(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の番号の場合、より小さい番号の識別子の優先度を高くすることを特徴とする請求項7又は8に記載の通信システム。
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の文字列の場合、アルファベット順に前記識別子の優先度を高くすることを特徴とする請求項7又は8に記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
はじめに、
図1を用いて、本発明の一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態における通信システムの構成例を示す図である。通信システムは、通信装置1−1と通信装置1−2(特に区別する必要がない場合は、「通信装置1」と記載する)とを含む。
【0015】
通信装置1は、自装置で生成するクロックに同期する自走モードと、対向装置のクロックに同期する従属モードとを有している。通信装置1は、いずれかのクロックモード(自走モード又は従属モード)に応じたクロックにより、対向装置に送信信号を送信する。
【0016】
通信装置1は、対向する通信装置と識別子を交換し合い、当該識別子の優先度に従って、一方の通信装置を自走モードに設定し、他方の通信装置を従属モードに設定する。
【0017】
通信装置1−1は、例えば、自装置の識別子の優先度が、対向する通信装置1−2の識別子の優先度よりも高いことに応じて、当該自装置を自走モードに設定する。そして、通信装置1−1は、自装置のクロックを用いて、対向する通信装置1−2に送信信号を送信する。
【0018】
一方、通信装置1−1は、例えば、対向する通信装置1−2の優先度が、自装置の識別子の優先度よりも高いことに応じて、当該自装置を従属モードに設定する。そして、通信装置1−1は、受信信号から抽出した対向装置のクロックを用いて、対向する通信装置1−2に送信信号を送信する。
【0019】
上記のとおり、本発明の一実施形態では、通信装置1が、対向装置から受信した受信信号に含まれる対向装置の識別子と、自装置の識別子の優先度とに基づいて、自装置のクロックモードを決定する。対向する通信装置1の双方が、識別子の優先度に基づいてクロックモードを決定するので、一方の通信装置1のクロックモードを予め設定しておく必要がなく、クロックモードの設定を柔軟に行うことができる。
【0020】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
本発明の第1の実施形態における通信システムの構成例は、
図1に示す本発明の一実施形態における通信システムの構成例と同様である。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施形態における通信装置1の構成例を示す図である。
図2に示すように、通信装置1は、受信部11と、識別子抽出部12と、クロック抽出部13と、制御部14と、クロック生成部15と、送信部16とを備える。
【0024】
受信部11は、対向する通信装置1から受信信号を受信する。受信部11は、受信した受信信号を、識別子抽出部12と、クロック抽出部13と、制御部14とに通知する。
【0025】
識別子抽出部12は、受信した受信信号に含まれる、対向装置の識別子を抽出する。
【0026】
図3は、本発明の第1の実施形態における受信信号の例である。受信信号は、ヘッダ部分に、フラグ21と識別子22とを含む領域を含む。フラグ21は、受信信号を送信した装置が、通信装置の識別子の優先度に応じてクロックモードを設定する機能を備えることを示す情報である。フラグ21は、例えば、他のデータと混同することがない特定のパターンである。識別子22は、通信装置1に予め割り当てられた固有の番号や文字列であり、当該通信装置1を一意に識別可能な情報である。識別子22は、例えば、装置のシリアル番号、装置名と装置のシリアル番号とを組み合わせた情報、MACアドレス等である。
【0027】
識別子抽出部12は、受信信号に含まれるフラグ21を検出した場合に、当該フラグ21以降の情報を対向装置の識別子22として抽出する。識別子抽出部12は、抽出した識別子を制御部14に通知する。識別子抽出部12は、例えば、制御部14に対して、抽出した識別子を格納した受信識別子信号を用いて、当該抽出した識別子を通知する。
【0028】
クロック抽出部13は、対向装置から受信した受信信号から、当該対向装置のクロックを抽出する。クロック抽出部13は、抽出したクロックを、クロック生成部15に転送する。
【0029】
制御部14は、受信信号に含まれる識別子22と、自装置の識別子とを比較し、どちらの識別子の優先度が高いか判断する。
【0030】
制御部14は、予め定められたポリシーに基づいて、優先度の高い識別子を判断する。当該ポリシーは、例えば、識別子が固有の番号の場合、「より小さい番号の識別子が、優先度が高い」というものである。この場合、制御部14は、受信信号の識別子22が「12345」で、自装置の識別子が「23456」である場合、受信信号の識別子22の方が、優先度が高いと判断する。また、当該ポリシーは、例えば、識別子が固有のアルファベットの文字列の場合、「頭文字が「a(又はA)」に近い識別子が、優先度が高い」というものである。この場合、制御部14は、受信信号の識別子22が「bcdef」で、自装置の識別子が「abcde」である場合、自装置の識別子の方が、優先度が高いと判断する。
【0031】
制御部14は、受信信号の識別子22の優先度が高いと判断した場合、自装置が「従属モード」であると決定する。この場合、対向装置は、「自走モード」となる。一方、制御部14は、自装置の識別子の優先度が高いと判断した場合、自装置が「自走モード」であると決定する。この場合、対向装置は、「従属モード」となる。
