(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態は、ソースオーディオ信号から低周波数効果(low−frequency effects(“LFE”))オーディオ信号を抽出し、抽出したLFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換し、ハプティック信号は、アクチュエータのようなハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。抽出されたLFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換することにより、オーディオ信号周波数は、ハプティック出力装置の対象となる周波数範囲内の周波数にシフトされうる。それに替えて、抽出されたLFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換することにより、オーディオ信号のピッチは、ハプティック出力装置の対象となるピッチ範囲内のピッチにシフトされうる。抽出されたLFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換することが“オフライン”である実施形態では、ハプティック信号は、ストレージデバイスのようなフォーマット内にエンコード及び記憶されることができる、又はハプティック信号は、ソースオーディオ信号内に含まれるLFEオーディオ信号内にエンコード及び記憶されることができる。それに替えて、抽出されたLFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換することが“オンライン”である実施形態では、ハプティック信号は、リアルタイム又はほぼリアルタイムでハプティック出力装置へ送信されることができ、ここで、一又はそれ以上のハプティック効果は、リアルタイム又はほぼリアルタイムで出力される。特定の実施形態では、ソースオーディオ信号は、別のタイプの入力信号によって置換されることができ、LFEオーディオ信号は、別のタイプのLFE信号によって置換されることができる。さらに、別の実施形態では、システムは、抽出されたLFEオーディオ信号を複数のハプティック信号へ(同時又は逐次的に)変換することができ、ここで、ハプティック信号は、複数のハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。この別の実施形態では、各ハプティック出力装置は、明確な対象となる周波数範囲を有することができ、各変換について、抽出されたLFEオーディオ信号のオーディオ信号周波数は、各ハプティック出力装置の各対象となる周波数範囲内の周波数にシフトされることができる。
【0010】
以下に説明するように、LFEチャネルは、人間が知覚可能な完全なスペクトルよりも実質的に少ないオーディオスペクトルでエンコードされた任意のオーディオチャネルである。LFEトラックは、通常、20Hz−120Hzの範囲の可聴周波数で低周波数情報をエンコードするために用いられるが、“ツイーター”スピーカへ送信される高周波数範囲、“スコーカー”スピーカへ送信される中間周波数範囲又は“ウーファー”スピーカへ送信される低周波数範囲のような限定された周波数範囲を有する任意の他のオーディオ信号を含んでもよい。様々なポピュラーなオーディオエンコーディングは、このタイプのトラックをサポートする。これは、5.1,7.1又は11.1サラウンドサウンドオーディオトラックの‘.1’として共通に示される。DVD及びブルーレイ標準は、消費者のLFEトラックのインクルージョンを特定する。LFEトラックは、特に、これらである必要はないが、ソニーのPS3、マイクロソフトのXBOX 360のような第3世代のゲーミングコンソールでのサラウンドサウンドビデオゲームでも用いられる。この場合、LFEトラックは、プレーヤーの向きのようなゲーム状態にリアルタイムで応じて5.1チャネルサラウンドオーディオチャンネルを同期するオーディオ空間エンジンの使用を通じてリアルタイムで生成される。
【0011】
従前の自動化されたハプティック再生アーキテクチャは、オーディオ信号に基づいてハプティック出力を提供することができる。ハプティック効果の専門家によって生み出されたコンテンツは、多くの場合、オーディオ信号から自動化されたハプティック生成よりも説得力のあるコンテツ閲覧体験を提供するが、長文のコンテンツのための数百又は数千のハプティック効果を生み出すために相対的に大量の時間を必要とするために高価である。したがって、生み出されたハプティック長文コンテンツと同じ時間を必要としないLFEオーディオ信号からハプティック効果を自動的に提供する改善されたシステムの需要が存在する。
【0012】
LFEオーディオ信号が、通常、低周波数信号を扱うように構成されるオーディオ出力装置を用いて再生成されることが意図されるため、LFEオーディオ信号内に含まれるデータは、ハプティック信号への変換に特に適合されている。例えば、LFEオーディオ信号は、低周波数オーディオ(又は限定された周波数)を含むために既にフィルタ及びミックスされるが、フルビットレートである。さらに、LFEオーディオ信号は、通常、オーディオ信号の他のオーディオチャネルに対してより正確な大きさを有するためにコンテンツプロデューサーによって同じレベルにされる。また、LFEオーディオ信号は、通常、ハプティックコンテンツ体験にとって最も自然な創造的なコンテンツ成分を含む。
【0013】
通常のステレオオーディオデータではなく、LFEオーディオデータは、ハプティック信号に必然的に変換する。ステレオオーディオ(フルレンジオーディオ)では、通常、ハプティックレンダリングにより適切なこれらの信号成分をフィルタし、抽出することが必要である。しかし、これは、一貫性のないハプティック体験をもたらす困難なオペレーションとなりうる。LFEオーディオ信号をハプティック信号に変換することは、以下にさらに詳細に説明される。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るハプティック可能なシステム10のブロック図である。システム10は、ハウジング15内に搭載されるタッチ検知面11又は他のユーザインターフェースを含み、機械的なキー/ボタン13を含んでもよい。システム10の内部は、システム10で振動を生成するハプティックフィードバックシステムである。一実施形態では、振動は、タッチ面11で生成される。
【0015】
ハプティックフィードバックシステムは、プロセッサ12を含む。プロセッサ12に接続されるのは、メモリ20及びアクチュエータ駆動回路16であり、これは、ハプティックアクチュエータ18と接続される。特定の実施形態では、アクチュエータ18は、別のタイプのハプティック出力装置と置き換えられうる。プロセッサ12は、任意のタイプの汎用プロセッサであってもよく、又は特定用途向け集積回路(“ASIC”)のようなハプティック効果を提供するように特別に設計されたプロセッサであってもよい。プロセッサ12は、システム10全体を動作する同一のプロセッサであってもよく、又は別々のプロセッサであってもよい。プロセッサ12は、どのハプティック効果がプレイされるか、及び効果の順序が高いレベルのパラメータに基づいてプレイされることを決定することができる。一般的には、特定のハプティック効果を定義するハイレベルパラメータは、大きさ、周波数及び持続期間を含む。ストリーミングモーターコマンドのような低いレベルのパラメータもまた、特定のハプティック効果を決定するために用いられうる。ハプティック効果が、これらのパラメータのいくつかのバリエーションを含む場合に、ハプティック効果が生成される、又はユーザのインタラクションに基づくこれらのパラメータのバリエーションであるとき、ハプティック効果は、動的であるとみなされる。
【0016】
プロセッサ12は、所望のハプティック効果を生じるためにアクチュエータ18に必要な電流及び電圧を供給するために用いられる電子部品及び回路を含む回路16を駆動するために制御信号を出力する。システム10は、一つ以上のアクチュエータ18を含んでもよく、各アクチュエータは、全てが共通のプロセッサ12に接続される個別の駆動回路16を含んでもよい。メモリ装置20は、ランダムアクセスメモリ(“RAM”)、リードオンリーメモリ(“ROM”)のようなストレージ装置、又はコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを含みうる。メモリ20は、プロセッサ12により実行される命令を記憶する。命令のうち、メモリ20は、アクチュエータ駆動モジュール22を含み、プロセッサ12により実行されたとき、アクチュエータ18に対して駆動信号を生成する一方で、アクチュエータ18からのフィードバックを判定し、駆動信号を調整する命令である。特定の実施形態では、アクチュエータ駆動モジュール22は、低周波数効果オーディオ信号に基づいて駆動信号を生成しうる低周波数効果変換モジュールでありうる。これらの駆動信号は、また、ハプティック信号として認識される。モジュール22の機能は、以下により詳細に説明される。メモリ20は、また、プロセッサ12の内部に位置してもよく、又は内部及び外部メモリの組み合わせであってもよい。
【0017】
タッチ面11は、タッチを認識し、また、タッチの回数、接触点の大きさ、圧力等のような表面でのタッチの位置及び大きさ又は圧力を認識する。タッチに対応するデータは、プロセッサ12又はシステム10内の別のプロセッサへ送信され、プロセッサ12は、タッチを読み取り、それに応じたハプティック効果信号を生成する。タッチ面11は、容量検知、抵抗検知、表面音響波検知、圧力検知、光学検知等を含む任意の検出技術を用いてタッチを検知する。タッチ面11は、マルチタッチ接触を検知し、同時に生じるマルチタッチを区別することができてもよい。タッチ面11は、キー、ダイヤル等のユーザとやりとりするための画像を生成及び表示するタッチスクリーンであってもよく、又は最小限又は画像のないタッチパッドであってもよい。
【0018】
システム10は、携帯電話、PDA、コンピュータタブレット、ゲーミングコンソール、ウェアラブルデバイス等のようなハンドヘルドデバイスであってもよく、又はユーザインターフェースを提供し、一又はそれ以上のERMs、LRAs、静電又は他のタイプのアクチュエータを含むハプティック効果システムを含む任意の他のデバイスであってもよい。ユーザインターフェースは、タッチ検知面であってもよく、又はマウス、タッチパッド、ミニジョイスティック、スクロールホイール、トラックボール、ゲームパッド又はゲームコントローラ等のような任意の他のタイプのユーザインターフェースであってもよい。一以上のアクチュエータを有する実施形態では、各アクチュエータは、装置上のハプティック効果の広い範囲を形成するために、異なる出力性能を有してもよい。各アクチュエータは、任意のタイプのハプティックアクチュエータであってもよく、又は単一又はアクチュエータの多次元アレイであってもよい。
【0019】
図2は、一実施形態に係るアクチュエータ18のLRA実装の切断面である。LRA38は、ケーシング25と、マグネット/マス27と、直線バネ26と、電気コイル28と、を含む。マグネット27は、バネ26によりケーシング25に搭載される。コイル28は、マグネット27の下のケーシング25の底部に直接搭載される。LRA38は、典型的な既知のLRAである。動作時には、電流がコイル28を通じて流れたとき、磁場は、マグネット27の磁場がマグネット27を押す又は引くようにやりとりするコイル28の周りに形成される。ある電流方向/極性は、押す動作を生じ、他の電流方向/極性は、引く動作を生じる。バネ26は、マグネット27の上下の動きを制御し、圧縮された場合の偏った上昇位置、伸長された場合の偏った下降位置、及び圧縮又は偏らない場合のニュートラル又はゼロ交差位置を有し、ニュートラル又はゼロ交差位置は、電流がコイル28に印加されず、マグネット27の動き/振動がないときに、その静止状態に等しい。
