(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
旅行者への物品の販売やサービスの提供に基づく決済において、当該旅行者の旅券情報を必要とする施設に備わる端末と通信を行う通信装置と、前記旅行者の前記旅券情報、および生体認証用情報を対応付けて保持すると共に、免税対象商品に関する免税枠の情報を更に保持する記憶装置を備えた情報処理システムが、
前記端末から前記通信装置を介して受信した決済用情報に含まれる、前記旅行者の身体の一部が前記端末に提示されることで入力された前記旅行者の生体情報を、前記記憶装置に保持されている前記生体認証用情報のうち、所定の有効性を示す前記旅券情報と対応付けられた前記生体認証用情報と照合し、前記生体情報と一致する、前記対応付けられた生体認証用情報の登録が存在した場合に、決済許可の情報を前記通信装置を介して前記端末に送信し、
前記決済用情報が示す決済対象の商品および当該商品の今回の旅行における購入数について、前記記憶装置に保持されている免税対象商品の免税枠の情報に照合し、当該決済対象商品に関する前記今回の旅行における購入による免税枠の使用率を判定し、当該判定結果を前記端末に送信する、
ことを特徴とする旅行者向け決済支援方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
−−−ネットワーク構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本実施形態の旅行者向け決済支援システムたる旅行者向け決済支援サーバ100を含むネットワーク構成例を示す図である。
図1に示す旅行者向け決済支援システムたる旅行者向け決済支援サーバ100(以下、旅行者向け決済支援サーバ100)は、外国人旅行者による免税施設1でのショッピングを効率的で快適なものとするとするためのコンピュータシステムである。
【0013】
ここで想定する免税施設1は、
図1の例においては“A空港”、“B空港”・・・といった各空港における免税店を主に想定出来るが、これに限定しない。例えば、市井の一般
店舗内での免税コーナー、或いは旅行者向け決済支援サーバ100が取り扱う情報を適宜に利用する他施設(例:空港内ラウンジ、オリンピック競技施設など)など様々な施設を想定出来る。従って、免税品を取り扱う施設であれば限定せず、免税品と非免税品の少なくとも一方を取り扱う施設も対象とする。またショッピング対象は、物品のみならずサービスも含むものとする。
【0014】
本実施形態における旅行者向け決済支援サーバ100は、上述のような各免税施設1に備わる店舗端末200および登録端末300とネットワーク10を介して通信可能に結ばれている。このうち登録端末300は、旅行者向け決済支援システムとしての機能うち、旅行者の旅券情報、旅行における移動手段または利用施設の情報、および生体認証用情報を、所定の入力装置にて受け付けて、当該受け付けた各情報を対応付けて記憶装置に格納する機能を実装した情報処理端末である。また、この登録端末300は、現金取扱に関する所定の構成を備えており、電子マネーカードへのチャージ動作に対応した所定の処理も実行可能である。勿論、こうした登録端末300の機能および構成を旅行者向け決済支援サーバ100が備えるとしてもよい。
【0015】
−−−ハードウェア構成−−−
図2は本実施形態における旅行者向け決済支援サーバ100のハードウェア構成例を示す図である。この旅行者向け決済支援サーバ100は、以下のようなハードウェア構成を備える。すなわち旅行者向け決済支援サーバ100は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置101、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ103、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行しシステム自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU104(演算装置)、および、ネットワーク10と接続して店舗端末200や登録端末300との通信処理を担う通信装置107を備える。
【0016】
なお、上述の記憶装置101には、旅券情報テーブル125〜免税情報テーブル131が格納されている。これらのテーブルの詳細については後述する。
【0017】
図3は本実施形態における登録端末300のハードウェア構成例を示す図である。この登録端末300は、以下のようなハードウェア構成を備える。すなわち登録端末300は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置301、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ303、記憶装置301に保持されるプログラム302をメモリ303に読み出すなどして実行しシステム自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU304(演算装置)、旅行者等のユーザからの入力動作を受け付ける入力装置305、処理結果を表示するディスプレイ等の出力装置306、および、ネットワーク10と接続して旅行者向け決済支援サーバ100との通信処理を担う通信装置307を備える。
【0018】
なお、上述の入力装置305には、キーボードやマイクといった一般的な入力用デバイス3051の他、旅券、航空券、宿泊クーポン等の各種媒体に対する読み取り(撮影の概念含む)を行う媒体リーダ装置3052と、旅行者の指紋や虹彩等の生体情報を読み取る生体情報リーダ3053と、決済手段たるクレジットカードや電子マネーカードに対する読み取りを行うカードリーダ3054を含むものとする。
【0019】
また、登録端末300は、一般的なATMと同様の現金取扱用の構成を備えている。すなわち本実施形態の登録端末300は、現金授受装置308、現金搬送・格納装置309、および現金識別装置310を備えている。このうち現金授受装置308は、旅行者等が電子マネーとして登録すべく現金をセットする際の受入装置である。また、現金搬送・格納装置309は、上述の現金授受装置308で受け入れた現金を所定機構で搬送し、所定
