(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6433977
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】布帛柔軟剤
(51)【国際特許分類】
D06M 13/463 20060101AFI20181126BHJP
D06M 13/188 20060101ALI20181126BHJP
D06M 13/144 20060101ALI20181126BHJP
D06L 1/12 20060101ALI20181126BHJP
C11D 1/90 20060101ALI20181126BHJP
C11D 1/04 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
D06M13/463ZBP
D06M13/188
D06M13/144
D06L1/12
C11D1/90
C11D1/04
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-504620(P2016-504620)
(86)(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公表番号】特表2016-519723(P2016-519723A)
(43)【公表日】2016年7月7日
(86)【国際出願番号】EP2014055899
(87)【国際公開番号】WO2014154654
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年2月23日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2013/056228
(32)【優先日】2013年3月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508079739
【氏名又は名称】ローディア オペレーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホー, リン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ハイ チョウ
【審査官】
佐藤 玲奈
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭38−006269(JP,B1)
【文献】
特開平04−153300(JP,A)
【文献】
特開2000−045178(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/075284(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00 − 19/00
D06M 13/00 − 15/715
D06L 1/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
R1−N+(CH3)2−CH2−COO− (I)
(式中、R1は、C16アルキルである)
の布帛柔軟剤化合物、ならびに
C10〜C22カルボン酸および/またはC10〜C22アルコールもしくはカプリルアルコールを少なくとも含む柔軟化組成物であって、
式(I)の化合物対前記C10〜C22カルボン酸および/または前記C10〜C22アルコールもしくはカプリルアルコールの重量比が4:1〜50:1に含まれる、柔軟化組成物。
【請求項2】
前記組成物が、0.1重量%〜20重量%の式(I)の布帛柔軟剤化合物を含む請求項1に記載の柔軟化組成物。
【請求項3】
式(I)の前記化合物がセチルベタインである請求項1または2に記載の柔軟化組成物。
【請求項4】
前記C10〜C22カルボン酸が、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸からなる群から選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の柔軟化組成物。
【請求項5】
前記C10〜C22アルコールが、ラウリルアルコール、ミリチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコールおよびベヘニルアルコールからなる群から選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の柔軟化組成物。
【請求項6】
前記組成物のpHが、20℃の測定で、3〜7の範囲にある請求項1〜5のいずれか一項に記載の柔軟化組成物。
【請求項7】
好ましくは洗剤液中で事前に洗濯された、布帛を請求項1〜6のいずれか一項に記載の柔軟化組成物と接触させる工程を含む、布帛をリンスする方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の柔軟化組成物を、前記柔軟化組成物を含む水性媒体と布帛洗濯機のリンスサイクルの間に接触させる工程を含む、布帛を柔軟化する方法。
【請求項9】
式(I)
R1−N+(CH3)2−CH2−COO− (I)
(式中、R1は、C16アルキルである)
