特許第6434711号(P6434711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6434711
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20181126BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20181126BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20181126BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20181126BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   G09F9/30 308Z
   G09F9/30 365
   G09F9/00 342
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   H05B33/04
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-86149(P2014-86149)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-31953(P2015-31953A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2017年3月6日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0091008
(32)【優先日】2013年7月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 辰 奎
(72)【発明者】
【氏名】范 鎮 甲
(72)【発明者】
【氏名】沈 真 輔
(72)【発明者】
【氏名】丁 昭 娟
(72)【発明者】
【氏名】地 有 珍
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−128227(JP,A)
【文献】 特開2012−080959(JP,A)
【文献】 特開2011−003522(JP,A)
【文献】 特開2002−297066(JP,A)
【文献】 特開2003−258211(JP,A)
【文献】 特開2011−034066(JP,A)
【文献】 特開2011−118082(JP,A)
【文献】 特開2000−234064(JP,A)
【文献】 特開2011−165554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−46
G02F 1/13−1/1335
1/13363−1/141
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素が配置されるフォールディング領域と周辺領域とを含むフレキシブル表示パネルと、
前記フレキシブル表示パネルの一面上に配置された第1外側部材と、
前記フレキシブル表示パネルと前記第1外側部材とを接着させ、前記フォールディング領域に対応する第1領域と前記周辺領域に対応する第2領域とに区分され、紫外線硬化型樹脂を含む第1接着部材と、を含み、
前記第1領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率は、前記第2領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率より小さいことを特徴とするフレキシブル表示装置。
【請求項2】
前記第1領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率は、50%乃至80%であり、
前記第2領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率は、85%乃至100%であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記紫外線硬化型樹脂は、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びポリカーボネート系樹脂の中で何れか1つ以上を含むことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項4】
前記第1接着部材は、10μm乃至200μmの厚さを有することを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項5】
前記フレキシブル表示パネルは、前記フォールディング領域で折り畳まれ、前記フレキシブル表示パネルは、前記フォールディング領域で0.5mm乃至10mmの曲率半径を有することを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項6】