筐体に格納する装置である。また、現金識別装置310は、上述の現金授受装置308で受け入れた現金の種類を所定センサーで特定し、受入金額をカウントする装置である。ここでカウントした受入金額は、後述のフローにおける電子マネーカードへのチャージ処理において、当該旅行者向けに付与する電子マネーカードのチャージ金額の値となる。
【0020】
図4は本実施形態における店舗端末200のハードウェア構成例を示す図である。一方、各免税施設1に備わる店舗端末200は、一般的なコンピュータ端末と同様に、プログラム202を保持する記憶装置201、プログラム202を実行することで機能が実装されるメモリ203、プログラム202を実行する演算装置たるCPU204、入力装置205、出力装置206、および通信装置207といったハードウェア構成を備える。なお、入力装置205は、キーボードやマイクといった一般的な入力用デバイス2051の他、旅行者の指紋や虹彩等の生体情報を読み取る生体情報リーダ2053、およびクレジットカードやプリペイド式の電子マネーカードなどカード媒体に対する読み取りを実行するカードリーダ2054を含むものとする。
【0021】
なお、この店舗端末200に関しては、その入力装置205や出力装置206を別筺体とする構成を想定してもよい。例えば、これら入力装置205や出力装置206をタブレット端末で構成し、店舗端末本体と無線等の通信を行って入出力を実現するとしてもよい。
【0022】
−−−テーブル構成−−−
続いて、本実施形態の旅行者向け決済支援サーバ100が用いるテーブル類について説明する。
図5に、本実施形態における旅券情報テーブル125の一例を示す。旅券情報テーブル125は、旅行者ないし適宜な係員が登録端末300(例:空港内または宿泊施設に設置したもの)の入力装置305を介して登録した、当該旅行者の旅券に関する各種情報を蓄積したテーブルである。
【0023】
この旅券情報テーブル125のデータ構造は、旅券を一意に示す旅券番号をキーとして、旅行者の名、旅券期限、サインの画像データ、旅行者の顔写真画像、年齢、国籍、出身地、および性別、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0024】
また、
図6は本実施形態における搭乗券情報テーブル126の構成例を示す図である。搭乗券情報テーブル126は、旅行者ないし適宜な係員が登録端末300(例:空港内または宿泊施設に設置したもの)の入力装置305を介して登録した、当該旅行者が今回の旅で用いた航空便や鉄道など移動手段のチケットに関する各種情報を蓄積したテーブルである。
【0025】
この搭乗券情報テーブル126のデータ構造は、移動手段の利用者たる旅行者の名前をキーとして、当該旅行者の旅券番号、当該移動手段の出発地、到着地、出発日、便名、搭乗時刻、登録有効期限、および登録有効性の有無、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0026】
図7は本実施形態における利用施設情報テーブル127の構成例を示す図である。利用施設情報テーブル127は、旅行者ないし適宜な係員が登録端末300(例:空港内または宿泊施設に設置したもの)の入力装置305を介して登録した、当該旅行者が今回の旅で用いる宿泊施設や競技施設など各種の利用施設の利用クーポン等に関する各種情報を蓄積したテーブルである。
【0027】
この利用施設情報テーブル127のデータ構造は、利用施設の利用者たる旅行者の名前をキーとして、当該旅行者の旅券番号、当該利用施設の名称、所在地、利用期間、および
登録有効性の有無、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0028】
また、
図8は本実施形態におけるカード情報テーブル128の構成例を示す図である。カード情報テーブル128は、旅行者ないし適宜な係員が登録端末300(例:空港内または宿泊施設に設置したもの)の入力装置305を介して登録した、当該旅行者が免税施設1でのショッピングに利用予定のクレジットカードや電子マネーカードに関する各種情報を蓄積したテーブルである。
【0029】
このカード情報テーブル128のデータ構造は、クレジットカードや電子マネーカードを一意に示すカードNo.をキーとして、カードホルダの名(すなわち旅行者の名)、旅券番号、カード会社、カード期限、サインの画像データ、旅行者の生体認証用情報、カードの利用限度額、現在の利用可能額、および当該カードの利用可否、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0030】
また、
図9は本実施形態における買物情報テーブル129の構成例を示す図である。買物情報テーブル129は、旅行者が免税施設1で行ったショッピングに際して、当該旅行者向け決済支援サーバ100(または店舗端末200)が実行した決済処理の履歴情報を蓄積したテーブルである。
【0031】
この買物情報テーブル129のデータ構造は、当該買物を行った旅行者の旅券を一意に示す旅券番号をキーとして、決済手段たるクレジットカードまたは電子マネーカードのカードNo.、ショッピングがなされた免税施設1である加盟店とその所在地、決済時刻、購入金額、決済対象商品、購入数、および決済方法、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0032】
また、
図10は本実施形態における電子マネー管理テーブル130の構成例を示す図である。電子マネー管理テーブル130は、旅行者が免税施設1でのショッピングに利用した電子マネーカードに関する各種情報を蓄積したテーブルである。
【0033】
この電子マネー管理テーブル130のデータ構造は、当該電子マネーカードのホルダたる旅行者の旅券番号をキーとして、当該旅行者の年齢、国籍、性別、電子マネー残額、両替通貨(例:旅行者の母国通貨)、帰国予定、有効期限、当該電子マネーカードの有効性有無、および発行した電子マネーを特定する電子マネーNo.といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。この電子マネー管理テーブル130は、電子マネーカードの残額を例えば帰国のタイミングに合わせて母国通貨に両替する際に利用するテーブルである。
【0034】
また、
図11は本実施形態における免税情報テーブル131の構成例を示す図である。免税情報テーブル131は、免税施設1で取り扱う免税品の免税枠に関する情報を蓄積したテーブルである。この免税情報テーブル131のデータ構造は、免税品を一意に示す品名をキーとして、当該免税品の免税枠の値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0035】