【0032】
制御部14は、自装置が「従属モード」であると決定した場合、クロック生成部15に対して、クロック抽出部13から転送されたクロックを、送信部16に転送する旨を指示する。一方、制御部14は、自装置が「自走モード」であると決定した場合、クロック生成部15に対して、当該クロック生成部15で生成したクロックを、送信部16に転送する旨を指示する。制御部14は、例えば、クロック生成部15に対して、クロック設定信号を通知することにより、送信部16に転送するクロックを指示する。
【0033】
送信部16は、クロック生成部15から転送されたクロックに基づいて、送信信号を対向装置に送信する。
【0034】
図4は、本発明の第1の実施形態における、通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0035】
受信部11は、対向する通信装置1から受信信号を受信し(S101)、受信した受信信号を、識別子抽出部12と、クロック抽出部13と、制御部14とに通知する。
【0036】
識別子抽出部12は、受信信号に含まれる識別子を抽出し(S102)、抽出した識別子を制御部14に通知する。また、クロック抽出部13は、受信した受信信号から当該対向装置のクロックを抽出し、抽出したクロックを、クロック生成部15に転送する(S103)。
【0037】
制御部14は、受信信号に含まれる識別子22と、自装置の識別子とを比較し、どちらの識別子の優先度が高いか判断する(S104)。
【0038】
制御部14は、受信信号の識別子22の優先度が高いと判断した場合(S104のYES)、自装置が「従属モード」であると決定し(S105)、クロック生成部15に対して、クロック抽出部13から転送されたクロックを、送信部16に転送する旨を指示する(S106)。
【0039】
一方、制御部14は、自装置の識別子の優先度が高いと判断した場合(S104のNO)、自装置が「自走モード」であると決定し(S107)、クロック生成部15に対して、当該クロック生成部15で生成したクロックを、送信部16に転送する旨を指示する(S108)。
【0040】
送信部16は、クロック生成部15から通知されたクロックに基づいて、送信信号を対向装置に送信する(S109)。
【0041】
上記のとおり、本発明の第1の実施形態では、通信装置1が、対向装置から受信した受信信号に含まれる対向装置の識別子と、自装置の識別子の優先度とに基づいて、自装置のクロックモードを決定する。対向する通信装置1の双方が、識別子の優先度に基づいてクロックモードを決定するので、一方の通信装置1のクロックモードを予め設定しておく必要がなく、クロックモードの設定を柔軟に行うことができる。
【0042】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0043】
本発明の第2の実施形態の通信システムは、
図1に示す本発明の一実施形態の通信システムと同様である。
【0044】
図5は、本発明の第2の実施形態における通信装置1の構成例を示す図である。
図5に示すように、通信装置1は、受信信号断検出部17と、自動設定開始部18と、識別子生成部19とを備える。
【0045】
受信信号断検出部17は、受信信号の受信状況を監視する。受信信号断検出部17は、受信信号が一定時間受信されないことに応じて、受信信号の「断」を検出する。受信信号断検出部17は、受信信号の「断」を検出したことに応じて、自動設定開始部18に対して、受信信号断信号を通知する。受信信号断信号は、受信信号断検出部17が受信信号の「断」を検出した場合、その値が「1」となる信号である。
【0046】
また、受信信号断検出部17は、受信信号の「断」を検出した後、新たに受信信号を受信したことに応じて、自動設定開始部18における受信信号の「断」の状態を解除するために、受信信号断信号を再度通知する。受信信号断信号は、受信信号の「断」の状態を解除する場合、その値が「0」となる信号である。
【0047】
自動設定開始部18は、受信信号断信号の値が、「1」から「0」に変化したことに応じて、すなわち受信信号の受信が開始されたことに応じて、自動設定開始信号を制御部14に入力する。したがって、本発明の第2の実施形態における通信装置1は、対向する通信装置との通信が開始されたことに応じて、当該対向する通信装置1との間でクロックモードの同期を行うことができる。
【0048】
識別子抽出部12は、受信した受信信号に含まれる、対向装置の識別子を抽出する。なお、本発明の第2の実施形態において、識別子抽出部12は、当該受信信号に識別子が含まれていない場合は、識別子が含まれていない旨を示す情報を制御部14に通知する。
【0049】
制御部14は、自動設定開始信号を受信したことに応じて、クロックモードの設定動作を開始する。また、制御部14は、自動設定開始信号を受信したことに応じて、自動設定を開始する旨を示す情報を、識別子生成部19に通知する。制御部14は、例えば、識別子生成部19に対して、送信信号制御信号を用いて、当該自動設定を開始する旨を示す情報を通知する。
【0050】
制御部14は、自動設定開始信号を受信したに応じて、受信信号に含まれる識別子22と、自装置の識別子とを比較し、どちらの識別子の優先度が高いか判断する。その後、制御部14は、比較結果に応じて、自装置のクロックモードを決定する。
【0051】
