【実施例】
【0111】
1 - 材料と方法
1.1 - 食味評価の方法:「2ボウル」試験
2ボウル試験の原則:
この試験は、多くの食品が消費されるほど、それはいっそう食味が良好なものであるという前提に基づく。
2種類の食品の比較に基づく、欲求に対する個々の(2ボウル)試験が実施された。試験は、その目的により、36匹の犬のパネルまたは40匹の猫に対して実施される。
【0112】
試験の操作方法:
- 同量の食品A及び食品Bを秤量し、個別のボウルに入れた。それぞれの割り当ての中に存在する量は、1日当たりの所要量を満たすことができる。
- ボウルの分配:
犬の試験:ボウルは、犬が利用できる個々の餌入れ内においた。
猫の試験:ボウルは、個別のゆったりした箱の中に入れて各猫に同時に提供され、利き手による選択を避けるために食事ごとにボウルの位置を入れ替えた。
- 試験の継続時間:
*ドライフードについての猫の試験:約15分間から約20時間(2つのボウルのうち1つが試験終了前に完全に食べられていた場合、2つのボウルを除去し、試験を中止した)。
*ドライフードについての犬の試験:約15分間から約30分間(2つのボウルのうち1つが試験終了前に完全に食べられていた場合、2つのボウルを除去し、試験を中止した)。
- 実測パラメータ:
最初に消費された食品(「魅力」)と試験終了までに消費された各食品の量;
- 理論パラメータ:
個別の消費率(%)(CR)
CRA = Aの消費量(g)×100/(A+Bの消費量)(g)
CRB = Bの消費量(g)×100/(A+Bの消費量)(g)
→ 平均消費率(ACR)=個々の比率全ての平均(各動物に、その大きさとその対応する消費にかかわらず、同等の重要性を持たせる)。
【0113】
動物が既定の値(これは、例えば、動物の体重及び/または代謝の関数である)と比較して、より高いまたはより低い消費を示す場合、これらは統計処理に考慮されない。
【0114】
統計分析:
2つの比率の間に有意差があったかどうかを決定するために、統計的分析を用いた。3つの誤差閾値、すなわち、5%、1%、0.1%を設定した、スチューデントt検定を実施した。
【0115】
カイ二乗検定を使用して、最初に食べた食品が食品Aであるペットの数と最初に食べた食品が食品Bであるペットの数との間に有意な差があったかどうかを決定した。
【0116】
有意水準は、以下の通り:
NS 有意ではない(p>0.05)
* 有意(P≦0.05)
** 非常に有意(P≦0.01)
*** 非常に高度に有意(P≦0.001)
【0117】
1.2 - 規定食
コントロール及び実験用の規定食を、食品の意図される消費対象に必要とされる全ての既知の栄養素を、例えば、愛玩動物の栄養の分野における認知され信憑性のある権威の推奨に基づいて適切な量及び割合で含む、栄養完全食品を使用することにより、準備した。したがって、こうした食品は、生命を維持するために、補足的な栄養源を添加することなく、飼料摂取の唯一の供給源として機能することができる。
【0118】
試験しようとする成分が、液体及び/または乾燥成分をコーティングすることによりドライフード表面に局所適用される場合は、ペットフード組成物は、「未被覆キブル」の形態で使用された。これは、部分的に処理を終えた食品であり、その後この表面に脂肪及び食味エンハンサーをコーティングした。
【0119】
試験しようとする成分が混入によって適用される場合には、これらは押出成形前(ドライまたは半生ペットフード)または滅菌前(ウェットペットフード)に別の成分と混合した。
【0120】
試験しようとする成分が飲用向け組成物に適用される場合には、かかる成分を、水または液体組成物と混合した。
【0121】
2 - 結果
2.1 - 実施例において試験した製品
以下の実施例では、様々な食味エンハンサー(PE1、PE2、PE3、DPE10、DPE11、PE31、及びDPE41)でコーティングされた様々な食品(もしくは規定食)の食味評価を報告する。
以下の実施例で使用した各食味エンハンサーには、保存性を保証するため、その製剤中にプレミックス酸化防止剤を組み込んだ。このプレミックス抗酸化剤は、BHA、没食子酸プロピル、及びアスコルビン酸から成るものであった。
【0122】
2.2 - 実施例1:食味エンハンサーに添加された通常の酸化防止剤量のアスコルビン酸の、ドッグフードの食味に対する影響