【0020】
LRA28にとって、機械的な品質因子又は“Q値”が測定されうる。一般的には、機械的なQ値は、振動する物理系の振幅の減衰のための時定数をその振動周期と比較する無次元のパラメータである。機械的なQ値は、搭載のバリエーションによって大きく影響される。機械的なQ値は、全ての振動サイクルにおけるエネルギー損失に亘る質量とバネとの間の循環されるエネルギーの比を表す。低いQ値は、質量及びバネに蓄積されるエネルギーの大部分が全てのサイクルで損失されることを意味する。一般的には、最小のQ値は、システム10が、エネルギーが手の組織により吸収されることによって手で固く保持されることによって生じる。最大のQ値は、通常、システム10が、振動エネルギーの全てをLRA38に戻し反射する、固く、かつがっしりした面に対して押されたときに生じる。
【0021】
機械的なQ値に直接比例では、共振におけるマグネット/質量27とバネ26とで生じる力は、通常、コイル28が、振動を維持するために生成しなければならない力の10−100倍である。したがって、LRA38の共振周波数は、マグネット27の質量及びバネ26の弾性によってほとんど定義される。しかし、LRAが、フローティングデバイス(つまり、システム10が手で柔らかく保持される)に搭載されるとき、LRA共振周波数は、大きく上側にシフトする。さらに、大きな周波数シフトは、携帯電話の折り畳み又は携帯電話を強く握ることのようなシステム10のLRA38の見かけ上の搭載重さに影響を与える外部要因によって生じうる。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態に係るアクチュエータ18のERM実装の断面斜視図である。ERM300は、回転軸305の周りを回転するオフセンターウェイト303を有する回転質量301を含む。動作時には、任意のタイプのモータは、ERM300に接続され、モータに印加される電圧の量及び極性に応じて、回転軸305の周りに一方又は両方向に回転を生じる。同一方向の回転での電圧の印加は、加速効果を有し、ERM300にその回転速度を増加させ、反対方向の回転での電圧の印加は、ブレーキ効果を有し、ERM300にその回転速度を減少させる又はその回転速度を逆にすることが理解される。
【0023】
本発明の一実施形態は、ERM300の角速度を決定し、変更することによりハプティックフィードバックを提供する。角速度は、回転率のスカラー測定であり、ベクトル量角速度の大きさを表す。一秒あたりのラジアンでの角速度又は周波数ωは、一秒あたりのサイクルの周波数vに相関し、また、2πの係数によりHzとも呼ばれる。駆動信号は、少なくとも1つの駆動パルスがERM300に印加される駆動期間と、回転質量301の戻り電磁場(electromagnetic field (“EMF”))が受信され、ERM300の角速度を求めるために用いられるモニター期間と、を含む。別の実施形態では、駆動期間及びモニター期間は、同時であり、本発明の実施形態は、駆動期間及びモニター期間の両方の間にERM300の角速度を動的に決定する。
【0024】
図4A−4Cは、本発明の一実施形態に係るハプティックアクチュエータ18の圧電実装の図である。
図4Aは、電極401、圧電セラミックスディスク403及び金属ディスク405を含むディスク圧電アクチュエータを示す。
図4Bに示されるように、電圧が電極401に印加されたとき、圧電アクチュエータは、それに応じて曲がり、緩和状態409から変形状態409へ移る。電圧が印加されたとき、振動の基を形成するのはアクチュエータの曲げである。それに替えて、
図4Cは、緩和状態411から変形状態413へ移ることにより、ディスク圧電アクチュエータと同様に動作するビーム圧電アクチュエータを示す。
【0025】
図5は、本発明の一実施形態に係るESFを用いるハプティックデバイスの図である。この実施形態は、パチニ小体の機械的刺激なしで、又はこのような機械的刺激とは別の追加の刺激なしで、皮下のパチニ小体が、容量性電気結合及び適切な大きさの制御電圧により刺激されうるという発見に基づいている。適切な大きさの高電圧は、制御電圧として用いられる。本明細書では、高電圧は、直接ガルバニック接触が、安全及び/又はユーザの快適さの理由から防がれなければならないような電圧を意味する。これは、パチニ小体と刺激を生じる装置との間の容量結合をもたらし、ここで、容量結合の一方側は、刺激装置に接続される少なくとも1つのガルバニック隔離電極により形成される一方で、電極に非常に近接する他方側は、装置のユーザのような刺激対象の身体の部分により形成され、指であることが好ましく、より具体的には、皮下のパチニ小体である。
【0026】
本発明の実施形態は、装置のアクティブ面と、装置のアクティブ面に近づく又は接触する指のような身体の部分との間の電場の制御された情報に基づく。電場は、近接する指での反対の電荷を生じさせやすい。局所的な電場及び容量結合は、電荷間で形成されることができる。電場は、指の組織の電荷での力を方向付ける。電場を適切に変化させることにより、組織を動かすことができる力が生じ、感覚受容器は、このような動きを振動として検知する。
【0027】
図5に示されるように、一又はそれ以上の導電電極501は、絶縁体に設けられる。指505のような身体の部分が、導電電極501に近接したとき、絶縁体は、導電電極から身体の部分505へ直接電流が流れることを防ぐ。絶縁体に亘る容量結合場の力503は、導電電極501と身体の部分505との間に形成される。装置は、また、一又はそれ以上の導電電極に電気的な入力を加えるための高電圧源を備え、ここで、電気的な入力は、10Hz−1000Hzの間の周波数範囲の低周波数成分を備える。容量結合及び電気的な入力は、一又はそれ以上の導電電極又は絶縁体の機械的な振動とは無関係に生成される電気感受性の知覚を生成するように形成される。
【0028】
図6は、超音波ハプティックトランスデューサによる音響放射圧を誘導するためのハプティック装置の図である。空気伝搬超音波トランスデューサアレイ601は、三次元(three−dimensional(“3D”))自由空間で触覚フィードバックを提供するように設計される。このアレイは、空気伝搬超音波を放射し、手袋又は機械的なアタッチメントを使用せずに、ユーザの手に高忠実度の圧力場を生成する。この方法は、超音波、音波放射圧力の非線形現象に基づく。物体が超音波の伝搬を遮断するとき、圧力場は、物体の表面に影響を与える。この圧力は、音響放射圧と呼ばれる(acoustic radiation pressure)。音響放射圧力P[Pa]は、P=αEと記述され、ここで、E[J=m
3]は、超音波のエネルギー密度であり、αは、物体の表面の反射特性に応じて1から2の範囲にある定数である。この式は、音響放射圧力が、超音波のエネルギー密度にどの程度比例するかを示す。超音波のエネルギー密度の空間分布は、波面合成技術を用いることにより制御されることができる。超音波トランスデューサアレイにより、圧力場の様々なパターンは、3D自由空間で生成される。エアジェットとは異なり、空間的及び時間的な分解能は非常に優れている。空間的な分解能は、超音波の波長と比較可能である。周波数特性は、1kHzまでが十分に良好である。
【0029】
空気伝搬超音波は、浸透のリスクなしで肌に直接加えられうる。空気伝搬超音波が、肌の表面に加えられるとき、空気の固有音響インピーダンスと肌の固有音響インピーダンスとの大きな違いによって、入射音響エネルギーの約99.9%は、肌の表面で反射される。ここで、この触覚フィードバックシステムは、扱いにくい手袋又は機械的なアタッチメントをユーザが身に付ける必要がない。
【0030】
図7は、本発明の一実施形態に係るハプティック基板及びフレキシブル表面を用いてハプティック装置701を図示する三次元的(3D)な図である。装置701は、フレキシブル表面層703と、ハプティック基板705と、変形機構711と、を備える。なお、装置701は、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(“PDA”)、自動車データ入力システムのようなユーザインターフェース装置でありうる。なお、本発明の例示的な実施形態の根本的な概念は、一又はそれ以上のブロック(回路又は層)が装置701に加えられる又は除去された場合に変化するものではない。
【0031】
フレキシブル表面層703は、一例として、ポリシロキサンとしても知られるシリコーンラバーのような柔軟及び/又は弾性のある材料からなる。フレキシブル表面層703の機能は、ハプティック基板705の物理パターンと接触すると、その表面形状又はテクスチャを変化させることである。ハプティック基板705の物理パターンは、ハプティック基板705の局所的な部分の一又はそれ以上が上昇又は下降すると、変化可能になり、接触すると、フレキシブル表面層703の表面に影響を与えるための機能を表す。ハプティック基板705の物理パターンが決定されると、フレキシブル表面層703のテクスチャは、ハプティック基板705の物理パターンへのその表面質感を確認するために変化することができる。なお、あるテクスチャから別のテクスチャへのフレキシブル表面層703の変形は、変形機構711により制御されることができる。例えば、変形機構711がアクティブではないとき、フレキシブル表面層703は、ハプティック基板705において浮遊する又は位置する、その平滑構成を維持する。しかし、フレキシブル表面層703の表面構成は、変形機構711が、アクティブであり、かつハプティック基板705がフレキシブル表面層703に接触するとき、フレキシブル表面層703の上面に同様のパターンを生成するように、滑らかな構成から粗い構成へ変形又は変化する。
【0032】
それに替えて、フレキシブル表面層703は、フレキシブルなタッチ検知面であり、これは、ユーザの入力を受け付けることを可能にする。フレキシブルなタッチ検知面は、複数の領域に分割されることができ、ここで、フレキシブルなタッチ検知面の各領域は、指によって領域がタッチされる又は押されたときに、入力を受け付けることができる。一実施形態では、フレキシブルなタッチ検知面は、センサを備え、これは、すぐ近くの指を検出すること、及び装置の起動又は作動を可能にする。フレキシブル表面層703は、また、フレキシブルディスプレイを含んでもよく、これは、フレキシブル表面層703と共に変形することができる。なお、各種のフレキシブルディスプレイ技術は、有機発光ダイオード(organic light−emitting diode (“OLED”))、ポリマー薄膜トランジスタ(polymer Thin Film Transistor(“TFT”))のようなフレキシブルディスプレイを製造するために用いられうる。
【0033】
ハプティック基板705は、一又はそれ以上のパターン起動信号に応じて、その表面パターンを変化させることが可能な表面が再構成可能なハプティック装置である。ハプティック基板705は、また、ハプティック機構、ハプティック層、触覚素子等としても示される。ハプティック基板705は、一実施形態では、複数の触覚又はハプティック領域707,709を含み、ここで、各領域は、独立に制御及びアクティベートされうる。各触覚領域が、独立にアクティベートされることができるため、ハプティック基板705のユニークな表面パターンは、パターン起動信号に応じて較正されうる。別の実施形態では、各触覚領域は、さらに、複数のハプティックビットに分割され、ここで、各ビットは、独立に励起、アクティベート又はディアクティベートされうる。
【0034】