前記フレキシブル表示パネルの他面上に配置された第2外側部材と、
前記フレキシブル表示パネルと前記第2外側部材とを接着させ、紫外線硬化型樹脂を含む第2接着部材と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項7】
前記第2接着部材は、前記フォールディング領域に対応する第3領域と前記周辺領域に対応する第4領域とに区分され、
前記第3領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率は、前記第4領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率より小さいことを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項8】
フレキシブル表示パネルと、
前記フレキシブル表示パネルの一面上に配置された第1外側部材と、
前記フレキシブル表示パネルと前記第1外側部材を接着させ、シリコーン系樹脂層及びアクリル系樹脂層とを含む第1接着部材と、を含むことを特徴とするフレキシブル表示装置。
【請求項9】
前記シリコーン系樹脂層と前記アクリル樹脂層は実質的に同一の厚さを有することを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項10】
前記第1接着部材は、10μm乃至200μmの厚さを有することを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項11】
前記フレキシブル表示パネルの他面上に配置された第2外側部材と、
前記フレキシブル表示パネルと前記第2外側部材とを接着させ、前記シリコーン系樹脂層及び前記アクリル樹脂層と、を含む第2接着部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、さらに詳細にはフレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、折り曲げ可能(bendable)か、或いは折り畳み可能(foldable)な表示装置(以下、フレキシブル(flexible)表示装置という)が開発されている。このようなフレキシブル表示装置はフレキシブル表示パネル及び数個の機能性部材を含む。
前記機能性部材は前記フレキシブル表示パネルの一面及び他面の中の少なくとも何れか1つの面上に配置される。前記機能性部材は前記フレキシブル表示パネルと共に折り曲げられるか、或いは折り畳まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開第2013/0034685号公報
【特許文献2】米国特許公開第2011/0008551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は折り曲げに伴う不良の発生を抑制できるフレキシブル表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置は、フレキシブル表示パネル、前記フレキシブル表示パネルの一面上に配置された第1外側部材、及び前記フレキシブル表示パネルと前記第1外側部材とを接着させる第1接着部材を含む。
【0006】
前記フレキシブル表示パネルは、フォールディング領域と周辺領域とを含む。前記第1接着部材は、紫外線硬化型樹脂を含む。前記第1接着部材は、前記フォールディング領域に対応する第1領域と前記周辺領域に対応する第2領域とに区分される。前記第1領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率は、前記第2領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率より小さい。
【0007】
前記第1領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率は、50%乃至80%であり、前記第2領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率は、85%乃至100%であり得る。
【0008】
前記紫外線硬化型樹脂は、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びポリカーボネート系樹脂の中で何れか1つ以上を含み得る。
【0009】
前記第1接着部材は、10μm乃至200μmの厚さを有し得る。
前記フレキシブル表示パネルは、前記フォールディング領域で折り畳まれ、前記フレキシブル表示パネルは、前記フォールディング領域で0.5mm乃至10mmの曲率半径を有し得る。
【0010】
本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置は、前記フレキシブル表示パネルの他面上に配置された第2外側部材及び前記フレキシブル表示パネルと前記第2外側部材を接着させる第2接着部材をさらに含み得る。ここで前記第2接着部材は、前記紫外線硬化型樹脂を含む。