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られるバランスのとれたドライフードが調製され、本明細書中では「XX」と呼称される。コントロール規定食Nは、6%の家禽の脂肪及び2%のPE2(PE2=豚肝臓消化物B + BHA、没食子酸プロピル、及びアスコルビン酸から成る前記プレミックス抗酸化剤)でコーティングされた「XX」であった。このように、PE2でコーティングする際にキブルに添加されたアスコルビン酸の量は、キブルの0.0001%の寄与を示す。
【0123】
実験規定食B1は、6%の家禽の脂肪及び2%のPE2bisでコーティングされた「XX」であり、PE2bisは、プレミックス抗酸化剤中でアスコルビン酸なしに調製された豚肝臓消化物Bであり、前記プレミックス抗酸化剤は、PE2に含まれるプレミックス抗酸化剤と同レベルのBHA及び没食子酸プロピルを維持している(PE2bis=豚肝臓消化物B + BHA及び没食子酸プロピルから成るプレミックス抗酸化剤)。
【0124】
以下の表1に示すように、食品の消費には、コントロール規定食Bと実験規定食B1との間で有意な差がなく、PE2に含まれるプレミックス抗酸化剤によりキブルに添加されたアスコルビン酸のレベルが、ドッグフードの食味を向上させるものではないことを示す。
しかるに、以下の実施例では、使用された食味エンハンサーに含まれるプレミックス抗酸化剤によってキブルにもたらされたアスコルビン酸の量は、無視すべきものとみなした。
【0125】
【表1】
【0126】
2.3 - 実施例2:アスコルビン酸を含む液体PEでドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
2.3.1 - 実施例2A:アスコルビン酸を含む液体PEでドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「XX」と呼称される。
この実施例では、犬にとって優れた食味を有することが知られた液体食味エンハンサーPE1(豚の肝臓消化物A−実施例1で使用したPE2とは異なる)を使用した。
コントロール規定食Aは、6%の家禽の脂肪及び2%のPE1でコーティングされた「XX」であった。
【0127】
実験規定食A1は、6%の家禽の脂肪及び2%のミックス(99.15%のPE1+0.85%のアスコルビン酸)でコーティングされた「XX」であった。このミックスは、製造工程の最後に防腐剤を添加したところで液体PE1にアスコルビン酸を混合することにより調製した。
実験規定食A2は、実験食A1と同様に調製したが、ミックスの割合が異なり、98.87%のPE1 + 1.13%のアスコルビン酸であった。
【0128】
以下の表2に示されるように、食品の消費には、コントロール規定食Aと実験規定食A1との間及びコントロール規定食Aと実験規定食A2との間で有意な差があり、アスコルビン酸を含むPEでコーティングされた実験規定食が、犬にとってより食味の良好なものであることを示した。
食味の結果は、アスコルビン酸の添加によって、PE1の食味が強度に向上し、アスコルビン酸の添加前に既に高かったその性能がさらに高められることを示した(PE1がPE2よりも優れた食味を有することを示す、以下の表3を参照のこと)。
【0129】
【表2】
【0130】
2.3.2 - 実施例2B:アスコルビン酸を含む異なる液体PEで最初の実施例のドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「XX」と呼称される。
この規定食は、実施例2Aで使用した規定食と同一であった。
【0131】
コントロール規定食Aは、6%の家禽の脂肪及び2%の液体PE1でコーティングされた「XX」であった(PE1=豚肝臓消化物A、実施例2Aを参照のこと)。
コントロール規定食Bは、6%の家禽の脂肪及び2%の液体食味エンハンサーPE2でコーティングされた「XX」であった(PE2=豚肝臓消化物B、実施例1を参照のこと)。
二つのコントロール規定食の唯一の違いは、液体食味エンハンサーである。
PE1は、PE2よりも、犬にとって優れた食味を有することが知られていた。
【0132】
