(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記触感制御部は、前記車両の速度が速くなるに従って、前記車両の速度に基づく触感の領域が移動する速度が速くなるように前記触感を制御することを特徴とする、請求項1に記載の触感制御システム。
前記車両情報は、前記車両における走行制御系情報と、ボディ系情報と、情報機器に関する状態または情報とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の触感制御システム。
前記工程(b)は、前記車両の速度が速くなるに従って、前記車両の速度に基づく触感の領域が移動する速度が速くなるように前記触感を制御することを特徴とする、請求項14に記載の触感制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0014】
<実施の形態1>
まず、本発明の実施の形態1による触感制御システムの構成について説明する。なお、本実施の形態および以下の各実施の形態においては、触感制御システムを触感制御装置単体で実現した場合について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態1による触感制御装置1の構成の一例を示すブロック図である。なお、
図1では、触感制御装置1を構成する必要最小限の構成要素を示している。
【0016】
図1に示すように、触感制御装置1は、少なくとも車両情報取得部2と、触感制御部3とを備えている。
【0017】
車両情報取得部2は、車両の走行または車両内に設けられた機器に関する情報を車両情報として取得する。
【0018】
触感制御部3は、車両情報取得部2にて取得された車両情報に基づいて、表示器とは別個に設けられたタッチパッドの操作面に対する操作時のユーザの触感を、車両の状態に応じて制御する。
【0019】
ここで、触感制御部3が制御する触感について、
図2〜6を用いて説明する。
【0020】
図2は、「つるつる」、「半ザラザラ」、および「ザラザラ」の3つの触感の一例を示す図である。
【0021】
図2において、横軸は触感の強さを示しており、最も左側の一列は「つるつる」を示し、中央の二列は「半ザラザラ」を示し、最も右側の一列は「ザラザラ」を示している。また、各四角内に示す黒で表現したドットや線のパターン部分を例えば超音波振動によって振動させることによって、四角内全体の触感を表現している。すなわち、例えば各四角内における振動の強さが同じである場合において、
図2の左側よりも右側の方が「ザラザラ」の触感が強くなる。具体的には、
図2の1行目はドットの目が大きいほどザラザラの触感が強いことを示し、2行目は格子の間隔が狭いほどザラザラの触感が強いことを示し、3行目は線が破線から実線、かつ線が太くなるに従ってザラザラの触感が強いことを示している。なお、ザラザラの触感のパターンは、
図2にこだわるものではなく、無限の組み合わせが存在する。
【0022】
図2の例は、振動の強さが同じであってもパターンを変えることによって異なるザラザラの触感を得る方法を示したが、同一のパターンであっても振動の強さを変えると異なるザラザラの触感を得ることができる。
【0023】
「つるつる」の触感は、例えば超音波振動を行わないことによって表現することができる。
【0024】
「ザラザラ」の触感は、例えば予め定められた閾値以上の強さで超音波振動を行うことによって表現することができる。
【0025】
「半ザラザラ」の触感は、例えば上記の閾値よりも小さい超音波振動を行うことによって表現することができる。
【0026】
また、振動の強さと、
図2に示すようなザラザラの触感のパターンとの両方を組み合わせることによって、ザラザラの触感の強弱を表現することができる。
【0027】
図2は、ザラザラの触感のパターンと、振動の強度が変化しない静的なザラザラの触感の発生とについて説明したが、振動の強弱を時間的に変化させたり、ザラザラの触感のパターンを時間的に変化させたりすることによって(すなわち、振動の強弱、あるいはザラザラの触感のパターンを動的に変化させることによって)、動くザラザラの触感を表現することができる。
【0028】
図3〜5は、振動の強度を時間的に変化させることによって「動くザラザラ」の触感を発生させる一例を示す図である。
図3〜5において、横軸は時間、縦軸は触感の強さを示している。
【0029】
図3は、触感の強さを一定にし、かつ当該触感が一定周期で発生する場合について示している。また、
図4は、触感の強さを変化させ、かつ当該触感が一定周期で発生する場合について示している。また、