【0011】
前記第2接着部材は、前記フォールディング領域に対応する第3領域と前記周辺領域に対応する第4領域とに区分され、前記第3領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率は、前記第4領域の前記紫外線硬化型樹脂の転換率より小さいことが好ましい。
【0012】
本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置は、フレキシブル表示パネル、第1外側部材、及び第1接着部材を含む。前記第1外側部材は、前記フレキシブル表示パネルの一面上に配置される。前記第1接着部材は、前記フレキシブル表示パネルと前記第1外側部材とを接着させる。
前記第1接着部材は、シリコーン系樹脂及びアクリル系樹脂の混合物を包含する。
【0013】
前記第1接着部材は、前記シリコーン系樹脂を40重量部乃至60重量部、及び前記アクリル系樹脂60を重量部乃至40重量部だけ包含することができる。
【0014】
前記第1接着部材は、シリコーン系樹脂層及びアクリル系樹脂層を包含することができる。前記シリコーン系樹脂層と前記アクリル系樹脂層は、実質的に同一の厚さを有することができる。
【発明の効果】
【0015】
上述したことによれば、前記フォールディング領域に対応するように配置された前記第1接着部材の第1領域は、他の領域より柔軟な性質を有する。前記第1領域は、前記他の領域より硬化度が低いからである。前記フレキシブル表示装置が折り曲げられるか、折り畳まれても前記第1接着部材は、壊れない。折り畳みと展開(折り畳まれていない状態に戻す)を反復しても前記フレキシブル表示装置は、正常作動する。
【0016】
前記第1接着部材は、柔軟なシリコーン系樹脂の特性と接着力とが強いアクリル系樹脂の特性を全て有する。従って、前記フレキシブル表示装置が折り曲げられるか(bending)、折り畳まれるか(folding)、或いは巻かれても(rolling)、前記第1接着部材は壊れない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の斜視図である。
図2】(a)は、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の展開された状態の側面図であり、(b)は、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の折り畳まれた状態の側面図である。
図3】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示パネルの画素の等価回路図である。
図4】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示パネルの画素のレイアウトである。
図5図4のI−I’に対応する断面図である。
図6図4のII−II’に対応する断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の展開された状態の側面図である。
図8図7の一部分を拡大した図面である。
図9】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の展開された状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による有機発光表示装置を説明する。
図面では様々な層及び領域を明確に表現するために一部構成要素のスケールを誇張するか、或いは縮小して示した。明細書の全体に亘って同様の参照符号は同様の構成要素を意味する。そして、ある層が他の層の‘上に’形成される(配置される)場合は、2つの層が接している場合のみならず、2層の間に他の層が存在する場合も含む。また、図面である層の一面が平坦に示されている場合、必ず完全に平坦であるとは限らず、積層工程で下部層の表面形状によって上部層の表面に段差が発生することもあり得る。
【0019】
図1は本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の斜視図である。図2(a)は本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の展開された状態の側面図である。図2(b)は本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の折り畳まれた状態の側面図である。
【0020】
図1乃至図2(a)、(b)に示したように、本実施形態によるフレキシブル表示装置(以下、表示装置)はフレキシブル表示パネル100、第1外側部材200、及び第1接着部材200−Aを含む。
【0021】