以下の表3に示されるように、食品の消費には、コントロール規定食Aとコントロール規定食Bとの間で有意な差があり、コントロール規定食Aが、犬にとってより優れた食味を有することを示した。この最初の試験により、PE1の犬にとっての食味が、予期される通りPE2よりも優れていることが実証された。
【0133】
一連の実験食味エンハンサーを、液体PE2に漸増レベルでアスコルビン酸を混合することによって調製した。この添加は、製造工程の最後に防腐剤を添加したところで、液体PE2に粉末状態のアスコルビン酸(アスコルビン酸粉末の純度≧99%)を混合することにより行った。
実験規定食は、かくして得られた様々な食味エンハンサーでコーティングされた「XX」であった。
【0134】
以下の表3に示されるように、規定食に添加されたアスコルビン酸のレベルは、規定食の0.005から0.3質量%であった。
食味の結果は、アスコルビン酸の添加によってPE2の食味が強度に向上してPE1の食味を超え、これが試験したアスコルビン酸のレベルによらないことを明白に示した。
この結果は、アスコルビン酸の食味向上効果が、様々なPE(実施例2AではPE1、本実施例ではPE2)を用いて得られることを、さらに実証した。
【0135】
【表3】
【0136】
2.3.3 - 実施例2C:アスコルビン酸を含む異なる液体PEで第二の実施例のドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「YY」と呼称される。
この規定食は、実施例2A及び2Bで使用した規定食「XX」とは、その処方及び形状において異なるものであった。
【0137】
コントロール規定食Cは、6%の家禽の脂肪及び2%の液体PE1(実施例2A及び2Bと同一のPE1)でコーティングされた「YY」であった。
実験規定食C1は、6%の家禽の脂肪及び2%のミックス(98.75%のPE2+1.25%のアスコルビン酸)でコーティングされた「YY」であった。このミックスは、製造工程の最後に防腐剤を添加したところで液体PE2にアスコルビン酸を混合することにより調製した。
実施例2Bに示されるように、PE1は、PE2よりも、犬にとって優れた食味を有することが知られていた。
【0138】
以下の表4に示されるように、食品の消費には、コントロール規定食Cと実験規定食C1との間で有意な差があり、実験規定食C1が犬にとってより優れた食味を有することが、異なる二つの時点:規定食調製後1か月及び3か月において示された。
【0139】
食味の結果は、アスコルビン酸の添加によって、PE2の食味が強度に向上し、PE1の食味を超えることが明白に示されたが、これは、実施例2Bで使用されたものとは異なる規定食におけるものであった。しかるに、アスコルビン酸の食味向上効果は、キブルに関連するものではなかった。
【0140】
また、新たに得られた良好な食味は、貯蔵に対する維持特性を備えていた。結論として、食味エンハンサーPE2へのアスコルビン酸の添加は、その食味を有意に改善し、その性能を高めることができた。
【0141】
【表4】
【0142】
2.4 - 実施例3:アスコルビン酸の食用源を含む液体PEでドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「XX」と呼称される。この規定食は、実施例2A及び2Bにおいて使用された規定食と同一であった。
【0143】
コントロール規定食Nは、6%の家禽の脂肪及び2%の液体PE1でコーティングされた「XX」であった。
実験規定食B8、B9、及びB10は、6%の家禽の脂肪及び液体PE2とアセロラ粉末とのミックス(アスコルビン酸の理論濃度=17%を有する)2%でコーティングされた「XX」であった。ミックス中のアセロラ粉末の量が様々に異なるものを試験した。しかるに、各ミックスを、製造工程の最後に防腐剤を添加したところで液体PE2に所与の量のアセロラ粉末を混合することにより調製した。
既述の通り、PE1は、PE2よりも、犬にとって優れた食味を有することが知られていた。
【0144】
バルバドスチェリーとしても既知のアセロラは、アスコルビン酸を豊富に含む果物である。
以下の表5に示されるように、食品の消費には、コントロール規定食Aと実験規定食との間で有意な差があり、アセロラを含む実験規定食が犬にとってより優れた食味を有することが示された。
食味の結果は、アセロラの添加によってPE2の食味が強度に向上してPE1の食味を超え、これが試験したアセロラのレベルによらないことを明白に示した。