図5は、触感の強さを一定にし、かつ当該触感の発生の周期が変化する場合について示している。
【0030】
図3〜5に示すように触感を変化させることによって、ユーザは例えば「ザラザラ」した領域が動いているかのような触感(すなわち、「動くザラザラ」の触感)を得ることができる。なお、
図3〜5では、「ザラザラ」の触感と「つるつる」の触感とを交互に切り替えているが、「ザラザラ」の触感と「半ザラザラ」の触感とを交互に切り替えてもよく、「ザラザラ」の触感を離散的ではなく連続的に切り替えてもよく、連続的変化と離散的変化とを自由に組み合わせてもよい。
【0031】
図6は、ザラザラの触感のパターンが時間的に変化することによって「動くザラザラ」の触感を発生させる他の一例を示す図である。
図6において、縦軸は時間を示している。また、領域aおよび領域bは、例えば「ザラザラ」の触感を有している。
【0032】
図6に示すように、領域aおよび領域bは、時間の経過とともに位置が移動している。このように、触感を有する領域aおよび領域bを移動させることによって、ユーザは例えば「ザラザラ」した領域が動いているかのような触感(すなわち、「動くザラザラ」の触感)を得ることができる。なお、領域aおよび領域bの各々は、
図3〜5にいずれかに示すような触感を有していてもよい。
【0033】
また、
図6では、「ザラザラ」の触感の領域と「つるつる」の触感の領域とを時間的に移動させているが、「ザラザラ」の触感の領域と「半ザラザラ」の触感の領域とを構成して時間的に移動させてもよく、「ザラザラ」の触感が離散的または連続的に変化する領域を構成し、当該領域を時間的に移動させるようにしてもよい。
図3〜6において、連続的に変化する「ザラザラ」の触感を採用した場合は、滑らかな「動くザラザラ」の触感を得ることができる。
【0034】
次に、
図1の車両情報取得部2および触感制御部3を含む触感制御装置1の他の構成について説明する。
【0035】
図7は、触感制御装置4の構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図7に示すように、触感制御装置4は、車両情報取得部2と、触感制御部3と、制御部5と、表示情報生成出力部6と、操作情報取得部7と、制限速度判断部8とを備えている。また、表示情報生成出力部6は表示器9に接続され、触感制御部3および操作情報取得部7は触感タッチパッド10に接続されている。
【0037】
車両情報取得部2は、車内LAN(Local Area Network)を介して、車両内に設けられた各種センサーによって検出されたセンサー情報(車速パルス情報など)、車両の制御情報(車両の走行制御系情報やボディ系情報)、GPS(Global Positioning System)情報、あるいは車両内に設けられた機器からの情報などを車両情報として取得する。
【0038】
触感制御部3は、車両情報取得部2にて取得された車両情報に基づいて、車両の状態に応じた触感タッチパッド10の操作面の触感を制御するための触感制御情報を触感タッチパッド10に出力する。
【0039】
制御部5は、触感制御装置4全体の制御を行う。
図7に示す例では、制御部5は、車両情報取得部2、触感制御部3、および表示情報生成出力部6の制御を行う。
【0040】
表示情報生成出力部6は、制御部5の指示に従って表示情報を生成する。また、表示情報生成出力部6は、生成した表示情報を映像信号に変換して表示器9に出力する。
【0041】
操作情報取得部7は、触感タッチパッド10から、当該触感タッチパッド10に対するユーザの操作に関する情報を操作情報として取得する。
【0042】
制限速度判断部8は、車両が走行する道路の制限速度を判断する。制限速度は、車両の車種(車格)によって異なるので当該車種を加味する。ここでいう制限速度とは、法定速度のことである。制限速度は、種々の方法で判断または推測することができる。例えば、簡易的な推測方法としては、(1)高速道路以外の一般道路の制限速度を一律60km/hとし、車両の走行速度が80km/hを超えた場合は、車両が高速道路を走行中であると判断して制限速度を100km/hとする。(2)高速道路を走行中か、または一般道路を走行中かを判断する方法として、ETC(Electronic Toll Collection System、登録商標)から情報を得る方法もある。(3)図示しない地
図DB(database)に記憶されている地図情報と、車両情報取得部2にて取得されたGPS情報による車両の現在位置情報とに基づいて、車両が走行している道路の制限速度を判断する。なお、地