の化合物、ならびにC10〜C22カルボン酸および/またはC10〜C22アルコールもしくはカプリルアルコールを含む組成物であって、式(I)の化合物対前記C10〜C22カルボン酸および/または前記C10〜C22アルコールもしくはカプリルアルコールの重量比が4:1〜50:1に含まれる、組成物の布帛柔軟剤としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ布帛柔軟化組成物用の、布帛柔軟剤としてのC
16アルキルベタインの使用に関する。本発明はまた、布帛の処理方法であって、前記布帛を、本明細書に定義されるような組成物を含有する水性媒体と布帛洗濯機のリンスサイクル中に接触させる工程を含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術についての以下の考察は、本発明を適切な技術的前後関係に置き、そしてその利点がより十分に理解されることを可能にするために提供される。しかし、本明細書の全体にわたっての先行技術のいかなる考察も、そのような先行技術が広く知られているかまたは当該分野における共通の一般知識の一部を形成するという明確なまたは暗黙の了解と見なされるべきでないことは十分よく理解されるべきである。
【0003】
布帛ケア組成物は、改善された布帛感触および爽やかな知覚などの、多くの望ましい特性を処理時に布帛に施す。しかし、任意の布帛ケア組成物を多くの消費者に認めてもらうためには、消費者にとって望ましい製品美学、例えば魅力的で清潔な製品の香りおよび快適な製品の色合いのみならず、とりわけ適切な製品レオロジーおよび満足のいく物理的製品安定性をも提供することが不可欠である。
【0004】
国際公開第A−02072745号パンフレットによる好ましい布帛柔軟剤活性物質は、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2−ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルスルフェートまたは1,2−ジ(ステアロイル−オキシ)−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリドなどのエステルクォートである。
【0005】
ジアルキル置換第四級アンモニウム化合物とモノアルキル第四級アンモニウム化合物とを組み合わせるという主題に関する多くの参考文献一覧があり、それらの中でも、とりわけ特許または特許出願欧州特許出願公開第A−0018039号明細書、欧州特許出願公開第A−0369500号明細書、米国特許第4,360,437号明細書または米国特許第4,855,072号明細書が言及されてもよい。
【0006】
ジアルキル置換エステルクォートとモノアルキルエステルクォートとの混合物を記載している参考文献は、とりわけ国際公開第A−9414935号パンフレット、国際公開第A−9742279号パンフレット、国際公開第A−2004044113号パンフレットである。
【0007】
しかし、クォートは、非常に難生分解性であり、立証された生態毒性をもたらすとして知られており、この業界が、より良好な生分解性およびより良好な生態毒性をもたらす、エステルクォートに切り替えるべきであるという一般的な傾向が存在する。しかしエステルクォートでさえも、それをより安定にするために非常に低いpHに保つことを強いる分解性が原因で最終製品のそれほど長くない期間安定性のような依然としていくつかの欠点をもたらす。さらに、布帛は、それらがエステルクォートで繰り返し処理される場合に黄色っぽく変わる。エステルクォートはまた、アニオン洗剤システムのほとんどと直接に混合できないカチオン界面活性剤として知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、脂肪アルキルベタインを含む、布帛の柔軟化にうまく機能する安定な布帛柔軟剤組成物を得ることが可能であるという意外な発見に基づくものである。
【0009】
これらの化合物は実際に、ジ(パルミチン酸カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート(TEP)、およびジメチルジ(水素化牛脂)アンモニウムクロリド(DHT)などの柔軟化組成物に古典的に使用される化合物と比べると、十分に効率的であり、柔らかさ、吸水度およびフワフワ感の観点からとりわけより効率的であるように思われる。
【0010】
これらの化合物はまた、半透明および透明であり、経時的におよび異なるpH範囲にわたってより安定であるという利点を提供し、すべての他の界面活性剤システムと良好な相溶性を提供する。
【0011】
柔軟剤と水とを含む本発明の柔軟化組成物はまた、相分離なしに均質であるという利点を提供する。
【0012】
本発明はその結果、少なくとも式(I):
R
1−N
+(CH
3)
2−CH
2−COO
− (I)
(式中、R
1は、C
16アルキルである)
の布帛柔軟剤化合物を含む柔軟化組成物に関する。
【0013】
本発明はまた、とりわけ布帛柔軟化組成物用の、布帛柔軟剤としての式(I)の化合物の使用に関する。
