特許第6434489号(P6434489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルビン アー.ランク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許6434489-電磁結合装置 図000002
  • 特許6434489-電磁結合装置 図000003
  • 特許6434489-電磁結合装置 図000004
  • 特許6434489-電磁結合装置 図000005
  • 特許6434489-電磁結合装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6434489
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】電磁結合装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 27/112 20060101AFI20181126BHJP
   F16D 27/108 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   F16D27/112 R
   F16D27/108 Z
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-503616(P2016-503616)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-512873(P2016-512873A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】EP2014054974
(87)【国際公開番号】WO2014146969
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月28日
(31)【優先権主張番号】202013002597.2
(32)【優先日】2013年3月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515069185
【氏名又は名称】エルビン アー.ランク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−ペーター クンプフ
【審査官】 渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−18427(JP,U)
【文献】 特開2007−100675(JP,A)
【文献】 実開昭60−108827(JP,U)
【文献】 特開2008−291968(JP,A)
【文献】 米国特許第5141090(US,A)
【文献】 米国特許第5404980(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 25/00− 39/00
F16D 48/00− 48/12
F04B 25/00− 37/20
F04B 41/00− 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアーマチャディスクを備えるアーマチャディスクアレンジメント(14)と、
ロータアレンジメント(12)と、
を備え、
前記アーマチャディスクアレンジメント(14)は、クロージャスクリュー(42)を有する少なくとも1つのエアギャップ調整ユニット(LE)を備え、前記クロージャスクリュー(42)は、前記アーマチャディスクアレンジメント(14)と前記ロータアレンジメント(12)との間のエアギャップ(LS)を調整するため、ドライブシャフト(28)に対して前記アーマチャディスクアレンジメント(14)を固定するための固定ねじ(44)と相互作用し、
前記エアギャップ調整ユニット(LE)は、前記クロージャスクリュー(42)により、前記アーマチャディスクアレンジメント(14)にマウント可能な少なくとも1つのスペース調整手段(58)を備えること
前記クロージャスクリュー(42)は、半径方向に延伸するフランジ形状部分(52)を有することと、
前記アーマチャディスクアレンジメント(14)は、半径方向に延伸する少なくとも1つのフランジ(30)を有し、前記フランジ(30)上にドライブシャフト(28)を受けるためのハブ形状部分(32)が形成されることと、
前記少なくとも1つのスペース調整手段(58)は、前記クロージャスクリュー(42)の前記フランジ形状部分(52)と前記アーマチャディスクアレンジメント(14)の前記フランジ(30)との間に配置されることと、
特徴とするドライブアレンジメントのための電磁結合装置(10)
【請求項2】