図DBは、車両内外のいずれに設けられていてもよい。ここで、地
図DBは、道路ごとの制限速度情報を道路属性として備えているものとする。(4)VICS(Vehicle Information and Communication System、登録商標)におけるビーコンなどの道路インフラ(路車間通信)から制限速度情報を取得する。(5)車両情報取得部2にて取得されたGPS情報と自車両の走行方向に関する情報とを外部のサーバにアップロードし、当該GPS情報と走行方向に関する情報とに基づいて決定された車両の制限速度を外部のサーバから取得する。(6)車両に備えられたカメラ(図示せず)が撮影した画像から道路標識を認識することによって制限速度を判断する。
【0043】
表示器9は、表示情報生成出力部6から入力された表示情報を表示画面に表示する。
【0044】
触感タッチパッド10は、ユーザによるタッチ操作に関する情報(タッチの有無、タッチの位置、操作内容などの情報)を操作情報として操作情報取得部7に出力する。また、触感タッチパッド10は、触感制御部3から入力された触感制御情報に基づいて、触感タッチパッド10の操作面における任意の位置の触感(「つるつる」、「半ザラザラ」、「ザラザラ」、「動くザラザラ」)を変化させる。なお、触感タッチパッド10は、表示器9とは異なる箇所に別個に設けられており、例えば車両の運転席と助手席との間にあるシフトレバー付近に設けられている。触感タッチパッド10は、運転席または助手席から操作できる位置であればいかなる位置に設置されてもよい。また、触感タッチパッド10における触感が発生する領域の大きさと、表示器9における表示領域の大きさとは、同じであってもよく、相似関係であってもよく、相似関係でなくてもよい。
【0045】
次に、触感制御装置4の動作について説明する。
【0046】
図8は、触感制御装置4の動作の一例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS11において、車両情報取得部2は、車両情報を取得する。
【0048】
ステップS12において、表示情報生成出力部6は、制御部5の指示に従って、車両情報取得部2にて取得された車両情報を表示情報として生成し、生成した表示情報を映像信号に変換して表示器9に出力する。
【0049】
ステップS13において、触感制御部3は、制御部5の指示に従って、車両情報に基づいて触感制御情報を設定する。
【0050】
ステップS14において、触感制御部3は、ステップS13にて設定された触感制御情報を触感タッチパッド10に出力する。触感タッチパッド10では、触感制御部3から入力された触感制御情報に基づいて、車両情報に応じた触感が生じた状態となる。
【0051】
次に、触感制御装置4の具体的な動作例について説明する。
【0052】
図9は、メータパネル11に設けられた表示器9の一例を示している。なお、
図9に示すメータパネル11は、車両のインストルメントパネル部に設けられているものとする。
図10は、触感タッチパッド10における触感の発生の一例を示している。
【0053】
図9に示すように、メータパネル11には、表示器9および速度計12が設けられている。速度計12は、車両情報取得部2にて取得された車両情報に含まれる速度情報(車速パルス情報)に基づいて車両の速度を示している。なお、表示器9は、速度計12を画像として表示してもよく、メータパネル11の全域を表示器9の表示領域としてもよい。
【0054】
図10に示すように、触感タッチパッド10の操作面には、触感が「つるつる」の領域と、触感が「ザラザラ」の領域とが交互に配置されている。「つるつる」の領域および「ザラザラ」の領域は、車両情報取得部2にて取得された車両情報に含まれる速度情報と、制限速度判断部8にて判断された制限速度とに基づいて動的に移動する。
【0055】
図11は、車両の速度と、触感タッチパッド10の操作面における触感の移動速度との関係の一例を示す図である。
図11において、横軸は車両の速度(v)を示し、縦軸は触感タッチパッド10の操作面における触感の移動速度(触感の領域が移動する速度、M)を示している。Vrは、制限速度判断部8にて判断された制限速度を示している。
【0056】
図11に示すように、(1)車両の速度vが制限速度Vrよりも速い場合(v>Vr)は、車両の速度vが速くなるに従って触感の移動速度も正の方向(
図10における上から下への方向)に速くなる(M>0)。(2)車両の速度vが制限速度Vrの80%の速度よりも速く制限速度Vr以下である場合(0.8Vr<v≦Vr)は、車両の速度vに関わらず触感は移動しない(M=0)。(3)車両の速度vが制限速度Vrの80%の速度以下である場合(v≦0.8Vr)は、車両の速度vが遅くなるに従って触感の移動速度も負の方向(