【0145】
【表5】
【0146】
2.5 - 実施例4:アスコルビン酸を含む液体PEの乾燥から得られるドライPEでドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「XX」と呼称される。この規定食は、実施例2A、2B、及び3において使用された規定食と同一であった。
【0147】
ドライ食味エンハンサーDPE10を、液体PE10(=豚肝臓消化物C、PE1及びPE2とは異なる)を乾燥させることにより得た。
ドライ食味エンハンサーDPE11を、液体PE10とアスコルビン酸とのミックスを乾燥させることにより得た。
コントロール規定食Pは、6%の家禽の脂肪で、次いで2%の液体PE2(=豚肝臓消化物B)で、最後に1%のDPE10でコーティングされた「XX」であった。
実験規定食P1は、6%の家禽の脂肪で、次いで2%の液体PE2で、最後に1%のDPE11でコーティングされた「XX」であった。
【0148】
以下の表6に示されるように、食品の消費には、コントロール規定食Pと実験規定食P1との間で有意な差があり、アスコルビン酸を含むドライPEでコーティングされた実験規定食が、犬にとってより食味の良好なものであることが示された。
食味の結果は、乾燥前の液体PE10へのアスコルビン酸の添加によって、得られるDPE11の食味向上効果を、液体PE10を乾燥させることにより得られるDPE10に比べて増大させることを明白に示した。
この結果は、アスコルビン酸の食味向上効果が、アスコルビン酸を混合した液体PEを乾燥させた後でさえも得られることを実証した。
【0149】
【表6】
【0150】
2.6 - 実施例5:少量のアスコルビン酸を含む液体PEでドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「XX」と呼称される。この規定食は、実施例2A、2B、3、及び4において使用された規定食と同一であった。
【0151】
コントロール規定食Dは、6%の家禽の脂肪及び2%の液体PE3でコーティングされた「XX」であった(PE3=家禽内臓消化物)。
実験規定食D1は、6%の家禽の脂肪及び2%のミックス(99.92%のPE3+0.08%のアスコルビン酸)でコーティングされた「XX」であった。このミックスは、製造工程の最後に防腐剤を添加したところで液体PE3にアスコルビン酸を混合することにより調製された。
【0152】
以下の表7に示されるように、食味の結果は、規定食の0.0016質量%のレベルでのアスコルビン酸の添加によって、PE3の食味が強度に向上したことを明白に示した。この結果は、アスコルビン酸の食味向上効果が、アスコルビン酸が低濃度であり、PEが様々な群(例えば、肝臓ベースのPEまたは内臓ベースのPE)に属していても得られることをさらに実証した。
【0153】
【表7】
【0154】
2.7 - 実施例6:アスコルビン酸溶液でドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「XX」と呼称される。この規定食は、実施例2A、2B、3、4、及び5において使用された規定食と同一であった。
【0155】
コントロール規定食Dは、6%の家禽の脂肪及び2%の液体PE3(PE3=家禽内臓消化物)でコーティングされた「XX」であった。
実験規定食D2は、6%の家禽の脂肪及び2%の溶液(98.5%の水+1.5%のアスコルビン酸)でコーティングされた「XX」であった。この溶液は、アスコルビン酸を水に、完全に溶解するまで混合することにより調製された。
【0156】
表8に示される通り、食品の消費には、コントロール規定食Dと実験規定食D2との間で有意な差があり、溶液中のアスコルビン酸が強い食味向上効果を有して、PE3の食味を超えたことが実証された。
【0157】
【表8】
【0158】
2.8 - 実施例7:押出成形前にドッグフード処方にアスコルビン酸を配合した際の食味向上効果