フレキシブル表示パネル100はフレキシブル基板、前記フレキシブル基板上に配置された信号配線、及び前記信号配線に電気的に連結された画素を含む。前記画素は前記信号配線から受信した信号に基づいてイメージを生成する。フレキシブル表示パネル100は一面の上に前記イメージを表示する。
【0022】
フレキシブル表示パネル100は全体的に曲面をなすように折り曲げられるか、或いは巻かれ、特定の領域で折り畳まれることができる。フレキシブル表示パネル100は第1方向DR1と第2方向DR2とが定義する平面上でフォールディング領域FAと周辺領域SAとに区分される。図1乃至図2(a)、(b)は1つのフォールディング領域FAと2つの周辺領域SAを含むフレキシブル表示パネル100を例示的に示す。
【0023】
フォールディング領域FAと周辺領域SAとは前記画素の中で一部を各々含む。即ち、フォールディング領域FAと周辺領域SAとは区分無しでイメージを生成する。フォールディング領域FAはフレキシブル表示パネル100が折り畳まれる領域として定義される。周辺領域SAはフォールディング領域FAに隣接する領域として定義される。周辺領域SAは平坦であるか、或いは緩く折り曲げることができる。
【0024】
図2(b)に示したように、フレキシブル表示パネル100は2つの周辺領域SAが互いに対向するように完全に折り畳まれることができる。フレキシブル表示パネル100はフォールディング領域FAで0.5mm乃至10mmの曲率半径CRを有するが、これに限定されない。
【0025】
第1外側部材200はフレキシブル表示パネル100の前記一面上に配置される。第1外側部材200は偏光板、タッチスクリーン(touch screen)、及び保護部材の中で何れか1つ以上を包含する。前記偏光板、前記タッチスクリーン(touch screen)、及び前記保護部材はフレキシブルなプラスチック基板又はプラスチックフィルムを含む。
【0026】
また、フレキシブル表示パネル100の前記一面上に2つ以上の前記外側部材が配置され得る。その他に、第1外側部材200は指紋防止コーティング層又は反射防止コーティング層のような機能性コーティング層をさらに包含できる。
【0027】
第1接着部材200−Aはフレキシブル表示パネル100と第1外側部材200との間に配置され、フレキシブル表示パネル100と第1外側部材200とを接着させる。
【0028】
第1接着部材200−Aは紫外線硬化型樹脂を含む。前記紫外線硬化型樹脂はウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びポリカーボネート系樹脂の中で何れか1つ以上を包含する。
【0029】
前記紫外線硬化型樹脂に紫外線が入射されると、ラジカル重合反応が開始される。前記紫外線硬化型樹脂に含まれた炭素の間の二重結合は前記紫外線によって切断されて単一結合に変更される。何れか1つのモノマー又はオリゴマーに含まれた炭素間の二重結合の切断は、他のモノマー又はオリゴマーにラジカル連鎖してポリマーを形成する。このようなポリマー連鎖反応が増加するほど、前記紫外線硬化型樹脂の硬化量(硬化度)は増加する。従って、前記紫外線硬化型樹脂の硬化量は前記紫外線によって露出された時間に比例する。
【0030】
第1接着部材200−Aは硬化量が異なる領域を含む。第1接着部材200−Aはフォールディング領域FAに対応する第1領域200−AFと前記周辺領域に対応する第2領域200−ASとに区分される。
【0031】
第1領域200−AFは第2領域200−ASより硬化度が低い。即ち、第1領域200−AFは柔軟な性質を維持しているので、フレキシブル表示パネル100が折り畳まれても壊れない。換言すると、第1領域200−AFは第2領域200−ASより、同じ応力(Stress)に対して大きい変形(歪み、Strain)を呈する。
【0032】
第1領域200−AFが第2領域200−ASより硬化度が低いことは、第1領域200−AFの転換率(conversion rate)が第2領域200−ASの転換率より小さいことを意味する。前記転換率は前記紫外線硬化型樹脂に含まれた炭素の間の二重結合が前記単一結合に変更された程度を意味する。
【0033】
前記転換率は第1接着部材200−AをFT−IR(Fourier Transform Infrared Spectrometer)分析することによって、測定され得る。基準以上の接着力を有し、柔軟な性質を維持するために第1領域200−AFの転換率は50%乃至80%であることが望ましい。
第2領域200−ASの転換率は85%乃至100%であることが望ましい。第1接着部材200−Aは10μm乃至200μmの厚さを有する。
【0034】
図1乃至図2(a)、(b)に示したように、前記表示装置は第2外側部材300、及び第2接着部材300−Aをさらに包含できる。
【0035】
第2外側部材300はフレキシブル表示パネル100の他面上に配置される。フレキシブル表示パネル100の前記他面はフレキシブル表示パネル100の前記一面と厚さ方向DR3で対向する。
【0036】