図10における下から上への方向)に速くなる(M<0)。これにより、ユーザは、制限速度Vrに対する相対的な車両の速度vを触感で把握することができる。
【0057】
なお、
図11では、(v≦0.8Vr)の場合に触感を移動させたが、制限速度以内の場合は触感を移動させないようにしてもよい。また、高速道路の場合は、最低走行速度よりも遅い速度で走行した場合に(M<0)の触感の移動を発生させるようにしてもよい。
【0058】
また、上記では、走行速度と触感の移動速度とは直線的に変化するように制御したが、直線的な変化に限らず、例えば単調上昇的な曲線でもよい。また、定められた速度超過範囲に従って触感の移動速度を変化させてもよい。例えば、0〜10km/hを超えたときは触感の移動速度をM1とし、10〜20km/hを超えたときは触感の移動速度をM2(>M1)とし、20km/hを超えたときは触感の移動だけでなく触感の強さも強くするようにしてもよい。
【0059】
また、
図12に示すように、触感タッチパッド10の左側の領域を制限速度Vrに基づく触感の領域とし、触感タッチパッド10の右側の領域を車両の速度vに基づく触感の領域としてもよい。このとき、車両の速度と、触感タッチパッド10の操作面における触感の移動速度との関係は、例えば
図13に示す関係であってもよい。これにより、ユーザは、制限速度Vrと車両の速度vとを触感で把握することができる。なお、
図12,13に示すMrは、制限速度に基づく触感の移動速度を示している。触感タッチパッド10の左半分は制限速度Vrに対応した一定速度Mrで触感が移動し、触感タッチパッド10の右半分は車速vに対応した速度Mで触感が移動する。また、車速vと速度Mとの関係は、
図13に示すような直線に限らず、曲線、離散的な直線、または対数曲線などを組み合わせて実現してもよい。
【0060】
上記では、車両の速度に応じて触感を変える場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、表示器9(車両内に設けられた機器)の表示内容(ナビゲーション画面、カメラにて撮影された映像、警告灯など)に応じて触感が異なるようにしてもよい。なお、ナビゲーション画面を表示器9に表示する場合は、触感制御装置4がナビゲーション機能を有する必要がある。また、カメラにて撮影された映像を表示器9に表示する場合は、車両にカメラを備える必要がある。また、警告灯を表示器9に表示する場合は、警告灯に関する情報を車両情報として車両情報取得部2から取得すればよい。また、他の例として、表示器9における表示状態(情報の表示または非表示)に応じて触感が異なるようにしてもよい。
【0061】
また、
図7では、触感制御装置4は表示器9に情報を表示し、触感タッチパッド10から操作入力情報を得ているが、触感制御装置4は単に触感タッチパッド10の触感を制御するような構成であってもよい。すなわち、触感制御装置4は、表示情報生成出力部6、および操作情報取得部7を構成要素とせず、単に車速に比例するような触感を発生するように触感タッチパッド10を制御することになる。
【0062】
また、触感制御装置4は、表示器9に表示されている情報または表示オブジェクトの配置情報(情報機器に関する状態または情報)を車両情報取得部2から取得し、取得した情報に対応した触感を発生させるように触感タッチパッド10を制御するようにしてもよい。
【0063】
また、触感制御装置4は、操作情報取得部7を構成要素とし、操作情報取得部7が取得した操作情報を、車両情報取得部2を介して表示器9を制御する装置に通信により送信するようにしてもよい。この場合、触感制御装置4は、触感の発生させる機能と、表示器9を制御する装置の操作部としての機能を有する。
【0064】
上記では、表示器9がメータパネル11に設けられる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、表示器9は、AVN(Audio Visual Navigation)における表示器であってもよい。
【0065】
上記では、触感制御装置4が制限速度判断部8を備える場合について説明したが、制限速度判断部8を備えずに、車両情報取得部2にて取得された車両情報(車両の速度情報)のみを用いて触感を制御してもよい。例えば、車速が速くなるほど触感の移動速度が速くなるように触感を制御してもよい。
【0066】
