【文献】
芳竹宣裕ら,ユビキタス環境が産み出す大量情報「ライフログ」の活用と実装技術,NEC技報,日本電気株式会社,2009年12月25日,第62巻,第4号,第76−79頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記端末装置が所定の時間以上同じ位置に滞在する場合に、前記端末装置の近傍に滞在時間を表示する請求項1〜3の何れか一項に記載の情報表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における位置情報表示システムのシステム構成を示す図である。実施形態の位置情報表示システムは、複数の端末装置10−1〜10−3、情報格納装置20及び情報表示装置30を備える。位置情報表示システムの近傍には単数もしくは複数の無線LANアクセスポイント40−1〜40−4及びGPS衛星(Global Positioning System)50が存在する。なお、以下の説明では、端末装置10−1〜10−3について特に区別しない場合には、端末装置10と記載する。
【0015】
端末装置10は、例えばスマートフォン、携帯ゲーム装置、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット装置、ノート型パーソナルコンピュータ等の装置である。端末装置10−1〜10−3は、それぞれユーザ1−1〜1−3によって操作される。また、端末装置10は、自装置(端末装置10)の周囲に存在する複数の無線LANアクセスポイント40−1〜40−4(以下、「AP40−1〜40−4」という。)及びGPS衛星50から送信される電波を受信し、受信した電波に基づいて自装置の位置情報及び時刻情報を取得する。端末装置10は、例えばPlaceEngine(登録商標)の技術を用いて自装置の位置情報及び時刻情報を取得する。位置情報は、端末装置10がAP40−1〜40−4及びGPS衛星50から送信される電波を受信した地点の情報を表す。位置情報は、例えば緯度、経度、フロアの高さなどの情報である。時刻情報は、位置情報の取得時刻の情報を表す。
【0016】
また、端末装置10には、位置情報収集アプリケーションがインストールされる。位置情報収集アプリケーションは、AP40及びGPS衛星50から送信される電波を受信することによって、自装置の位置情報を取得するためのアプリケーションソフトウェアである。端末装置10上で起動された位置情報収集アプリケーションが実行することにより、端末装置10はAP40及びGPS衛星50から自装置の位置情報及び時刻情報を取得することが可能になる。
【0017】
また、位置情報収集アプリケーションがインストールされた端末装置10は、アプリケーションIDを記憶する。アプリケーションIDは、端末装置10にインストールされた位置情報収集アプリケーション毎に一意に対応付けられたIDである。そのため、アプリケーションIDは、位置情報収集アプリケーションがインストールされた端末装置10毎に固有の値となる。
また、端末装置10−1〜10−3のそれぞれは、取得した位置情報及び時刻情報などを含む端末情報(移動履歴)60−1〜60−3にアプリケーションIDを付与して定期的に情報格納装置20に送信する。なお、以下の説明では、端末情報60−1〜60−3を、単に端末情報と記載する。
【0018】
情報格納装置20は、情報処理装置を用いて構成される。また、情報格納装置20は、端末装置10から定期的に送信される端末情報を受信し、端末情報に格納されている位置情報及び時刻情報などの情報をアプリケーションIDに対応付けて蓄積する。
情報表示装置30は、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の装置である。情報表示装置30は、工場や百貨店などの施設内に備えられる装置であり、管理者2の操作に応じて情報格納装置20から端末情報を取得し、自装置(情報表示装置30)に表示する。なお、情報表示装置30は、上述の施設以外に備えられてもよい。例えば、情報表示装置30は、遊園地などのテーマパークに備えられてもよい。
【0019】
図2は、情報格納装置20及び情報表示装置30の機能構成を表す概略ブロック図である。まず、情報格納装置20の機能構成を説明する。情報格納装置20は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、情報収集プログラムを実行する。情報収集プログラムの実行によって、情報格納装置20は、通信部201、端末情報記憶部202、情報検索部203、時刻差分算出部204を備える装置として機能する。なお、情報格納装置20の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、情報収集プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、情報収集プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0020】