−−−機能−−−
続いて、本実施形態の旅行者向け決済支援サーバ100が備える機能について説明する。上述したように、以下に説明する機能は、例えば旅行者向け決済支援サーバ100が備えるプログラム102を実行することで実装される機能と言える。
【0036】
本実施形態における旅行者向け決済支援サーバ100は、例えば空港内やホテルなど適宜な利用施設において、登録処理を希望する旅行者が提示してきた旅券の旅券情報、今回の旅行における移動手段(例:航空機、鉄道、船舶、自動車など)または利用施設(例:
ホテル、旅館、競技施設、博覧会場、博物館など)の各チケットの情報、指紋や虹彩など生体認証用情報、およびクレジットカードや電子マネーカードなど決済手段の情報を、登録端末300の入力装置305の含む入力用デバイス3051、媒体リーダ装置3052、生体情報リーダ3053、およびカードリーダ3054を介して受け付けて、当該受け付けた各情報を対応付けて、記憶装置101に格納する機能を備えている。
【0037】
なお、ここで格納する各情報のうち、旅券に関する情報は旅券情報テーブル125に、また、移動手段のチケットに関する情報は搭乗券情報テーブル126に、また、利用施設のチケットに関する情報は利用施設情報テーブル127に、また、決済手段の情報はカード情報テーブル128に格納される。また、上述の各テーブル125〜128において同一旅行者に関するレコード間を対応付けるキー情報は、その旅券番号とする。
【0038】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、免税施設の店舗端末200から受信した決済用情報が含む旅行者の生体情報(店舗端末200の生体情報リーダ2053で読み取ったもの)を、記憶装置101のカード情報テーブル128における生体認証用情報と照合し、店舗端末200由来の生体情報と一致する生体認証用情報の登録が存在するか特定する機能を備えている。
【0039】
なお、旅行者向け決済支援サーバ100は、旅行者の生体情報をカード情報テーブル128における生体認証用情報と照合するに際し、搭乗券情報テーブル126および利用施設情報テーブル127における「登録有効性の有無」が“有”であるレコードに設定されている旅券番号をキーに、旅券情報テーブル125でレコードを検索し、当該検索で得たレコードのうち旅券期限が現時点を含む有効なものを特定して、当該特定したレコードが示す旅券番号をキーに、カード情報テーブル128にて生体認証用情報群を特定し、当該生体認証用情報群と旅行者の生体情報とを照合する機能を備えている。
【0040】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の生体認証用情報群が含む各生体認証用情報と(旅券番号を介して)対応付けられた移動手段または利用施設に関して、移動手段または利用施設の利用地域または当該利用地域を含む所定範囲の地域を、移動手段に関しては搭乗券情報テーブル126の「到着地」の値から、利用施設に関しては利用施設情報テーブル127の「所在地」の値から特定する機能を備えている。
【0041】
またこの場合、旅行者向け決済支援サーバ100は、店舗端末200由来の上述の決済用情報が示す免税施設の所在地を、上述で特定した地域に含む移動手段または利用施設のレコードを、上述の生体認証用情報群から特定し、当該特定した生体認証用情報群と旅行者の生体情報とを照合する機能を備えている。
【0042】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の照合の結果、店舗端末200由来の生体情報と一致する生体認証用情報の存在が特定できた場合、すなわち生体認証に成功した場合に、決済許可の情報を店舗端末200に返信する機能を備えている。
【0043】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の生体認証に成功した場合に、当該旅行者(の旅券番号)に関して保持するクレジットカードまたは電子マネーカードといった決済手段の情報をカード情報テーブル128で特定する機能を備えている。
【0044】
この場合の旅行者向け決済支援サーバ100は、上述で特定したクレジットカード等の情報に基づいて、決済用情報が示す決済金額分の所定の決済処理を実行し、当該決済処理の結果を上述の決済許可の情報として店舗端末200に返信する機能を備えている。なお、ここで旅行者向け決済支援サーバ100が行う決済処理としては、例えばクレジットカード会社の決済システム等に対して決済金額分の決済要求を送信する処理や、カード情報
テーブル128および電子マネー管理テーブル130における電子マネーカードの現在の利用可能額(電子マネー残額)から決済金額分の減算処理を実行する処理などを想定する。
【0045】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の店舗端末200から受けた決済用情報の示す決済対象の商品および当該商品の購入数について、記憶装置101の免税情報テーブル131における免税対象商品の免税枠の情報に照合し、当該決済対象商品に関する今回の購入による免税枠の使用率を判定し、当該判定結果を店舗端末200に送信する機能を備えている。
【0046】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、免税施設の店舗端末200または非免税施設の店舗端末200から受信した、非免税対象商品に関する決済用情報が含む旅行者の生体情報(店舗端末200の生体情報リーダ2053で読み取ったもの)を、記憶装置101のカード情報テーブル128における生体認証用情報と照合し、上述の生体情報と一致する生体認証用情報の登録が存在するか特定する機能を備えている。
【0047】
また、この場合の旅行者向け決済支援サーバ100は、旅行者の生体情報をカード情報テーブル128における生体認証用情報と照合するに際し、搭乗券情報テーブル126および利用施設情報テーブル127における「登録有効性の有無」が“有”であるレコードに設定されている旅券番号をキーに、旅券情報テーブル125でレコードを検索し、当該検索で得たレコードのうち旅券期限が現時点を含む有効なものを特定して、当該特定したレコードが示す旅券番号をキーに、カード情報テーブル128にて生体認証用情報群を特定し、当該生体認証用情報群と旅行者の生体情報とを照合する機能を備えている。
