(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のポリイソシアヌレート組成物の製造方法では、キシリレンジイソシアネートを、イソシアヌレート化触媒の存在下において、イソシアヌレート化反応させる。
【0014】
キシリレンジイソシアネートとしては、1,2−キシリレンジイソシアネート(o−キシリレンジイソシアネート(o−XDI))、1,3−キシリレンジイソシアネート(m−キシリレンジイソシアネート(m−XDI))、1,4−キシリレンジイソシアネート(p−キシリレンジイソシアネート(p−XDI))が、構造異性体として挙げられる。
【0015】
これらキシリレンジイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。キシリレンジイソシアネートとして、好ましくは、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、より好ましくは、1,3−キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0016】
本発明において、イソシアヌレート化触媒としては、イソシアヌレート化を活性する触媒であれば、特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、2級アミン共重合体(例えば、ジアルキルアミンなどの2級アミン、および、2級アミンと共重合可能な単量体(例えば、フェノール、ホルムアルデヒドなど)の重縮合物)などの3級アミン、例えば、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのマンニッヒ塩基、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリブチルベンジルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム(別名:N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム)、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウムなどのトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸、ナフテン酸などのアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、例えば、上記アルキルカルボン酸の金属塩(アルカリ金属塩、マグネシウム塩、スズ塩、亜鉛塩、鉛塩など)、例えば、アルミニウムアセチルアセトン、リチウムアセチルアセトンなどのようなβ−ジケトンの金属キレート化合物、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素などのフリーデル・クラフツ触媒、例えば、チタンテトラブチレート、トリブチルアンチモン酸化物などの種々の有機金属化合物、例えば、ヘキサメチルシラザンなどのアミノシリル基含有化合物などが挙げられる。
【0017】
これらイソシアヌレート化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0018】
イソシアヌレート化触媒として、好ましくは、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドが挙げられ、より好ましくは、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドが挙げられ、さらに好ましくは、トリメチルベンジルアンモニウムのハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムのハイドロオキサイドが挙げられる。
【0019】
イソシアヌレート化触媒として、上記の触媒を用いれば、とりわけ優れた反応率でキシリレンジイソシアネートをイソシアヌレート化することができるため、製造効率に優れる。
【0020】
イソシアヌレート化触媒の添加割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.002質量部以上、より好ましくは、0.01質量部以上であり、例えば、0.3質量部以下、好ましくは、0.05質量部以下、より好ましくは、0.03質量部以下である。
【0021】
そして、この方法では、キシリレンジイソシアネートにイソシアヌレート化触媒を上記した配合割合で配合し、加熱することにより、イソシアヌレート化反応させる。
【0022】
イソシアヌレート化反応の反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下、反応温度が、40℃を超過、好ましくは、45℃以上であり、70℃未満、好ましくは、60℃未満である。また、反応時間が、例えば、30分以上、好ましくは、60分以上、より好ましくは、120分以上であり、例えば、720分以下、好ましくは、600分以下、より好ましくは、480分以下である。
【0023】
また、上記の反応においては、イソシアヌレート化を調節するために、例えば、特開昭61−129173号公報に記載されているような有機亜リン酸エステルなどを、助触媒として配合することもできる。
【0024】
有機亜リン酸エステルとしては、例えば、有機亜リン酸ジエステル、有機亜リン酸トリエステルなどが挙げられ、より具体的には、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイトなどのモノフォスファイト類、例えば、ジステアリル・ペンタエリスリチル・ジホスファイト、ジ・ドデシル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、ジ・トリデシル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、ジノニルフェニル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、テトラフェニル・テトラ・トリデシル・ペンタエリスリチル・テトラホスファイト、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト、トリペンタエリスリトール・トリホスファイトなどの多価アルコールから誘導されたジ、トリあるいはテトラホスファイト類、さらに、例えば、炭素数が1〜20のジ・アルキル・ビスフェノールA・ジホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ・トリデシル)ホスファイトなどのビスフェノール系化合物から誘導されたジホスファイト類、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー(分子量2400〜3000)等のポリホスファイト類、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイトなどが挙げられる。