上記では、触感として「つるつる」および「ザラザラ」を用いる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、「つるつる」、「半ザラザラ」、「ザラザラ」、および「動くザラザラ」を適宜に組み合わせて用いてもよい。
【0067】
以上のことから、本実施の形態1によれば、車両情報(車両の走行に関する情報など)に応じて触感を制御しているため、ユーザは表示器9に表示された内容を当該表示器9に視線を集中させることなく直感的に認識することが可能となる。すなわち、ユーザにとって使い勝手の良い操作を行うことができる。
【0068】
<実施の形態2>
まず、本発明の実施の形態2による触感制御装置の構成について説明する。
【0069】
図14は、本実施の形態2による触感制御装置13の構成の一例を示すブロック図である。
【0070】
図14に示すように、触感制御装置13は、通信部14を備えている。その他の構成は、実施の形態1(
図7参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0071】
通信部14は、外部と通信可能であり、当該外部から種々の情報を取得する。なお、通信部14は、通信端末(図示せず)と通信可能に接続し、当該通信端末を介して外部と通信を行うようにしてもよい。
【0072】
次に、触感制御装置13の動作について説明する。
【0073】
図15は、触感制御装置13の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図15のステップS21は、
図8のステップS11に対応しているため、ここでは説明を省略する。
【0074】
ステップS22において、制御部5は、車両情報以外の情報を取得する。ここで、車両情報以外の情報は、天候情報(天候状態の情報)および道路情報(道路状態の情報)のうちの少なくとも一方を含むが、他のいかなる情報(例えば地図情報など)であってもよい。例えば、天候情報および道路情報は通信部14が外部から取得してもよく、地図情報は通信部14または車両に備えられる地
図DB(図示せず)から取得してもよい。
【0075】
ステップS23において、表示情報生成出力部6は、制御部5の指示に従って、車両情報取得部2にて取得された車両情報と、制御部5にて取得された車両以外の情報とを表示情報として生成し、生成した表示情報を映像信号に変換して表示器9に出力する。
【0076】
ステップS24において、触感制御部3は、制御部5の指示に従って、車両情報と、車両情報以外の情報とに応じた触感制御情報を設定する。
【0077】
ステップS25において、触感制御部3は、ステップS24にて設定された触感制御情報を触感タッチパッド10に出力する。触感タッチパッド10では、触感制御部3から入力された触感制御情報に基づいて、車両情報と、車両情報以外の情報とに応じた触感が生じた状態となる。
【0078】
次に、触感制御装置13の具体的な動作例について説明する。なお、以下の説明において、表示器9の表示面において情報が表示される位置と、触感タッチパッド10の操作面において触感が付与される領域の位置とは対応している。
【0079】
図16は、メータパネル11に設けられた表示器9における表示の一例を示している。
図17は、触感タッチパッド10における触感の発生の一例を示している。
【0080】
図16に示すように、メータパネル11には表示器9および速度計12が設けられており、表示器9には情報画面15が表示されている。情報画面15には、操作アイコン16が表示されている。なお、情報画面15に表示される情報は、
図15のステップS22にて取得された情報である。
【0081】
図17に示すように、触感タッチパッド10では、左側の領域を情報画面15に対応する領域とし、右側の領域を速度計12に対応する領域としている。情報画面15に対応する領域では、操作アイコン16に対応する操作アイコン領域17の触感を「ザラザラ」、操作アイコン領域17以外の領域の触感を「半ザラザラ」としている。
【0082】
また、速度計12に対応する領域は、触感が「つるつる」の領域と、触感が「ザラザラ」の領域とが交互に配置されており、これらの領域は車両の速度に応じて矢印の方向に速度Mで移動する。なお、速度Mは、車両の速度に比例している。このようにすることによって、ユーザは表示器9に表示される情報を触感で把握することができる。
【0083】
図18,19は、
図17の変形例を示している。
図18に示すように、触感タッチパッド10における速度計12に対応する領域の形状を、速度計12の形状と同様に円形としてもよい。また、