ハプティック基板705又はハプティック機構は、一実施形態では、アクティベートコマンド又は信号に応じてハプティックフィードバックを提供するように動作可能である。ハプティック基板705は、複数の触覚又はハプティックフィードバックを提供し、ここで、ある触覚フィードバックは、表面変形のために用いられ、別の触覚フィードバックは、入力確認のために用いられる。入力確認は、選択された入力についてユーザに知らせるためのハプティックフィードバックである。ハプティック機構705は、例えば、振動、垂直変位、横方向変位、プッシュ/プル技術、空気/流体ポケット、材料の局所的な変形、共振機械素子、圧電材料、マイクロ−エレクトロ−メカニカルシステム(“MEMS”)素子、熱流体ポケット、MEMSポンプ、可変多孔性メンブレン、層流変調等を含む様々な技術によって実装されることができる。
【0035】
ハプティック基板705は、一実施形態では、セミフレキシブル又はセミリジッド材料により構築される。一実施形態では、ハプティック基板は、フレキシブル面703よりも硬くなるべきであり、そのため、フレキシブル面703の表面テクスチャは、ハプティック基板705の表面パターンにハプティック基板705は、例えば、一又はそれ以上のアクチュエータを含み、これは、電気活性ポリマー(“EAP”)のファイバー(又はナノチューブ)、圧電素子、形状記憶合金(“SMAs”)のファイバー等から構築されうる。生物学的筋肉又は人工筋肉としても知られるEAPは、電圧の印加に応じてその形状を変化させることが可能である。EAPの物理形状は、大きな力を持続するとき、変形される。EAPは、電気活性ポリマー、誘電エラストマー、導電性ポリマー、イオンポリマー金属合成物、反応性ゲル、ブッキーゲルアクチュエータ(Bucky gel actuators)又は上記のEAP材料の組み合わせから構築されてもよい。
【0036】
記憶金属としても知られる形状記憶合金(“SMA”)は、ハプティック基板705を構築するために使用されうる別のタイプの材料である。SMAは、銅−亜鉛−アルミニウム、銅−アルミニウム−ニッケル、ニッケル−チタニウム合金、又は銅−亜鉛−アルミニウム、銅−アルミニウム−ニッケル、ニッケル−チタニウム合金の組み合わせからなる。SMAの特性は、その元の形状が変形したとき、大気温度及び/又は周囲環境に基づいてその元の形状を取り戻すことである。なお、本実施形態は、特定のハプティック知覚を実現するために、EAP、圧電素子及び/又はSMAを組合せてもよい。
【0037】
変形機構711は、フレキシブル面703を変形させるハプティック基板705において素子を変化するために引く力及び/又は引っ張る力を提供する。例えば、変形機構711がフレキシブル面703とハプティック基板705との間に真空を形成する場合、フレキシブル面703は、ハプティック基板705に対して押され、ハプティック基板705の表面パターンに基づいてフレキシブル面703にフレキシブル面703のテクスチャを示させる。すなわち、ハプティック基板705の表面パターンが生成されると、フレキシブル面は、ハプティック基板705に対して引っ張られる又は押され、フレキシブル面703の変形した面を通じてハプティック基板705のパターンを見せる。一実施形態では、ハプティック基板705及び変形機構711は、同一又は実質同一の層に構築される。
【0038】
第1の起動信号を受信すると、ハプティック基板705は、第1の表面パターンを生成する。ハプティック基板705の表面パターンの形成後、変形機構711は、続いて、ハプティック基板705の表面パターンに応じてフレキシブル面703の表面テクスチャを変化させるためにアクティベートされる。それに替えて、ハプティック基板705が第2の起動信号を受信した場合、ハプティック基板705は、第2の表面パターンを生成する。
【0039】
ハプティック基板705は、複数の触覚領域をさらに含み、ここで、各領域は、基板の表面パターンを形成するために独立にアクティベートされることができる。ハプティック基板705は、また、ユーザにより入力された入力選択を確認するために確認フィードバックを生成することもできる。変形機構711は、第1の基板特性から第2の基板特性へフレキシブル面703の表面テクスチャを変形するように構成される。なお、ハプティック装置は、センサをさらに備え、センサは、センサがフレキシブル面703でのタッチを検出したとき、ハプティック装置を起動することができる。変形機構711は、真空発生器であってもよく、真空発生器は、ハプティック基板705の第1のパターンの構成に応じてその表面構成を変形するために第1の表面パターンに対してフレキシブル面703をつぶれさせることができる。
【0040】
ハプティック基板705は、触覚領域707及び709がアクティベートされるときの状態を示す。触覚領域707及び709は、z軸方向に上昇する。一又はそれ以上の起動信号を受信すると、ハプティック基板705は、起動信号に応じて表面パターンを認識する。ハプティック基板705は、パターンを生成するために領域707及び709のような様々な触覚領域をアクティベートすることにより認識されたパターンを提供する。なお、触覚領域707及び709は、2つのボタン又はキーを模している。別の実施形態では、触覚領域707又は709は、複数のハプティックビットを含み、各ビットは、アクティベート又はディアクティベートのために制御されうる。
【0041】
図8A−8Bは、USFを用いるハプティック装置の図である。超音波振動ディスプレイ801は、数マイクロメートルの単位で超音波振動を生成する。ディスプレイ801は、超音波レンジで振動するタッチインターフェース面803で構成される。振動805は、指809が、表面803に接触し、力807F
tを加えたとき、速度v
tでタッチ面803に沿って伝搬する。振動805は、面803で摩擦の見かけ上の減少を生じる。上下に移動することにより、タッチ面803は、面803と作用する指809とのエアギャップ813を生じ、摩擦の減少を生じるエアギャップ813である。これは、指809が、波805の頂点又はピークに接触したとき、その瞬間に指が接触し、指809が、波805の谷の上にあるとき、接触しない場合もある面803に沿うラム波815として考えられうる。指809が速度v
fで横方向に移動されたとき、面803の見かけ上の摩擦は、指809による面803の接触のオンオフによって減少される。面803がアクティベートされないとき、指809は、常に面803と接触し、静摩擦又は動摩擦係数は一定を維持する。
【0042】
振動805が、通常、20kHz又はそれ以上の範囲の超音波で生じるため、波長コンテントは、通常、指のサイズよりも小さくなり、よって、一貫した体験を可能にする。面803の通常の変位は、5マイクロメートル未満の大きさであり、小さな変位は、低い摩擦減少をもたらすことが理解される。
【0043】
図9は、本発明の一実施形態に係る例示的な5.1マルチチャネルオーディオサラウンド構成である。5.1マルチチャネルオーディオサラウンド構成は、スピーカのような複数のオーディオ出力装置を含む。図示された実施形態では、円内に位置する5.1マルチチャネルオーディオサラウンド構成(つまり、オーディオ出力装置C,Sub,L,R,LS及びRS)は、ユーザUを取り囲む。ソースオーディオ信号は、複数のソースオーディオチャネルを含み、一又はそれ以上のソースオーディオチャネルは、オーディオ出力装置にマップされ、オーディオ出力装置は、マップされたオーディオチャネルに基づいてオーディオ効果を出力する。実施形態によれば、ソースオーディオ信号のLFEチャネルは、オーディオ出力装置Subにマップされうる。前述したように、LFEチャネルは、人の聴覚の全てのスペクトルよりも実質的に少ないオーディオスペクトルでデコードされたオーディオチャンネルである。LFEトラックは、通常、20Hz−120Hzの範囲の可聴周波数で低周波数情報をエンコードするために用いられるが、制限された周波数範囲を有する任意の他のオーディオ信号を含んでもよい。5.1マルチチャネルオーディオサラウンド構成の‘.1’は、LFEチャネルを示す。これは、LFEチャネルが通常、他のオーディオチャンネルの帯域幅の摩擦のみを必要とするためである。
【0044】
図10は、本発明の一実施形態に係る人の聴覚システムの等ラウドネスチャートである。等ラウドネスチャートは、純粋に一様なトーンで表された時、聴者が一定のラウドネスを受け付ける周波数スペクトルに亘る音圧(“dB SPL”)を測定する。ラウドネスレベルの測定の単位は、“フォン(phon)”であり、等ラウドネス線を参照することにより到達する。最も低い等ラウドネス線1010は、最小の可聴音を表し、また、聴力の絶対閾値としても知られる。最も高い等ラウドネス線1020は、痛覚の閾値として知られる。
【0045】
図11A−11Bは、本発明の一実施形態に係る、シフトされ、増幅され、圧縮されたオーディオ信号を示すオーディオスペクトログラムである。より具体的には、
図11Aは、5.1オーディオ信号から抽出されるLFEオーディオ信号1110を示す。
図11Bは、ピッチシフトされ、圧縮され、増幅されたLFEオーディオ信号1120を示す。オーディオ信号をピッチシフトすることにより、オーディオ信号の一又はそれ以上元の周波数は、一又はそれ以上の新たな周波数にシフトされ、ここで、新たな周波数は、元の周波数の調和関係を維持し、新たな周波数の比は、元の周波数の比と同一である。例えば、1kHzの基本的な周波数及び2kHz並びに5kHzの2つの高調波周波数を含むオーディオ信号は、2.5の係数によって上方にピッチシフトされ、ここで、ピッチシフトされたオーディオ信号は、2.5kHzの基本的な周波数及び5kHz並びに12.5kHzの2つの高調波周波数を含む。別の実施形態では、LFEオーディオ信号1120は、ピッチシフトではなく周波数シフトされることができる。オーディオ信号を周波数シフトすることにより、オーディオ信号の一又はそれ以上の元の周波数は、一又はそれ以上の新たな周波数にシフトされ、ここで、新たな周波数は、元の周波数の調和関係を維持せず、新たな周波数の比は、元の周波数の比と同一である必要がない。例えば、1kHzの基本的な周波数及び2kHz並びに5kHzの2つの高調波周波数を含むオーディオ信号は、1.5kHzによって上方に周波数シフトされ、ここで、周波数シフトされたオーディオ信号は、2.5kHzの基本的な周波数及び3.55kHz並びに6.5kHzの2つの高調波周波数を含む。LFEオーディオ信号1110を上方にピッチシフト又は周波数シフトのいずれかを行うことにより、LFEオーディオ信号1110の一又はそれ以上の周波数は、元の周波数範囲からアクチュエータのようなハプティック出力装置の対象となる周波数範囲へシフトされうる。これは、LFEオーディオ信号1120の一又はそれ以上周波数が、ハプティック出力装置の対象となる周波数範囲内であり、LFEオーディオ信号1120がハプティック出力装置のための適切なハプティック信号であり得るためである。特定の実施形態では、元の周波数範囲は、20Hz−120Hzのような限定された周波数範囲でありうる。これらの実施形態では、LFEオーディオ信号1110の一又はそれ以上の周波数の1つ、いくつか又は全ては、限定された周波数範囲の外側にシフトされうる。さらに、特定の実施形態では、ハプティック出力装置の対象となる周波数範囲は、ハプティック出力装置のタイプに基づいて実行時に求められうる。対象となる周波数範囲の例は、30Hz−120Hz(例えば、LRAアクチュエータ用)及び120Hz−300Hz(例えば、圧電アクチュエータ用)を含みうる。
【0046】