なお、制御部14は、識別子抽出部12から識別子が含まれていない旨を示す情報を受信した場合、受信信号を送信した装置が通信装置の識別子の優先度に応じてクロックモードを設定する機能を備えていないと判断する。この場合、制御部14は、対向装置のクロックモードに基づいて、自装置のクロックモードを設定する。具体的には、制御部14は、クロック抽出部13が抽出したクロックと、クロック生成部15が生成する自装置のクロックとを比較し、周波数に差がある場合、自装置のクロックモードを「従属モード」と決定する。一方、制御部14は、周波数に差がない場合には、自装置のクロックモードを「自走モード」と決定する。
【0052】
識別子生成部19は、制御部14から、自動設定を開始する旨を示す情報を含む送信信号制御信号を受信したことに応じて、自装置の識別子を生成し、送信部16に通知する。一方、識別子生成部19は、制御部14から受信した送信信号制御信号に、当該自動設定を開始する旨を示す情報が含まれていない場合には、識別子の生成を行わない。
【0053】
送信部16は、識別子生成部19から自装置の識別子を受信したことに応じて、当該識別子を送信信号に格納し、対向装置へ送信する。
【0054】
図6は、本発明の第2の実施形態における、通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0055】
受信部11は、対向する通信装置1から受信信号を受信し(S201)、受信した受信信号を、識別子抽出部12と、クロック抽出部13と、制御部14と、受信信号断検出部17に通知する。
【0056】
受信信号断検出部17は、自動設定開始部18に対して、その値が「1」である受信信号断信号を通知する(S202)。自動設定開始部18は、制御部14に対して、自動設定開始信号を通知する(S203)。また、クロック抽出部13は、受信信号からクロックを抽出する(S204)。また、識別子抽出部12は、受信信号に含まれる識別子を抽出できるか否かを判断する(S205)。
【0057】
識別子抽出部12は、識別子を抽出できた場合(S205のYES)、抽出した識別子を制御部14に通知する(S206)。一方、識別子抽出部12は、識別子を抽出できない場合(S205のNO)、識別子が含まれていない旨を示す情報を制御部14に通知する(S207)。
【0058】
制御部14は、識別子抽出部12から識別子を通知されたことに応じて、受信信号に含まれる識別子22(通知された識別子)と、自装置の識別子とを比較し、どちらの識別子の優先度が高いか判断する(S208)。
【0059】
制御部14は、受信信号の識別子22の優先度が高いと判断した場合(S208のYES)、自装置が「従属モード」であると決定し(S209)、クロック生成部15に対して、クロック抽出部13から通知されたクロックを、送信部16に転送する旨を指示する(S210)。一方、制御部14は、自装置の識別子の優先度が高いと判断した場合(S208のNO)、自装置が「自走モード」であると決定し(S211)、クロック生成部15に対して、当該クロック生成部15で生成したクロックを、送信部16に転送する旨を指示する(S212)。
【0060】
一方、制御部14は、識別子が含まれていない旨を示す情報を通知されたことに応じて、クロック抽出部13が抽出したクロックと、クロック生成部15が生成するクロックとを比較する(S213)。制御部14は、比較の結果、周波数に差がある場合(S213のYES)、自装置が「従属モード」であると決定し(S214)、クロック生成部15に対して、クロック抽出部13が抽出したクロックを送信部16に転送する旨を指示する(S215)。一方、制御部14は、周波数に差がない場合には(S213のNO)、自装置のクロックモードを「自走モード」と決定し(S216)、クロック生成部15に対して、当該クロック生成部15で生成したクロックを、送信部16に転送する旨を指示する(S217)。
【0061】
送信部16は、クロック生成部15から転送されたクロックに基づいて、送信信号を対向装置に送信する(S217)。
【0062】
上記のとおり、本発明の第2の実施形態において、通信装置1は、対向装置が識別子の優先度に応じてクロックモードを設定する機能を備えていない場合には、自装置のクロックモードを、対向装置のクロックモードに応じて設定する。したがって、本発明の第2の通信装置1は、識別子の優先度に応じてクロックモードを設定する機能を備えている装置と、備えていない装置とが混在する通信システムにおいても、自装置のクロックモードを設定することが可能となる。
【0063】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0064】
本発明の第3の実施形態の通信システムは、
図1に示す本発明の一実施形態の通信システムと同様である。
【0065】
図7は、本発明の第3の実施形態における通信装置1の構成例を示す図である。
図7に示すように、本発明の第3の実施形態における通信装置1は、ポリシー管理部20を備える。
【0066】
ポリシー管理部20は、通信装置1の識別子の優先度を決定する際の条件である、ポリシーを記憶する。ポリシー管理部20に記憶されるポリシーは、例えば、識別子が固有の番号の場合、「より小さい番号の識別子が、優先度が高い」というものである。また、当該ポリシーは、例えば、識別子が固有のアルファベットの文字列の場合、「頭文字が「a(又はA)」に近い識別子が、優先度が高い」というものである。
【0067】
また、ポリシー管理部20は、例えば、通信システムに含まれる通信装置1の識別子と、当該識別子の優先度を数値で表したポリシーテーブルが記憶されていてもよい。
【0068】
図8は、ポリシーテーブルの構成例を示す図である。
図8に示すように、識別子「AAA」の通信装置1−1は、その優先度が「7」であることを示す。制御部14は、
図8に示すポリシーテーブルを参照することにより、識別子「AAA」の通信装置1−1は、識別子「BBB」の通信装置1−2(優先度は3)よりも優先度が高いことを把握することができる。