【0025】
また、上記の反応では、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、例えば、2,6−ジ(tert-ブチル)−4−メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、以下、BHTと略する場合がある。)、イルガノックス1010、イルガノックス1076、イルガノックス1135、イルガノックス245(以上、チバ・ジャパン社製、商品名)などの安定剤を添加することもできる。
【0026】
また、上記の反応では、必要により、公知の反応溶媒を配合してもよく、さらに、任意のタイミングで公知の触媒失活剤(例えば、リン酸、モノクロル酢酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゾイルクロリドなど)を添加することもできる。
【0027】
そして、反応終了後、未反応のキシリレンジイソシアネートは、必要に応じて、公知の方法で除去することができる。
【0028】
また、上記の反応では、ポリイソシアヌレート組成物の粘度を調整するため、必要により、アルコール類を配合することができる。
【0029】
アルコール類を配合する方法としては、例えば、まず、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とを反応させ、次いで、イソシアヌレート化触媒の存在下にイソシアヌレート化反応させた後、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去する方法や、例えば、まず、上記した方法でキシリレンジイソシアネートのみをイソシアヌレート化した後、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去し、その後、得られたポリイソシアヌレートとアルコール類とを反応させる方法などが挙げられる。
【0030】
好ましくは、まず、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とを反応させ、次いでイソシアヌレート化触媒の存在下にイソシアヌレート化反応させた後、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去する。
【0031】
具体的には、この方法では、まず、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とを、混合し、反応させる。
【0032】
本発明において、アルコール類としては、例えば、1価アルコール、2価アルコール、3価アルコール、4価以上のアルコールなどが挙げられる。
【0033】
1価アルコールとしては、例えば、直鎖状の1価アルコール、分岐状の1価アルコールなどが挙げられる。
【0034】
直鎖状の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール(ラウリルアルコール)、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、n−ノナデカノール、エイコサノールなどが挙げられる。
【0035】
分岐状の1価アルコールとしては、例えば、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、イソオクタノール、イソノナノール、イソデカノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、その他の分岐状アルカノール(C(炭素数、以下同様)5〜20)などが挙げられる。
【0036】
2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、その他の直鎖状のアルカン(C7〜20)ジオールなどの直鎖状の2価アルコール、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール(別名:1,3−ブタンジオール)、1,2−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、その他の分岐状のアルカン(C7〜20)ジオールなどの分岐状の2価アルコール、例えば、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAなどが挙げられる。
【0037】
3価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
【0038】
4価以上のアルコールとしては、例えば、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトールなどが挙げられる。
【0039】
また、これらアルコール類は、分子中に1つ以上のヒドロキシ基を有していれば、それ以外の分子構造は、本発明の優れた効果を阻害しない限り、特に制限されず、例えば、分子中に、エステル基、エーテル基、シクロヘキサン環、芳香環などを有することもできる。このようなアルコール類としては、例えば、上記1価アルコールとアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)との付加重合物(2種類以上のアルキレンオキサイドのランダムおよび/またはブロック重合物)であるエーテル基含有1価アルコール、上記1価アルコールとラクトン(例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンなど)との付加重合物であるエステル基含有1価アルコールなどが挙げられる。
【0040】
これらアルコール類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0041】