【0048】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の生体認証用情報群が含む各生体認証用情報と(旅券番号を介して)対応付けられた移動手段または利用施設に関して、移動手段または利用施設の利用地域または当該利用地域を含む所定範囲の地域を、移動手段に関しては搭乗券情報テーブル126の「到着地」の値から、利用施設に関しては利用施設情報テーブル127の「所在地」の値から特定する機能を備えている。
【0049】
またこの場合、旅行者向け決済支援サーバ100は、店舗端末200由来の上述の決済用情報が示す免税施設または非免税施設の所在地を、上述で特定した地域に含む移動手段または利用施設のレコードを、上述の生体認証用情報群から特定し、当該特定した生体認証用情報群と旅行者の生体情報とを照合する機能を備えている。
【0050】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の照合の結果、店舗端末200由来の生体情報と一致する生体認証用情報の存在が特定できた場合、すなわち生体認証に成功した場合に、決済許可の情報を店舗端末200に返信する機能を備えている。
【0051】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の生体認証に成功した場合に、当該旅行者(の旅券番号)に関して保持するクレジットカードまたは電子マネーカードといった決済手段の情報をカード情報テーブル128で特定する機能を備えている。
【0052】
この場合の旅行者向け決済支援サーバ100は、上述で特定したクレジットカード等の情報に基づいて、決済用情報が示す決済金額分の所定の決済処理を実行し、当該決済処理の結果を上述の決済許可の情報として店舗端末200に返信する機能を備えている。なお、ここで旅行者向け決済支援サーバ100が行う決済処理としては、例えばクレジットカード会社の決済システム等に対して決済金額分の決済要求を送信する処理や、カード情報テーブル128および電子マネー管理テーブル130における電子マネーカードの現在の利用可能額(電子マネー残額)から決済金額分の減算処理を実行する処理などを想定する
。
【0053】
−−−フロー例1−−−
以下、本実施形態における旅行者向け決済支援方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する旅行者向け決済支援方法に対応する各種動作は、旅行者向け決済支援サーバ100がメモリ103に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、これらのプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0054】
図12は、本実施形態の旅行者向け決済支援方法におけるフロー例1を示す図である。ここでは、例えば旅行者が、当該旅行者向け決済支援サーバ100の決済支援サービスを利用すべく、出発時または帰国時の空港内(乗り継ぎ空港も含む)にて、旅券や搭乗券、生体認証用情報の登録作業を行う状況を想定するものとする。
【0055】
この際の旅行者(または免税施設のスタッフや空港職員等)における動作は、登録端末300における入力装置305のうち、媒体リーダ装置3052における旅券と搭乗券に対する読み取り動作と、生体情報リーダ3053における旅行者の指や掌等の読み取り動作と、カードリーダ3054における旅行者のクレジットカード等の読み取り動作とを含む。
【0056】
また旅行者は、上述の各読み取り動作に伴い、旅券、搭乗券、クレジットカード、生体認証用情報のそれぞれに関して付与が必要な所定情報について、入力用デバイス3051において、入力動作を行うものとする。
【0057】
この場合まず、旅行者向け決済支援サーバ100は、旅行者等がかざした旅券のICチップやバーコード等に対する、登録端末300の媒体リーダ装置3052による読み取り動作に伴い、当該旅券の旅券番号、有効期限、旅券保有者の氏名、サイン、顔画像、年齢、国籍、出身地、性別など所定の情報を、当該登録端末300から取得する(s100)。
【0058】
続いて旅行者向け決済支援サーバ100は、上述で取得した情報のうち旅券の有効期限に現時点の日付が含まれるかチェックし、有効期限内の旅券であるか判定する(s101)。この判定の結果、有効期限が過ぎている無効な旅券であることが判明した場合(s101:NG)、旅行者向け決済支援サーバ100は適宜なエラーメッセージを、上述の登録端末300に表示させ(s102)、以後の処理を終了する。
【0059】
他方、上述の判定の結果、有効期限が過ぎていない有効な旅券であることが判明した場合(s101:OK)、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述のステップs100で得ている情報を、記憶装置101の旅券情報テーブル125に格納する(s103)。
【0060】
次に、旅行者向け決済支援サーバ100は、旅行者等がかざした航空便の搭乗券のバーコード等に対する、登録端末300の媒体リーダ装置3052による読み取り動作に伴い、当該搭乗券の利用者の氏名、出発地、乗継地、到着地、搭乗日、便名、搭乗時刻など所定の情報を、当該登録端末300から取得する(s104)。
【0061】
続いて旅行者向け決済支援サーバ100は、上述のステップs104で得た情報のうち、搭乗日と搭乗時刻の情報から、該当搭乗日における該当搭乗時刻を「登録有効期限」とし、この登録有効期限の示す日時が既に過ぎた日時かチェックし、登録有効期限内の搭乗券であるか判定する(s105)。
【0062】
この判定の結果、登録有効期限が過ぎている無効な搭乗券であることが判明した場合(s105:NG)、旅行者向け決済支援サーバ100は適宜なエラーメッセージ(例:搭乗日時が過ぎていない有効な搭乗券をあらためて御用意下さい)を上述の登録端末300に表示させ(s106)、以後の処理を終了する。
【0063】
