【実施例1】
【0011】
図1に示されるように、実施例1にかかる業績連動成果賞与算出支払いシステム10は、成果賞与サーバ20と、イントラネット12を介して接続された複数の店舗端末14及び複数の事業所端末15とから構成されている。
【0012】
又、成果賞与サーバ20は、インターネット16からなる通信回線を介して賞与、成果賞与が振り込まれる銀行などの金融機関の銀行サーバ18と接続されている。
【0013】
成果賞与サーバ20の構成について、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0014】
成果賞与サーバ20は、IF手段20Aと、制御手段20Bと、記憶装置20Cとを含んで構成されている。又、制御手段20Bに対しては、イントラネット12あるいはインターネット16との入出力を、IF手段20Aを介して実行可能とされている。
【0015】
更には、成果賞与サーバ20自体も、キーボード20D、ディスプレイ20E、プリンタ20Fが接続されて、IF手段20Aを介して入出力可能とされている。
【0016】
又、成果賞与サーバ20は、一定の評価周期(説明後述)における、従事する職務に求められる業績のみに連動して、勤労者が受取る成果賞与を算出するようにされている。
【0017】
制御手段20Bは、成果賞与が連動する重要業績の種類である重要業績評価指標の入力を受付けて、これを記憶する重要業績評価指標受付・記憶手段を備えている。
【0018】
ここで、重要業績評価指標受付・記憶手段は、重要業績評価指標受付手段と、重要業績評価指標記憶手段41とから構成され、又、重要業績評価指標受付機能21と、IF手段20Aとから、重要業績評価指標受付手段が構成されている。
【0019】
以下、同様に・・・受付・記憶手段は、・・・受付手段と・・・記憶手段とからなり、・・・受付手段は、・・・受付機能と、IF手段20Aとから構成されるものとする。
【0020】
制御手段20Bは、前記重要業績評価指標受付機能21に加えて、次の機能及び手段を備えて構成されている。
【0021】
即ち、制御手段20Bは、評価係数受付機能22と、評価周期受付機能23と、評価基準受付機能24と、賞与算定方法受付機能25と、給付方法受付機能26と、業績予測値算出手段27と、成果賞与予測値算出手段28と、成果賞与予測値の50%の前払い指示出力機能29と、重要業績評価指標の業績値データ受付機能30と、重要業績評価指標の達成率算出手段31と、重要業績評価指標の評価値算出手段32と、全成果賞与額算出手段33と、成果賞与残額支払指示出力機能34とを備えて構成されている。
【0022】
記憶装置20Cは、前記重要業績評価指標記憶手段41の他に、評価係数記憶手段42と、評価周期記憶手段43と、評価基準記憶手段44と、賞与算定方法記憶手段45と、給付方法記憶手段46と、業績予測値記憶手段47と、成果賞与予測値記憶手段48と、成果賞与予測値の50%の前払い指示出力記憶手段49と、重要業績評価指標の業績値データ記憶手段50と、重要業績評価指標の達成率記憶手段51と、重要業績評価指標の評価値記憶手段52と、全成果賞与額記憶手段53と、成果賞与残額支払指示記憶手段54とを備えて構成されている。
【0023】
前記重要業績評価指標受付機能21は、キーボード20Dあるいは店舗端末14、事業所端末15から入力される重要業績評価指標をIF手段20Aを介して受付けるようにされ、重要業績評価指標記憶手段41は、これを記憶するようにされている。
【0024】
前記重要業績評価指標とは、成果賞与が連動する重要業績の種類であり、この実施例においては、売上げ高に関する指標、販売管理費に関する指標、在庫高に関する指標、労務に関する指標、生産性に関する指標、及び、効率性に関する指標である。又、特に店舗端末14からは、商品廃棄ロス低減量の指標が入力される構成となっている。
【0025】
評価係数受付機能22は、IF手段20Aを介して入力される評価係数の入力を受付けるものであり、この評価係数は、重要業績評価指標毎の業績及びその業績の、業績全体における評価割合である。評価係数受付機能22に受付けられた評価係数は、評価係数記憶手段42に記憶するようにされている。評価周期受付機能23は、成果賞与の対象となる期間の設定を受付けることができるようにされている。受付けられた評価周期は、評価周期記憶手段43に記憶されるように構成されている。
【0026】
評価基準受付機能24は、上記設定された重要業績評価指標の指数に対して、評価するための閾値をどのように設定するかの基準の入力を、IF手段20Aを介して受付けるように構成されている。
【0027】
例えば、学生の成績を評価する際に、テストの点を、100%評価項目とした場合、評価基準は、80点以上が優、80点未満〜60点が良、と評価の基準値を設定するものである。この受付けられた評価基準は、評価基準記憶手段44に記憶されるように構成されている。
【0028】
賞与算定方法受付機能25は、IF手段20Aと共に賞与算定方法受付手段を構成する。この賞与算定方法は、上記重要業績評価指標を、その重要度から、例えば3:1:1:2:2:1と算定割合を設定しておき、この算定割合を加味した評価指数の合計が算出されるようにする方法であり、受付けられた賞与算定方法は、賞与算定方法記憶手段45に記憶されるようになっている。