さらに、LFEオーディオ信号1120は、圧縮、増幅又はその両方が行われうる。さらに、LFEオーディオ信号1120は、ハプティック出力装置の対象となる駆動周波数へリサンプリングされうる。より具体的には、LFEオーディオ信号1120のレンダリング周波数は、新たなレンダリング周波数にシフトされることができ、ここで、新たなレンダリング周波数は、ハプティック出力装置の対象となる駆動周波数は等しくなりうる。このリサンプリングは、ハプティック出力装置の機能により良くフィットするために、どのようにLFEオーディオ信号1120がレンダリングされるか(つまり、どのくらい多くのサンプルが一秒あたりにプレイされるか)を変化させることができる。リサンプリングは、LFEオーディオ信号1120がピッチシフト(又は周波数シフト)された後に行われる、又はリサンプリングは、LFEオーディオ信号1120がハプティック信号としてハプティック出力装置へ送信されたときに、実行時に行われる。さらに、いくつかの実施形態では、リサンプリングは、省略されうる。LFEオーディオ信号1120は、続いて、ハプティック信号としてのハプティック出力装置へ送信され、ここで、ハプティック出力装置は、ハプティック信号に基づいて一又はそれ以上のハプティック効果を出力しうる。
【0047】
図12A−12Bは、本発明の一実施形態に係るシフトされたオーディオ信号を示すブラックマン−ハリスウィンドウ(Blackman−Harris windows)である。より具体的には、
図12Aは、5.1オーディオ信号から抽出されるLFEオーディオ信号1210を示す。
図12Bは、ピッチシフトされたLFEオーディオ信号1220を示す。オーディオ信号をピッチシフトすることにより、前述したように、オーディオ信号の一又はそれ以上元の周波数は、一又はそれ以上の新たな周波数にシフトされ、ここで、新たな周波数は、元の周波数の調和関係を維持し、新たな周波数の比は、元の周波数の比と同一である。別の実施形態では、LFEオーディオ信号1220は、ピッチシフトされるのではなく周波数シフトされうる。オーディオ信号を周波数シフトすることにより、前述したように、オーディオ信号の一又はそれ以上の周波数は、一又はそれ以上の新たな周波数にシフトされ、ここで、新たな周波数は、元の周波数の調和関係を維持せず、新たな周波数の比は、元の周波数の比と同一である必要がない。
【0048】
図13は、本発明の一実施形態に係る体験チャート及びハプティックチャートの品質である。実施形態によれば、調査は、何人かの被験者で行われ、テストビデオが被験者に示され、テストビデオは、タブレットデバイスに表示された。いくつかのテストビデオは、各ビデオに含まれるオーディオ信号からLFEオーディオ信号を抽出し、LFEオーディオ信号をハプティック信号に変換することに基づいて生成されたハプティック効果を含んでいた。他のテストビデオは、ハプティック効果を含まなかった。被験者は、テストビデオを見る時、及びタブレットデバイスを手に持つ時、高品質なステレオヘッドフォンを身に付けていた。被験者は、テストビデオを見て、体験タイムラインインターフェースでリアルタイムレーティングを行った。被験者は、さらに、各テストビデオの最後に調査質問に回答した。テストビデオの実際の提示の順序は、同一のビデオを繰り返し示すことを防ぐために変えられた。提示の順序は、順序の効果を制御するために被験者間で釣り合わせられた。トータルのビデオ再生時間は、約32−35分であり、トータルのセッションタイムは、90分であった。さらに、実施形態によれば、被験者の総数は、20であり、ここで、被験者のグループは、男女の数を釣り合わせた。被験者の50%は、タブレットを所有しており、被験者の全員は、日常的に(つまり、週に2−3回)スマートフォン又はタブレットでメディアを見ていた。
【0049】
実施形態によれば、ハプティック信号1310は、調査からの第1のビデオ内に含まれるオーディオ信号から抽出されたLFEオーディオ信号に基づいて生成されるハプティック信号である。第1のビデオのLFEハプティックバージョンは、調査の被験者の何人かに示され、ここで、第1のビデオのLFEハプティックバージョンは、ハプティック信号1310に基づいて生成されたハプティック効果に含まれた。第1のビデオの非ハプティックバージョンは、調査の被験者の別の何人かに示され、ここで、第1のビデオの非ハプティックバージョンは、ハプティック効果を含まなかった。グラフ1320は、第1のビデオの非ハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者によって示された平均体験品質(quality of experience(“QoE”))レーティングを表し、ここで、QoEレーティングは、閲覧体験の品質を示す0から100のレーティングであり、0は、最も低い品質を表し、100は、最も高い品質を表す。グラフ1330は、第1のビデオのLFEハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。さらに、グラフ1340は、第1のビデオの持続期間に亘るグラフ1330の平均QoEレーティング及びグラフ1320の平均QoEレーティングのデルタを表す。グラフ1320、1330及び1340からわかるように、第1のビデオのLFEハプティックバージョンを体験した被験者は、第1のビデオ、特に、ハプティック信号1310の内容に基づいてハプティック効果がよりはっきりしている第1のビデオの部分で非ハプティックバージョンを体験した被験者よりも高い品質レーティングを示した。
【0050】
図14は、本発明の一実施形態に係る体験品質チャート及びLFEハプティックチャートである。ハプティック信号1410は、調査からの第2のビデオ内に含まれるオーディオ信号から抽出されるLFEオーディオ信号に基づいて生成されるハプティック信号である。第2のビデオのLFEハプティックバージョンは、調査の被験者の何人かに示されており、ここで、第2のビデオのLFEハプティックバージョンは、ハプティック信号1410に基づいて生成されるハプティック効果を含んでいた。第2のビデオの非ハプティックバージョンは、調査の他の被験者に示されており、ここで、第2のビデオの非ハプティックバージョンは、ハプティック効果を含まなかった。グラフ1420は、第2のビデオの非ハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。グラフ1430は、第2のビデオのLFEハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。さらに、グラフ1440は、第2のビデオの持続期間に亘るグラフ1430の平均QoEレーティング及びグラフ1420の平均QoEレーティングのデルタを表す。グラフ1420、1430及び1440からわかるように、第2のビデオのLFEハプティックバージョンを体験した被験者は、第2のビデオ、特に、ハプティック信号1410の内容に基づいてハプティック効果がよりはっきりしている第2のビデオの部分での非ハプティックバージョンを体験した被験者よりも高い品質レーティングを示した。
【0051】
図15は、本発明の一実施形態に係る体験品質チャート及び対応するLFEハプティックチャートである。ハプティック信号1510は、調査からの第3のビデオ内に含まれるオーディオ信号から抽出されるLFEオーディオ信号に基づいて生成されるハプティック信号である。第3のビデオのLFEハプティックバージョンは、調査の被験者の何人かに示されており、ここで、第3のビデオのLFEハプティックバージョンは、ハプティック信号1510に基づいて生成されるハプティック効果を含んでいた。第3のビデオの非ハプティックバージョンは、調査の他の被験者に示されており、ここで、第3のビデオの非ハプティックバージョンは、ハプティック効果を含まなかった。グラフ1520は、第3のビデオの非ハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。グラフ1530は、第3のビデオのLFEハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。さらに、グラフ1540は、第3のビデオの持続期間に亘るグラフ1530の平均QoEレーティング及びグラフ1520の平均QoEレーティングのデルタを表す。グラフ1520、1530及び1540からわかるように、第3のビデオのLFEハプティックバージョンを体験した被験者は、第3のビデオ、特に、ハプティック信号1510の内容に基づいてハプティック効果がよりはっきりしている第3のビデオの部分での非ハプティックバージョンを体験した被験者よりも高い品質レーティングを示した。
【0052】
図16は、本発明の一実施形態に係る体験品質チャート及び対応するLFEハプティックチャートである。ハプティック信号1610は、調査からの第4のビデオ内に含まれるオーディオ信号から抽出されるLFEオーディオ信号に基づいて生成されるハプティック信号である。第4のビデオのLFEハプティックバージョンは、調査の被験者の何人かに示されており、ここで、第4のビデオのLFEハプティックバージョンは、ハプティック信号1610に基づいて生成されるハプティック効果を含んでいた。第4のビデオの非ハプティックバージョンは、調査の他の被験者に示されており、ここで、第4のビデオの非ハプティックバージョンは、ハプティック効果を含まなかった。グラフ1620は、第4のビデオの非ハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。グラフ1630は、第4のビデオのLFEハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。さらに、グラフ1640は、第4のビデオの持続期間に亘るグラフ1630の平均QoEレーティング及びグラフ1620の平均QoEレーティングのデルタを表す。グラフ1620、1630及び1640からわかるように、第4のビデオのLFEハプティックバージョンを体験した被験者は、第4のビデオ、特に、ハプティック信号1610の内容に基づいてハプティック効果がよりはっきりしている第4のビデオの部分での非ハプティックバージョンを体験した被験者よりも高い品質レーティングを示した。
【0053】
図17は、本発明の一実施形態に係る体験品質チャート及び対応するLFEハプティックチャートである。ハプティック信号1710は、調査からの第5のビデオ内に含まれるオーディオ信号から抽出されるLFEオーディオ信号に基づいて生成されるハプティック信号である。第5のビデオのLFEハプティックバージョンは、調査の被験者の何人かに示されており、ここで、第5のビデオのLFEハプティックバージョンは、ハプティック信号1710に基づいて生成されるハプティック効果を含んでいた。第5のビデオの非ハプティックバージョンは、調査の他の被験者に示されており、ここで、第5のビデオの非ハプティックバージョンは、ハプティック効果を含まなかった。グラフ1720は、第5のビデオの非ハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。グラフ1730は、第5のビデオのLFEハプティックバージョンの持続期間に亘って被験者により示される平均QoEレーティングを表す。さらに、グラフ1740は、第5のビデオの持続期間に亘るグラフ1730の平均QoEレーティング及びグラフ1720の平均QoEレーティングのデルタを表す。グラフ1720、1730及び1740からわかるように、第5のビデオのLFEハプティックバージョンを体験した被験者は、第5のビデオ、特に、ハプティック信号1710の内容に基づいてハプティック効果がよりはっきりしている第5のビデオの部分での非ハプティックバージョンを体験した被験者よりも高い品質レーティングを示した。
【0054】
図18は、本発明の一実施形態に係る没入度サマリーチャートである。没入度サマリーチャートは、ビデオのLFEハプティックバージョンのための調査の被験者により示される没入度レーティングを、ビデオの非ハプティックバージョンのための調査の被験者により示される没入度レーティングと比較し、ここで、没入度レーティングは、被験者が閲覧体験にどの程度没入しているかを示す0から9のレーティングであり、0は、最も低い没入度を表し、9は、最も高い没入度を表す。
【0055】