他方、上述の判定の結果、登録有効期限が過ぎていない有効な搭乗券であることが判明した場合(s105:OK)、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述のステップs104で得ている情報、登録有効性の“有”の情報、および上述のステップs100で得ている旅券番号との3つの情報(番号)を対応付け、記憶装置101の搭乗券情報テーブル126に格納する(s107)。
【0064】
次に、旅行者向け決済支援サーバ100は、旅行者等がかざした宿泊施設や競技施設など各種の利用施設の利用クーポンのバーコード等に対する、登録端末300の媒体リーダ装置3052による読み取り動作に伴い、当該利用クーポンの利用者の氏名、当該利用施設の名称、所在地、利用期間など所定の情報を、当該登録端末300から取得する(s108)。
【0065】
続いて旅行者向け決済支援サーバ100は、上述のステップs108で得た情報のうち利用期間の情報が示す日時が既に過ぎた日時かチェックし、利用期間内の利用クーポンであるか判定する(s109)。
【0066】
この判定の結果、利用期間が過ぎている無効な利用クーポンであることが判明した場合(s109:NG)、旅行者向け決済支援サーバ100は適宜なエラーメッセージ(例:利用期間が過ぎていない有効な利用クーポンをあらためて御用意下さい)を、上述の登録端末300に表示させ(s110)、以後の処理を終了する。
【0067】
他方、上述の判定の結果、利用期間が過ぎていない有効な利用クーポンであることが判明した場合(s109:OK)、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述のステップs108で得ている情報と、登録有効性の“有”の情報と、上述のステップs100で得ている旅券番号とを対応付け、記憶装置101の利用施設情報テーブル127に格納する(s111)。
【0068】
なお、上述のステップs104〜s111の各処理は、旅行者が複数枚の搭乗券や複数枚の利用クーポンを提示した場合、その枚数に応じた回数だけ繰り返し実行されることになる。
【0069】
続いて旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の旅行者の手指や虹彩、掌など身体に対する、登録端末300の生体情報リーダ3053による読み取り動作に伴い、生体認証用情報を上述の登録端末300から取得する(s112)。
【0070】
また旅行者向け決済支援サーバ100は、カード情報テーブル128にて新たにレコードを生成し、当該レコードに、上述のs112で得た生体認証用情報と、上述のステップs100で得ている旅券番号とを対応付けて格納する(s113)。
【0071】
次に旅行者向け決済支援サーバ100は、免税施設1等でのショッピングに利用する決済手段として、クレジットカード(後払い)か電子マネー(先払い)のいずれを選択するかを確認するメッセージを、登録端末300に送信し、その出力装置306に表示させる(s114)。この表示に対応し、登録端末300において電子マネー(先払い)が選択された場合、旅行者向け決済支援サーバ100は、電子マネーのチャージ手段について、現金入金か、クレジットカードからの入金かを確認するメッセージを、登録端末300に
送信し、その出力装置306に表示させる。
【0072】
さらに旅行者向け決済支援サーバ100は、電子マネーカードの発行を行うかを確認するメッセージを、登録端末300に送信し、その出力装置306に表示させる。旅行者向け決済支援サーバ100は、これらの表示に対する登録端末300での入力に応じて、決済手段、チャージ手段、電子マネー発行の要否を決定する。
【0073】
旅行者向け決済支援サーバ100は、登録端末300における入力装置305の入力用デバイス3051を介して受けた旅行者の選択対象が、クレジットカードであった場合(s115:cd)、旅行者がかざしたクレジットカードに対する、登録端末300のカードリーダ3054による読み取り動作に伴い、カードNo.、カードホルダの名(すなわち旅行者の名)、カード区分、カード期限、サインの画像データなど所定の情報を、登録端末300から取得する(s116)。
【0074】
他方、旅行者の選択対象が、電子マネーカードであった場合(s115:em)、旅行者向け決済支援サーバ100は処理をステップs124に遷移させる。或いは、旅行者がいずれの決済手段も選択せず、決済手段の登録自体を回避する意思を示した場合(s115:n)、旅行者向け決済支援サーバ100は以後の処理を終了する。
【0075】
続いて旅行者向け決済支援サーバ100は、上述のステップs116で得た情報のうちカード期限の情報が示す日時が既に過ぎた日時かチェックし、カード期限内のクレジットカードであるか判定する(s117)。
【0076】
この判定の結果、カード期限が過ぎている無効なクレジットカードであることが判明した場合(s117:NG)、旅行者向け決済支援サーバ100は、電子マネーカードを利用するかを問うメッセージを、登録端末300に送信し、その出力装置306に表示させ(s118)、旅行者による指示を登録端末300の入力用デバイス3051を介して受け付ける(s119)。
【0077】
上述のステップs119の結果、電子マネーカードの利用指示を登録端末300より得た場合(s120:y)、旅行者向け決済支援サーバ100は、処理をステップs124に遷移させる。
【0078】
他方、上述のステップs119の結果、電子マネーカードの利用指示を登録端末300より得られなかった場合(s120:n)、旅行者向け決済支援サーバ100は、適宜なエラーメッセージ(例:カード期限が過ぎていない有効なクレジットカードをあらためて御用意下さい)を、登録端末300の出力装置106に表示させ(s121)、以後の処理を終了する。
【0079】
一方、上述のステップs117での判定の結果、カード期限内の有効なクレジットカードであることが判明した場合(s117:OK)、旅行者向け決済支援サーバ100は、ステップs116で得ている情報を含めた、当該クレジットカードの利用限度額および現在の利用可能額に関する確認要求を生成し、これをクレジットカード会社の所定システム(例:与信情報の管理システムなど)に送信する(s122)。
【0080】
旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の確認要求に応じてクレジットカード会社の所定システムが返してきた、当該クレジットカードの利用限度額および現在の利用可能額の情報を取得し、上述のステップs116で得ている情報と、“利用可”の情報とを、上述のステップs113で既に生成してあるカード情報テーブル128の該当レコードに格納し(s123)、処理を終了する。なお、本ステップでは、カードの利用可否に関する