アルコール類として、好ましくは、1価および2価アルコールが挙げられ、1価および2価アルコールとして、好ましくは、炭素数が1〜20の1価および2価アルコール、より好ましくは、炭素数が1〜15の1価および2価アルコール、さらに好ましくは、炭素数が1〜10の1価および2価アルコール、とりわけ好ましくは、炭素数が2〜6の1価および2価アルコールが挙げられる。また、1価および2価アルコールとして、好ましくは、分岐状の1価および2価アルコールが挙げられ、より好ましくは、分岐状の2価アルコールが挙げられる。
【0042】
アルコール類は、得られるポリイソシアヌレート組成物において、その平均官能基数が2以上となるように使用され、その配合割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、アルコール類が、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、より好ましくは、1質量部以上であり、例えば、40質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、10質量部以下である。
【0043】
また、この反応において、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とは、アルコール類のヒドロキシ基に対する、キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、5以上、好ましくは、10以上、より好ましくは、20以上、さらに好ましくは、25以上、通常、1000以下となる配合割合にて、配合される。
【0044】
また、この反応においては、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、上記したアルコール類と、例えば、チオール類、オキシム類、ラクタム類、フェノール類、βジケトン類などの活性水素基含有化合物とを併用することができる。
【0045】
キシリレンジイソシアネートとアルコール類との反応における反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、室温(例えば、25℃)以上、好ましくは、40℃以上であり、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.05時間以上、好ましくは、0.2時間以上であり、例えば、10時間以下、好ましくは、6時間以下である。
【0046】
そして、この方法では、得られる反応液に、イソシアヌレート化触媒を上記した配合割合で配合し、キシリレンジイソシアネートとアルコール類との反応物を、イソシアヌレート化反応させる。なお、イソシアヌレート化における反応条件は、上記と同様である。そして、反応終了後、未反応のキシリレンジイソシアネートは、必要により、蒸留などの公知の除去方法により、除去する。
【0047】
これにより、ポリイソシアヌレート組成物を得ることができる。
【0048】
また、例えば、キシリレンジイソシアネートのみをイソシアヌレート化した後、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去し、得られたポリイソシアネートとアルコール類とを反応させる方法(上記の後者の方法)を採用する場合においては、ポリイソシアネートとアルコール類との反応は、一般的なウレタン化反応である。このようなウレタン化反応の反応条件は、例えば、室温〜100℃、好ましくは、40〜90℃である。
【0049】
また、上記ウレタン化反応においては、必要に応じて、例えば、アミン類や有機金属化合物などの公知のウレタン化触媒を添加してもよい。
【0050】
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
【0051】
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫系化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。
【0052】
さらに、ウレタン化触媒として、例えば、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのカリウム塩が挙げられる。
【0053】
これらウレタン化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0054】
これにより、ポリイソシアヌレート組成物を製造することができる。
【0055】
また、この方法では、必要により、イソシアヌレート化反応の後に、スルホンアミド基を含有する化合物を配合することができる。
【0056】
スルホンアミド基を含有する化合物としては、例えば、芳香族スルホンアミド類、脂肪族スルホンアミド類などが挙げられる。
【0057】
芳香族スルホンアミド類としては、例えば、ベンゼンスルホンアミド、ジメチルベンゼンスルホンアミド、スルファニルアミド、o−およびp−トルエンスルホンアミド、ヒドロキシナフタレンスルホンアミド、ナフタレン−1−スルホンアミド、ナフタレン−2−スルホンアミド、m−ニトロベンゼンスルホンアミド、p−クロロベンゼンスルホンアミドなどが挙げられる。
【0058】
脂肪族スルホンアミド類としては、例えば、メタンスルホンアミド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチルエタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド、N−メトキシメタンスルホンアミド、N−ドデシルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−1−ブタンスルホンアミド、2−アミノエタンスルホンアミドなどが挙げられる。
【0059】
これらスルホンアミド基を含有する化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0060】
スルホンアミド基を含有する化合物として、好ましくは、芳香族スルホンアミド類が挙げられ、より好ましくは、o−またはp−トルエンスルホンアミドが挙げられる。
【0061】
スルホンアミド基を含有する化合物は、例えば、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート化反応が終了した後、その反応液に、配合される。また、スルホンアミド基を含有する化合物は、必要により、その反応液から未反応のキシリレンジイソシアネート(単量体)が除去された後に、さらに、その反応液に配合されることもできる。