第2外側部材300は偏光板及び保護部材の中で少なくとも何れか1つ以上を包含することができる。また、フレキシブル表示パネル100の前記他面上に2つ以上の前記外側部材が配置され得る。
【0037】
第2接着部材300−Aはフレキシブル表示パネル100と第2外側部材300との間に配置されてフレキシブル表示パネル100と第2外側部材300とを接着させる。
【0038】
第2接着部材300−Aは前記紫外線硬化型樹脂を含む。第2接着部材300−Aは硬化量が異なる領域を含む。第2接着部材300−Aはフォールディング領域FAに対応する第3領域300−AFと前記周辺領域に対応する第4領域300−ASとに区分される。
【0039】
第3領域300−AFは第4領域300−ASより硬化度が低い領域である。第3領域300−AFの転換率は50%乃至80%であることが望ましい。第4領域300−ASの転換率は85%乃至100%であることが望ましい。第2接着部材300−Aは10μm乃至200μmの厚さを有する。
【0040】
図3は本発明の一実施形態によるフレキシブル表示パネルの画素の等価回路図である。図4は本発明の一実施形態によるフレキシブル表示パネルの画素のレイアウトである。図5図4のI−I’に対応する断面図であり、図6図4のII−II’に対応する断面図である。
【0041】
前記フレキシブル表示パネルの種類に拠って、前記画素は互に異なるイメージ素子を包含できる。例えば、前記イメージ素子として有機発光表示パネルは有機発光ダイオードを含み、電氣泳動表示パネルは前記イメージ素子として2つの電極と電氣泳動粒子とを包含する。その他に、エレクトロ・ウェッティング表示パネルは2つの電極と電子インキを包含する。以下、図3乃至図6を参照して有機発光表示パネル(以下、表示パネル)に対して説明する。
【0042】
表示パネル100はベース基板SUB1、信号配線(GL、DL、KL)、画素PX、及び封止基板SUB2を含む。図3乃至図6は1つの画素PXを例示的に図示した。
【0043】
ベース基板SUB1はフレキシブルなプラスチック基板を含む。画素PXは少なくとも1つのトランジスター、少なくとも1つのキャパシター、及び有機発光ダイオードを含む。信号配線(GL、DL、KL)はゲートラインGL、データラインDL、及び電源ラインKLを含む。封止基板SUB2もやはりフレキシブルなプラスチック基板を含む。封止基板SUB2は封止薄膜に代替されることもあり得る。
【0044】
ベース基板SUB1上にゲートラインGL、データラインDL、電源ラインKL、及び画素PXが配置される。画素PXは第1薄膜トランジスターTFT1、第2薄膜トランジスターTFT2、キャパシターCap、及び有機発光ダイオードOLEDを含む。
【0045】
ベース基板SUB1上に第1薄膜トランジスターTFT1の半導体パターンAL1(以下、第1半導体パターン)及び第2薄膜トランジスターTFT2の半導体パターンAL2(以下、第2半導体パターン)が配置される。ベース基板SUB1上に第1半導体パターンAL1及び第2半導体パターンAL2をカバーする第1絶縁層12が配置される。第1絶縁層12は有機膜及び/又は無機膜を含む。第1絶縁層12は複数個の薄膜を包含できる。
【0046】
第1絶縁層12上に第1薄膜トランジスターTFT1の制御電極GE1(以下、第1制御電極)及び第2薄膜トランジスターTFT2の制御電極GE2(以下、第2制御電極)が配置される。第1絶縁層12上にキャパシターCapの第1電極CE1が配置される。
【0047】
第1絶縁層12上に第1制御電極GE1及び第2制御電極GE2及び第1電極CE1をカバーする第2絶縁層14が配置される。第2絶縁層14は有機膜及び/又は無機膜を含む。第2絶縁層14は複数個の薄膜を包含できる。
【0048】
第2絶縁層14上に第1薄膜トランジスターTFT1の入力電極SE1(以下、第1入力電極)及び出力電極DE1(以下、第1出力電極)が配置される。第2絶縁層14上に第2薄膜トランジスターTFT2の入力電極SE2(以下、第2入力電極)及び出力電極DE2(以下、第2出力電極)が配置される。第2絶縁層14上にキャパシターCapの第2電極CE2が配置される。
【0049】
第1入力電極SE1と第1出力電極DE1とは第1絶縁層12及び第2絶縁層14を貫通する第1貫通ホールCH1と第2貫通ホールCH2とを通じて第1半導体パターンAL1に各々連結される。第1出力電極DE1は第2絶縁層14を貫通する第3貫通ホールCH3を通じて第1電極CE1に連結される。第2入力電極SE2と第2出力電極DE2とは第1絶縁層12及び第2絶縁層14を貫通する第4貫通ホールCH4と第5貫通ホールCH5とを通じて第2半導体パターンAL2に各々連結される。
一方、本発明の他の実施形態では、第1薄膜トランジスターTFT1と第2薄膜トランジスターTFT2とは、上記一実施形態におけるトップゲート構造と異なるボトムゲート構造に変形して実施される。
【0050】