情報を取得してもよい。つまり、盗難等の理由で利用できないカードの確認を併せて行ってもよい。
【0081】
電子マネーカードの利用意思がある旅行者は、例えば旅先の国・地域で利用出来る電子マネーカードにチャージを行う必要がある。このチャージ動作は、例えば旅行者向け決済支援サーバ100が備える適宜な電子マネーカード発行手段に対して、所定額の現金投入またはクレジットカード決済を行うものとなる。このことは、s114、s115の判断に基づくものであり、また、カード発行の要否も上記判断に従って行われる。なお、現金投入に伴う処理については、登録端末300への現金投入、或いは、旅行者が免税施設1のスタッフ等に対しチャージ用の現金を手渡し、一方、そのスタッフが入力用デバイス1051で所定の入力動作を行う形態も想定出来る。
【0082】
こうしたチャージ動作が行われた場合、旅行者向け決済支援サーバ100は、当該旅行者向けに付与する電子マネーカードのカードNo.とチャージ金額の値とを、上述のステップs113で既に生成してあるカード情報テーブル128の該当レコードに格納し(s124)、処理を終了する。
【0083】
なお、本実施形態では、電子マネーカードを利用しているが、生体情報を用いることでカード発行を行わない「手ぶら」での決済を行ってもよい。また、カードを発行する場合でも、空港内では「手ぶら」、空港外では「電子マネーカード」を利用するとの形態を用いてもよい。また、上記のように登録が行われた場合、電子マネーNo.に関しては、当該電子マネーNo.の電子マネーが利用された際、旅券番号等を確認することに利用可能になる。外国からの旅行者は買い物の際、旅券の提示が求められるが、この確認によって、提示を省略することが可能になる。
【0084】
−−−フロー例2−−−
続いて、上述のように既に所定の登録が済んでいる旅行者が、免税施設1でショッピングを行う際の決済処理について説明する。なお、特に明示しないが、ここでの説明で示す免税施設1は非免税施設であってもよいものとする。また、旅行者がショッピング対象とする商品は、免税対象商品および非免税対象商品のいずれであってもよいものとする。
【0085】
図13は、本実施形態の旅行者向け決済支援方法におけるフロー例2を示す図である。上述のフロー例1で示した各種の登録作業を行った旅行者は、免税施設1を訪れてショッピングを行う際、少なくとも旅券や搭乗券を店舗側に提示する必要はない。更に、決済手段の情報登録を行った旅行者であれば、免税施設1でのショッピングに際し、旅券、搭乗券、および現金やクレジットカード或いは電子マネーカードといった従来の決済手段を携行する必要もない。ショッピング時の支払いを行う旅行者は、免税施設1の店舗端末200に備わる生体情報リーダ2053に対し、手指や掌など自身の身体の一部を提示するだけでよい。
【0086】
この場合、免税施設の店舗端末200は、生体情報リーダ2053で受けた旅行者の生体情報を適宜な所定形式に変換し、当該変換後の生体情報を含む決済用情報を、ネットワーク10経由で旅行者向け決済支援サーバ100に送信することになる。この決済用情報には、生体情報の他に、決済対象商品の属性、決済金額、および免税施設の情報が含まれている。
【0087】
一方、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の決済用情報を店舗端末200から受信した場合、搭乗券情報テーブル126および利用施設情報テーブル127における「登録有効性の有無」が“有”であるレコードに設定されている旅券番号をキーに、旅券情報テーブル125でレコードを検索し、当該検索で得たレコードのうち旅券期限が現時点を
含む有効なものを特定して、当該特定したレコードが示す旅券番号をキーに、カード情報テーブル128にて生体認証用情報群を特定する(s200)。
【0088】
なお、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述した有効性に基づく生体認証用情報群の特定に際し、上述の決済用情報が示す免税施設の所在地を含む所定範囲に、搭乗券情報テーブル126における「到着地」が含まれる、または利用施設情報テーブル127における「所在地」が含まれるレコードに設定されている旅券番号をキーに、カード情報テーブル128にて生体認証用情報群を更に絞り込むとすれば好適である。
【0089】
次に、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の決済用情報が含む生体情報を、ステップs200で特定した生体認証用情報群と照合して、所定の生体認証用処理を実行する(s201)。この生体認証の処理は既存技術を採用して実行すればよい。
【0090】
上述の照合により、店舗端末200から受信した旅行者の生体情報と一致する生体認証用情報の登録が存在しなかった場合、つまり生体認証に成功しなかった場合(s202:NG)、旅行者向け決済支援サーバ100は以後の処理を終了する。
【0091】
他方、上述の照合により、店舗端末200から受信した旅行者の生体情報と一致する生体認証用情報の登録が存在した場合、つまり生体認証に成功した場合(s202:OK)、旅行者向け決済支援サーバ100は、旅券情報テーブル125における当該旅行者のレコードにて、年齢、国籍、性別といった旅行者の属性情報を取得する(s203)。
【0092】
また、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の決済用情報から決済対象商品の属性情報を読み取り、これを商品属性ごとの販売ルールと照合して、当該決済対象商品の販売時における対応内容を判定する(s204)。
【0093】
上述の販売ルールとしては、例えば、「酒類は20歳以上の者のみに販売」、「所定種類の肉は規定国籍の者への販売時に再度の確認要」、「所定種類の食品を女性に販売する場合には妊娠有無を確認要」といったものが想定出来る。従って、旅行者の属性のうち例えば「年齢」が「15歳」であった場合、上述の販売ルールに照合すると販売不可の旨を旅行者に伝達して決済作業を終了する、といった対応内容が特定できる。
【0094】