【0069】
ポリシー管理部20は、受信部11を介して、ポリシーの更新の要求を受信することに応じて、記憶するポリシーを更新する。ポリシーの更新の要求は、例えば、通信システムの管理者から通知される。当該管理者は、例えば制御装置(図示しない)から制御信号を送信して、ポリシーの更新を要求する。当該制御信号は、更新後のポリシーを含んでいてもよい。なお、ポリシー管理部20に記憶されるポリシーは、通信システムの管理者によって予め記憶されるものであってもよい。
【0070】
図9は、本発明の第3の実施形態における制御部14の構成例を示す図である。
図9に示すように、制御部14は、送信信号制御部141と、識別子比較部143と、クロック制御部142とを備える。
【0071】
送信信号制御部141は、自動設定開始信号が入力されたことに応じて、送信信号制御信号を送信部16に通知し、対向装置に送信信号を送信する旨を指示する。
【0072】
クロック制御部142は、送信信号制御信号が入力されている場合、自装置のクロックモードを「自走モード」とする旨を、クロック生成部15に通知する。
【0073】
識別子比較部143は、自動設定開始信号が入力されたことに応じて、受信信号に含まれる識別子22と、自装置の識別子とを比較し、どちらの識別子の優先度が高いか判断する。識別子比較部143は、ポリシー管理部に記憶されているポリシーに基づいて、どちらの識別子の優先度が高いかを判断する。
【0074】
識別子比較部143は、受信信号の識別子22の優先度が高いと判断した場合、自装置が「従属モード」であると決定する。一方、識別子比較部143は、自装置の識別子の優先度が高いと判断した場合、自装置が「自走モード」であると決定する。識別子比較部143は、決定した自装置のクロックモードを、クロック制御部142に通知する。
【0075】
識別子比較部143は、例えば、クロック制御部142に対して、クロックモード決定信号を用いて、決定した自装置のクロックモードを通知する。クロック制御部143は、クロック生成部15に対して、通知されたクロックモード決定信号に基づいて、クロックに関する情報を送信部16に転送する旨を指示する。具体的には、クロック制御部143は、自装置が「従属モード」である場合、クロック生成部15に対して、クロック抽出部13から通知されたクロックを、送信部16に転送する旨を指示する。一方、クロック制御部143は、自装置が「自走モード」である場合、クロック生成部15に対して、当該クロック生成部15で生成したクロックを、送信部16に転送する旨を指示する。
【0076】
送信信号制御部141は、識別子比較部143がクロック制御部142に対してクロック決定信号を送信したことに応じて、送信部16に対する送信信号制御信号の通知を停止する。送信信号制御部141は、例えば、識別子比較部143からクロック決定信号の通知を受けることによって、当該識別子比較部143がクロック制御部142に対してクロック決定信号を送信したことを検知する。そして、送信部16は、クロック生成部15から通知されたクロックに基づいて、送信信号を対向装置に送信する。このようにして、送信部16は、自装置のクロックによる送信信号の送信を一度停止し、新たに決定されたクロックモードにより送信信号を送信するように動作する。
【0077】
上記のとおり、本発明の第3の実施形態において、通信装置1は、識別子の優先度に関するポリシーを記憶するポリシー管理部20を備える。そして、通信装置1の制御部14は、当該ポリシー管理部20を参照することにより、自装置の識別子と、対向装置の識別子とのいずれの優先度が高いかを判断する。したがって、当該ポリシー管理部20のポリシーを外部から更新することによりポリシーを変化させることができるので、通信装置1のクロックモードの設定をより柔軟に行うことができる。
【0078】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0079】
本発明の第4の実施形態は、本発明を、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector) I.431に適用した実施形態である。
【0080】
図10は、本発明の第4の実施形態における通信システムの構成例である。
図10に示すように、本発明の第4の実施形態における通信システムは、通信装置2−1及び通信装置2−2(特に区別する必要がない場合は、「通信装置2」と記載する)を含む。
図10に示すように、通信装置2−1は、リンク3−1を介して、通信装置2−2に信号を送信する。一方、通信装置2−2は、リンク3−2を介して、通信装置2−1に信号を送信する。このように、本発明の第4の実施形態は、通信装置2−1から通信装置2−2への通信と、通信装置2−2から通信装置2−1への通信が異なるリンク(通信線)によって実行される、ITU−T I.431に適用する。
【0081】
図11は、本発明の第4の実施形態における、ITU−T I.431に準拠したフレームフォーマットの構成例である。
図11に示すように、フレームフォーマットは、193ビットのフレームをもとにした、24マルチフレームとなっている。
図11に示すように、フレームフォーマットのFビットには、各種の機能が割り当てられている。
【0082】
図12は、本発明の第4の実施形態における、ITU−T I.431に準拠したフレームフォーマットの構成例である。本発明の第4の実施形態において、通信装置2が対向装置に通知する識別子22は、
図12に示すフレームフォーマットのmビット(DL:Data Link)の未使用領域に挿入される。そのため、本発明の第4の実施形態において、フレームのDATA領域を用いずに、対向装置に自装置の識別子を通知することができる。なお、フレームフォーマットのmビット(DL)に未使用領域がない場合には、DATA領域を用いて、当該識別子を通知してもよい。