通信部201は、端末装置10との間で無線通信を行う。通信部201は、例えば端末装置10から定期的に送信される端末情報を受信する。また、通信部201は、情報表示装置30との間で通信を行う。通信部201は、例えば情報表示装置30から送信される要求を受信し、受信した要求を満たす端末情報を情報表示装置30に送信する。
端末情報記憶部202は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。端末情報記憶部202は、端末情報データベース及び滞在時間データベースを記憶している。
【0021】
端末情報データベースには、端末装置10に関する情報が格納されている。端末情報データベースは、例えばアプリケーションID毎に、行動分析対象ユーザ名、性別、年齢、取得時刻、位置情報の各値を記憶している。滞在時間データベースには、端末装置10の滞在時間に関する情報が格納されている。滞在時間データベースは、例えばアプリケーションID毎に、行動分析対象ユーザ名、滞在時間、緯度、経度、時間間隔の各値を記憶している。
【0022】
情報検索部203は、通信部201によって受信された端末情報に付与されたアプリケーションIDに対応する端末情報が端末情報データベースに記憶されているか否かを検索する。
時刻差分算出部204は、情報検索部203の検索結果に基づいて滞在時間を算出する。滞在時間は、端末情報を送信した端末装置10が同じ地点に滞在していた時間を表す。
【0023】
時刻差分算出部204は、例えば情報検索部203から端末情報に付与されたアプリケーションIDに対応する端末情報が端末情報データベースに記憶されている通知を受けると、受信された端末情報の取得時刻の値と端末情報データベースに記憶されている取得時刻が最新の端末情報の取得時刻の値との差分を取ることによって滞在時間を算出する。時刻差分算出部204は、算出した滞在時間をアプリケーションIDに対応付けて滞在時間データベースに追加して記録する。また、時刻差分算出部204は、例えば情報検索部203から端末情報に付与されたアプリケーションIDに対応する端末情報が端末情報データベースに記憶されていない通知を受けると、差分時刻の算出を行わない。その後、時刻差分算出部204は、受信された端末情報をアプリケーションIDに対応付けて端末情報データベースに追加して記録する。
【0024】
次に、情報表示装置30の機能構成を説明する。情報表示装置30は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、表示プログラムを実行する。表示プログラムの実行によって、情報表示装置30は、条件入力部301、通信部302、表示情報記憶部303、表示制御部304、表示部305を備える装置として機能する。なお、情報表示装置30の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、表示プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、表示プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0025】
条件入力部301は、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。条件入力部301は、管理者2の指示を情報表示装置30に入力する際に管理者2によって操作される。条件入力部301は、例えば管理者2の操作に応じて条件の入力を受け付ける。条件の具体例として、例えば日時の範囲、滞在フロア、ユーザの性別、ユーザの年齢などの条件がある。日時の範囲は、例えば「10月1日〜12月31日」や「10月1日の10:00:00〜17:00:00」などである。
【0026】
通信部302は、情報格納装置20との間で通信を行う。通信部302は、例えば条件入力部301に入力された条件を情報格納装置20に送信し、情報格納装置20から送信された条件を満たす端末情報(以下、「要求情報」という。)を受信する。
表示情報記憶部303は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。表示情報記憶部303は、通信部302によって受信された要求情報を記憶している。
【0027】
表示制御部304は、表示部305の表示を制御する。表示制御部304は、例えば通信部302によって受信された要求情報を表示部305に表示する。また、表示制御部304は、条件入力部301からの入力に応じて、入力された情報に対応する要求情報の表示方法を制御する。表示制御部304は、例えば条件入力部301から特定の人物(例えば、男性、女性など)を指定する入力がなされると、特定の人物とそのその他の人物とを異なる表示態様で表示部305に表示する。具体的には、表示制御部304は、特定の人物を表示する色と、そのその他の人物を表示する色とを異なるように表示部305に表示する。
【0028】