【0062】
スルホンアミド基を含有する化合物の配合割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、スルホンアミド基を含有する化合物が、0.001〜0.5質量部、好ましくは、0.005〜0.4質量部、より好ましくは、0.01〜0.3質量部、すなわち、キシリレンジイソシアネートの総量に対して、スルホンアミド基を含有する化合物が、例えば、10〜5000ppm、好ましくは、50〜4000ppm、より好ましくは、100〜3000ppmである。
【0063】
スルホンアミド基を含有する化合物が、上記割合で含有されていれば、ポリイソシアヌレート組成物の貯蔵安定性の向上を図ることができる。
【0064】
このようにして得られるポリイソシアヌレート組成物は、イソシアネート基濃度が、例えば、15質量%以上、好ましくは、16質量%以上であり、例えば、22質量%以下、好ましくは、21質量%以下である。
【0065】
また、このようにして得られるポリイソシアヌレート組成物においては、イソシアネートモノマー濃度(未反応のキシリレンジイソシアネートの濃度)が、例えば、5質量%以下、好ましくは、2質量%以下、より好ましくは、1質量%以下である。
【0066】
また、ポリイソシアヌレート組成物は、必要に応じて、有機溶剤で希釈することができる。
【0067】
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類などが挙げられる。
【0068】
さらに、有機溶剤としては、例えば、非極性溶剤(非極性有機溶剤)が挙げられ、これら非極性溶剤としては、脂肪族、ナフテン系炭化水素系有機溶剤を含む、アニリン点が、例えば、10〜70℃、好ましくは、12〜65℃の、低毒性で溶解力の弱い非極性有機溶剤や、ターペン油に代表される植物性油などが挙げられる。
【0069】
かかる非極性有機溶剤は、市販品として入手可能であり、そのような市販品としては、例えば、ハウス(シェル化学製、アニリン点15℃)、スワゾール310(丸善石油製、アニリン点16℃)、エッソナフサNo.6(エクソン化学製、アニリン点43℃)、ロウス(シェル化学製、アニリン点43℃)、エッソナフサNo.5(エクソン製、アニリン点55℃)、ペガゾール3040(モービル石油製、アニリン点55℃)などの石油炭化水素系有機溶剤、その他、メチルシクロヘキサン(アニリン点40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点44℃)、ガムテレピンN(安原油脂製、アニリン点27℃)などのターペン油類などが挙げられる。
【0070】
ポリイソシアヌレート組成物は、これら有機溶剤と、任意の割合で混合することができる。
【0071】
ポリイソシアヌレート組成物が有機溶剤により希釈される場合、ポリイソシアヌレート組成物の濃度は、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上であり、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
【0072】
また、このような場合、25℃における粘度が、例えば、10mPa・s以上、好ましくは、20mPa・s以上、例えば、10000mPa・s以下、好ましくは、5000mPa・s以下となるように、調整される。
【0073】
そして、このようなポリイソシアヌレート組成物の製造方法によれば、ゲル化を抑制するとともに、優れた反応率でキシリレンジイソシアネートをイソシアヌレート化することができるため、製造効率に優れる。そのため、得られるポリイソシアヌレート組成物は、製造効率に優れる。
【0074】
そのため、ポリイソシアヌレート組成物は、ポリウレタン樹脂の製造において、好適に用いられる。
【0075】
ポリウレタン樹脂は、上記ポリイソシアヌレート組成物と、活性水素基含有化合物とを反応させることにより、得ることができる。
【0076】
本発明において、活性水素基含有化合物としては、例えば、ポリオール成分、ポリアミン成分などが挙げられ、好ましくは、ポリオール成分が挙げられる。
【0077】
本発明において、ポリオール成分としては、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールが挙げられる。
【0078】
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300未満、好ましくは、400未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、アルカン(C7〜20)ジオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
【0079】
これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0080】
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300以上、好ましくは、400以上、さらに好ましくは、500以上の化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなど)、ポリエステルポリオール(例えば、アジピン酸系ポリエステルポリオール、フタル酸系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールなど)、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール(例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどをポリイソシアネートによりウレタン変性したポリオール)、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ビニルモノマー変性ポリオールなどが挙げられる。
【0081】
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0082】
高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが挙げられる。
【0083】
そして、ポリウレタン樹脂は、例えば、バルク重合や溶液重合などの重合方法により、製造することができる。