第2絶縁層14上に第1入力電極SE1、第1出力電極DE1、第2入力電極SE2、及び第2出力電極DE2をカバーする第3絶縁層16が配置される。第3絶縁層16は有機膜及び/又は無機膜を含む。第3絶縁層16は複数個の薄膜を包含できる。
【0051】
第3絶縁層16上に画素定義膜PXL及び有機発光ダイオードOLEDが配置される。有機発光ダイオードOLEDは順次的に積層されたアノードAE、第1共通層CL1、有機発光層EML、第2共通層CL2、カソードCEを含む。アノードAEは第3絶縁層16を貫通する第6貫通ホールCH6を通じて第2出力電極DE2に連結される。有機発光ダイオードOLEDの発光方向に沿ってアノードAEとカソードCEの位置は交換できる。
【0052】
第3絶縁層16上にアノードAEが配置される。画素定義膜PXLの開口部OPはアノードAEを露出する。第1共通層CL1はアノードAE上に配置される。第1共通層CL1は開口部OPに対応する発光領域のみならず、非発光領域にも配置される。即ち、第1共通層CL1はベース基板SUB1上に全体的に配置される。第1共通層CL1は正孔注入層を含む。第1共通層CL1は正孔輸送層をさらに包含できる。
【0053】
第1共通層CL1上に有機発光層EMLが配置される。有機発光層EMLは開口部OPに対応する領域のみに配置される。有機発光層EML上に第2共通層CL2が配置される。第2共通層CL2は第1共通層CL1と同様にベース基板SUB1上に全体的に配置される。第2共通層CL2は電子注入層を含む。第2共通層CL2は電子輸送層をさらに包含できる。第2共通層CL2上にカソードCEが配置される。カソードCEはベース基板SUB1上に全体的に配置される
【0054】
カソードCE上に第4絶縁層18が配置される。第4絶縁層18は有機膜及び/又は無機膜を含む。第4絶縁層18は複数個の薄膜を包含できる。第4絶縁層18上に封止基板SUB2が配置される。
【0055】
図7は本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の折り畳まれていない状態の側面図である。図8図7の一部分AAを拡大した図面である。以下、図7及び図8を参照して本実施形態によるフレキシブル表示装置を説明する。但し、図1乃至図6を参照して説明した実施形態と同一な構成に対する詳細な説明は省略する。
【0056】
本実施形態によるフレキシブル表示装置(以下、表示装置)はフレキシブル表示パネル100、第1外側部材200、及び第1接着部材200−A10を含む。
フレキシブル表示パネル100は全体的に曲面をなすように折り曲げられるか(bending)、折り畳まれるか(folding)、或いは巻かれる(rolling)ことができる。フレキシブル表示パネル100は有機発光表示パネル、電氣泳動表示パネル、又はエレクトロ・ウェッティング表示パネル等であり得る。
【0057】
フレキシブル表示パネル100は一面の上にイメージを表示する。第1外側部材200はフレキシブル表示パネル100の前記一面上に配置される。第1接着部材200−A10はフレキシブル表示パネル100と第1外側部材200との間に配置されてフレキシブル表示パネル100と第1外側部材200とを接着させる。
【0058】
第1接着部材200−A10はシリコーン(silicone)系樹脂及びアクリル系樹脂の混合物を含む。第1接着部材200−A10は高温でポリジメチルシロキサンPDMS(Poly dimethyl siloxane)をシリケート樹脂に触媒反応させたシリコーン系樹脂を含む。
【0059】
前記アクリル系樹脂はメーン単量体として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロパノールアークリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソボニルアクリレート、ラウリルアクリレートを含む。
【0060】
第1接着部材200−A10は、前記シリコーン系樹脂を40重量部乃至60重量部、及び前記アクリル系樹脂を60重量部乃至40重量部だけ含む。第1接着部材200−A10は前記シリコーン系樹脂を50重量部、及び前記アクリル系樹脂を50重量部だけ含むことが望ましい。第1接着部材200−A10は10μm乃至200μmの厚さを有する。
【0061】
前記表示装置が折り曲げられるか、(bending)、折り畳まれるか(folding)、或いは巻かれても(rolling)、第1接着部材200−A10は柔軟なシリコーン系樹脂の特性と接着力が強いアクリル系樹脂の特性を全て有するので、損傷されない。
【0062】
図8に示したように、第1外側部材200は第1接着部材200−A10上に配置されたタッチスクリーン210とタッチスクリーン210上に配置された保護部材220とを含む。保護部材220はフレキシブルなプラスチックフィルムを含む。その他に保護部材220は指紋防止コーティング層又は反射防止コーティング層のような機能性コーティング層をさらに包含できる。
【0063】