【0083】
通信装置2−1及び通信装置2−2は、通信開始時において、それぞれ異なるリンクを用いて、互いに自走モードにより信号を送信する。通信装置2は、フレームにフラグ21と識別子22とを挿入する。通信装置2−1及び通信装置2−2は、識別子を交換し、当該識別子の優先度に基づいて自装置のクロックモードを設定する。
【0084】
上記のとおり、本発明は、ITU−T I.431のフレームフォーマットのmビット(DL)又はデータ領域に識別子を格納することにより、当該ITU−T I.431のフレームフォーマットを適用して実施することができる。
【0085】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0086】
図13は、本発明の第5の実施形態における通信システムの構成例である。
図13に示すように、本発明の第5の実施形態における通信システムは、通信装置4−1及び通信装置4−2(特に区別する必要がない場合は、「通信装置4」と記載する)である。
図13に示すように、本発明の第5の実施形態は、通信装置4−1から通信装置4−2への通信と、通信装置4−2から通信装置4−1への通信が同じリンク(通信線)5によって実行される、ITU−T G.961 Appendix2に適用した実施形態である。
【0087】
ITU−T G.961 Appendix2では、双方向の通信が同一のリンク5により実行されるので、通信装置4は、エコーキャンセラー技術を適用して、互いに通信を実行している。エコーキャンセラー技術は、受信信号から自装置が送信した信号の成分を取り除く技術である。
【0088】
通信装置4は、通信開始時において、エコーキャンセラー技術を適用して自装置が送信した信号成分を取り除き、その後、対向装置から受信した受信信号から、対向装置の識別子を抽出する。
【0089】
本発明の第5の実施形態において、通信装置4の受信部11は、受信した受信信号から自装置が送信した信号成分を取り除き、その後、当該受信信号を識別子抽出部12と、クロック抽出部13と、制御部14に通知する。
【0090】
識別子抽出部12は、自装置が送信した信号成分が取り除かれた受信信号から、対向装置の識別子を抽出する。また、クロック抽出部13は、自装置が送信した信号成分が取り除かれた受信信号から、対向装置のクロックを抽出する。
【0091】
制御部14は、自動設定開始信号を受信したことに応じて、クロックモードの設定動作を開始する。また、制御部14は、自動設定開始信号を受信したことに応じて、自動設定を開始する旨を示す情報を、識別子生成部19に通知する。制御部14は、例えば、識別子生成部19に対して、送信信号制御信号を用いて、当該自動設定を開始する旨を示す情報を通知する。
【0092】
制御部14は、自動設定開始信号を受信したに応じて、受信信号に含まれる識別子22と、自装置の識別子とを比較し、どちらの識別子の優先度が高いか判断する。その後、制御部14は、比較結果に応じて、自装置のクロックモードを決定する。
【0093】
上記のとおり、本発明は、エコーキャンセラー技術を適用して自装置が送信した信号成分を取り除いた受信信号から対向装置のクロックや識別子を抽出することにより、ITU−T G.961 Appendix2に適用して実施することができる。
【0094】
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0095】
本発明の第6の実施形態の通信システムは、
図13に示す本発明の第5の実施形態の通信システムと同様である。本発明の第6の実施形態は、通信装置4−1から通信装置4−2への通信と、通信装置4−2から通信装置4−1への通信が同じリンク5によって行われる場合に、xDSL(Digital Subscriber Line)技術を適用した実施形態である。
【0096】
xDSL技術では、通信を開始する前に、ハンドシェークを実施し、対向する通信装置4の間で、通信方式や通信速度等の情報を交換する。ハンドシェークは、2点間の通信路を確立した後、データのやり取りを実行する前に、パラメータを取り決めるなどの事前のやり取りを自動的に行う技術である。取り決めるパラメータは、例えば、情報の転送レートや、符号の種類、プロトコル、通信装置4に固有の設定等である。
【0097】
ここで、ハンドシェークは、対向する通信装置4のクロックモードが設定されていないと実行することができない。ハンドシェークは、自走モードに設定された通信装置4と、従属モードに設定された通信装置4とでは、異なるキャリア周波数を使用して、実行されるためである。対向する通信装置4のクロックモードが設定されていない場合、対向する通信装置4は、異なるキャリア周波数を使用して、双方向の通信を行うことができないので、ハンドシェークを行うことができない。
【0098】
そこで、本発明の第6の実施形態では、通信装置4は、ハンドシェークを実行する前に、受信した受信信号から、エコーキャンセラー技術を適用して自装置が送信した信号成分を取り除く。その後、通信装置4は、対向装置から受信した受信信号から、対向装置の識別子を抽出する。そして、通信装置4は、受信信号に含まれる識別子22と、自装置の識別子とを比較し、どちらの識別子の優先度が高いか判断し、比較結果に応じて自装置のクロックモードを決定する。
【0099】
通信装置4は、自装置のクロックモードが決定された後に、自装置のクロックモードに対応するキャリア周波数を用いて、ハンドシェークを実行する。通信装置4は、ハンドシェークにより、対向装置との間で各種のパラメータを決定し、データのやり取りを実行する。
【0100】