また、条件入力部301から特定の人物の一定期間内の軌跡を表示させる入力がなされると、表示制御部304は表示情報記憶部303を参照し、特定の人物の一定期間内の移動軌跡を線分で表示部305に表示する。具体的には、まず、表示制御部304は表示情報記憶部303に記憶されている特定の人物に対応する位置情報及び取得時刻を取得する。次に、表示制御部304は取得した位置情報に基づいて、表示部305の画面上に特定の人物の位置を示す情報を表示する。この際、表示制御部304は、取得した時刻情報を参照し、取得時刻が記録された順に人物の位置を示す情報を線分で表示する。
表示部305は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部305は、表示制御部304の制御に応じて要求情報を表示する。
【0029】
図3は、端末情報データベースに記憶されるデータベースの具体例を示す図である。
図3(A)は、端末情報データベースの構成図である。端末情報データベースは、端末装置10に関する情報を表すレコード70を複数有する。レコード70は、アプリケーションID、行動分析対象ユーザ名、性別、年齢、取得時刻、位置情報の各値を有する。アプリケーションIDの値は、レコード70によって表される端末装置10にインストールされた位置情報収集アプリケーション毎に一意に対応付けられたIDを表す。行動分析対象ユーザ名の値は、レコード70によって表される端末装置10を使用している行動分析対象のユーザの名前を表す。
【0030】
性別の値は、レコード70によって表される端末装置10を使用している行動分析対象のユーザの性別を表す。年齢の値は、レコード70によって表される端末装置10を使用している行動分析対象のユーザの年齢を表す。取得時刻の値は、レコード70によって表される端末装置10が位置情報を取得した時刻を表す。位置情報の値は、レコード70によって表される端末装置10が取得した位置情報を表す。位置情報の具体例として、緯度、経度及び滞在フロアの各値がある。緯度の値は、レコード70によって表される端末装置10が位置情報を取得した地点の緯度を表す。経度の値は、レコード70によって表される端末装置10が位置情報を取得した地点の経度を表す。滞在フロアの値は、レコード70によって表される端末装置10が位置情報を取得した地点のフロアの高さを表す。
【0031】
図3(A)に示す例では、端末情報データベースには1つのアプリケーションIDが存在する。このアプリケーションIDは、“0123456789”である。
図3(A)において、端末情報データベースの最上段の行は、アプリケーションIDの値が“0123456789”、行動分析対象ユーザ名の値が“A”、性別の値が“M”、年齢の値が“34”、取得時刻の値が“2012/12/21 11:58:38”、緯度の値が“35.7”、経度の値が“139.5”、滞在フロアの値が“5”である。即ち、アプリケーションID“0123456789”で識別される端末装置10を使用している行動分析対象のユーザが“A”であり、性別が“男性”であり、年齢が“34歳”であり、位置情報の取得時刻が“2012年12月21日 11時58分38秒”であり、位置情報を取得した地点の緯度が“35.7”であり、経度が“39.5”であり、フロアの高さが“5”であることが表されている。
【0032】
図3(B)は、滞在時間データベースの構成図である。滞在時間データベースは、滞在時間に関する情報を表すレコード80を複数有する。レコード80は、アプリケーションID、行動分析対象ユーザ名、滞在時間、緯度、経度及び時間間隔の各値を有する。滞在時間の値は、時刻差分算出部204によって算出された滞在時間を表す。時間間隔の値は、レコード80によって表される滞在時間が生じた時間を表す。
【0033】
図3(B)に示す例では、滞在時間データベースには1つのアプリケーションIDが存在する。このアプリケーションIDは、“0123456789”である。
図3(B)において、滞在時間データベースの最上段の行は、アプリケーションIDの値が“0123456789”、行動分析対象ユーザ名の値が“A”、滞在時間の値が“3”、緯度の値が“35.7”、経度の値が“139.5”及び時間間隔の値が“2012/12/21 11:58:38〜11:58:41”である。即ち、アプリケーションID“0123456789”で識別される端末装置10を使用している行動分析対象ユーザが“A”であり、性別が“男性”であり、滞在時間が“3秒”であり、滞在していた地点の緯度が“35.7”であり、経度が“139.5”であり、時間間隔が“2012年12月21日 11時58分38秒〜11時58分41秒”であることが表されている。
【0034】
図4は、表示部305に表示される要求情報の検索結果画面を表示する動作を示す図である。
図4(A)は、情報格納装置20から送信された要求情報に基づいて、行動分析対象ユーザの位置が表示されている状態を示す図である。情報表示装置30の表示部305には、情報格納装置20が管理者2からの条件の入力に応じて端末情報を検索した結果、得られた端末装置10の位置情報や位置情報を取得した日時などの情報が表示される。