図18の没入度サマリーチャートは、没入度レーティングセット1810,1815,1820,1825,1830,1835,1840,1845,1850及び1855を含む。没入度レーティングセット1810は、調査の第1のビデオの非ハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1815は、第1のビデオのLFEハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1815の平均レーティング(つまり、6.15)は、没入度レーティングセット1810の平均レーティング(つまり、4.9)よりも高い。さらに、没入度レーティングセット1820は、調査の第2のビデオの非ハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1825は、第2のビデオのLFEハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1825の平均レーティング(つまり、6.7)は、没入度レーティングセット1820の平均レーティング(つまり、5.2)よりも高い。没入度レーティングセット1830は、調査の第3のビデオの非ハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1835は、第3のビデオのLFEハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1835の平均レーティング(つまり、6.7)は、没入度レーティングセット1830の平均レーティング(つまり、5.4)よりも高い。
【0056】
さらに、没入度レーティングセット1840は、調査の第4のビデオの非ハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1845は、第4のビデオのLFEハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1845の平均レーティング(つまり、6.55)は、没入度レーティングセット1840の平均レーティング(つまり、4.65)よりも高い。没入度レーティングセット1850は、調査の第5のビデオの非ハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1855は、調査の第5のビデオのLFEハプティックバージョンに対する没入度レーティングを表す。没入度レーティングセット1855の平均レーティング(つまり、6.9)は、没入度レーティングセット1850の平均レーティング(つまり、5.15)よりも高い。よって、ビデオのLFEハプティックバージョンに対する没入度とビデオの非ハプティックバージョンに対する没入度との全ての違いは、統計的に非常に大きい。さらに、平均で、ビデオのLFEハプティックバージョンは、調査の被験者により、ビデオの非ハプティックバージョンと比べて、30%の割合でより没入度が高かった。
【0057】
図19は、本発明の一実施形態に係る体験品質サマリーチャートである。体験品質サマリーチャートは、ビデオのLFEハプティックバージョンのための調査の被験者により示されるQoEレーティングを、ビデオの非ハプティックバージョンのための調査の被験者により示されるQoEレーティングと比較し、ここで、QoEレーティングは、被験者が閲覧体験の質を示す0から9のレーティングであり、0は、最も低い没入度を表し、9は、最も高い没入度を表す。
【0058】
図19の体験品質サマリーチャートは、QoEレーティングセット1910,1915,1920,1925,1930,1935,1940,1945,1950及び1955を含む。QoEレーティングセット1910は、調査の第1のビデオの非ハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1915は、調査の第1のビデオのLFEハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1915の平均レーティング(つまり、70.4)は、QoEレーティングセット1910の平均レーティング(つまり、58.6)よりも高い。さらに、QoEレーティングセット1850は、調査の第2のビデオの非ハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1925は、第2のビデオのLFEハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1925の平均レーティング(つまり、74.1)は、QoEレーティングセット1920の平均レーティング(つまり、62.5)よりも高い。QoEレーティングセット1930は、調査の第3のビデオの非ハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1935は、第3のビデオのLFEハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1935の平均レーティング(つまり、74.5)は、QoEレーティングセット1930の平均レーティング(つまり、63.9)よりも高い。
【0059】
さらに、QoEレーティングセット1940は、調査の第4のビデオの非ハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1945は、第4のビデオのLFEハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1945の平均レーティング(つまり、75.1)は、QoEレーティングセット1940の平均レーティング(つまり、60)よりも高い。QoEレーティングセット1950は、調査の第5のビデオの非ハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1955は、第5のビデオのLFEハプティックバージョンに対するQoEレーティングを表す。QoEレーティングセット1955の平均レーティング(つまり、75)は、QoEレーティングセット1950の平均レーティング(つまり、58.9)よりも高い。よって、ビデオのLFEハプティックバージョンに対するQoEレーティングとビデオの非ハプティックバージョンに対するQoEレーティングとの全ての違いは、統計的に非常に大きい。さらに、平均で、ビデオのLFEハプティックバージョンは、調査の被験者により、ビデオの非ハプティックバージョンと比べて、21%の割合で高かった。
【0060】
図20は、本発明の一実施形態に係る、LFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換するためのフロー図である。一実施形態では、
図20のフロー図の機能と共に、
図21,22,23,24,25,28,29及び30のフロー図の機能は、それぞれ、メモリ又は他のコンピュータ可読又は有形媒体に記憶されたソフトウェアにより実装され、プロセッサにより実行される。別の実施形態では、各機能は、(例えば、特定用途向け集積回路(“ASIC”)、プログラマブルゲートアレイ(“PGA”)、フィールドプログラマブルゲートアレイ)(“FPGA”)等の用途の使用を通じて)ハードウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実行されてもよい特定の実施形態では、いくつかの機能は、省略されてもよい。
【0061】
フローは、開始し、2001へ進む。2001では、ソースオーディオ信号は、受信される。ソースオーディオ信号は、複数のオーディオ信号を含み、オーディオ信号は、複数のトラック又はチャネル内に含まれうる。複数のオーディオ信号の少なくとも1つは、オーディオ信号であることができ、LFEオーディオ信号は、LFEトラック又はLFEチャネル内に含まれる。フローは、2003へ進む。
【0062】
2003では、ソースオーディオ信号は、LFEオーディオ信号を含むサラウンドエンコーディングにダウンミックスされる。特定の実施形態では、サラウンドエンコーディングは、5.1サラウンドエンコーディングでありうる。フローは、2005へ進む。
【0063】
2005では、LFEオーディオ信号は、ソースオーディオ信号から抽出される。特定の実施形態では、LFEオーディオ信号は、ソースオーディオ信号内にエンコードされ、また、抽出されたLFEオーディオ信号は、デコードされる。フローは、2007へ進む。
【0064】
2007では、LFEオーディオ信号は、ハプティック信号へ変換される。特定の実施形態では、LFEオーディオ信号は、LFEオーディオ信号をピッチシフトすることにより、ハプティック信号へ変換されうる。LFEオーディオ信号をピッチシフトすることにより、LFEオーディオ信号の元のピッチは、アクチュエータのようなハプティック出力装置の対象となるピッチ範囲内の対象となるピッチにシフトされうる。さらに、LFEオーディオ信号の元のピッチを対象となるピッチにシフトすることにより、LFEオーディオ信号の一又はそれ以上元の周波数は、一又はそれ以上の対象となる周波数にシフトされることができ、一又はそれ以上の対象となる周波数の比は、一又はそれ以上元の周波数の比と同一である。特定の実施形態では、LFEオーディオ信号の元のピッチは、20Hz−100Hzのような限定されたピッチ範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、LFEオーディオ信号の元のピッチのシフトは、限定されたピッチ範囲外の元のピッチのシフトである。これらの実施形態のいくつかでは、LFEオーディオ信号の元のピッチのシフトは、限定されたピッチ範囲の完全に外れた元のピッチのシフトである。別の実施形態では、LFEオーディオ信号は、LFEオーディオ信号を周波数シフトすることにより、ハプティック信号に変換されうる。LFEオーディオ信号を周波数シフトすることにより、LFEオーディオ信号の一又はそれ以上の元の周波数は、対象となる周波数範囲内の一又はそれ以上の対象となる周波数にシフトされることができ、ここで、一又はそれ以上の対象となる周波数の比は、一又はそれ以上の元の周波数の比と同一である。特定の実施形態では、LFEオーディオ信号の一又はそれ以上の元の周波数は、20Hz−100Hzのような限定された周波数範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、LFEオーディオ信号の一又はそれ以上の元の周波数のシフトは、限定された周波数範囲外の一又はそれ以上の元の周波数のシフトである。これらの実施形態のいくつかでは、LFEオーディオ信号の一又はそれ以上の元の周波数のシフトは、限定された周波数範囲の完全に外れた一又はそれ以上の元の周波数のシフトである。フローは、2009へ進む。
【0065】
2009では、ハプティック信号は、ハプティック出力装置の対象となる駆動周波数にリサンプリングされる。対象となる駆動周波数の一例は、8kHzである。フローは、2011へ進む。
【0066】
2011では、ハプティック信号は、ハプティックデータエンコーディングをサポートするファイルのコンテナ、又はストリーミングデータフォーマットにエンコードされる。特定の実施形態では、ハプティック信号は、LFE信号内にエンコードされる。ハプティック信号は、続いて、コンテナから抽出され、デコードされ、ハプティック出力装置に送信され、ここで、ハプティック信号は、ハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。そして、フローは終了する。
【0067】