上記のとおり、本発明は、エコーキャンセラー技術を適用して自装置が送信した信号成分を取り除いた受信信号を用いて通信装置4のクロックモードを決定し、その後ハンドシェークを実行することにより、xDSL技術を適用して実施することができる。
【0101】
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態について、説明する。第7の実施形態において、通信装置1、2及び4のコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro−Processing Unit)等は、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を実行する。
【0102】
本発明の第7の実施形態において、通信装置1、2及び4は、例えばCD−R(Compact Disc Recordable)等の各種記憶媒体又はネットワークを介して、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を取得する。通信装置1、2及び4が取得するプログラム、又は、該プログラムを記憶した記憶媒体は、本発明を構成することになる。なお、該ソフトウェア(プログラム)は、例えば、通信装置1、2及び4に含まれる所定の記憶部に、予め記憶されていてもよい。
【0103】
通信装置1、2及び4のコンピュータ、CPU又はMPU等は、取得したソフトウェア(プログラム)のプログラムコードを読み出して実行する。したがって、当該通信装置1、2及び4は、上述した各実施形態における通信装置1、2及び4の処理と同一の処理を実行する。
【0104】
本発明の第7の実施形態によれば、通信装置1、2及び4のコンピュータ、CPU又はMPU等に実現するためのプログラムといった用途に適用できる。
【0105】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0106】
[付記1]
対向して接続される第1及び第2の通信装置を含み、
前記第1及び第2の通信装置は、
前記通信装置を一意に識別する識別子をそれぞれ交換し合い、
前記識別子の優先度に従って、一方の通信装置を自装置で生成するクロックに同期する自走モードに設定し、他方の通信装置を対向装置のクロックに同期する従属モードに設定することを特徴とする通信システム。
【0107】
[付記2]
前記第1及び第2の通信装置は、
優先度が高い識別子の通信装置が、前記自走モードに設定され、
前記優先度が低い識別子の通信装置が、前記従属モードに設定される
ことを特徴とする付記1に記載の通信システム。
【0108】
[付記3]
前記第1及び第2の通信装置は、
受信した受信信号から対向装置の識別子を抽出し、
前記抽出した識別子と自装置の識別子とを比較して、優先度の高い識別子を判断する
ことを特徴とする付記1又は2に記載の通信システム。
【0109】
[付記4]
前記第1及び第2の通信装置のそれぞれは、前記識別子の優先度を決定する所定のポリシーを記憶する記憶部を備え、
前記識別子の優先度は、前記所定のポリシーに基づいて決定されることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の通信システム。
【0110】
[付記5]
前記記憶部は、前記所定のポリシーの更新の要求に応じて、記憶する前記所定のポリシーを更新することを特徴とする付記4に記載の通信システム。
【0111】
[付記6]
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の番号の場合、より小さい番号の識別子の優先度を高くすることを特徴とする付記4又は5に記載の通信システム。
【0112】
[付記7]
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の文字列の場合、アルファベット順に前記識別子の優先度を高くすることを特徴とする付記4又は5に記載の通信システム。
【0113】
[付記8]
前記記憶部は、前記所定のポリシーとして、前記通信装置の識別子と前記通信装置の優先度とを対応付けて記憶し、
前記第1及び第2の通信装置は、前記記憶部を参照して、自装置の識別子と、対向装置の識別子とのうち優先度の高い識別子を決定する
ことを特徴とする付記4又は5に記載の通信システム。
【0114】
[付記9]
前記第1及び第2の通信装置のいずれかは、対向装置が前記識別子の優先度に応じてクロックモードを設定する機能を備えていない場合、前記対向装置のクロックモードに応じて、自装置のクロックモードを決定する
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の通信システム。
【0115】
[付記10]
前記第1及び第2の通信装置は、
前記第1の通信装置から第2の通信装置への通信を第一の通信路で実行し、前記第2の通信装置から第1の通信装置への通信を第二の通信路で実行する場合において、通信開始前に、前記第1及び第2の識別子とを交換し合う
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載の通信システム。
【0116】
[付記11]
前記第1及び第2の通信装置は、
1つの通信路により通信を実行する場合において、受信信号から自装置が送信した送信信号の成分を取り除くエコーキャンセラーを実行した後に、前記受信信号から対向装置の識別子を抽出する
ことを特徴とする付記1乃至10のいずれかに記載の通信システム。
【0117】
[付記12]
前記第1及び第2の通信装置は、