【0014】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、次に来る説明を読むとさらにより十分に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特許請求の範囲を含めて、本明細書の全体にわたって、用語「1つを含む」は、特に明記しない限り、用語「少なくとも1つを含む」と同じ意味であると理解されるべきであり、「〜」は、その両端を含むと理解されるべきである。
【0016】
布帛柔軟剤、またはその混合物が、本発明の不可欠な原料である。柔軟化組成物内の布帛柔軟剤の典型的なレベルは、0.1重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%である。
【0017】
「アルキル」は本明細書で用いるところでは、直鎖もしくは分岐の飽和の脂肪族炭化水素を意味する。アルキル鎖はとりわけ、NまたはOなどの1つまたはいくつかのヘテロ原子を含んでもよい。複雑な構造では、鎖は、分岐、橋架け、または架橋していてもよい。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、式(I)の化合物はセチルベタインである。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、柔軟化組成物はまた、C
10〜C
22カルボン酸および/またはC
10〜C
22アルコールを含んでもよい。
【0020】
好ましくは、C
10〜C
22カルボン酸は、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸からなる群で選択される。
【0021】
好ましくは、C
10〜C
22アルコールは、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコールおよびベヘニルアルコールからなる群で選択される。
【0022】
式(I)の化合物対C
10〜C
22カルボン酸および/またはC
10〜C
22アルコールの重量比は、4:1〜50:1、好ましくは10:1〜20:1に含まれてもよい。
【0023】
これらの組成物の最適相安定性のためには、20℃で測定される、ニートpHは、3〜7の範囲にあってもよい。本明細書でのこれらの組成物のpHは、ブレンステッド酸またはルイス酸などの酸の添加によって調整することができる。好適な酸の例としては、無機鉱酸、カルボン酸、特に低分子量(C
1〜C
5)カルボン酸、およびアルキルスルホン酸が挙げられる。好適な無機酸としては、HCl、H
2SO
4、HNO
3およびH
3PO
4が挙げられる。好適な有機酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、メチルスルホン酸およびエチルスルホン酸が挙げられる。好ましい酸は、クエン酸、塩酸、リン酸、ギ酸、メチルスルホン酸、および安息香酸である。クエン酸がとりわけ好ましい。
【0024】
柔軟化組成物はまた、例えば第四級アンモニウム塩、特にジアルキルクォートまたはエステルクォートなどの、古典的に使用される他の布帛柔軟剤を含んでもよい。布帛柔軟剤は、1または2つの長いアルキル鎖を持った第四級アンモニウム塩をベースとする傾向があり、典型的な化合物は、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェートである。他のカチオン化合物は、イミダゾリウム、置換アミン塩、または第四級アルコキシアンモニウム塩に由来することができる。初期調合物の最も一般的な化合物の1つは、ジ水素化牛脂ジメチルアンモニウムクロリド(DHTDMAC)であった。家庭用布帛柔軟剤の調合物中に使用される3つの主なタイプの第四級アンモニウム化合物:ジアルキルジメチルアンモニウム化合物、ジアミドアルコキシル化アンモニウム化合物、およびイミダゾリニウム化合物が存在する。
【0025】
式(I)の化合物と組み合わせて使用されてもよい柔軟剤は好ましくは、
TET:ジ(牛脂カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、
TEO:ジ(オレオカルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、
TES:ジステアリルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、
TEHT:ジ(水素化牛脂−カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、および
TEP:ジ(パルミチン酸カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート
などの第四級アンモニウム柔軟剤である。
【0026】
すべての可能性の網羅的な記載と見なされるものではないが、他方では、当業者に周知である、他の任意選択の成分に言及する際に、下記が挙げられてもよい:
a)シリコーン、アミンオキシド、ラウリルエーテルスルフェートもしくはラウリルスルフェート、スルホスクシネートなどの、アニオン界面活性剤、アンホアセテートなどの、両性界面活性剤、ポリソルベート、ポリグルコシド誘導体などの、非イオン性界面活性剤などの、柔軟化組成物の性能を高める他の製品、