特定の実施形態では、一又はそれ以上のパラメータは、ピッチシフト又は周波数シフトの量又は位置関係を制御するために、ピッチシフト又は周波数シフトを調整するように(自動又はユーザにより)提供されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、LFEオーディオ信号の追加処理は、ピッチシフト又は周波数シフトの前又は後に行われうる。追加処理は、フィルタリング、又はピッチシフト又は周波数シフトにより導入されるノイズ除去のための“平滑化(smoothing)”処理を含みうる。さらに、いくつかの実施形態では、ハプティック信号は、リアルタイム又はほぼリアルタイムでハプティック出力装置へ送信されうる。
【0068】
図21は、本発明の別の実施形態に係る、LFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換するためのフロー図である。フローは、開始し、2101へ進む。2101では、ソースオーディオ信号は、受信される。ソースオーディオ信号は、複数のオーディオ信号を含み、オーディオ信号は、複数のトラック又はチャネル内に含まれうる。複数のオーディオ信号の少なくとも1つは、LFEオーディオ信号であることができ、LFEオーディオ信号は、LFEトラック又はLFEチャネル内に含まれる。フローは、2103へ進む。
【0069】
2103では、ソースオーディオ信号は、LFEオーディオ信号を含むサラウンドエンコーディングにリアルタイムで音響空間化される。特定の実施形態では、サラウンドエンコーディングは、5.1サラウンドエンコーディングでありうる。フローは、2105へ進む。
【0070】
2105では、LFEオーディオ信号は、ソースオーディオ信号から抽出される。LFEオーディオ信号がソースオーディオ信号内にエンコードされる特定の実施形態では、抽出されたLFEオーディオ信号もまた、デコードされる。フローは、2107へ進む。
【0071】
2107では、LFEオーディオ信号は、ハプティック信号に変換される。特定の実施形態では、LFEオーディオ信号は、
図20と共に前述したように、LFEオーディオ信号をピッチシフトすることによりハプティック信号に変換されうる。別の実施形態では、LFEオーディオ信号は、
図20と共に前述したように、LFEオーディオ信号を周波数シフトすることによりハプティック信号に変換されうる。フローは、2109へ進む。
【0072】
2109では、ハプティック信号は、アクチュエータのようなハプティック出力装置の対象となる駆動周波数にリサンプリングされる。対象となる駆動周波数の一例は、8kHzである。フローは、2111へ進む。
【0073】
2111では、ハプティック信号は、リアルタイムでハプティック出力装置へ送信され、ハプティック信号は、ハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。そして、フローは終了する。
【0074】
図22は、本発明の別の実施形態に係る、LFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換するためのフロー図である。フローは、開始し、2201へ進む。2201では、ソースオーディオ信号は、受信される。ソースオーディオ信号は、複数のオーディオ信号を含み、オーディオ信号は、複数のトラック又はチャネル内に含まれうる。複数のオーディオ信号の少なくとも1つは、LFEオーディオ信号であることができ、LFEオーディオ信号は、ソースオーディオ信号のLFEトラック又はLFEチャネル内に含まれる。フローは、開始し、2203へ進む。
【0075】
2203では、ソースオーディオ信号は、複数のオーディオ信号にデコードされ、複数のオーディオ信号は、LFEオーディオ信号を含む。フローは、2205へ進む。
【0076】
2205では、LFEオーディオ信号は、ソースオーディオ信号から抽出される。LFEオーディオ信号がソースオーディオ信号内にエンコードされる特定の実施形態では、抽出されたLFEオーディオ信号もまた、デコードされる。フローは、2207へ進む。
【0077】
2207では、LFEオーディオ信号は、ハプティック信号へ変換される。特定の実施形態では、LFEオーディオ信号は、
図20と共に前述したように、LFEオーディオ信号をピッチシフトすることによりハプティック信号に変換されうる。別の実施形態では、LFEオーディオ信号は、
図20と共に前述したように、LFEオーディオ信号を周波数シフトすることによりハプティック信号に変換されうる。フローは、2209へ進む。
【0078】
2209では、ハプティック信号は、アクチュエータのようなハプティック出力装置の対象となる駆動周波数にリサンプリングされる。対象となる駆動周波数の一例は、8kHzである。フローは、2211へ進む。
【0079】
2211では、ハプティック信号は、リアルタイムでハプティック出力装置へ送信され、ハプティック信号は、ハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。そして、フローは終了する。
【0080】
図23は、本発明の実施形態に係る低周波数効果信号内のハプティック信号をエンコードするためのフロー図である。オーディオ信号のハプティック信号をエンコードすることは、有益となりうる。なぜなら、2つの異なる出力の内容は、単一波形又は他のタイプの信号に記録され、記憶され、送信されうる。LFEオーディオ信号の場合には、限定された周波数範囲(例えば、20Hz−120Hz)のオーディオ信号は、記憶され、同一の周波数範囲により、スピーカのようなオーディオ出力装置の背後で再生される。よって、実施形態によれば、ハプティック信号は、LFEオーディオ信号内に含まれるオーディオデータと干渉せずに、高周波数範囲(例えば、200Hz以上)のようなLFEオーディオ信号の帯域制限された周波数範囲内でエンコードされうる。ハプティック信号に基づいて生成されるハプティック効果の設計は、1Hz−200Hzのような通常の周波数範囲で行われるが、LFEオーディオ信号のハプティック信号をエンコードするときに、ハプティック信号は、帯域制限された周波数範囲にシフトされうるため、LFEオーディオ信号のオーディオデータと干渉せずに記憶されることができる。このエンコーディングの1つの利点は、ハプティック信号が、LFEオーディオ信号から直接導かれる、又はハプティック効果開発者によって生み出されることができ、ハプティック信号が、同一のLFEオーディオ信号にエンコードされうることである。
【0081】
フローは、開始し、2301へ進む。2301では、オーディオ信号は、オーディオデータを含んで生成される。オーディオ信号は、LFEオーディオ信号も含む。LFEオーディオ信号は、20Hz−120Hzのような限定された周波数範囲内の一又はそれ以上周波数を有するオーディオデータを含みうる。フローは、2303へ進む。
【0082】
2303では、ハプティック信号は、ハプティックデータを含んで生成される。ハプティックデータは、1Hz−200Hzのような通常の周波数範囲内の一又はそれ以上周波数を含みうる。フローは、2305へ進む。
【0083】
2305では、ハプティック信号は、オーディオ信号のLFEオーディオ信号内にエンコードされる。特定の実施形態では、ハプティック信号は、LFEオーディオ信号の対象となる周波数範囲内でエンコードされうる。LFEオーディオ信号の対象となる周波数範囲は、高周波数範囲(例えば、200Hz以上)のような帯域制限された周波数範囲でありうる。これらの実施形態では、ハプティック信号の一又はそれ以上周波数は、LFEオーディオ信号の帯域制限された周波数範囲内でエンコードされる前に、通常の周波数範囲内の一又はそれ以上の周波数から帯域制限された周波数範囲内の一又はそれ以上の周波数へシフトされることができる。ハプティック信号が、フローは、2307へ進む。
【0084】
2307では、オーディオ信号は、コンテナ又はストリーミングデータフォーマット内に記憶される、又は送信される。そして、フローは、終了する。
【0085】
図24は、本発明の実施形態に係る低周波数効果信号からハプティック信号をデコードするためのフロー図である。前述したように、ハプティック信号に基づいて生成されるハプティック効果の設計は、通常の周波数範囲で行われるが、LFEオーディオ信号のハプティック信号をエンコードするときに、ハプティック信号は、帯域制限された周波数範囲にシフトされうるため、LFEオーディオ信号のオーディオデータと干渉せずに記憶されることができる。デコードの際に、フィルタリング技術は、オーディオ信号からLFEオーディオ信号を抽出し、さらにLFEオーディオ信号からハプティック信号を抽出するために用いることができる。フィルタリング技術は、さらに、帯域制限された周波数範囲から通常の周波数範囲へハプティック信号を周波数シフトするために用いることができる。
【0086】
フローは、開始し、2401へ進む。2401では、デコードを行うデバイスがハプティックサポートを有するかどうか(つまり、デバイスがハプティック効果を出力することができるかどうか)を判定する。デバイスがハプティックサポートを有さない場合には、フローは、2403へ進む。デバイスがハプティックサポートを有する場合には、フローは、2405へ進む。
【0087】
2403では、LFEオーディオ信号を含むオーディオ信号は、オーディオ出力装置でプレイされる。特定の実施形態では、オーディオ信号は、オーディオ出力装置へ送信され、オーディオ信号は、オーディオ出力装置に一又はそれ以上のオーディオ効果を出力させる。そして、フローは、終了する。
【0088】
2405では、ハプティック信号は、オーディオ信号のLFEオーディオ信号から抽出され、デコードされる。特定の実施形態では、ハプティックは、LFEオーディオ信号の対象となる周波数範囲から抽出される。LFEオーディオ信号の対象となる周波数範囲は、高周波数範囲(例えば、200Hz以上)のような帯域制限された周波数範囲でありうる。これらの実施形態では、ハプティック信号の一又はそれ以上の周波数は、ハプティック信号がデコードされた後、帯域制限された周波数範囲内の一又はそれ以上周波数から1Hz−200Hzのような通常の周波数範囲へシフトされることができる。フローは、2407へ進む。
【0089】
2407では、ハプティック信号は、ハプティック出力装置で再生される。特定の実施形態では、ハプティック信号は、ハプティック出力装置へ送信され、ハプティック信号は、ハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。フローは、2409へ進む。
【0090】
2409では、LFEオーディオ信号を含むオーディオ信号は、オーディオ出力装置で再生される。特定の実施形態では、オーディオ信号は、オーディオ出力装置へ送信され、オーディオ信号は、オーディオ出力装置に一又はそれ以上のオーディオ効果を出力させる。そして、フローは、終了する。
【0091】
図25は、本発明の実施形態に係るLFEオーディオ信号を複数のオーディオ信号へ変換するためのフロー図である。フローは、開始し、2501へ進む。2501では、ソースオーディオ信号は、受信される。ソースオーディオ信号は、複数のオーディオ信号を含み、オーディオ信号は、複数のトラック又はチャネル内に含まれうる。複数のオーディオ信号の少なくとも1つは、LFEオーディオ信号であることができ、LFEオーディオ信号は、LFEトラック又はLFEチャネル内に含まれる。フローは、2503へ進む。
【0092】
2503では、LFEオーディオ信号は、ソースオーディオ信号から抽出される。LFEオーディオ信号がソースオーディオ信号内でエンコードされる特定の実施形態では、抽出されたLFEオーディオ信号もデコードされる。フローは、2505へ進む。
【0093】