1つの通信路により通信を実行する場合において、受信信号から自装置が送信した送信信号の成分を取り除くエコーキャンセラーを実行した後に、前記受信信号から対向装置の識別子を抽出し、前記抽出した識別子と前記自装置の識別子とに基づいて、第1及び第2のクロックモードを決定した後に、前記通信に必要なパラメータの取り決めを行うハンドシェークを実行する
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれかに記載の通信システム。
【0118】
[付記13]
対向装置から受信した受信信号から、前記対向装置の識別子を抽出する識別子抽出部と、
自装置のクロックモードを、前記抽出した識別子の優先度と前記自装置の識別子の優先度とに従って、前記自装置で生成するクロックに同期する自走モード、又は、対向装置のクロックに同期する従属モードのいずれかに設定する制御部と、
前記制御部が設定したクロックモードに基づいて、対向装置に送信信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【0119】
[付記14]
前記制御部は、前記抽出した識別子と自装置の識別子とを比較して、優先度の高い識別子を判断することを特徴とする付記13に記載の通信装置。
【0120】
[付記15]
前記制御部は、
前記抽出した識別子の優先度が前記自装置の識別子の優先度よりも高い場合、前記自装置を前記従属モードに設定し、
前記自装置の識別子の優先度が前記抽出した識別子の優先度よりも高い場合、前記自装置を前記自走モードに設定する
ことを特徴とする付記13又は14に記載の通信装置。
【0121】
[付記16]
前記識別子の優先度を決定する所定のポリシーを記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部を参照して、前記抽出した識別子と自装置の識別子とのうち、優先度の高い識別子を判断する
ことを特徴とする付記13乃至15のいずれかに記載の通信装置。
【0122】
[付記17]
前記記憶部は、前記所定のポリシーの更新の要求に応じて、記憶する前記所定のポリシーを更新することを特徴とする付記16に記載の通信装置。
【0123】
[付記18]
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の番号の場合、より小さい番号の識別子の優先度を高くすることを特徴とする付記16又は17に記載の通信装置。
【0124】
[付記19]
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の文字列の場合、アルファベット順に前記識別子の優先度を高くすることを特徴とする付記16又17に記載の通信装置。
【0125】
[付記20]
前記記憶部は、前記所定のポリシーとして、前記通信装置の識別子と前記通信装置の優先度とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記記憶部を参照して、自装置の識別子と、対向装置の識別子とのうち優先度の高い識別子を決定する
ことを特徴とする付記16又は17に記載の通信装置。
【0126】
[付記21]
前記制御部は、前記識別子抽出部が前記対向装置から受信した受信信号から、前記対向装置の識別子を抽出できない場合、前記対向装置のクロックモードに応じて、自装置のクロックモードを設定することを特徴とする付記13乃至20のいずれかに記載の通信装置。
【0127】
[付記22]
前記受信信号から、前記対向装置のクロックを抽出するクロック抽出部と、
前記自装置のクロックを生成するクロック生成部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記自装置を前記従属モードに設定した場合、前記送信部が前記クロック抽出部によって抽出されたクロックで前記送信信号を送信するよう制御し、
前記制御部は、前記自装置を前記自走モードに設定した場合、前記送信部が前記クロック生成部によって生成されたクロックで前記送信信号を送信するよう制御する
ことを特徴とする付記13乃至21のいずれかに記載の通信装置。
【0128】
[付記23]
前記対向装置からの受信信号の状況を監視する受信信号断検出部をさらに備え、
前記制御部は、
前記受信信号検出部が、所定の時間、前記受信信号の受信を検出しないことに応じて、前記自装置のクロックモードの設定を停止し、
前記受信信号検出部が、前記自装置のクロックモードの設定の停止後、前記受信信号の受信を検出したことに応じて、前記自装置のクロックモードの設定を開始する
ことを特徴とする付記13乃至21のいずれかに記載の通信装置。
【0129】
[付記24]
対向装置から受信した受信信号から、前記対向装置の識別子を抽出し、
自装置のクロックモードを、前記抽出した識別子の優先度と前記自装置の識別子の優先度とに従って、前記自装置で生成するクロックに同期する自走モード、又は、対向装置のクロックに同期する従属モードのいずれかに設定し、
前記設定したクロックモードに基づいて、対向装置に送信信号を送信する
ことを特徴とする通信方法。
【0130】
[付記25]
前記抽出した識別子と自装置の識別子とを比較して、優先度の高い識別子を判断することを特徴とする付記24に記載の通信方法。
【0131】
[付記26]
前記抽出した識別子の優先度が前記自装置の識別子の優先度よりも高い場合、前記自装置を前記従属モードに設定し、
前記自装置の識別子の優先度が前記抽出した識別子の優先度よりも高い場合、前記自装置を前記自走モードに設定する
ことを特徴とする付記24又は25に記載の通信方法。
【0132】
[付記27]
前記識別子の優先度を決定する所定のポリシーを記憶し、
前記記憶された所定のポリシーに基づいて、前記抽出した識別子と自装置の識別子とのうち、優先度の高い識別子を判断する
ことを特徴とする付記24乃至26のいずれかに記載の通信方法。
【0133】
[付記28]