【0029】
給付方法受付機能26は、IF手段20Aを介して成果賞与をどのように給付するかの方法を受付ける機能であり、受付けられた給付方法は、給付方法記憶手段46に記憶される。
【0030】
給付方法は、例えば、成果賞与の前払い割合を50%給付するとする前払い割合の設定を含むものとする。
【0031】
業績予測値算出手段27は、
図3に示されるように、重要業績評価指標データ受付機能27Aと、予測値算出手段27Bと、を備えて構成され、対応する業績予測値記憶手段47は、重要業績評価指標データ記憶手段47Aと予測値記憶手段47Bとを含んで構成されている。
【0032】
重要業績評価指標データは、例えば前年度おきの業績値、本年の対象となる評価周期以前の、昨年業績に対する業績伸び率、などのデータをIF手段20Aを介して受付けすることができるようにされている。受付けられたデータは、重要業績評価指標データ記憶手段47Aに記憶されるように構成されている。
【0033】
又、予測値算出手段27Bは、記憶された重要業績評価指標データに基づいて今回の評価周期における業績予測値を算出することができるようにされていて、算出された予測値は、予測値記憶手段47Bに記憶されるように構成されている。
【0034】
成果賞与予測値算出手段28は、
図3に示されるように、予測評価値算出手段28Aと、予測全成果賞与額算出手段28Bとを備えた構成であり、対応する成果賞与予測値記憶手段48は、予測評価値記憶手段48Aと予測全成果賞与額記憶手段48Bとを備えて構成されている。
【0035】
予測評価値算出手段28Aは、重要業績評価指標毎の予測値に評価係数を掛けて、重要業績評価指標毎の予測評価値を算出する構成であり、算出された予測評価値は、予測評価値記憶手段48Aに記憶されるように構成されている。
【0036】
予測全成果賞与額算出手段28Bは、重要業績評価指標毎の予測評価値を加算して予測全成果賞与を算出する構成であり、算出された予測全成果賞与が、予測全成果賞与額記憶手段48Bに記憶されるようになっている。
【0037】
成果賞与予測値の50%の前払い指示出力機能29は、予測全成果賞与額記憶手段48Bに記憶された予測賞与額の50%の前払い指示信号を、IF手段20Aを介して、インターネット16を経由して銀行サーバ18に出力することができるようにされている。
【0038】
この前払い指示信号を出力したことは、成果賞与予測値の50%の前払い指示出力記憶手段49に記憶されている。
【0039】
重要業績評価指標の業績値データ受付機能30は、イントラネット12を介して入力される店舗端末14、事業所端末15あるいはキーボード20Dから入力される今回の評価周期における重要業績評価指標の業績値データを、IF手段20Aを介して受付けることができるようにされている。
【0040】
受付けられた業績値データは、重要業績評価指標の業績値データ記憶手段50に記憶されるように構成されている。
【0041】
重要業績評価指標の達成率算出手段31は、記憶されている重要業績指標の業績値データと、業績予測値との比である達成率を算出するようにされている。この算出された達成率は、重要業績評価指標の達成率記憶手段51に記憶されるように構成されている。
【0042】
重要業績評価指標の評価値算出手段32は、前記算出された重要業績評価指標毎に達成率及び評価係数を掛けて、重要業績評価指標毎の評価値を算出するようにされている。
【0043】
算出された評価値は、重要業績評価指標の評価値記憶手段52に記憶されるように構成されている。
【0044】
全成果賞与額算出手段33は、重要業績評価指標毎の評価値を加算して全成果賞与額を算出するように構成されている。又、算出された全成果賞与額が、全成果賞与額記憶手段53に記憶されるように構成されている。
【0045】
成果賞与残額支払指示出力機能34は、全成果賞与額から前払いした前払い成果賞与額を控除した成果賞与残額を算出して、IF手段20Aを介して、インターネット16を経て銀行サーバ18に成果賞与残額の支払いの指示を出力するように構成されている。
【0046】
この支払指示出力は、成果賞与残額支払指示記憶手段54に記憶されるように構成されている。
【0047】
次に、
図4に示されるフローチャートを参照して、実施例にかかる業績連動成果賞与算出支払いシステム10によって成果賞与を算出して支払う過程について説明する。
【0048】
まず、ステップ101において、成果賞与サーバ20に対して、例えばキーボード20D、あるいはイントラネット12を介して店舗端末14又は事業所端末15から、重要業績評価指標、評価係数を入力する。
【0049】
成果賞与サーバ20は、この入力を、重要業績評価指標受付機能21及び評価係数受付機能22において受付けて、それぞれ、重要業績評価指標記憶手段41及び評価係数記憶手段42に記憶する。
【0050】
次にステップ102に進み、前記と同様に、評価周期、評価基準、賞与算定方法、給付方法を、成果賞与サーバ20に入力する。