【0035】
図4(A)に示す例では、表示部305には、X百貨店のフロアマップが表示されている。また、画面に表示されている複数の黒い丸は、端末装置10を表す。また、表示部305の左上方向の画面上には、表示部305に表示されている画面の詳細を表す通知画像inf1が表示される。通知画像inf1には、表示部305に表示されている画面が2012年10月6日、11時52分38秒、X百貨店の10階であることが示されている。通知画像inf1を見ることによって、管理者2は位置情報が収集された場所や日時を把握することができる。なお、通知画像inf1は、表示部305の画面上であれば、どの位置に表示されてもよい。
【0036】
また、管理者2が表示部305の下方に表示されたスライダーを右方向(未来方向)に移動させると、スライダーを止めた時点の情報が表示される。
図4に示す例では、管理者2がスライダーを右方向に移動させると、
図4(A)に示す画面から
図4(B)に示す画面に切り替わる。また、画面の切り替えとともに、切り替え後の画面に関する情報の詳細を表す通知画像inf2が表示部305の左上方向の画面上に表示される。通知画像inf2には、表示部305に表示されている画面が2012年10月6日、11時52分43秒、X百貨店の10階であることが示されている。したがって、管理者2は表示部305に表示されている通知画像inf2を見ることで、スライダーを右方向に移動させたことにより、
図4(A)の画面から5秒後のX百貨店の10階の様子が表示されたことを把握できる。なお、通知画像inf2は、表示部305の画面上であれば、どの位置に表示されてもよい。
【0037】
また、
図4には図示していないが、
図4(A)において管理者2が表示部305の下方に表示されたスライダーを左方向(過去方向)に移動させると、時刻が変更されてスライダーを止めた時点の情報が表示される。具体的には、
図4(A)に表示されている時刻よりも遡った時刻の端末装置10の位置情報が表示部305に表示される。なお、時間の指定方法については、スライダーはグラフィカルユーザインターフェース例の一つであって、他にもカレンダーやドラムユーザインターフェースと呼ばれる別のグラフィカルユーザインターフェースでも操作可能である。
【0038】
図5は、表示部305に表示される要求情報の検索結果画面を表示する動作を示す図である。
図5(A)は、複数のフロアに関する情報を一画面に表示させた具体例を示す図である。
図5(A)に示す例では、X百貨店の複数のフロア(
図5(A)では、8階、9階、10階)画像が表示部305の一画面に表示されている。また、各フロア画像に表示されている複数の黒い丸は、端末装置10を表す。また、
図5(A)の画面上には、フロア毎にフロア画像の詳細を表す通知画像inf3が表示されている。管理者2は、表示部305に表示された複数のフロア画像の中から表示部305に表示したいフロア画像を選択する操作を行う。管理者2のフロア画像を選択する操作に応じて、情報表示装置30は、選択されたフロア画像を表示部305に表示する。具体的には、管理者2が
図5(A)に表示されたフロア画像90に触れると、
図5(A)の画面から
図5(B)の画面に切り替わる。
【0039】
図6は、動線分析における移動軌跡の表示例を示す図である。
図6(A)は、一台の端末装置10の移動軌跡の表示例を示す図である。
図6(A)に示す例では、管理者2が条件入力部301を操作することによって、特定の端末装置10を選択し、特定の端末装置10とその他の端末装置10とを異なる表示態様で表示した例が示されている。例えば、特定の端末装置10は、管理者2によって選択された一台の端末装置10である。例えば、黒い丸100は端末装置10であり、複数の破線の黒い丸はその他の端末装置10を表す。また、情報表示装置30は、管理者2の操作に応じて、特定の端末装置10の一定期間内の移動軌跡を線分で表示する。このような移動軌跡の表示は、不図示のボタンなどによってオンオフの切り替えが可能になる。
【0040】
図6(A)のように特定の端末装置10の移動軌跡を線分で表示することにより、管理者2は一見して選択した端末装置10の行動を把握することができる。なお、上述した表示態様以外の表示態様で特定の端末装置10とその他の端末装置10とを区別するように構成されてもよい。例えば、特定の端末装置10をハイライトで表示するように構成されてもよいし、特定の端末装置10のみを表示部305に表示するように構成されてもよい。
【0041】
図6(B)は、特定の端末装置10グループの移動軌跡の表示例を示す図である。
図6(B)に示す例では、管理者2が条件入力部301を操作することによって、特定の条件(例えば女性、30代など)を満たす特定の端末装置10のグループ(
図6(B)では、黒い丸)を選択し、移動軌跡を表した例が示されている。このように、管理者2が特定の条件を入力し、特定の端末装置10のグループの移動軌跡を表示させることによって、複数の移動軌跡が表示される。