【0084】
バルク重合では、例えば、窒素気流下において、ポリイソシアヌレート組成物を撹拌しつつ、これに、活性水素基含有化合物を加えて、反応温度50〜250℃、さらに好ましくは50〜200℃で、0.5〜15時間程度反応させる。
【0085】
溶液重合では、上記したポリイソシアヌレート組成物の希釈に用いられる有機溶媒と同様の有機溶媒に、ポリイソシアヌレート組成物と、活性水素基含有化合物とを加えて、反応温度50〜120℃、好ましくは50〜100℃で、0.5〜15時間程度反応させる。
【0086】
さらに、上記重合反応においては、必要に応じて、例えば、上記したウレタン化触媒を添加してもよい。
【0087】
また、バルク重合および溶液重合では、例えば、ポリイソシアヌレート組成物と活性水素基含有化合物とを、活性水素基含有化合物中の活性水素基(水酸基、メルカプト基、アミノ基)に対するポリイソシアヌレート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように配合する。
【0088】
また、上記重合反応をより工業的に実施する場合には、ポリウレタン樹脂は、例えば、ワンショット法およびプレポリマー法などの公知の方法により、得ることができる。
【0089】
ワンショット法では、例えば、ポリイソシアヌレート組成物と活性水素基含有化合物とを、活性水素基含有化合物中の活性水素基(水酸基、メルカプト基、アミノ基)に対するポリイソシアヌレート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように処方(混合)した後、例えば、室温〜250℃、好ましくは、室温〜200℃で、例えば、5分〜72時間、好ましくは、4〜24時間硬化反応させる。なお、硬化温度は、一定温度であってもよく、あるいは、段階的に昇温または冷却することもできる。
【0090】
また、プレポリマー法では、例えば、まず、ポリイソシアヌレート組成物と、活性水素基含有化合物の一部(好ましくは、高分子量ポリオール)とを反応させて、分子末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを合成する。次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有化合物の残部(好ましくは、低分子量ポリオールおよび/またはポリアミン成分)とを反応させて、硬化反応させる。なお、プレポリマー法において、活性水素基含有化合物の残部は、鎖伸長剤として用いられる。
【0091】
イソシアネート基末端プレポリマーを合成するには、ポリイソシアヌレート組成物と、活性水素基含有化合物の一部とを、活性水素基含有化合物の一部中の活性水素基に対するポリイソシアヌレート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、1.1〜20、好ましくは、1.3〜10、さらに好ましくは、1.3〜6となるように処方(混合)し、反応容器中にて、例えば、室温〜150℃、好ましくは、50〜120℃で、例えば、0.5〜18時間、好ましくは、2〜10時間反応させる。なお、この反応においては、必要に応じて、上記したウレタン化触媒を添加してもよく、また、反応終了後には、必要に応じて、未反応のポリイソシアヌレート組成物を、例えば、蒸留や抽出などの公知の除去手段により、除去することもできる。
【0092】
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有化合物の残部とを反応させるには、イソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有化合物の残部とを、活性水素基含有化合物の残部中の活性水素基に対するイソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように処方(混合)し、例えば、室温〜250℃、好ましくは、室温〜200℃で、例えば、5分〜72時間、好ましくは、1〜24時間硬化反応させる。
【0093】
これにより、ポリウレタン樹脂を得ることができる。
【0094】
なお、ポリウレタン樹脂を製造する場合においては、必要に応じて、さらに、公知の添加剤、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、触媒、さらには、顔料、染料、滑剤、フィラー、加水分解防止剤などを、適宜の割合で配合することができる。これら添加剤は、各成分の合成時に添加してもよく、あるいは、各成分の混合・溶解時に添加してもよく、さらには、合成後に添加することもできる。
【0095】
そして、このようなポリウレタン樹脂は、本発明のポリイソシアヌレート組成物を用いて製造されるため、製造効率に優れる。
【0096】
そのため、このようなポリウレタン樹脂は、例えば、プラスチック用塗料、自動車用塗料、フィルムコート剤、各種インキ、各種接着剤、粘着剤、シーリング材、各種マイクロカプセル、プラスチックレンズ、人工および合成皮革、RIM成形品、スラッシュパウダー、弾性成形品(スパンデックス)、ウレタンフォームなどの幅広い分野において広範に使用することができる。
【実施例】
【0097】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。また、以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
【0098】
また、各実施例および各比較例において採用される測定方法を下記する。
<反応率(%)・反応速度>
イソシアネート基濃度(JIS K−1556に準拠した方法)を測定し、その減少率を求めることにより、イソシアヌレート化反応における反応率を求めた。
【0099】
また、その反応率を時間に対してプロットすることにより、反応速度を評価した。
【0100】
なお、300分以内に反応率が18%以上に達した場合に、反応速度が速い(○)とし、また、300分以内に反応率18%以上に到達しなかった場合に、反応速度がやや遅い(△)とした。
<ゲル化>
イソシアヌレート化反応後の反応液を目視で観察し、ゲル化の有無について評価した。
【0101】
なお、透明で流動性があり、不溶物が確認されなかったものを○とし、わずかに不溶物が確認されたものを△とし、完全に流動性がなくなったものを×として評価した。
<イソシアヌレート化触媒:テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド>