2505では、LFEオーディオ信号は、複数のハプティック信号に変換される。特定の実施形態では、ハプティック信号へのLFEオーディオ信号の変換は、逐次的でありうる。別の実施形態では、ハプティック信号へのLFEオーディオ信号の変換は、同時であってもよい。さらに、特定の実施形態では、LFEオーディオ信号は、LFEオーディオ信号をピッチシフトすることにより各ハプティック信号へ変換することができる。LFEオーディオ信号をピッチシフトすることにより、LFEオーディオ信号の元のピッチは、アクチュエータのようなハプティック出力装置の対象となるピッチ範囲内に対象となるピッチへシフトされることができる。複数のハプティック出力装置が存在し、各ハプティック出力装置は、明確な対象となるピッチ範囲を有することができる。よって、LFEオーディオ信号の各ピッチシフトは、LFEオーディオ信号の元のピッチを、各ハプティック出力装置の各明確な対象となるピッチ範囲内の対象となるピッチへシフトすることができる。別の実施形態では、LFEオーディオ信号は、LFEオーディオ信号を周波数シフトすることにより各ハプティック信号へ変換することができる。LFEオーディオ信号を周波数シフトすることにより、LFEオーディオ信号の一又はそれ以上の元の周波数は、アクチュエータのようなハプティック出力装置の対象となる周波数範囲内の一又はそれ以上の対象となる周波数にシフトされることができる。複数のハプティック出力装置が存在し、各ハプティック出力装置は、明確な対象となる周波数範囲を有することができる。よって、LFEオーディオ信号の各周波数シフトは、LFEオーディオ信号の一又はそれ以上の元の周波数を、各ハプティック出力装置の各明確な対象となる周波数範囲内の一又はそれ以上の対象となる周波数へシフトすることができる。フローは、2507へ進む。
【0094】
2507では、ハプティック信号は、リアルタイムでハプティック出力装置へ送信され、各ハプティック信号は、対応するオーディオ出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。別の実施形態では、各ハプティック信号は、ハプティックデータエンコーディングをサポートするファイルのコンテナ又はストリーミングデータフォーマットにエンコードされる。特定の実施形態では、少なくとも1つのハプティック信号は、LFEオーディオ信号内でエンコードされる。各ハプティック信号は、続いて、コンテナから抽出され、デコードされ、対応するハプティック出力装置に送信され、ここで、各ハプティック信号は、対応するハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。そして、フローは終了する。
【0095】
図26A−26Dは、本発明の一実施形態に係る例示的なフォアグラウンド及びバックグラウンドハプティックアプリケーションの画面図である。一又はそれ以上のハプティック可能なソフトウェアアプリケーションは、ハプティックアクチュエータを有する装置で同時に動作し、バーチャルウィンドウ環境の上部のウィンドウは、下部にあるウィンドウの部分に重畳又は不透明になることが理解される。
図26Aは、スクリーンの中央に位置するバーチャルダウンロードアプリケーションボタンを有する例示的なアプリケーションウィンドウの画面図を示す。
図26Bでは、ユーザは、ダウンロードアプリケーションボタンを選択し、
図26Cは、画面の中央にステータスバーを有する新たな画面を示す。ダウンロードの完了割合を示す。ステータスバーは、ステータスバーの直下に示される完了割合テキストに対応する左から右へ色が比例して変化する。これは、ステータスバーがハプティック化されるためであり、ハプティック効果信号は、生成され、ステータスバーのバーチャルディスプレイと同時にハプティックアクチュエータに出力される。一実施形態では、ハプティック効果信号は、ダウンロードの完了割合に対応する時間に亘って変化する。
【0096】
図26Dは、テキスト入力ウィンドウの画面図を示す。アクティブウィンドウとしてユーザによって選択されたテキスト入力ウィンドウは、フォアグランドで動作し、バックグラウンドで同時に動作するダウンロードステータスバーを完全に不透明にする。ダウンロードアプリケーションウィンドウは、アクティブウィンドウではなく、ステータスバーは、バーチャルディスプレイで完全に不透明であるが、ステータスバーハプティック効果信号は、生成され、バックグラウンドハプティック効果としてハプティックアクチュエータへ出力されることが継続する。テキスト入力ウィンドウもハプティック化されるため、フォアグランドハプティック効果信号は、テキスト入力ウィンドウにタイプされた文字のバーチャルディスプレイと共に各タイプされた文字に対してハプティックアクチュエータへ生成され、出力される。一実施形態では、フォアグランド及びバックグラウンドハプティック効果信号は、それらが単一のハプティックアクチュエータを通じて同時に出力されたとしてもはっきりと知覚できるハプティック効果であるとしてユーザがフォアグランド及びバックグラウンドハプティック効果に気付くこのような手法で組み合わせ、変更、又は合成される。
【0097】
ハプティック効果の知覚は、3つの異なるレベルを有する。第1のレベルは、知覚の閾値であり、これは、ハプティック効果を検出するためにユーザに要求される最小作動ハプティック効果成分である。このようなハプティック成分は、ハプティック効果信号の強度、周波数、持続期間、リズム及びダイナミクスを含むが、これに限定されない。ハプティック知覚の閾値は、非常に非線形であり、ユーザ間で大きく変化し、ユーザの接触に対する感度、ユーザがどのくらいきつくハンドヘルドデバイスを保持しているか、環境温度、ユーザの年齢、又は歩行、乗り物への乗車等のようなユーザの身体活動又は環境のような多くの要因に応じて単一のユーザでさえ変化することが理解される。
【0098】
ハプティック効果知覚の第2のレベルは、アテンション ブレイク−イン(attention break−in)閾値であり、これは、主な集中からアテンション ブレイク−イン ハプティック効果自体へユーザの注意を引きつけることをもたらす、加えられるハプティック効果信号の最小の変化である。アテンション ブレイク−インの閾値は、ユーザ間で変化する、又は上述したような多くの要因に応じて単一のユーザについても変換し、アテンション ブレイク−インが、ポジティブな追加効果又はネガティブな減法効果又はハプティック効果の変化を含む様々なタイプのハプティック効果に関連する可動化に応じて変化してもよいことが理解される。ハプティック効果知覚の第3のレベルは、痛みの閾値であり、これもユーザ間で変化する、又は上述したような多くの要因に応じて単一のユーザでも変化する。いくつかの状況下で、知覚の閾値は、アテンション ブレイク−インの閾値と同一であってもよく、これは、痛みの閾値と同一であってもよい。
【0099】
本発明の実施形態は、幅広いハプティックアクチュエータと互換性があり、異なる強度のレベルを有するハプティック効果データの複数のチャネルを表しうる。一実施形態では、複数のチャネルは、1つのフォアグランドチャネル及び一又はそれ以上のバックグラウンドチャネルによって表される。バックグラウンドハプティック効果は、知覚の閾値と合致する又は知覚の閾値を超えるハプティック効果又はハプティック効果成分である。フォアグランドハプティック効果は、アテンション ブレイク−インの閾値と合致する又は知覚の閾値を超えるハプティック効果又はハプティック効果成分である。一実施形態では、フォアグランド又はバックグラウンドハプティック効果は、静的又は動的ハプティック効果又は効果成分のセットを定義してもよい。別の実施形態では、フォアグランド又はバックグラウンドハプティック効果は、ユーザ入力、システム入力、デバイスセンサ入力又は環境入力に応じて、静的又は動的ハプティック効果又は効果成分の適応的セットであってもよい。
【0100】
微弱なハプティック効果をより明確なハプティック効果と同時に提供することが可能なフォアグランド及びバックグラウンドチャネルのような複数のハプティックチャネルを用いて、ユーザが異なるハプティック効果を区別することを可能にし、それらを異なるソースから発生したものであると認識させる。一実施形態では、低インピーダンス又は高密度情報は、知覚可能であるが、主要なタスクを圧倒する又は逸らすものではなく、複数のチャネルは、ハプティック環境認識をさらに可能にする。例えば、暴風雨時の地域の天気をモニターするハプティック可能なハンドヘルドデバイス又はモバイルデバイスは、バックグラウンドハプティックチャネルを起動し、雨が強い又は弱いと増加又は減少する雨滴の感覚を提供する。
【0101】
一実施形態では、フォアグランド及びバックグラウンドチャネルは、ローカルデバイスから発生するフィードバック及び別のユーザから発生するフィードバックを区別するために用いられる。例えば、別のユーザから到来したメッセージ通知は、フォアグランドハプティック効果を起動する一方で、ローカルデバイスで時計がカチカチする状態は、バックグラウンドハプティック効果を起動する。
【0102】
一実施形態では、フォアグランド及びバックグラウンドチャネルは、ローカルデバイスから発生するフィードバックと主要なユーザから発生するフィードバックとを区別するために用いられる。例えば、ハプティック可能なキーボードをタイピングする主要なユーザによって発生されるフィードバックは、フォアグランドハプティック効果を起動する一方で、ローカルデバイスでのプログレスバーの状態は、バックグラウンドハプティック効果を起動する。
【0103】
一実施形態では、フォアグランド及びバックグラウンドチャネルは、バーチャルシミュレーション又はアニメーション内又は間のフィードバックを区別するために用いられる。例えば、バーチャルローリングボールのモーションは、フォアグランドハプティック効果を起動する一方で、ボールが転がるバーチャルテクスチャは、バックグラウンドハプティック効果を起動する。
【0104】
一実施形態では、バックグラウンドハプティック効果は、複数のバックグラウンド効果が同時に又は立て続けに受信されたとき、結果全体は、ハプティック効果の自然な又は段階的なものである。例えば、主要でないユーザから受信される単一のバックグラウンドテキストメッセージ“ツイート(tweet)”通知は、主要なユーザによって容易に見逃し又は無視されるが、“ツイートストーム(tweet storm)”を構成する数百又は数千のメッセージ通知が短時間に受信されたとき、複数のハプティック効果は、合計され、結果全体は、主要なユーザの注意をイベントへ向けるフォアグランドのハプティック体験である。
【0105】
一実施形態では、バックグラウンドハプティック効果は、注意を逸らさない又は商業的な広告の“洗練された”増強、又は任意の他のハプティックエンコードされたコンテンツを提供するために用いられる。例えば、炭酸入りソフトドリンクの広告は、ユーザが注意を払っていれば気付くが、そうでなければ容易に気付かないバックグラウンドハプティック“フィズ(fizz)”効果を提供する。
【0106】
ユーザ、デバイス、システム、アプリケーション又はネットワーク入力のような任意のタイプの入力は、一又はそれ以上のフォアグランド又はバックグラウンドハプティックチャネルでのハプティックイベントの数によって表されてもよいことが理解される。例えば、マルチタスクアプリケーション、送られてくるメール、“ツイート”メール通知、受動的な通知、発信メッセージ、プログレスバー、ブルートゥース(登録商標)又はローカルデバイスペアリング、ネットワークアッド又はドロップコネクション、連続的なアンテナ信号レベル等を含むがこれらに限定されない。
【0107】
図27A−27Bは、本発明の一実施形態に係るハプティックフィードバックの例示的な複数のデータチャネルのディスプレイグラフである。