前記固定ねじ(44)は、前記クロージャスクリュー(42)を通って延伸することを特徴とする請求項1に記載の電磁結合装置(10)。
【請求項3】
前記クロージャスクリュー(42)は、前記アーマチャディスクアレンジメント(14)の前記フランジ(30)の開口部(48)にねじ締め可能であり、前記フランジ(30)の前記ハブ形状部分(32)と軸方向に隣接することを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁結合装置(10)。
【請求項4】
前記クロージャスクリュー(42)の位置は、前記フランジ(30)の前記開口部にねじ締めされた後、前記少なくとも1つのスペース調整手段(58)によって軸方向に変更可能であることを特徴とする請求項に記載の電磁結合装置(10)。
【請求項5】
前記クロージャスクリュー(42)は、前記固定ねじ(44)の頭部を受けるように形成され、前記固定ねじ(44)によって、固定力が前記クロージャスクリュー(42)上に作用することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁結合装置(10)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスペース調整手段(58)は、実質的にディスク形状に形成され、前記クロージャスクリュー(42)は、前記少なくとも1つのスペース調整手段(58)を通って延伸することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁結合装置(10)。
【請求項7】
前記ロータアレンジメント(12)は少なくとも1つのベルトプーリを備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁結合装置(10)。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁結合装置(10)を有する自動車用補助ユニットであって、前記アーマチャディスクアレンジメント(14)は、前記フランジ(30)の前記ハブ形状部分(32)と前記固定ねじ(44)とによって、前記補助ユニットのドライブシャフト(28)と固定して接続され、
前記クロージャスクリュー(42)は、前記固定ねじ(44)によって、前記ドライブシャフトと少なくとも部分的に隣接可能であることを特徴とする補助ユニット。
【請求項9】
前記ドライブシャフト(28)上の前記アーマチャディスクアレンジメント(14)の位置は、前記固定ねじ(44)を前記ドライブシャフト(28)にねじ締めした後、前記少なくとも1つのスペース調整手段(58)によって変更可能であることを特徴とする請求項に記載の補助ユニット。
【請求項10】
前記固定ねじ(44)は、前記ドライブシャフト(28)の軸の端面(50)の開口部にねじ締めでき、かつ、そうすることにより、前記クロージャスクリュー(42)の軸の端面(62)は、前記ドライブシャフト(28)の軸の端面(50)に対向することを特徴とする請求項8又は9に記載の補助ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブアレンジメントのための、少なくとも1つのアーマチャディスクを有する少なくとも1つのアーマチャディスクアレンジメントと、ロータアレンジメントを備える電磁結合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁結合装置において、非結合状態でのアーマチャディスクアレンジメントとロータアレンジメントとの間の接触を防止するため、アーマチャディスクアレンジメント又はアーマチャディスクとロータアレンジメントとの間に所定のエアギャップを設ける必要がある。
【0003】
ハウジングマウントされた結合装置、すなわち車両の補助ユニット、例えばエアコン圧縮機のハウジングにハウジングマウントされた結合装置の場合は、エアギャップはその結合装置がマウントされている間に設けられなければならない。
【0004】
実際のところ、エアギャップは、通常、厚さの異なる調整用ワッシャを挿入することにより、または、アーマチャディスクアレンジメントとロータアレンジメントとの間に異なるばね要素を挿入することにより設定される。エアギャップの設定において、エアギャップはアーマチャディスクアセンブリがマウントされた状態でのみ測定されるので、マウントされる結合部のアーマチャディスクアレンジメントは、補助ユニットまたは補助ユニットのドライブシャフトにマウントされなければならず、所定のエアギャップが調整用ワッシャにより所定のエアギャップが設定されるまで取り外しておかれなければならない。
【0005】