上述の判定の結果、決済対象商品の販売が出来ないことが判明した場合(s204:NG)、旅行者向け決済支援サーバ100は、その旨を店舗端末200に返信し(s205)、以後の処理を終了する。
【0095】
他方、上述の判定の結果、決済対象商品の販売に問題が無いことが判明した場合(s204:OK)、旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の決済用情報の示す決済対象の商品および当該商品の購入数について、記憶装置101の免税情報テーブル131における免税対象商品の免税枠の情報に照合し、当該決済対象商品に関する今回の購入による免税枠の使用率を判定する(s206)。
【0096】
この場合、旅行者向け決済支援サーバ100は、例えば、決済対象商品「紙巻きタバコ」の免税枠が「100本」であることを免税情報テーブル131で特定し、この「紙巻きタバコ」の購入数が「70本」であった場合、免税枠の使用率を、(70/100)×100=70%、などと判定する。
【0097】
なお、免税枠の使用率の判定精度をより高める場合、旅行者向け決済支援サーバ100は、買物情報テーブル129における当該旅行者に関するレコードを参照し、当該レコードのうち、今回の旅行のものを決済時刻の情報に基づき特定する。また旅行者向け決済支
援サーバ100は、ここで特定したレコードのうち、決済対象商品に関するものが示す購入数を合算する。旅行者向け決済支援サーバ100は、この合算値と、今回の購入における購入数とを合計し、この合計値に基づき上述の免税枠の使用率を判定する。
【0098】
この場合、旅行者向け決済支援サーバ100は、例えば、今回の旅行で「紙巻きタバコ」を既に「20本」購入済みであることを買物情報テーブル129で特定し、今回新たにこの「紙巻きタバコ」を「70本」購入しようとしている場合、免税枠の使用率を、((20+70)/100)×100=90%、などと判定する。
【0099】
また旅行者向け決済支援サーバ100は、上述の判定により判明した免税枠の使用率の情報を、店舗端末200に送信する(s207)。
【0100】
次に、旅行者向け決済支援サーバ100は、当該旅行者(の旅券番号)に関して保持するクレジットカードまたは電子マネーカードの情報をカード情報テーブル128で特定し、この情報に基づいて、上述の決済用情報が示す決済金額分の所定の決済処理を実行し、当該決済処理の結果を店舗端末200に返信する(s208)。
【0101】
なお、ここで旅行者向け決済支援サーバ100が行う決済処理としては、例えばクレジットカード会社の決済システム等に対して決済金額分の決済要求を送信する処理や、カード情報テーブル128および電子マネー管理テーブル130における電子マネーカードの現在の利用可能額(電子マネー残額)から決済金額分の減算処理を実行する処理などを想定する。
【0102】
上述の決済処理が完了した場合、旅行者向け決済支援サーバ100は、当該決済処理の対象となったショッピングの内容を示す、上述の決済用情報および決済処理の結果を、買物情報テーブル129に格納し(s209)、処理を終了する。
【0103】
本実施形態によれば、外国人旅行者による免税施設でのショッピングを効率的で快適なものとできる。
【0104】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の旅行者向け決済支援システムにおいて、前記演算装置は、前記生体認証用情報と対応付けられた前記旅券情報と移動手段または利用施設の情報が示す、旅券の有効期限と、移動手段または利用施設の利用期限とが、現時点を含む有効なものか判定することで、前記有効性の有無を特定するものである、としてもよい。
【0105】
これによれば、生体認証時に生体情報と照合する生体認証用情報を効率的に絞り込むことが可能となり、ひいては当該旅行者向け決済支援システムにおける全体の処理効率を優れたものとできる。
【0106】
また、生体認証により真正性を確認出来る旅行者が、予め登録した有効な旅券を使って入国してきた外国人旅行者、すなわち免税によるショッピングの権利を有した本人自身であり、それが所持する航空券や鉄道乗車券、或いは宿泊クーポン等も有効期限内のもので不法滞在等の不具合も無いことを確認した上で、決済許可(決済処理の概念も含んでよい)を行うことが可能となる。
【0107】
ショッピングに際し旅行者側で実行するのは、免税施設にて生体情報をリーダー等の入力装置に読み取らせる動作のみであり、旅券や航空券等の提示等の従来必要とされた動作は不要となる。ひいては、正当な外国人旅行者による免税施設でのショッピングを効率的で快適なものとできる。
【0108】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援システムにおいて、前記演算装置は、前記生体認証用情報と対応付けられた前記移動手段または利用施設の情報が示す、移動手段または利用施設の利用地域または当該利用地域を含む所定範囲の地域に、前記決済用情報の示す免税施設の所在地が含まれるかを判定することで、前記有効性の有無を更に判定するものである、としてもよい。
【0109】
これによれば、生体認証時に生体情報と照合する生体認証用情報を更に効率的に絞り込むことが可能となり、ひいては当該旅行者向け決済支援システムにおける全体の処理効率を更に優れたものとできる。
【0110】
また、旅券や航空券等の有効期限に加えて、移動先や宿泊先を含むエリアでの免税によるショッピング行為の正否を判定し、例えば不正を行うとする悪意の第三者等によるあり得ない場所(例:航空券や宿泊クーポン等が示す滞在予定地から常識の範囲を越えた遠方)でのショッピング行為を排除するなどし、適正な決済許可(決済処理の概念も含んでよい)を行うことが可能となる。ひいては、正当な外国人旅行者による所在地域として妥当な免税施設でのショッピングを効率的で快適なものとできる。
【0111】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援システムにおいて、前記記憶装置は、旅行者に関して、決済手段の情報についても更に対応付けて保持するものであり、前記演算装置は、前記生体情報と一致する生体認証用情報の登録が存在した場合に、当該旅行者に関して保持する決済手段の情報に基づいて、前記決済用情報が示す決済金額分の所定の決済処理を実行し、当該決済処理の結果を前記決済許可の情報として前記端末に返信するものである、としてもよい。