実施例1
温度計、撹拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応器において、窒素雰囲気下、m−キシリレンジイソシアネート(三井化学社製、XDI)100質量部と、2,6−ジ(tert-ブチル)−4−メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、BHT、ヒンダードフェノール系酸化防止剤) 0.02質量部と、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト(有機亜リン酸エステル、助触媒) 0.05量部とを混合した後、この混合液に、イソシアヌレート化触媒として、トリメチルベンジルアンモニウムのハイドロオキサイド(40%メタノール溶液)を、0.03質量部配合し、反応温度50℃で200分間反応させた。
【0102】
そして、得られた反応混合液を、薄膜蒸留装置(温度150℃、真空度50Pa)に通液して、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去し、ポリイソシアヌレート組成物を得た。この反応における反応率は、21.5%であり、反応速度は速く、反応液にゲル化は確認されなかった。
【0103】
実施例2
反応温度を60℃とし、反応時間を300分に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイソシアヌレート組成物を得た。この反応における反応率は、17.6%であり、反応速度はやや遅く、反応液にゲル化は確認されなかった。
【0104】
比較例1
反応温度を40℃に変更した以外は、実施例1と同様にして反応した。この反応における反応率は、7.8%であり、反応液がゲル化した。
【0105】
比較例2
反応温度を70℃に変更し、反応時間を300分に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイソシアヌレート組成物を得た。この反応における反応率は、15.4%であり、反応速度はやや遅く、反応液にゲル化は確認されなかった。
<イソシアヌレート化触媒:3級アミン>
実施例3
イソシアヌレート化触媒として、トリメチルベンジルアンモニウムのハイドロオキサイド(40%メタノール溶液)に代えて、TAP(化薬アクゾ社製、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール)を固形分として0.05質量部配合し、また、反応時間を300分に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイソシアヌレート組成物を得た。この反応における反応率は、16.9%であり、反応速度はやや遅く、反応液にゲル化は確認されなかった。
【0106】
実施例4
温度計、撹拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応機において、窒素雰囲気下、m−キシリレンジイソシアネート(三井化学社製、XDI)100質量部と、2,6−ジ(tert-ブチル)−4−メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、BHT、ヒンダードフェノール系酸化防止剤) 0.02質量部と、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト(有機亜リン酸エステル、助触媒) 0.05質量とを混合した後、この混合液に1,3−ブタンジオール 2質量部を加え、混合液を70℃に昇温した。
【0107】
次いで、同温度で180分間反応後、50℃に降温した。そして、イソシアヌレート化触媒として、TAP(化薬アクゾ社製、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール)を固形分として0.07質量部加え、反応を200分間継続した後、反応を終了した。
【0108】
そして、得られた反応混合液を、薄膜蒸留装置(温度150℃、真空度50Pa)に通液して、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去し、ポリイソシアヌレート組成物を得た。この反応における反応率は、18.9%であり、反応速度は速く、反応液にゲル化は確認されなかった。
【0109】
実施例5
反応温度を60℃とし、反応時間を300分に変更した以外は、実施例3と同様にして、ポリイソシアヌレート組成物を得た。この反応における反応率は、7.7%であり、反応速度はやや遅く、反応液にゲル化は確認されなかった。
【0110】
比較例3
反応温度を40℃とし、反応時間を190分に変更した以外は、実施例3と同様にして反応した。この反応における反応率は、8.2%であり、反応液はゲル化した。
<イソシアヌレート化触媒:トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムの有機弱酸塩>
実施例6
イソシアヌレート化触媒として、トリメチルベンジルアンモニウムのハイドロオキサイド(40%メタノール溶液)に代えて、DABCO−TMR(N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエート、エアープロダクツ社製)を0.02質量部配合し、また、反応時間を300分に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイソシアヌレート組成物を得た。この反応における反応率は、19.7%であり、反応速度は速く、反応液にわずかにゲル化が確認された。
【0111】
比較例4
反応温度を40℃とし、反応時間を150分に変更した以外は、実施例6と同様にして反応した。この反応における反応率は、7.6%であり、反応液はゲル化した。
【0112】
【表1】
【0113】
なお、表中の略号の詳細を下記する。
XDI:m−キシリレンジイソシアネート(三井化学社製)
TMB:トリメチルベンジルアンモニウムのハイドロオキサイド(40%メタノール溶液)
1,3−BG:1,3−ブタンジオール
TAP:2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、化薬アクゾ社製
DABCO−TMR:N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエート、エアープロダクツ社製