【0051】
評価周期、成果賞与支給周期については、例えば
図5に示されるように、周期を週次、月に2回、月次、四半期毎、年次、その他から1つのボタンを選択し、週次を選んだ場合は、何週毎かを
図5の右下のボタンで週数を選択決定する。この実施例においては、13週が設定されるようになっている。
【0052】
評価周期を13週としたときの利点は次の如くである。
【0053】
まず、業績の把握は月単位ではなく週単位が便利である。
【0054】
小売業の場合、一般的に土曜、日曜は来店客が多く売り上げも多い繁忙期であり、月単位では繁忙日の日数が月によって異なり、比較が困難となる。
【0055】
営業分析に週単位を選んだ時、最短は1週、中間は13週、年では52週単位となるが、一年365日又は366日(閏年)では、1日又は2日余る。
【0056】
これらは、13週成果賞与の対象外として、例えば、勤労者に対しては「奉仕の日」とするなどの調整をすると良い。
【0057】
成果賞与前払い周期については、
図6に示されるように、
図5に示される評価周期、成果賞与支給周期についてと同様に設定する。ここでは、上記の「13週」と合わせて13を設定する。
【0058】
成果賞与サーバ20では、これらの入力を、評価周期受付機能23、評価基準受付機能24、賞与算定方法受付機能25、給付方法受付機能26により受付けて、それぞれ対応する評価周期記憶手段43、評価基準記憶手段44、賞与算定方法記憶手段45、給付方法記憶手段46に記憶する。
【0059】
次のステップ103では、前記と同様に、成果賞与サーバ20に対して、IF手段20Aを介して、重要業績評価指標に関するデータを入力する。このデータは、業績予測値算出手段27により受付けられ、且つ、このデータに基づいて、ステップ104で業績予測値算出手段27において、業績予測値を算出する。
【0060】
業績予測値は、前年に対する、あるいは前期に対する業績の上昇率を加味して、前年同期に対して業績予測値を算出する。
【0061】
算出された業績予測値は、業績予測値記憶手段47に記憶される。次のステップ105に進み、記憶された業績予測値から、成果賞与予測値算出手段28によって成果賞与予測値が算出される。この算出値は、成果賞与予測値記憶手段48に記憶される。
【0062】
ステップ106に進み、成果賞与予測値の50%の前払い指示出力機能29により、IF手段20Aを介して、インターネット16経由で銀行サーバ18に、該当する勤労者の口座への振込みを指示する。この振込指示は、成果賞与予測値の50%の前払い指示出力記憶手段49に記憶される。
【0063】
この実施例においては、予め、
図7に示されるように、成果賞与前払い額割合設定画面において前払い額割合を50%と設定している。
【0064】
ステップ107に進み、該当期間中の業績値を、前記と同様に、成果賞与サーバ20に対して、重要業績評価指標毎に入力する。
【0065】
この入力は、重要業績評価指標の業績値データ受付機能30によって受付けられ、且つ、重要業績評価指標の業績値データ記憶手段50に記憶される。
【0066】
ステップ108においては、前記記憶された業績値データに基づき、重要業績評価指標の達成率算出手段31によって達成率が算出される。算出された達成率は、重要業績評価指標の達成率記憶手段51に記憶される。
【0067】
達成率については、
図8に示されるように、例えば売上予算達成率、値入率予算達成率、廃棄ロス改善率、人件費率の重要業績評価指標毎に、予算達成の場合は110、業績が前年を超えた場合は100、前年の業績を超えない場合(未達)は90とし、更に、算定割合(評価係数)が、売上予算達成率、値入率予算達成率、廃棄ロス改善率、人件費率の順で、50:30:15:5の割合としている。
【0068】
例えば、売上げ高に関する指標を110、販売管理費に関する指標を95、在庫高に関する指標を95、労務に関する指標を100、生産性に関する指標を110、効率性に関する指標を95とし、算定割合を3:1:1:2:2:1すると、
評価値は0.3×110+0.1×95+0.1×95+0.2×100+0.2×110+0.1×95=103.5となる。
【0069】
ステップ109に進み、重要業績評価指標の評価値算出手段32により、記憶された達成率に、予め決定されている評価係数を掛けて評価値を算出する。この算出された評価値は、重要業績評価指標の評価値記憶手段52に記憶される。
【0070】
ステップ110に進み、全成果賞与額算出手段33により、記憶された評価値に基いて、重要業績評価指標毎の評価値を加算して、全成果賞与額を算出する。算出された全成果賞与額は、全成果賞与額記憶手段53に記憶される。
【0071】
ステップ111では、成果賞与残額支払指示出力機能34により、全成果賞与額から前払いされた50%を控除した成果賞与残額を算出し、次のステップ112において、IF手段20A、インターネット16を介して銀行サーバ18に、成果賞与残額の支払いを指示する。成果賞与残額支払指示の記録は、成果賞与残額支払指示記憶手段54に記憶される。
【0072】
以上により、成果賞与の算出支払過程を終了する。