前記所定のポリシーの更新の要求に応じて、記憶する前記所定のポリシーを更新することを特徴とする付記27に記載の通信方法。
【0134】
[付記29]
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の番号の場合、より小さい番号の識別子の優先度を高くすることを特徴とする付記27又は28に記載の通信方法。
【0135】
[付記30]
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の文字列の場合、アルファベット順に前記識別子の優先度を高くすることを特徴とする付記27又28に記載の通信方法。
【0136】
[付記31]
前記所定のポリシーとして、前記通信装置の識別子と前記通信装置の優先度とを対応付けて記憶し、
前記記憶した対応付けを参照して、自装置の識別子と、対向装置の識別子とのうち優先度の高い識別子を決定する
ことを特徴とする付記27又は28に記載の通信方法。
【0137】
[付記32]
前記対向装置から受信した受信信号から、前記対向装置の識別子を抽出できない場合、前記対向装置のクロックモードに応じて、自装置のクロックモードを設定することを特徴とする付記24乃至31のいずれかに記載の通信方法。
【0138】
[付記33]
前記受信信号から、前記対向装置のクロックを抽出し、
前記自装置のクロックを生成し、
前記自装置を前記従属モードに設定した場合、前記抽出されたクロックで前記送信信号を送信するよう制御し、
前記自装置を前記自走モードに設定した場合、前記生成されたクロックで前記送信信号を送信するよう制御する
ことを特徴とする付記24乃至32のいずれかに記載の通信方法。
【0139】
[付記34]
前記対向装置からの受信信号の状況を監視し、
所定の時間、前記受信信号の受信を検出しないことに応じて、前記自装置のクロックモードの設定を停止し、
前記自装置のクロックモードの設定の停止後、前記受信信号の受信を検出したことに応じて、前記自装置のクロックモードの設定を開始する
ことを特徴とする付記24乃至33のいずれかに記載の通信方法。
【0140】
[付記35]
対向装置から受信した受信信号から、前記対向装置の識別子を抽出する処理と、
自装置のクロックモードを、前記抽出した識別子の優先度と前記自装置の識別子の優先度とに従って、前記自装置で生成するクロックに同期する自走モード、又は、対向装置のクロックに同期する従属モードのいずれかに設定する処理と、
前記設定したクロックモードに基づいて、対向装置に送信信号を送信する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0141】
[付記36]
前記抽出した識別子と自装置の識別子とを比較して、優先度の高い識別子を判断する処理を含むことを特徴とする付記35に記載のプログラム。
【0142】
[付記37]
前記抽出した識別子の優先度が前記自装置の識別子の優先度よりも高い場合、前記自装置を前記従属モードに設定する処理と、
前記自装置の識別子の優先度が前記抽出した識別子の優先度よりも高い場合、前記自装置を前記自走モードに設定する処理と
を含むことを特徴とする付記35又は36に記載のプログラム。
【0143】
[付記38]
前記識別子の優先度を決定する所定のポリシーを記憶する処理と、
前記記憶された所定のポリシーに基づいて、前記抽出した識別子と自装置の識別子とのうち、優先度の高い識別子を判断する処理と
を含むことを特徴とする付記35乃至37のいずれかに記載のプログラム。
【0144】
[付記39]
前記所定のポリシーの更新の要求に応じて、記憶する前記所定のポリシーを更新する処理を含むことを特徴とする付記38に記載のプログラム。
【0145】
[付記40]
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の番号の場合、より小さい番号の識別子の優先度を高くすることを特徴とする付記38又は39に記載のプログラム。
【0146】
[付記41]
前記所定のポリシーは、前記識別子が前記通信装置に固有の文字列の場合、アルファベット順に前記識別子の優先度を高くすることを特徴とする付記38又39に記載のプログラム。
【0147】
[付記42]
前記所定のポリシーとして、前記通信装置の識別子と前記通信装置の優先度とを対応付けて記憶する処理と、
前記記憶した対応付けを参照して、自装置の識別子と、対向装置の識別子とのうち優先度の高い識別子を決定する処理と
を含むことを特徴とする付記38又は39に記載のプログラム。
【0148】
[付記43]
前記対向装置から受信した受信信号から、前記対向装置の識別子を抽出できない場合、前記対向装置のクロックモードに応じて、自装置のクロックモードを設定する処理を含むことを特徴とする付記35乃至42のいずれかに記載のプログラム。
【0149】
[付記44]
前記受信信号から、前記対向装置のクロックを抽出する処理と、
前記自装置のクロックを生成する処理と、
前記自装置を前記従属モードに設定した場合、前記抽出されたクロックで前記送信信号を送信するよう制御する処理と、
前記自装置を前記自走モードに設定した場合、前記生成されたクロックで前記送信信号を送信するよう制御する処理と
を含むことを特徴とする付記35乃至43のいずれかに記載のプログラム。
【0150】
[付記45]
前記対向装置からの受信信号の状況を監視する処理と、
所定の時間、前記受信信号の受信を検出しないことに応じて、前記自装置のクロックモードの設定を停止する処理と、
前記自装置のクロックモードの設定の停止後、前記受信信号の受信を検出したことに応じて、前記自装置のクロックモードの設定を開始する処理と
を含むことを特徴とする付記35乃至44のいずれかに記載のプログラム。