b)組成物の0〜15重量%のレベルで典型的には使用される;例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンなどの、第四級化されているもしくは第四級化されていない、短鎖を有するアミンの塩、ならびにまた、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪アミン、ポリソルベート、およびエトキシル化アルキルフェノールなどの、非イオン性界面活性剤などの、安定化製品、
c)粘度コントロールを改善する製品、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの、無機塩;エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリコールなどの、グリコール型の化合物などの、濃厚組成物の粘度を下げるために使用することができる製品;ならびに希釈組成物用の増粘剤、例えば、セルロース、グアーガムなどに由来するポリマー、
d)任意のタイプの無機酸および/または有機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸などの、好ましくは4〜6である、pHを調整するための成分、
e)テレフタレートをベースとする公知のポリマーまたはコポリマーなどの、防汚を向上させる試剤、
f)殺菌性防腐剤、
g)酸化防止剤、着色剤、香料、殺菌剤、殺真菌剤、腐食防止剤、防しわ剤、乳白剤、蛍光増白剤、真珠光沢剤などの他の製品。
【0027】
本発明による布帛柔軟剤は、液体、液体−ゲル、ペースト様、水性形態か非水性形態かのどちらかでの泡、粉末、顆粒および錠剤形態などの様々な物理的形態を取ってもよい。より良好な分散性のためには、組成物の好ましい形態は、液体形態であり、水中の水性分散液の形態にある。液体形態にある場合、組成物はまた、噴霧器またはエアロゾルディスペンサーなどの分配手段で分配されてもよい。
【0028】
液体形態にある場合、そのような布帛柔軟剤は、標準的な(希釈された)布帛柔軟剤の場合には、0.1重量%〜20重量%の布帛柔軟化剤を含有してもよいが、非常に濃厚な布帛柔軟剤の場合には30重量%もしくは40重量%さえまでのより高いレベルを含有してもよい。組成物は通常また、組成物のバランスを提供し得る、水および他の添加剤を含有するであろう。好適な液体キャリアは、水、有機溶剤およびそれらの混合物から選択される。本組成物に用いられる液体キャリアは好ましくは、その低コスト、安全性、および環境相溶性のために少なくとも第一に水である。水と有機溶剤との混合物が使用されてもよい。好ましい有機溶剤は、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノールまたはブタノールなどの、一価アルコール;グリコールなどの、二価アルコール;グリセロールなどの、三価アルコール、および多価(ポリオール)アルコールである。
【0029】
液体布帛柔軟剤は習慣的には、柔軟化原料を溶融させ、攪拌しながら、溶融体を熱水に添加して水不溶性原料を分散させることによって調製される。
【0030】
本発明による布帛柔軟剤は、いわゆるリンスプロセスにおいて使用することができ、このプロセスでは、上に定義されたような布帛柔軟剤が先ず水性リンス浴液中に希釈される。その後、洗剤液で洗濯され、そして第1の非効率的リンス工程(残留洗剤および/または汚れが布帛で持ち込まれる可能性があるという意味で「非効率的」)で任意選択的にリンスされた被洗濯布帛は、希釈組成のリンス液中に入れられる。もちろん、布帛柔軟剤はまた、布帛がその中に浸漬されたらすぐに水性浴中へ組み入れられてもよい。その工程の後に、かき混ぜが、リンス浴液中で布帛に適用され、洗剤泡をつぶれさせ、残留汚れおよび界面活性剤が除去される。布帛は次に任意選択的に、乾燥前に絞ることができる。
【0031】
したがって、好ましくは洗剤液中で事前に洗濯された布帛を、本発明による柔軟化組成物または布帛柔軟剤と接触させる工程を含む、布帛をリンスする方法が提供される。本発明の主題はまた、リンスにおいて洗剤泡または発泡の低減を提供しながら、そして望ましくないフロックの生成なしに、高い洗剤泡洗剤液中で洗濯された布帛に布帛柔らかさを付与するための本発明の布帛柔軟剤の使用を含む。
【0032】
本発明はまた、本発明の柔軟化組成物を、前記柔軟化組成物を含む水性媒体と布帛洗濯機のリンスサイクルの間に接触させる工程を含む、布帛を柔軟化する方法に関する。
【0033】
このリンスプロセスは、非自動化洗濯機で、たらいもしくはバケツ中で手動により、または自動化洗濯機で行われてもよい。手洗いが行われる場合、被洗濯布帛は、洗剤液を除去され、絞り出される。本発明の布帛柔軟剤は次に、新鮮水に添加されてもよく、布帛は次に、直接にまたは任意選択の非効率的な第1リンス工程後に、従来のリンス習慣に従って本組成物を含有する水中でリンスされる。布帛は次に、常法を用いて乾燥させられる。
【0034】
本発明は、以下の非限定的な実施例でさらに例示される。
【実施例】
【0035】
原材料情報:
−セチルベタイン(CB)