【0042】
また、端末装置10が同じ場所に所定の時間以上滞在して存在する場合、情報表示装置30は所定の時間以上滞在している端末装置10の近傍に滞在時間を表す通知画像inf4を表示する。このように、滞在時間が表示されることにより、管理者2はフロアのどの場所でどのくらいの時間の間、端末装置10を使用している顧客が滞在していたのかを把握することができる。
【0043】
図7は、本実施形態における位置情報収集処理の動作の具体例を示すシーケンス図である。
位置情報収集アプリケーションがインストールされた端末装置10は、定期的に自装置(端末装置10)の周囲に存在するAP40又はGPS衛星50から電波を受信する。端末装置10は、受信した電波に基づいて自装置の位置情報及び時刻情報を取得する(ステップS101)。所定の回数、位置情報及び時刻情報を取得すると、端末装置10は取得した位置情報及び時刻情報などを含む端末情報にアプリケーションIDを付与して情報格納装置20に送信する(ステップS102)。情報格納装置20の通信部201は、端末装置10から送信された端末情報を受信し、情報検索部203に転送する(ステップS103)。
【0044】
情報検索部203は、通信部201から転送された端末情報に付与されているアプリケーションIDを取得する(ステップS104)。その後、情報検索部203は、取得したアプリケーションIDと同一のアプリケーションIDが端末情報データベースに記憶されているか否かを検索する(ステップS105)。次に、情報検索部203は、端末情報記憶部202を参照し、検索結果を取得する(ステップS106)。具体的には、取得したアプリケーションIDと同一のアプリケーションIDが端末情報記憶部202に記憶されている場合、情報検索部203はステップS103で転送された端末情報と該当ありの情報とを検索結果として取得する。
【0045】
該当ありの情報には、ステップS104で取得したアプリケーションIDと同一のアプリケーションIDが端末情報記憶部202に記憶されていることを示す情報が格納されている。一方、取得したアプリケーションIDと同一のアプリケーションIDが端末情報記憶部202に記憶されていない場合、情報検索部203はステップS103で転送された端末情報と該当なしの情報とを検索結果として取得する。該当なしの情報には、ステップS104で取得したアプリケーションIDと同一のアプリケーションIDが端末情報記憶部202に記憶されていないことを示す情報が格納されている。
【0046】
次に、情報検索部203は、取得した検索結果を時刻差分算出部204に出力する(ステップS107)。時刻差分算出部204は、情報検索部203から出力された検索結果に基づいて、滞在時間を算出する(ステップS108)。具体的には、情報検索部203から出力された検索結果に該当ありの情報が含まれている、かつ、出力された検索結果に含まれている端末情報の位置情報の値と当該端末情報と同一のアプリケーションIDに対応する端末情報の最新の位置情報との値が変化していない場合、時刻差分算出部204は滞在時間を算出する。時刻差分算出部204は、出力された検索結果に含まれている端末情報の取得時間の値と、端末情報記憶部202に記憶されている当該端末情報と同一のアプリケーションIDに対応する端末情報の最新の取得時刻の値との差分を算出することによって滞在時間を算出する。
【0047】
一方、情報検索部203から出力された検索結果に該当なしの情報が含まれている場合、時刻差分算出部204は滞在時間の算出を行わない。
時刻差分算出部204は、算出した滞在時間を含む算出結果を端末情報記憶部202に出力する(ステップS109)。算出結果には、算出された滞在時間、アプリケーションID、位置情報の取得時刻及び位置情報が格納されている。端末情報記憶部202は、出力された算出結果を端末情報データベース及び滞在時間データベースに記録する(ステップS110)。
【0048】
図8は、本実施形態における動線分析による表示処理の動作の具体例を示すシーケンス図である。
情報表示装置の条件入力部301は、管理者2から条件の入力を受け付ける(ステップS201)。管理者2から条件が入力されると、条件入力部301は入力された条件を通信部302に出力する(ステップS202)。通信部302は、出力された条件を情報格納装置20に送信する(ステップS203)。
情報格納装置20の通信部201は、情報表示装置30から送信された条件を受信し、情報検索部203に転送する(ステップS204)。
【0049】
情報検索部203は、転送された条件を取得する(ステップS205)。次に、情報検索部203は、端末情報記憶部202を参照し、要求情報があるか否かを検索する(ステップS206)。情報検索部203は、端末情報記憶部202を参照し、検索結果を取得する(ステップS207)。具体的には、要求情報がある場合、情報検索部203は端末情報記憶部202から要求情報を検索結果として取得する。一方、要求情報がない場合、情報検索部203は要求情報なしの情報を検索結果として取得する。