【0112】
これによれば、外国人旅行者が免税施設でクレジットカード等を提示した従来の決済処理を行うことなく、生体認証のための動作を行うのみで決済処理も完了出来る。ひいては、外国人旅行者による免税施設でのショッピングを更に効率的で快適なものとできる。
【0113】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援システムにおいて、前記記憶装置は、免税対象商品に関する免税枠の情報を更に保持するものであり、前記演算装置は、前記決済用情報が示す決済対象の商品および当該商品の購入数について、前記記憶装置における免税対象商品の免税枠の情報に照合し、当該決済対象商品に関する今回の購入による免税枠の使用率を判定し、当該判定結果を前記端末に送信する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0114】
これによれば、旅行者は、免税施設での購入商品について、当該国が規定する免税枠はどれくらい(例:タバコ○○カートンまでは免税)であって、今回の購入でどれくらい免税枠を使用するかを容易に認識可能となる。例えば、今回の購入によって免税枠をオーバーすることが分かれば、当該旅行者はその購入をキャンセルするか、或いは免税枠に収まるように購入数を減じるといった適宜な対応をその場で行うことが出来る。ひいては、外国人旅行者による免税施設でのショッピングを更に効率的で快適なものとできる。
【0115】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援システムにおいて、前記演算装置は、旅行者の旅券情報、旅行における移動手段または利用施設の情報、および生体認証用情報を、所定の入力装置にて受け付けて、当該受け付けた各情報を対応付けて記憶装置に格納する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0116】
これによれば、旅行者は、空港や宿泊施設あるいは駅等に設置した当該旅行者向け決済支援システムを利用して、当該国における免税でのショッピングに向けて自身に関する各
種情報を登録することが可能となる。また、旅行途中で日程や宿泊先等の各種変更が生じた場合でも、当該旅行者向け決済支援システムの設置箇所にて上述の登録動作を同様に実行することで、登録内容の変更動作を行うことも出来る。一方、当該旅行者向け決済支援システムでは、上述の登録動作を随時受け付けて、各旅行者に関する登録とその更新を効率的かつ迅速に行うことが出来る。ひいては、外国人旅行者による免税施設でのショッピングを効率的で快適なものとできる。
【0117】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援システムにおいて、前記演算装置は、免税施設の端末または非免税施設の端末から受信した、非免税対象商品に関する決済用情報が含む旅行者の生体情報を、前記記憶装置の生体認証用情報のうち、所定の有効性を示す旅券情報と移動手段または利用施設の情報と対応付けられたものと照合し、前記生体情報と一致する生体認証用情報の登録が存在した場合に、決済許可の情報を前記端末に返信する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0118】
これによれば、外国人旅行者による免税施設でのショッピングに加えて、非免税施設でのショッピングについても効率的で快適なものとできる。
【0119】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援方法において、前記情報処理システムが、前記生体認証用情報と対応付けられた前記旅券情報と移動手段または利用施設の情報が示す、旅券の有効期限と、移動手段または利用施設の利用期限とが、現時点を含む有効なものか判定することで、前記有効性の有無を特定する、としてもよい。
【0120】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援方法において、前記情報処理システムが、前記生体認証用情報と対応付けられた前記移動手段または利用施設の情報が示す、移動手段または利用施設の利用地域または当該利用地域を含む所定範囲の地域に、前記決済用情報の示す免税施設の所在地が含まれるかを判定することで、前記有効性の有無を更に判定する、としてもよい。
【0121】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援方法において、前記情報処理システムが、前記記憶装置において、旅行者に関して、決済手段の情報についても更に対応付けて保持し、前記生体情報と一致する生体認証用情報の登録が存在した場合に、当該旅行者に関して保持する決済手段の情報に基づいて、前記決済用情報が示す決済金額分の所定の決済処理を実行し、当該決済処理の結果を前記決済許可の情報として前記端末に返信する、としてもよい。
【0122】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援方法において、前記情報処理システムが、前記記憶装置において、免税対象商品に関する免税枠の情報を更に保持し、前記決済用情報が示す決済対象の商品および当該商品の購入数について、前記記憶装置における免税対象商品の免税枠の情報に照合し、当該決済対象商品に関する今回の購入による免税枠の使用率を判定し、当該判定結果を前記端末に送信する処理を更に実行する、としてもよい。
【0123】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援方法において、前記情報処理システムが、旅行者の旅券情報、旅行における移動手段または利用施設の情報、および生体認証用情報を、所定の入力装置にて受け付けて、当該受け付けた各情報を対応付けて記憶装置に格納する処理を更に実行する、としてもよい。
【0124】
また、本実施形態の旅行者向け決済支援方法において、前記情報処理システムが、免税施設の端末または非免税施設の端末から受信した、非免税対象商品に関する決済用情報が含む旅行者の生体情報を、前記記憶装置の生体認証用情報のうち、所定の有効性を示す旅券情報と移動手段または利用施設の情報と対応付けられたものと照合し、前記生体情報と
一致する生体認証用情報の登録が存在した場合に、決済許可の情報を前記端末に返信する処理を更に実行する、としてもよい。