図19に示すように、触感タッチパッド10における情報画面15に対応する領域と速度計12に対応する領域との境界領域に「動くザラザラ」の触感が生じるようにしてもよい。
【0084】
図20は、メータパネル11に設けられた表示器9における表示の他の一例を示している。
図21は、触感タッチパッド10における触感の発生の他の一例を示している。
【0085】
図20に示すように、メータパネル11には、表示器9(情報画面15を表示)、速度計12、および警告灯18が設けられている。ここで、警告灯18としては、ガソリン切れを知らせる警告灯、パンクしたことを知らせる警告灯、シートベルトが未装着であることを知らせる警告灯などがある。警告灯18に関する情報は、車両情報として車両情報取得部2にて取得される。
図20の例では、最も左側の警告灯18が点灯している。なお、速度計12および情報画面15については、
図16に示す速度計12および情報画面15と同様である。また、警告灯18ではなく表示灯であってもよい。
【0086】
図21に示すように、触感タッチパッド10では、上側に警告灯18に対応する警告灯領域19を設け、最も左側の警告灯領域19の触感を「動くザラザラ」、他の警告灯領域19の触感を「ザラザラ」としている。また、警告灯領域19を含む背景領域の触感は「つるつる」となっている。なお、操作アイコン領域17および速度計12に対応する領域については、
図18に示す操作アイコン領域17および速度計12に対応する領域と同様である。このようにすることによって、ユーザはどの警告灯18が点灯しているのかを触感で把握することができる。
【0087】
図22は、メータパネル11に設けられた表示器9における表示の他の一例を示している。
図23〜
図26は、触感タッチパッド10における触感の発生の他の一例を示している。
【0088】
図22に示すように、メータパネル11には、表示器9(情報画面15を表示)、速度計12、および警告灯18が設けられている。また、情報画面15には、操作アイコン16、モード表示領域20、およびモード切替操作アイコン21が表示されている。モード切替操作アイコン21は、触感タッチパッド10における触感モードの切り替え操作を受け付けるアイコンである。モード表示領域20は、現在の触感モードを表示する領域である。なお、速度計12、および情報画面15については、
図16に示す速度計12および情報画面15と同様である。
【0089】
図23〜26に示すように、触感タッチパッド10では、モード切替操作アイコン21に対応するモード切替操作アイコン領域22を設けている。ユーザがモード切替操作アイコン領域22をタッチすると、
図23〜26に示す各触感モードに切り替わる。例えば、
図23に示すモードは表示器9に表示される全ての情報に対応する触感を発生させる「復号モード」であり、
図24に示すモードは情報画面15に表示される情報に対応する触感を発生させる「情報モード」であり、
図25に示すモードは速度計12に対応する触感を発生させる「速度モード」であり、
図26に示すモードは警告灯18に対応する触感を発生させる「警告灯モード」である。このようにすることによって、ユーザは所望の触感モードに切り替えることができる。
【0090】
図27,28は、触感タッチパッド10における触感の発生の他の一例を示している。
【0091】
図27に示すように、触感タッチパッド10において、領域23の触感は「半ザラザラ」、領域24の触感は「つるつる」となっている。
図27の左側は、近くに凍結道路が存在することを示しており、凍結道路が近づくに従って
図27の右側に示すように領域24が広がる。なお、凍結道路の情報(道路状態の情報)は、通信部14が取得する道路情報に含まれているものとする。このようにすることによって、ユーザは凍結道路に近づいていることを触感で把握することができる。
【0092】
図28に示すように、触感タッチパッド10において、領域25の触感は「半ザラザラ」、領域26の触感は「動くザラザラ」となっている。
図28の左側は、近くに強風の地域が存在することを示しており、強風の地域が近づくに従って
図28の右側に示すように領域26が広がる。なお、強風の地域の情報は、通信部14が取得する天候情報(天候状態の情報)に含まれているものとする。また、強風であるか否かは、予め設定した風速を閾値として判断してもよい。また、
図28において、車両の進行方向に対して右側(あるいは左側)から風が吹いている場合は、領域26が触感タッチパッド10の右から左(あるいは左から右)に向かって移動するようにしてもよい。また、風の方向に応じて、領域26の形状や動く方向を変えてもよい。このようにすることによって、ユーザは強風の地域に近づいていることなどを把握することができる。