−ココアミドプロピルジメチルベタイン(CAPB)
−ジ(水素化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド(DHT)
−ジ(パルミチン酸カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート(TEP)
【0036】
実施例で試験される布帛は、次のものである:
−ブロードクロス:100%木綿繊維含有率/織られた/吸水度研究用のリウェット法のために使用される
−Terry(テリー)クロス:100%木綿繊維含有率/環状ファイル構成/他の評価法のすべてのために使用される
【0037】
I.前処理、乾燥および柔軟剤処理手順:
1)布帛前処理法
洗濯機モデル:ELBA EWF 625
界面活性剤:SLS(28%活性)
洗剤の用量:10.0g/10枚の木綿のタオル(0.6kg)
洗濯モード:1メイン洗濯、3リンス、空化および1スピン
洗濯温度:25℃
【0038】
2)布帛の乾燥
すべての布帛は、さらなる使用前に布帛を乾燥させ、効率的に平衡させるために一晩恒湿室(20±1.0℃の温度および55±3%の湿度)中で吊して乾燥させられるであろう。
【0039】
3)柔軟剤処理
柔軟剤の用量:150ppm硬水中の1.0重量%柔軟剤調合物(5.0もしくは他の活性%)
浸漬時間:30分
温度:25℃
リンスなしおよび恒湿室での吊し乾燥
【0040】
II.結果および特性
1)柔らかさ
傾斜法による柔らかさ比較についての結果を表1に示し、曲げ長さが短ければ短いほど、柔らかさはより良好である。
【0041】
【0042】
傾斜法:Chinese National Standard Softener Evaluation Method(中国標準柔軟剤評価法)GB/T 18318.1−2009 曲げ挙動の織物測定−パート1:傾斜法。
【0043】
傾斜法によって試験された柔らかさ効果に対する添加剤の影響についての結果、曲げ長さが短ければ短いほど、柔らかさはより良好である。
【0044】
【0045】
脂肪酸または脂肪アルコールをセチルベタインのための添加剤として使用するとき、柔軟化効果は、はるかに改善され、TEPに匹敵するかまたはTEPよりもさらに良好である。
【0046】
6人のパネリストでの感覚試験法による柔らかさ比較についての結果を表2に示す。
【0047】
【0048】
感覚試験法:布帛柔軟剤を評価するための改訂ASTM D5237−05標準手引書。ブランクを、最も硬いを意味する、0の柔らかさ格付けの対照としてセットした。別の布帛を、最も柔らかいを意味する、対照として5の柔らかさ格付けの別のタイプの柔軟剤EAQで処理した。
【0049】
その結果、OBまたはCBは、柔軟化組成物に古典的に使用される化合物と比べて柔らかさを与えるように思われる。
【0050】
2)吸水度
吸水度についての結果を表3に示す。
【0051】
【0052】
リウェット法による吸水度能力評価:布帛柔軟剤を評価するための改訂ASTM D5237−05標準手引書
【0053】
その結果、CBおよびOBは、柔軟化組成物に古典的に使用される化合物と比べて同等のまたはより高い吸水度能力を与えるように思われる。
【0054】
3)フワフワ感評価
フワフワ感評価についての結果を表4に示す。
【0055】
【0056】
一定サイズの柔軟剤処理布帛ストリップを一層ずつ積み重ねた。軽い重り(100.0g)および重い重り(550.0g)を、ストリップの積み重ねられた層の上に適用し、ストリップの積み重ねの高さを、それぞれT100gおよびT550gとして15秒後に測定する。軽い重りおよび重い重り下の積み重ね高さの差が大きければ大きいほど、布帛ストリップはよりフワフワしている。
【0057】
フワフワ感格付け定式化:
フワフワ感%=(T100g−T550g)/T550g×100%
レイヤー・バイ・レイヤー法装置:層数:15層/試料サイズ:幅50±1mmおよび高さ80±1mm/軽い重り:100.0g重り標準/重い重り:550.0g重り標準
【0058】
その結果、CBは柔軟化組成物に古典的に使用される化合物と比べて同等のまたはより高いフワフワ感能力を与えるように思われる。
【0059】
4)溶解評価
4つの調合物を、水中への5重量%のベタイン化合物および任意選択的に0.5重量%のパルミチルアルコールの添加によって製造した。これらの調合物を室温で保持したのち、前記調合物の均質性は、次の通り表される:
A.5重量%のセチルベタインを含有する調合物:セチルベタインの完全溶解および均質な媒体の目視観察。
B.5重量%のセチルベタインおよび0.5重量%のパルミチルアルコールを含有する調合物:セチルベタインおよびパルミチルアルコールの完全溶解ならびに均質な媒体の目視観察。
C.5重量%のオクタデシルジMeベタインを含有する調合物:溶解することができない粒子の懸濁の目視観察。55℃まで調合物を加熱してさえも、調合物は、トップの部分で不均一のままである。
D.5重量%のオクタデシルジMeベタインおよび0.5%のパルミチルアルコールを含有する調合物:溶解することができない粒子の懸濁および深刻な相分離の目視観察。55℃まで調合物を加熱してさえも、調合物は、トップの部分で不均一のままである。