タッチスクリーン210と保護部材220とは接着部材220−Aとによって結合される。接着部材220−Aは第1接着部材200−A10と同一な物質で構成され得る。
【0064】
再び図7を参照すれば、表示装置は第2外側部材300、及び第2接着部材300−A10をさらに包含する。第2外側部材300はフレキシブル表示パネル100の他面上に配置される。第2接着部材300−A10は第1接着部材200−A10と同一な物質で構成され得る。
【0065】
図9は本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の折り畳まれていない状態の側面図である。以下、図9を参照して本実施形態によるフレキシブル表示装置を説明する。但し、図1乃至図6を参照して説明した実施形態と同一な構成に対する詳細な説明は省略する。
【0066】
本実施形態によるフレキシブル表示装置(以下、表示装置)はフレキシブル表示パネル100、第1外側部材200、及び第1接着部材200−A20を含む。
【0067】
フレキシブル表示パネル100は一面の上にイメージを表示する。第1外側部材200はフレキシブル表示パネル100の前記一面上に配置される。第1接着部材200−A20はフレキシブル表示パネル100と第1外側部材200との間に配置されてフレキシブル表示パネル100と第1外側部材200とを接着させる。
【0068】
第1接着部材200−A20はシリコーン系樹脂層200−si及びアクリル系樹脂層200−acを含む。シリコーン系樹脂層200−siは高温でポリジメチルシロキサンPDMS(Polydimethylsiloxane)をシリケート樹脂に触媒反応させたシリコーン系樹脂を含む。
【0069】
アクリル系樹脂層200−acはメーン単量体として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロパノールアークリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソボニルアクリレート、ラウリルアクリレートを含む。
【0070】
第1接着部材200−A10は10μm乃至200μmの厚さを有する。シリコーン系樹脂層200−siとアクリル系樹脂層200−acとの厚さ比率は6:4乃至4:6を有することが望ましい。シリコーン系樹脂層200−siとアクリル系樹脂層200−acとは同一の厚さを有することがさらに望ましい。
【0071】
前記表示装置が折り曲げられるか(bending)、折り畳まれるか(folding)、或いは巻かれ(rolling)ても、第1接着部材200−A20は柔軟なシリコーン系樹脂の特性と接着力が強いアクリル系樹脂の特性を全て有するので、損傷されない。
【0072】
図9に示したように、前記表示装置は第2外側部材300、及び第2接着部材300−A20をさらに包含できる。第2外側部材300はフレキシブル表示パネル100の他面上に配置される。第2接着部材300−A20は第1接着部材200−A20と同一の物質で構成できる。
【0073】
以上では本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者又は該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明のマッピング及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変形できることが理解できるであろう。
【0074】
従って、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されず、特許請求の範囲によってのみ定められなければならない。
【符号の説明】
【0075】
12、14、16、18 第1、第2、第3、第4絶縁層
100 フレキシブル表示パネル
200 第1外側部材
200−A、200−A10、200−A20 第1接着部材
200−ac、200−si シリコーン系樹脂層、アクリル系樹脂層
210 タッチスクリーン
220 保護部材
220−A 接着部材
300 第2外側部材
300−A、300−A10、300−A20 第2接着部材
AE、CE アノード、カソード
AL1、AL2 第1、第2半導体パターン
Cap キャパシタ
CE1、CE2 第1、第2電極
CH1、CH2、CH3、CH4、CH5 第1〜第5貫通ホール
CL1、CL2 第1、第2共通層
DE1、DE2 第1、第2出力電極
DL 信号配線(データライン)
EML 有機発光層
FA フォールディング領域
GE1、GE2 第1、第2制御電極
GL 信号配線(ゲートライン)
KL 信号配線(電源ライン)
OLED 有機発光ダイオード
OP 開口部
PXL 画素定義膜
PX 画素
SA 周辺領域
SE1、SE2 第1、第2入力電極
SUB1、SUB2 ベース基板、封止基板
TFT1、TFT2 第1、第2薄膜トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9