特に、最初、エアギャップは結合部がマウントされた状態で測定される。もし、所定のまたは所望のエアギャップが、まだ設定されていなければ、アーマチャディスクアレンジメントは完全に取り外されて、1つ以上の調整用ワッシャが挿入される。アーマチャディスクアレンジメントは、再度マウントされて、エアギャップは再度測定される。もし、所定のエアギャップが再度設定されなければ、再度初めからこの工程が始められる。電磁結合の場合は、アーマチャディスクアレンジメントは、普通は補助ユニットのドライブシャフト上に押圧される。これはアーマチャディスクアレンジメントのディスマウントの繰返しを高コストで時間がかかるものにしてしまう。
【0006】
さらに、先行技術から、エアギャップの調整機能を提供する文献 DE 20 2006 016144 U1の中で典型的な電磁結合について記述されていることが知られている。この文献の結合例において、アーマチャディスクアセンブリは、ハブに形成されたフランジとアーマチャディスクがマウントされる追加フランジによって構成される。アーマチャディスクフランジは内側のねじ山を有し、ハブフランジは外側のねじ山を有する。ハブフランジの外側のねじ山は、エアギャップを調整するためアーマチャディスクフランジの内側のねじ山と相互作用する。アーマチャディスクフランジはハブフランジを取り囲む。アーマチャディスクフランジは、ロータとアーマチャディスクとの間に所望のエアギャップが設定されるまで、お互いに係合するねじ山手段によってハブフランジ側に対して回転させられる。アーマチャディスクまたは付加的にアーマチャディスクフランジは、ねじ切りされた穴を有し、エアギャップ設定を確実にするために、ハブフランジの穴と相互作用する。ここで、エアギャップの設定を確実にして、かつハブフランジとアーマチャディスクフランジとの間の更なる回転を防止するために、それぞれのねじが2つのねじ切りされた穴/穴対に対してねじ締めされるようにアーマチャディスクフランジの2つのねじ切りされた穴がハブフランジの2つの穴と一致するまで、アーマチャディスクフランジは、ハブフランジ側に対して回転させなければならない。
【0007】
文献 DE 20 2006 016144 U1による結合は、比較的に複雑な構造を有している。第1に、2つのフランジはそれぞれ内側と外側のねじ山を備えなければならない。2つのフランジは、また、ねじを利用してエアギャップの設定を確実にするための複数の穴またはねじ切りされた穴を設けなければならない。2つのフランジの複数の穴またはねじ切りされた穴のみの構造は、ねじでねじ締めするための特別な位置にお互いを適合しなければならないため、比較的時間がかかりまたコストがかかる。同じことは、この文献による2つのフランジ上の相互の大きなねじ山の構造にもあてはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、最初に述べた手順を単純化するとともに、文献 DE 20 2006 016144 U1に記載に記載された結合よりもっと複雑ではない構造の電磁結合を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、最初に述べられるタイプの電磁結合装置により達成される。この電磁結合装置において、アーマチャディスクアレンジメントは、少なくとも1つのエアギャップ調整ユニットを備え、そのエアギャップ調整ユニットはクロージャスクリュー(closure screw)を有し、そのクロージャスクリューは、アーマチャディスクアレンジメントとロータアレンジメントとの間のエアギャップを調整するために、ドライブシャフトにアーマチャアレンジメントを固定するための固定ねじと相互作用する。
【0010】
クロージャスクリューを有するエアギャップ調整ユニットにより、アーマチャディスクアレンジメントとロータアレンジメントとの間のエアギャップを調整するためのスペース調整手段が必要とされるときでも、ドライブシャフトからアーマチャディスクアレンジメント全体を取り外すことなくこれらはマウントされることができる。そして、このようにアーマチャディスクアレンジメントとロータアレンジメントとの間のエアギャップは、先行技術に比して素早くかつ簡単に調整されることができる。
【0011】
クロージャスクリューと固定ねじによりセットされる初期のエアギャップがマウントされた状態での所定の(所望の)エアギャップと一致しない場合は、本発明の1つの実施態様によれば、エアギャップ調整ユニットは少なくとも1つのスペース調整手段を備えることができる。スペース調整手段は、クロージャスクリューによりアーマチャディスクアレンジメントにマウントされることができる。設定されるエアギャップ又はこのときロータアレンジメントとアーマチャディスクアレンジメントとの間の測定されるエアギャップに対応して、所定のエアギャップに設定するために、クロージャスクリューによって1つ以上のスペース調整手段がアーマチャディスクアレンジメントにマウントされる。スペース調整手段は、好ましくはワッシャであり、また、ばね要素やそれに類似するものでもよい。
