(青色蛍光色素)としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、クリセン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体などが挙げられる。
【0029】
緑色発光を与える蛍光材料(緑色蛍光色素)としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、Alq3(tris (8-hydroxy-quinoline) aluminum)などのアルミニウム錯体などが挙げられる。
【0030】
黄色発光を与える蛍光材料(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体などが挙げられる。
【0031】
赤色発光を与える蛍光材料(赤色蛍光色素)としては、例えば、DCM(4-(dicyanomethylene)-2-methyl-6-(p-dimethylaminostyryl)-4H-pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテンなどが挙げられる。
【0032】
燐光材料としては、例えば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。周期表第7〜11族から選ばれる金属として、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金などが挙げられる。錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナントロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
【0033】
燐光材料として、具体的には、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(所謂、Ir(ppy)3)、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリンなどが挙げられる。
【0034】
発光層には、その構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の正孔注入層3aにおける正孔輸送性化合物として例示した各種の化合物のほか、例えば、ジフェニルナフチルジアミン(所謂、α−NPD)に代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン類や、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミンなどのスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物や、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物や、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレンなどのスピロ化合物などが挙げられる。
【0035】
発光層には、その構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(所謂、BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(所謂、PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(所謂、BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(所謂、BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(所謂、tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル(所謂、CBP)などが挙げられる。
【0036】
[電子輸送層]
電子輸送層3dは、有機EL素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる電子輸送性化合物より形成される。
【0037】
電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極や電子注入層3eからの電子注入効率が高く、且つ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物を用いる。このような条件を満たす化合物としては、例えば、Alq3や10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン、キノキサリン化合物、フェナントロリン誘導体、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
【0038】
[電子注入層]
電子注入層3eは、陰極から注入された電子を効率良く電子輸送層や発光層へ注入する役割を果たす。例えば、電子注入層3eには、バソフェナントロリンなどの含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送化合物が挙げられる。また、有機電子輸送化合物の電子注入層3eに電子供与性材料をドープすることにより、電子注入効率を高めることができる。電子供与性材料には、例としては、ナトリウムやセシウムなどのアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属、それらの化合物(CsF、Cs
2CO
3、Li
2O、LiF)や、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウムなどのアルカリ金属などが用いられる。
【0039】
以上の有機層3の各々を成膜する手法として、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式塗布法や、スクリーン印刷、スプレー法、インクジェット法、スピンコート法、グラビア印刷、ロールコータ法などの湿式塗布法が知られている。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層を湿式塗布法で膜厚を均一に成膜して、電子輸送層及び電子注入層を、それぞれ乾式塗布法で膜厚を均一に順次成膜してもよい。また、すべての機能層を湿式塗布法で膜厚を均一に順次成膜してもよい。
【0040】
[反射電極]
陰極の反射電極4の材料としては、効率良く電子注入を行う為に仕事関数の低い金属が含まれることが好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀などの適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金などの低仕事関数合金電極が挙げられる。反射電極4はスパッタ法や真空蒸着法などにより有機層3上に、単層膜、又は多層膜として形成され得る。なお、反射電極4の反射作用を維持する厚さであれば膜厚は限定されない。
【0041】
次に、
図4を用いて、上記ミラー装置の有機ELパネルの動作を説明する。透光性電極2と反射電極4とを介して有機層内の発光層3cに駆動電圧が印加される時、発光層3cにおいて生成された光は透光性電極2を通過して、さらに反射電極4で反射された後に透光性電極2を通過して、数十%程度が透光性基板1の前面から取り出される。すなわち、発光層3cから発光した光は、そのうちの各界面の臨界角未満の光L1が金属鏡面部MIRのない部分にて透光性電極2を通りガラス基板1へ進み、他の反射電極4へ向かう光L2はそこで反射され発光層3cを通り透光性電極2を通り基板1へ進み、金属鏡面部MIRのない部分にてそれらの光は基板1の前面空間へ放射される。残りの臨界角を超える光L3は全反射され、バンクBKへ向かう。なお、発光層3cの端面から発光した光や横方向へ向かう光L4もバンクBK内に入り反射を繰り返し、減衰したり、透光性電極2を通り基板1へ進み、一部は基板1の前面空間へ放射される。一方、基板1の前面側空間から進入する外光L5は一部が金属鏡面部MIRにより反射され、他の部分が金属鏡面部MIRのない部分を通れば反射電極4で反射されて外部へ放射される。
【0042】
以下、実施例1の変形例について
図5〜
図10により実施例1と異なる部分について主に説明する。実施例1と同一の参照符号で示す要素は同様であるのでそれらの説明を省略する。
【0043】
図5は、金属のバスラインMBLをバンクBK中に設けた以外、
図2に示す実施例と同一のミラー装置の変形例を示す。この場合、バンクBKに埋設された透光性電極2の各々の端側上には、透光性電極2に電気的に接続された金属のバスラインMBLがy方向に沿って伸長して形成されている。これにより、透光性電極2に電源電流を効率よく供給することができる。
【0044】
図6は、複数の金属鏡面部MIRの各々を矩形として金属鏡面部MIRと間隙SPとが交互にxy主面のx方向とy方向に配置された細かい市松模様状、所謂マトリクス状に構成された以外、
図1に示す実施例と同一のミラー装置の変形例を示す。この場合、ストライプ金属鏡面部に比べ均一な反射と発光が達成できる。バンクBKが透光誘電体材料例えば透明または散乱材料により形成されている故に、バンクBKからも基板1を介して光を取り出すことができる。
【0045】
図7は、バンクBKの幅のストリップ金属鏡面部SMIRでバンクBKに対向する部分を覆うように構成された以外、
図1に示す実施例と同一のミラー装置の変形例を示す。この場合、ストライプ金属鏡面部に応じて反射光量の向上が達成できる。
【0046】
図8は、複数の金属鏡面部MIRの各々を分離して独立させて、所謂ドット状に配置した以外、
図6に示す実施例と同一のミラー装置の変形例を示す。この場合、金属鏡面部MIRの面積に比べ間隙SPの面積を大きく設定できる故に、発光光の取り出し効率が向上する。
【0047】
図9は、複数の金属鏡面部MIRの各々を分離して独立させて配置し金属鏡面部MIRの形状を円形とした以外、
図8に示す実施例と同一のミラー装置の変形例を示す。金属鏡面部MIRの形状には、矩形や多角形や円形や楕円の形状にとらわれず、様々な形状を採用できる。この場合、金属鏡面部MIRの面積に比べ間隙SPの面積を変化させて設定できる故に、外光光の反射量や発光光の取り出し効率の割合の設計の自由度が向上する。
【0048】
上記した金属鏡面部MIRをドット状に配置する例において、各ドットの一部を連結した形状の集合とすることもできる。
【0049】
図10は、複数の金属鏡面部MIRの各々をxy方向に拡張するメッシュ形状とした以外、
図9に示す変形例と同一のミラー装置の変形例を示す。この場合は、金属鏡面部MIRの面積に比べ間隙SPの面積を変化させて設定できる。
【0050】
以上の構成のミラー装置によれば、手鏡やバニティミラーなど照明付鏡として利用でき、さらに、広告用ボードや、店舗内の空間を広く見せるために柱、天井などに取り付ける鏡兼照明として利用できる。