図27Aは、優先度ベースのハプティックイベントのための時間に亘るハプティック信号の知覚できる大きさのグラフと共に、通知アクティビティの対応するグラフを示す。時間T1において、中程度の優先通知N1及びN2に対応するハプティック信号2701の知覚できる大きさは、バックグラウンドチャネル2703で開始する。高い優先度の通知N3を受信すると、時間T2において、ハプティック信号2701は、時間T3で、ハプティック信号2701が、バックグラウンドチャネル2703からフォアグランドチャネル2705への閾値と交差するまで上昇し始める。ハプティック信号2701は、ピークレベル2707まで上昇を続け、さらなる通知がない場合、ハプティック信号2701は、減衰し、時間T4でフォアグランドチャネル2705からバックグラウンドチャネル2703への閾値と交差する。
【0108】
時間T5において、再び、高い優先度の通知を受信すると、ハプティック信号2701を、バックグラウンドチャネル2703からフォアグランドチャネル2705への閾値と交差する時間T6まで上昇させる。ハプティック信号2701は、ピークレベル2709まで増加し、さらなる通知がない場合には、ハプティック信号2701は、減衰し、時間T7でフォアグランドチャネル2705からバックグラウンドチャネル2703への閾値と交差する。高優先度の通知により中断される低優先度又は中程度の優先度の通知のストリームは、制限なしにバックグラウンドチャネル2703及びフォアグランドチャネル2705の間でシフトするハプティック信号2701をもたらすことが理解される。
【0109】
図27Bは、優先度ベースのハプティックイベントのための時間に亘るハプティック信号の知覚できる大きさのグラフと共に、通知アクティビティの対応するグラフを示す。時間T8において、相対的にまれな通知N1からN3に対応するハプティック信号2711の知覚できる大きさは、バックグラウンドチャネル2713で開始する。より高い頻度の通知を受信すると、時間T9で、ハプティック信号2711は、ハプティック信号2711がバックグラウンドチャネル2713からフォアグランドチャネル2715への閾値と交差するまで上昇し始める。高い頻度の通知を受信し続けると、ハプティック信号2711は、ピークレベル2717まで上昇を続け、さらなる通知がない場合には、ハプティック信号2711は、減衰し、時間T11でフォアグランドチャネル2715からバックグラウンドチャネル2713への閾値と交差する。高優先度の通知により中断される低優先度の通知のストリームは、制限なしにバックグラウンドチャネル2713及びフォアグランドチャネル2715の間でシフトするハプティック信号2711をもたらすことが理解される。一実施形態では、優先度ベースのハプティックイベント及び周波数ベースのハプティックイベントは、互いに分散される、又は任意の時間又は任意の順番で受信されてもよく、組み合わせたハプティック信号全体を生成するための任意の手法で用いられてもよい。
【0110】
図28は、本発明の一実施形態に係る優先度ベースのハプティックイベントのためのハプティックフィードバックの複数のデータチャネルを表示するためのフロー図である。2801では、システムは、第1及び第2の優先度レベルを有する第1及び第2のハプティック効果信号の入力を受信する。制限なしに、フォアグランド又はバックグラウンド優先度レベル、又は任意の数の英数字又は他の連続的又は非連続的な優先度レベルのような任意のタイプ又は数の優先度レベルが用いられてもよいことが理解される。第1及び第2のハプティック効果信号は、重複しない時間周期で連続的に、又は重複又は同時の時間周期で並行して任意の順序又は時間シーケンスで受信されてもよい。2803では、システムは、第1の優先度レベルを第2の優先度レベルと比較する。2805において第1の優先度レベルが、第2の優先度レベルを下回る場合、2807では、インタラクションパラメータは、第2のハプティック信号を用いて生成される。任意のタイプの入力合成方法は、以下の表1に挙げられる例示的な合成の方法を含むが、これに限定されない一又はそれ以上のハプティック信号からインタラクションパラメータを生成するために用いられてもよいことが理解される。2809において第1の優先度レベルが第2の優先度レベルと等しい場合、2811では、インタラクションパラメータは、第2のハプティック信号を用いて生成される。2813では、第1の優先度レベルが第2の優先度レベルよりも高い場合、2815では、インタラクションパラメータは、第2のハプティック信号を用いて生成される。2817では、駆動信号は、インタラクションパラメータに基づいてハプティックアクチュエータに加えられる。
表1−合成の方法
追加合成−入力を合成し、一般的な方法で大きさを変化させる
減法合成−複雑な信号又は複数の信号入力をフィルタリング
周波数変調合成−1又はそれ以上のオペレータにより搬送波信号を変調
サンプリング−変更を前提とする入力ソースとして記録された入力を用いる
混合合成−結果としての“新たな”入力を達成するために人為的かつサンプリングされた入力を用いる
位相歪み−再生時にウェーブテーブルに記憶される波形の速度を変える
波形整形−変更された結果を生成するために信号を意図的に歪める
再合成−再生前にデジタルサンプリングされた入力を変更
粒状合成−いくつかの小さな入力セグメントを新たな入力に組み合わせる
線形予測コーディング−音声合成のために用いられるのと同様の技術
ダイレクトデジタル合成−生成された波形のコンピュータ変更
ウェーブシーケンシング−新たな入力を生成するためにいくつかの小さなセグメントの線形結合
ベクトル合成−任意の数の異なる入力ソースをフェードする技術
物理モデリング−バーチャルモーションの物理特性の数学的な式
【0111】
図29は、本発明の一実施形態に係る優先度ベースのハプティックイベントのためのハプティックフィードバックの複数のデータチャネルを表示するためのフロー図である。2901では、システムは、ゼロでない時間周期に亘る一又はそれ以上のハプティック効果通知Nを受信する。2903では、システムは、少なくともハプティック効果通知の数N及びゼロでない時間周期Tを用いて算出された通知頻度比率Rを生成する。一実施形態では、通知頻度比率Rは、NをTで割ることにより算出される。2905では、システムは、通知頻度比率Rをフォアグランドハプティック閾値Fと比較する。ハプティック閾値Fは、ユーザの接触に対する感度、ユーザがどのくらいきつくハンドヘルドデバイスを保持しているか、環境温度、ユーザの年齢、又は歩行、乗り物への乗車等のようなユーザの身体活動又は環境のような多くの要因に応じて単一のユーザでさえ変化する。通知頻度比率Rは、ハプティック閾値Fの広範囲の変化に対応して直接算出される、又は平滑化されてもよく、ハプティック閾値Fは、通知頻度比率Rの広範囲の変化に対応して算出される又は平滑化されてもよいことが理解される。
【0112】
2907では、通知頻度比率Rがフォアグランドハプティック閾値Fを下回る場合、2909では、インタラクションパラメータは、バックグラウンドハプティック信号を用いて生成される。2911において通知頻度比率Rがフォアグランドハプティック閾値F以上である場合、2913では、インタラクションパラメータは、フォアグランドハプティック信号を用いて生成される。2915では、駆動信号は、インタラクションパラメータに基づいてハプティックアクチュエータに加えられる。
【0113】
図30は、本発明の別の実施形態に係るLFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換するためのフロー図である。フローは、開始し、3001へ進む。3003では、LFEオーディオ信号は、受信される。フローは、3003へ進む。
【0114】
3003では、LFEオーディオ信号は、ハプティック信号へ変換される。特定の実施形態では、LFEオーディオ信号は、変換され、変換されたLFEオーディオ信号は、ハプティック信号として用いられうる。フローは、3005へ進む。
【0115】
3005では、(a)ハプティック信号は、ハプティック出力装置に送信され、ハプティック信号は、ハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる、又は(b) ハプティック信号は、ハプティックデータエンコーディングをサポートするファイルのコンテナ又はストリーミングデータフォーマットでエンコードされる。ハプティック信号がエンコードされる特定の実施形態では、ハプティック信号は、LFEオーディオ信号内でエンコードされる。さらに、ハプティック信号がエンコードされる特定の実施形態では、ハプティック信号は、順次コンテナから抽出され、デコードされ、ハプティック出力装置へ送信され、ハプティック信号は、ハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。そして、フローは、終了する。
【0116】
よって、一実施形態では、システムは、ソースオーディオ信号からLFEオーディオ信号を抽出し、LFEオーディオ信号をハプティック信号へ変換することができる。ハプティック信号は、アクチュエータのようなハプティック出力装置へ送信されることができ、ここで、ハプティック信号は、ハプティック出力装置に一又はそれ以上のハプティック効果を出力させる。システムは、一又はそれ以上のハプティック効果の出力をソースオーディオ信号の出力と統合することができ、これは、オーディオコンテンツ及びハプティックコンテンツの両方を体験するユーザの視点から改善された体験をもたらすことができる。さらに、ソースオーディオ信号全体ではなく、ソースオーディオ信号の成分(つまり、LFEオーディオ信号)のみを変換することにより、システムは、ソースオーディオ信号全体を変換するシステムよりも計算の集中を少なくする。さらに、別の実施形態では、システムは、オーディオ信号のLFEオーディオ信号内のハプティック信号をエンコードできる。LFEオーディオ信号を用いることは、ハプティック信号をエンコード、記憶、送信及びデコードするためのアーキテクチャ全体の複雑さを軽減することができる。オーディオ信号に加えられるのは、高周波数範囲のようなオーディオ信号のLFEオーディオ信号の帯域制限された周波数範囲に加えられるハプティックデータのみである。しかし、オーディオ出力装置は、通常、高周波数範囲データのような帯域制限された周波数データを出力する性能を有していないため、追加データは、LFEオーディオデータに影響を与えない。したがって、このエンコーディングは、非ハプティック再生装置を有する後方互換である。エンコーディングの別の利点は、同一のオーディオ設計者が、同一信号のハプティック効果と共にLFEオーディオ効果を設計できることである。したがって、信号は、連続的に分配され、再生される。
【0117】
本明細書を通して記載された本発明の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法において組み合わされてよい。例えば、「一実施形態」、「一部の実施形態」、「特定の実施形態」、「特定の実施形態(複数)」、又は他の類似の言語の使用は、本明細書を通じて、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得るという事実に言及している。従って、「一実施形態」、「一部の実施形態」、「特定の実施形態」、「特定の実施形態(複数)」の言い回し、又は他の類似の言語の登場は、これら全てが、実施形態の同じ群のことを必ずしも言及しているのではなく、記載された特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法において組み合わされてよい。
【0118】
当業者は、上述した発明が、異なる順序におけるステップを用いて実施されてよく、及び/又は、記載された構成とは異なる構成における要素を用いて実施されてよいことを容易に理解する。それゆえ、本発明はこれらの好ましい実施形態に基づいて記載されているけれども、特定の修正、変更、及び代替の構成が明白であり、他方で本発明の趣旨及び範囲内にあることは、当業者にとって明白である。本発明の境界を決定するために、それゆえ、添付の特許請求の範囲に参照がなされるべきである。