【0093】
なお、上記で説明した各触感は、他の触感を適宜に組み合わせて用いてもよい。
【0094】
以上のことから、本実施の形態2によれば、車両情報以外の情報(天候情報、道路情報)にも応じて触感を制御しているため、ユーザは表示器9に表示された内容を当該表示器9に視線を集中させることなく直感的に認識することが可能となる。すなわち、ユーザにとって使い勝手の良い操作を行うことができる。
【0095】
以上で説明した触感制御装置は、車載用ナビゲーション装置、すなわちカーナビゲーション装置だけでなく、車両に搭載可能なPND(Portable Navigation Device)および携帯通信端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、およびタブレット端末など)、並びにサーバなどを適宜に組み合わせてシステムとして構築されるナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置以外の装置にも適用することができる。この場合、触感制御装置の各機能あるいは各構成要素は、上記システムを構築する各機能に分散して配置される。
【0096】
具体的には、一例として、触感制御装置の機能をサーバに配置することができる。例えば、
図29に示すように、ユーザ側に表示装置28および触感タッチパッド29を備え、サーバ27に少なくとも車両情報取得部2および触感制御部3を備えることによって触感制御システムを構築することができる。なお、車両情報取得部2および触感制御部3の機能は、
図1の車両情報取得部2および触感制御部3の機能と同様である。また、サーバ27は、必要に応じて
図7,14に示すような各構成要素を備えるようにしてもよい。このとき、サーバ27に備えられる各構成要素は、適宜にサーバ27および表示装置28に分散して配置するようにしてもよい。
【0097】
また、他の一例として、触感制御装置の機能をサーバおよび携帯通信端末に配置することができる。例えば、
図30に示すように、ユーザ側に表示装置28および触感タッチパッド29を備え、サーバ30に少なくとも車両情報取得部2を備え、携帯通信端末31に少なくとも触感制御部3を備えることによって触感制御システムを構築することができる。なお、車両情報取得部2および触感制御部3の機能は、
図1の車両情報取得部2および触感制御部3の機能と同様である。また、サーバ30および携帯通信端末31は、必要に応じて
図7,14に示すような各構成要素を備えるようにしてもよい。このとき、サーバ30および携帯通信端末31に備えられる各構成要素は、適宜に表示装置28、サーバ30、および携帯通信端末31に分散して配置するようにしてもよい。
【0098】
上記の構成とした場合であっても、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0099】
また、上記の実施の形態における動作を実行するソフトウェア(触感制御方法)を、例えばサーバや携帯通信端末に組み込んでもよい。
【0100】
具体的には、一例として、上記の触感制御方法は、タッチパッドの操作面に対する操作時のユーザの触感を制御する触感制御方法であって、(a)車両の走行または車両内に設けられた機器に関する情報を車両情報として取得する工程と、(b)工程(a)にて取得された車両情報に基づいて操作面の触感を制御する工程とを備える。
【0101】
上記より、上記の実施の形態における動作を実行するソフトウェアをサーバや携帯通信端末に組み込んで動作させることによって、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0102】
なお、
図1,7,14,29,30において、車両情報取得部2、触感制御部3、制御部5、表示情報生成出力部6、操作情報取得部7、制限速度判断部8、および通信部14の各々は、ソフトウェアに基づくCPU(Central Processing Unit)を用いたプログラム処理を実行することによって実現される。また、可能であれば、車両情報取得部2、触感制御部3、制御部5、表示情報生成出力部6、操作情報取得部7、制限速度判断部8、および通信部14の各々を、ハードウェア(例えば、電気信号に対して特定の演算あるいは処理を行うように構成された演算/処理回路等)として構成するようにしてもよい。また、上記の両者を混在させてもよい。
【0103】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。