【0012】
クロージャスクリューは、アーマチャディスクアレンジメントから取り外すことができる。ロータアレンジメントとアーマチャディスクアレンジメントとの間の測定されたエアギャップに基づいて、スペース調整手段は、所定のエアギャップを設定するために求められるものであり、クロージャスクリューによりアーマチャディスクアレンジメントにマウントされることができる。クロージャスクリューは、その後再びアーマチャディスクアレンジメントに接続され、固定ねじは、ドライブシャフトにアーマチャディスクを固定するためにドライブシャフトに挿入されねじ締めされる。このときエアギャップは再測定される。もし、再度、所定のエアギャップが正確に設定されていなければ、固定ねじとクロージャスクリューは移動されまたは取り外されて、他のまたは付加的なスペース調整手段を挿入するかスペース調整手段の数を変更することが必要となるだけである。その後、クロージャスクリューと固定ねじは、アーマチャディスクアレンジメントとロータアレンジメントにそれぞれ再度ねじ締めされ、その結果、スペース調整手段とクロージャスクリューによってロータアレンジメントとアーマチャディスクアレンジメントとの間に所定のエアギャップが設定されることになる。このように、本発明による電磁結合装置は、先行技術に比べ大変簡単で所要時間の少ないアーマチャディスクアレンジメントとロータアレンジメントとの間のエアギャップの調整をすることができる。
【0013】
本発明の発展態様において、固定ねじは、クロージャスクリューを通って延伸することができる。前述のように、もし必要なら、スペース調整手段がクロージャスクリューによってアーマチャディスクアレンジメントにマウントされる。多くの場合、アーマチャディスクアレンジメントと補助ユニットのドライブシャフト間に圧入が存在するので、クロージャスクリューのついたアーマチャディスクアレンジメントをその端の位置に持ってくるために、エアギャップの最後のセッティングに対する力のある種の放出が要求される。この力は、固定ねじを介して、クロージャスクリューと上述のアーマチャディスクアレンジメント上に簡単にかつ直接的に働く。これは、後者を、スペース調整手段とクロージャスクリューにより決められる端の位置にドライブシャフト上にマウントするためであり、アーマチャディスクとロータアレンジメントとの間のエアギャップがクロージャスクリューの端の位置によって決定される。
【0014】
クロージャスクリューは好ましくは半径方向に伸びるフランジ形状の部分を有する。クロージャスクリューのフランジ形状の部分はアーマチャディスクアレンジメントにスペース調整手段をマウントするのに役立つ。例えば、スペース調整手段はクロージャスクリューのフランジ形状の部分に対向することができる。
【0015】
本発明の1つの実施態様によれば、アーマチャディスクは半径方向に伸びるフランジを有することができる。フランジ上にドライブシャフトを受けるためのハブ形状部分を好ましくは設けることができる。アーマチャディスクアレンジメントは、例えばコンプレッサのドライブシャフトにマウントされる。アーマチャディスクアレンジメントのフランジ上のハブ形状部分によって、フランジは少なくとも部分的にドライブシャフトを受けることができる。
【0016】
少なくとも1つのスペース調整手段は、クロージャスクリューのフランジ形状部分とアーマチャディスクアレンジメントのフランジの間に配置される。すなわち、所定のエアギャップをセットすることを可能にするために、少なくとも1つのスペース調整手段は、クロージャスクリューまたは後者のフランジ形状部によって、アーマチャディスクアレンジメントのフランジにマウントされる。
【0017】
本発明の1つの実施態様によれば、クロージャスクリューはアーマチャディスクアレンジメントのフランジの開口部にねじ締めされる。この場合、クロージャスクリューは軸方向にフランジのハブ形状部分に接合される。
【0018】
本発明の1つの発展態様によれば、クロージャスクリューの位置は、フランジの開口部にねじ締めされた後、少なくとも1つのスペース調整手段によって軸方向に変更される。少なくとも1つのスペース調整手段は、クロージャスクリューのフランジとアーマチャディスクアレンジメントの間に提供され、アーマチャディスクアレンジメントとクロージャスクリューの間にいわば固定される。クロージャスクリューは、もはやスペース調整手段がないとき以上には、アーマチャディスクアレンジメントの開口部の中にねじ締めされることはできないので、フランジの開口部の中のクロージャスクリューの位置は変化する。結果として、固定ねじでねじ締めされた後のアーマチャディスクアレンジメントの位置は、エアギャップに順応するためドライブシャフト上で変化させられる。