犬による消費に適切ライフード組成物が調製された。この処方は、押出成形前にその処方中に0.05%または0.5%のアスコルビン酸を配合した二つを除いて全く同一であった。これら規定食は、本明細書では、処方中にアスコルビン酸が添加されていない規定食については「PCW」、処方中にアスコルビン酸を含む規定食については「PCI」(0.5%のアスコルビン酸を含有)及び「PCJ」(0.05%のアスコルビン酸含有)と呼称される。全ての規定食に押出成形及び乾燥処理を行った。これらの規定食は、上記において「XX」及び「YY」と呼称される前述のドッグフードとは異なっていた。
【0159】
コントロール規定食PCW1は、6%の家禽の脂肪で、次いで2%の液体PE2(=豚肝臓消化物B)でコーティングされた「PCW」であった。
実験規定食PCI1は、0.5%のアスコルビン酸を含み、6%の家禽の脂肪で、次いで2%の液体PE2でコーティングされた「PCI」であった。
実験規定食PCJ1は、0.05%のアスコルビン酸を含み、6%の家禽の脂肪で、次いで2%の液体PE2でコーティングされた「PCJ」であった。
【0160】
以下の表9に示されるように、食品の消費には、コントロール規定食PCW1と実験規定食PCI1及びPCJ1との間で有意な差があり、押出成形前にその処方中にアスコルビン酸を含む実験規定食C1が犬にとってより優れた食味を有することが実証された。食味の結果は、アスコルビン酸の添加によってドッグフード規定食の食味が強度に向上したこと、並びに、アスコルビン酸の食味向上効果が、アスコルビン酸を含むPEでキブルをコーティングした(上記実施例を参照のこと)ことのみならず、キブルのコアにアスコルビン酸を配合したことにもよって得られたことを明白に示した。
【0161】
【表9】
【0162】
2.9 - 実施例8:アスコルビン酸の誘導体及び/または異性体及び/または塩を含む液体PEでドッグフードをコーティングした際の食味向上効果
犬による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「XX」と呼称される。この規定食は、実施例2A、2B、3、4、及び5において使用された規定食と同一であった。
コントロール規定食Bは、6%の家禽の脂肪及び2%の液体PE2(PE2=豚肝臓消化物B、上記実施例を参照のこと)でコーティングされた「XX」であった。
【0163】
一連の実験食味エンハンサーを、液体PE2にアスコルビン酸、アスコルビン酸異性体、アスコルビン酸誘導体、及びアスコルビン酸塩から成る群より選択される化合物を混合することによって調製した。この添加は、製造工程の最後に防腐剤を添加したところで、液体PE2とアスコルビン酸またはその誘導体またはその異性体またはその塩とを混合することにより調製した。
実験規定食は、かくして得られた様々な食味エンハンサーでコーティングされた「XX」であった。
以下の表10に示されるように、食味の結果は、アスコルビン酸またはその誘導体またはその異性体またはその塩の添加によってPE2の食味が強度に向上したことを明白に示した。
【0164】
【表10】
【0165】
2.10 - 比較例9:アスコルビン酸を含む液体PEでキャットフードをコーティングした際の食味向上可能性の評価
猫で得られた結果を示すこの比較例は、犬で得られた結果を示す上記実施例と比較することができる。
猫による消費に適切であり、押出成形及び乾燥処理の後に得られる栄養的にバランスのとれたドライフード組成物が調製され、本明細書中では「CTX」と呼称される。
コントロール規定食Catは、6%の家禽の脂肪で、次いで3%の液体PE31(=猫用の液状豚肝臓消化物B)で、最後に2%のドライ食味エンハンサーDPE41(=猫用のドライ豚肝臓消化物B)でコーティングされた「CTX」であった。
【0166】
実験規定食Cat1は、6%の家禽の脂肪で、次いで3%のミックス(99.15%のPE31+0.85%のアスコルビン酸)で、最後に2%のドライDPE41でコーティングされた「CTX」であった。
実験規定食Cat2は、6%の家禽の脂肪で、次いで3%のミックス(98.3%のPE31+1.7%のアスコルビン酸)で、最後に2%のドライDPE41でコーティングされた「CTX」であった。
以下の表11に示されるように、猫による食品の消費には、コントロール規定食と実験規定食との間に有意な差はなく、アスコルビン酸と液体PE31との混合物を含む組成物が、犬について観察された結果とは異なり、猫においては、液体PE31を使用して得られたものと比較してもより優れた食味向上効果を達成できなかったことが実証された。
【0167】
【表11】