【0050】
情報検索部203は、取得した検索結果を通信部201に出力する(ステップS208)。通信部201は、情報検索部203から出力された検索結果を情報表示装置30に送信する(ステップS209)。情報表示装置30の通信部302は、情報格納装置20から送信された検索結果を受信し、表示情報記憶部303及び表示制御部304に出力する(ステップS210)。この際、検索結果に要求情報なしの情報が格納されている場合、通信部302は表示情報記憶部303に検索結果を出力しない。表示情報記憶部303は、出力された検索結果を記憶する(ステップS211)。
【0051】
表示制御部304は、出力された検索結果に基づいて、表示部305の制御を行う。具体的には、検索結果に要求情報なしの情報が格納されている場合、表示制御部304は要求情報がないことを管理者2に通知するように表示部305の表示を制御する。例えば表示制御部304は、エラーを示すポップアップ画面を表示部305に表示することによって、管理者2に要求情報がないことを通知する。一方、検索結果に要求情報が格納されている場合、表示制御部304は要求情報を表示するように表示部305を制御する(ステップS212)。表示部305は、表示制御部304の制御に応じた表示を行う(ステップS213)。
【0052】
図9は、条件変更の表示処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
条件入力部301は、管理者2から条件の変更を受け付ける(ステップS301)。例えば、条件の変更は、特定の行動分析対象ユーザの表示態様の変更や移動軌跡の表示のオンオフなどの変更や、あるいは、表示部305に表示されているフロア画像の変更や時刻の変更などである。次に。表示制御部304は、特定の条件が入力されたか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特定の条件とは、例えば、特定の行動分析対象ユーザの表示態様の変更や移動軌跡の表示のオンオフなどである。特定の条件が入力された場合(ステップS302−YES)、表示制御部304は表示情報記憶部303を参照し、入力された特定の条件で特定の行動分析対象ユーザを表示部305に表示する(ステップS303)。その後、処理が終了する。
【0053】
一方、特定の条件が入力されていない場合(ステップS302−NO)、表示制御部304は表示情報記憶部303を参照し、条件に対応する要求情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS304)。条件に対応する要求情報が表示情報記憶部303に記憶されている場合(ステップS304−YES)、表示制御部304は入力された条件に対応する要求情報を表示情報記憶部303から取得する(ステップS304)。その後、表示制御部304は、取得した要求情報を表示部305に表示する(ステップS305)。一方、条件に対応する要求情報が表示情報記憶部303に記憶されていない場合(ステップS304−NO)、通信部302は情報格納装置20に条件を送信し、要求情報を受信する(ステップS306)。その後、表示制御部304は、取得した要求情報を表示部305に表示する(ステップS305)。
【0054】
以上のように構成された位置情報表示システムによれば、容易に動線分析を行うことが可能となる。具体的には、位置情報収集アプリケーションがインストールされた端末装置10が、定期的にAP40やGPS衛星50から送信される電波を受信することによって、自装置(端末装置10)の位置情報を取得できる。これにより、従来に比べてより広い範囲で正確な位置情報を取得することができる。また、情報表示装置30の表示画面上にスライダーを設けることで、管理者2の操作に応じて時間を指定し、画面上に表示させたい行動分析対象ユーザの位置情報を表示させることができる。さらに、管理者が特定の条件を入力することにより、特定の人物の行動を線分で表示させたり、所定の時間以上同じ場所に滞在していた場合には滞在時間を表示させることで、行動分析対象ユーザの行動を把握しやすくなる。したがって、行動分析対象ユーザを撮影するためのカメラを施設内に大量に設置する必要もない。さらに、かご又は商品に対してセンサを付与する必要もない。そのため、動線分析にかかるコストを軽減しつつ、容易に動線分析を行うことが可能となる。
【0055】
<変形例>
端末装置10の位置情報を収集する技術は、上述の技術に限定される必要はない。例えばIMES(Indoor Messaging System)などの技術を用いて、端末装置10の位置情報を収集してもよい。
本実施例では、位置情報表示システムに存在する端末装置10の数は、三台であるが、端末装置10の数が四台以上であってもよいし、端末装置10の数が二台以下であってもよい。
また、端末装置10と情報表示装置30とが同一の装置で構成されてもよい。
【0056】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。