【0019】
好ましくは、クロージャスクリューは、固定ねじの頭部を受けるように形成される。固定ねじ上に作用する固定力は、アーマチャディスクアレンジメントの固定の間、固定ねじを通して、クロージャスクリューに作用する。
【0020】
1つの実施態様によれば、少なくとも1つのスペース調整手段は、具体的にはディスク形状に形成される。好ましくは、クロージャスクリューは少なくとも1つのスペース調整手段を通して伸びることができる。
【0021】
ロータアレンジメントは、駆動力をそれに伝達するための少なくとも1つのベルト
プーリを有することができる。
【0022】
本発明はさらに、上述のタイプの結合装置を有する車両の補助ユニットに関する。例えば、補助ユニットはコンプレッサである。本発明に基づく補助ユニットの場合、アーマチャディスクアレンジメントは、フランジのハブ形状部分と固定ねじによって、補助ユニットのドライブシャフトにしっかりと接続される。ここで、クロージャスクリューは固定ねじによって、補助ユニットのドライブシャフトに隣接するようになる。
【0023】
捕助的ユニットのドライブシャフト上のアーマチャディスクアレンジメントの位置は、ドライブシャフトに固定ねじをねじ締めした後、少なくとも1つのスペース調整手段に依存して変更することができる。
【0024】
固定ねじは、好ましくはドライブシャフトの軸の端面の開口部にねじ締めされる。このとき、クロージャスクリューの軸の端面は、ドライブシャフトの軸の端面に対向することができる。
【0025】
本発明の実施態様は、次の添付図面を用いて以下に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】ドライブシャフトにマウントされた状態での、本発明による結合装置の断面図である。
図2】固定ねじがマウントされていない、本発明による結合装置の断面図である。
図3】クロージャスクリューがマウントされていない、本発明による結合装置の断面図である。
図4】スペース調整手段が挿入され、クロージャスクリューがマウントされた、本発明による結合装置の断面図である。
図5】クロージャスクリューとアーマチャディスクアレンジメントとの間にスペース調整手段が配置された、本発明による結合装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明による、一般に10によって指示される電磁結合装置の断面図を示す。
【0028】
結合装置10は、ロータアレンジメント12とアーマチャディスクアレンジメント14を備える。
【0029】
ロータアレンジメント12は、結合装置10の稼働において、(図示しない)ドライブベルトが掛けられるベルトベアリング部16を備える。ドライブベルトは、ロータアレンジメント12を駆動するためのものである。ベルトベアリング部16は半径方向に伸びるフランジ部18によって、ロータアレンジメント部12のハブ20に接続する。
【0030】
ロータアレンジメント12は自動車の(図示せぬ)補助ユニット例えばコンプレッサに、ロータアレンジメント12または結合装置10を接続するための接続要素24を有する回転ベアリング22をさらに備える。結合装置10の稼働において、接続要素24のロールベアリング22によって、フランジ18を有するハブ20とベルトベアリング部16が回転できるように、接続要素24は補助ユニットに固定的にマウントされる。
【0031】
結合装置10は、例えば、磁気コイルと電磁部品26に電力を供給するための接続ケーブルを有する電磁部品26を備える。電磁部品26は、結合装置10によって駆動される(図示せぬ)補助ユニットに、固定接続要素24によってマウントされる。捕助ユニットのドライブシャフト28は、軸Mの方向に、接続要素24の切り欠きを通って、延伸する。
【0032】
アーマチャディスクアレンジメント14はドライブシャフトにマウントされる。アーマチャディスクアレンジメント14は、フランジ30を備える。フランジ30は、ドライブシャフト28を受けるように形成されたハブ形状部分32を有する。ハブ形状部分32とドライブシャフト28は、圧入により、互いに接続されることが好ましい。
【0033】
アーマチャディスク34は、フランジ30上に配置される。フランジ30とアーマチャディスク34は、例えばねじのような固定手段36によって、好ましくは互いに接続される。アーマチャディスク34は、ロータアレンジメント12に対向するアーマチャ摩擦面38を有する。ロータアレンジメント12のフランジ部分18は、アーマチャディスク34に対向するロータ摩擦面40を有する。その結果、アーマチャ摩擦面38とローラ摩擦面40はお互い向き合う状態にある。所定のエアギャップLSは、アーマチャ摩擦面38とローラ摩擦面40の間に設定される。
【0034】
アーマチャディスクアレンジメント14または結合装置10は、エアギャップLSを調整するため、クロージャスクリュー42を備えるエアギャップ調整ユニットLEを有する。クロージャスクリュー42には、アーマチャディスクアレンジメント14を(図示せぬ)補助ユニットのドライブシャフト28に固定するための固定ねじ44が差し込まれる。すなわち、クロージャスクリュー42は、開口部46を有し、固定ねじ44はそこを通過して延伸する。開口部46は、ステップ状で、そして固定ねじ44は、開口部46のステップに対してねじ頭部で対応する。
【0035】
クロージャスクリュー42は、アーマチャディスクアレンジメント14のフランジ30上に供される。フランジ30には、図1に漠然と認識されるように、内側にねじ山を備える開口部48が形成される。クロージャスクリュー42とフランジ30のハブ形状部分32は同軸上に形成され、クロージャスクリュー42は、軸Mの方向にハブ形状部分32と隣接する。
【0036】
ねじ込まれた状態で、クロージャスクリュー42は、ドライブシャフト28の軸の端面50と対向する。
【0037】
クロージャスクリュー42は、半径方向に伸びるフランジ形状部分52を有する。アーマチャディスクアレンジメント14のフランジ30に面するクロージャスクリュー42のフランジ52の側面54は、図1に示すように、アーマチャディスクアレンジメント14のフランジ30の表面56と直接対向する。その結果、ロータアレンジメントとアーマチャディスク14の間に初期のエアギャップLSが設定される。
【0038】
初期のエアギャップLSは所定の所望のエアギャップLSに一致しなかった場合には、エアギャップ調整ユニットLEはスペース調整手段(図4及び図5)を備えることができる。この場合、フランジ52の側面54とアーマチャディスクアレンジメント14のフランジ30の表面56は、アーマチャ摩擦面38とロータ摩擦面40間のエアギャップLSを調整するためのエアギャップ調整ユニットLEの(図1では示していない)スペース調整手段(図4及び図5)と相互作用をする。
【0039】
結合装置10のエアギャップ調整の間の手順は図2図5を参照して以下に記載する。
【0040】
図2に示されるように、まず固定ねじが取り外されると、アーマチャディスクアレンジメント14は、単に、(図示せぬ)補助ユニットのドライブシャフト28上のフランジ30のハブ形状部分32の間の圧入によって保持される。
【0041】
次に、図3に示すように、クロージャスクリュー42は、フランジ30の開口部40から取り外される。
【0042】
次に、図4に単に概略的に示されるように、少なくも1つのスペース調整手段58または適切な個数のスペース調整手段58が、アーマチャディスクアレンジメント14のフランジ30とクロージャスクリュー42との間に挿入され、またはクロージャスクリュー42上に滑り込まされ、そしてクロージャスクリュー42は再び開口部48にねじ締めされる。つまり、アーマチャディスクアレンジメント14のフランジ30の表面56とクロージャスクリュー42のフランジ52の側面54とがそれらの間に、スペース調整手段58を挟むことになる。
【0043】
図5に示すように、最後に、固定ねじ44は、クロージャスクリュー42を通って挿入され、ドライブシャフト28の開口部60にねじ締めされるか、またはドライブシャフト28にねじ締めされる。スペース調整手段58が、フランジ30の側面56とクロージャスクリュー42のフランジ52の側面54との間に挿入される結果、クロージャスクリュー42はフランジ30の開口部48に完全にねじ締めされることはもはやなくなる。これは、ドライブシャフト28の軸の端面50とクロージャスクリュー42の軸の端面62との間に大きなスペースをもたらす。この拡大されたスペースは、1ミリメートルの百分の2から3程度の範囲であるかもしれない。固定ねじ44がドライブシャフト28の開口部にねじ締めされる結果、クロージャスクリュー42またはその軸の終端面62は、ドライブシャフト28の終端面50と隣接するようになる。結果として、フランジ30のハブ形状の部分32の位置またはアーマチャディスクアレンジメント全体の位置は、挿入されたスペース調整手段の厚みによって、ドライブシャフト28上を移動する。ドライブシャフト28上のハブ形状部分32の位置が変化することにより、アーマチャ摩擦面38とロータ摩擦面40の間に、所望のエアギャップLSが設定される。
図1
図2
図3
図4
図5